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JP4599680B2 - 光沢性に優れた紙シートの製造方法 - Google Patents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、化粧函等に用いる光沢性に優れた紙シートの製造方法にに関するものであり、特に、プレスコート法を用いずにコート剤からなるオーバーコート層を形成する光沢性に優れた紙シートの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、化粧函等に用いる美粧性が優れた紙容器の紙シートとして、表面が光沢性に優れた紙シートが用いられていて、その製造は、例えばオフセット印刷法で絵柄等が印刷された厚紙等紙基材の印刷面に、油性コート剤(以下油性ニスという)や水性コート剤(以下水性ニスという)をコートし、次にロール状のフェロ板等によるプレス加工を行って高光沢のオーバーコート層を形成する、いわゆるプレスコートによる方法が一般的であり、そのオーバーコート層の形成に、前記の油性ニスや水性ニスを、インキパン(壺)からアニロックスローラーを介して印刷版(凸版ベタ版)により塗布、乾燥しプレスコートしていた。前記のベタ版のベタとは、増補版・印刷事典(日本印刷学会編)によれば、印刷面に濃淡差や白く抜けた部分がなく、印刷インキで完全に覆われている部分。網点印刷物では網点面積率100%の部分をいう。
【0003】
このように、最後にプレスコートすることは、凸版ベタ版で塗布したものは、アニロックスローラーに刻設されているセルの目が、凸版ベタ版を介して被塗布物(紙)上に発現し、表面の光沢を劣化させるので、それをカバーするためである。
【0004】
しかしながら上記のようなプレスコートによって光沢性に優れた紙シートを製造することは、プレスコート自体の速度が遅いため生産効率が悪く、従って前述の絵柄等を印刷する印刷機に組み込んでインライン化することも不可能であった。
【0005】
上記インライン化を可能にする方法として、近年、例えば紫外線硬化型インキ(以下UVインキという)により印刷層を形成し、この印刷層の上に紫外線硬化型コート剤(以下UVニスという)を上記のようなアニロックスローラーを介した印刷版(凸版ベタ版)により塗布し、紫外線照射にて硬化と平滑化によってオーバーコート層を形成する方法がとられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の従来技術のUVインキやUVニスを用いる方法においても、そのオーバーコート層にアニロックスローラーに刻設されているセルの目が紫外線照射でそれほど消えずに発現して紙シート表面の光沢効果を損なうという問題があった。
【0007】
本発明は、かかる従来技術の問題点を解決するものであり、その課題とするところは、紙シートの表面にあるいは印刷された紙シートの印刷面にオーバーコート層を形成して、従来のようなプレスコート法を用いずに生産効率をよくし、印刷機へのインライン化をも可能にする光沢性に優れた紙シートの製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に於いて上記課題を達成するために、まず請求項1の発明では、紙基材の表面に、紫外線硬化型ニス、油性ニス、水性ニスのいずれかを、アニロックスローラーを介して印刷版により塗布、乾燥してオーバーコート層を設ける光沢性に優れた紙シートの製造方法であって、前記アニロックスローラーに刻設されているセルの線密度が160〜180線/インチであり、前記印刷版は、斜線密度が250〜500線/インチの斜線凸版であることを特徴とする光沢性に優れた紙シートの製造方法としたものである。
【0009】
また、請求項2の発明では、前記紙基材とオーバーコート層との間に紫外線硬化型インキもしくは油性インキもしくは水性インキからなる印刷層を設けたことを特徴とする請求項1記載の光沢性に優れた紙シートの製造方法としたものである。
【0011】
上記本発明の光沢性に優れた紙シートの製造方法によれば、アニロックスローラーに刻設されているセルに起因するセル目ムラが、線密度250〜500線/インチの斜線凸版でうち消されて、光沢性に優れた紙シートあるいは光沢性に優れた印刷物が得られるその製造方法とすることができる。上記斜線凸版の線密度が250線/インチに満たないとこの斜線凸版の線のムラが光沢効果の向上を妨げ、500線/インチを越えると、従来の凸版ベタ版と変わらなくなるとともに、斜線凸版の作製限界(細かすぎる)となり好ましくない。このような効果は、紫外線硬化型コート剤、油性コート剤、水性コート剤のいずれでも同様の傾向にある。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を説明する。
本発明は、図8の側断面積層図に示すように、例えば紙基材(10)の表面に、紫外線硬化型コート剤(UVニス)、油性コート剤(油性ニス)、水性コート剤(水性ニス)のいずれかを塗布、乾燥してオーバーコート層(20)を設ける光沢性に優れた紙シート(1)の製造方法に関するものであり、あるいは図9の側断面積層図に示すように、紫外線硬化型インキ(UVインキ)、油性インキ、水性インキのいずれかでなる印刷層(12)が施された紙基材(10)の印刷層(12)面に、UVニス、油性ニス、水性ニスのいずれかを塗布、乾燥してオーバーコート層(20)を設ける光沢性に優れた印刷物(2)の製造方法に関するものである。
【0013】
上記本発明の光沢性に優れた紙シートの製造方法に係わるオーバーコート層の形成は、図2の側断面概略図に示すように、例えばインキパン(30)中のUVニス、油性ニス、水性ニスのいずれかでなるコート剤(32)が、セル(図示せず)が刻設されているアニロックスローラー(33)で持ち上げられ、それをしぼりロール(34)でその供給量を制御し、オフセットロール(35)を介して版胴(36)に卷着されている印刷版(40)に転移され、この版胴(36)と圧胴(37)の間を通過する紙基材(10)に印刷版(40)から転移されて、図8に示すような紙基材(10)の表面にオーバーコート層(20)を形成して光沢性に優れた紙シート(1)とする製造方法において、前記の印刷版(40)が図5(a)の正面図および図5(b)の斜視図に示すように、例えば45°で凸部(42)と非凸部(44)が約1対1でなる斜線凸版であることを特徴とするものである。この斜線の角度は、45°以外でもよく特に限定するものではない。
【0014】
また、上記本発明の光沢性に優れた紙シートの製造方法に係わるオーバーコート層(20)の形成は、図3の側断面概略図に示すように、例えばインキパン(30)中のUVニス、油性ニス、水性ニスのいずれかでなるコート剤(32)が、セル(図示せず)が刻設されているアニロックスローラー(33)で持ち上げられ、その余分なコート剤をドクターブレード(31)で掻き落としてその供給量をより安定的に制御し、その制御されたコート剤が版胴(36)に卷着されている印刷版(40)に転移され、この版胴(36)と圧胴(37)の間を通過する紙基材(10)に印刷版(40)から転移されるドクターブレード方式とすることもできる。
【0015】
あるいは図4の側断面概略図に示すように、例えばインキパン(30)中のコート剤(32)をファウンテンロール(38)で持ち上げてセル(図示せず)が刻設されているアニロックスローラー(33)とこのファウンテンロール(38)間のニップ圧でその供給量を制御し、かつ塗布速度やコート剤(32)の粘度でも供給量の制御が可能なツーロール方式とすることもできる。
【0016】
さらに本発明では、例えば図6(a)に示すように、アニロックスローラー(33)に刻設されているセル(39)の線密度が160〜180線/インチで、図5(a)の正面概略図に示すように、対する印刷版(40)の斜線凸版の斜線密度が250〜500線/インチとしたものである。
【0017】
上記本発明の光沢性に優れた紙シートの製造方法によれば、アニロックスローラーに刻設されているセルの線密度を160〜180線/インチとすると、コート剤の供給量がオーバーコート層を形成するのに好適であり、180線/インチを越えると供給量が少なくなり、160線/インチに満たないと供給量が多すぎたり、ドクターブレードがセル間に食い込んで動きが悪くなったりするので好ましくない。また、このアニロックスローラーのセル等に起因するセル目ムラが、線密度250〜500線/インチの斜線凸版とすることによって、うち消されて、光沢性に優れた紙シートあるいは光沢性に優れた印刷物が得られる。この斜線凸版の線密度が250線/インチに満たないとこの斜線凸版の線のムラが光沢効果の向上を妨げ、500線/インチを越えると、従来の凸版ベタ版と変わらなくなるとともに、斜線凸版の作製限界(細かすぎる)となり好ましくない。
【0018】
上記アニロックスローラー(33)に刻設されているセル(39)の形状は、例えば図6(b)の斜視図に示すように、格子型セル(Q)とすることもでき、図6(c)に示すように、ピラミッド型セル(P)とすることもできる。また図7(b)に示すように斜線型セル(R)とすることもできるが、それらの角度は、図6(a)および図7(a)の正面図に示すようにいずれも45°としてドクターブレードの動きやコート剤の供給量の制御し易いものとしてある。またそれらセルの深さは、コート剤の供給量の点から略40〜45μmが好適である。
【0019】
本発明の光沢性に優れた紙シートの製造方法に係わるコート剤としては、前述のように、UVニス、油性ニス、水性ニスのいずれでも適用可能で、その目的、用途等に応じて適宜選定することができる。
【0020】
以上本発明の光沢性に優れた紙シートの製造方法を用いて、図1の側面概略図に示すように、例えばオフセット印刷ユニット(200)の後に、この製造方法によるコート剤コートユニット(100)、乾燥装置(102)を配置してインライン化することができる。このコート剤コートユニット(100)に用いるコート剤の種類によって乾燥装置(102)の種類を変える必要がある。
【0021】
【実施例】
次に実施例により、本発明を具体的に説明する。
〈実施例1〉
図9に示すように、オフセット印刷でなる印刷層(12)が施された坪量210g/m2 のコートマニラの印刷層(12)面に、図2に示すように、コート剤(32)として水性ニス:商品名トーヨーリソコート300A(東洋インキ製造社製)を用いて、アニロックスローラー(33)として、セルの線密度:180線/インチ、角度:45°、セルの深さ:40μmのピラミッド型を用い、印刷版(40)として、線密度:300線/インチ、角度45°、凸部と非凸部の比:約1対1の斜線凸版を用いて、塗布量4g/m2 でコートし、近赤外線ランプにて乾燥させ、図9に示すように、オーバーコート層(20)を形成した光沢性に優れた印刷物(2)を得た。
【0022】
〈比較例1〉
印刷版(40)を凸版ベタ版とした以外は、実施例1と同様にして印刷物を得た。
【0023】
〈比較例2〉
上記比較例1で得られた印刷物をロール状のフェロ板でプレスして光沢性に優れた印刷物を得た。
【0024】
上記実施例1および比較例1、2で得られた印刷物のJIS K 7105に規定されている入射角60°における表面光沢度は、70%、50%、85%であり、斜線凸版を用いた効果が見られ、比較例2の従来のプレスコート方式に近いものであった。
【0025】
【発明の効果】
本発明は以上の構成であるから、下記に示す如き効果がある。
即ち、紙基材の表面に、紫外線硬化型コート剤、油性コート剤、水性コート剤のいずれかを、線密度が160〜180線/インチのセルが刻設されているアニロックスローラーを介して印刷版により塗布、乾燥してオーバーコート層を設ける光沢性に優れた紙シートの製造方法において、前記印刷版を斜線凸版とし、その斜線密度が250〜500線/インチとすることによって、アニロックスローラーに刻設されているセルに起因するセル目ムラがうち消されるので、光沢性に優れた紙シートあるいは光沢性に優れた印刷物が得られる製造方法を提供することができる。よって従来のプレスコートを必要としないので印刷機へのインライン化を容易にし生産効率の向上に貢献できる。
【0026】
従って本発明は、化粧函等に用いる美粧性に優れた紙シートあるいは印刷物として、優れた実用上の効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光沢性に優れた紙シートの製造方法を搭載した印刷機の一実施の形態を示す側面概略図である。
【図2】本発明の光沢性に優れた紙シートの製造方法の一実施の形態を説明するための側面概略図である。
【図3】本発明の光沢性に優れた紙シートの製造方法の他の一実施の形態を説明するための側面概略図である。
【図4】本発明の光沢性に優れた紙シートの製造方法の他の一実施の形態を説明するための側面概略図である。
【図5】本発明の光沢性に優れた紙シートの製造方法に係わる印刷版の一実施の形態を説明する図であり、
(a)は、その正面図であり、
(b)は、拡大斜視図である。
【図6】本発明の光沢性に優れた紙シートの製造方法に係わるアニロックスローラーの一実施の形態を説明する図であり、
(a)は、その正面図であり、
(b)は、セルの拡大斜視図であり、
(c)は、他のセルの拡大斜視図である。
【図7】本発明の光沢性に優れた紙シートの製造方法に係わるアニロックスローラーの他の一実施の形態を説明する図であり、
(a)は、その正面図であり、
(b)は、セルの拡大斜視図である。
【図8】本発明の光沢性に優れた紙シートの製造方法により得られる光沢性に優れた紙シートの一実施の形態を側断面で表した説明図である。
【図9】本発明の光沢性に優れた紙シートの製造方法により得られる光沢性に優れた印刷物の一実施の形態を側断面で表した説明図である。
【符号の説明】
1‥‥光沢性に優れた紙シート
2‥‥光沢性に優れた印刷物
10‥‥紙基材
12‥‥印刷層
20‥‥オーバーコート層
30‥‥インキパン
31‥‥ドクターブレード
32‥‥コート剤
33‥‥アニロックスローラー
34‥‥しぼりロール
35‥‥オフセットロール
36‥‥版胴
37‥‥圧胴
38‥‥ファンテンロール
39‥‥セル
40‥‥印刷版
42‥‥凸部
44‥‥非凸部
100‥‥コート剤コートユニット
102‥‥乾燥装置
200‥‥オフセット印刷ユニット
P‥‥ピラミッド型セル
Q‥‥格子型セル
R‥‥斜線型セル

Claims (2)

  1. 紙基材の表面に、紫外線硬化型ニス、油性ニス、水性ニスのいずれかを、アニロックスローラーを介して印刷版により塗布、乾燥してオーバーコート層を設ける光沢性に優れた紙シートの製造方法であって、前記アニロックスローラーに刻設されているセルの線密度が160〜180線/インチであり、前記印刷版は、斜線密度が250〜500線/インチの斜線凸版であることを特徴とする光沢性に優れた紙シートの製造方法。
  2. 前記紙基材とオーバーコート層との間に紫外線硬化型インキもしくは油性インキもしくは水性インキからなる印刷層を設けたことを特徴とする請求項1記載の光沢性に優れた紙シートの製造方法。
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