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JP4596871B2 - 発熱素子 - Google Patents
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Description

本発明は、住宅やオフィスのガラス窓、或いはスーパーやコンビニエンスストア等に設置されている業務用冷蔵庫のガラス扉等に用いられる発熱素子に関する。
住宅およびオフィスのガラス窓、或いはスーパーやコンビニエンスストア等に設置されている業務用冷蔵庫のガラス扉等に用いられるガラス素子においては、冬季における室内外の温度差、または冷蔵庫内外の温度差によって、ガラス素子の表面に結露が発生し易くなっている。
そこで、図7に示すように、裏面51に導電性薄膜52が形成されたガラス基板53と、導電性薄膜52に対峙しているガラス板54とが、所定間隔を空けて配置された2体のスペーサ55,55を介して積層されており、各スペーサ55,55の軸方向に沿って配置された2体の電極部56,56が導電性薄膜52上に接合されているガラス素子50がある。このガラス素子50では、電極部56,56を通じて導電性薄膜52に通電することにより、導電性薄膜52を発熱させ、この熱によってガラス素子50を加熱して表面57に発生する結露を抑制することができるように構成されている(例えば、特許文献1参照)。
なお、電極部56は、樹脂ベースの導電ペーストによって形成されており、ガラス素子50の外部に設けた電源(図示せず)に接続されたコード58を通じて給電されるように構成されている。また、ガラス基板53とガラス板54との間には、ガラス基板53とガラス板54の外周縁に対応するようにして、封着材59が設けられており、この封着材59によって密閉された空間部60の断熱効果によって、導電性薄膜52の熱損失を少なくすることができる。
特開平11−314943号公報(段落0005、図1)
しかしながら、前記ガラス素子50において、導電性薄膜52に電極部56を接合する際には、導電性薄膜52上の所定位置に導電ペーストを塗布し、この導電ペーストを乾燥させて電極部56を形成した後に、電極部56に電源コード58を取り付ける必要がある。そのため、電極部56の取り付け作業が煩雑になり、製造コストが高くなってしまうという問題がある。
また、スペーサ55を貫通させて電源コード58を空間部60内に突出させているため、コード58の周囲を伝って空間部60内に湿気が侵入してしまうという問題がある。
さらに、前記ガラス素子50では、通電による導電性薄膜52の発熱、いわゆる、熱衝撃によって、ガラス基板53と電極部56,56が加熱されて熱膨張する。このとき、ガラス基板53と電極部56,56との熱膨張率が著しく異なることから、両者の熱膨張に大きな差が生じ、導電性薄膜52と電極部56,56との接合部に応力が加わることになる。このように、熱衝撃による応力が接合部に繰り返し加わることにより、接合部に亀裂または空隙が発生し、電極部56,56が導電性薄膜52から剥離してしまう場合がある。特に、ガラス素子50の製造コストを抑制するために、電極部56,56を形成する導電ペーストの強度を低く設定した場合には、電極部56,56の剥離が生じ易くなってしまう。そして、電極部56,56が剥離した場合には、導電性薄膜52への通電を確実に行うことができなくなり、電極部56,56の断線や導電性薄膜52の局所的異常発熱等の不具合が発生してしまう。すなわち、前記ガラス素子50では、熱衝撃の耐久性が低くなってしまうという問題がある。
さらに、前記ガラス素子50では、電極部56,56が導電ペーストによって形成されており、この電極部56,56に高電流を通電させた場合には、導電ペーストが発熱することにより、導電ペーストの接着力や導電性等が低下してしまう可能性がある。したがって、導電性薄膜52に高電流を通電させて、ガラス素子50の発熱温度や加熱効率を高めることができないという問題がある。
そこで、本発明では、前記した問題を解決し、透明基板に形成された導電性薄膜に通電するための電極部を簡易に取り付けることができ、さらに、電極部が熱衝撃の耐久性を十分に備えるとともに、電極部の発熱を防ぐことができる発熱素子を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は、裏面に導電性薄膜が形成された透明基板と、導電性薄膜に対峙している透明板とが積層されている発熱素子であって、透明基板と透明板との間には、所定間隔を空けて配置された2体のスペーサが介設され、各スペーサには、導電性薄膜に接している接触端子を備えた電極部が取り付けられており、電極部の接触端子を通じて導電性薄膜に通電することにより、導電性薄膜が発熱するように構成され、電極部は、スペーサ内に配置されている埋設部と、スペーサから突出している接触端子と、から構成されていることを特徴としている。
このように、本発明の発熱素子では、導電性薄膜に接している接触端子を備えた電極部をスペーサに取り付けることにより、導電性薄膜に電極部を接合する必要がなくなる。これにより、透明基板と透明板を積層する工程において、スペーサの取り付けとともに、電極部も取り付けられることになるため、透明基板と透明板との間に電極部を簡易に取り付けることができる。
また、スペーサが透明基板と透明板との間に介設されており、スペーサを透明基板および透明板に密着させることができるため、スペーサと透明基板および透明板との間の防湿性を高めることができるとともに、スペーサによって透明基板と透明板との間隔が保持されるため、透明基板および透明板の安定性を高めることができる。
また、電極部がスペーサに取り付けられているため、外部からスペーサに挿入した電源コードをスペーサから突出させることなく、電極部に取り付けることができる。これにより、発熱素子内の配線を簡易な構成にすることができるとともに、電源コードを伝って湿気が侵入してしまうことを防ぐことができる。
また、電極部の埋設部をスペーサ内に配置することにより、電極部のずれや脱落を防ぐことができる。また、埋設部が発熱素子の外部から見えなくなるため、良好な外観の発熱素子を提供することができる。
さらに、電極部全体を導電性薄膜に接合することなく、電極部は接触端子によって導電性薄膜に接しており、電極部と導電性薄膜との接触面積が非常に小さくなっているため、導電性薄膜の発熱、いわゆる、熱衝撃が発生しても、電極部と導電性薄膜との接合部に亀裂や空隙が生じることなく、導電性薄膜への通電を確実に行うことができる。すなわち、本発明の発熱素子では、熱衝撃の耐久性を十分に確保することができる。
また、導電性薄膜に電極部を接合しないことから、電極部を導電ペーストによって形成する必要がなくなるため、高電流の通電による電極部の発熱を防ぐことができる。これにより、電極部を通じて導電性薄膜に高電流を通電させて、発熱素子の発熱温度や加熱効率を高めることができる。
なお、2体のスペーサを囲むようにして、透明基板と透明板との間に封着材を設けた場合には、封着材によって密閉された空間部の断熱効果によって、導電性薄膜の熱損失を少なくすることができる。さらに、スペーサを封着材に接合させた場合には、電極部が取り付けられたスペーサのずれを防ぐことができる。
また、前記発熱素子は、接触端子が導電性薄膜に向けて付勢されている構成としてもよい。
このように、本発明の発熱素子では、接触端子を導電性薄膜に向けて付勢させることにより、接触端子と導電性薄膜とを確実に接触させることができるため、導電性薄膜への通電を確実に行うことができる。
また、前記発熱素子は、電極部が複数の接触端子を備えている構成としてもよい。
このように、本発明の発熱素子では、電極部が複数の接触端子を備えることにより、一部の接触端子が変形や破損によって導電性薄膜から離間してしまった場合であっても、他の接触端子によって導電性薄膜との接触を確保することができるため、導電性薄膜への通電を確実に行うことができる。
前記課題を解決するため、本発明の他の構成としては、裏面に導電性薄膜が形成された透明基板と、導電性薄膜に対峙している透明板とが積層されている発熱素子であって、透明基板と透明板との間には、所定間隔を空けて配置された2体のスペーサが介設され、各スペーサには、導電性薄膜に接している接触端子を備えた電極部が取り付けられており、電極部の接触端子を通じて導電性薄膜に通電することにより、導電性薄膜が発熱するように構成され、スペーサ内に配置されている埋設部と、埋設部と導電性薄膜との間に介設されている接触端子とから電極部を構成してもよい。
このように、本発明の発熱素子では、電極部の埋設部をスペーサ内に配置し、埋設部と導電性薄膜との間に接触端子を介設することにより、接触端子を埋設部および導電性薄膜と確実に接触させることができるため、導電性薄膜への通電を確実に行うことができる。また、埋設部が発熱素子の外部から見えなくなるとともに、接触端子の露出部位を少なくすることができるため、良好な外観の発熱素子を提供することができる。
なお、透明基板に接しているスペーサの端面に切り欠き部を形成し、この切り欠き部に接触端子を嵌め込むことにより、スペーサ本体と透明基板との接触部位を確保した状態で、埋設部と導電性薄膜との間に接触端子を設けた場合には、スペーサと透明基板および透明板との密着性を保つことができるため、スペーサと透明基板および透明板との間の防湿性を高めることができるとともに、スペーサによって透明基板と透明板との間隔が保持されるため、透明基板および透明板の安定性を高めることができる。
また、裏面に導電性薄膜が形成された透明基板と、導電性薄膜に対峙している透明板とが積層されている発熱素子であって、透明基板と透明板との間には、所定間隔を空けて配置された2体のスペーサが介設され、各スペーサには、導電性薄膜に向けて付勢されているフランジ部が形成されており、フランジ部と導電性薄膜との間に介設された電極部を通じて導電性薄膜に通電することにより、導電性薄膜が発熱するように構成してもよい。
このように、本発明の発熱素子では、スペーサのフランジ部と導電性薄膜との間に電極部を介設することにより、透明基板と透明板を積層する工程において、スペーサの取り付けとともに、電極部も取り付けられることになるため、透明基板と透明板との間に電極部を簡易に取り付けることができる。
また、スペーサと透明基板との接触面積を広く確保することができるため、スペーサと透明基板との間の防湿性を高めることができるとともに、スペーサによって透明基板および透明板を安定させることができる。
さらに、発熱素子内の配線を簡易な構成にすることができるとともに、電源コードを伝って湿気が侵入してしまうことを防ぐことができる。
このような発熱素子によれば、導電性薄膜に接している接触端子を備えた電極部をスペーサに取り付けることにより、透明基板と透明板を積層する工程において、スペーサの取り付けとともに、電極部も取り付けられることになるため、透明基板と透明板との間に電極部を簡易に取り付けることができ、発熱素子の製造コストを少なくすることができる。
また、スペーサが透明基板と透明板との間に介設されており、スペーサを透明基板および透明板に密着させることができるため、スペーサと透明基板および透明板との間の防湿性を高めることができるとともに、スペーサによって透明基板と透明板との間隔が保持されるため、透明基板および透明板の安定性を高めることができる。
また、外部からスペーサに挿入した電源コードをスペーサから突出させることなく、電極部に取り付けることができるため、発熱素子内の配線を簡易な構成にすることができるとともに、電源コードを伝って湿気が侵入してしまうことを防ぐことができる。
さらに、導電性薄膜に接している接触端子を備えた電極部をスペーサに取り付けた構成では、電極部と導電性薄膜との接触面積が非常に小さくなっているため、熱衝撃が発生しても、導電性薄膜への通電を確実に行うことができ、熱衝撃の耐久性を十分に確保することができる。
また、電極部を導電ペーストによって形成する必要がなくなり、高電流の通電による電極部の発熱を防ぐことができるため、電極部を通じて導電性薄膜に高電流を通電させて、発熱素子の発熱温度や加熱効率を高めることができる。
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本実施形態の発熱素子を示した図で、(a)は発熱素子の平面図、(b)は図1(a)のA−A断面図である。図2は、本実施形態の発熱素子における電極部の部分斜視図である。
なお、以下の説明において、左右とは図1(a),(b)の左右方向に対応している。
本実施形態では、住宅やオフィスのガラス窓、或いはスーパーやコンビニエンスストアに設置されている業務用冷蔵庫のガラス扉等に用いられる発熱素子を例として説明する。
図1および図2に示すように、本実施形態の発熱素子1は、裏面2aに導電性薄膜3が形成された透明基板2と、導電性薄膜3に対峙している透明板4とが所定間隔を空けて積層されており、透明基板2と透明板4との間に設けられた一対の電極部10,10から導電性薄膜3に通電することにより、導電性薄膜3が発熱するように構成されている。
なお、裏面とは、発熱素子1がガラス窓の場合における室内側に対応しており、表面とは、室外側に対応している。
(透明基板)
透明基板2は、図1(a)に示すように、平面視で長方形の板状部材である。この透明基板2の形状は限定されるものではなく、ガラス窓やガラス扉の形状に対応させて決定されるものである。
また、透明基板2は、ガラス、ガラス以外のセラミック、耐熱性プラスチック等を用いることが可能であるが、耐久性が優れているガラスを用いることが好ましい。さらに、ガラス製の透明基板2としては、熱線反射ガラス、熱線吸収ガラス、低放射ガラス、強化ガラス等を用いることができる。
(導電性薄膜)
導電性薄膜3は、図1(b)に示すように、透明基板2の裏面2aに均一な厚さで形成されており、通電によって発熱自在となっている。この導電性薄膜3の発熱によって透明基板2が加熱されることにより、透明基板2の表面2bに発生する結露、或いは窓際において生じる冷たい下降気流(コールドドラフト)や、窓を通しての熱貫流による室内温度の低下や不均一(ミキシングロス現象)の発生を抑制することができる。
また、導電性薄膜3は、透明基板2の裏面2a全域に形成することが好ましいが、結露、コールドドラフトおよびミキシングロス現象の発生を抑制することができるのであれば、透明基板2の裏面2aの一部に形成してもよい。
さらに、導電性薄膜3は、酸化インジウム、酸化錫、酸化チタン、酸化タンタル等の金属酸化物、または、これらの金属酸化物の混合物(例えば、酸化インジウムと酸化錫との混合物であるITO等)を用いることができるが、導電性が優れている酸化錫を用いることが好ましい。
なお、導電性薄膜3の形成方法としては、イオンプレーティング、スパッタリング等の物理的蒸着(PVD)法や、熱CVD、プラズマCVD等の科学的蒸着(CVD)法、または、印刷法、塗布法等の公知技術を用いて形成することができる。また、導電性薄膜3の膜厚は200nm〜500nmが好ましい。ちなみに、膜厚が200nm未満では導電性薄膜3の強度が低下する可能性が高くなり、膜厚が500nm以上になると導電性薄膜3を形成する際の作業性が低下する可能性が高くなってしまう。
(透明板)
透明板4は、図1に示すように、導電性薄膜3に対峙するようにして、透明基板2から所定間隔を空けて配置されており、平面視で透明基板2と同一形状の板状部材である。また、透明板4は、透明基板2と同様に、ガラス、ガラス以外のセラミック、耐熱性プラスチック等を用いることが可能であり、ガラス製の透明板4としては、熱線反射ガラス、熱線吸収ガラス、低放射ガラス、強化ガラス等を用いることができる。なお、透明基板2と透明板4とが同じ材質によって形成されている必要はなく、発熱素子1の製造コスト等を考慮して設定することが好ましい。
さらに、透明基板2と透明板4との間には、図1(a)の左右方向に所定間隔を空けて配置された一対の電極付スペーサ5,5および図1(a)の上下方向に所定間隔を空けて配置された一対のスペーサ5’,5’が介設されており、この4体の電極付スペーサ5,5およびスペーサ5’,5’によって透明基板2と透明板4とが所定間隔を空けた状態に保たれている。
(電極付スペーサおよびスペーサ)
各電極付スペーサ5,5および各スペーサ5’,5’は、図1および図2に示すように、透明基板2に形成された導電性薄膜3と透明板4との間に介設されており、透明基板2および透明板4の側端部に沿って軸方向が配置された直方体の樹脂材であり、各電極付スペーサ5,5には、導電性薄膜3に通電するための電極部10が取り付けられている。なお、本実施形態では、各電極付スペーサ5,5および各スペーサ5’,5’をブチルテープ(図示せず)によって透明基板2に貼り付けているが、各電極付スペーサ5,5および各スペーサ5’,5’が透明基板2と透明板4との間で移動することなく、各電極付スペーサ5,5および各スペーサ5’,5’と、透明基板2および透明板4とに囲まれた空間部7の防湿性を確保することができるのであれば、その固定方法は限定されるものではない。また、各電極付スペーサ5,5および各スペーサ5’,5’の材質は限定されるものではないが、発熱する導電性薄膜3と接しているため、耐熱性を十分に備えた部材を用いることが好ましい。
ここで、透明基板2と透明板4との間には、透明基板2と透明板4の外周縁に対応するようにして封着材6が介設されており、この封着材6によって、透明基板2と透明板4との間には、密閉された空間部7が形成されている。そして、空間部7の断熱効果によって、導電性薄膜3の熱損失が少なくなるため、発熱素子1の発熱効率が高まっている。
また、各電極付スペーサ5,5および各スペーサ5’,5’は、空間部7内に各々配置されており、各電極付スペーサ5,5および各スペーサ5’,5’において、空間部7の内方に臨んでいる側面と反対側の側面は、封着材6に接合されている。
なお、封着材6は、例えば、接着性を備えた既存の樹脂材であり、この封着材6の接着力によって透明基板2と透明板4とが接合されている。さらに、各電極付スペーサ5,5および各スペーサ5’,5’は封着材6に接合されているため、空間部7内に各電極付スペーサ5,5および各スペーサ5’,5’が安定して配置されており、各電極付スペーサ5,5および各スペーサ5’,5’のずれが防止されている。
この封着材6は、透明基板2、透明板4、各電極付スペーサ5,5および各スペーサ5’,5’を確実に接合することができる材質であれば、その材質は限定されるものではないが、発熱する導電性薄膜3に接しているため、耐熱性を十分に備えた部材を用いることが好ましい。
(電極部)
電極部10は、図1および図2に示すように、電極付スペーサ5内に配置されている埋設部12と、電極付スペーサ5から空間部7側に突出している接触端子11とから構成されており、導電性薄膜3に通電するための部材である。
埋設部12は、各電極付スペーサ5,5に埋め込まれた長方形の板状部材であり、各電極付スペーサ5,5の軸方向に沿って、各電極付スペーサ5,5の中心部に配置されている。
この埋設部12は、銅、クロム、ニッケル、銀等の部材であり、導電性が優れている銅を用いることが好ましい。そして、埋設部12の軸方向における一端には、発熱素子1の外部に設けられた電源(図示せず)に接続された電源コード8がハンダ9によって取り付けられており、この電源コード8から埋設部12に給電することによって、後記する接触端子11を通じて導電性薄膜3に通電することができる。
このように、本実施形態では、電極付スペーサ5の内部で埋設部12に電源コード8が取り付けられており、電極付スペーサ5から空間部7内に電源コード8が突出しないため、配線を簡易な構造にし、作業工数を削減することができるとともに、電源コード8を伝って空間部7内に湿気が侵入してしまうことが防止されている。
また、埋設部12を電極付スペーサ5内に埋め込むことにより、電極部10のずれや脱落を防ぐことができるとともに、埋設部12が発熱素子1の外部から見えなくなるため、良好な外観の発熱素子1を提供することができる。
さらに、埋設部12には、電極付スペーサ5から突出した先端部が導電性薄膜3に接している複数の接触端子11が取り付けられている。各接触端子11は長方形の板状部材であり、その材質は、埋設部12と同様に、銅、クロム、ニッケル、銀等の部材を用いることができるが、導電性が優れている銅を用いることが好ましい。
各接触端子11は、埋設部12の軸方向に沿って所定間隔ごとに形成されている。また、各接触端子11の基端部は、埋設部12の軸方向に沿って連結され、埋設部12の厚さ方向(図1(b)における上下方向)の中間部に取り付けられている。そして、各接触端子11は、基端部から導電性薄膜3に向けて傾斜している。
また、各接触端子11の先端部は、導電性薄膜3に接することによって湾曲しており、導電性薄膜3に向けて付勢されている。このように、接触端子11を導電性薄膜3に向けて付勢させることにより、導電性薄膜3と接触端子11とを確実に接触させることができるため、電極部10から導電性薄膜3への通電を確実に行うことができる。
以上のように構成された発熱素子1では次のような作用効果を奏する。
まず、本実施形態の発熱素子1では、導電性薄膜3に通電するための電極部10を各電極付スペーサ5,5内に取り付けることにより、透明基板2と透明板4を積層する工程において、電極付スペーサ5,5の取り付けとともに、電極部10も取り付けられることになるため、透明基板2と透明板4との間に電極部10を簡易に取り付けることができ、発熱素子1の製造コストを少なくすることができる。
また、各電極付スペーサ5,5が透明基板2と透明板4との間に介設されており、各電極付スペーサ5,5の上端面および下端面を透明基板2および透明板4に密着させることができるため、各電極付スペーサ5,5と透明基板2および透明板4との間の防湿性を高めることができるとともに、均一な厚さの各電極付スペーサ5,5によって透明基板2と透明板4との間隔が保持されるため、透明基板2および透明板4の安定性を高めることができる。
さらに、電極部10は複数の接触端子11によって導電性薄膜3と接しているため、発熱素子1を組み立てる際に、一部の接触端子11が変形や破損によって導電性薄膜3から離間してしまった場合であっても、他の接触端子11によって導電性薄膜3との接触を確保することができ、導電性薄膜3への通電を確実に行うことができる。
そして、電極部10を通じて導電性薄膜3に通電し、導電性薄膜3を発熱させて透明基板2を加熱することにより、透明基板2の表面2bに発生する結露、或いはコールドドラフトやミキシングロス現象の発生を抑制することができる。
このとき、接触端子11は、導電性薄膜3に向けて付勢されているため、導電性薄膜3への通電を確実に行うことができる。
また、電極部10が導電性薄膜3に接合されておらず、接触端子11と導電性薄膜3との接合面積が非常に小さくなっているため、熱衝撃が発生しても、導電性薄膜3と接触端子11との接合部に亀裂や空隙が生じることなく、導電性薄膜3への通電を確実に行うことができ、熱衝撃の耐久性が十分に確保されている。
さらに、電極部10を導電ペーストによって形成する必要がなくなり、高電流の通電による電極部10の発熱を防ぐことができるため、電極部10を通じて導電性薄膜3に高電流を通電させて、発熱素子1の発熱温度や加熱効率を高めることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態には限定されるものではない。
図3は、本実施形態の発熱素子における参考例を示した図で、(a)は電極部が電極付スペーサの側面に貼り付けられた構成の断面図、(b)は電極部の部分斜視図である。図4は、本実施形態の発熱素子における他の構成を示した図で、(a)は円筒状の接触端子が埋設部と導電性薄膜との間に介設された構成の断面図、(b)は電極部の部分断面図である。図5は、本実施形態の発熱素子における他の構成を示した図で、(a)は平網銅線からなる接触端子が埋設部と導電性薄膜との間に介設された構成の断面図、(b)は電極部の部分断面図である。図6は、本実施形態の発熱素子における他の構成を示した図で、(a)は電極付スペーサにフランジ部が形成された構成の断面図、(b)は電極部の部分断面図である。
例えば、本実施形態では、図2に示すように、電極付スペーサ5,5内に埋設部12を配置し、電極付スペーサ5,5から接触端子11を突出させて導電性薄膜3に接触させているが、図3に示す参考例のように、電極部20の一部を電極付スペーサ5,5内に配置することなく、各電極付スペーサ5,5において、空間部7の内方を臨む側面に電極部20を付着させることもできる。この構成では、前記実施形態における埋設部12(図2参照)と各接触端子21とが一体化されているため、電極部20を簡易な構造にすることができる。さらに、電極付スペーサ5,5の内部を加工する必要がないため、発熱素子1を簡易に製造することができる。
また、図4に示すように、各電極付スペーサ5a,5aにおいて、導電性薄膜3を臨む端面に切り欠き部を形成し、電極付スペーサ5a内に配置された埋設部32と導電性薄膜3との間に介設されるようにして、円筒状の接触端子31を設け、埋設部32と導電性薄膜3との間で接触端子31が圧縮されている電極部30がある。この構成では、接触端子31が埋設部32および導電性薄膜3に向けて付勢されることになるため、接触端子31を埋設部32および導電性薄膜3に確実に接触させることができる。また、接触端子31が空間部7に露出する部位を少なくすることができるため、良好な外観の発熱素子1を提供することができる。
このように、透明基板2に接している各電極付スペーサ5a,5aの端面に形成した切り欠き部に接触端子31を嵌め込むことにより、各電極付スペーサ5a,5a本体と透明基板4との接触を確保した状態で、埋設部32と導電性薄膜3との間に接触端子31を設けることができる。これにより、各電極付スペーサ5a,5aを透明基板2および透明板4にブチルテープ(図示せず)によって密着させることができるため、空間部7の防湿性を高めることができる。また、各電極付スペーサ5a,5aによって透明基板2と透明板4との間隔が保持されるため、透明基板2および透明板4の安定性を高めることができる。
さらに、円筒状の接触端子31に換えて、図5に示すように、既存の平網銅線からなる接触端子33を電極付スペーサ5a内の埋設部32と導電性薄膜3との間に介設した電極部30aがあり、この構成では、既存の平網銅線を用いることにより、発熱素子1の製造コストを少なくすることができる。
また、電極付スペーサの他の構成としては、図6に示すように、導電性薄膜3に向けて付勢されたフランジ部5cを封着材6側の側面5dの下端部から突出させるとともに、フランジ部5cと導電性薄膜3との間に電極部40を介設し、電極部40を通じて導電性薄膜3に通電することにより、導電性薄膜3を発熱させるように構成した電極付スペーサ5bがある。なお、電極付スペーサ5bのフランジ部5cは、透明基板2と透明板4との間で電極付スペーサ5b本体が圧縮されることによって、導電性薄膜3に向けて付勢されるように形成されている。
この構成では、接触端子を設けることなく、電極部40を簡易な構成にすることができるとともに、電極付スペーサ5bの下端面と透明基板2との接触面積を広く確保することができるため、電極付スペーサ5bと透明基板2との密着性を高めることができ、電極付スペーサ5bと透明基板2の間の防湿性を高めることができる。
また、前記した実施形態と同様に、電極付スペーサ5bの取り付けとともに、電極部40も取り付けられることになるため、透明基板2と透明板4との間に電極部40を簡易に取り付けることができる。さらに、発熱素子1内の配線を簡易な構成にすることができるとともに、電源コード8を伝って空間部7内に湿気が侵入してしまうことを防ぐことができる。
なお、フランジ部5cは、封着材6側の側面5dと反対側の側面5eに設けてもよく、その構成は限定されるものではない。
本実施形態の発熱素子を示した図で、(a)は発熱素子の平面図、(b)は図1(a)のA−A断面図である。 本実施形態の発熱素子における電極部の部分斜視図である。 本実施形態の発熱素子における参考例を示した図で、(a)は電極部が電極付スペーサの側面に貼り付けられた構成の断面図、(b)は電極部の部分斜視図である。 本実施形態の発熱素子における他の構成を示した図で、(a)は接触端子が埋設部と導電性薄膜との間に介設された構成の断面図、(b)は電極部の部分断面図である。 本実施形態の発熱素子における他の構成を示した図で、(a)は平網銅線からなる接触端子が埋設部と導電性薄膜との間に介設された構成の断面図、(b)は電極部の部分断面図である。 本実施形態の発熱素子における他の構成を示した図で、(a)は電極付スペーサにフランジ部が形成された構成の断面図、(b)は電極部の部分断面図である。 従来のガラス素子を示した図で、(a)はガラス素子の断面図、(b)は電極部の部分斜視図である。
符号の説明
1 発熱素子
2 透明基板
3 導電性薄膜
4 透明板
5 電極付スペーサ
10 電極部
11 接触端子

Claims (5)

  1. 裏面に導電性薄膜が形成された透明基板と、前記導電性薄膜に対峙している透明板とが積層されている発熱素子であって、
    前記透明基板と前記透明板との間には、所定間隔を空けて配置された2体のスペーサが介設され、
    前記各スペーサには、前記導電性薄膜に接している接触端子を備えた電極部が取り付けられており、
    前記電極部の前記接触端子を通じて前記導電性薄膜に通電することにより、前記導電性薄膜が発熱するように構成され
    前記電極部は、前記スペーサ内に配置されている埋設部と、前記スペーサから突出している前記接触端子と、から構成されていることを特徴とする発熱素子。
  2. 裏面に導電性薄膜が形成された透明基板と、前記導電性薄膜に対峙している透明板とが積層されている発熱素子であって、
    前記透明基板と前記透明板との間には、所定間隔を空けて配置された2体のスペーサが介設され、
    前記各スペーサには、前記導電性薄膜に接している接触端子を備えた電極部が取り付けられており、
    前記電極部の前記接触端子を通じて前記導電性薄膜に通電することにより、前記導電性薄膜が発熱するように構成され、
    前記電極部は、前記スペーサ内に配置されている埋設部と、前記埋設部と前記導電性薄膜との間に介設されている前記接触端子と、から構成されていることを特徴とする発熱素子。
  3. 前記電極部が複数の前記接触端子を備えていることを特徴とする請求項1に記載の発熱素子。
  4. 前記接触端子は、前記導電性薄膜に向けて付勢されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の発熱素子。
  5. 裏面に導電性薄膜が形成された透明基板と、前記導電性薄膜に対峙している透明板とが積層されている発熱素子であって、
    前記透明基板と前記透明板との間には、所定間隔を空けて配置された2体のスペーサが介設され、
    前記各スペーサには、前記導電性薄膜に向けて付勢されているフランジ部が形成されており、
    前記フランジ部と前記導電性薄膜との間に介設された電極部を通じて前記導電性薄膜に通電することにより、前記導電性薄膜が発熱するように構成されていることを特徴とする発熱素子。
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