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JP3945110B2 - 紙器用ブランクの製造方法および紙器 - Google Patents
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JP3945110B2 - 紙器用ブランクの製造方法および紙器 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、入射角60°における表面光沢度(以下単に光沢度という)が、60以上有する紙器用ブランク、およびこのブランクを組み立てた紙器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
化粧函等に用いる美粧性が優れた紙器に用いる紙シートとして、表面の光沢度が、少なくとも60以上、好ましくは70以上有するものが用いられていた。
このように表面光沢度が、60以上、特に70以上有する紙シートとして、紙基材の表面に紫外線硬化型インキ(以下UVインキ)により、印刷層を形成し、この印刷層の上に紫外線硬化型ニス(以下UVニス)からなるオーバーコート層を形成した構成が一般的であった。
【0003】
このように、特にオーバーコート層としてUVインキ、UVニスを用いた紙シートは、70以上の光沢度が得られるが、再生するに際して、UVインキ、UVニスを用いた紙シートは脱墨適性が劣るため、前記紙シートを再生利用することが難しかった。
【0004】
また、前記のようにUVニスを用いずに紙シートの表面光沢度を上げる手段として、水性コート剤をコートし、次にプレス加工を行い光沢性を有するオーバーコート層を形成する、いわゆるプレスコートする手段が挙げられる。
しかし、水性コート剤をプレスコートし、オーバーコート層を形成するには、印刷層の形成、オーバーコート層の形成を、インラインで製造することは不可能であり、プレスコートの生産速度が遅いため、生産効率が悪いものとなっていた。
【0005】
一方、オーバーコート層にUVニスを用いた紙シートを、所定の形状に打ち抜くと同時に、紙の厚みに対する基準の罫線の高さの折り曲げのための罫線を設けたブランクを製造すると、オーバーコート層に亀裂が生じ易いので、UVニスを用いた場合、紙の厚みに対する基準の罫線の高さより低くし、しかも罫線の高さのの許容範囲を狭い範囲で制御しなければならなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、光沢度が60以上の紙シートを通常の打ち抜きにより、紙の厚みに対する基準の罫線を設けたブランクであっても、オーバーコート層に亀裂が生じないブランク、およびこのブランクを用いた紙器を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る発明は、紙基材の表面に、油性インキからなる印刷層を形成し、次いで、水性コート剤からなるオーバーコート層を形成後、近赤外線と40℃以下の冷風とを併用した乾燥方式により乾燥を行って紙シートを製造し、次に、前記紙シートを抜き型を用いて紙器の形状に応じて打ち抜くと同時に、折り曲げのための罫線を設けることを特徴とする紙器用ブランクの製造方法である。このように製造された前記紙シートを打ち抜くと同時に、紙の厚みに対する基準の高さの罫線を設けて紙器用ブランクを製造しても、オーバーコート層に亀裂が生じ難いものであり、また、罫線部分からの折り曲げ加工適性、充填機における充填適性が優れたものとなる。
【0008】
本発明の請求項2に係る発明は、上記請求項1に係る紙器用ブランクの製造方法において、前記紙シートの入射角60°における表面光沢度が60以上を有することを特徴とする紙器用ブランクの製造方法である。このように製造された紙器用ブランクは光沢性の優れた紙器ブランクである。また、印刷層を設けても、油性インキを用いているので、脱墨性があり、光沢性も優れる。
【0009】
本発明の請求項3に係る発明は、上記請求項1又は請求項2に係る紙器用ブランクの製造方法において、前記印刷層を構成する油性インキに大豆油からなる油性インキを用いることを特徴とする紙器用ブランクの製造方法である。油性インキとして、大豆油を使用しているので、臭いが少なく、良好な紙器用ブランクとすることができる。
【0010】
本発明の請求項4に係る発明は、上記請求項1乃至請求項3のいずれか1項に係る紙器用ブランクの製造方法において、前記印刷層が、オフセット印刷法、またはグラビア印刷法のいずれかの方式で形成されることを特徴とする紙器用ブランクの製造方法である。
【0011】
本発明の請求項5に係る発明は、上記請求項1乃至請求項4のいずれか1項に係る紙器用ブランクの製造方法において、前記紙基材の厚みが、坪量100g/m2 以上であることを特徴とする紙器用ブランクの製造方法である。紙基材の厚みを100g/m2 とすることで、水性ニスを用いたオーバーコート層の光沢度をより向上させることができる。
【0012】
本発明の請求項6に係る発明は、上記請求項1乃至請求項5のいずれか1項に係る紙器用ブランクの製造方法において、前記紙基材の入射角60°における表面光沢度が、25以上、好ましくは30以上であることを特徴とする紙器用ブランクの製造方法である。本発明の請求項7に係る発明は、前記紙基材の表面平滑度がベック平滑試験で300秒以上好ましくは350秒以上であることを特徴とする紙器用ブランクの製造方法である。このように、紙基材の表面光沢度25以上のものを用いることにより、水性ニスのオーバーコート層を設けた紙シートの光沢度を60以上とすることができる。また、紙基材のベック平滑試験で、300秒以上とすることにより、水性コート剤を用いた紙シートの表面光沢度を高めることができる。
【0013】
本発明の請求項8に係る発明は、上記請求項1乃至請求項7のいずれか1項記載の紙器用ブランクの製造方法において、前記オーバーコート層を形成する水性コート剤が、アクリルポリマー、またはアクリルとスチレンのコポリマーからなり、固形分が40〜85重量%であることを特徴とする紙器用ブランクの製造方法である。このように、オーバーコート層を形成する水性コート剤を、アクリルポリマー、またはアクリルとスチレンのコポリマーとすることで、塗布適性、光沢性をより高めることができる。本発明の請求項9に係る発明は、上記請求項1乃至請求項8のいずれか1項に係る紙器用ブランクの製造方法において、前記水性コート剤の粘度が、ザーンカップ測定法で、30秒以下(ザーンカップ社製#4で測定)であることを特徴とする紙器用ブランクの製造方法である。
【0014】
本発明の請求項10に係る発明は、上記請求項1乃至請求項9のいずれか1項に係る紙器用ブランクの製造方法において、前記水性コート剤の塗布量が、2g/m2 〜7g/m2 の範囲であることを特徴とする紙器用ブランクの製造方法である。このように、水性コート剤の粘度、塗布量を特定することで、均一な塗布が可能で、光沢の優れたブランクを得ることができる。本発明の請求項11に係る発明は、上記請求項1乃至請求項10のいずれか1項に係る紙器用ブランクの製造方法において、前記水性コート剤が、揮発性有機溶媒を含まないか、または、含んでも5重量%以下であることを特徴とする紙器用ブランクの製造方法である。
【0015】
本発明の請求項12に係る発明は、上記請求項1乃至請求項11のいずれか1項に係る紙器用ブランクの製造方法により製造された紙器用ブランクを用いて、該紙器用ブランクに設けられた罫線から折り曲げて組み立てられていることを特徴とする紙器である。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の紙器用ブランクを製造する、印刷層を有する構成の紙シートの一例を示す断面図である。
図1の紙シートは、紙基材1、前記紙基材1上に設けた油性インキからなる印刷層2、前記印刷層2上に設けた水性コート剤からなるオーバーコート層3を順次設けた構成からなる。
図2は、前記紙シートを、抜き型を用いて、所定の形状に打ち抜き、これと同時に、折り曲げ用の罫線10を設けた紙器用ブランク11の一例を示す説明図である。
【0017】
ここで、前記ブランクに用いる紙シートの印刷層2は、油性インキを用い、オフセット印刷法、グラビア印刷法のいずれかの方法により形成するもので、特に大豆油からなる油性インキを用いのが、臭い等の問題が少なく好ましい。
【0018】
また、前記オーバーコート層3は、水性コート剤を用いるのであれば特に限定されるものでないが、アクリルとスチレンのコポリマー、またはアクリルボリマーを用いるのが好ましい。
そして、この水性コート剤は、約40〜85重量%の固形分を有し、その他湿潤剤、界面活性剤を加え、皮膜適性を向上させる。この水性コート剤の塗布量は、2g/m2 〜7g/m2 の範囲とするのが、塗布適性、光沢性の向上から好ましい。
これらの固形分を溶解または分散させる溶媒として、水と一部追加される揮発性有機溶媒とからなる。この追加される溶媒は、例えば、エタノール、メタノール、イソプロパノール、n−ブタノール等のアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、エチルアセテート等が挙げられる。
【0019】
本発明に用いられる好ましい水性コート剤は、前記揮発性有機溶媒を含まないことで、含んでも5重量%以下とする。そして、水性コート剤の粘度を、ザーンカップ測定法で30秒以下(ザーンカップ社製#4で測定)として塗布することが、塗布適性、塗布後の乾燥適性、および光沢性に良好である。
【0020】
また、紙基材1としては、表面の光沢度が25以上とすることで、光沢度が60以上の紙シートが得られ、また表面の光沢度を30以上とすることで、光沢度が70以上の紙シートが得られる。
さらに、より光沢度の高い紙シートを得るためには、紙基材の平滑度を規定することが重要であり、平滑度が、300秒以上、好ましくは350秒以上ものを使用することが好ましい。
【0021】
そして、このような紙基材1の上に、油性インキからなる印刷層2、水性コート剤からなるオーバーコート層3を設けた構成であっても、光沢度が60以上の紙シートが、オーバーコート層をプレスコート法を用いないで形成しても達成することができる。
また、紙基材の厚みは限定されるものではないが、100g/m2 以上の厚みの紙基材でより効果が発揮でき、紙器の組み立てができる強度、剛性を有する。
【0022】
次に、本発明の紙器用ブランクの製造方法、及びその紙器用ブランクを用いた紙器の製造方法について説明する。まず、紙シートは、紙基材の表面に、油性インキからなる印刷層を形成し、次いで、前記組成の水性コート剤からなるオーバーコート層を形成後、乾燥を行い紙器用ブランク製造用の紙シートを製造する。次に、前記紙シートを抜き型を用いて、紙器の形状に応じて打ち抜くと同時に、折り曲げのための罫線を設け、サック貼り形式などの紙器用ブランクを製造する。
【0023】
この乾燥は、通常の熱風による対流型の乾燥方法でなく、近赤外線と40℃以下の冷風を併用した乾燥方法を用いる。そして、この冷風は、単に供給する対流方式でなく、供給に合わせて、吸引、排気を伴う乾燥方式とする。
そして、近赤外線は、0.75μm〜2.5μmの波長領域のものを用いることで、油性インキを短時間で乾燥することができる。

【0024】
そして、前記紙シートを抜き型を用いて、紙器の形状に応じて打ち抜くと同時に、折り曲げのための罫線を設ける時、紙シートに設ける罫線の高さは、紙の厚みに対する基準の高さで設け、従来のUVニスからなるオーバーコート層を設けた構成のブランクに設ける罫線のように、基準の高さより低くすることなく、また、基準の高さに対して30〜50μmの許容範囲を有する高さにで形成することができる。
【0025】
例えば、厚さ400μm(坪量310g/m)の紙基材の場合、罫線高さの基準は、横罫線が150μm、縦罫線が120μmすることが、後工程の折り曲げ加工適性が優れている。
ここで、表面光沢が60以上の水性ニスからなるオーバーコート層を設けた構成紙シートの場合、前記基準に対して30〜50μmの許容範囲を考慮した高さの罫線を設けも、罫線部分に割れが発生しない。
【0026】
【発明の効果】
本発明は、以上のように紙基材の表面に、水性コート剤によるオーバーコート層からなるので、紙器を製造するためのブランクに、折り曲げ用の罫線を設ける際、この高さを、紙の厚みに対する基準の高さのままで設け、従来のUVニスをオーバーコート層として設けたブランクにのように、基準の高さより低くする必要がなく、また、基準の高さの30〜50μmの許容範囲があり、オーバーコート層の罫線部分に亀裂が発生しない。
【0027】
また、罫線の高さが、紙の厚みに対して基準の高さで設けるので、ブランクを組み立てる際に、組み立てが容易となり、充填機における充填適性が良好となる。
【0028】
さらに、水性ニスからなるオーバーコート層だけでなく、印刷層も油性のインキを用いているので、使用後紙器を再利用する時の、脱墨性が良好であり、紙の再生利用が容易となる。
また、油性インキと水性コート剤を組み合わせているので、乾燥工程の時間の短縮と共に、紙器の光沢性の向上に寄与している。
さらに、乾燥工程において、近赤外線と40℃以下の冷風を併用することで、乾燥時間を短縮できるばかりでなく、従来の熱風による乾燥の温度上昇による、印刷層の収縮、印刷の作業効率の問題がなくなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の紙器用ブランクに用いる紙シートの一例を示す断面図である。
【図2】本発明の紙器用ブランクの一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1…紙基材
2…印刷層
3…オーバーコート層
10…罫線
11…紙器用ブランク

Claims (12)

  1. 紙基材の表面に、油性インキからなる印刷層を形成し、次いで、水性コート剤からなるオーバーコート層を形成後、近赤外線と40℃以下の冷風とを併用した乾燥方式により乾燥を行って紙シートを製造し、次に、前記紙シートを抜き型を用いて紙器の形状に応じて打ち抜くと同時に、折り曲げのための罫線を設けることを特徴とする紙器用ブランクの製造方法。
  2. 前記紙シートの入射角60°における表面光沢度が60以上を有することを特徴とする請求項1記載の紙器用ブランクの製造方法。
  3. 前記印刷層を構成する油性インキに大豆油からなる油性インキを用いることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の紙器用ブランクの製造方法。
  4. 前記印刷層が、オフセット印刷法、またはグラビア印刷法のいずれかの方式で形成されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の紙器用ブランクの製造方法。
  5. 前記紙基材の厚みが、坪量100g/m2 以上であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の紙器用ブランクの製造方法。
  6. 前記紙基材の入射角60°における表面光沢度が、25以上、好ましくは30以上であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の紙器用ブランクの製造方法。
  7. 前記紙基材の表面平滑度が、ベック平滑試験で300秒以上、好ましくは350秒以上であることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項記載の紙器用ブランクの製
    造方法。
  8. 前記オーバーコート層を形成する水性コート剤が、アクリルポリマー、またはアクリルとスチレンのコポリマーからなり、固形分が40〜85重量%であることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項記載の紙器用ブランクの製造方法。
  9. 前記水性コート剤の粘度が、ザーンカップ測定法で、30秒以下(ザーンカップ社製#4で測定)であることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項記載の紙器用ブランクの製造方法。
  10. 前記水性コート剤の塗布量が、2g/m2 〜7g/m2 の範囲であることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか1項記載の紙器用ブランクの製造方法。
  11. 前記水性コート剤が、揮発性有機溶媒を含まないか、または含んでも5重量%以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか1項記載の紙器用ブランクの製造方法。
  12. 請求項1乃至請求項11のいずれか1項記載の紙器用ブランクの製造方法により製造された紙器用ブランクを用いて、該紙器用ブランクに設けられた罫線から折り曲げて組み立てられていることを特徴とする紙器。
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