JP4603765B2 - 画像形成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法により作成されたトナー像を記録媒体上に転写するとともに、そのトナー像を記録媒体上に定着する方式を採用したプリンター及び複写機等において、良好な光沢特性と画質を有する画像を形成するための画像形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、銀塩写真および印刷は、色再現空間が広く、粒状性、グロス均一性などが良いために、画質が優れていることはよく知られている。これに対し、近年のデジタル化により電子写真法によるカラー画像の画質向上はめざましいものがあるが、銀塩写真法や印刷ほどの画質を得ることまでには至っていない。
【0003】
フルカラー画像では画像の光沢特性が画像品質に大きく寄与するが、銀塩写真や印刷では記録媒体である紙の平滑性、およびサブミクロンの発色剤により平滑で光沢ムラのない鮮やかな画像が得られている。
【0004】
乾式電子写真法では、一般的に、露光光により像担持体である感光体上に静電荷像を形成し、該静電荷像を熱可塑性の樹脂に顔料・染料などの色材を混合したイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色トナーによって現像してトナー像を形成し、そして該トナー像を静電的に記録媒体に転写させた後、加熱加圧により溶融固着して、画像を形成する。
【0005】
乾式電子写真法では、通常、3〜12μmの粒子径を有するトナーを用いており、このような粒子径を有するイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーを用いて、2次色、3次色が形成することが一般的である。そのため、再現する色によっては1色から3色或いは4色のトナーが用いられ、部分によってトナーの載り量が異なるようになる。画像上の凹凸は、記録媒体上のトナーの載り量(濃度)に比例して少なくなる傾向にあるため、トナーの載り量が画像全体において異なっている場合には、光沢度にムラが生じてしまう。
【0006】
このため人物画像のような濃度階調が大きな画像においては、肌のようなハーフトーン部(低濃度領域)では低光沢となり、髪の毛のようなベタ部(高濃度領域)では高光沢となり、画像光沢のムラが生じ、違和感を覚える。
【0007】
また、このような画像表面に凹凸をもつと、画像表面での乱反射の影響により色再現性が低下して鮮明性の低い画像となることも知られている。
【0008】
このような事情から、例えば特許文献1では、50〜100μm厚の透明樹脂層を設けた紙等の転写体上に、例えば平均粒径10〜15μmのカラートナーを2〜4層積層してカラートナー像を形成し、これを熱ロールにより加熱してカラートナーを透明樹脂層中に溶融させ、定着してカラー画像を形成する技術が提案されている。また同様に、特許文献2では、10〜500μm、好ましくは25〜300μm厚の透明樹脂層を設けた紙等の転写体上に、例えば平均粒径8μmのカラートナーを用いてカラートナー像を形成し、これを熱ロールにより定着してカラー画像を形成する技術が提案されている。
【0009】
以上の各特許文献の技術では、カラートナー像を転写体上に定着する際に、当該カラートナー像を熱ロールにより加圧することにより、加熱、溶融して転写体表面の透明樹脂層中に埋め込むように定着して、表面の凹凸の少ないカラー画像を形成し、照明光の乱反射を軽減して、良質のカラー画像を得るようにしている。
【0010】
しかし、上述の方法では、定着時に離型剤であるシリコーン系オイルの影響で、トナーと透明樹脂との間にオイル被膜ができ、トナーが透明樹脂層に十分埋め込まれないため凹凸が残ってしまう。
【0011】
また、特許文献3には、20〜200μm厚の熱可塑性樹脂からなる透明樹脂層を表面に設けた記録媒体に静電的にトナーを転写し、その後ベルト状定着器でトナーを透明樹脂層に埋め込む方法が提案されている。しかし、この方法では、ベルト加熱によりトナーと熱可塑性透明樹脂層が十分に溶融されても、溶融時の互いの相溶性が十分ではないため、色再現性の低下を招き、若干の凹凸が残るため、色むらが発生したり、色の再現領域が低下したりするという問題点がある。
【0012】
これらに対し、例えば特許文献4では、トナー載り量と定着画像濃度、及び画像光沢度を規定することにより、画像ムラが無く、光沢が安定した画像を得られるとしている。しかし、低光沢領域においては、光沢ムラが少ない高品位な画像が得られる一方で、高光沢度領域では十分に高品位な画像を得るには到っていない。更には、記録媒体自体の光沢度との差が大きくなるため、違和感を覚えるという課題もある。
【0013】
【特許文献1】
特開昭63−92965号公報
【特許文献2】
特開平3−38659号公報
【特許文献3】
特開平5−216322号公報
【特許文献4】
特開平11−84719号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前述のような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、記録媒体上へのトナー載り量に依存せず、画像光沢が揃っており、且つ画像光沢と記録媒体の光沢との違和感が抑制された、画像形成方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、像担持体上の静電荷像をトナーによって現像し、トナー像を得る現像工程、トナー像を記録媒体に転写する転写工程、記録媒体上に転写されたトナー像を加熱することにより定着する定着工程を少なくとも有しており、且つ、低速で画像形成を行う低速モード(PS1)と、高速で画像形成を行う高速モード(PS2)とを少なくとも有しており異なる速さで画像形成を行うことのできる画像形成方法であって、
記録媒体の光沢度(60度グロス)をG0とし、記録媒体上でのトナー載り量が0.05以上1.3mg/cm2以下の範囲で、
(i)高グロス(G0>40)記録媒体を用いる場合、プロセススピード(PS1)が20mm/sec以上130mm/sec未満である低速モードで画像形成が行われ、上記したトナーの載り量の範囲内における定着後の画像の光沢度の最大値と最小値をそれぞれGmax1、Gmin1とした時、Gmax1とGmin1とが下記式
Gmax1≦G0+40 かつ Gmin1≧G0−25
を満足し、且つ、
(ii)低グロス(0≦G0≦40)記録媒体を用いる場合、プロセススピード(PS2)が130mm/sec以上600mm/sec以下である高速モードで画像形成が行われ、上記したトナーの載り量の範囲内における定着後の画像の光沢度の最大値と最小値をそれぞれGmax2、Gmin2とした時、Gmax2とGmin2とが下記式
Gmax2≦G0+20 かつ Gmin2≧G0−15
を満足し、
該トナーは、少なくとも結着樹脂、離型剤及び着色剤を含有し、示差熱分析(DSC)測定における吸熱曲線において、温度30〜200℃の範囲における最大吸熱ピークのピーク温度が50〜110℃の範囲であり、
該トナーの粘弾性特性において、温度80℃における貯蔵弾性率(G’80)が1×106〜1×108[dN/m2]の範囲にあり、温度120〜180℃における貯蔵弾性率の最小値(G’min)と最大値(G’max)とが、いずれも5×103〜1×106[dN/m2]の範囲にあり、その比(G’max/G’min)が、20以下であることを特徴とする画像形成方法に関する。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明について詳細に説明する。
【0018】
本発明の画像形成方法は、像担持体上の静電荷像をトナーによって現像し、トナー像を得る現像工程、トナー像を記録媒体に転写する転写工程、記録媒体上に転写されたトナー像を加熱することにより定着する定着工程を少なくとも有しており、且つ、低速で画像形成を行う低速モード(PS1)と、高速で画像形成を行う高速モード(PS2)とを少なくとも有しており異なる速さで画像形成を行うことのできる画像形成方法であって、記録媒体の光沢度(60度グロス)をG0とし、記録媒体上でのトナー載り量が0.05以上1.3mg/cm2以下の範囲で、
(i)高グロス(G0>40)記録媒体を用いる場合、プロセススピードが20mm/sec以上130mm/sec未満の低速モード(PS1)で画像形成が行われ、定着後の画像の光沢度の最大値と最小値をそれぞれGmax1、Gmin1とした時、Gmax1とGmin1は下記式
Gmax1≦G0+40 かつ Gmin1≧G0−25
を満足し、且つ
(ii)低グロス(0≦G0≦40)記録媒体を用いる場合、プロセススピードが130mm/sec以上600mm/sec以下である高速モード(PS2)で画像形成が行われ、定着後の画像光沢度の最大値と最小値をそれぞれGmax2、Gmin2とした時、Gmax2とGmin2は下記式
Gmax2≦G0+20 かつ Gmin2≧G0−15
を満足する。
【0019】
より好ましくは、画像光沢度が、下記式
Gmax1≦G0+30 かつ Gmin1≧G0−20
Gmax2≦G0+15 かつ Gmin2≧G0−15
を満足することであり、更に好ましくは、下記式
Gmax1≦G0+25 かつ Gmin1≧G0−15
Gmax2≦G0+13 かつ Gmin2≧G0−13
を満足することである。この場合には、カラー再現性に優れ、画像光沢が均一な高品位な定着画像を得ることができる。
【0020】
本発明におけるプロセススピードとは、定着工程における速度であり、定着手段を記録媒体が通過する際の速度であります。
【0021】
尚、本発明において規定されているトナー載り量1.3mg/cm2とは、2色のベタ画像を現像した程度の載り量であり、通常の現像において、最大限、トナーが載ったときの載り量がこの程度の量である。また、トナー載り量0.05mg/cm2とは、極めて薄いハーフトーン画像を現像した程度の載り量である。
【0022】
電子写真方式における記録媒体上に静電的に転写されたトナーの定着過程において、一般に、プロセススピードが遅いほど、又は、定着温度が高いほど、単位量当りのトナーにかかる熱量が大きくなるため、トナーを十分に融解することができるようになる。そのため、画像表面の凹凸が少なくなり画像光沢度(G)が高くなる。また、画像光沢度は、トナー載り量の違いや、記録媒体の表面性によっても大きく影響を受ける。
【0023】
そこで、本発明では、プロセススピードや定着温度をコントロールすることによって、記録媒体の光沢度(G0)に適した、画像光沢度を有する定着画像を得ている。より詳細に説明すると、本発明においては、低グロスの記録媒体を用いる場合、或いは高グロスの記録媒体を用いる場合のいずれであっても、極めて薄いハーフトーン画像からベタ画像までの範囲の画像形成において、記録媒体のグロスと定着画像のグロスとが大きくずれないように、高グロスの紙を用いる場合にはプロセススピードを遅くし、低グロスの紙を用いる場合にはプロセススピードを速くし、画像形成を行っているものである。
【0024】
プロセススピードが20mm/sec未満では、通常の定着温度に設定した場合、過剰の熱量がトナーにかかるため、例えば定着ローラーへの巻き付きが起こり、定着が困難となる。また、巻き付きを防げる程度に定着温度を低温に設定した場合には、トナーが十分に融解されずに色再現性が非常に悪くなり、さらには低温オフセットが起こる。
【0025】
また、プロセススピードが600mm/secを超える場合には、定着温度を高めた時においても十分に熱量がトナーにかからず、定着が困難となる。尚、十分に良好な定着を行うためには、プロセススピードが400mm/sec以下であることが好ましい。
【0026】
また、低速モードのプロセススピードは、高速モードのプロセススピードの1/4〜1/2であることが好ましい。
【0027】
本発明において、定着工程における加熱部材としては、基体上に弾性層を有するローラーが好ましい。該弾性層としては、ASKER−C硬度50〜90かつ、厚み0.5〜5mmの弾性層を用いることが好ましく、ASKER−C硬度60〜80かつ、厚み0.5〜4mmであることがより好ましい。この加熱部材のもつ硬度により、記録媒体上に載ったトナー画像を定着した際、画像表面の凹凸を少なくでき、記録媒体自身の表面性に追従しない定着が可能となり、画像光沢度を良好に揃えることができる。
【0028】
ASKER−C硬度が50未満では、画像表面に凹凸が残ってしまうことにより、均一な光沢が得られないため、好ましくない。また、弾性層が0.5mm未満では記録媒体の表面性に大きく影響され、高品質の画像が得られない。
【0029】
さらに加熱部材は、弾性層の上に表面層を有していることが好ましく、該表面層としては、定着画像の離型性や強度の面から、層厚10〜100μmのフッ素系樹脂層であることが好ましく、加えて画像表面の平滑性を上げるため、該表面層の平均表面粗さ(Ra)は2μm以下であることが好ましい。
【0030】
尚、本発明においては、高速モードにおいては、定着温度は140〜200℃であることが好ましく、更に150〜190℃であることがより好ましく、低速モードにおいては、定着温度は150〜210℃であることが好ましく、更に160〜200℃であることがより好ましい。
【0031】
本発明の画像形成方法は、具体的には、以下のような条件を満たすものである。
【0032】
本発明においては、記録媒体上でのトナー載り量が0.05以上1.3mg/cm2以下の範囲で、
(i)G0=50(坪量148g/m2)の転写紙を記録媒体として用い、プロセススピード60mm/secの低速モード(PS1)によって、定着温度170℃で定着を行って画像形成した場合、定着画像の画像光沢度の最大値Gmax1と最小値Gmin1とが、
Gmax1≦90 かつ Gmin1≧25
を満足するものである。好ましくは、
Gmax1≦80 かつ Gmin1≧30、
より好ましくは、
Gmax1≦75 かつ Gmin1≧35
を満足するものである。
【0033】
また、(ii)G0=2(坪量81.4g/m2)の転写紙を用い、プロセススピード250mm/secの高速モード(PS2)によって、定着温度160℃で定着を行って画像形成した場合、定着画像の画像光沢度の最大値Gmax2と最小値Gmin2とが、
Gmax2≦22 かつ Gmin2≧0
を満足するものである。好ましくは、
Gmax2≦17 かつ Gmin2≧0、
より好ましくは、
Gmax2≦15 かつ Gmin2≧0
を満足するものである。
【0034】
さらに、本発明においては、色再現性や粒状性、グロス均一性などの画質特性の点から、記録媒体上でのトナー載り量が0.5mg/cm2であるときの、定着後の画像濃度(D0.5)が、
(i)低速モード(20mm/sec以上130mm/sec未満)で画像形成が行われた場合には、1.2以上であり、且つ
(ii)高速モード(130mm/sec以上600mm/sec以下)で画像形成が行われた場合には、1.0以上であることが好ましい。
【0035】
このような着色力を有する時に、より高品位な画像を得ることができる。
【0036】
低速モードの時にD0.5<1.2、または高速モードの時にD0.5<1.0である場合には、トナーの着色力が低いことを意味し、ベタ部の濃度薄という問題が起こる傾向にある。これを解消しようと転写材上のトナー量を増やす場合、画出しに消費されるトナーを増やすことになり、現像器内へのトナーの補給を頻繁に行う必要があり、コスト的に不利であるばかりでなく、現像器内でのカラートナーとキャリアとの均一撹拌ができにくく、ベタ画像を出力すると画像上にムラが生じやすくなり均一なベタ画像が得られにくい。
【0037】
また、一般に異なる記録媒体上の未定着像を同じ定着速度、定着温度、加圧力等の定着条件で定着処理を行うと、記録媒体の重さ(厚み)及び材質の違いにより、未定着像の定着に与えられるべき熱が、記録媒体に奪われてしまい定着性が異なる。そのため熱容量の大きな記録媒体(厚紙等)では低速モードで定着を行い、逆に熱容量の小さな記録媒体(普通紙等)では高速モードで定着を行うことが一般的である。
【0038】
そこで、少なくとも低速モード(PS1)と高速モード(PS2)を有する本発明の定着過程においては、記録媒体の光沢度と一致する高品質画像を得るため、画像該定着工程における低速モードでの定着温度T1(℃)と高速モードでの定着温度T2(℃)の関係は、
T2<T1
であることが好ましく、より好ましくは
T2≦T1−5
を満足することである。定着温度の関係がT2≧T1であると、低速モードでは掛かる熱量が大きくなり光沢度が高くなり過ぎ、逆に高速モードでは非常に低光沢となって不自然な画像となり好ましくない。
【0039】
本発明のトナーに含有される結着樹脂は、特に限定されるものではないが、フルカラー用トナーとしては、色再現性やオーバーヘッドプロジェクター(OHP)画像の透明性に優れ、且つ定着工程で各トナーが十分混色することが必要とされるため、シャープメルト性を有する低分子量結着樹脂が好ましい。
【0040】
具体的な樹脂としては、(a)ポリエステル樹脂、又は(b)ポリエステルユニットとビニル系重合体ユニットを有しているハイブリッド樹脂、又は(c)ハイブリッド樹脂とビニル系重合体との混合物、又は(d)ポリエステル樹脂とビニル系重合体との混合物、もしくは(e)ハイブリッド樹脂とポリエステル樹脂との混合物のいずれかから選択される樹脂であることが好ましい。
【0041】
ポリエステル系の樹脂を用いる場合は、アルコールとカルボン酸、もしくはカルボン酸無水物、カルボン酸エステル等が原料モノマーとして使用できる。具体的には、例えば2価アルコール成分としては、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)−ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンの如き下記式(1)で表されるビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物
【0042】
【化1】
エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールAが挙げられる。
【0043】
3価以上のアルコール成分としては、例えばソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼンが挙げられる。
【0044】
酸成分としては、フタル酸、イソフタル酸及びテレフタル酸の如き芳香族ジカルボン酸類又はその無水物;こはく酸、アジピン酸、セバシン酸及びアゼライン酸の如きアルキルジカルボン酸類又はその無水物;炭素数6〜12のアルキル基で置換されたこはく酸もしくはその無水物;フマル酸、マレイン酸及びシトラコン酸の如き不飽和ジカルボン酸類又はその無水物;が挙げられる。
【0045】
それらの中でも、特に、上記式(1)で代表されるビスフェノール誘導体をジオール成分とし、2価以上のカルボン酸又はその酸無水物、又はその低級アルキルエステルとからなるカルボン酸成分(例えば、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸)を酸成分として、これらを縮重合したポリエステル樹脂が、カラートナーとして、良好な帯電特性を有するので好ましい。
【0046】
本発明のトナーに含有される結着樹脂において、「ハイブリッド樹脂」とは、ビニル系重合体ユニットとポリエステルユニットが化学的に結合された樹脂を意味する。具体的には、ポリエステルユニットと、(メタ)アクリル酸エステルの如きカルボン酸エステル基を有するモノマーを重合したビニル系重合体ユニットとがエステル交換反応されることによって形成されるものであり、好ましくはビニル系重合体を幹重合体、ポリエステルユニットを枝重合体としてグラフト共重合体(あるいはブロック共重合体)を形成するものである。
【0047】
ビニル系重合体を生成するためのビニル系モノマーとしては、次のようなものが挙げられる。スチレン;o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、m−ニトロスチレン、o−ニトロスチレン、p−ニトロスチレンの如きスチレン及びその誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンの如き不飽和モノオレフィン類;ブタジエン、イソプレンの如き不飽和ポリエン類;塩化ビニル、塩化ビニルデン、臭化ビニル、フッ化ビニルの如きハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルの如きビニルエステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルの如きα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニルの如きアクリル酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトンの如きビニルケトン類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンの如きN−ビニル化合物;ビニルナフタリン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドの如きアクリル酸誘導体もしくはメタクリル酸誘導体が挙げられる。
【0048】
さらに、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、アルケニルコハク酸、フマル酸、メサコン酸の如き不飽和二塩基酸;マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、アルケニルコハク酸無水物の如き不飽和二塩基酸無水物;マレイン酸メチルハーフエステル、マレイン酸エチルハーフエステル、マレイン酸ブチルハーフエステル、シトラコン酸メチルハーフエステル、シトラコン酸エチルハーフエステル、シトラコン酸ブチルハーフエステル、イタコン酸メチルハーフエステル、アルケニルコハク酸メチルハーフエステル、フマル酸メチルハーフエステル、メサコン酸メチルハーフエステルの如き不飽和二塩基酸のハーフエステル;ジメチルマレイン酸、ジメチルフマル酸の如き不飽和二塩基酸ジエステル;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ケイヒ酸の如きα,β−不飽和酸;クロトン酸無水物、ケイヒ酸無水物の如きα,β−不飽和酸無水物、該α,β−不飽和酸と低級脂肪酸との無水物;アルケニルマロン酸、アルケニルグルタル酸、アルケニルアジピン酸が挙げられる。
【0049】
さらに、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレートなどのアクリル酸またはメタクリル酸エステル類;4−(1−ヒドロキシ−1−メチルブチル)スチレン、4−(1−ヒドロキシ−1−メチルヘキシル)スチレンの如きヒドロキシ基を有するモノマーが挙げられる。
【0050】
本発明のトナーにおいて、結着樹脂のビニル系重合体ユニットは、ビニル基を2個以上有する架橋剤で架橋された架橋構造を有していてもよいが、この場合に用いられる架橋剤は、芳香族ジビニル化合物として例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンが挙げられ;アルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類として例えば、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたものが挙げられ;エーテル結合を含むアルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類としては、例えば、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#400ジアクリレート、ポリエチレングリコール#600ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたものが挙げられ;芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジアクリレート化合物類として例えば、ポリオキシエチレン(2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート、ポリオキシエチレン(4)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたものが挙げられる。
【0051】
多官能の架橋剤としては、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの;トリアリルシアヌレート、トリアリルトリメリテートが挙げられる。
【0052】
本発明ではビニル系共重合体成分及び/又はポリエステル樹脂成分中に、両樹脂成分と反応し得るモノマー成分を含むことが好ましい。ポリエステル樹脂成分を構成するモノマーのうちビニル系共重合体と反応し得るものとしては、例えば、フタル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸の如き不飽和ジカルボン酸又はその無水物などが挙げられる。ビニル系共重合体成分を構成するモノマーのうちポリエステル樹脂成分と反応し得るものとしては、カルボキシル基又はヒドロキシ基を有するものや、アクリル酸もしくはメタクリル酸エステル類が挙げられる。
【0053】
ビニル系重合体とポリエステル樹脂の反応生成物を得る方法としては、先に挙げたビニル系樹脂及びポリエステル樹脂のそれぞれと反応しうるモノマー成分を含むポリマーが存在しているところで、どちらか一方もしくは両方の樹脂の重合反応をさせることにより得る方法が好ましい。
【0054】
本発明のビニル系共重合体を製造する場合に用いられる重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(−2メチルブチロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、2−(カーバモイルアゾ)−イソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2−フェニルアゾ−2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチル−プロパン)、メチルエチルケトンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイドの如きケトンパーオキサイド類、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−クミルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、イソブチルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、m−トリオイルパーオキサイド、ジ−イソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシカーボネート、ジ−メトキシイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシカーボネート、アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシネオデカノエイト、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエイト、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシベンゾエイト、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、t−ブチルパーオキシアリルカーボネート、t−アミルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート、ジ−t−ブチルパーオキシアゼレートが挙げられる。
【0055】
本発明のトナーに用いられる結着樹脂として、ハイブリッド樹脂を含有する結着樹脂を調製できる製造方法としては、例えば、以下の(1)〜(6)に示す製造方法を挙げることができる。
【0056】
(1)ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂及びハイブリッド樹脂をそれぞれ製造後にブレンドする方法であり、ブレンドは有機溶剤(例えば、キシレン)に溶解・膨潤した後に有機溶剤を留去して製造される。尚、ハイブリッド樹脂は、ビニル系重合体とポリエステル樹脂を別々に製造後、少量の有機溶剤に溶解・膨潤させ、エステル化触媒及びアルコールを添加し、加熱することによりエステル交換反応を行って合成されるエステル化合物を用いることができる。
【0057】
(2)ビニル系重合体ユニット製造後に、これの存在下にポリエステルユニット及びハイブリッド樹脂を製造する方法である。ハイブリッド樹脂はビニル系重合体ユニット(必要に応じてビニル系モノマーも添加できる)とポリエステルモノマー(アルコール、カルボン酸)及び/またはポリエステルとの反応により製造される。この場合も適宜、有機溶剤を使用することができる。
【0058】
(3)ポリエステルユニット製造後に、これの存在下にビニル系重合体ユニット及びハイブリッド樹脂を製造する方法である。ハイブリッド樹脂はポリエステルユニット(必要に応じてポリエステルモノマーも添加できる)とビニル系モノマー及び/またはビニル系重合体ユニットとの反応により製造される。
【0059】
(4)ビニル系重合体ユニット及びポリエステルユニット製造後に、これらの重合体ユニット存在下にビニル系モノマー及び/またはポリエステルモノマー(アルコール、カルボン酸)を添加することによりハイブリッド樹脂が製造される。この場合も適宜、有機溶剤を使用することができる。
【0060】
(5)ハイブリッド樹脂を製造後、ビニル系モノマー及び/またはポリエステルモノマー(アルコール、カルボン酸)を添加して付加重合及び/又は縮重合反応を行うことによりビニル系重合体ユニット及びポリエステルユニットを有するハイブリッド樹脂が製造される。この場合、ハイブリッド樹脂成分は上記(2)乃至(4)の製造方法により製造されるものを使用することもでき、必要に応じて公知の製造方法により製造されたものを使用することもできる。さらに、適宜、有機溶剤を使用することができる。
【0061】
(6)ビニル系モノマー及びポリエステルモノマー(アルコール、カルボン酸等)を混合して付加重合及び縮重合反応を連続して行うことによりビニル系重合体ユニット、ポリエステルユニット及びハイブリッド樹脂が製造される。さらに、適宜、有機溶剤を使用することができる。
【0062】
上記(1)乃至(5)の製造方法において、ビニル系重合体ユニット及び/またはポリエステルユニットは複数の異なる分子量、架橋度を有する重合体ユニットを使用することができる。
【0063】
また、トナーの粘弾性特性において、温度80℃における貯蔵弾性率(G’80)は、トナーの高温環境下における保存性、耐熱性、耐ブロッキング性を良好にするために、1×106〜1×108[dN/m2]であり、好ましくは1×106〜5×107[dN/m2]である。貯蔵弾性率(G’80)が1×106[dN/m2]よりも小さい場合には、高温環境下における保存性、耐熱性、耐ブロッキング性が悪く、トナー粒子同士が合一し、大きなトナーの凝集体を形成するため好ましくない。近年、複写機、プリンターの出力スピードの高速化や本体の小型化が進んでいるため、マシン機内の温度が高くなる傾向にあり、高精細・高画質の画像を安定して得るためには、トナーが高温環境下における十分な保存性、耐熱性、耐ブロッキング性を有することは重要である。また、貯蔵弾性率(G’80)が1×108[dN/m2]より大きい場合には、保存性、耐熱性、耐ブロッキング性は十分であるものの、低い温度での十分な定着性が得られないため好ましくない。
【0064】
また、温度120〜180℃における貯蔵弾性率は、十分な低温定着性と耐高温オフセット性と両立させるために、5×103〜1×106[dN/m2]の範囲内にあることが好ましく、より好ましくは1×104〜5×105[dN/m2]である。温度120〜180℃における貯蔵弾性率の最小値(G’min)が5×103[dN/m2]よりも小さい場合には、トナーの十分な耐高温オフセット性を得ることができないため好ましくない。また、温度120〜180℃における貯蔵弾性率の最大値(G’max)が1×106[dN/m2]より大きい場合には、トナーの十分な低温定着性を得ることができないため好ましくない。
【0065】
さらに、本発明のトナーは、温度120〜180℃における貯蔵弾性率の最小値(G’min)と最大値(G’max)との比(G’max/G’min)が、20以下である時にさらに良好な耐オフセット性を発揮する。(G’max/G’min)が20より大きい場合には、定着温度によって定着画像の光沢が異なるため、大量の画像を出力する際に、高品位な画像を安定して得るという点においても好ましくない。より好ましくは、(G’max/G’min)が15以下であることが望ましい。
【0066】
本発明のトナーは、一種または二種以上のワックスを含有していることが好ましい。
【0067】
本発明に用いられるワックスの一例としては、次のものが挙げられる。低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックス、また酸化ポリエチレンワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物、またはそれらのブロック共重合物;カルナバワックス、サゾールワックス、モンタン酸エステルワックスの如き脂肪酸エステルを主成分とするワックス類、及び脱酸カルナバワックスの如き脂肪酸エステル類を一部または全部を脱酸化したものが挙げられる。さらに、パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸の如き飽和直鎖脂肪酸類;ブラシジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸の如き不飽和脂肪酸類;ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールの如き飽和アルコール類;ソルビトールの如き多価アルコール類;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドの如き脂肪酸アミド類;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドの如き飽和脂肪酸ビスアミド類;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N'ジオレイルアジピン酸アミド、N,N'ジオレイルセバシン酸アミドの如き不飽和脂肪酸アミド類;m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N'ジステアリルイソフタル酸アミド如きの芳香族系ビスアミド類;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムの如き脂肪族金属塩(一般に金属石けんといわれているもの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸の如きビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセリドの如き脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂の水素添加などによって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物が挙げられる。
【0068】
本発明において特に好ましく用いられるワックスとしては、脂肪族炭化水素系ワックスが挙げられる。例えば、アルキレンを高圧下でラジカル重合あるいは低圧下でチーグラー触媒で重合した低分子量のアルキレンポリマー;高分子量のアルキレンポリマーを熱分解して得られるアルキレンポリマー;一酸化炭素及び水素を含む合成ガスからアーゲ法により得られる炭化水素の蒸留残分から、あるいはこれらを水素添加して得られる合成炭化水素ワックスがよい。さらにプレス発汗法、溶剤法、真空蒸留の利用や分別結晶方式により炭化水素ワックスの分別を行ったものが、より好ましく用いられる。母体としての炭化水素は、金属酸化物系触媒(多くは2種以上の多元系)を使用した一酸化炭素と水素の反応によって合成されるもの[例えばジントール法、ヒドロコール法(流動触媒床を使用)によって合成された炭化水素化合物];ワックス状炭化水素が多く得られるアーゲ法(同定触媒床を使用)により得られる炭素数が数百ぐらいまでの炭化水素;エチレンなどのアルキレンをチーグラー触媒により重合した炭化水素が、分岐が少なくて小さく、飽和の長い直鎖状炭化水素であるので好ましい。特にアルキレンの重合によらない方法により合成されたワックスがその分子量分布からも好ましいものである。
【0069】
ワックスの分子量分布では、メインピークが分子量400〜2400の領域にあることが好ましく、430〜2000の領域にあることがより好ましい。このような分子量分布をもたせることによりトナーに好ましい熱特性を付与することができる。
【0070】
また、トナーの定着時により有効に機能させるために、上記ワックスの融点は、60〜100℃にあることが好ましく、65〜90℃にあることがより好ましい。
【0071】
ワックスは結着樹脂100質量部あたり0.1〜20質量部、好ましくは0.5〜10質量部使用するのが良い。
【0072】
ワックスは通常、樹脂を溶剤に溶解し樹脂溶液温度を上げ、撹拌しながら添加混合する方法や、混練時に混合する方法でトナーに含有される。
【0073】
また、本発明のトナーとしては、低温定着性と耐ブロッキング性の両立の点から、示差熱分析(DSC)測定における温度30〜200℃の範囲の吸熱曲線において、最大吸熱ピークのピーク温度が50〜110℃の範囲にあること、より好ましくは60〜90℃の範囲にあることが好ましい。上記吸熱曲線の最大ピークが110℃を超える場合はトナーの低温定着性が低下してしまいやすい。また、吸熱曲線の最大ピークが50℃未満である場合はトナーの耐ブロッキング性が悪くなる傾向にある。
【0074】
本発明のトナーの重量平均粒径は、4〜10μmであることが好ましく、5〜9μmであることがより好ましい。また、本発明のトナーは、個数平均粒径が3.5〜9.5μmであり、トナーの個数分布における粒径4μm以下の粒子が5〜50個数%であり、トナーの体積分布における粒径12.70μm以上の粒子が5体積%以下であることが好ましい。
【0075】
トナーの重量平均粒径が10μmより大きい場合は、高画質化に寄与し得る微粒子が少ないことを意味し、高い画像濃度が得られ易く、トナーの流動性に優れるというメリットがあるものの、感光ドラム上の微細な静電荷像上には忠実に付着しづらく、ハイライト部の再現性が低下し、さらに解像性も低下する。また、必要以上にトナーが静電荷像に載りすぎが起こり、トナー消費量の増大を招きやすい傾向にもある。
【0076】
逆にトナーの重量平均粒径が4μmより小さい時には、トナーの単位質量あたりの帯電量が高くなり、画像濃度の低下、特に低温低湿下での画像濃度の低下が顕著となる。これでは、特にグラフィック画像の如き画像面積比率の高い用途には不向きである。
【0077】
さらに4μmより小さい時には、キャリアなどの帯電付与部材との接触帯電がスムーズに行われにくく、充分に帯電し得ないトナーが増大し、非画像部への飛び散りによるカブリが目立つ様になる。これに対処すべくキャリアの比表面積を稼ぐためにキャリアの小径化が考えられるが、重量平均粒径が4μm未満のトナーでは、トナー自己凝集も起こり易く、キャリアとの均一混合が短時間では達成されにくく、トナーの連続補給耐久においては、カブリが生じてしまう傾向にある。
【0078】
また本発明のトナーは、粒径が4μm以下のトナー粒子の割合が、全粒子数の5〜50個数%、好ましくは5〜25個数%であることが好ましい。4μm以下の粒径のトナー粒子が5個数%未満であると、高画質のために必須な成分である微小のトナー粒子が少ないことを意味し、特に、コピー又はプリントアウトを続けることによってトナーが連続的に使われるに従い、有効なトナー粒子成分が減少して、本発明で示すトナーの粒度分布のバランスが悪化し、画質がしだいに低下する傾向を示す。
【0079】
また、4μm以下の粒径のトナー粒子が50個数%を超えると、トナー粒子相互の凝集状態が生じ易く、本来の粒径以上のトナー塊として、挙動することも多くなり、その結果、荒れた画像が形成されやすく、解像性を低下させたり、又は静電荷像のエッジ部と内部との濃度差が大きくなり、中抜け気味の画像となり易い。さらに、粒径12.70μm以上の粒子が7体積%以下であることが画質向上の上で好ましい。
【0080】
本発明のカラートナーの着色剤としては、公知の染料または/及び顔料が使用される。
【0081】
マゼンタトナー用着色顔料としては、C.I.ピグメントレッド1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,21,22,23,30,31,32,37,38,39,40,41,48,49,50,51,52,53,54,55,57,58,60,63,64,68,81,83,87,88,89,90,112,114,122,123,163,202,206,207.209;C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.バットレッド1,2,10,13,15,23,29,35が挙げられる。
【0082】
顔料単独使用でもかまわないが、染料と顔料と併用してその鮮明度を向上させた方がフルカラー画像の画質の点からより好ましい。
【0083】
マゼンタトナー用染料としては、C.Iソルベントレッド1,3,8,23,24,25,27,30,49,81,82,83,84,100,109,121;C.I.ディスパースレッド9;C.I.ソルベントバイオレット8,13,14,21,27;C.I.ディスパーバイオレット1の如き油溶染料、C.I.ベーシックレッド1,2,9,12,13,14,15,17,18,22,23,24,27,29,32,34,35,36,37,38,39,40;C.I.ベーシックバイオレット1,3,7,10,14,15,21,25,26,27,28の塩基性染料が挙げられる。
【0084】
シアントナー用着色顔料としては、C.I.ピグメントブルー2,3,15,16,17;C.I.バットブルー6;C.I.アシッドブルー45またはフタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1〜5個置換した銅フタロシアニン顔料が挙げられる。
【0085】
イエロー用着色顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1,2,3,4,5,6,7,10,11,12,13,14,15,16,17,23,65,73,74,83,97,155,180;C.I.バットイエロー1,3,20が挙げられる。
【0086】
また、C.I.ダイレクトグリーン6、C.I.ベーシックグリーン4、C.I.ベーシックグリーン6、ソルベントイエロー162の如き染料も使用することができる。
【0087】
本発明に用いられる黒色着色剤としては、カーボンブラック、磁性体、又は、上記に示すイエロー/マゼンタ/シアン着色剤を用い黒色に調色されたものが利用できる。
【0088】
着色剤の使用量は、結着樹脂100質量部に対して好ましくは0.1〜15質量部、より好ましくは0.5〜12質量部、最も好ましくは2〜10質量部が良い。
【0089】
本発明のトナーには、荷電制御剤を含有させることができる。荷電制御剤としては、有機金属化合物を好ましく用いることができ、芳香族カルボン酸と2価以上の金属との有機金属化合物が好ましい。
【0090】
芳香族カルボン酸としては、下記3種の化合物が挙げられる。
【0091】
【化2】
〔式中、R1乃至R7は同一又は異なる基を示し、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基、−OH,−NH2,−NH(CH3),−N(CH3)2,−OCH3,−O(C2H5),−COOH又は−CONH2を示す。〕
【0092】
好ましいR1としては、ヒドロキシル基、アミノ基及びメトキシ基が挙げられるが、中でもヒドロキシル基が好ましい。芳香族カルボン酸としては、特にジ−tert−ブチルサリチル酸の如きジアルキルサリチル酸が好ましい。
【0093】
有機金属化合物を形成する金属としては、2価以上の金属原子が好ましい。2価の金属としてMg2+,Ca2+,Sr2+,Pb2+,Fe2+,Co2+,Ni2+,Zn2+,Cu2+が挙げられる。2価の金属としては、Zn2+,Ca2+,Mg2+,Sr2+が好ましい。3価以上の金属としてはAl3+,Cr3+,Fe3+,Ni3+が挙げられる。これらの金属の中で好ましいのはAl3+,Fe3+,Cr3+,Zn2+であり、特に好ましいのはAl3+である。
【0094】
本発明においては、有機金属化合物として、ジ−tert−ブチルサリチル酸のアルミニウム化合物やジ−tert−ブチルサリチル酸の亜鉛化合物が好ましい。
【0095】
芳香族カルボン酸の金属化合物は、例えば、芳香族カルボン酸を水酸化ナトリウム水溶液に溶解させ、2価以上の金属原子を溶融している水溶液を水酸化ナトリウム水溶液に滴下し、加熱撹拌し、次に水溶液のpHを調整し、室温まで冷却した後、ろ過・水洗することにより芳香族カルボン酸の金属化合物を合成し得る。
【0096】
ただし、上記の合成方法だけに限定されるものではない。
【0097】
有機金属化合物は、結着樹脂100質量部当り10質量部以下であることが好ましく、より好ましくは7質量部以下、更に好ましくは0.05〜5質量部使用するのが、トナーの粘弾性及び帯電性の点で好ましい。
【0098】
本発明のトナーは、帯電性をさらに安定化させる為に、荷電制御剤として上記の有機金属化合物以外に、荷電制御剤として用いられている公知の化合物を併せて用いることができる。
【0099】
さらに、本発明のトナー粒子には、流動性向上剤が外添されていることが画質向上、高温環境下での保存性の点で好ましい。流動性向上剤としては、シリカ、酸化チタン、酸化アルミニウムの如き無機微粉体が好ましい。該無機微粉体は、カップリング剤,シリコーンオイル又はそれらの混合物の如き疎水化剤で疎水化されていることが好ましい。
【0100】
疎水化剤としては、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、アルミニウムカップリング剤、ジルコアルミネートカツプリング剤の如きカップリング剤が挙げられる。
【0101】
具体的に例えばシランカップリング剤としては、一般式
RmSiYn
〔式中、Rはアルコキシ基を示し、mは1〜3の整数を示し、Yはアルキル基、ビニル基、フェニル基、メタアクリル基、アミノ基、エポキシ基、メルカプト基又はこれらの誘導体を示し、nは1〜3の整数を示す。〕
で表されるものが好ましい。例えばビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン等を挙げることができる。
【0102】
本発明において特に好適なのは、一般式
CnH2n+1−Si−(OCmH2m+1)3
〔式中、nは4〜12の整数を示し、mは1〜3の整数を示す。〕
で示されるアルキルアルコキシシランカップリング剤である。該アルキルアルコキシシランカップリング剤において、nが4より小さいと、処理は容易となるが疎水化度が低く、好ましくない。nが12より大きいと、疎水性が十分になるが、酸化チタン微粒子同士の合一が多くなり、流動性付与能が低下しやすい。mは3より大きいと、該アルキルアルコキシシランカップリング剤の反応性が低下して疎水化を良好に行いにくくなる。より好ましくは、アルキルアルコキシシランカップリング剤はnが4〜8であり、mが1〜2である。
【0103】
カップリング剤の処理量は、無機微粉体100質量部に対して、好ましくは1〜60質量部、より好ましくは3〜50質量部である。
【0104】
疎水化処理は1種類の疎水化剤単独で行っても良いし、2種類以上の疎水化剤を併用しても良い。例えば1種類のカップリング剤単独で疎水化処理を行っても良いし、2種類のカップリング剤で同時に、またはカップリング剤での疎水化処理を行った後、別のカップリング剤で更に疎水化処理を行っても良い。
【0105】
流動性向上剤は、トナー粒子100質量部に対して0.01〜5質量部添加することが好ましく、0.05〜3質量部添加することがより好ましい。
【0106】
本発明の画像形成方法において、トナー粒子とキャリアとを含有する二成分系現像剤を用いる場合、キャリアとしては、例えば表面酸化又は未酸化の鉄、ニッケル、銅、亜鉛、コバルト、マンガン、クロム、希土類等の金属及びそれらの合金または酸化物及びフェライトが使用できる。
【0107】
特に、マンガン、マグネシウム及び鉄成分を主成分として形成されるMn−Mg−Feの3元素の磁性フェライト粒子がキャリア粒子として好ましい。表面を樹脂で被覆された樹脂コートキャリアにおいて、被覆樹脂としてシリコーン樹脂を用いる場合には、Mn−Mg−Feの3元素の磁性フェライト粒子は、ケイ素元素を0.001乃至1質量%(より好ましくは、0.005〜0.5質量%)有していることが特に好ましい。
【0108】
磁性キャリア粒子は、樹脂で被覆されていることが好ましく、樹脂としてはシリコーン樹脂が好ましい。特に、含窒素シリコーン樹脂または、含窒素シランカップリング剤とシリコーン樹脂とが反応することにより生成した変性シリコーン樹脂が、本発明のカラートナーへのマイナスの摩擦電荷の付与性、環境安定性、キャリアの表面の汚染に対する抑制の点で好ましい。
【0109】
磁性キャリアは、平均粒径が15乃至60μm(より好ましくは、25乃至50μm)がカラートナーの重量平均粒径との関係で好ましい。
【0110】
磁性キャリアの平均粒径及び粒度分布は、レーザー回折式粒度分布測定装置HELOS(日本電子製)に乾式分散ユニットRODOS(日本電子製)を組み合わせて用い、レンズ焦点距離200mm,分散圧3.0bar,測定時間1〜2秒の測定条件で粒径0.5μm〜350.0μmの範囲を下記表1に示す通り31チャンネルに分割して測定し、体積分布の50%粒径(メジアン径)を平均粒径として求めると共に、体積基準の頻度分布から各粒径範囲の粒子の体積%を求める。
【0111】
【表1】
【0112】
粒度分布の測定に用いるレーザー回折式粒度分布測定装置HELOSは、フランホーファ回折原理を用いて測定を行う装置である。この測定原理を簡単に説明すれば、レーザー光源から測定粒子にレーザービームを照射すると、回折像がレーザー光源の反対側のレンズの焦点面にでき、その回折像を検出器によって検出して演算処理することにより、測定粒子の粒度分布を算出するものである。
【0113】
磁性キャリアを上記の平均粒径及び特定の粒度分布を有するように調整する方法としては、例えば、篩を用いることによる分級によって行うことが可能である。特に、精度良く分級を行うために、適当な目開きの篩を用いて複数回くり返してふるうことが好ましい。また、メッシュの開口の形状をメッキ等によって制御したものを使うことも有効な手段である。
【0114】
カラートナーと混合して二成分現像剤を調製する場合、その混合比率は現像剤中のトナー濃度として、好ましくは2〜15質量%、より好ましくは4〜13質量%にすると通常良好な結果が得られる。トナー濃度が2質量%未満では画像濃度が低くなりやすく、15質量%を超える場合ではカブリや機内飛散が増加しやすい。
【0115】
次に、本発明の画像形成方法によって、フルカラー画像を形成する方法を図1を参照しながら説明する。
【0116】
図1は、電子写真法によりフルカラーの画像を形成するための画像形成装置の一例を示す概略構成図である。図1の画像形成装置は、フルカラー複写機又はフルカラープリンターとして使用され、上部にデジタルカラー画像リーダ部、下部にデジタル画像プリンター部を有する。
【0117】
画像リーダ部において、原稿30を原稿台ガラス31上に載せ、露光ランプ32により露光走査することにより、原稿30からの反射光像をレンズ33によりフルカラーセンサ34に集光し、カラー色分解画像信号を得る。カラー色分解画像信号は、増幅回路(図示せず)を経てビデオ処理ユニット(図示せず)にて処理を施され、デジタル画像プリンター部に送出される。
【0118】
デジタル画像プリンター部において、像担持体である感光ドラム1は、たとえば有機光導電体を有する感光層を有し、矢印方向に回転自在に担持されている。感光ドラム1の回りには、前露光ランプ11、コロナ帯電器2、レーザー露光光学系3(3a,3b,3c)、電位センサ12、色の異なる4個の現像器4Y,4C,4M,4B、ドラム上光量検知手段13、転写装置5およびクリーニング器6が配置されている。
【0119】
レーザー露光光学系において、リーダ部からの画像信号は、レーザー出力部(図示せず)にてイメージスキャン露光の光信号に変換され、変換されたレーザー光がポリゴンミラー3aで反射され、レンズ3bおよびミラー3cを介して、感光ドラム1の面上に投影される。
【0120】
プリンター部は、画像形成時、感光ドラム1を矢印方向に回転させ、前露光ランプ11で除電した後に感光ドラム1を帯電器2により一様にマイナス帯電させて、分解色ごとに光像Eを照射し、感光ドラム1上に静電荷像を形成する。
【0121】
次に、所定の現像器を動作させて感光ドラム1上の静電荷像を現像し、感光ドラム1上にトナーによるトナー画像を形成する。現像器4Y,4C,4M,4Bは、それぞれの偏心カム24Y,24C,24M,24Bの動作により、各分解色に応じて択一的に感光ドラム1に接近して、現像を行う。
【0122】
転写装置は、転写ドラム5a、転写帯電器5b、記録材としての転写材を静電吸着するための吸着帯電器5cおよびこれと対向する吸着ローラー5g、そして内側帯電器5d、外側帯電器5e、分離帯電器5hを有している。転写ドラム5aは、回転駆動可能に軸支され、その周面の開口域に記録媒体(転写材)を担持する転写材担持体である転写シート5fが、円筒上に一体的に調節されている。転写シート5fにはポリカーボネートフィルムの如き樹脂フィルムが使用される。
【0123】
転写材は、カセット7a、7bまたは7cから転写シート搬送系を通って転写ドラム5aに搬送され、転写ドラム5a上に担持される。転写ドラム5a上に担持された転写材は、転写ドラム5aの回転にともない感光ドラム1と対向した転写位置に繰り返し搬送され、転写位置を通過する過程で転写帯電器5bの作用により、転写材上に感光ドラム1上のトナー画像が転写される。
【0124】
トナー画像は、感光体から直接転写材へ転写されても良く、また、感光体上のトナー画像を中間転写体へ転写し、中間転写体からトナー画像を転写材へ転写しても良い。
【0125】
上記の画像形成工程を、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(B)について繰り返し、転写ドラム5上の転写材上に4色のトナー画像を重ねたカラー画像が得られる。
【0126】
このようにして4色のトナー画像が転写された転写材は、分離爪8a、分離押上げコロ8bおよび分離帯電器5hの作用により、転写ドラム5aから分離して加熱加圧定着器9に送られ、そこで加熱加圧定着することによりトナーの混色、発色および転写材への固定が行われて、フルカラーの定着画像とされたのちトレイ10に排紙され、フルカラー画像の形成が終了する。
【0127】
本発明の画像形成方法においては、供給された記録媒体の光沢度を検知器によって測定し、そのグロス値に基づいて、自動的にプロセススピードを調整する構成となっていても良い。
【0128】
図2は加熱加圧定着手段の一例を示しており、定着手段である定着ローラー39は、例えば厚さ5mmのアルミ製の芯金41上に、弾性層42として厚さ2mmのRTVシリコーンゴム(Room Temperature Vulcanizing Silicone Rubber)(ASKER−C硬度69)層、この外側に表面層43として厚さ50μmのテトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)層を有している。尚、図2においては、弾性層と表面層との間に、中間層68を設けた構成としている。
【0129】
一方、加圧手段である加圧ローラー40は、例えば厚さ5mmのアルミの芯金44の上に、弾性層45として厚さ2mmのRTVシリコーンゴム層(ゴム硬度ASKER−C硬度82.5)、この外側に表面層70として厚さ50μmのPFA層を有している。尚、図2においては、弾性層と表面層との間に、中間層69を設けた構成としている。
【0130】
図2において、定着ローラー、加圧ローラー共にその外径は、60mmであるが、加圧ローラーの方が硬度が高いため、白紙による排紙テストでは、両ローラーの中心線を結ぶ線に対しての垂線より、排紙方向は、加圧ローラー側になる。この排紙方向を加圧ローラー側にすることが、画像面積の大きいコピー画像を定着する場合の記録媒体の定着ローラー巻きつき防止に極めて重要である。排紙方向を加圧ローラー側にする手段としては、前記した硬度差をつける方法、或いは、加圧ローラーの径を定着ローラーよりも小さくする方法、加圧ローラー側の設定温度を定着ローラーよりも高くし、定着紙背面、つまり加圧ローラー側の紙面の水分をより多く蒸発させることにより、ごく少量の紙のちぢみを利用する方法などが挙げられる。
【0131】
また、上記定着ローラー39には発熱手段であるハロゲンヒータ46が配設され、加圧ローラー40には同じくハロゲンヒータ47が芯金内に配設されて両面からの加熱を行っている。定着ローラー39及び加圧ローラー40に当接されたサーミスタ48a及び48bにより定着ローラー39及び加圧ローラーの温度が検知され、この検知温度に基づき制御装置49a及び49bによりハロゲンヒータ46及び47がそれぞれ制御され、定着ローラー39の温度及び加圧ローラー40の温度が共に一定の温度(例えば、160℃±10℃)に保つように制御される。定着ローラー39と加圧ローラー40は加圧機構(図示せず)によって総圧980N(100kgf)で加圧されている。
【0132】
図2において、Cはオイル含浸紙ウェブによる定着ローラークリーニング装置であり、C1は加圧ローラーに付着したオイル及び汚れを除去するためのクリーニングブレードである。紙ウェブ含浸用オイルは、50〜3000mm2/s(cSt)のシリコーンオイル(ジメチルシリコーンオイル、ジフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類)を用いることが、オイル塗布量を少量で一定に供給することが容易であり、かつ、定着画像の品位(特に均一光沢性、オイル痕)の高いものとなる。また、オイルを塗布しない場合は、Cのクリーニング装置を取り外すか、オイルを含浸していない紙、または布ウェブを用いるか、クリーニングブレード、もしくはクリーニングパッド、クリーニングローラーを用いるのが良い。本発明においては、定着時に離型剤であるオイルを使用しないことが好ましく、この場合には、オイル筋痕等がない良質の画像を得ることができる。
【0133】
クリーニング装置Cは、ノーメックス(商品名)より成る不織布ウェブ56を押圧ローラー55にて定着ローラー39に押し当ててクリーニングしている。該ウェブ56は巻き取り装置(図示せず)により適宜巻き取られ、定着ローラー39との当接部にトナー等が堆積しないようにされている。
【0134】
オイルの塗布量が1×10-7g/cm2を超える場合は、記録媒体のギラツキが大きく、特に文字画像の視認性を阻害する傾向にある。
【0135】
上記の画像形成プロセスによって、本発明のトナーを少なくとも有するカラートナー画像が記録材シートに定着されることによって記録シートに形成されたカラー画像が得られる。
【0136】
本発明のトナーの物性値の測定方法は次の通りである。
【0137】
(1)トナーの粘弾性の測定方法
トナーを直径25mm,厚さ約2〜3mmの円板状の試料に加圧成形する。次にパラレルプレートにセットし、50〜200℃の温度範囲内で徐々に昇温させ、温度分散測定を行う。昇温速度は2℃/minとし、角周波数(ω)は6.28rad/secに固定し、歪率は自動とする。横軸に温度,縦軸に貯蔵弾性率(G')を取り、各温度における値を読み取る。測定にあたっては、RDA−II(レオメトリックス社製)を用いる。
【0138】
(2)示差熱分析測定
示差走査熱量計(DSC測定装置),DSC−7(パーキンエルマー社製)を用いてASTMD3418−82に準じて測定する。
【0139】
測定試料は2〜10mg、好ましくは5mgを精密に秤量する。これをアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを用い、測定温度範囲30〜200℃の間で、昇温速度10℃/minで常温常湿下で測定を行う。この昇温過程、降温過程で、温度30〜200℃の範囲におけるDSC曲線のメインピークの吸熱、発熱ピークが得られる。
【0140】
(3)GPC測定による分子量分布
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるクロマトグラムの分子量は次の条件で測定される。
【0141】
40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定化させ、この温度におけるカラムに溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を毎分1mlの流速で流し、試料濃度として0.05〜0.6質量%に調整した樹脂のTHF試料溶液を約50〜200μl注入して測定する。試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数(リテンションタイム)との関係から算出する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、例えば東ソー社製或いはPressureChemicalCo.製の分子量が6×102、2.1×103、4×103、1.75×104、5.1×104、1.1×105、3.9×105、8.6×105、2×106、4.48×106のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。
【0142】
カラムとしては、103〜2×106の分子量領域を的確に測定するために、市販のポリスチレンジェルカラムを複数本組み合わせるのが良く、例えば昭和電工社製のshodexGPCKF−801,802,803,804,805,806,807の組み合わせや、Waters社製のμ−styragel500、103、104、105の組み合わせを挙げることができる。
【0143】
(4)トナー粒度分布の測定
本発明において、トナーの平均粒径及び粒度分布はコールターカウンターTA−II型(コールター社製)を用いて行うが、コールターマルチサイザー(コールター社製)を用いることも可能である。電解液は1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調製する。例えば、ISOTON R−II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)が使用できる。測定法としては、前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩を0.1〜5ml加え、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、前記測定装置によりアパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、2.00μm以上のトナーの体積,個数を測定して体積分布と個数分布とを算出した。それから本発明に係る体積分布から求めた重量基準の重量平均粒径(D4)(各チャンネルの中央値をチャンネル毎の代表値とする)を求めた。
【0144】
チャンネルとしては、2.00〜2.52μm;2.52〜3.17μm;3.17〜4.00μm;4.00〜5.04μm;5.04〜6.35μm;6.35〜8.00μm;8.00〜10.08μm;10.08〜12.70μm;12.70〜16.00μm;16.00〜20.20μm;20.20〜25.40μm;25.40〜32.00μm;32.00〜40.30μmの13チャンネルを用いる。
【0145】
(5)光沢度計による画像光沢度の測定
本発明においてグロス測定は、グロスメーター(GLOSSCHECKER IG−310/HORIBA社製)を用いて、60度方向の反射光量を測定することによって行った。サンプル画像としては、単位面積当たりのトナー載り量を0.05〜1.3mg/cm2の間でほぼ等間隔で17階調に設定し、各載り量でのベタ画像(1cm×29cm)をA4の横方向に並べた画像をプリントアウトしたものを用いた。そして、各載り量でのベタ画像の光沢度を、それぞれ5ヶ所(両端部、中心、端部と中心との中間点)測定し、平均の値をそれぞれの画像光沢度とした。
【0146】
(6)画像濃度の測定
本発明において画像濃度の測定法としては、X−Rite社製のスペクトロデンシトメーター504で測定する。測定画像を任意に5回測定し、平均の値を画像濃度とする。
【0147】
【実施例】
以下、本発明の具体的実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0148】
(ハイブリッド樹脂製造例1)
ビニル系共重合体を得るためのモノマー及び重合開始剤として、スチレン1.9mol、2−エチルヘキシルアクリレート0.21mol、フマル酸0.15mol、α−メチルスチレンの2量体0.03mol、ジクミルパーオキサイド0.05molを滴下ロートに入れる。また、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン7.0mol、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン3.0mol、コハク酸3.0mol、無水トリメリット酸2.0mol、フマル酸5.0mol及び酸化ジブチル錫0.2gをガラス製4リットルの4つ口フラスコに入れ、温度計,撹拌棒,コンデンサー及び窒素導入管を取りつけマントルヒーター内においた。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、145℃の温度で撹拌しつつ、先の滴下ロートよりビニル系モノマー組成物を4時間かけて滴下した。次いで200℃に昇温を行い、4時間反応せしめた。こうして、ビニル系共重合体、ポリエステル樹脂に加えて、ビニル系重合体ユニットとポリエステル樹脂ユニットとを有するハイブリッド樹脂を含有するハイブリッド樹脂組成物(1)を得た。GPCによる分子量分布を測定したところ、重量平均分子量(Mw)は25,700、数平均分子量(Mn)は3,200、ピーク分子量(Mp)は6,400であった。分子量測定の結果を表2に示す。
【0149】
(ハイブリッド樹脂製造例2)
スチレン3.8mol、α−メチルスチレンの2量体0.07mol、ジクミルパーオキサイド0.1molを使用すること以外は、ハイブリッド樹脂製造例1と同様に反応させ、ハイブリッド樹脂を含有するハイブリッド樹脂組成物(2)を得た。GPCによる分子量測定の結果を表2に示す。
【0150】
(ハイブリッド樹脂製造例3)
フマル酸5.0molに代えてマレイン酸4.0molとイタコン酸3.5molを使用すること、ジクミルパーオキサイド0.05molに代えてイソブチルパーオキサイド0.1molを使用すること以外は、ハイブリッド樹脂製造例1と同様に反応させ、ハイブリッド樹脂組成物(3)を得た。GPCによる分子量測定の結果を表2に示す。
【0151】
(ハイブリッド樹脂製造例4)
コハク酸3.0mol及び無水トリメリット酸2.0molの替わりに無水トリメリット酸5.2molにしてハイブリッド樹脂製造例1と同様に反応させ、ハイブリッド樹脂組成物(4)を得た。GPCによる分子量測定の結果を表2に示す。
【0152】
(ポリエステル樹脂製造例1)
ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン3.6mol、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン1.6mol、テレフタル酸1.7mol、無水トリメリット酸1.1mol、フマル酸2.4mol及び酸化ジブチル錫0.1gをガラス製4リットルの4つ口フラスコに入れ、温度計,撹拌棒,コンデンサー及び窒素導入管を取りつけマントルヒーター内においた。窒素雰囲気下で、215℃で5時間反応させ、ポリエステル樹脂(1)を得た。GPCによる分子量測定の結果を表2に示す。
【0153】
(ポリエステル樹脂製造例2)
ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン1.6mol、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン3.3mol、テレフタル酸1.6mol、無水トリメリット酸0.3mol、フマル酸3.2molのモノマー構成で上記と同様に反応させ、ポリエステル樹脂(2)を得た。GPCによる分子量測定の結果を表2に示す。
【0154】
(ビニル系重合体の製造例1)
トルエン溶媒1000mlとビニル系共重合体として、スチレン2.4mol、n−ブチルアクリレート0.26mol、モノブチルマレート0.09mol、ジ−t−ブチルパーオキサイド0.11molを、温度計,ステンレス製撹拌棒,流下式コンデンサー及び窒素導入管を装備した3リットルの4つ口フラスコに入れ、マントルヒーター中で、窒素雰囲気にて120℃の温度で撹拌しつつトルエンを還流させながら反応させ、ビニル系重合体(1)を得た。GPCによる分子量測定の結果を表2に示す。
【0155】
【表2】
【0156】
下記の実施例で用いるワックスを表3に示す。
【0157】
【表3】
【0158】
<実施例1〜4>
以下の方法でシアントナー1を調製した。
【0159】
・ハイブリッド樹脂組成物(1) 100質量部
・ワックス(A) 9質量部
・C.I.ピグメントブルー15:3 5質量部
・ジ−tert−ブチルサリチル酸アルミニウム錯体 6質量部
をヘンシェルミキサーにより十分予備混合を行った後、二軸式押出機で溶融混練し、冷却後ハンマーミルを用いて粒径約1〜2mm程度に粗粉砕した。次いでエアージェット方式による微粉砕機で微粉砕した。さらに、得られた微粉砕物を多分割分級装置で分級して、重量平均粒径7.6μmのシアン系樹脂粒子を得た。
【0160】
母体粒子100質量部に対して、i−C4H9Si(OCH3)3:25質量部で処理した疎水性酸化アルミニウム(BET比表面積:170m2/g)を上記シアン系樹脂粒子100質量部に対して、1.1質量部を合せてシアントナー1とした。さらにシアントナー1と、シリコーン樹脂で表面被覆した磁性フェライトキャリア粒子(平均粒径50μm)とを、トナー濃度が6質量%になるように混合し、二成分系シアン現像剤1とした。トナーの処方及び物性を表4に示す。
【0161】
このシアン現像剤1を用いて、常温常湿度環境下(23℃,60%)、カラー複写機CLC−800(キヤノン製)の定着ユニットを取り外した改造機を用い、単色モードで、前述した如きサンプル画像を形成し、図2に示した定着装置からローラークリーニング装置Cを取り外した定着装置を用いて定着し、得られた定着画像を用いてグロス値の測定を行った。定着装置においては、加熱部材として、厚さ5mmのアルミ製の芯金上に、弾性層として厚さ2mmのRTVシリコーンゴム層(ASKER−C硬度69)、この外側に表面層43として厚さ50μmのテトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)層を設けた定着ローラーを用いた(中間層は有していない。)。
【0162】
なお、使用した記録紙としてはグロスの高い順に、キャストコート紙(CANON、CLC光沢厚紙NS701:坪量150g/m2、グロス値75)、コート紙(CANON、GLOSSY BrochurePaper:坪量148g/m2、グロス値50)、SILVER BLADE社製のOFFSET M−DREAL(坪量200g/m2、グロス値7)、上質紙(CANON、CLC用紙:坪量81.4g/m2、グロス値2)である。
【0163】
また、画像濃度(D0.5)は、単位面積当たりのトナー載り量が0.5mg/cm2の画像を形成し、その画像濃度を測定した。
【0164】
実施例1〜4で得られた画像は、トナー載り量に依存せず、画像光沢がほぼ均一で、且つ記録媒体の光沢度に近いものであった。また、優れた定着性を示した。結果を表5に示す。
【0165】
<実施例5>
ハイブリッド樹脂組成物(1)に替えてハイブリッド樹脂組成物(2)を使用したこと以外は実施例1と同様にしてシアントナー2及びシアン現像剤2を得た。トナーの測定結果を表4に示す。
【0166】
さらに、実施例1と同様にしてトナーを評価した。実施例5で得られた画像はトナー載り量に依存せず、画像光沢がほぼ均一で、且つ記録媒体の光沢度に近く、優れた定着性を示した。結果を表5に示す。
【0167】
<実施例6>
ハイブリッド樹脂組成物(1)に替えてハイブリッド樹脂組成物(3)を使用したこと、ジ−tert−ブチルサリチル酸アルミニウム錯体を8質量部使用した以外は実施例1と同様にしてシアントナー3及びシアン現像剤3を得た。トナーの測定結果を表4に示す。
【0168】
さらに、実施例1と同様にしてトナーを評価した。実施例6で得られた画像はトナー載り量に依存せず、画像光沢がほぼ均一で、且つ記録媒体の光沢度に近く、優れた定着性を示した。結果を表5に示す。
【0169】
<実施例7>
ジ−tert−ブチルサリチル酸アルミニウム錯体を2質量部使用したこと以外は実施例1と同様にしてシアントナー4及びシアン現像剤4を得た。トナーの測定結果を表4に示す。
【0170】
さらに、実施例1と同様にしてトナーを評価した。実施例7で得られた画像はトナー載り量に依存せず、画像光沢がほぼ均一で、且つ記録媒体の光沢度に近く、優れた定着性を示した。結果を表5に示す。
【0171】
<実施例8>
ハイブリッド樹脂組成物(1)に替えて、50質量部のポリエステル樹脂(1)と50質量部のハイブリッド樹脂組成物(1)との混合物を使用したこと、ジ−tert−ブチルサリチル酸アルミニウム錯体を8質量部使用したこと以外は実施例1と同様にしてシアントナー5及びシアン現像剤5を得た。トナーの測定結果を表4に示す。
【0172】
さらに、実施例1と同様にしてトナーを評価した。実施例8で得られた画像はトナー載り量に依存せず、画像光沢がほぼ均一で、且つ記録媒体の光沢度に近く、優れた定着性を示した。結果を表5に示す。
【0173】
<実施例9>
ワックス(A)に替えてワックス(B)を使用した以外は実施例1と同様にしてシアントナー6及びシアン現像剤6を得た。トナーの測定結果を表4に示す。
【0174】
さらに、実施例1と同様にしてトナーを評価した。実施例9で得られた画像はトナー載り量に依存せず、画像光沢がほぼ均一で、且つ記録媒体の光沢度に近いものであった。また、優れた定着性とを示した。結果を表5に示す。
【0175】
<実施例10>
ジ−tert−ブチルサリチル酸アルミニウム錯体を3質量部使用したこと、ワックス(A)に替えてワックス(D)を使用したこと以外は実施例1と同様にしてシアントナー7及びシアン現像剤7を得た。トナーの測定結果を表4に示す。
【0176】
さらに、実施例1と同様にしてトナーを評価した。シアントナー7はワックスが高融点であるために、ワックスが定着時にトナー表面に出にくくなり、低温定着性をやや悪化させたものの、比較的良好な結果を得た。実施例10で得られた画像は、トナー載り量に依存せず、画像光沢がほぼ均一で、且つ記録媒体の光沢度に近いものであった。結果を表5に示す。
【0177】
<実施例11>
ジ−tert−ブチルサリチル酸アルミニウム錯体を3質量部使用したこと、ワックス(A)に替えてワックス(E)を使用した以外は実施例1と同様にしてシアントナー8及びシアン現像剤8を得た。トナーの測定結果を表4に示す。
【0178】
さらに、実施例1と同様にしてトナーを評価した。シアントナー8はワックスが高融点であるためにワックスが定着時にトナー表面に出にくくなり、低温定着性が低下したが、全般的には比較的良好な結果を得た。実施例11で得られた画像は、トナー載り量に依存せず、画像光沢がほぼ均一で、且つ記録媒体の光沢度に近いものであった。結果を表5に示す。
【0179】
<実施例12>
C.I.ピグメントブルー15:3に替えてC.I.ピグメントレッド202を6質量部使用したこと以外は実施例1と同様にしてマゼンタトナー1及びマゼンタ現像剤1を得た。トナーの測定結果を表4に示す。
【0180】
さらに、実施例1と同様にしてトナーを評価した。実施例12で得られた画像は、トナー載り量に依存せず、画像光沢がほぼ均一で、且つ記録媒体の光沢度に近い高精細な画像を得ることができた。また、優れた定着性とを示した。結果を表5に示す。
【0181】
<実施例13>
C.I.ピグメントブルー15:3に替えてC.I.ピグメントイエロー17を4質量部使用したこと、ハイブリッド樹脂(1)に替えてポリエステル樹脂(1)を使用したこと以外は実施例1と同様にしてイエロートナー1及びイエロー現像剤1を得た。トナーの測定結果を表4に示す。
【0182】
さらに、実施例1と同様にしてトナーを評価した。実施例13で得られた画像は、トナー載り量に依存せず、画像光沢がほぼ均一で、且つ記録媒体の光沢度に近い高精細な画像を得ることができた。ポリエステル樹脂を単独で用いたため、実施例1と比較して、若干、定着可能な温度領域が狭くなったものの、定着温度幅は実用上問題のないレベルであった。
【0183】
<実施例14>
C.I.ピグメントブルー15:3に替えてカーボンブラックを3質量部使用したこと以外は実施例1と同様にしてブラックトナー1及びブラック現像剤1を得た。トナーの測定結果を表4に示す。
【0184】
さらに、実施例1と同様にしてトナーを評価した。実施例14で得られた画像は、トナー載り量に依存せず、画像光沢がほぼ均一で、且つ記録媒体の光沢度に近い高精細な画像を得ることができた。
【0185】
<実施例15>
分級条件を調整して、重量平均粒径4.1μmのシアントナー粒子を得たこと、疎水性酸化アルミニウム(BET170m2/g)を上記シアントナー粒子100質量部に対して1.8質量部使用したこと以外は実施例1と同様にしてシアントナー12及びシアン現像剤12を得た。トナーの測定結果を表4に示す。
【0186】
さらに、実施例1と同様にしてトナーを評価した。実施例15で得られた画像はやや転写性が劣るものの、トナー載り量に依存せず、画像光沢がほぼ均一で、且つ記録媒体の光沢度に近い高精細な画像を得ることができた。結果を表5に示す。
【0187】
<実施例16>
分級条件を調整して、重量平均粒径9.9μmのシアントナー粒子を得たこと、疎水性酸化アルミニウム(BET170m2/g)を上記シアントナー粒子100質量部に対して0.8質量部使用したこと以外は実施例1と同様にしてシアントナー13及びシアン現像剤13を得た。トナーの測定結果を表4に示す。
【0188】
さらに、実施例1と同様にしてトナーを評価した。実施例16で得られた画像はトナー粒径が大きいため、若干細線再現性が劣るものの、トナー載り量に依存せず、画像光沢がほぼ均一で、且つ記録媒体の光沢度に近い高精細な画像を得ることができた。結果を表5に示す。
【0189】
<実施例17>
ジ−tert−ブチルサリチル酸アルミニウム錯体に替えて、ジ−tert−ブチルサリチル酸亜鉛錯体を6質量部使用したこと以外は実施例1と同様にしてシアントナー14及びシアン現像剤14を得た。トナーの測定結果を表4に示す。
【0190】
さらに、実施例1と同様にしてトナーを評価した。実施例17で得られた画像は、やや画像濃度や転写率が低下するものの、トナー載り量に依存せず、画像光沢がほぼ均一で、且つ記録媒体の光沢度に近い高精細な画像を得ることができた。結果を表5に示す。
【0191】
<比較例1>
ハイブリッド樹脂組成物(1)に替えてハイブリッド樹脂組成物(4)を使用したこと、ジ−tert−ブチルサリチル酸アルミニウム錯体を7.5質量部使用したこと以外は実施例1と同様にしてシアントナー15及びシアン現像剤15を得た。トナーの測定結果を表4に示す。
【0192】
さらに実施例1と同様にしてシアン現像剤15を用いて評価した。シアントナー15は、含有する樹脂のピーク分子量が大きいため、非常に硬いトナーであり、光沢性が悪く、記録媒体の光沢度との差も大きく、画像光沢が不均一なものであった。また、ワックスが定着時にトナー表面に出にくいため、低温定着性にも劣るものであった。結果を表5に示す。
【0193】
<比較例2>
ハイブリッド樹脂組成物(1)に替えてポリエステル樹脂(2)を使用したこと、ジ−tert−ブチルサリチル酸アルミニウム錯体を4質量部使用したこと以外は実施例1と同様にしてシアントナー16及びシアン現像剤16を得た。トナーの測定結果を表4に示す。
【0194】
さらに実施例1と同様にしてシアン現像剤16を用いて評価した。シアントナー16は、含有する樹脂のピーク分子量が小さいため、非常に軟らかいトナーとなり、非常に光沢度の高い画像となり、記録媒体の光沢度との差も大きく、画像光沢のムラにより違和感を持つ画像となった。結果を表5に示す。
【0195】
<比較例3>
ハイブリッド樹脂組成物(1)に替えてポリエステル樹脂(1)を使用したこと、ジ−tert−ブチルサリチル酸アルミニウム錯体を12質量部使用したこと以外は実施例1と同様にしてシアントナー17及びシアン現像剤17を得た。
トナーの測定結果を表4に示す。
【0196】
さらに実施例1と同様にしてシアン現像剤17を用いて評価した。シアントナー17は非常に硬いトナーであった。そのため、光沢度が低く、またワックスが定着時にトナー表面に出にくいため、定着性にも劣り、速いプロセススピードにおいては、定着することが出来なかった。結果を表5に示す。
【0197】
<比較例4>
実施例1において、精製ノルマルパラフィンワックス(A)に替えて低融点のパラフィンワックス(C)を用いたことを除いてあとは同様にしてシアントナー18及びシアン現像剤18を得た。トナーの測定結果を表4に示す。
【0198】
さらに実施例1と同様にしてシアン現像剤18を用いて評価した。その結果、シアントナー18は、低融点のワックスを含有しているため、現像性に劣り、得られた画像は画像光沢が不均一であり、違和感を覚えるものであった。結果を表5に示す。
【0199】
<比較例5>
ジ−tert−ブチルサリチル酸アルミニウム錯体を使用しないこと以外は実施例1と同様にしてシアントナー19及びシアン現像剤19を得た。トナーの測定結果を表4に示す。
【0200】
さらに実施例1と同様にしてシアン現像剤19を用いて評価した。シアントナー19は、ジ−tert−ブチルサリチル酸アルミニウム錯体を含有していないため、トナーの帯電性、定着性、粘弾性に関して満足できる特性を得ることができなかった。その結果、比較例5で得られた画像は画像光沢が不均一であり、違和感を覚えるものであった。結果を表5に示す。
【0201】
<比較例6>
ハイブリッド樹脂組成物(1)に替えてビニル系重合体(1)を使用したこと、ジ−tert−ブチルサリチル酸アルミニウム錯体を7.5質量部使用したこと以外は実施例1と同様にしてシアントナー20及びシアン現像剤20を得た。
トナーの測定結果を表4に示す。
【0202】
さらに実施例1と同様にしてシアン現像剤20を用いて評価した。シアントナー20は光沢性に劣り、画像光沢が不均一であり、違和感を覚えるものであった。結果を表5に示す。
【0203】
【表4】
【0204】
【表5】
【発明の効果】
本発明の画像形成方法によれば、画像光沢度の均一性に優れており、記録媒体上へのトナー載り量に依存せず、且つ記録媒体の光沢と同一であり、光沢ムラなどの違和感の無い、高精細・高品位な画像を安定して得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のトナーを用いる画像形成装置の一例を示す概略的断面図である。
【図2】加熱加圧定着手段の一例を示す概略的説明図である。
【符号の説明】
1 感光ドラム(像担持体)
4 現像器
9 加熱加圧定着器
Claims (8)
- 像担持体上の静電荷像をトナーによって現像し、トナー像を得る現像工程、トナー像を記録媒体に転写する転写工程、記録媒体上に転写されたトナー像を加熱することにより定着する定着工程を少なくとも有しており、且つ、低速で画像形成を行う低速モード(PS1)と、高速で画像形成を行う高速モード(PS2)とを少なくとも有しており異なる速さで画像形成を行うことのできる画像形成方法であって、
記録媒体の光沢度(60度グロス)をG0とし、記録媒体上でのトナー載り量が0.05以上1.3mg/cm2以下の範囲で、
(i)高グロス(G0>40)記録媒体を用いる場合、プロセススピード(PS1)が20mm/sec以上130mm/sec未満である低速モードで画像形成が行われ、上記したトナーの載り量の範囲内における定着後の画像の光沢度の最大値と最小値をそれぞれGmax1、Gmin1とした時、Gmax1とGmin1とが下記式
Gmax1≦G0+40 かつ Gmin1≧G0−25
を満足し、且つ、
(ii)低グロス(0≦G0≦40)記録媒体を用いる場合、プロセススピード(PS2)が130mm/sec以上600mm/sec以下である高速モードで画像形成が行われ、上記したトナーの載り量の範囲内における定着後の画像の光沢度の最大値と最小値をそれぞれGmax2、Gmin2とした時、Gmax2とGmin2とが下記式
Gmax2≦G0+20 かつ Gmin2≧G0−15
を満足し、
該トナーは、少なくとも結着樹脂、離型剤及び着色剤を含有し、示差熱分析(DSC)測定における吸熱曲線において、温度30〜200℃の範囲における最大吸熱ピークのピーク温度が50〜110℃の範囲であり、
該トナーの粘弾性特性において、温度80℃における貯蔵弾性率(G’80)が1×106〜1×108[dN/m2]の範囲にあり、温度120〜180℃における貯蔵弾性率の最小値(G’min)と最大値(G’max)とが、いずれも5×103〜1×106[dN/m2]の範囲にあり、その比(G’max/G’min)が、20以下であることを特徴とする画像形成方法。 - 該定着工程において、基体上に少なくともASKER−C硬度が50〜90であり、かつ厚みが0.5〜5mmである弾性層を有する加熱部材により該トナー像を加熱定着することを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
- 該加熱部材は、弾性層の上に、フッ素系樹脂であり、10〜100μmの膜厚で、平均表面粗さ(Ra)がRa≦2である表面層を有することを特徴とする請求項2に記載の画像形成方法。
- 該結着樹脂は、(a)ポリエステル樹脂、又は(b)ポリエステルユニットとビニル系重合体ユニットを有しているハイブリッド樹脂、又は(c)ハイブリッド樹脂とビニル系重合体との混合物、又は(d)ポリエステル樹脂とビニル系重合体との混合物、もしくは(e)ハイブリッド樹脂とポリエステル樹脂との混合物のいずれかから選択される樹脂であることを特徴とする請求項3に記載の画像形成方法。
- 該トナーは、芳香族カルボン酸の金属化合物を含有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像形成方法。
- 該芳香族カルボン酸の金属化合物が、該芳香族カルボン酸のアルミニウム化合物であることを特徴とする請求項5に記載の画像形成方法。
- 該トナーの重量平均粒径が4〜10μmであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の画像形成方法。
- 像担持体上の静電荷像をトナーによって現像し、トナー像を得る現像工程、トナー像を記録媒体に転写する転写工程、記録媒体上に転写されたトナー像を加熱することにより定着する定着工程を少なくとも有しており、且つ、低速で画像形成を行う低速モード(PS1)と、高速で画像形成を行う高速モード(PS2)とを少なくとも有しており異なる速さで画像形成を行うことのできる画像形成方法であって、
記録媒体の光沢度(60度グロス)をG0とし、記録用紙上でのトナー載り量が0.05以上1.3mg/cm2以下の範囲で、
(i)G0=50(坪量148g/m2)の記録媒体を用い、プロセススピード60mm/secの低速モード(PS1)、定着温度170℃の条件で画像形成を行い、上記したトナーの載り量の範囲内における得られた定着画像の画像光沢度の最大値と最小値をそれぞれGmax1、Gmin1とした時、Gmax1とGmin1は下記式
Gmax1≦90 かつ Gmin1≧25
を満足し、且つ
(ii)G 0 =2(坪量81.4g/m 2 )の記録媒体を用い、プロセススピードが250mm/secの高速モード(PS2)、定着温度160℃の条件で画像形成を行い、上記したトナーの載り量の範囲内における得られた定着画像の画像光沢度の最大値と最小値をそれぞれG max2 、G min2 とした時、G max2 とG min2 は下記式
G max2 ≦22 かつ G min2 ≧0
を満足し、
該トナーは、少なくとも結着樹脂、離型剤及び着色剤を含有し、示差熱分析(DSC)測定における吸熱曲線において、温度30〜200℃の範囲における最大吸熱ピークのピーク温度が50〜110℃の範囲であり、
該トナーの粘弾性特性において、温度80℃における貯蔵弾性率(G’80)が1×106〜1×108[dN/m2]の範囲にあり、温度120〜180℃における貯蔵弾性率の最小値(G’min)と最大値(G’max)とが、いずれも5×103〜1×106[dN/m2]の範囲にあり、その比(G’max/G’min)が、20以下であることを特徴とする画像形成方法。
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