JP4630355B2 - 自動変速機の変速制御装置 - Google Patents
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Description
前記掛け替えによる第1の変速制御時、解放または締結される摩擦要素のトルク伝達容量を、イナーシャフェーズ開始ギア比を含む複数のギア比ポイントで設定された最適トルク伝達容量に基づき、実ギア比の変化が進行するのに追従して補間演算し、補間演算により取得したトルク伝達容量を得るトルク指令値を出力するギア比補間制御手段と、
を備えた自動変速機の変速制御装置において、
前記ギア比補間制御手段は、
前記第1の変速制御時、実ギア比が変速進行方向へ変化することでギア比補間制御を開始すると、実ギア比が前記イナーシャフェーズ開始ギア比に到達したか否かを判断するギア比判断部と、
前記ギア比判断部により実ギア比が前記イナーシャフェーズ開始ギア比に到達していないと判断されている間は、トルク伝達容量の補間演算を禁止し、前記イナーシャフェーズ開始ギア比での最適トルク伝達容量を得るトルク指令値を保持するトルク指令値保持部と、
を有することを特徴とする。
例えば、パワーオンダウンシフトでの解放側摩擦要素の場合であって、実ギア比がギア比段間差範囲外にあるとき、トルク伝達容量が、イナーシャフェーズ開始ギア比での最適トルク伝達容量より高いと、入力回転の上昇が緩やかとなり、イナーシャフェーズの進行速度が遅くなり、変速間延び感が出る。逆に、トルク伝達容量が、イナーシャフェーズ開始ギア比での最適トルク伝達容量より低くなると、入力回転の上昇が急激になり、イナーシャフェーズの進行速度が早くなり、変速ショックが出る。
これに対し、実ギア比がギア比段間差範囲外の領域にあるとき、イナーシャフェーズ開始ギア比での最適トルク伝達容量が保持されるため、実ギア比がギア比段間差範囲外からイナーシャフェーズ開始ギア比に達するまでの間、イナーシャフェーズの進行速度が適切な速度となり、間延び感やショックの無い良好な変速品質による変速作用を示す。加えて、実ギア比がギア比段間差範囲外の領域にあるとき、トルク伝達容量の補間演算が禁止されることで、演算負荷の増大を招かない。
この結果、ギア比補間制御開始時の実ギア比がギア比段間差範囲外であるとき、演算負荷の増大を招かない処理としながら、イナーシャフェーズの進行を確保しつつ、意図しないトルク伝達容量の指令になることを防止できる。
図1は、実施例1の変速制御装置が適用された自動変速機の一例を示すスケルトン図である。
入力軸Input側から出力軸Output側までの軸上に、順に第1遊星ギアG1と第2遊星ギアG2による第1遊星ギアセットGS1及び第3遊星ギアG3と第4遊星ギアG4による第2遊星ギアセットGS2が配置されている。また、摩擦要素として第1クラッチC1、第2クラッチC2、第3クラッチC3及び第1ブレーキB1、第2ブレーキB2、第3ブレーキB3、第4ブレーキB4が配置されている。また、第1ワンウェイクラッチF1と第2ワンウェイクラッチF2が配置されている。
例えば、変速指令が3速段から5速段への2段アップシフト指令の場合、第3クラッチC3を締結し、第2ブレーキB2を解放することで、3速段から4速段へのアップシフト制御を実行する。
ここで、「設定値」は、第1の変速段から第2の変速段へのアップシフト制御が、イナーシャフェーズ開始後であってイナーシャフェーズ終了前のイナーシャフェーズ途中段階まで進行するのに要する時間に設定される。
例えば、変速指令が3速段から5速段への2段アップシフト指令の場合、第1クラッチC1を締結し、第3ブレーキB3を解放することで、4速段から5速段へのアップシフト制御を実行する。
ここで、第3クラッチC3の締結と第2ブレーキB2の解放を停止することで、1段目アップシフト制御を中断する。また、第1クラッチC1の締結と第3ブレーキB3の解放を停止することで、2段目アップシフト制御を中断する。そして、第1クラッチC1の解放制御と第3ブレーキB3の締結制御を行うと共に、第3クラッチC3の解放制御と第2ブレーキB2の締結制御を行うことで、3速段(第1の変速段)へ戻るダウンシフト制御を実行する。
ここで、イナーシャフェーズの終了は、実ギア比の変化を監視し、実ギア比がダウンシフト後の変速段でのギア比に到達すると共に、実ギア比の変化が収束したことにより判断する。なお、ステップS50→ステップS51→ステップS52→ステップS53→ステップS54へ進む流れの繰り返しは、トルク指令値保持部に相当する。
まず、「ギア比補間制御の課題」の説明を行い、続いて、実施例1の自動変速機の変速制御装置における作用を、「変速制御作用」、「ギア比補間制御作用」、「アップシフトからダウンシフトへのチェンジマインド変速制御作用」に分けて説明する。
図6は、現状の自動変速機でダウンシフト時の解放側摩擦要素に対するギア比補間制御におけるギア比ポイントとギア比段間差の範囲内および範囲外のトルク指令値を示す特性図である。図7は、現状の自動変速機で3速→5速のアップシフト指令に基づき前出し処理を含めて5速に向かってギア比が進行している途中で3速へのダウンシフト指令が出されたチェンジマインド変速時における実ギア比特性・変速指令ギア比特性・制御ギア比特性・現在ギア比特性・摩擦要素圧特性を示すタイムチャートである。
例えば、図3の変速線図上の運転点Aで走行している状態で、アクセル足離し操作により運転点Bへ移行し、3速から2段離れた5速へのアップシフトの変速指令が出され、その後、アップシフトの変速が終了する前に運転点Cからアクセル踏み込み操作により運転点Dへ移行し、変速前の3速へ戻るダウンシフトの変速指令が出された場合の変速制御作用を、図4のフローチャートに基づいて説明する。
図8は、実施例1の自動変速機でダウンシフト時の解放側摩擦要素に対するギア比補間制御におけるギア比ポイントとギア比段間差の範囲内および範囲外のトルク指令値を示す特性図である。
図9は、実施例1の自動変速機で3速→5速のアップシフト指令に基づき前出し処理を含めて5速に向かってギア比が進行している途中で3速へのダウンシフト指令が出されたチェンジマインド変速時における実ギア比特性・変速指令ギア比特性・制御ギア比特性・現在ギア比特性・摩擦要素圧特性を示すタイムチャートである。
この最適トルク伝達容量TR4は、ギア比確定後、締結側摩擦要素(第2ブレーキB2)が容量を持っても突き上げがない程度の容量であるため、ギア比確定後の入力トルクが変化することによる実ギア比の変動や前後加速度が変動する変速ショックが抑えられる。
実施例1の自動変速機の変速制御装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
ちなみに、前者の解放圧制御条件が成立するのは、パワーオンダウンシフトおよびパワーオフアップシフトでの解放側摩擦要素であり、後者の締結圧制御が成立するのは、パワーオンアップシフトおよびパワーオフダウンシフトでの締結側摩擦要素である。
つまり、「第1の摩擦要素の解放に伴い自発的に生じる回転変化」とは、解放側摩擦要素をドライブ走行時に解放すると入力回転が上昇し、コースト走行時に解放すると入力回転が低下する、ということを意味する。また、「変速制御の結果生じる回転変化」とは、変速制御がダウンシフトであれば入力回転が上昇し、アップシフトであれば入力回転が低下する、ということを意味する。したがって、解放側摩擦要素については、ドライブ走行時のダウンシフトとコースト走行時のアップシフトについて、回転変化方向が同じ方向となる変速制御態様となる。
そして、「第2の摩擦要素の締結に伴い自発的に生じる回転変化」とは、締結側摩擦要素をドライブ走行時に締結すると入力回転が上昇し、コースト走行時に締結すると入力回転が低下する、ということを意味する。また、「変速制御の結果生じる回転変化」とは、変速制御がダウンシフトであれば入力回転が上昇し、アップシフトであれば入力回転が低下する、ということを意味する。したがって、締結側摩擦要素については、ドライブ走行時のアップシフトとコースト走行時のダウンシフトについて、回転変化方向が逆の方向となる変速制御態様となる。
TC トルクコンバータ
Input 入力軸
Output 出力軸
OP オイルポンプ
10 エンジンコントローラ(ECU)
20 自動変速機コントローラ(ATCU)
30 コントロールバルブユニット(CVU)
1 アクセル開度センサ
2 エンジン回転速度センサ
3 第1タービン回転速度センサ
4 第2タービン回転速度センサ
5 出力軸回転速度センサ
6 インヒビタスイッチ
GS1 第1遊星ギアセット
G1 第1遊星ギア
G2 第2遊星ギア
GS2 第2遊星ギアセット
G3 第3遊星ギア
G4 第4遊星ギア
C1 第1クラッチ(摩擦要素)
C2 第2クラッチ(摩擦要素)
C3 第3クラッチ(摩擦要素)
B1 第1ブレーキ(摩擦要素)
B2 第2ブレーキ(摩擦要素)
B3 第3ブレーキ(摩擦要素)
B4 第4ブレーキ(摩擦要素)
Claims (5)
- 複数の摩擦要素のうち、変速前に締結していた第1の摩擦要素を締結から解放に切り替えると共に、変速後に締結すべき第2の摩擦要素を解放から締結に切り替える掛け替え変速を行う変速制御手段と、
前記掛け替えによる第1の変速制御時、解放または締結される摩擦要素のトルク伝達容量を、イナーシャフェーズ開始ギア比を含む複数のギア比ポイントで設定された最適トルク伝達容量に基づき、実ギア比の変化が進行するのに追従して補間演算し、補間演算により取得したトルク伝達容量を得るトルク指令値を出力するギア比補間制御手段と、
を備えた自動変速機の変速制御装置において、
前記ギア比補間制御手段は、
前記第1の変速制御時、実ギア比が変速進行方向へ変化することでギア比補間制御を開始すると、実ギア比が前記イナーシャフェーズ開始ギア比に到達したか否かを判断するギア比判断部と、
前記ギア比判断部により実ギア比が前記イナーシャフェーズ開始ギア比に到達していないと判断されている間は、トルク伝達容量の補間演算を禁止し、前記イナーシャフェーズ開始ギア比での最適トルク伝達容量を得るトルク指令値を保持するトルク指令値保持部と、
を有することを特徴とする自動変速機の変速制御装置。 - 請求項1に記載された自動変速機の変速制御装置において、
前記ギア比補間制御手段は、前記第1の摩擦要素の解放に伴い自発的に生じる回転変化と変速制御の結果生じる回転変化とが同じ方向となる変速制御態様における第1の摩擦要素の解放圧制御と、前記第2の摩擦要素の締結に伴い自発的に生じる回転変化と変速制御の結果生じる回転変化とが逆の方向となる変速制御態様における第2の摩擦要素の締結圧制御と、の少なくとも一方をギア比補間制御の適用対象にすることを特徴とする自動変速機の変速制御装置。 - 請求項1または請求項2に記載された自動変速機の変速制御装置において、
前記変速制御手段は、他の変速制御実行中に前記掛け替えによる第1の変速制御を行う変速判断がなされると、前記他の変速制御を中断して前記第1の変速制御を実行するチェンジマインド変速部を有し、
前記ギア比補間制御手段は、チェンジマインド変速を受け付けた後、前記第1の変速制御にしたがって実ギア比が変速進行方向へ変化を開始すると、解放または締結される摩擦要素圧のギア比補間制御を開始することを特徴とする自動変速機の変速制御装置。 - 請求項3に記載された自動変速機の変速制御装置において、
前記変速制御手段は、前記他の変速制御として、第nの変速段から第n±αの変速段(α≧2)へ飛ぶ2段以上離れた変速指令が出力されると、第nの変速段から次の第n±1の変速段までの変速制御を先行し、その変速途中のタイミングで次の第n±2の変速段へ変速を開始するというように、第n±αの変速段となるまでは、先行する変速の終了を待たずに次の変速を開始する次変速前出し処理部を有することを特徴とする自動変速機の変速制御装置。 - 請求項4に記載された自動変速機の変速制御装置において、
前記変速制御手段は、第1の変速段から2段離れた第3の変速段へのアップシフト指令に基づき第1の変速段から次の第2の変速段までアップシフトの変速制御を行い、その変速制御の途中で第3の変速段を達成する次変速前出し処理を開始し、アップシフトの変速制御が終了する前に第1の変速段へ戻るダウンシフト判断がなされると、次変速前出し処理を含むアップシフトの変速制御を中断してダウンシフトの変速制御を実行するチェンジマインド変速を受け付け、
前記ギア比補間制御手段は、チェンジマインド変速を受け付けた後、実ギア比が第1の変速段へ戻るダウンシフト方向に変化を開始したら、ダウンシフトで解放される摩擦要素の解放圧をギア比補間制御することを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
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