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JP4581644B2 - 有機elディスプレイパネルの製造方法 - Google Patents
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JP4581644B2 - 有機elディスプレイパネルの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、有機エレクトロルミネセンス(以下、有機ELという)ディスプレイパネルおよびその製造方法に関する。
有機ELディスプレイパネルのカラー化方式の一つに基板上にカラーフィルター等を形成し、これを利用して有機EL素子からの光を赤、緑、青の3原色に分離あるいは3原色を発生させる方式がある。
この方法では、基板上にカラーフィルターなどを形成するために段差が生じ、そのままその上に透明電極および補助配線などの第1電極を形成した場合は透明電極や補助配線が断線して有機EL素子として機能しなくなるおそれがある。そのため、カラーフィルターなどを熱硬化性樹脂や紫外線硬化型樹脂からなる高分子からなる平坦化層で覆って平坦化することでその上に透明電極および補助配線を形成しても断線することがない。
しかし平坦化層の上に直接第1電極、有機EL層、第2電極からなる有機EL素子を形成すると、ディスプレイ駆動時に発生する熱などにより平坦化層中の水分や有機溶媒成分が揮発してガスとして放出され、それが有機EL素子に悪影響を与え、発光素子機能が劣化し、信頼性が低下するという問題があった。
かかる問題を解決するため、高分子からなる平坦化層と有機EL素子の間に無機化合物からなるパッシベーション層を形成する提案がある(例えば、特許文献1参照。)。パッシベーション層に要求される性能としては、高い防湿性、高い平坦性、基板、有機EL構造体との屈折率の差が小さいこと、高い生産性が挙げられる。屈折率差の観点からは、平坦化層としてアクリル樹脂、透明電極としてITOを用いた場合、パッシベーション層を形成する無機化合物としては酸化ケイ素が好ましい。また、パッシベーション膜は平坦化層の上に形成されるため、パッシベーション層形成にあたっては平坦化層を構成する高分子が変質しない範囲での低温製膜が必要になり、このため、スパッタ法やプラズマCVD法などのプラズマを利用した方法が用いられる。
特許文献1ではRFスパッタ方法により酸化ケイ素からなるパッシベーション層を形成する方法が例示されている。
特開平11−260562号公報 特開2002−134268号公報
しかし、スパッタ法を用いて例えば酸化ケイ素からなるパッシベーション層を形成する場合、例えばターゲットにSiを用いると、スパッタガスとしては酸素含有ガスを用いる必要がある。パッシベーション層中のケイ素に対する酸素の比を2に近づけるためには、20〜40%の酸素をスパッタガスに導入する必要がある。
この酸素を含むプラズマにより、平坦化層表面はダメージを受けることが多い。実際、酸素を含むスパッタガスを用いてスパッタ法により平坦化層表面に酸化ケイ素を形成する場合、パッシベーション層の表面粗さが大きくなる傾向が見られ、表面粗さが大きいと、第1電極−第2電極間の短絡により破壊孔ができやすくなる。この表面粗さが大きくなる傾向は酸素プラズマにより平坦化層表面がアッシング(灰化)したためと考えられる。
本発明はこのような状況に鑑み、パッシベーション層として酸化ケイ素膜を有しながら、平坦化層のダメージの少ない有機ELディスプレイパネルおよびその製造方法を提供することを目的とする。
すなわち、本発明の有機ELディスプレイパネルは、透明支持基板上に、少なくともパターン化されて形成された色変換層と、該色変換層の上に形成された平坦化層と、該平坦化層の上に形成された主として酸化ケイ素からなるパッシベーション層と、該パッシベーション層の上に、有機EL素子を備えた有機ELディスプレイパネルであって、有機EL素子は、第1の電極と、該第1の電極に対向配置された第2の電極と、第1および第2の電極の間に配置された有機EL層とを備えてなり、前記パッシベーション層の平坦化層側が有機EL素子側に比べて低酸素濃度の酸化ケイ素層からなることを特徴とする。
また、本発明の有機ELディスプレイパネルの製造方法は、透明支持基板上に少なくともパターン化された色変換層を形成する色変換層形成工程と、前記色変換層形成工程で得られた透明支持基板上の色変換層の上に平坦化層を形成する平坦化層形成工程と、前記平坦化層形成工程で得られた平坦化層の上に主として酸化ケイ素からなるパッシベーション層を形成するパッシベーション層形成工程と、前記パッシベーション層形成工程で得られたパッシベーション層の上に第1の電極、該第1の電極に対向配置された第2の電極、前記両電極の間に配置された有機EL層とを備えてなる有機EL素子を形成する有機EL素子形成工程とを有する有機ELディスプレイパネルの製造方法であって、パッシベーション層形成工程が酸素含有雰囲気でケイ素をスパッタターゲットとして用いたスパッタ法であって、より低い酸素濃度雰囲気でスパッタを行って、平坦化層に接する層を形成した後、より高い酸素濃度雰囲気でスパッタを行うことを特徴とする。
また、本発明における他の有機ELディスプレイパネルの製造方法は、透明支持基板上に少なくともパターン化された色変換層を形成する色変換層形成工程と、前記色変換層形成工程で得られた透明支持基板上の色変換層の上に平坦化層を形成する平坦化層形成工程と、前記平坦化層形成工程で得られた平坦化層の上に主として酸化ケイ素からなるパッシベーション層を形成するパッシベーション層形成工程と、前記パッシベーション層形成工程で得られたパッシベーション層の上に第1の電極、該第1の電極に対向配置された第2の電極、前記両電極の間に配置された有機EL層とを備えてなる有機EL素子を形成する有機EL素子形成工程とを有する有機ELディスプレイパネルの製造方法であって、パッシベーション層形成工程が平坦化層に接する層はスパッタ法でケイ素を製膜した後酸化して酸化ケイ素層を形成し、その上にスパッタ法で酸化ケイ素膜を直接製膜することを特徴とする。
本発明の有機ELディスプレイはパッシベーション膜の表面粗さが小さく、長時間安定に駆動することができる。また本発明の有機ELディスプレイパネルの製造方法によれば、パッシベーション膜形成にあたって、平坦化層のアッシングが生じないのでパッシベーション膜の表面粗さが小さく、長時間安定に駆動できる有機ELディスプレイを製造することができる。
図1は本発明の有機ELディスプレイパネルの構成例を説明するための図である。
図1の例では、透明支持基板1の上に、青色変換層2、緑色変換層3、赤色変換層4がそれぞれ所定のパターンを有して形成され、これらの層を覆って平坦化層5が形成されている。後述のように、緑色変換層3は緑色フィルター層であってもよい。また、青色変換層2は、好ましくは青色フィルター層である。なお、本明細書においては、色変換層およびフィルター層を「色変換フィルター層」と総称する。この有機層5の上にパッシベーション膜6が形成されている。パッシベーション膜6は主として酸化ケイ素からなり、パッシベーション膜の少なくとも平坦化層近傍以外はSiO(x=1.5〜2.0)であらわされる酸化ケイ素であることが好ましい。一方、パッシベーション膜の平坦化層近傍はSiO(y=0〜1.4)で表されるケイ素または酸化ケイ素であることが好ましい。
パッシベーション膜6の上には第1の電極群7、有機EL層、第2の電極群15が形成されており、封止材料で封止されて有機ELディスプレイが形成される。
図1の例では有機EL層は正孔注入層11、正孔輸送層12、発光層13、電子輸送層14からなっている。以下、各層について詳細に述べる。
1.色変換層
1)有機蛍光色素
本発明において、有機蛍光色素は、発光体から発せられる近紫外領域ないし可視領域の光、特に青色ないし青緑色領域の光を吸収して異なる波長の可視光を蛍光として発光するものである。好ましくは、少なくとも赤色領域の蛍光を発する蛍光色素の1種類以上を用い、さらに緑色領域の蛍光を発する蛍光色素の1種類以上と組み合わせてもよい。すなわち、光源として青色ないし青緑色領域の光を発光する有機発光素子を用いる場合、該素子からの光を単なる赤色フィルターに通して赤色領域の光を得ようとすると、元々赤色領域の波長の光が少ないために極めて暗い出力光になってしまう。
したがって、該素子からの青色ないし青緑色領域の光を、蛍光色素によって赤色領域の光に変換することにより、十分な強度を有する赤色領域の光の出力が可能となる。一方、緑色領域の光は、赤色領域の光と同様に、該素子からの光を別の有機蛍光色素によって緑色領域の光に変換させて出力してもよい。あるいはまた、該素子の発光が緑色領域の光を十分に含むならば、該素子からの光を単に緑色フィルターを通して出力してもよい。さらに、青色領域の光に関しては、有機発光素子の光を単なる青色フィルターに通して出力させることが可能である。
発光体から発せられる青色から青緑色領域の光を吸収して、赤色領域の蛍光を発する蛍光色素としては、例えばローダミンB、ローダミン6G、ローダミン3B、ローダミン101、ローダミン110、スルホローダミン、ベーシックバイオレット11、ベーシックレッド2などのローダミン系色素、シアニン系色素、1−エチル−2−[4−(p−ジメチルアミノフェニル)−1,3−ブタジエニル]−ピリジニウムパークロレート(ピリジン1)などのピリジン系色素、あるいはオキサジン系色素などが挙げられる。さらに、各種染料(直接染料、酸性染料、塩基性染料、分散染料など)も蛍光性があれば使用することができる。
発光体から発せられる青色ないし青緑色領域の光を吸収して、緑色領域の蛍光を発する蛍光色素としては、例えば3−(2'−ベンゾチアゾリル)−7−ジエチルアミノ−クマリン(クマリン6)、3−(2'−ベンゾイミダゾリル)−7−ジエチルアミノ−クマリン(クマリン7)、3−(2'−N−メチルベンゾイミダゾリル)−7−ジエチルアミノ−クマリン(クマリン30)、2,3,5,6−1H,4H−テトラヒドロ−8−トリフルオロメチルキノリジン(9,9a,1−gh)クマリン(クマリン153)などのクマリン系色素、あるいはクマリン色素系染料であるベーシックイエロー51、さらにはソルベントイエロー11、ソルベントイエロー116などのナフタルイミド系色素などが挙げられる。
さらに、各種染料(直接染料、酸性染料、塩基性染料、分散染料など)も蛍光性があれば使用することができる。
なお、本発明に用いる有機蛍光色素を、ポリメタクリル酸エステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、アルキッド樹脂、芳香族スルホンアミド樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂およびこれらの樹脂混合物などに予め練り込んで顔料化して、有機蛍光顔料としてもよい。また、これらの有機蛍光色素や有機蛍光顔料(本明細書中で、前記2つを合わせて有機蛍光色素と総称する)は単独で用いてもよく、蛍光の色相を調整するために2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明に用いる有機蛍光色素は、色変換層に対して、該色変換層の重量を基準として0.01〜5質量%、より好ましくは0.1〜2質量%含有される。もし有機蛍光色素の含有量が0.01質量%未満ならば、十分な波長変換を行うことができず、あるいは含有量が5%を越えるならば、濃度消光等の効果により色変換効率の低下をもたらす。
2)マトリクス樹脂
次に、本発明の色変換層に用いられるマトリクス樹脂は、光硬化性または光熱併用型硬化性樹脂(レジスト)を光照射および/または熱処理して、ラジカル種またはイオン種を発生させて重合または架橋させ、不溶不融化させたものである。また、色変換層のパターニングを行うために、該光硬化性または光熱併用型硬化性樹脂は、未露光の状態において有機溶媒またはアルカリ溶液に可溶性であることが望ましい。
具体的には、マトリクス樹脂は、(1)アクリロイル基やメタクリロイル基を複数有するアクリル系多官能モノマーおよびオリゴマーと、光または熱重合開始剤とからなる組成物膜を光または熱処理して、光ラジカルまたは熱ラジカルを発生させて重合させたもの、(2)ボリビニル桂皮酸エステルと増感剤とからなる組成物を光または熱処理により二量化させて架橋したもの、(3)鎖状または環状オレフィンとビスアジドとからなる組成物膜を光または熱処理してナイトレンを発生させ、オレフィンと架橋させたもの、および(4)エポキシ基を有するモノマーと酸発生剤とからなる組成物膜を光または熱処理により、酸(カチオン)を発生させて重合させたものなどを含む。特に、(1)のアクリル系多官能モノマーおよびオリゴマーと光または熱重合開始剤とからなる組成物を重合させたものが好ましい。なぜなら、該組成物は高精細なパターニングが可能であり、および重合した後は耐溶剤性、耐熱性等の信頼性が高いからである。
本発明で用いることができる光重合開始剤、増感剤および酸発生剤は、含まれる蛍光変換色素が吸収しない波長の光によって重合を開始させるものであることが好ましい。本発明の蛍光変換フィルター層において、光硬化性または光熱併用型硬化性樹脂中の樹脂自身が光または熱により重合することが可能である場合には、光重合開始剤および熱重合開始剤を添加しないことも可能である。
2.平坦化層
平坦化層は可視域における透明性が高く(400〜700nmの範囲で透過率50%以上)、Tgが100℃以上で、鉛筆硬度2H以上の表面硬度を有し、色変換フィルター層上に平滑に塗膜を形成することができ、および色変換フィルター層2〜4の機能を低下させない材料であればよい。たとえば、イミド変性シリコーン樹脂、無機金属化合物(TiO、Al、SiO等)をアクリル、ポリイミド、シリコーン樹脂等の中に分散した材料、アクリレートモノマー/オリゴマー/ポリマーの反応性ビニル基を有したアクリル樹脂、レジスト樹脂、またはフッ素系樹脂などの光硬化性樹脂および/または熱硬化性樹脂を挙げることができる。これらの中ではアクリル樹脂を好ましく用いることができる。
3.パッシベーション層
本発明において、パッシベーション層は主として酸化ケイ素からなる。すなわち、パッシベーション層の全てが酸化ケイ素からなってもよく、酸化ケイ素以外に金属ケイ素からなる部分を含んでいてもよい。また、本発明においては、パッシベーション層の平坦化層側が有機EL素子側に比べて低酸素濃度の酸化ケイ素層からなる。パッシベーション層が金属ケイ素からなる層を含む場合は、金属ケイ素からなる層は平坦化層に面する部分である。
有機EL素子側のパッシベーション層中のケイ素に対する酸素の比は2に近いことが好ましい。このようにすることで、第1電極としてITOやIZOを用いた場合、第1電極とパッシベーション層との屈折率差が小さくなるので好ましい。
一方、パッシベーション層の平坦化層側も二酸化ケイ素であると、スパッタ法で二酸化ケイ素膜を形成しようとすると雰囲気中の酸素濃度を高くする必要があり、スパッタ時のガスプラズマで平坦化層表面のアッシングが生じ、パッシベーション層上面の表面粗さが大きくなって、第1電極−第2電極間の短絡により破壊孔ができやすくなるので、これを避けるため、平坦化層に面するパッシベーション層は他の面に比べて低酸素濃度の酸化ケイ素とする。平坦化層に面する面は金属ケイ素からなるものであってもよい。平坦化層に面する低酸素濃度の酸化ケイ素層(一部に金属珪素層を含んでいてもよい)の厚みは5〜20nm程度であることが好ましく、金属珪素層が存在する場合はその厚みは5nm以下であることが好ましい。パッシベーション層におけるより高酸素濃度の酸化ケイ素層の厚みは100〜1000nmであることが好ましい。
4.有機EL素子
パッシベーション層の上には有機EL素子が形成される。有機EL素子は第1の電極と、該第1の電極に対向配置された第2の電極の間に有機EL層を配置してなり、有機EL層は有機発光層を備え、さらに必要に応じて正孔注入層、電子注入層等を介在させた構造を有している。具体的には、有機EL素子として下記のような層構成からなるものが採用される。
(1)陽極/有機発光層/陰極
(2)陽極/正孔注入層/有機発光層/陰極
(3)陽極/有機発光層/電子注入層/陰極
(4)陽極/正孔注入層/有機発光層/電子注入層/陰極
(5)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/有機発光層/電子注入層/陰極
本発明の有機ELディスプレイにおいては第1の電極は透明電極からなる陽極であり、表示部と、外部駆動回路との接続部、および引き出し部から構成される。透明電極としてはITO、In−Zn酸化物、ATO等を用いることができ、In−Zn酸化物は室温製膜によって比較的低抵抗の膜が得られ、かつ、弱酸によるパターニングが可能になるので好ましい。第1の電極は、例えば互いに平行な複数の導電性膜からなるラインパターン上に形成される。第1の電極の端部はテーパー状であることが好ましい。
第1の電極上には発光に必要な領域(サブピクセル)を開口部として持つ絶縁膜が形成される。絶縁膜材料としては、ノボラック樹脂などの感光性材料や、ポリイミドなどの有機材料を用いることができ、また、リフトオフ等の方法により無機絶縁材料を用いることができる。有機発光層、正孔注入層、電子注入層等は上記開口部内に形成される。上記各層の材料としては、公知のものが使用される。青色から青緑色の発光を得るためには、有機発光層として、例えばベンゾチアゾール系、ベンゾイミダゾール系、べンゾオキサゾール系などの蛍光増白剤、金属キレート化オキソニウム化合物、スチリルベンゼン系化合物、芳香族ジメチリディン系化合物などが好ましく使用される。電子注入層としては、例えば、リチウム、ナトリウム等のアルカリ金属、カリウム、カルシウム、マグネシウム、ストロンチウムなどのアルカリ土類金属、またはこれらのフッ化物等からなる電子注入性の金属、その他の金属との合金や化合物などの材料を用いることができる。また、電子輸送層としては、アルミキノリン錯体などの金属錯体とオキサジアゾール、トリアゾール系化合物等を用いることができる。また、正孔注入層としては、芳香族アミン化合物、スターバースト型アミンや、ベンジジン型アミンの多量体および銅フタロシアニン(CuPc)などを用いることができる。正孔輸送層としては、スターバースト型アミン、芳香族ジアミンなどを用いることができる。
以下に、本発明の有機ELディスプレイの製造方法につき説明する。
製造方法1
色変換層形成工程は、光硬化性または光熱併用型硬化性樹脂、有機蛍光色素および添加剤を含有する溶液または分散液を、透明支持基板上に塗布して樹脂の層を形成し、そして所望される部分の光硬化性または光熱併用型硬化性樹脂を露光することにより重合させて形成される。所望される部分に露光を行って光硬化性または光熱併用型硬化性樹脂を不溶化させた後に、パターニングを行う。該パターニングは、未露光部分の樹脂を溶解または分散させる有機溶媒またはアルカリ溶液を用いて、未露光部分の樹脂を除去するなどの慣用の方法によって実施することができる。
平坦化層形成工程は、特に制限はなく、例えば、乾式法(スパッタ法、蒸着法、CVD法など)、あるいは湿式法(スピンコート法、ロールコート法、キャスト法など)のような慣用の手法により形成することができる。
パッシベーション層形成工程は、酸素含有雰囲気でケイ素をスパッタターゲットとして用いたスパッタ法で行うが、まず、より低い酸素濃度雰囲気でスパッタを行って、平坦化層に接する層を形成した後、より高い酸素濃度雰囲気でスパッタを行う。スパッタ法としてはDC、RF、デュアルカソード方式のいずれでもよい。
ケイ素ターゲットの電導度は0.01〜10Ωcmであることが好ましく、ホウ素を添加したケイ素をターゲットとして用いるのが好ましい。スパッタガスとしてはアルゴンと酸素を用いる。
平坦化層に接する層の形成時にはスパッタガス中の酸素導入量は2〜10%とするのが好ましい。スパッタガス中の酸素濃度をこのような低濃度にすることにより、平坦化層のアッシングを抑制できる。平坦化層に接する低酸素濃度の酸化ケイ素層の厚みは前述のように5〜20nmであることが好ましい。
この低酸素濃度の酸化ケイ素層を形成した後に酸素導入量を増加し、より高酸素濃度の酸化ケイ素層を形成する。このときのスパッタガス中の酸素濃度は20〜40%とすることが好ましい。
次いで、パッシベーション層の上にITO、In−Zn酸化物、ATO等をスパッタ法等の方法で成膜し、フォトリソグラフ法によりレジストをパターンニングした後にエッチングを行うことによりラインパターン状の導電層からなる第1の電極を形成できる。第1の電極の端部をテーパー状に加工するための一つの方法は、フォトリソグラフ法によるパターニングを行う際に、フォトレジストと第1の電極を形成する材料との密着性を下げることにより、フォトレジストと電極材料の界面にエッチング液を侵入させやすくする方法を挙げることができる。フォトレジストと電極材料の密着性を低下される方法としては、フォトレジスト形成時のベーク温度を低くする方法、ベーク時間を短くする方法などを挙げることができる。
次に第1電極上に発光に必要な開口部を有する絶縁膜を形成する。絶縁膜形成にあたっては、所定のパターンを形成できる方法であればどのような方法も採用できるが、パターニングの容易さ、幅方向の断面形状を逆テーパー型にしやすいことからネガ型のフォトレジストを用いたフォトリソグラフ法を用いることが好ましい。
有機発光層等は前述の種々の形態のうち採用した構成に応じて、抵抗加熱蒸着装置などを用いて、真空を破らずに各層を順次成膜すればよい。
第2の電極は、例えば、リチウム、ナトリウム等のアルカリ金属、カリウム、カルシウム、マグネシウム、ストロンチウムなどのアルカリ土類金属、またはこれらのフッ化物等からなる電子注入性の金属、その他の金属との合金や化合物などの材料を用い、有機EL層形成に続き、そのまま真空を破らずに加熱蒸着装置を用いて蒸着することにより得られる。
製造方法2、3におけるパッシベーション層形成工程以外は製造方法1で述べたと同様であるので、これらの製造方法についてはパッシベーション層形成工程のみにつき述べる。
製造方法2
製造方法2においては、パッシベーション層形成工程において、まず、無酸素雰囲気でケイ素をスパッタターゲットとして用いたスパッタ法で行って、平坦化層に接する層としてSi層を形成する。このSi層の厚みは3〜7nmとする。次いでチャンバー内に酸素ガスを導入することによりSi層の表面を酸化する。次いで、高い酸素濃度雰囲気でスパッタを行う。スパッタ法としてはDC、RF、デュアルカソード方式のいずれでもよい。平坦化層の上にSi層を形成することによりその後の高い酸素濃度雰囲気でのスパッタ時のアッシングの防止層として機能し、酸化されることにより光透過率を向上させることができる。
以下に本発明の有機ELディスプレイの作製例を、図面を参照しながら説明する。有機ELディスプレイは画素数160×120×RGB、画素ピッチ0.33mmで形成した。
(実施例1)
[青色フィルターの作製]
青色フィルター材料(富士ハントエレクトロニクステクノロジー製:カラーモザイクCB−7001)を透明支持基板1としてのコーニングガラス(50×50×1.1mm)上に、スピンコート法を用いて塗布し、フォトリソグラフ法によりパターニングを実施し、青色フィルター2の線幅0.1mm、ピッチ0.33mm、膜厚10μmのラインパターンを得た。
[緑色変換層の作製]
蛍光色素としてクマリン6(0.7質量部)を溶剤のプロピレングリコールモノエチルアセテート(PGMEA)120質量部に溶解した。得られた溶液に光重合性樹脂である「V259PA/P5」(商品名、新日鐵化成工業株式会社製)100質量部を加えて溶解させ、塗布液を得た。この塗布液を、先に青色フィルターのパターンを形成した透明基板1の上にスピンコート法を用いて塗布し、フォトリソグラフ法によりパターニングを実施し、緑色変換層3の線幅0.1mm、ピッチ0.33mm、膜厚10μmのラインパターンを得た。
[赤色変換層の作成]
蛍光色素としてクマリン6(0.6質量部)、ローダミン6G(0.3質量部)、ベーシックバイオレット11(0.3質量部)を溶剤のプロピレングリコールモノエチルアセテート(PGMEA)120質量部に溶解した。得られた溶液に光重合性樹脂である「V259PA/P5」(商品名、新日鐵化成工業株式会社製)100質量部を加えて溶解させ、塗布液を得た。この塗布液を、先に青色フィルターおよび緑色変換層のパターンを形成した透明基板1の上にスピンコート法を用いて塗布し、フォトリソグラフ法によりパターニングを実施し、赤色変換層4の線幅0.1mm、ピッチ0.33mm、膜厚10μmのラインパターンを得た。
[平坦化層の作製]
この色変換層の上に、平坦化層としてUV硬化型樹脂(エポキシ変成アクリレート;JSR社製、NN810)をスピンコート法にて塗布し、高圧水銀灯で照射して、塗布したUV硬化型樹脂を硬化させた。得られた平坦化層の膜厚は8μmであり、変換層のパターンの変形はなく、平坦化層の上面は平坦であった。
[パッシベーション層の作製]
パッシベーション層6として、RFスパッタを用いた交流スパッタ法により、室温で酸化ケイ素膜を平坦化層の上に厚み300nmで形成した。スパッタターゲットにはホウ素を添加した抵抗0.1ΩcmのSiを用い、スパッタ初期にはスパッタガスとしてAr24sccm、酸素2sccmの混合ガスを用い、およそ10nmの酸化ケイ素層を形成し、その後スパッタガスをAr24sccm、酸素6sccmに変更し、製膜を行った。
ターゲットと基板間の距離60mm、製膜圧力0.5Pa、電力密度2W/cmとし、製膜初期には搬送速度を500mm/分とし、その後チャンバー内で折り返し搬送速度を約20mm/分で形成した。スパッタ初期に形成した酸化ケイ素のケイ素に対する酸素の比はおよそ0.5であり、その後に形成した酸化ケイ素のケイ素に対する酸素の比はおよそ2であった。
[第1の電極の形成]
第1の電極7として、In−Zn酸化物からなるラインパターンの導電層をパッシベーション層の上にDCスパッタ法により室温において膜厚200nmで形成した。第1電極は外部駆動回路との接続部位から表示パネル中央まで配線される。スパッタターゲットにはIn−Zn酸化物ターゲットを用い、スパッタガスとしてArおよび酸素を用いた。フォトリソグラフによりレジストをパターンニングした後にシュウ酸をエッチング液として用いてパターンニングすることにより配線幅100μmのパターンを形成した。
[絶縁膜の形成]
絶縁膜8として、窒化ケイ素膜をリフトオフ法により形成した。リフトオフレジストを第1バス電極と透明導電膜との接合部および外部駆動回路との接合部に形成した後、RFスパッタ法により室温において窒化ケイ素膜を300nm形成した。その後、レジスト剥離液でリフトオフレジストを除去し、絶縁膜を第1バス電極と透明電極の接合部および外部駆動回路との接合部を除いて形成した。
[有機EL層の形成]
次いで、絶縁膜をその上に形成した基板1を抵抗加熱蒸着装置内に装着し、正孔注入層11、正孔輸送層12、有機発光層13、電子注入層14を真空を破らずに順次成膜した。成膜に際して真空槽内圧は1×10−4Paまで減圧した。正孔注入層は銅フタロシアニン(CuPc)を100nm積層した。正孔輸送層は4,4′−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(α−NPD)を20nm積層した。発光層は4,4′−ビス[2,2′−ジフェニルビニル)ビフェニル(DPVBi)を30nm積層した。電子注入層はアルミキレート(Alq)を20nm積層した。
[第2の電極の形成]
有機EL層の作製に引き続き、そのまま真空を破らずに第2の電極を作製した。第1電極のラインと垂直に幅0.165mm、空隙0.03mmギャップのストライプパターンが得られるマスクを用いて、厚さ200nmのMg/Ag(10:1の重量比率)層からなる第2の電極(陰極)を、真空を破らずに形成した。こうして得られた有機ELディスプレイパネルをグローブボックス内乾燥窒素雰囲気(酸素および水分濃度ともに10ppm以下)下において、封止ガラスとUV硬化接着剤を用いて封止した。
パッシベーション層作成後のパッシベーション層表面粗さ(Ra)、最大高低差(P−V)を表1に示す。また、得られた有機ELディスプレイを初期面輝度100cd/mで100時間連続点灯試験を行い、試験後の第1の電極、第2の電極間の短絡による破壊孔の密度測定結果を表1に示す。
(実施例2)
[パッシベーション層の作製]を以下のようにした以外は実施例1と同様にして有機ELディスプレイパネルを作製した。
スパッタターゲットにはホウ素を添加した抵抗0.1ΩcmのSiを用いた、室温でのRFスパッタを用いた交流スパッタ法により作製した。製膜初期にはスパッタガスとしてAr24sccmのガスを用い、搬送速度を1000mmとし、およそ5nmのSi層を形成した後、酸素ガスを導入して形成したSi層を酸化ケイ素層とした。その後、その後スパッタガスをAr24sccm、酸素6sccmに変更して製膜した。ターゲットと基板間の距離60mm、製膜圧力0.5Pa、電力密度2W/cmとして、およそ300nmのパッシベーション層を形成した。スパッタ初期に形成した層におけるケイ素に対する酸素の比はおよそ0.2であり、その後に形成した酸化ケイ素のケイ素に対する酸素の比はおよそ2であった。パッシベーション層作成後のパッシベーション層表面粗さ(Ra)、最大高低差(P−V)および実施例1で行ったと同様の点灯試験後の第1の電極、第2の電極間の短絡による破壊孔の密度測定結果を表1に示す。
(比較例1)
パッシベーション層6として、RFスパッタを用いた交流スパッタ法により、室温で酸化ケイ素膜を平坦化層の上に厚み300nmで形成した。スパッタターゲットにはホウ素を添加した抵抗0.1ΩcmのSiを用い、スパッタガスとしてAr24sccm、酸素6sccmの混合ガスを用い、ターゲットと基板間の距離60mm、製膜圧力0.5Pa、電力密度2W/cmとし、搬送速度を20mm/分とした。パッシベーション層作成後のパッシベーション層表面粗さ(Ra)、最大高低差(P−V)および実施例1で行ったと同様の点灯試験後の第1の電極、第2の電極間の短絡による破壊孔の密度測定結果を表1に示す。
Figure 0004581644
表1の結果から、実施例1,2,3で作製したサンプルはパッシベーション層表面の表面粗さが小さく、連続点灯試験における破壊孔の発生を抑制できることから長時間安定に駆動できることがわかる。
本発明の有機ELディスプレイは信頼性の高いディスプレイパネルであり、簡便な方法で作製できるので各種ディスプレイ用として有用である。
パッシブマトリクス型有機ELディスプレイパネルの構造の一例を示す模式図である。
符号の説明
1 透明支持基板
2 青色フィルター
3 緑色変換層
4 赤色変換層
5 平坦化層
6 パッシベーション層
7 第1の電極
11 正孔注入層
12 正孔輸送層
13 発光層
14 電子輸送層
15 第2の電極

Claims (1)

  1. 透明支持基板上に少なくともパターン化された色変換層を形成する色変換層形成工程と、前記色変換層形成工程で得られた透明支持基板上の色変換層の上に平坦化層を形成する平坦化層形成工程と、前記平坦化層形成工程で得られた平坦化層の上に主として酸化ケイ素からなるパッシベーション層を形成するパッシベーション層形成工程と、前記パッシベーション層形成工程で得られたパッシベーション層の上に第1の電極、該第1の電極に対向配置された第2の電極、前記両電極の間に配置された有機EL層と備えてなる有機EL素子を形成する有機EL素子形成工程とを有する有機ELディスプレイパネルの製造方法であって、パッシベーション層形成工程が平坦化層に接する層はスパッタ法でケイ素を製膜した後酸化して酸化ケイ素層を形成し、その上にスパッタ法で酸化ケイ素膜を直接製膜することを特徴とする有機ELディスプレイの製造方法。
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