図1は、本発明にかかるインクジェット式記録装置の基本構成を斜視図によって示したものである。図1において符号1はキャリッジであり、このキャリッジ1は、キャリッジモータ2により駆動されるタイミングベルト3を介し、ガイドロッド4に案内されてプラテン5の軸方向に往復移動されるように構成されている。
前記キャリッジ1が走査される走査領域には、記録用紙6が配置され、この記録用紙6はキャリッジ1の走査方向に直交するように搬送されるように構成されている。そして、キャリッジ1における前記記録用紙6と対向する下側面には、後述する記録ヘッド7が搭載され、またその上部には前記記録ヘッドにインクを供給するブラック、イエロー、シアン、マゼンタの各インクがそれぞれ貯留されたインクカートリッジ8B,8Y,8C,8Mが、キャリッジ1の上部に形成された後述するカートリッジホルダ内に着脱可能となるように装着されている。
また、非印字領域外であるホームポジションには、キャッピング手段9が配置されており、このキャッピング手段9は、キャリッジ1がホームポジション側へ移動した場合、キャリッジ1の移動に伴い、キャリッジ1に搭載された記録ヘッドのノズル形成面を封止できるように構成されている。
また前記キャッピング手段9は、前記キャリッジ1が印字領域側へ移動するに伴つて降下し、記録ヘッドの封止状態を解くことができるように構成されている。そして、前記キャッピング手段9の下方には、キャッピング手段9の内部空間に対して負圧を与えるための吸引ポンプ10が配置されている。
前記キャッピング手段9は、記録装置の休止期間中における記録ヘッドのノズル開口の乾燥を防止する蓋体として機能する他、記録ヘッドに印刷とは関係のない駆動信号を印加してインク滴を吐出させるフラッシング動作時のインク受けとして機能し、さらに前記吸引ポンプ10からの負圧を記録ヘッドに作用させて、記録ヘッドよりインクを吸引排出させるクリーニング手段としての機能も兼ね備えている。
そして、キャッピング手段9の印字領域側に隣接して、ゴムなどの弾性板からなるワイピング部材11が配置されていて、キャリッジ1がキャッピング手段9側に往復移動する際に、必要に応じて記録ヘッドのノズル形成面を払拭して清掃するワイピング動作がなされるように構成されている。
以上のように構成された記録装置本体は、例えば図2に示す形態の外郭ケース内に収納されている。この外郭ケース15は、その背面側に給紙トレイ16が配置され、またその手前側には排紙トレイ17が配置されている。また外郭ケース15の右隅の上面には、後述するクリーニング指令スイッチやカートリッジ交換スイッチ、および電源スイッチ等を含む操作釦が配列された操作パネル18が配置されている。
前記外郭ケース18の上部を覆う蓋体(以下、プリンタカバーともいう)19が、ヒンジ(図示せず)によって装置の前面側で開閉可能となるように装着されており、このプリンタカバー19には当該カバー19の閉塞状態において、前記操作パネル18に配列された各スイッチが露出できるように窓孔20が形成されている。
そして、前記プリンタカバー19を開放した場合において、インクカートリッジ交換窓21が露出されるように構成されている。なお、このインクカートリッジ交換窓21は、キャッピング手段8が配置されたホームポジションを避けた位置に形成されている。そして、例えばインクカートリッジの交換時においては、キャリッジがカートリッジ交換窓21に移動されるように制御される。
その理由は、例えばインクカートリッジを交換しようとした場合、インクカートリッジの抜き挿しなどによる応力がキャッピング手段に作用して、キャッピング手段の昇降機構を構成するメカニズムに障害を与える問題を回避するためである。また、例えばインクエンドでない場合においてインクカートリッジを交換する操作を行なった場合、密閉されたキャッピング手段内の圧力の変動により、記録ヘッドのノズル開口に形成されたインクのメニスカスを破壊し、印字不良に至らせるという問題を避けるという理由も含まれている。
図3乃至図21は、前記した構成の記録装置に採用され得る本発明にかかる第1態様のインクカートリッジおよびこれを用いたインクジェット式記録装置について示したものである。本発明にかかる第1態様のインクカートリッジおよび記録装置は、インクカートリッジが記録装置側へ装着される直前に、カートリッジに装着された情報記録媒体よりカートリッジに関する情報が読み出され、当該カートリッジの装着の適否を判断するようになされる点に特徴を有する。
まず、図3は記録装置のキャリッジ1上に形成されたカートリッジホルダに、インクカートリッジを装着する直前の様子を模式的に示しており、また図4はインクカートリッジをカートリッジホルダに装着した後の様子を模式的に示している。
キャリッジ1に配置されたカートリッジホルダ(以下、単にホルダともいう)31には、図1に示したように複数のインクカートリッジ(以下、単にカートリッジともいう)8B,8Y,8C,8Mが並列状態に装着される。なお、図3に示す例においては、その内の1つのカートリッジを示しており、代表してこのカートリッジを符号8で示している。
前記カートリッジには、周知のとおりインク貯留室が形成されると共に、当該インク貯留室には、例えばウレタン等の多孔質体にインクが含浸された状態で封入されている。そして、カートリッジ8の下底部にはインク供給口8cが形成されており、このインク供給口8cよりインクが導出できるように構成されている。そして、インク供給口8cには、インク溶媒の揮散を防止するためのインク保護フィルム8gが貼着されており、このインク保護フィルム8gによってインク供給口8cがシールされている。
このカートリッジ8には、不揮発性の記憶媒体、例えばEEPROMのようなICメモリ32が搭載されており、このICメモリ32は、記録装置を制御するための情報を電気的に保持している。ICメモリ32が保持する情報には、誤った種類のカートリッジの装着を防ぐために記録装置が利用する情報や、好適な印刷を行えるように印刷動作を制御するための情報などが含まれている。
より具体的には、そのカートリッジ8が利用できる記録装置の全ての機種情報、カートリッジ8の識別情報(商品名、製造番号など)、封入されているインクの色情報、インクの種類(染料、顔料など)に関する情報、インクの有効期限(または製造年月日)に関する情報、当該カートリッジのインクの残量情報、および当該カートリッジを用いるときの好適な印刷条件(例えば、印刷ヘッドへの印加電圧やノズルからのインク吐出回数)などが含まれる。
この実施の形態における前記カートリッジ8には、ICメモリ32に対するアクセス端子としての一対の電極端子(または電極端子群)33A,33Bが配置されている。これらのアクセス用の電極端子33A,33Bは、カートリッジ8の外表面であって、ホルダ31に対するカートリッジ8の挿入方向と略平行な面上に配置されており、前記挿入方向に沿った異なる位置、すなわち図中上下方向に若干離された状態で配置されている。
前記ICメモリ32に接続された第1の電極端子33Aは、カートリッジ8がホルダ31に挿入されるときに、インク保護フィルム8gがホルダ31の内奥に設けられたインク取込手段としてのインク供給針34によって破壊される前の第1位置において、ホルダ31の内壁に配置された接触端子(または接触端子群)35と接触するような位置に設けられている。
また、ICメモリ32に接続された第2の電極端子33Bは、ホルダ31へのカートリッジ8の装着が完了した第28位置に達したときに、すなわち図4に示すようにインク取込手段としてのインク供給針34がインク保護フィルム8gを破壊して、記録装置側にインクが供給される状態となったときに、ホルダ31側に配置された接触端子35と接触するような位置に設けられている。
このような構成により、記録装置はカートリッジ8が装着される際、カートリッジ8のインク保護フィルム8gにインク供給針34が接触する前の第1位置において、カートリッジ8におけるのICメモリ32への電極端子33Aを通じて情報をアクセスし、カートリッジ8の装着の適否をチェックすることができる。
そして、カートリッジ8が第1位置から第2位置に達する途中において、インク供給針31によってカートリッジ8に備えられたインク保護フィルム8gが破壊され、カートリッジ8は第2位置に達した状態で、インク供給針31の先端部付近に設けられたインク供給穴34aを介して記録装置ヘッドにインクが供給されるようになされる。また、この状態においてICメモリ32に接続された電極端子33Bを通じて、前記ICメモリ32に対してアクセスすることができ、前記した好適な印刷条件などに基づいて印刷を実行することができる。
なお、前記ホルダ31には、カートリッジ8が前記した第1位置に挿入された状態で、それ以上の挿入を一時的に阻止することができる挿入阻止手段を構成するロック機構36が配置されている。このロック機構36によってカートリッジ8が第1位置にロックされた状態で、前記端子35に接続された読み出し書き込み手段37を介して、ICメモリ32からの読み出し信号が記録装置内のCPU38に伝達される。
そして、CPU38においてカートリッジの装着の適否が判定され、カートリッジが適正なものであると判定された場合には、CPU38からの指令信号によってロック機構36は退避され、この結果、図4に示すようにカートリッジをインクを供給し得る前記第2位置に移動させることができる。
図5は、カートリッジ8がホルダ31に装着されるときに記録装置が行う判定動作を示す。まず、ホルダ31内のロック機構36は、前のカートリッジがホルダ31から引き抜かれた後、次のカートリッジ8が挿入される前は、ホルダ31の内壁に突出したロック状態にある。このような状態でカートリッジ8が挿入されると(ステップS1)、ロック機構36はカートリッジ8を、カートリッジのインク供給口に8に配置したインク保護フィルム8gがインク供給針34に届かない位置でロックする。
そして、その位置において、カートリッジ8に配置された電極端子33Aとホルダ31側に配置された接触端子35とが接触して、ICメモリ32と読み出し書き込み手段37とが電気的に接続される。
記録装置側のCPU38は、読み出し書き込み手段37を介して、ICメモリ32が保持している情報、例えば、カートリッジが利用できる全ての記録装置機種、カートリッジの識別情報、インクの色、種類、有効期限、残量などの情報を読み出し(ステップS2)、挿入されたカートリッジが装着に適したインクカートリッジであるか否かをチェックする(ステップS3)。
例えば、記録装置の機種は適合しており、カートリッジ種類、インク色、種類が正しく、且つ、インクの有効期限が経過しておらず、インク残量も規定値以上であれば適正と判断する。このステップS3において、装着が適正である(Yes)と判定された場合には、ロック機構36をカートリッジ8の更なる挿入を妨げない位置(ホルダ31の内壁部)に退避させると共に、ユーザに対して装着を許可するようになされる(ステップS4)。
また、ステップS3においてカートリッジの装着が不適正であると判定された場合(Noの場合)には、ユーザにその旨を報知して警告を発する(ステップS5)。前記した警告手段としては、警告音を発したり、ランプを点灯させたり、パネルにメッセージを表示するなどの手段が採用される。
前記したステップS4に基づいて、カートリッジ8がホルダ31に装着された場合には、カートリッジ8のICメモリ32は、電極端子33Bと接触端子35とを介して記録装置の読み出し書き込み手段37と電気的に接続される。記録装置側に配置された前記CPU38は、読み出し書き込み手段37を介して、ICメモリ32が保持している情報、例えば、インクの残量や好適な印刷条件などを読み出して、印刷処理を実行する態勢を整える。
なお、記録装置におけるCPU38は、印刷処理に伴って変化する情報、例えばインクの残量などを、印刷の実行に応じて適宜にICメモリ38に書き込むこともできる。また、ICメモリ38から前記情報を読み出せない場合には、カートリッジ8が、前記した第2位置に至る状態に装着されていないと判断して、その旨をユーザに報知するようにしても良い。
前記した実施の形態によれば、カートリッジ8のホルダ31内への進入を、インク供給針34がカートリッジ8内に入る手前の位置で阻止し、そこで、カートリッジ8の装着の適否をチェックする。これにより。インク供給針34によってカートリッジ8に備えられたインク保護フィルム8gを破壊する前に、装着に適したインクカートリッジであるか否かを確実に認識することができる。
また、その適否チェックにおいては、カートリッジ8の形状からはユーザが知り得ない情報、例えばインクの残量、インクの有効期限などを記録装置において確認することができる。これにより、挿入されたカートリッジの装着を阻止することができ、適正でないインクが記録装置側に供給されることを確実に防ぐことができる。
図6は、前記した構成の記録装置において、好適に利用することができるインクカートリッジの外観構成を示している。このカートリッジ8は、直方体状に形成された容器8aの上部に、蓋体8bが気密状態に取り付けられてカートリッジの外廓を構成している。容器8aの底部には、ホルダ31に装着された時、インク供給針34に対向する位置にインク供給口8cが形成され、インク供給口8c側の垂直壁8dの上端には、後述するホルダ側に配置されたレバーの突起に係合する張出し部8eが一体に形成されている。
また、インク供給口8c側の垂直壁8dには回路基板40が装着されている。この回路基板40は、図7(a)に示されたようにカートリッジの挿入方向にそれぞれ2段にグループ化されて第1の電極端子群33Aおよび第2の電極端子群33Bが形成されている。また回路基板の裏面には、図7(b)に示されたようにICメモリ32が実装されている。
図7に示された実施の形態においては、図には示されていないが、前記ICメモリ32より、第1の電極端子群33Aおよび第2の電極端子群33Bに対して並列状態に信号線が接続されている。すなわち、第1の電極端子群33Aおよび第2の電極端子群33Bのいずれを利用しても、前記ICメモリ38に対する情報信号の授受をなすことができる。なお、第1の電極端子群33Aおよび第2の電極端子群33Bに挟まれた符号33cで示された電極は、製造工程でチェック用に使用される電極を示している。
図8は、カートリッジがホルダに挿入される工程における前記した第1位置および第2位置において、前記した回路基板40に形成された第1の電極端子群33Aおよび第2の電極端子群33Bに、ホルダ31の内壁に配置された接触端子群35が接触する状態を示したものである。この接触端子群35には、例えば燐青銅のような弾性力を有する接点形成部材35aが用いられており、カートリッジの挿入方向に沿ってそれぞれ上下2段に形成されている。
そして、カートリッジがホルダに挿入されて第1位置に到来した時に、第1の電極端子群33Aに対して接触端子群35が接触する。これにより、前記ICメモリ38と読み出し書き込み手段37との電気的な接触がとられ、ICメモリ32からの読み出し信号が記録装置内の前記CPU38に伝達される。この時、前記したように記録装置側のCPU38は、読み出し書き込み手段37を介して、ICメモリ32が保持している情報を読み出して、挿入されたカートリッジが装着に適したインクカートリッジであるか否かをチェックする。
挿入されたカートリッジが装着に適したインクカートリッジであると判定されると、前記したようにカートリッジの装着が許可され、これに伴いカートリッジは第2位置に移動して装着される。この時、カートリッジに取り付けられた前記回路基板40は矢印A方向に相対移動し、これにより第2の電極端子群33Bに対して接触端子群35が接触する。なお、図8(a)における第2の電極端子群33Bにダブルハッチングを施した部分は、前記接触端子群35がそれぞれ接触している様子を示している。
したがって、前記ICメモリ38と読み出し書き込み手段37との電気的な接触がとられ、記録装置側のCPU38は、読み出し書き込み手段37を介して、ICメモリ32が保持しているインクの残量や好適な印刷条件などを読み出すことができ、印刷処理を実行する態勢を整えることができる。
次に図9は、第2の実施の形態において、記録装置のキャリッジ1上に形成されたカートリッジホルダに、インクカートリッジを装着する直前の様子を模式的に示しており、また図10はインクカートリッジをカートリッジホルダに装着した後の様子を模式的に示している。なお、両図において前記した図3および図4に示した実施の形態における各部に相当する部分には同一の参照番号を付してある。以下、相違点のみを説明する。
この実施の形態におけるカートリッジ8には、ICメモリ32へのアクセス用の電極端子33が1セットのみ備えられている。一方、ホルダ31には、読み出し書き込み手段37に並列に接続された2セットの接触端子35Aおよび35Bが上下方向に配置されている。そして、ホルダ31側における第1の接触端子35Aは、図6に示されたように、ロック機構36によってカートリッジ8が第1位置にロックされているときに、カートリッジ8に備えられた電極端子33と接触する位置に備えられている。
また、ホルダ31側における第2の接触端子35Bは、図7に示されたように、前記ロック機構36によるロック状態が解除、カートリッジ8が第2位置に移動された時に、カートリッジ8に備えられた前記電極端子33と接触する位置に備られている。
この構成により、記録装置におけるCPU38は、ロック機構36によってカートリッジ8を第1位置にロックした状態で、接触端子35Aを介して、ICメモリ32が保持している情報を読み出すことができ、カートリッジ8が装着に適したものであるか否かをチェックすることができる。この結果、装着に適していると判断した場合には、図10に示されたように、ロック機構36はカートリッジ8の更なる挿入を妨げない位置に退避し、これによりカートリッジ8の装着を許可する。そして、カートリッジ8が第2位置に移動すると、CPU38は、第2の接触端子35Bを介して、ICメモリ32から好適な印刷条件などを読み出して、印刷処理を実行する態勢を整える。
図11は、前記した構成の記録装置において、好適に利用することができるインクカートリッジの外観構成を示している。なお、図11に示したインクカートリッジ8の基本構成は、前記した図6に示した構成と同一である。その相違点は、カートリッジ8に搭載された回路基板40の構成にある。
図12は、その回路基板の構成を示したものである。この回路基板40には、図12(a)に示されたようにカートリッジの挿入方向に2段にグループ化された電極端子群33が形成されている。また回路基板の裏面には、図7(b)に示されたようにICメモリ32が実装されている。すなわち、この図12に示された回路基板40は、前記した図7に示された回路基板に比較すると、電極端子群33が1セットで構成されている。
図13は、図12に示された回路基板を搭載したカートリッジが、ホルダに挿入される工程における前記した第1位置および第2位置において、回路基板40に形成された電極端子群33がホルダ31の内壁に配置された第1と第2の接触端子群35A,35Bが接触する状態を示したものである。
まず、カートリッジがホルダに挿入されて第1位置に到来した時に、回路基板に形成された電極端子群33に対して、第1の接触端子群35Aが接触する。これにより、前記ICメモリ38と読み出し書き込み手段37との電気的な接触がとられ、ICメモリ32からの読み出し信号が記録装置内の前記CPU38に伝達される。この時、前記したように記録装置側のCPU38は、読み出し書き込み手段37を介して、ICメモリ32が保持している情報を読み出して、挿入されたカートリッジが装着に適したインクカートリッジであるか否かをチェックする。
挿入されたカートリッジが装着に適したインクカートリッジであると判定されると、前記したようにカートリッジの装着が許可され、これに伴いカートリッジは第2位置に移動して装着される。この時、カートリッジに取り付けられた前記回路基板40は矢印A方向に相対移動し、これにより回路基板40に形成された電極端子群33に対して、第2の接触端子群35Bが接触する。なお、図13(a)における電極端子群33にダブルハッチングを施した部分は、前記第2接触端子群35Bがそれぞれ接触している様子を示している。
したがって、前記ICメモリ38と読み出し書き込み手段37との電気的な接触がとられ、記録装置側のCPU38は、読み出し書き込み手段37を介して、ICメモリ32が保持しているインクの残量や好適な印刷条件などを読み出すことができ、印刷処理を実行する態勢を整えることができる。
図14は、図9に示した実施の形態の改良例を示している。なお、図14において、図9に示した構成の各部に相当する部分は同一符号で示している。この図14に示した構成においては、前記第1位置でインクカートリッジを挿入できないよう一時的に阻止する挿入阻止手段としての移動可能なロック機構36に、段部36aが形成されている。そして、この段部36aにおいてカートリッジの外郭面に係止してインクカートリッジを第1位置でロックするように作用する。一方、ロック機構36の段部36aを形成した垂直面36bには、カートリッジ側に配置された電極端子33に接触できる接触端子35が配置されている。
このように構成することで、インクカートリッジを第1位置でロックした際、前記ロック機構36に形成されたの段部36aによってカートリッジの位置決めを果たすことができ、また、ロック機構36に接触端子35が配置されているので、位置決めされた状態のカートリッジ側に配置された前記電極端子33に対して、接触端子35が正確に接触することができる。
次に図15は、第3の実施の形態におけるカートリッジの装着機構を模式図で示している。この図15に示した実施の形態においては、カートリッジ8はカートリッジホルダ31に対して水平方向に装着されるように構成されている。そのために、カートリッジ8には、カートリッジホルダ31に対するカートリッジの挿入方向と略平行な面である上面に、記録装置を制御するための情報を保持するICメモリ32を備えている。この場合、ICメモリ32の上面に、このICメモリ32へのアクセス端子が形成されている。
ホルダ31には、図中右側に形成された挿入口41からカートリッジ8を途中の深さまで挿入した後、挿入口41に設けられた蓋体42を矢印B方向に閉じることで、蓋体42によってカートリッジ8を押し込んで、ホルダ31に装着する構成になされており、この時ホルダ31の最奥に設けられたインク供給針34が、相対的にカートリッジ8内に挿入されて接合し、カートリッジ8からインクを導出することができるように構成されている。
前記ホルダ31は、その天井壁にカートリッジ8が途中の深さまで挿入された第1位置、すなわち、インク供給針34がカートリッジ8に備えられたインク保護フィルム(図示せず)に届かない位置で、カートリッジの挿入をロックするロック機構36が備えられている。このロック機構36は、一端がホルダ31の天井壁に枢支された板状部材により構成されており、後述するように挿入されたカートリッジ8が適正なものであると判断された場合には、ロック機構36を構成する板状部材は、矢印Cに示すようにホルダ31の天井壁側に跳ね上がり、カートリッジ8の装着を許可するようになされる。
前記ホルダ31には、カートリッジ8に備えられたICメモリ32に対向する面である天井壁内面に、ICメモリ32からの情報を読み出し書き込み手段37に対して送出するための2セットの接触端子35A,35Bが配置されている。その第1の接触端子35Aは、カートリッジ8が板状部材により構成されたロック機構36によってロックされる第1位置に挿入されたときに、ICメモリ32の上面に形成されたアクセス端子に接触できる位置に配置されている。また、第2の接触端子35Bは、カートリッジ31がさらに挿入されて第2位置に達したときに、ICメモリ32の上面に形成されたアクセス端子に接触できる位置に配置されている。
この実施の形態においては、CPU38は、カートリッジ8の先端部が板状部材により構成されたロック機構36の位置まで挿入された段階で、ICメモリ32にアクセスしてカートリッジ8の装着の適否を判断し、その結果をユーザに通知するようになされる。その判定結果が装着可能である場合において、ユーザは蓋体42を閉じることにより、カートリッジ8をホルダ31内に装着することができる。
そして、カートリッジ8がホルダ31内に装着されて第2位置に達した場合には、第2の接触端子35Bを介してICメモリ32の上面に形成されたアクセス端子と信号の授受がなされ、前記した第1および第2の実施の形態と同様に印刷処理を実行する態勢を整えることができる。
次に図16は、第4の実施の形態にかかるカートリッジと、そのホルダの構成を示しており、カートリッジをホルダに装着するときの動作を、(a)〜(d)にしたがって順に示している。インクカートリッジ8には、その下側面に紙面において表裏方向に走る凹部43が形成されている。そして、この凹部43にICメモリ32へのアクセス端子、すなわち電極端子33が備えられている。
一方、カートリッジホルダ31は、カートリッジ挿入口41と、蓋体42と、カートリッジ挿入時にカートリッジ8の前記凹部43に入り込んでカートリッジ8を下方から支える支持棒(紙面表裏方向へ延びている)44と、この支持棒44の端部を収容して支持棒44をホルダ31の内奥に案内するホルダ内壁に刻まれたガイド溝45と、前記蓋体42の開閉に連動して前記支持棒44をガイド溝45の方向に案内するリフタ46とが備えられており、ホルダ31の内底部にはインク供給針34が配置されている。
また、前記支持棒44の上面には、この支持棒44がカートリッジ8に形成された前記凹部43に入り込んだ時に、この凹部43内に配置されたアクセス端子としての電極端子33と接触する接触端子35が配置されている。そして、この接触端子35は、ICメモリ32が保持する情報を読み出し書き込み手段(図示せず)に接続されている。
この構成において、インクカートリッジ8を装着するときは、まず図16(a)に示すように、蓋体42を全開にする。これにより、支持棒44は、ガイド溝45の上端に水平方向に形成された鍵型部47に入り込み、係止される。
続いて、図16(b)に示すように、カートリッジ8をホルダ31の挿入口41に入れて、カートリッジ8に形成された凹部43を支持棒44に係合させる。これにより、カートリッジの凹部43に配置された電極端子33に、支持棒44に形成された接触端子35が接触して、記録装置のCPU(図示せず)はカートリッジ8に搭載されたICメモリ32にアクセスできる状態となる。すなわち、この状態はカートリッジの装着手前の前記第1位置に相当する。
そこで、記録装置側のCPUは、ICメモリ32が保持している情報を読み出し、カートリッジ8の装着の適否がチェックされる。装着が不適正であればユーザに警告し、適正であればその旨をユーザに知らせる。この適正の判定結果を知って、ユーザは図16(c)に示すように、蓋体42を閉じる操作を行なう。
蓋体42の閉塞操作に連動して、前記支持棒44はガイド溝45に沿って下降し、カートリッジ8を内奥へと案内する。さらに、蓋体42を閉じる操作により、蓋体42の押圧力をカートリッジ8に加えることにより、カートリッジに形成されたインク供給口はインク供給針34に進入する。そして、最後に図16(d)に示されたように、蓋体42を完全に閉じることにより、カートリッジ8の装着が完了する。すなわち、この状態はカートリッジがホルダに装着された前記第1位置に相当する。
なお、カートリッジの装着が完了した状態においても、前記支持棒44に配置された接触端子35は、カートリッジ8に配置された点極端子33に接触された状態となる。したがって、記録装置はカートリッジに搭載されたICメモリ32の情報を読み出して、好適な印刷処理を実行することができる。
なお、この図16に示す形態において、カートリッジ8の装着の適否を判定する時期は、蓋体42を全開にしたときに限らず、カートリッジに形成されたインク供給口、好ましくはインク供給口をシールするインク保護フィルムが、インク供給針34によって破壊される前であればよい。
次に図17は、前記ICメモリを搭載しインクカートリッジに配置される回路基板の他の形態を示したものである。この回路基板40は、図6に示したインクカートリッジに採用することができ、図3および図4に示した実施の形態において、好適に利用することができる。この図17に示した回路基板40においては、カートリッジの挿入方向に2段にグループ化された電極端子群33のうち、下側の3つの電極端子は、上下方向に長く形成されている。
この構成によって、上下方向に長く形成された下側の3つの電極端子は、カートリッジの装着手前の第1位置に挿入された場合において、下側の3つの電極端子の下端部が、ホルダ側に配置された第1接触端子33Aに接触することができる。この時、前記3つの電極端子を利用してICメモリより情報を読み出し、当該カートリッジの装着の適否が判定される。
そして、カートリッジが第2位置に移動したホルダへの装着状態においては、2段にグループ化された上側の3つの電極端子と、下側の3つの電極端子の上端部で、ホルダ側に配置された第2接触端子33Bに接触することができる。
また、図18は、前記ICメモリを搭載しインクカートリッジに配置される回路基板のさらに他の形態を示したものである。この回路基板40は、その下端部に光学的に読み取り可能なパターン配列、すなわちバーコード49が形成されている。そして、このバーコード49はカートリッジの装着手前の第1位置に挿入された状態において、ホルダ側に配置されたバーコード読取り機によって読み取られるようになされ、前記バーコードパターン配列の情報に基づいて、前記インクカートリッジの装着の適否が判断できるようにされる。
図19は、図18に示した回路基板を搭載したカートリッジ8と、これを装着するホルダ31との構成を断面状態で示したものである。なお、図19においては、すでに説明した各部に相当する部分には同一符号が付されている。この図19に示す形態においては、蓋体42の基端部に鉤状の突起42aが形成されており、図に示すようにカートリッジを挿入すると、カートリッジのインク供給口8c側に形成された張出し部8eが鉤状の突起42aに受け止められる。すなわち、カートリッジ8はホルダ31への装着前の第1位置に設定される。
一方、ホルダの内壁部弐は、バーコード読取り機50が配置されており、第1位置に設定されたカートリッジ8における前記回路基板40に付設されたバーコード49を、前記バーコード読取り機50によって読み取ることができる。そして、このバーコードを解析することによって、第1位置に挿入されたカートリッジの装着の適否を判断することができる。
そして、挿入されたカートリッジが適正であると判定され、その旨のメッセイジ等を得た場合において、前記蓋体42を閉じることにより、蓋体42の基端部に形成された鉤状の突起42aは下方に後退し、カートリッジ8は蓋体42の裏面に配置された弾性部材42bを介して、ホルダ31内に押し込まれる。この結果、インク供給口8cをシールする保護フィルム8gは、インク供給針34によって破壊され、インク供給口8cはインク供給針34に接合される。
この状態(第2位置)においては、カートリッジに搭載された回路基板40における電極端子33が、ホルダ側に配置された接触端子35に接触し、記録装置はカートリッジに搭載されたICメモリ32の情報を読み出して、好適な印刷処理を実行することができる。
なお、前記した形態は非接触の状態で、カートリッジの装着の適否を判定する情報を得るようにしているが、カートリッジに搭載されたICメモリ32の情報を無線通信手段によって、ホルダ側に伝達する手段も採用することができる。この場合に利用される前記無線通信手段は、ごく微弱な電波を利用して、対向する距離が数ミリメートル以内で信号の授受がなされる構成を利用する必要がある。
図20は、前記ICメモリを搭載しインクカートリッジに配置される回路基板のさらに他の形態を示したものである。この図20に示された形態は、インクカートリッジが前記第1位置に挿入された状態において、カートリッジ側の電極端子に接触する記録装置側に配置された接触端子の導通状態に応じて、インクカートリッジの装着の適否が判断できるように構成されている。
すなわち、図20に示した構成は異なる3つのカートリッジCA1,CA2,CA3に対して回路基板40をそれぞれ配置した構成を示している。これらの回路基板はすでに説明した図12に示された回路基板の構成と同一である。そして、各回路基板40はそれぞれのカートリッジに対する取り付け位置が異なるように構成されている。第1のカートリッジCA1には、回路基板40が矢印CEで示すように、ほぼ中央部に取り付けられており、また第2のカートリッジCA2には、中央を示す矢印CEに対して左側に取り付けられており、さらに第3のカートリッジCA3には、中央を示す矢印CEに対して右側に取り付けられている。
一方、カートリッジがホルダに挿入されて第1位置に至った場合に、前記回路基板40の下側の電極端子に接触する接触端子が、ホルダ側に配置されている。ホルダ側に配置された接触端子は、それぞれのカートリッジが挿入される中央部を基準にして、左右方向に若干のずれを持たせてそれぞれ配置されている。
図20に示した例においては、回路基板40の下側の電極端子、特にその中央の幅広の電極端子にダブルハッチングで示したように、それぞれ一対の接触端子が接触しており、これにより導通状態になされる。したがって、この図20に示した例は、3つのカートリッジCA1,CA2,CA3は、いずれも適正に装着することが可能である状態を示している。
仮に、第1のカートリッジCA1を、第2のカートリッジCA2が適正に装着されるホルダに挿入したとすると、ホルダ側に配置された接触端子においては、前記したような導通状態を得ることができない。したがって、この場合には不適性なカートリッジが挿入されたことが検知できる。
さらに図21は、前記ICメモリを搭載しインクカートリッジに配置される回路基板のさらに他の形態を示したものである。この図21に示された形態は、インクカートリッジが第1位置に挿入された状態において、記録装置側に配置された接触端子に接触する専用の電極端子33dが回路基板40に形成された形態を示している。
すなわち図21に示す形態によると、第1のカートリッジCA1においては、専用の電極端子33dは回路基板40において若干左寄りに付設されている。
また第2のカートリッジCA2においては、専用の電極端子33dは回路基板40において若干右寄りに付設されている。さらに第3のカートリッジCA3においては、専用の電極端子33dは回路基板40において幅広に付設されている。
一方、ホルダ側にはダブルハッチングで示すように、3つの接触端子が配置されている。したがって、前記した専用の電極端子33dのパターンによって、電極端子33dの接続状態がそれぞれ変化する。この状態を検知することにより、インクカートリッジの装着の適否を判断することができる。
以上、本発明にかかる第1態様の好適な幾つかの実施の形態を説明したが、これらは本発明の説明のための例示であって、本発明の範囲をこれらの実施の形態に限定する趣旨ではない。本発明は、他の種々の形態でも実施することが可能である。例えば、前記ICメモリは、光記録媒体などに代えても良い。光記録媒体のように読み書きヘッドによって直接データを読み書きする記録媒体を用いる場合は、前記した実施の形態における回路基板40の位置に、その記録媒体が配置され、接触端子35に代えて読み書きヘッドが配置されることになる。
次に、本発明にかかる第2態様の記録装置および同装置におけるインクカートリッジの交換制御方法について、図22乃至図29に基づいて説明する。この第2態様の記録装置においては、先にも述べたとおり、カートリッジに搭載された記録媒体から情報を読み出し、適正なインクカートリッジであると判定された場合には、インクを導出させるインク取込手段を駆動してカートリッジのインク供給口に接合させるように構成した点に特徴を有する。
本発明にかかる第2態様の記録装置においても、前記した図1および図2に示された構成が採用される。そして、図2に示されたように、ユーザはカートリッジ交換窓21に移動したキャリッジに配置された後述するカートリッジ固定レバー51を引上げることで、キャリッジよりカートリッジを引き抜くことができる。また、新しいカートリッジを装着した後に、前記カートリッジ固定レバー51を引き下げて締結することで、後述するように新たに装着されたインクカートリッジに搭載された記録媒体よりカートリッジに関する情報が読み出され、当該カートリッジの利用の可否が検証される。
そして、当該カートリッジの利用が可能であると判定された場合には、キャリッジは交換窓21からキャッピング手段9が配置されたホームポジションに移動し、装着されたカートリッジに対して中空状のインク供給針が接続される。
図22は、キャリッジ1上に搭載されたカートリッジホルダの全体構成を斜視図によって示したものであり、この実施の形態においては図1において説明したようにブラック、イエロー、シアン、マゼンタの各インクが貯留されたインクカートリッジが装着されるように構成されている。また、図23乃至図27は、そのうちの1つのインクカートリッジを交換する場合になされる動作順序について示したものであり、図23は印字可能な状態を、図24はカートリッジ交換レバーを若干引き上げた状態を、図25はカートリッジ交換レバーをさらに引き上げてカートリッジが交換可能になされた状態を、図26は例えば新たなインクカートリッジを装着してカートリッジ交換レバーを引き下げた状態を、図27は装着されたインクカートリッジにインク供給針が接続されてインクが導出されるようになされた状態をそれぞれ断面図で示している。
まず、図22に示されたようにキャリッジ1は、ガイドロッド4に案内されて水平方向に移動できるように構成されており、キャリッジ1の上面には、装着される各インクカートリッジに対応して、カートリッジ固定レバー51B,51Y,51C,51Mが配置されている。そしてキャリッジ1の下面には、装着された各カートリッジからのインクの供給を受ける記録ヘッド7が装着されている。
また、キャリッジ1の前面側には、後で詳細に説明する供給針駆動レバー52B,52Y,52C,52Mの一部が現われており、前記各供給針駆動レバー52B,52Y,52C,52Mは、それぞれに配置されたストッパーレバー53B,53Y,53C,53Mによって、各供給針駆動レバーの係合および解除がなされるように構成されている。
また、図22における符号54はホームポジションに配置されたカム部材を示しており、このカム部材54の回転駆動により押し上げられるセットレバー55が具備されている。そして、キャリッジ1がホームポジションに移動した時に、後述するようにセットレバー55の押し上がり駆動を受けて、前記各供給針駆動レバー52B,52Y,52C,52Mの端部が引き上げられ、ストッパーレバー53B,53Y,53C,53Mによって、係合されるように構成されている。
次に、図23乃至図27に基づいてインクカートリッジの交換操作について説明する。なお、図23乃至図27については、前記したように1つのインクカートリッジの交換操作について順を追って説明しており、したがつて図22に示したインクの種類を示す各B,Y,C,Mの符号を除いた同一符号で示している。
この記録装置に用いられるインクカートリッジ8は、例えば図25に特徴点が表わされているように、内部に多孔質体8hが格納されてこの多孔質体8hにインクが含浸された状態で保持されている。そして、その下底部の前部にはインク供給口8cが形成されていて、その孔内には環状のパッキング部材8iが取り付けられている。また図には示されていないが、インク供給口8cの下端部にはインク保護フィルムが貼着されていて、カートリッジの保管中において、インク溶媒の揮散が防止されるように構成されている。
また、前記インクカートリッジ8の下底部における後部には、読み出し書き込みが可能な記憶媒体としてのICメモリ32が、基板40に装着された状態で取り付けられている。この記憶素子32には、前記したように例えば当該カートリッジにおけるインクの種類、あるいは製造年月日(または使用可能期限)等などの情報が書き込まれている。
一方、キャリッジ側には、前記カートリッジが装着された状態で、前記基板40に接触する接触端子35が配置されており、この接触端子35を介してキャリッジにカートリッジが装着されたか否かの情報、および前記記憶素子32に格納されたカートリッジに関する情報を読み出すことができるように構成されている。
前記供給針駆動レバー52は、図23に示されたように支軸52aを介して、その自由端側が上下方向に回動できるように構成されている。そして、供給針駆動レバー52の回動動作にリンクされてインク取込手段を構成する中空状のインク供給針34が、軸方向に垂直状態を保ったまま、上下方向に移動できるように構成されている。
この構成によって、例えば図23に示されたように、装着されたインクカートリッジのインク供給口8cにインク供給針34が挿入されて接続された状態、また例えば図24に示されたように、インク供給針34が降下してインクカートリッジのインク供給口8cからインク供給針34が取り外された状態が選択される。なお、前記インク供給針34より記録ヘッド7に対して可撓性のインク供給チューブ56が接続されており、インク供給針34によってカートリッジより導出されたインクはインク供給チューブ56を介して前記記録ヘッド7に供給されるようになされる。
図23は、装着されたインクカートリッジのインク供給口8cにインク供給針34が挿入されて接続された印字可能な状態を示している。この状態においては、供給針駆動レバー52に形成された係合孔52bに、ストッパーレバー53に形成された係合部53aが係合されて、供給針駆動レバー52の自由端側が上方に移動された状態が保持されている。なお、前記ストッパーレバー53は、支軸53cによって軸支されており、またストッパーレバー53は、図示せぬバネ部材によって、その自由端が図中右方向(時計回り方向)に付勢されるように構成されている。
ここで、インクカートリッジを交換しようとする場合には、後述するカートリッジ交換スイッチ73を操作することで、キャリッジ1はホームポジションから図2に示されたようにカートリッジ交換窓21に移動する。そして図23に示されたカートリッジ固定レバー51の前端部を引き上げるように操作することで、カートリッジ固定レバー51に形成された係合突起51aは、キャリッジ1の本体に形成された係合部1bに対する係合が解除される。
そして、そのままカートリッジ固定レバー51を引き上げることで、図24に示されたようにカートリッジ固定レバー51に形成された折り曲げ部51bがストッパーレバー53に当接し、ストッパーレバー53の自由端を手前方向(図24において左方向)に回動させるように作用する。
このために、供給針駆動レバー52に形成された係合孔52bに対するストッパーレバー53に形成された係合部53aの係合が解除され、供給針駆動レバー52はキャリッジ本体側との間に配置されたバネ部材57の付勢力を受けて、供給針駆動レバー52は、その自由端側が降下される。これによって図24に示されたようにインク供給針34が降下してインクカートリッジのインク供給口8cからインク供給針34が取り外された状態とされる。
この時、カートリッジ固定レバー51の基端部に形成された爪部51cが、インクカートリッジ8に形成された張出し部8eに係合して、インクカートリッジ8を押し上げるように作用する。そして、なおもカートリッジ固定レバー51の前端部を引き上げるように操作した図25に示された状態で、インクカートリッジ8をキャリッジから取り出すことができる。
図25に示す状態で、交換した新たなインクカートリッジ8を再び装着し、カートリッジ固定レバー51を手前に引き下げるように操作することで、図26に示されたようにカートリッジ固定レバー51に形成された係合突起51aが、係合部1bに係合して締結される。この時、固定レバー51の裏面に配置されたリーフバネ51dが、カートリッジ8の上面に当接してカートリッジ8を下方向に押し込むように作用する。したがって、カートリッジ8に取り付けられた前記ICメモリ32が、接触端子35を介して記録装置側に接続される。これにより、ICメモリ32に書き込まれたカートリッジ情報を読み出すことが可能になる。
そして、後述するように記録装置はICメモリ32に書き込まれたカートリッジ情報を読み出して解析し、当該カートリッジが使用可能であると判定した場合には、キャリッジ1をホームポジションに移動させる操作がなされる。キャリッジ1がホームポジションに移動した場合には、図27に示されたようにホームポジションに配置されたカム部材54が矢印Dに示す方向に1回転する動作が実行される。
このカム部材54の回転駆動により、セットレバー55は押し上げられ、セットレバー55の先端は前記供給針駆動レバー52に当接して、これを押し上げるように操作する。したがって、供給針駆動レバー52に形成された係合孔52bに、ストッパーレバー53に形成された係合部53aが係合されて、供給針駆動レバー52の自由端側が上方に移動された状態にロックされる。この時、前記したようにインク供給針34が上昇して、装着されたインクカートリッジのインク供給口8cに接合され、当該カートリッジより記録ヘッド7にインクが供給されるようになされる。
図28は、前記した構成の記録装置に搭載されて、本発明にかかるインクカートリッジの交換制御方法を実現する制御回路の例を示している。なお、図28においては、すでに説明した各部に相当する部分を同一符号で示しており、したがってその説明は省略する。なお、図28に示すようにキャッピング手段9には前記した吸引ポンプ10が接続されており、吸引ポンプ10の排出側は廃液タンク13に接続されている。
また、この実施の形態においては、吸引ポンプ10を駆動するモータ60による駆動力は、摩擦クラッチ14を介してレバー15をいずれかの方向に回動させるように構成されている。そして、このレバー15のいずれかの方向への回動により、前記ワイピング部材11を保持する保持部材11aを水平方向のいずれかに摺動し、前記ワイピング部材11が記録ヘッド7の移動軌跡に進出して記録ヘッド7のノズル形成面を払拭して清掃するワイピング動作がなされるように構成されている。
図28に示す符号61は印刷制御手段であり、この印刷制御手段61はホストコンピュータからの印刷データに基づいてビットマップデータを生成し、このデータに基づいてヘッド駆動手段62により駆動信号を発生させて、キャリッジ1に搭載された記録ヘッド7からインク滴を吐出させる機能を備えている。このヘッド駆動手段62は、印刷データに基づく駆動信号の他に、フラッシング制御手段63からのフラッシング指令信号を受けてフラッシング操作のための駆動信号を記録ヘッド7に出力するようにも構成されている。
符号64はクリーニング制御手段であり、このクリーニング制御手段64は、前記した操作パネル18に配置されたクリーニング指令スイッチ65のオン操作を受けたクリーニング指令検知手段66からの指令信号により、クリーニング動作を実行させる機能を備えている。また、クリーニング制御手段64は印刷制御手段61を介して、前記したホストコンピュータよりクリーニング指令を受けた場合においても、同様にクリーニング動作を実行させる機能を備えている。
前記クリーニング制御手段64は、クリーニング指令を受けた場合において、ポンプ駆動手段67を制御し、前記したモータ60を駆動させて吸引ポンプ10等を駆動させる機能を備えている。そして、吸引ポンプ10の駆動動作によりキャッピング手段9の内部空間に負圧を与え、記録ヘッド7のノズル開口よりインクを吸引排出させるようになされる。また、キャッピング手段9によるノズル形成面の封止を解いた状態で、再び吸引ポンプ10を駆動動作させることにより、キャッピング手段9の内部空間に排出されたインク廃液を廃液タンク13に廃棄することができる。
一方、符号68は読み出し書き込み手段を示しており、この読み出し書き込み手段68は、キヤリッジ上に装着された前記各インクカートリッジに搭載されたICメモリ32に格納されたカートリッジ情報を読み出すように作用する。そして、書き込み読み出し手段68によって読み出されたカートリッジに関する情報は、データ解析手段69に送られ、ここで情報の解析がなされるように構成されている。
また、データ解析手段69には、表示手段70およびカム部材駆動手段71が接続されている。さらにデータ解析手段69には、キャリッジ制御手段72が接続されており、このキャリッジ制御手段72との間で双方向に制御信号の授受がなされるように構成されている。このキャリッジ制御手段72はキャリッジモータ制御手段75に指令信号を送出して、前記したキャリッジモータ2を駆動制御することができるようになされている。そして、前記キャリッジ制御手段72にはエンコーダ74からの信号が供給されるように構成されている。
このエンコーダ74は、前記キャリッジの移動位置を例えば光学的に検知する機能を有しており、キャリッジ制御手段72に接続されたカートリッジ交換スイッチ73を操作することにより、キャリッジ1をホームポジションから前記したカートリッジ交換窓21に移動制御することができるように構成されている。
なお、前記キャリッジ1に対するインクカートリッジの装着状態を検出するインクカートリッジ検出手段76が備えられており、このインクカートリッジ検出手段76による検知情報はホストコンピュータに対して伝達できるように構成されている。このインクカートリッジ検出手段76は、図25に示されたようにキャリッジ上にカートリッジが装着された場合に、カートリッジに搭載されたICメモリ32が接触端子35に接続されたか否かを電気的に検証するように構成されている。
次に、図28に示した制御回路によってなされるインクカートリッジの交換制御について、図29に示すフローチャートに基づいて説明する。このフロートャートの説明に入る前に、いずれかのインクカートリッジのインク量がエンド状態になった場合には、前記表示手段70によってインクエンド状態となったことが表示される。これにしたがって、ユーザは前記したカートリッジ交換スイッチ73を所定時間にわたって押圧操作すると、前記キャリッジ制御手段72より、キャリッジモータ制御手段75に制御信号が送出される。これによりキャリッジモータ2はキャリッジ1をホームポジションから、前記したインクカートリッジ交換窓21に向けて移動させる制御を実行する。そして、キャリッジがインクカートリッジ交換窓21に臨む位置に到達したことがエンコーダ74からの情報で確認されると、キャリッジモータ2の駆動が停止される。
そして、この状態で図24から図25に示したように、インクエンドとなったカートリッジに対応するカートリッジ固定レバー51を引き上げて、インクカートリッジを交換する。そして、図26に示したようにカートリッジ固定レバー51を引き下げて固定レバー51を締結することで、新たなインクカートリッジが装着される。
図29に示すステップS11においては、インクカートリッジが装着されたか否かを検出するようにしており、これはインクカートリッジ検出手段76による検出信号が利用される。これに続くステップS12においては、装着されたインクカートリッジのデータの読み込みが実行される。これは、図28において説明したとおり、書き込み読み出し手段68が、装着されたカートリッジに搭載された記憶素子32より、カートリッジ情報のデータを読み出すことによってなされる。
そして、ステップS13においてカートリッジ情報データの解析がなされる。これは前記書き込み読み出し手段68からのデータを受けたデータ解析手段69によってなされる。そして、ステップS14に示すようにデータ解析手段69において、装着されたカートリッジが使用可能であるか否かが解析(判定)される。この場合、例えば装着されたカートリッジのカートリッジ情報における製造年月日(または使用可能期限)を参照し、期限切れであると解析される場合には、ステップS14においては使用可能ではない(No)と判定され、ステップS15に示すように、表示手段70においてエラーメッセージを表示させるようになされる。
また、ステップS14においてはインクの種類も認識され、例えばブラックインクカートリッジが装着されるべきホルダに、カラーインクカートリッジが装着された場合においても、同様に表示手段70においてエラーメッセージを表示させるようになされる。
そして、ステップS14において、装着されたインクカートリッジは使用可能であると判定された場合には、ステップS16に移行し、交換前のインクカートリッジにおけるインクの排出が必要であるか否かが判定される。この場合、例えばノーマルインクに代えてフォトインクを用いようとする場合には、記録ヘッドのノズル開口に至るインク流路から、先に使用されていた例えばノーマルインクを完全に排出させた後に、フォトインクのカートリッジを装着させることが望ましい。したがって、ステップS17に示すようにインクの排出動作が実行される。
このインクの排出動作を実行するには、データ解析手段69よりキャリッジ制御手段72に対して制御信号が送出され、キャリッジ制御手段72からキャリッジモータ制御手段75に指令信号が送出されることで、キャリッジ1はホームポジションに移送される。続いて、データ解析手段69よりクリーニング制御手段64に制御信号が送出され、クリーニング制御手段64が動作して、キャッピング手段9に作用する負圧によって、記録ヘッド7のノズル開口に至るインク流路から、残留インクを排出させる操作が実行される。
このようなインク排出動作の実行に続いて、ステップS18に示す接続ルーチンが実行される。この接続ルーチンを実行するにあたっては、前記データ解析手段69より、カム部材駆動手段71に制御信号が送出され、これによって図27に示したようにカム部材54が矢印D方向に回転駆動される。これに伴って、インク取込手段を構成するインク供給針34がカートリッジ8のインク供給口8cに接続され、カートリッジより記録ヘッドに対してインクが供給される態勢が整えられる。
そして、ステップS19に示したように後処理ルーチンが実行される。この後処理ルーチンは、キャッピング手段9に負圧を加え、記録ヘッド7からインクを吸引排出させることで、新たに装着されたカートリッジからのインクを記録ヘッド7に導入して充填するものであり、これを実行することにより記録ヘッドによる正常な記録作用が保証される。
なお、前記した実施の形態においては、インクカートリッジをキャリッジ上に装着するようになされたキャリッジオンタイプの記録装置を例にしているが、本発明においては、例えばインクカートリッジを記録装置本体側のカートリッジホルダに装着し、可撓性のインク供給チューブを介してキャリッジに搭載された記録ヘッドにインクを供給するタイプの記録装置にも適用することもできる。この場合においては、図23乃至図27に示したインク供給針34を含むインク取込手段は、記録装置本体側のカートリッジホルダに配置される。
また、前記した実施の形態においては、インクカートリッジに記憶媒体として、例えばEEPROM等のICメモリを搭載した例を示しているが、これに代えて、磁気テープあるいはバーコード等を設け、磁気ヘッドあるいは光学読み取り装置でカートリッジ情報を読み出すように構成することもできる。