しかしながら、このような遮光装置では、シート部材を台形状や扇状といった比較的単純な形状にしないとシート部材を揃えて収納することができず、このような単純な形状のシート部材では、デザイン性や空気抵抗等を考慮して三次元的に複雑に湾曲させた車両のウインドシールドガラスを過不足なく遮光することができない。
本発明は、上記事実を考慮して、遮光シートにより所望の遮光状態で遮光でき、しかも、見栄えよく遮光シートを収納できる遮光装置を得ることが目的である。
請求項1に記載の本発明に係る遮光装置は、自らの軸心周りに回転可能な巻取軸と、基端部が前記巻取軸に係止され、軸心周り一方に前記巻取軸が回転することで基端側から前記巻取軸の外周部に層状に巻き取られて収納されると共に、基端部から先端部までの間の所定範囲で幅方向一端側よりも他端側が厚手に設定された遮光シートと、を備えている。
請求項1に記載の本発明に係る遮光装置では、巻取軸がその軸周り一方に回転すると遮光シートが基端側から巻取軸の外周部に巻き取られる。この状態で更に巻取軸が軸周り一方に回転すると、遮光シートの巻取軸に巻き取られた部分、すなわち、巻取軸に巻き取られた遮光シートの最外層の外側に更に遮光シートが巻き取られる。このように、巻取軸が軸周り一方へ1回転するたびに、巻取軸の軸心から最外層の遮光シートの外周面までの距離(以下、便宜上、巻取軸の軸心から最外層の遮光シートの外周面までの距離を「シート巻取半径」と称する)が遮光シートの厚さ分だけ増加する。巻取軸の1回転当たりの遮光シートの巻取量は最外層の遮光シートの外周面の周長(以下、便宜上、最外層の遮光シートの外周面の周長を「シート巻取周長」と称する)により決まり、当然、このシート巻取周長が大きいほど巻取軸1回転当たりの遮光シートの巻取量が大きくなる。
ここで、本発明に係る遮光装置では、遮光シートの基端部から先端部までの間の所定範囲で、遮光シートの幅方向一端側よりも他端側が厚手とされる。このため、この所定範囲が巻取軸に巻き取られた状態では、遮光シートの幅方向一端側でのシート巻取半径よりも幅方向他端側でのシート巻取半径の方が大きく、これにより、遮光シートの幅方向一端側でのシート巻取周長よりも幅方向他端側でのシート巻取周長の方が長くなる。したがって、上記の所定範囲を巻取軸が巻き取った後には、幅方向一端側よりも他端側の方が巻取軸1回転当たりの遮光シートの巻取量が多くなる。これにより、幅方向一端側と他端側とで遮光シートの基端部から先端部までの長さが異なる構成でも、遮光シートに巻き残しを生じさせることなく遮光シートを巻取軸に良好に巻き取って収納できる。
しかも、このように遮光シートの所定範囲で幅方向他端側を厚手にすることで、この所定範囲における基端側から先端側への向きに沿った遮光シートの長さを、幅方向一端側よりも他端側で長くできる。これにより、遮光シートにより覆う部位が三次元的に湾曲した構造であっても、幅方向他端側が厚手となる範囲を遮光シートに適宜に設定することで所望の状態で(例えば、過不足なく)遮光シートで遮光できる。
請求項2に記載の本発明に係る遮光装置は、車両室内に設けられたガーニッシュの内側で、前記ガーニッシュの長手方向に対応した方向を軸方向とする軸周りに回転可能に設けられた巻取軸と、基端部が前記巻取軸に係止され、軸心周り一方に前記巻取軸が回転することで基端側から前記巻取軸の外周部に層状に巻き取られて収納されると共に、先端側が前記ガーニッシュの外側に引き出されることで、前記ガーニッシュの側方で前記車両の室内と室外とを仕切るガラスの室内側で展開されて前記ガラスを透過した光を遮る遮光シートと、前記遮光シートの展開状態で対向する前記ガラスの形状に対応した前記遮光シートの基端部と先端部との間の所定の範囲で、前記巻取軸の軸方向に沿った前記遮光シートの何れかの一方の側に形成された前記何れかの他方の側よりも厚手の厚肉部と、を備えている。
請求項2に記載の本発明に係る遮光装置では、巻取軸に巻き取られてガーニッシュの内側に収納された遮光シートを引っ張って、車両のガラスの室内側で展開させると、ガラスを透過した光が遮光シートによって遮られ、これにより、車両室内に外部の光、例えば、太陽光が射し込むことを軽減できる。
一方で、巻取軸がその軸周り一方に回転すると遮光シートが基端側から巻取軸の外周部に巻き取られる。この状態で更に巻取軸が軸周り一方に回転すると、遮光シートの巻取軸に巻き取られた部分、すなわち、巻取軸に巻き取られた遮光シートの最外層の外側に更に遮光シートが巻き取られる。このように、巻取軸が軸周り一方へ1回転するたびに、巻取軸の軸心から最外層の遮光シートの外周面までの距離(以下、便宜上、巻取軸の軸心から最外層の遮光シートの外周面までの距離を「シート巻取半径」と称する)が遮光シートの厚さ分だけ増加する。巻取軸の1回転当たりの遮光シートの巻取量は最外層の遮光シートの外周面の周長(以下、便宜上、最外層の遮光シートの外周面の周長を「シート巻取周長」と称する)により決まり、当然、このシート巻取周長が大きいほど巻取軸1回転当たりの遮光シートの巻取量が大きくなる。
ここで、本発明に係る遮光装置では、遮光シートの基端部から先端部までの間の所定範囲で、遮光シートの幅方向一端側よりも他端側が厚手とされる。このため、この所定範囲が巻取軸に巻き取られた状態では、遮光シートの幅方向一端側でのシート巻取半径よりも幅方向他端側でのシート巻取半径の方が大きく、これにより、遮光シートの幅方向一端側でのシート巻取周長よりも幅方向他端側でのシート巻取周長の方が長くなる。したがって、上記の所定範囲を巻取軸が巻き取った後には、幅方向一端側よりも他端側の方が巻取軸1回転当たりの遮光シートの巻取量が多くなる。これにより、幅方向一端側と他端側とで遮光シートの基端部から先端部までの長さが異なる構成でも、遮光シートに巻き残しを生じさせることなく遮光シートを巻取軸に良好に巻き取って収納できる。
しかも、このように遮光シートの所定範囲で幅方向他端側を厚手にすることで、このガラスの形状に対応した所定範囲における基端側から先端側への向きに沿った遮光シートの長さを、幅方向一端側よりも他端側で長くできる。これにより、ガラスの車両室内側の面が三次元的に湾曲した構造であっても、幅方向他端側が厚手となる範囲を遮光シートに適宜に設定することで所望の状態(例えば、過不足なく)遮光シートで遮光できる。
請求項3に記載の本発明に係る遮光装置は、請求項1又は請求項2に記載の本発明において、前記遮光シートの基端側から先端側への向き及び前記遮光シートの厚さ方向の双方に対して交差した向きに沿って長手とされた溝部を前記厚肉部に形成したことを特徴としている。
請求項3に記載の本発明に係る遮光装置では、遮光シートの基端側から先端側への向きと遮光シートの厚さ方向の双方に対して交差した向き(例えば、遮光シートの幅方向)に沿って長手とされた溝部が厚肉部に形成される。このため、遮光シートの厚肉部が設けられた部分を巻取軸が巻き取ると、遮光シートの基端側から先端側への向きに沿って溝部を介した厚肉部の一方の側と他方の側とが、巻取軸が巻き取られることで生じた遮光シートの湾曲に伴い適宜に互いに接近又は離間する。これにより、巻取軸に遮光シートを巻き取った際に遮光シートに皺が寄ることを防止でき、良好に遮光シートを巻き取って収納できる。
なお、本発明において溝部は遮光シートに厚肉部を設けた段階で結果的に形成されていればよい。すなわち、予め溝部を形成された厚肉部を遮光シートに貼着する構成としてもよいし、厚肉部を構成する複数枚の短冊片を遮光シートの基端側から先端側への向きに沿って断続的に遮光シートに設け、隣り合う短冊片の隙間を溝部としてもよい。
請求項4に記載の本発明に係る遮光装置は、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の本発明において、前記巻取軸の軸方向一端側における外径寸法よりも他端側における外径寸法が大きな円錐台形状に前記巻取軸を形成し、前記巻取軸の1回転あたりの前記遮光シートの巻き取り量を、前記巻取軸の軸方向一端側よりも他端側で長くしたことを特徴としている。
請求項4に記載の本発明に係る遮光装置では、巻取軸が円錐台形状とされており、巻取軸の1回転あたりの遮光シートの巻き取り量が、巻取軸の軸方向一端側よりも他端側で長くなっている。このため、本遮光装置において、巻取軸による遮光シートの巻き取り開始から終了までの間に巻き取られる遮光シートの長さは巻取軸の軸方向一端側よりも他端側で長くなる。これにより、例えば、遮光シートで遮光する部分が、そもそも巻取軸の軸方向一端側に比べて他端側で長い構成では、厚肉部の厚さを薄くでき、遮光シートを展開した際の見栄え等がよくなる。
以上説明したように、本発明に係る遮光装置では、遮光シートによって所望の遮光状態で遮光でき、しかも、遮光シートの先端側等がはみ出たり、また、遮光シートに不要な皺がよったりすることなく巻取軸に遮光シートを巻き取らせることができ、収納状態での見栄えを向上できる。
<本実施の形態の構成>
図3には本発明の一実施の形態に係る左右一対の遮光装置10を搭載した車両12の室内が正面図により示されている。
この図に示されるように、遮光装置10は車両12のガーニッシュの一態様であるフロントピラーガーニッシュ14の内側に配置された収納ケース16を備えている。図4に示されるように、収納ケース16はフロントピラーガーニッシュ14に沿って略車両上下方向に対して略車両前後方向及び略車両左右方向に適宜傾斜した中空筒形状に形成されている。収納ケース16の軸方向両端には収納ケース16に対して略平行なシャフト18の両端が回転自在に支持されている。シャフト18の軸方向両端部よりも中間側には巻取軸としてのスプール20が設けられている。
スプール20は軸方向両端が開口した円筒形状のスプール本体22を備えている。スプール本体22の軸方向両端は連結蓋24により閉止されている。上記のシャフト18はスプール20の軸心部分を通過した状態で連結蓋24を介してスプール本体22に一体的に連結されている。
また、収納ケース16の一端側におけるシャフト18の軸支部分と収納ケース16の一端側の連結蓋24との間には巻取ばね26が設けられている。巻取ばね26は所謂「ぜんまいばね」で、巻取ばね26の渦巻き方向外側端は収納ケース16の所定部位に係止され、巻取ばね26の渦巻き方向内側端は遮光シート28に係止されている。シャフト18をその軸周りの一方である引出方向に回転させると、巻取ばね26はその巻き数が増加するように巻き締められて、その巻き数の増加に応じて巻取ばね26の付勢力が漸次増加する。
一方、図3に示されるように遮光装置10は遮光シート28を備えている。遮光シート28は幅方向がシャフト18の長手方向に沿った可撓性を有するシート状に形成されており、その長手方向基端側はフロントピラーガーニッシュ14に形成された図示しないスリット孔を通過して収納ケース16の内部に入り込み、更に、収納ケース16の内側で長手方向基端部がスプール本体22に係止されている。スプール20がシャフト18と共に上記の巻取方向に回転すると、図4に示されるように、遮光シート28は長手方向基端側からスプール本体22に層状に巻き取られて収納される。
図3及び図4に示されるように、遮光シート28の長手方向先端部にはアーム30が取り付けられている。アーム30は遮光シート28の長手方向一端部に沿って長手の棒状に形成されており、その一端(上端)にはガイドピース32が取り付けられている。このガイドピース32に対応して車両12の室内にはガイドレール34が設けられている。
ガイドレール34は、車両12のガラスの一態様であるウインドシールドガラス36の上端部に沿うように車両12の天井部38に取り付けられている。図4に示されるように、ガイドレール34は中空形状に形成されていると共に、その長手方向に沿って連続したガイド溝40によりガイドレール34の内外が連通している。ガイドレール34の内側にはガイドピース32の抜止部42が入り込んでおり、抜止部42がガイドレール34に案内されてガイドレール34の長手方向、すなわち、ウインドシールドガラス36の上端部に沿って移動する。
一方、図3に示されるように、ガイドレール34の長手方向略中央部の近傍には保持機構44がウインドシールドガラス36又は天井部38に固定されている。図3及び図5に示されるように、保持機構44は箱状のハウジング46を備えている。図5に示されるように、ハウジング46の内側には略車両左右方向に沿って互いに対向する一対のガイド壁48が設けられている。一対のガイド壁48の間には解除ボタン50が配置されている。解除ボタン50はブロック状に形成されており、ガイド壁48に沿ってハウジング46の高さ方向に所定範囲スライド可能とされている。解除ボタン50に対応してハウジング46の底壁52には開口部54が形成されており、ハウジング46の外側からハウジング46の高さ方向上方へ解除ボタン50を押圧操作できるようになっている。
また、一対のガイド壁48の間には圧縮コイルばね56が配置されている。圧縮コイルばね56は底壁52と対向するハウジング46の上壁58と解除ボタン50との間に配置され、解除ボタン50を開口部54側へ向けて付勢している。さらに、略車両左右方向側のハウジング46の側壁60とガイド壁48との間にはスライダ62が収容されている。スライダ62はガイド壁48と側壁60とに案内されてハウジング46の高さ方向に所定範囲スライド可能とされている。
また、スライダ62と底壁52との間には圧縮コイルばね64が配置されており、圧縮コイルばね64によりスライダ62はハウジング46の高さ方向上方へ付勢されている。さらに、スライダ62に対向して上壁58には開口部66が形成されており、圧縮コイルばね64の付勢力でスライダ62が上壁58側へスライドすると、スライダ62の上壁58側の端部に形成された保持爪68が開口部66を通過してハウジング46の外側へ突出する。
保持爪68はガイドピース32のプレート部70に形成された透孔72に対応しており、アーム30が略車両左右方向に沿ったウインドシールドガラス36の略中央部に到達した状態で透孔72が開口部66に対向すると、開口部66から突出した保持爪68が透孔72に入り込める。このように、透孔72に保持爪68が入り込んだ状態では、フロントピラーガーニッシュ14側へアーム30が移動しようとすると、透孔72の内周部が保持爪68に干渉されてフロントピラーガーニッシュ14側へのアーム30の移動が規制される。
また、両側壁60の対向方向及び上壁58と底壁52との対向方向の双方に対して直交する方向へ向いたスライダ62の一側面からは支持シャフト74が突出形成されている。この支持シャフト74にはアーム76の一端が支持シャフト74周りに回動可能に軸支されている。アーム76の他端側はガイド壁48に形成された窓部78を通過して両ガイド壁48の間の空間に入り込んでいる。
この窓部78の他端側に対応してスライダ62の支持シャフト74が形成された側面と同じ方向を向く解除ボタン50の側面には係合ピン80が突出形成されており、両窓部78の他端側に形成された湾曲した長孔82に係合ピン80が入り込んでいる。これにより、解除ボタン50と両スライダ62とがアーム76を介して機械的に連結され、解除ボタン50が上壁58側へスライドすると、解除ボタン50に連動してスライダ62が底壁52側へスライドする構造となっている。
本実施の形態では、上記のように、透孔72に保持爪68が入り込むことでフロントピラーガーニッシュ14側へのアーム30の移動が規制され、この状態では、図3に示されるように、略車両左右方向に沿ったウインドシールドガラス36の略中央部とフロントピラーガーニッシュ14との間に遮光シート28が展開される。遮光シート28のうち、展開されてフロントピラーガーニッシュ14の外側へ出た部分の外周形状は略左右方向に沿ったウインドシールドガラス36の略中央部からフロントピラーガーニッシュ14側の端部までの間の外周形状に対応している。
このように、ウインドシールドガラス36の外周形状に対応して遮光シート28の外周形状が形成されることで、図1及び図2に示されるように、遮光シート28の幅方向上端や幅方向下端は適宜に湾曲している。しかも、車両12のデザイン等に応じて三次元的に湾曲するように形成されたウインドシールドガラス36の上端部及び下端部に遮光シート28の幅方向上端部及び幅方向下端部をそれぞれ対応させることで、遮光シート28の幅方向上端部と幅方向下端部の各々に沿った長手寸法が異なり、更には、遮光シート28の幅方向上端部と幅方向下端部とで適宜に湾曲の曲率も異なる。
ここで、図1及び図2に示されるように、遮光シート28の長手方向両端間の所定位置には端辺差長吸収部84、86が設定されている。端辺差長吸収部84、86は遮光シート28の幅方向上端及び幅方向下端の何れかの一方に対して他方が長い略台形状又は略扇状に設定されており、幅方向上端側及び幅方向下端側の何れか長い方には、遮光シート28の長手方向に沿って連続的に厚肉部94が形成されている。厚肉部94は遮光シート28の他の部分よりも厚肉とされている。厚肉部94における遮光シート28の厚さ寸法は、端辺差長吸収部84における幅方向上端側及び幅方向下端側の何れか長い方の寸法と短い方の寸法との差に基づいて設定されている。
さらに、この点について詳細に説明すると、スプール20が1回転する際にスプール20に巻き取られる遮光シート28の巻取長さ(すなわち、遮光シート28の長手方向寸法で、以下、便宜上、この長さを「シート巻取周長」と称する)は、スプール20の軸心から既にスプール20に巻き取られている遮光シート28の外周面までの長さ(以下、この長さを、便宜上、「シート巻取半径」と称する)により決まり、このシート巻取半径が大きいほどシート巻取周長が大きく(長く)なる。
また、遮光シート28の厚さが厚いほどスプール20が1回転するたびに増加するシート巻取半径は大きくなる。これらの事柄に基づき、遮光シート28の長手方向基端側(スプール20側)の端辺差長吸収部84、86の端部84A、86Aがスプール20の外周部に到達し、更に、この状態からスプール20への端辺差長吸収部84、86の巻き取りが終了した際に、遮光シート28の長手方向先端側(アーム30側)の端辺差長吸収部84、86の端部84B、86Bがスプール20の軸心に対して平行になるように上記の厚肉部94の厚さ寸法が設定されている。
<本実施の形態の作用、効果>
次に、本実施の形態の作用並びに効果について説明する。
以上の構成の本遮光装置10では、巻取ばね26の付勢力に抗してアーム30を略車両左右方向中央側へ引っ張ると、アーム30にガイドピース32の抜止部42が案内されつつ移動し、これにより、スプール20に巻き取られて収納されていた遮光シート28が先端側(アーム30側)から引き出される。このようにしてアーム30が引っ張られることで、略車両左右方向に沿ったウインドシールドガラス36の略中央部にアーム30が到達すると、ガイドピース32に形成されたプレート部70の端部が圧縮コイルばね56、64の付勢力に抗して開口部66から突出した保持爪68の斜面を押圧し、図6に示されるように、保持爪68、ひいてはスライダ62を押し下げる。
この状態で、プレート部70が更に略車両左右方向中央側へ移動してプレート部70に形成された透孔72が開口部66に対向すると、プレート部70からの押圧力が解消されて圧縮コイルばね56、64の付勢力で解除ボタン50が下方へスライドし、保持爪68が透孔72に入り込む。上記のように、略車両左右方向中央側へのアーム30の移動は巻取ばね26の付勢力に抗しているが、保持爪68が透孔72に入り込むことでフロントピラーガーニッシュ14側へのガイドピース32の移動、ひいては、アーム30の移動が規制され、略車両左右方向に沿ったウインドシールドガラス36の略中央部よりもフロントピラーガーニッシュ14側では遮光シート28が展開された状態で保持される。
このようにして、車両12の左右両側からアーム30を引っ張り、両アーム30が略車両左右方向に沿ったウインドシールドガラス36の略中央部で互いに隣接し(好ましくは、更に互いに平行に)配置されるまで遮光シート28を展開されることで、ウインドシールドガラス36の室内側の面に遮光シート28が対向する。これにより、ウインドシールドガラス36を透過する太陽光等の外光が遮光シート28によって遮られるため、例えば、夏季等において車両12の室内に太陽光が入射することに起因した車両12の室内の温度の上昇を抑制できる。
ここで、本遮光装置10では、三次元的に湾曲したウインドシールドガラス36の略車両左右方向に沿った略中央部からフロントピラーガーニッシュ14側の端部までの間の外周形状に対応して、遮光シート28の幅方向上端や幅方向下端は適宜に湾曲している。このため、本遮光装置10では遮光シート28を展開させた状態で左右両側の遮光装置10の遮光シート28がウインドシールドガラス36の室内側の面の略全域と対向する。これにより、遮光シート28の外周部よりも外側を通過して車両12の室内に射し込む光を軽減できる(すなわち、極めて高い遮光性能を得ることができる)。
一方、以上のような遮光シート28の展開状態で、圧縮コイルばね56、64の付勢力に抗して解除ボタン50を押し上げると、スライダ62が下方へスライドし、これにより、保持爪68が透孔72から抜け出る。透孔72の内周部に対する保持爪68による干渉が解消されると、シャフト18は巻取ばね26の付勢力で巻取方向へ回転する。このように、シャフト18が巻取方向へ回転することで、遮光シート28が長手方向基端側からスプール本体22(スプール20)の外周部に巻き取られて収納される。
ところで、上記のように、遮光シート28は三次元的に湾曲したウインドシールドガラス36の外周形状に対応して幅方向上端部及び下端部が適宜に湾曲し、しかも、幅方向上端部と下端部とで長手方向寸法が異なる。ここで、図1及び図2に示されるように、上記のように、本遮光装置10では、ウインドシールドガラス36の外周形状に応じて遮光シート28には端辺差長吸収部84、86が設定されており、これらの端辺差長吸収部84、86では幅方向上端側又は下端側に厚肉部94が形成される。このため、端辺差長吸収部84、86の端部84A、86Aがスプール本体22の外周部に到達した状態から引き続いてスプール本体22に遮光シート28が巻き取られると、遮光シート28の幅方向両端側のうち、厚肉部94を形成していない方よりも厚肉部94を形成した方でシート巻取半径が漸次増加し、これに伴い、巻取周長が厚肉部94を形成していない方に比べて厚肉部94を形成した方で長くなる。
このため、上記のように、三次元的に湾曲したウインドシールドガラス36の外周形状に対応させるために、端辺差長吸収部84、86の幅方向上端部及び下端部の何れかの一方を他方より長く形成しても、端辺差長吸収部84、86の端部84B、86Bが遮光シート28のスプール本体22に巻き取られた部分に対向した際、すなわち、遮光シート28の端部84B、86Bよりも先端側の巻き取りが開始される際には、端部84B、86Bがシャフト18(スプール20の軸心)に対して平行になり、遮光シート28の巻き取りが完了した状態では、フロントピラーガーニッシュ14から遮光シート28がはみ出たり、また、不要に遮光シート28に皺がよったりすることなく、良好に遮光シート28が巻き取られて収納される。これにより、遮光シート28の収納状態での見栄えがよく、また、スプール本体22への巻取状態で遮光シート28に不要な皺がよらないため、円滑に遮光シート28を引き出すことができ、しかも、遮光シート28の展開状態での見栄えもよくなる。
なお、本実施の形態では、遮光シート28に3つの端辺差長吸収部84、86を形成し、しかも、これらの端辺差長吸収部84、86を連続して形成していたが、端辺差長吸収部84(端辺差長吸収部86)の数は1つでもよいし、複数であってもよく、更には、遮光シート28全体を端辺差長吸収部84(端辺差長吸収部86)としてもよい。また、複数の端辺差長吸収部84(端辺差長吸収部86)を連続して形成せずに、断続的に端辺差長吸収部84(端辺差長吸収部86)を形成してもよい。
また、本実施の形態では、巻取ばね26の付勢力でスプール本体22に遮光シート28を巻き取る構成であったが、遮光シート28を巻取方向に回転させるための構成は巻取ばね26に限定されるものではなく、例えば、シャフト18に対して同軸的又は1乃至複数のギヤ等を介して間接的に連結されると共に、少なくとも一部がフロントピラーガーニッシュ14の外側に露出したダイヤル等の回転操作手段を回転させてシャフト18を巻取方向に回転させる構成であってもよいし、モータ等の駆動手段の駆動力でシャフト18を巻取方向に回転させてもよい。
さらに、上記の実施の形態の構成に、更に、遮光シート28が展開された状態で所定の展開形状を保持する形状保持手段を設けてもよい。この形状保持手段の具体的な構成に関して特に限定するものではないが、その一例としては、ガイド溝40からガイドレール34の内側に遮光シート28の幅方向上端が入り込む構成とし、遮光シート28の幅方向上端がガイドレール34に確実に沿うことで、幅方向上端側で確実に遮光シート28がガイドレール34、ひいては、ウインドシールドガラス36の上端部に沿う構成としてもよい。
また、この構成に加えて、例えば、遮光シート28と共にスプール本体22へ巻取可能に撓曲できる長尺のワイヤ等の保持部材を遮光シート28の上端部に取り付け、遮光シート28の展開状態では保持部材の張力(又は弾性力)で遮光シート28を所定の展開形状で保持する構成としてもよい。更には、上記のようなガイドレール34をウインドシールドガラス36の下端部に沿って設けたり、遮光シート28の幅方向下端部に上記の保持部材を設けたりする構成にした場合には、遮光シート28の幅方向下端側で遮光シート28を所定の展開形状で保持できる。
さらに、本実施の形態では、上記のように端辺差長吸収部84、86における遮光シート28の幅方向上端側又は下端側のうち、遮光シート28の長手方向に沿った長さが長い方に厚肉部94を形成したが、厚肉部94を形成する代わり、又は、厚肉部94を形成すると共に、端辺差長吸収部84、86における遮光シート28の幅方向上端側又は下端側のうち、遮光シート28の長手方向に沿った長さが短い方に遮光シート28の他の部位よりも薄手の薄肉部を形成する構成としてもよい。このような薄肉部を遮光シート28の幅方向一端側に形成した構成の場合には、相対的に薄肉部が形成されていない遮光シート28の幅方向他端側が厚肉部となる。
また、本実施の形態では、スプール本体22を一端側と他端側とで外径寸法が等しい円筒形状としたが、例えば、図7に示されるように、スプール本体22の一端側における外径寸法を他端側における外径寸法よりも小さな円錐台形状とし、スプール本体22の軸方向一端側と他端側とで1回転あたりの巻取周長に予め差異をつけておいてもよい。
例えば、スプール本体22の一端側におけるウインドシールドガラス36の長さよりもスプール本体22の他端側におけるウインドシールドガラス36の長さの方が充分に長い構成の場合には、上記のような円錐台形状にスプール本体22を形成することで、スプール本体22が遮光シート28の巻き取りを開始してから終了するまでの間の巻取周長が基本的にスプール本体22の一端側よりも他端側で長くなる。
このため、円錐台形状にスプール本体22を形成することで、厚肉部94はウインドシールドガラス36の湾曲した部分等、局所的にスプール本体22の軸方向一端側と他端側とで長さが異なる部分に対応して設ければよく、スプール本体22を円筒形状にした構成に比べて厚肉部94の形成範囲を小さくでき、また、厚肉部94を薄くできる。これにより、厚肉部94を形成しても遮光シート28の見栄えをよくできる。
さらに、本実施の形態に係る遮光装置10は、車両12のウインドシールドガラス36(すなわち、フロントガラス)に適用されていたが、車両12のリヤガラス等の他の部位に本遮光装置10を適用してもよい。
また、本実施の形態では、遮光シート28の長手方向に沿って(すなわち、遮光シート28の基端側から先端側への向きに沿って)連続的に厚肉部94を形成したであったが、例えば、図8及び図9に示されるように、遮光シート28の幅方向に沿って長手(又は、厚肉部94が扇形状であるならば、その曲率半径の向きに沿って長手)の細幅の厚肉部94を遮光シート28の長手方向に沿って断続的に形成することで、隣り合う厚肉部94の間に遮光シート28の幅方向に沿って長手(又は、厚肉部94が扇形状であるならば、その曲率半径の向きに沿って長手)の溝部102を形成してもよい。
このような構成とした場合には、遮光シート28がスプール本体22に巻き取られることで生じる湾曲に応じて、溝部102を介して隣り合う厚肉部94が互いに離間し、又は、接近する。これにより、厚肉部94を設けても、遮光シート28に皺が寄ることを防止又は極めて効果的に抑制でき、良好に遮光シート28を巻き取って収納できる。
また、例えば、図10及び図11に示されるように、各々が細幅の複数の短冊片104により厚肉部94を構成し、これらの短冊片104を遮光シート28の幅方向端部に沿って所定間隔毎に設ける構成にしてもよい。このような構成にしても、隣り合う短冊片104の間が溝部102となり、1枚の厚肉部94に複数の溝部102を形成した構成と同様の作用を奏し、同様の効果を得ることができる。