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JP4617679B2 - ラミネート電池 - Google Patents
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Description

本発明は,ラミネート外装体に挿入されたラミネート電池に関する。さらに詳細には,リチウム電池等の二次電池の電極体をラミネート外装体に挿入して,その外周が溶着されたラミネート電池に関するものである。
従来より,ラミネートフィルムを外装体として溶着密閉された薄型軽量の二次電池が使用されている。この二次電池では,過充電・短絡等の異常時には,内部に多量のガスが発生して内圧が上昇する場合がある。また,使用環境温度の大きな変化によっても内圧が上昇する場合がある。ラミネートフィルム自体は強度の大きいものでないため,安全性を考慮した考案がなされている(例えば,特許文献1,特許文献2参照。)。特許文献1に記載の電池では,側壁の一方に貫通孔と弁板とで構成される安全弁機構が設けられている。また,特許文献2に記載の電池では,ラミネート外装体と電極体との間に補強部材が設けられている。
このような安全機構にもかかわらず内圧が上昇しすぎた場合のために,一般に,ラミネート電池では,異常時に発生ガスを排出するためのガス排出部が設けられている。これは,例えば周囲の溶着をわざと弱くした部分であり,内圧が上昇しすぎた場合にはこの部分の溶着がはがれてガスを外部に逃がすためのものである。この発生ガスは,人体や他の装置にとって有害である場合があるため,ガス排出部に対応させて排気ダクト等を設け,安全な位置へとガスを導くのである。これによって,それ以外の部分に排出ガスが流れ込むことを防止している。
特開平6−223796号公報(第4−5頁) 特開2001−283798号公報(第3頁)
しかしながら,前記のラミネート電池においては,あらかじめ設定されたガス排出部以外の場所からガスが排出されるおそれがあるという問題点があった。このような電池に用いられるラミネートフィルムは,厚さ100μm程度で,そのうち金属箔部分が50μm程度のものが多い。このようなフィルムでは,形状の自由度が大きく軽量であるという利点があるが,その一方で変形しやすいという問題点もある。特に,電池製作時,電池組付け時や使用時等に力が加わることによって変形しやすい。そのように変形した履歴を持つ部分では,疲労や応力腐食によって強度が低下する場合があり,そのため,予定したガス排出部以外に,より強度の低い部分ができてしまうことがあった。また,一般に溶着強度はバラツキが大きく,ガス排出部として設定されている部分以外にも溶着が弱い部分ができてしまうことがある。これらの理由からガス排出部以外の部分が最も弱くなると,異常時等に内圧が上昇した場合にその部分が破損するおそれがあった。さらには,そこから意図しない方へガスが流れ出すおそれがあるという問題点があった。
本発明は,前記した従来のラミネート電池が有する問題点を解決するためになされたものである。すなわちその課題とするところは,電池内部で発生したガスをあらかじめ設定されたガス排出部から確実に排出するようにしたラミネート電池を提供することにある。
この課題の解決を目的としてなされた本発明のラミネート電池は,発電要素と,発電要素に接続された端子と,発電要素を包むラミネートフィルムとを有し,ラミネートフィルムの縁辺部が溶着されて溶着部をなし,溶着部の一部にガス排出部が設けられるとともに端子が溶着部から突出しているラミネート電池であって,発電要素の周囲に配置されるとともに,発電要素の縁辺との間に,ガス排出部につながるガス流路を形成するガイド部材を有し,ガイド部材は,発電要素とともにラミネートフィルムに包まれているものである。
本発明のラミネート電池は,ラミネートフィルムが発電要素を包んでその縁辺部が溶着されたものであり,その溶着部の一部にガス排出部が設けられる。さらに,本発明では,発電要素の周囲に配置され,ラミネートフィルムに包まれたガイド部材を有しているので,発電要素から排出されたガスの圧力は,ガイド部材によって受けられる。さらに,ガイド部材と発電要素の縁辺との間に,ガス排出部につながるガス流路が形成されているので,排出ガスはそのガス流路を通ってガス排出部へと導かれる。従って,電池内部で発生したガスをあらかじめ設定されたガス排出部から確実に排出するようにしたラミネート電池となっている。
さらに本発明では,ガイド部材は,ガス排出部の箇所を除いて発電要素の周囲の全周にわたって設けられている。
このため,ガイド部材はガス排出部以外の全周において圧力を受けることができる。その一方で,ガイド部材はガス排出部には設けられないので,ガス排出部に導かれたガスの圧力はガイドによって受けられることはない。従って,ガス排出部では溶着部によって圧力が受けられ,この部分が真っ先に破壊されるので,ガスの排出路となる。
さらに本発明では,ガイド部材は,発電要素に向かって開いたガス流路部と,その外側の背部とを有し,溶着部では,ラミネートフィルムがガイド部材の背部にも溶着されていることが望ましい。
このようにすれば,背部によってガイド部材はラミネートフィルムに溶着されて固定される。従って,ラミネートフィルム内部で移動したり発電要素に傷を付けたりするおそれはない。さらに,ガイド部材の背部とラミネートフィルムとの間には空間がほとんどできないので,ガイド部材の背部にガスが回り込むことはほとんどなく,ガイド部材の外側がガス流路となることはない。
さらに本発明では,ガイド部材は,ラミネートフィルムより剛性の高い部材であることが望ましい。
このようにすれば,ラミネートフィルムより先にガイド部材が破壊されることはないので,圧力を受けることができる。
本発明のラミネート電池によれば,電池内部で発生したガスをあらかじめ設定されたガス排出部から確実に排出するようにできる。
以下,本発明を具体化した最良の形態について,添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本形態は,リチウム電池等の二次電池をラミネートフィルムに封入したラミネート電池である。
本形態のラミネート電池1は,図1に示すように,電極体11と,その電極体11から突出した両極端子12,13とを有し,これらがラミネートフィルム14に包まれている。電極体11は,両極シートにセパレータを挟んで捲回され,扁平状に形成されたものであり,発電要素に相当する。電極体11の両極シートには,両極端子12,13がそれぞれ接続されている。また,両極端子12,13はラミネートフィルム14からも突出している。ラミネートフィルム14は,金属箔の両面に樹脂がコーティングされたものであり,熱溶着によって周囲が密封されている。これらの構成はラミネート電池としては一般的なものである。
本形態のラミネート電池1では,さらに,電極体11を取り巻くガイド15を備え,電極体11とともにラミネートフィルム14によって密封されている。このガイド15は略長方形の枠形状であり,図2に示すように,内周方向に向かって開いた断面Y字型に形成されている。図2は,図1のA−A断面図である。これらの図に示すように,ガイド15は,電極体11に向かって開いたガス流路部15aとその外側の背部15bとを有している。また,ガイド15は,ポリプロピレン(PP)等の強度の高い樹脂製であり,ラミネートフィルム14に比較して非常に厚い材質で形成されている。従って,ガイド15はラミネートフィルム14に比較して剛性の高い部材である。
ガイド15のガス流路部15aの内周は電極体11の外周よりやや大きく,密封された状態でガイド15と電極体11とが密接しない程度にされている。そのため,電極体11からガスが発生した場合に,この隙間がガス流路となる。また,ガイド15の背部15bは,ラミネートフィルム14に挟まれて,ともに溶着されている。これによって,ガイド15は固定され,ラミネートフィルム14の内部で移動することはない。さらに,この溶着によってガイド15の外周側には隙間がほとんどなくなる。従って,ガス流路となるのはガイド15の内周側のみであり,外周側はガス流路とならない。
さらに,ガイド15には,図1に示すように,図中上辺の一部に外周へ向かって狭くなる台形状に切り取られた排出用開口部21が設けられている。また,ガイド15のうち両極端子12,13の位置に相当する部分には,図3と図4に示すように,Y字の1片が欠けた切り欠き部22,22が形成されている。図4は,図3のB−B断面図である。このラミネート電池1を製造する際には,ガイド15の図3中手前側に両極端子12,13を有する電極体11を重ねる。これにより,両極端子12,13は,切り欠き部22の背部15bに重なって外側へ出される。すなわち,ガイド15は排出用開口部21を除いて,電極体11の周囲の全周にわたって設けられている。
あるいは,ガイド15から両極端子12,13を外部へ通すための構成は,他のものとしてもよい。
例えば,図5に示すように,3ピース構成としてもよい。すなわち,両極端子12,13の幅に相当する分の隙間23,23が設けられているのである。この場合には,この隙間23の位置に両極端子12,13が来るように,電極体11の周囲にガイド15のそれぞれのピースを配置させることができる。
またあるいは,図6とそのC−C断面である図7に示すように,両極端子12,13の位置に相当する位置のY字の分岐部に貫通孔24,24を設けてもよい。この場合は,両極端子12,13は,その先端部がこれらの貫通孔24,24を通り抜けることにより,外部へ出されることができる。
このラミネート電池1は,このようにしてガイド15と電極体11とを組み合わせ,その両面からラミネートフィルム14で挟んでその周囲が溶着されたものである。このとき,ガイド15の背部15bもラミネートフィルム14とともに溶着されるので,溶着範囲は,図8に斜線で示す溶着部16となる。このとき,排出用開口部21の外部に,溶着幅や溶着時温度等により溶着強度の低い弱溶着部17を設けてもよい。あるいは,その部分を溶着しないようにしてもよい。
このように製作されたラミネート電池1では,過充電・短絡等の異常によって電極体11の内部にガスが発生した場合,そのガスによって内圧が上がり,ラミネートフィルム14が膨らむ。ここで,本形態のラミネート電池1にはガイド15が挿入されているので,ガイド15によってこの内圧が受け止められる。従って,ガイド15のある部分では溶着部16に直接大きな力が加わることはない。一方,このガイド15の無い部分,すなわち排出用開口部21の部分では,ラミネートフィルム14の溶着部(例えば,弱溶着部17)にガスによる内圧が直接加わることとなる。そのため,内圧が非常に大きくなり,ラミネートフィルム14の変形だけでは対応できなくなった場合には,弱溶着部17が最初に破壊され,ここからガスが排出される。
さらに,ガイド15と電極体11との間にはわずかに隙間が設けられているので,電極体11で発生したガスはその隙間を通って容易に導かれ,破壊された弱溶着部17から外部へ排出される。すなわち,この隙間がガス流路として作用する。また,ガイド15の外周側には隙間がないので,ガス流路として作用するのは,ガイド15と電極体11との間の隙間のみである。そこで,この排出用開口部21の外側部分(例えば,弱溶着部17)をあらかじめガス排出部として,その外部に近接してダクト等の排気設備を設けておけばよい。一般に,このラミネート電池1の使用時には,図1中上方が鉛直上方に配置されるので,ラミネート電池1の内部で発生したガスは弱溶着部17からスムーズに排出され,安全に処理される。また,ラミネート電池1の製作時には,この排出用開口部21が電解液の注液口となる。
以上詳細に説明したように,本形態のラミネート電池1によれば,電極体11の周囲にガイド15を設けたので溶着部分への応力負荷を防止でき,そのガイド15に排出用開口部21を形成したので,排出用開口部21の外部を確実に最も弱い部分とすることができる。従って,排出用開口部21の外部をガス排出部としてあらかじめ設定すれば,発生ガスをガス排出部へ的確に導くことができる。さらに,排出用開口部21の外部の溶着を弱くすれば,さらに確実なガス排出部となる。従って,電池内部で発生したガスをあらかじめ設定されたガス排出部から確実に排出するようにしたラミネート電池1となっている。
次に,本発明を実施した実施例について説明する。以下の手順によって実施例のラミネート電池1を製作し,別に製作した比較例とともに過充電試験を実施した。本発明のラミネート電池1の製作手順を説明する。
まず,正極材料として,LiMnO2と5wt%の炭素粉末をノルマル−2−ピロリドン(NMP)にて混合した後,ポリフッ化ビニリデン(PVdF)をLiMnO2に対して2wt%添加して正極ペーストを製作した。この正極ペーストを厚さ10μmのアルミニウム箔上に塗布し,乾燥させて正極電極を製作した。
次に,負極材料として,炭素粉末をNMPにて混合し,PVdFを2wt%添加して負極ペーストを製作した。この負極ペーストを厚さ10μmの銅箔上に塗布し,乾燥させて負極電極を製作した。
これらの正極電極と負極電極との間に厚さ25μmの多孔質ポリエチレン製セパレータを挟み,扁平状に巻き取って電極体11を製作した。
次に,電極体11にの正極電極と負極電極とに両極端子12,13をそれぞれ超音波溶接にて接合した。
次に,電極体11の周囲に,PP製のガイド15を配置した。ここでは,図5に示した3ピースに形成されたタイプのガイド15を使用した。
そして,Al層40μm,溶着層(PP)50μm,表面層(PET)30μmの積層構造を持つラミネートフィルム14によって,これらを両側から包み,熱溶着器にて上辺(ガイド15の排出用開口部21が設けられている辺)を除く3辺を熱溶着した。
さらに,LiPF6を塩として1mol%添加したエチレンカーボネート/ジエチルカーボネート電解液(比率1:1)を電極体11に含浸させた。その後,ラミネートフィルム14の上辺を熱溶着してラミネート電池1を完成させた。このとき,ガス排出部に相当する位置(弱溶着部17)の熱溶着は,他の部分に比較してやや弱い溶着状態とした。
また,比較例として,ガイド15を有しない点以外は全く同じ電池を製作した。比較例においても,同様の位置範囲の溶着をやや弱くした。
これらの実施例と比較例とをそれぞれ10例ずつ製作し,全てに対して同じ条件で過充電試験を実施して,発生ガスが排出された箇所を調べた。本発明の実施例では,10例の全てが予定されたガス排出部(排出用開口部21の外側)から排出された。
一方,比較例では,10例のうち4例のみが予定されたガス排出部から排出された。その他のうち5例では,ガス排出部以外の溶着部がはがれて排出され,1例ではラミネートフィルム14自体が破損して排出された。
従って,本発明のラミネート電池1によれば,電池内部で発生したガスはあらかじめ設定されたガス排出部から排出されたといえる。
なお,本形態は単なる例示にすぎず,本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に,その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良,変形が可能である。
例えば,ガイド15の断面形状はY字に限らず,U字+脚形状や,半円+脚形状としてもよい。また,脚部は必ずしも全周になくてもよい。
また例えば,ガイド15の角部は丸く形成すれば,さらに好ましい。
また例えば,排出用開口部21は必ずしも斜め形状の開口で無くてもよい。全体に同一な幅の開口としてもよい。また,排出用開口部21の配置についてもこれに限るものではないが,一般には,使用時に上方となる位置が望ましい。
また例えば,両極端子12,13の位置や形状はこれに限らない。両極端子12,13の配置に対応させて,ガイド15の隙間22,切り欠き部23,貫通孔24等を設定すればよい。
また例えば,本実施例では,ガス排出部に相当する構成を,他の部分と比較してやや弱い溶着状態とした弱溶着部17で形成したが,必ずしも弱溶着部17を形成する必要はない。ガイド15を設けるだけで排出用開口部21に電池内部で発生したガスの圧力が集中するので,ガス排出部を他の部分と同等の溶着状態として形成しても,確実にガス排出部を破断し,ガスを電池外部へ排出することができる。なお,この場合には,弱溶着部17を形成するための工程を削減することができる。
本形態に係るラミネート電池の概略を示す正面図である。 ラミネート電池の概略を示す断面図である。 ラミネート電池に挿入されるガイドを示す正面図である。 ガイドを示す断面図である。 ラミネート電池に挿入されるガイドを示す正面図である。 ラミネート電池に挿入されるガイドを示す正面図である。 ガイドを示す断面図である。 ラミネート電池の溶着部分を示す説明図である。
符号の説明
1 ラミネート電池
11 電極体(発電要素)
12,13 両極端子(電極)
14 ラミネートフィルム
15 ガイド(ガイド部材)
15a ガス流路部
15b 背部
16 溶着部
17 弱溶着部(ガス排出部)

Claims (3)

  1. 発電要素と,前記発電要素に接続された端子と,前記発電要素を包むラミネートフィルムとを有し,前記ラミネートフィルムの縁辺部が溶着されて溶着部をなし,前記溶着部の一部にガス排出部が設けられるとともに前記端子が前記溶着部から突出しているラミネート電池において,
    前記発電要素の周囲に前記ガス排出部の箇所を除いて全周にわたって配置されるとともに,前記発電要素の縁辺との間に,前記ガス排出部につながるガス流路を形成するガイド部材を有し,
    前記ガイド部材は,前記発電要素とともに前記ラミネートフィルムに包まれていることを特徴とするラミネート電池。
  2. 請求項1に記載するラミネート電池において,
    前記ガイド部材は,前記発電要素に向かって開いたガス流路部と,その外側の背部とを有し,
    前記溶着部では,前記ラミネートフィルムが前記ガイド部材の背部にも溶着されていることを特徴とするラミネート電池。
  3. 請求項1または請求項に記載するラミネート電池において,
    前記ガイド部材は,前記ラミネートフィルムより剛性の高い部材であることを特徴とするラミネート電池。
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