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JP4585782B2 - 固体撮像素子用ホルダ - Google Patents
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JP4585782B2 - 固体撮像素子用ホルダ - Google Patents

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Description

本発明は、固体撮像素子(以下、CCDと称す)用ホルダに関し、特に、熱安定性に優れ、制振性が良好で絶縁性を有する、CCDホルダに関するものである。
レーザー顕微鏡は、図1に示すように、通常、被検査体の深度に関する情報を検出するレーザー光学系(第1光学系)1及び、白色光(色情報用の照明光)L2を出射する白色光源を備える白色光学系(第2光学系)2とを備えている。
この白色光源20の光軸上には、コリメートレンズ21、ハーフミラー22及び対物レンズ17が配設されており、ハーフミラー22において、2つの光学系1,2の光軸が合致するように白色光光学系2が配設されている。
従って白色光L2は、レーザー光L1の走査領域と同一箇所に集光される。被検査体wで反射された白色光(応答光)L2は、対物レンズ17、ハーフミラー22及びリレーレンズ16を透過し、ハーフミラー23で反射されて、カラーCCD(第2受光素子)24の表面で結像する。カラーCCD24は、光絞り部19aと共役ないし共役に近い位置に配設されており、カラーCCDで撮像された画像は、アナログのカラー撮像情報としてCCD駆動回路43による電荷の蓄積及び読み出し(A/D変換回路42への出力)とが繰り返されて、カラー共焦点画像が得られる。
すなわち、レーザー駆動回路44とCCD駆動回路43とが交互に駆動されて、CCDカメラで得られるカラー画像とレーザーによる共焦点白黒画面が合成されることとなる。このとき面と共焦点白黒画面とが位置ずれしないように調整されるが、温度ドリフト等によって位置ずれが生じることがあり、熱安定性に優れることが望まれている。
また、カラー情報がCCD駆動回路への電荷の蓄積という形式を採ることから、電荷の減衰を防止するために、CCDホルダ等の周辺部品には絶縁性が必要である。
また、CCDホルダは、レンズ等の光学部材を高い位置精度で保持する必要があることから、加工性が良好で、取り付け後の機械的な経時変化がないことも要求される。
このようなCCDホルダとしてはアルミナ等の金属系、セラミックス系のものなどが知られている。
これらのうち、アルミナ等の金属系のCCDホルダは、絶縁性を有さないため、CCDから発生するデジタルノイズにより大きな影響を受けてしまっている。かかるデジタルノイズを電気的な処理等で除去しようとする試みもなされたが、ノイズの除去は困難であり、従ってCCDを他の系から電気的に絶縁するCCDホルダが切望されている。
これに対し、セラミックス系のものを固体撮像素子部品として用いられることが、特開平11−026739号公報、特開平11−017996号公報、及び再表99/028957号公報に提案されている。
かかるセラミックス系に部品は、絶縁性に優れ、線膨張係数も小さいが、制振性能に劣り、加工性が悪く、平面性に劣り、光学部材を固定するホルダに用いると、そのストレスから経時的に、ひびが入ったり、割れてしまったりすることが頻繁にあるという欠点を有していた。
このように、従来のCCDホルダには、制振性能、絶縁性、制振性の温度依存性、低線膨張係数、加工性すべてにおいて優れた特性を有するものはない。
再表99/028957号公報
本発明の目的は、良好な制振性能及び絶縁性を有し、制振性の温度依存性や線膨張係数の温度依存性が小さく、精密加工性に優れた、安価なCCDホルダを提供することにある。
すなわち、レーザーへの影響を防止することができるための絶縁性、また、レンズ振動を抑制するための制振性を有し、更には高精度で画像再生のためのレンズの保持精度が可能となる、温度依存性がなくかつ低線膨張性を実現したCCDホルダを提供することである。
本発明は、CCDホルダとして、水硬性組成物、樹脂及び無機繊維を特定の割合で含有する組成物を用いることにより、上記課題を解決することを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明の固体撮像素子用ホルダは、樹脂100重量部に対して、水硬性組成物300〜1100重量部及び無機繊維50〜200重量部配合してなる低線膨張制振性組成物からなる成形体であることを特徴とする。
好適には、上記本発明のCCDホルダにおいて、線膨張係数が200〜400℃で15ppm/℃以下、制振性にかかる損失係数が1.0%以上、電気抵抗率が1013Ω・cm以上であることを特徴とする。
本発明のCCDホルダは、良好な制振性能及び絶縁性を有し、温度変化による制振性及び線膨張係数の変動が小さく、絶縁被覆等も不要で、精密加工が容易であり、長期に渡り安定的な、安価なCCDホルダとすることができるという効果を有する。
したがって本発明のCCDホルダは、レーザーへの影響を防止することができるための絶縁性、また、レンズ振動を抑制するための制振性を有し、更には高精度で画像再生のためのレンズの保持精度が可能となる、温度依存性がなくかつ低線膨張性を実現する効果を有するものである。
本発明のCCDホルダについて、好適例により詳細に説明するが、これらに限定されるものではない。
本発明のCCDホルダは、樹脂100重量部に対して、水硬性組成物300〜1100重量部及び無機繊維50〜200重量部配合してなる低線膨張制振性組成物からなる成形体である。
また、本発明のCCDホルダに用いる低線膨張制振性組成物は水硬性組成物を含有し、当該水硬性組成物には、水硬性粉体を含有することが望ましく、水硬性粉体とは、水と接触して硬化する粉体を意味し、例えばポルトランドセメント、珪酸カルシウム、カルシウムアルミネート、カルシウムフルオロアルミネート、カルシウムサルフォアルミネート、カルシウムアルミノフェライト、リン酸カルシウム、半水又は無水石膏及び、自硬性を有する生石灰の粉体からなる群より選ばれた少なくとも一種類の粉体を例示することができる。
本発明のCCDホルダに水硬性組成物を用いることにより、優れた絶縁性を得ることができる。
前記水硬性粉体の粒径は特に制限されないが、成形時の可使時間並びに得られる成形体の強度の点から、平均粒径10〜40μm程度のものが好ましく、また、成形体の強度に関する水硬性能の確保上、ブレーン比表面積が2500cm/g以上であることが好ましい。
本発明のCCDホルダに用いる水硬性組成物には、水硬性粉体の他に、さらに、非水硬性粉体を含有することもできる。非水硬性粉体とは、単体では水と接触しても硬化することのない粉体を意味するが、アルカリ性若しくは酸性状態、あるいは高圧蒸気雰囲気においてその成分が溶出し、他の既溶出成分と反応して生成物を形成する粉体も含む意である。
非水硬性粉体としては、水酸化カルシウム粉末、二水石膏粉末、炭酸カルシウム、スラグ、フライアッシュ、珪石粉末、粘土粉末、シリカヒューム粉末等からなる群より選ばれる少なくとも1種の粉体を用いることができる。
また、これらの非水硬性粉体の粒径は、特に制限されないが、上記水硬性粉体の平均粒径より小さいことが好ましい。これは、平均粒子径の小さい非水硬性粉体は水硬性粉体の間隙を充填し、いわゆるポゾラン反応やマイクロフィラー効果により成形体の強度を高めるとともに、緻密化が図られるからである。
成形体の精度が要求されるCCDホルダでは、機械加工が必要となるが、この場合非水硬性粉体を添加した成形体であると流動性が高められるため、切削・研削時の精度を向上させることができる。なお、非水硬性粉体を添加しても、制振性に与える影響は少ない。このために、特に前記非水硬性粉体の40〜60重量部が5〜20μmの球状粒子で構成されることがより好ましい。
かかる非水硬性粉体は、上記水硬性粉体と非水硬性粉体との混合粉体である水硬性組成物中、0〜80重量%、特に好適には30〜70重量%含有されることが好ましい。
これは、80重量%を超えて、水硬性組成物中に非水硬性粉体が含有されると、得られるCCDホルダの強度が低下し、線膨張係数が温度依存を受ける場合が生じ、好ましくない場合が生じるからである。
また、非水硬性粉体の平均粒径は、水硬性粉体の平均粒径より1桁以上小さく、好ましくは2桁以上小さいものが良いが、細かさの下限は本発明の効果を害することがなければ特に限定されない。
当該水硬性組成物の配合量は、上記樹脂100重量部に対し、水硬性組成物300〜1100重量部である。
上記水硬性組成物が、上記した配合範囲より少ないと、線膨張係数に温度依存性が出てしまい、一方、上記範囲より配合割合が多くなると、成形する際の成形性に劣ることがあるからである。
本発明のCCDホルダに用いる低線膨張制振性組成物は水硬性組成物には樹脂が含有され、当該樹脂としては、熱可塑性樹脂及び/又は熱硬化性樹脂が挙げられる。
熱可塑性樹脂とは、加熱により融解し冷却すると固化する樹脂を意味し、例えばポリエチレン、ポリプロビレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ABS樹脂、ポリアミド、ポリアセタール、ポリエステル、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリスルホン、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリフェニレンスルフィド、液晶ポリエステル、PEEK、PEN、パラフィンワックス、モンタンワックス、カルナバワックス、脂肪酸エステル、グリセライト、変性ワックス及びシラン変性ポリオレフィン重合体等挙げられる。
熱硬化性樹脂とは、熱可塑性樹脂とは逆に加熱により固化する樹脂を意味し、例えばフェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、シリコーン樹脂等が挙げられ、その分子量が10000以上のものが好ましい。なお、その上限については、混練性に影響を与える恐れがあるので、混練性に影響を与えない範囲で分子量を適宜選択することが好ましい。
本発明においては、好適に、水硬性組成物を樹脂と一緒に、樹脂が軟化する温度で溶融混練することにより、例えばペレット状に成形して、例えば射出成形用の原料として用いる。
かかるペレット状原料は、射出成形機内部の加熱シリンダ内で再び溶融・混練され、射出装置によって金型内に充填される。
金型内に充填された水硬性組成物および樹脂の混合物は、樹脂の冷却により未硬化成形品として金型内より取り出すことができる。
また、熱硬化性樹脂を利用する場合には、金型内に充填した時点で、金型を熱硬化性樹脂の硬化点以上の温度に加熱し、その後冷却することにより成形品を金型内より取り出すことができる。
水硬性組成物は一般的に水によって流動性が得られるが、脱型には長時間が必要となり射出成形等の成形は不可能である。
また、水硬性組成物と水が接触した場合には水和反応が進行するため、成形不良品等のリサイクルは不可能となる。
しかしながら、熱可塑性樹脂と水硬性組成物の混合物は水を使用せずに水硬性組成物に形状を与え、短時間での脱型を実現し、さらに成形段階では水を使用しないものであるため、水硬性組成物の水和反応は開始されず、養生前であれば何度でもリサイクルすることが可能である。
本発明のCCDホルダは成形時に水を使用していないことから成形後に水分の供給を行う必要がある。
射出成形後の未硬化成形体は、水硬性組成物の粒子間を樹脂が埋めているため、このままでは未硬化成形体内部への水の供給を阻害し、成形体の水和反応が不十分となる。
このため樹脂の一部あるいは全部を未硬化成形体内部より除去し、水分の供給路を形成する必要がある。
成形体内部から樹脂を除去する場合においては、成形体の寸法変化を極力抑えることを考慮すれば、シラン変性樹脂または融点の異なる2種類の樹脂を使用することが好ましい。
特に融点の異なる2種類の樹脂を使用することにより、低分子の樹脂は、比較的低温で溶融するので水硬性組成物を容易に流動化させることが可能であり、水硬性組成物および樹脂の混合物を射出成形することを可能とし、複雑な形状の成形体を得ることを可能とする。
そして、斯かる低分子の樹脂は、比較的低温(樹脂によっては100℃程度)から分解が始まるが、一方の高分子の樹脂は比較的高温(同200℃近辺)から分解が開始される。
従って、この中間の温度での樹脂分の除去を行った場合には、低分子樹脂のみが成形体内部より除去され、低分子樹脂の除去された空隙部分が水分の供給路となって成形体内部の水和反応を促進することができる。
一方、分解されずに成形体内部に残った高分子樹脂は、成形体内部に存在して成形体の寸法変化等を抑制することができる。
さらに、高分子樹脂の融点以上の温度で樹脂分の除去を行った場合には、低分子樹脂と高分子樹脂とを全て除去することとなり、完全に無機質な硬化体を得ることができる。
この場合、低分子樹脂と高分子樹脂との融点が異なる為、まず先に低分子樹脂が除去された後、続いて高分子樹脂が除去されることとなる。
よって、このような時間差によって樹脂成分を除去することにより、成形体の寸法変化を抑制することが可能となる。
例えば、低融点である熱可塑性低分子化合物の分子量は200〜数千、高融点である熱可塑性高分子化合物の分子量は10000以上が好ましい。
その上限については、分子量が大きくなると混練性に大きく影響するため、混練性の観点等から適宜選択設定することが好ましく、また当該熱可塑性低分子樹脂は、分子量5000以下のものが好ましい。
また、融点の異なる2種類の熱可塑性樹脂を配合する場合には、低分子化合物を50〜90重量%とすることが好ましく、55〜65重量%とすることが最も好ましい。また、熱可塑性高分子化合物は50〜10重量%とすることが好ましく、45〜35重量%とすることが、水分補給経路を確保する点から、より好ましい。
熱可塑性低分子化合物が50重量%未満となると水分供給路が少なくなり水和が十分に進行しない。また、90重量%より多いと脱型時の寸法変化が大きくなり、好ましくない。
前記熱可塑性低分子化合物は、パラフィンワックス、モンタンワックス、カルナバワックス、脂肪酸エステル、グリセライト、及び変性ワックスの低融点化合物から選ばれる単体もしくは2種以上が用いられることが好ましい。
熱可塑性高分子化合物としては、ポリスチレン、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンアクリル酸エチル共重合体、ポリプロピレン、アクリルニトリルーブタジエン−スチレン共重合体、アクリルニトリル−スチレン共重合体、メタクリル酸メチル、塩化ビニル塩化酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル酢酸ビニルマレイン酸共重合体、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニルアクリルニトリル共重合体、エチレン塩化ビニル共重合体、プロピレン塩化ビニル共重合体、酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリアミド、ポリアセタール、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスルフォン、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド及びポリフェニレンスルファイドの単体もしくは2種以上が用いられる。
また特に好適には、本発明に用いられる熱可塑性樹脂には、特に、水または熱により架橋反応を示す熱可塑性樹脂が好んで用いられる。
すなわち本発明で用いる射出成形法では、水硬性組成物成形体の成形工程においては、射出成形後の養生段階までは水を使用することなしに成形が可能であり、水との反応による架橋反応を示す樹脂の使用が可能だからである。かかる樹脂の使用によって成形体の高強度化及び耐衝撃性を向上させることができる。
また、使用する樹脂がシラン変性ポリオレフィン重合体の場合は、該水硬性組成物の硬化段階において、樹脂が水との接触により架橋反応が進行して硬化し、また、水硬性粉体も水との接触により同時に硬化が進行することとなる。
この硬化した成形体中の樹脂は、架橋反応により3次元の網目構造を作り、より高強度となると推測される。
このような架橋高分子となる樹脂としては、前述のシラン変性ポリオレフィン重合体があり、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン共重合体及びプロピレン共重合体からなる群より選ばれるシラン変性ポリマーを使用することができる。
シラン変性ポリマーの使用は、架橋によりポリマーが硬化することによって、より高強度化が図れるため、熱可塑性低分子樹脂の使用はなくてもよい。
他方、熱硬化性樹脂を用いる場合には、脱脂の際に成形体を高温状態に維持するため、樹脂が硬化状態で脱脂が進行し、成形体の寸法変化をより一層抑制することが可能となる。
さらに、本発明のCCDホルダに用いる低線膨張制振性組成物には、低線膨張性を得るために、無機繊維等の強化材が含有される。
当該繊維は、樹脂100重量部に対して、50〜200重量部を添加することが好ましく、100〜150重量部を添加することがより好ましい。
繊維を添加しない場合、あるいは添加量が50重量部未満であると、得られるCCDホルダ成形体の耐衝撃性、引張強度の低さが改善できず、所望の線膨張率を実現できないおそれが生じる場合がある。
一方、200重量部より多いと流動性への影響が大きく成形不良の原因となることがあり望ましくない。
繊維としてはガラス、カーボン、ボロン等の繊維およびチタン酸カリウムウィスカー等の公知の強化繊維が使用できる。
繊維の長さは0.1〜20mmが好ましく、3〜6mmがより好ましい。
また、太さは5〜30μmであることが、CCDホルダ成形体の製造の容易さ及び成形性の点から好ましい。
更に、好ましくは、本発明のCCDホルダ成形体に用いられる低線膨張制振性組成物は、金型からの剥離性を改善するために、離型剤を含有することができる。
離型剤は、樹脂に対して、0.5〜10.0重量部添加することが好ましく、2.0〜3.0重量部添加することがより好ましい。
0.5重量部未満であると型枠からの剥離性が不良となり、10.0重量部より多くなると水硬性組成物の水和反応の障害等となるおそれがある。
離型剤としてはステアリン酸、ステアリルアルコール、工チレンビスステアオロアミド、グリセリントリエステル、グリセリンモノエステル等が使用できる。
その他の添加剤としては、熱可塑性樹脂の酸化防止のためのアルキルフェノール類、2.6ターシャルブチルパラクレゾール、ビスフェノールA等を使用することができる。
また、紫外線吸収剤として、サルシル酸エステル、ベンゼン酸エステル等を必要に応じて添加することもできる。
本発明に係る水和硬化した成形体であるCCDホルダは、水硬性組成物及び樹脂と繊維材や、必要に応じて添加される離型材等の添加剤を含有して、所定の形状に成形し、未硬化成形体を得た後、樹脂の融点以上の温度で加熱することにより成形体内部より樹脂を除去(「脱脂」と称する)し、得られた成形体を養生して水分を導入することにより、該成形体を水和硬化させることによって製造するものである。
樹脂は1種類の上記した化合物でも良いが、上述したように熱可塑性低分子化合物と熱可塑性高分子化合物の2種類から構成されてなるものやシラン変性樹脂を使用するなど、種々の態様が可能である。
例えば、熱可塑性樹脂が、このような2種類の化合物から構成されている場合には、低融点である熱可塑性低分子化合物の融点と高融点である熱可塑性高分子化合物の融点との問の温度(270℃以下)で脱脂することが好ましく、これによって成形体内部より熱可塑性低分子化合物のみを除去し、これによって生じた空隙を水分供給路として水分を導入することにより、水和反応率を高めて水和硬化させるものである。これにより、高精度の画像再生のためにより高い制振性を保持することが更に可能となる。
具体的には、成形方法としては、成形方法としては、加圧成形法、押出成形法及び射出成形法を用いることができる。特に射出成形法では、三次元の任意の形状に精度良く成形できるので、家電製品や各種事務機器に使用される制振部材に適用しやすい成形品が製作できる。
また、脱脂方法としては、例えば低分子化合物としてDEP、高分子化合物としてエチレン−酢酸ビニル共重合体を使用した場合、DEPは100℃から分解が開始し190℃で終了し、一方、エチレン・酢酸ビニル共重合体は210℃から分解が始まる。従って、200℃で成形体を加熱することにより、DEPのみを選択的に除去することができる。
また、400〜500℃で養生すれば、これらの熱可塑性樹脂を完全に除去することもできる。
尚、脱脂方法としては、加熱以外の方法を適用することも可能であり、例えば溶媒抽出や減圧による除去方法を挙げることができる。
樹脂の除去に要する時間は樹脂の種類、配合量、圧力、温度等により適宜設定することができる。上記の例に示した樹脂の組み合わせを大気圧下200℃で脱脂した場合には、3時間では脱脂率が70%程度となり、12時間後にはほぼ100%となる。
水分を供給する養生方法としては、特に限定されず、公知の方法を用いることができるが、養生は20〜180℃で3時間以上行うことが望ましい。例えば常圧蒸気養生、高圧蒸気養生及び熱水養生からなる群より選ばれる少なくとも1種の養生方法等を用いることができるが好ましくは、これらの常圧蒸気養生、高圧蒸気養生及び熱水養生法を単独で行うか、または常圧蒸気養生と熱水養生との組合せ、あるいは高圧蒸気養生と熱水養生との組み合わせにより行うことが好ましい。
このようにして得られた成形体であるCCDホルダは、低線膨張制振性に優れるとともに、線膨張率が低い特性を有する。
制振性は、JIS G 0602「制振鋼板の振動減衰特性試験方法」における「中央支持定常加振法」によって、制振性の試験を行った。図2に示すように、制振材の試験片は、インピーダンスヘッドを介して加振機に固定し、FFTのスェプサイン信号を用いて加振を行った。そして、FFTを用いてインピーダンスヘッドからの力と振動加速度の信号とを用いて、力/振動速度(振動加速度は振動速度に変換)の関係から求められる周波数応答関数を測定した。これを反共振特性(機械インピーダンス)とし、損失係数は半価幅法により求めた。また、損失係数の測定は20℃および80℃でもとめ制振性の温度依存性について検討した。本発明のCCDホルダは、通常制振材として使用されている鋳鉄の5倍の制振性の数値を有するものである。すなわち、制振性にかかる損失係数は、特に限定されず、値が大きければ大きいほど制振性がよく、例えば、1.0%以上、好ましくは3.0%以上の値を有する。
また、線膨張係数は、ASTM D648法準拠で測定して、0〜400℃において、200×10−7/℃以下、好適には200〜400℃において150×10−7/℃以下、更に好適には100×10−7/℃以下となるものである。
更に、絶縁性は、ASTM D257に準拠して、体積抵抗率(Ω・cm)を測定して、1013Ω・cm以上、好ましくは、1015Ω・cm以上となる数値を有するものである。
従って、本発明のCCDホルダは、図1のレーザー顕微鏡のCCDホルダとして、特に第1受光素子19a及び第2受光素子24のホルダとして有用に用いることができる。
本発明を以下の実施例、比較例及び試験例により説明する。
(実施例1)
水硬性粉体としてのポルトランドセメント(平均粒径20μm、商品名:普通ポルトランドセメント、住友大阪セメント株式会社製))、非水硬性粉体としてのフライアッシュ(平均粒径10μm、球状粒子、商品名;中部フライアッシュ、株式会社中部テクノ)、珪石粉(平均粒径35μm、商品名;マイクロシリカ、秩父工業株式会社製)を混合した水硬性組成部粉体と、樹脂としてシラン変性ポリポロピレン樹脂(スミコンFM、住友ベークライト株式会社製)、無機繊維としてカーボン繊維(C6−S、東邦テナックス株式会社製)を、表1に示す割合で配合して、低線膨張制振性材料組成物を調製した。次いで、当該組成物を、ニーダー混練機(商品名:ラボストミル:東洋精機製作所株式会社製)にて220℃で45分間混合して、ペレットを得た。
次にこのペレットを使用して、長さ250mm×幅7mm×厚み7mmの射出成形体を得、得られた各未硬化成形体について、を熱水養生(160℃、12時間)を行い、CCDホルダの成形体を製造した。
(実施例2)
水硬性粉体と無機繊維の配合比を表1のように変化させた以外は実施例1と同様にして、CCDホルダの成形体を得た。
(実施例3)
水硬性組成物の粉体、樹脂の配合比を表1のように変化させた以外は実施例1と同様にして、CCDホルダの成形体を得た。
(比較例1〜3)
比較例として、ポリエチレンテレフタレート(PTFE(フルオン、旭硝子株式会社製))片状黒鉛鋳鉄(FC350)、アルミナ(日本セラミック社製))を材料として、実施例1と同様の形状のCCDホルダの成形体部材を製造した。
(試験例)
上記実施例1〜3及び比較例1〜3で得られたCCDホルダの成形体部材を、以下の試験に供した。
制振性の評価
JIS G 0602「制振鋼板の振動減衰特性試験方法」における「中央支持定常加振法」によって、制振性の試験を行った。図2に示すように、制振材の試験片は、インピーダンスヘッドを介して加振機に固定し、FFTのスェプサイン信号を用いて加振を行った。そして、FFTを用いてインピーダンスヘッドからの力と振動加速度の信号とを用いて、力/振動速度(振動加速度は振動速度に変換)の関係から求められる周波数応答関数を測定した。これを反共振特性(機械インピーダンス)とし、損失係数は半価幅法により求めた。また、損失係数の測定は20℃および80℃で求め、それぞれ制振性の温度依存性について検討した。
線膨張係数の評価
ASTM D648に準拠して、線膨張係数の試験を行った。φ3×20mmの制振材試験片をそれぞれ用意し、押棒式測定装置を使用して、30〜80℃の温度域で、線膨張係数を測定した。
絶縁性の評価
ASTM D257に準拠して、体積抵抗率(Ω・cm)を測定した。試験片は、上記実施例1〜3及び比較例1〜3で得られた成形体を85mm×85mm×3mmの平板とし、印加電圧を直流で500Vとし、導電時間を1分間として電流を測定し、体積抵抗率(Rv)を求めた。
得られた結果を表1に示す。
Figure 0004585782
上記結果から、本発明の実施例1乃至3のCCDホルダ成形体は、比較例1のPTFEと同等の損失係数%を有し、制振性能に優れていることが確認できる。そして、20℃および80℃における損失係数はほぼ同じで、制振性の温度依存性が小さいことが分かる。
また、実施例1乃至3のCCDホルダ成形体は、比較例1乃至3のCCDホルダ成形体と比較して極めて小さな線膨張係数を有していることが確認できる。
さらに、実施例1乃至3のCCDホルダ成形体の電気抵抗は、1013Ω・cm以上であり、十分な絶縁性を備えていると言える。
本発明のCCDホルダは、図1のレーザー顕微鏡のCCDホルダとして使用、特に第1及び第2受光素子のホルダとして使用すると、上記効果を有するため、極めて有用に使用できた。
本発明のCCDホルダは、レーザー顕微鏡からのノイズの影響を受けることなく、機器使用時の振動を抑制し、温度変化による依存性がない低線膨張性を備え、絶縁性であるため、顕微鏡、特にレーザ顕微鏡のCCDホルダとして利用することができる。
レーザー顕微鏡の概略図。 制振性の評価を行うための試験の概略フロー図。
符号の説明
1 レーザー光学系(第1光学系)
2 白色光光学系(第2光学系)
10 レーザー光L1の出射レーザー
19a ピンホールを有する光絞り部
19b 第1受光素子
20 白色光を出射する白色光源
24 第2受光素子
41 第1A/D変換回路
42 第2A/D変換回路
43 CCD駆動回路

Claims (2)

  1. 樹脂100重量部に対して、水硬性組成物300〜1100重量部及び無機繊維50〜200重量部配合してなる低線膨張制振性組成物からなる成形体であることを特徴とする固体撮像素子用ホルダ。
  2. 請求項1記載の固体撮像素子用ホルダにおいて、線膨張係数が200〜400℃で15ppm/℃以下、制振性にかかる損失係数が1.0%以上、電気抵抗率が1013Ω・cm以上であることを特徴とする固体撮像素子用ホルダ。
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