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JP4610476B2 - 窒化アルミニウム単結晶積層基板及び窒化アルミニウム単結晶積層基板の製造方法 - Google Patents
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JP4610476B2 - 窒化アルミニウム単結晶積層基板及び窒化アルミニウム単結晶積層基板の製造方法 - Google Patents

窒化アルミニウム単結晶積層基板及び窒化アルミニウム単結晶積層基板の製造方法 Download PDF

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本発明は、表面に窒化アルミニウム単結晶膜を有する窒化アルミニウム単結晶積層基板、及び、表面に窒化アルミニウム単結晶膜を有する窒化アルミニウム単結晶積層基板の製造方法に関する。
ここ数年のマルチメディア通信の発展に伴って、高速通信サービスを支える無線基地局装置や携帯情報機器等の通信システムなどに向けたGHz帯の弾性表面波(SAW:Surface Acoustic Wave)素子へのニーズが高まっている。弾性表面波素子の中心周波数fは、圧電基板表面の音速(弾性表面波伝播速度)vと、すだれ状電極のピッチ(弾性表面波の波長λの1/4)との関係で、次式によって表される。
Figure 0004610476
従って弾性表面波素子の高周波数化に対応するには、高精度のフォトリソグラフィ技術を用いて電極ピッチの微細化を図る方法と、音速が速い圧電材料を採用する方法とが考えられる。窒化アルミニウム(AlN)は既存の圧電材料である水晶(音速3150m/s)やニオブ酸リチウム(音速3900m/s)に対して2倍程度の音速の実現が見込まれており、次世代の通信技術におけるキーマテリアルとされている。
弾性波の伝播速度や電気機械結合係数等の圧電材料の圧電特性は、結晶性や切り出し面方位などの結晶性状に強く依存する。圧電材料の形態は単結晶が望ましく、少なくとも1軸に対して圧電材料結晶の配向方向が揃っている必要がある。AlNは超高圧条件においてのみ液相が安定に存在すると考えられており、真空〜数気圧程度の圧力条件下で液相が得られた報告は無い。そこで、融液からの単結晶成長が可能な既存の圧電材料とは異なり、DCマグネトロンスパッタ法をはじめとする真空蒸着技術を用いて前述の条件を満たす薄膜を形成する方法が一般的である。
これらの真空蒸着技術では、基板面に対してAlNのc軸を基板法線に対して傾斜させた薄膜の形成が可能である。c軸を概ね15°以上傾斜させたAlN薄膜よりなる弾性表面波素子において、レイリー波の伝播速度および電気機械結合係数の改善が成されることが知られている(非特許文献1)。
Y.Kobayashi、N.Tanaka、H.Okano、K.Takeuchi、T.Usuki and K.Shibata、Japanese Journal of Applied Physics Part1、1995年、Volume34、2668。
上述の技術は、金属・セラミックス等様々な下地基板に対応できる優れた利点を有するが、結晶配向方向に大きなバラつきを包含する課題を有する。結晶配向方向のバラつきは、一般にX線回折ピークのロッキングカーブ半値幅(FWHM)で評価される。AlNのc軸に対応する{0 0 0 2}面では、この値が1°以上、{0 0 0 2}面と直交する{1 −1 0 0}面等では5°以上の値をとる。そのため、圧電特性にバラつきが生じ、前述の融液成長による他物質の単結晶に比べて、Q値で示される周波数選択性等の性能が大きく劣る。
なお、本出願の特許請求の範囲および本明細書で用いられている中括弧または括弧を含む4桁の数字は、六方晶の結晶において用いられるミラー指数を示しており、負の指数を本来の表記法に変えて、以下のように表現している。
Figure 0004610476
本発明に先立ち、本発明者らはアルミナ、カーボン(C)、窒素(N)および一酸化炭素(CO)を反応原料とした還元窒化反応を用いた高結晶性AlN膜の作成法を開発し、特開2004−137142号において既に提案した。この方法によれば、従来の手段のように基板上に目的の薄膜を付着形成させるのではなく、α−アルミナ(Al)基板表面から内部に向かってアルミナをAlNに変換させることにより、良好なAlN結晶が形成できる。
この既提案発明では、a面:{1 1 −2 0}面よりなるα−アルミナ基板を用いて、基板面に対してAlNのc軸が垂直となる関係を有する結晶、いわゆるc軸配向結晶よりなる薄膜を得ている。
本発明の目的は、上記既提案の技術を応用することによって、従来よりも結晶配向性を改善したc軸傾斜AlN単結晶積層基板を提供することである。
本発明者らは上記目的を達成すべく鋭意研究を重ね、上記反応によって生成するAlNの{0 0 0 2}面は、その面間隔(0.249nm)と近い面間隔を有するα−アルミナ結晶中の結晶面と平行の関係を採りやすいことを見出した。すなわち、α−アルミナの{1 0 −1 4}面(面間隔0.255nm)、{1 1 −2 0}面(面間隔0.238nm)、{0 0 0 6}面(面間隔0.217nm)、{1 1 −2 3}面(面間隔0.209nm)の4面が該当する。
さらに、このうちα−アルミナの{1 1 −2 0}面に対しては、優先的にAlNの{0 0 0 2}面が平行となるように成長する傾向があることを見出し、これらの発見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の窒化アルミニウム単結晶積層基板は、{1 −1 0 0}面と直交し且つ{1 1 −2 0}面との面間角が15°〜40°となる結晶面で切り出したα−アルミナ単結晶基板上に窒化アルミニウム単結晶が形成されてなり、前記窒化アルミニウム単結晶膜の<0 0 0 1>軸が前記α−アルミナ単結晶基板の法線に対して15°〜40°傾斜していることを特徴とする。
また、本発明の他の窒化アルミニウム単結晶積層基板は、上記構成で更に、窒化アルミニウム単結晶膜の{0 0 0 2}回折ピークのωモードロッキングカーブ半値幅(FWHM)が1080arcsec以下であり、且つ{1 −1 0 0}回折ピークのロッキングカーブ半値幅(FWHM)が7200arcsec以下であることを特徴とする。
また、本発明の窒化アルミニウム単結晶積層基板の製造方法は、{1 −1 0 0}面と直交し且つ{1 1 −2 0}面との面間角が15°〜40°となる結晶面を基板面とするα−アルミナ単結晶基板を、カーボン、窒素、および一酸化炭素の存在下にて1500〜1650℃の温度で加熱し、前記α−アルミナ単結晶基板上に窒化アルミニウム単結晶膜を形成することを特徴とする。
上記本発明によれば、単結晶α−アルミナを{1 −1 0 0}面と直交する結晶面、すなわち<1 −1 0 0>を晶帯軸とする晶帯のうち、{1 1 −2 0}と成す角、いわゆる面間角が15°〜40°となる面で切り出した基板を原料として用い、特開2004−137142号あるいは特願2005−31086号にて提案した反応を利用して最表面にAlNを形成する。晶帯軸として[1 −1 0 0]をとるとき、単結晶α−アルミナと以下のような配向関係を満たす単結晶AlNが生成する。
Figure 0004610476
すなわち、単結晶α−アルミナの切り出し面と{1 1 −2 0}面の成す角度が、生成するAlNのc軸の基板法線に対する傾斜角度となるため、15°〜40°の任意のc軸傾斜角度を有するAlN単結晶膜が得られる。このAlN単結晶膜は、外部からAlN原料を供給して堆積させる従来の方法に比べて配向方向のバラつきが少なく、それに伴って発生する欠陥密度の大幅な低減を達成している。
得られたAlN単結晶積層基板は、高い電気機械結合係数および伝播速度の高速化を図る弾性表面波素子向け基板材料に用いることで更なる素子特性の向上が期待できる。
また、気相成長法等のエピタキシャル成長技術を併用して、AlN{0 0 0 2}に対して15°〜40°の面間角を有する結晶方位のAlN単結晶自立基板を製造するための種結晶として好適に使用できる。これらの基板はAlNをはじめとするIII族窒化物を用いる発光素子の設計において、欠陥密度を小さく抑えると同時にIII族窒化物で発現する分極現象の制御を可能とするため、発光効率の向上につながる。
以下、本発明について発明の実施の形態に即して詳細に説明する。
本発明は、単結晶α−アルミナ基板の表面を窒化することにより単結晶α−アルミナ基板上に直接AlN結晶膜を形成する。具体的には、熱処理装置の均熱部に、単結晶α−アルミナ基板とグラファイトを装入し、N−CO混合ガスの組成を調節することにより、酸素ポテンシャルと窒素ポテンシャルを制御した雰囲気下で、単結晶α−アルミナ基板を以下の反応式に従って窒化させる。
Figure 0004610476
alonとは、Al(64+x)/3(8−x)/332−x(但し□は陽イオン空孔)で示される酸窒化アルミニウムを指し、反応式(2)中alon(Alsat.)はAlが飽和したalonを意味する。また、反応式(3)中alon(AlNsat.)はAlNが飽和したalonを意味する。さらに、xはalonの不定比性に起因する変数で、2<x<6の範囲の値をとる。
炉内雰囲気を構成する窒素分圧と一酸化炭素分圧の和PCO+PN2が1bar、炭素の活量aが1の条件下では、1630℃未満では反応式(1)、1630℃以上では反応式(2)と反応式(3)で示す反応が起こるとされている。
これらの反応が進行するかどうかは下の一般式で示すGibbsエネルギー変化で推測することができる。
Figure 0004610476
ここで、Rは気体定数、Tは絶対温度、Kr(x)は各相の活量より計算される平衡定数である。
図1は、横軸にセルシウス温度、縦軸にエネルギー量をとったグラフである。右下がりの線は、上記3つの反応式について各々1molのNが反応した場合の標準Gibbsエネルギー変化項Δr(1)G°、Δr(2)G°、Δr(3)G°の関数を引いたものである。そして横線は、雰囲気総圧を1barとした時の等窒素分圧曲線を示す。
平衡定数および絶対温度で構成される、いわゆるRT項のエネルギー量が標準Gibbsエネルギー変化量を上回った場合、各反応のGibbsエネルギー変化Δr(1)G、Δr(2)G、Δr(3)Gはマイナスになり窒化が進む。すなわち、図1中の直線より上の領域はAlNの安定領域であり、直線より下の領域はAlの安定領域である。1630℃以上において、両者の境界にalonの安定領域が存在する。図1中のAlN安定領域に該当する温度条件および雰囲気組成を選択することで窒化反応が進行する。
上述したα−アルミナ基板の表面を直接窒化する方法において用いられる加熱装置には特に制限はなく、任意の構造のものが使用できる。ただし窒素および一酸化炭素よりなる混合ガス中で、α−アルミナ基板を図1中に示す温度条件に曝す事が出来る能力が無くてはならない。また、α−アルミナ基板中の温度差を5℃以内に保つことができる設計であることが望ましい。
加熱炉材は、得られるAlN結晶への不純物混入を避ける観点から、反応に関与する物質であるところの黒鉛、α−アルミナ、AlNおよびalonのみで構成することが望ましい。さらには黒鉛のみで構成し、炉内のアルミニウム濃度を管理する機構を設けて特願2005−227165号にて開示した技術を併用することがさらに望ましい。
炉材に吸着した水蒸気や有機物は加熱時に炉内の酸素濃度を増加させ、雰囲気組成に対する変動要因となり反応挙動に影響を与えるため、製造前に加熱運転を行う、または昇温過程において1000℃未満の低温域で真空引きによるクリーニングを行うなどの除去工程の導入が望ましい。
使用するα−アルミナ基板は良質且つ配向性が制御されたAlN結晶を得るために、その表面は平滑であることが好ましい。そのため、一般的なエピタキシャル成長用サファイア基板が好適に用いられる。
本発明の窒化アルミニウム単結晶膜を得るためには、α−アルミナ単結晶の切り出し面が、{1 −1 0 0}面と直交し且つ{1 1 −2 0}面との面間角が15°〜40°の結晶面となる基板を用いる。{1 −1 0 0}面と直交しない面である場合、複数の{1 1 −2 0}面、例えば(1 1 −2 0)面に加えて(−1 2 −1 0)面に対してそれぞれAlN{0 0 0 2}面が平行の関係を有する結晶が生成し易くなる。また、{1 −1 0 0}と直交する面であっても{1 1 −2 0}面とのなす角が40°を上回る場合、(1 1 −2 0)面に加えて(0 0 0 1)面等とAlN{0 0 0 2}面が平行に生成し易くなる。つまり、いずれの場合も本発明の窒化アルミニウム単結晶膜を得るには再現性が不十分である。
反応系に共存させるカーボンとしては炉材を含め種々の市販品が使用できる。カーボンの純度は99.9%以上であることが好ましく、99.999%以上であることがより好ましい。
導入するガス種としては、窒素および一酸化炭素に限定されない。例えば、一酸化炭素の代わりに酸素や二酸化炭素を導入し、炉内の黒鉛と反応させて生成した一酸化炭素を反応に供しても本発明と同様の効果が得られる。
窒素および一酸化炭素は、通常ガス状のものが使用されるが、なるべく純度の高いものが好ましく、一般的には99.9999%以上の窒素および99.9%以上の一酸化炭素が該当する。不純物の中でも二酸化炭素・水蒸気等の化学種は、分解して発生する酸素原子が窒化反応の化学ポテンシャルを変化させ、制御パラメータに対する誤差要因となるため、これらの混入を極力防止する。
反応系の全圧は特に制限されないが、1bar前後とするのが反応装置の製作や運転の容易さから好ましい。反応中は、所定の分圧になるようにした混合ガスを所定の流量で流す。窒素および一酸化炭素の混合比は、図1に示す相安定図に従って、反応温度に応じたAlN安定領域に入る(PN2/PCO )の範囲から決定する。
本発明のAlN単結晶基板を再現性良く得る温度条件としては、1500〜1650℃である。1500℃未満では後述の窒化駆動力を適切に得るための雰囲気組成制御が比較的困難となる上、基板内部へ窒素が拡散する速度が十分に得られない。また、1650℃を超える高温では本発明のとる結晶配向関係以外の関係を有するAlN結晶が生成しやすくなり、単結晶を得ることが困難となる。すなわち、α−アルミナ{1 1 −2 0}面以外の結晶面、例えば、{0 0 0 6}面とAlN{0 0 0 2}面が平行な関係を有する結晶の混在が起こりやすくなる。
反応温度Tおよび(PN2/PCO )の選択で決定されるRT項の値と、標準Gibbsエネルギー変化項Δr(1)G°、Δr(2)G°、Δr(3)G°の差分が実質的な窒化駆動力の尺度となる。図1中の標準Gibbsエネルギー変化量を示す直線と、選択した条件で一義的に決まる座標との縦軸座標間の距離にあたる。
本発明で用いる窒化反応の効果を最大限に得るためには、この窒化駆動力を適切に設定する必要がある。上記3つの反応式について各々1molのNが反応した場合の理想的な窒化駆動力は1500〜1650℃において0〜150kJの範囲に入るように混合ガスの比率を選択することが望ましい。窒化駆動力が前述の範囲を超えて高すぎる場合、1650℃を超えて高温の条件に置いた場合と同じ現象が起こり、結果として単結晶の作製が困難となる。

混合ガスの流量は、常に基板表面に窒素原子を到達させる必要があることから、ガス流と垂直な面における反応装置の断面積1cmに対して、25℃・1気圧のガスを5mL/min以上導入するのが好ましい。より好ましくはα−アルミナ基板に到達する前に導入するガスを予備加熱する装置を設置する。導入する一酸化炭素および窒素の分圧制御は市販の流量計が制限無く使える。
昇温速度は任意に決定できるが、毎分5℃以上が好適に採用される。
加熱時間は、所望するAlN膜厚により適宜決定される。例えば、全ての炉材に黒鉛を用いた加熱装置(以下、黒鉛炉と呼ぶ)において、1600℃でPCO=0.10bar、PN2=0.90barの条件下において{1 1 −2 3}面で切り出したα−アルミナ基板を窒化させた場合、AlN膜の成長速度は、12時間の反応で10〜20nmである。
反応終了後は、冷却中に図1のAl安定領域に入ってしまうとAlNが酸化してしまうため、1000℃を超える温度域では常にAlNが安定な状態に基板を置くよう一酸化炭素濃度を漸減させる手段を講じる。この方法としては、冷却開始前に一酸化炭素の供給を停止し、窒素のみ供給を続けて反応系内の一酸化炭素濃度を0.1%未満まで低下させる操作等が挙げられる。1000℃以下においても、窒素のみの供給を続けて、可能な限り一酸化炭素濃度を希釈することが望ましい。
冷却速度は任意に決定できるが、α−アルミナ基板とAlN単結晶膜との熱膨張差に起因する残留歪を抑制するため、冷却速度が毎分20℃以下となるよう制御することが望ましい。
上記方法により、本発明の効果を十分発現したAlN単結晶積層基板を作製することができる。
生成したAlN結晶の配向方向はX線(CuKα線)回折角2θ=36.02°(AlN{0 0 0 2}面に対応)および33.20°(AlN{1 −1 0 0}面に対応)の極点図形を作成し、AlNが単結晶である事を確認する。また、AlN{0 0 0 2}が現れた方向に対して2θ−ωスキャンを行って平行な関係にある単結晶α−アルミナ中の結晶面を特定する。
結晶品質の評価はX線回折ωモードロッキングカーブ半値全幅により行う。背景技術の項で述べたとおり、本測定の半値全幅によって結晶品質の良否が判断できる。3次元全ての方向に対して結晶が揃っている事を確認するため、互いに直交する{0 0 0 2}面および{1 −1 0 0}面について測定する。
[実施例1]
図2に示す構成よりなる反応系を用い、1600℃でN−CO混合ガスによって、(1 1 −2 3)面で切り出した直径50.8mmの円板状の単結晶α−アルミナ基板を窒化することにより、AlN単結晶膜を形成した。
最初に炉内を一旦ロータリーポンプで真空排気して、一酸化炭素と窒素の分圧比が1:9である混合ガスに置換し、そのまま同組成の雰囲気を一定の流量で流した。排気弁は1.02barで開放する設定として、加熱中はほぼ1barに保持した。
加熱時は単結晶α−アルミナ基板の直下にある黒鉛ブロックの発する赤外光を放射温度計で測定して基板の温度を管理した。1600℃に到達して12時間経過した後、1600℃に保持したまま一酸化炭素の投入を停止し、炉の容積の2倍の量の純窒素を30分間で流して炉内雰囲気を窒素に置換した。その後、冷却速度が常に毎分20℃以下となるように冷却した。
得られた基板に対して2θ=36.02°についての極点図形を作成し、AlN{0 0 0 2}面のピークよりなる図3の図形を得た。AlNのc軸が基板法線に対して29.4°の角度を持ち、1方向へ傾斜して生成していることが確認された。
さらに2θ=33.20°についての極点図形を作成して、AlN{1 −1 0 0}面のピークよりなる図4の図形を得た。解析の結果、これら3つのピークは図3に示すAlN{0 0 0 2}のピーク座標と各々90°の角を成し、さらにそれぞれのピーク座標間の成す角は60°であることが判った。すなわち、これは6回対称のAlN{1 −1 0 0}面が膜内で全て揃っている事を示す。以上の情報から該基板中には単結晶AlNが生成していることが導かれる。
また、AlN{0 0 0 2}面について2θ−ωスキャンを行い、図5の通りAlN{0 0 0 2}面とα−アルミナ(1 1 −2 0)面が平行な関係にあることを確認した。
得られた単結晶AlNについてX線回折ωモードロッキングカーブ半値全幅(FWHM)を評価した結果、{0 0 0 2}面については925arcsec、{1 −1 0 0}面については6577arcsecであった。
[比較例1]
実施例1と同様の反応系を用い、1750℃でN−CO混合ガスによって、(1 1 −2 3)面で切り出した直径50.8mmの円板状の単結晶α−アルミナ基板を窒化することにより、複数の配向関係よりなるAlN膜を形成した。
真空排気後の導入雰囲気の一酸化炭素と窒素の分圧比を6:4、保持する温度を1750℃に変更した他は実施例1と同様の操作を行い、反応を完了した。
得られた基板に対して2θ=36.02°についての極点図形を作成し、少なくとも6つのAlN{0 0 0 2}面のピークよりなる図6の図形を得た。
これらのピークについて実施例1と同様の解析を行い、各々のAlN{0 0 0 2}面はα−アルミナの(1 1 −2 0)面、(−1 2 −1 0)面、(2 −1 −1 0)面、(0 0 0 1)面、(1 1 −2 3)面、(1 1 −2 −3)面に平行となるように生成していることが判明した。
[比較例2]
実施例1と同様の反応系を用い、さらに実施例1と同様の反応条件で(0 0 0 1)面、(0 1 −1 0)面、(0 1 −1 1)面、(0 1 −1 2)面、(0 1 −1 3)面、(0 −1 1 2)面、で切り出した直径50.8mmの円板状の単結晶α−アルミナ基板をそれぞれ窒化することにより、複数の配向関係よりなるAlN膜を形成した。
得られた基板に対して比較例1と同様の方法を用いて、AlN{0 0 0 2}面の配向方向の数および平行な関係にあるα−アルミナ結晶面の特定を行った。その結果を表1に示す。結果として、これらの結晶面ではAlNのc軸が基板法線に対して傾斜し、且つ単結晶である膜を得ることはできなかった。
Figure 0004610476
図1は、AlN安定領域を示すAl−O−N−C系相安定図である。 図2は、実施例にて用いた加熱装置の概要図である。 図3は、実施例1にて得られた基板においてAlN{0 0 0 1}面の配向方向を示す極点図形である。 図4は、実施例1にて得られた基板においてAlN{1 −1 0 0}面の配向方向を示す極点図形である。 図5は、実施例1にて得られた基板においてAlN{0 0 0 1}面と平行な面を示すX線回折2θスキャンチャートである。 図6は、比較例1にて得られた基板においてAlN{0 0 0 1}面の配向方向を示す極点図形である。
符号の説明
21 環状電極
22 黒鉛発熱体
23 断熱材
24 黒鉛支持台
25 単結晶α−アルミナ基板

Claims (2)

  1. {1 −1 0 0}面と直交し且つ{1 1 −2 0}面との面間角が15°〜40°となる結晶面で切り出したα−アルミナ単結晶基板上に窒化アルミニウム単結晶が形成されてなり、前記窒化アルミニウム単結晶膜の<0 0 0 1>軸が前記α−アルミナ単結晶基板の法線に対して15°〜40°傾斜していることを特徴とする、窒化アルミニウム単結晶積層基板。
  2. {1 −1 0 0}面と直交し且つ{1 1 −2 0}面との面間角が15°〜40°となる結晶面を基板面とするα−アルミナ単結晶基板を、カーボン、窒素、および一酸化炭素の存在下にて1500〜1650℃の温度で加熱し、前記α−アルミナ単結晶基板上に窒化アルミニウム単結晶膜を形成することを特徴とする、請求項1に記載の窒化アルミニウム単結晶積層基板の製造方法。
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