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JP4664478B2 - 車両用進行軌跡予測装置 - Google Patents
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JP4664478B2 - 車両用進行軌跡予測装置 - Google Patents

車両用進行軌跡予測装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば先行車が存在しないときに予め設定した車速で定速走行を行い、先行車が存在するときに予め設定した車間距離を保って追従走行を行うACCシステム(Adaptive Cruise Control System)を搭載した車両において、自車の進行軌跡を予測するための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ヨーレートに基づいて自車の第1の進行軌跡を予測するとともに舵角に基づいて自車の第2の進行軌跡を予測し、これら第1、第2の進行軌跡の一方を自車の運転状態に応じて選択し、レーダー装置による障害物の検知を前記選択した進行軌跡に沿った領域に限定して行うものが、特開平6−131596号公報により公知である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、自車の進行軌跡をヨーレートや舵角に応じて予測すると、自車および先行車が直線路を走行している場合や、自車および先行車が旋回半径一定のコーナーを走行している場合であれば特に問題は生じないが、自車がコーナーの手前の直線路を走行している場合や、自車が直線路の手前のコーナーを走行している場合に進行軌跡を的確に予測できなくなり、レーダー装置が先行車を見失う可能性がある。
【0004】
その理由を図20〜図22に基づいて説明する。図20はコーナーの手前の直線路を自車および先行車が走行している場合を示しており、このとき自車のヨーレートおよび舵角は0であるためにレーダー装置によるロックオン範囲は直線路に沿った方向となり、先行車を支障なく検知することができる。図21は自車が未だ直線路を走行しているが先行車がコーナーに進入した場合を示しており、このとき自車のヨーレートおよび舵角は0であるためにレーダー装置によるロックオン範囲は直線路に沿った方向となる。従って、コーナーに進入した先行車は前記ロックオン範囲から右側にずれてしまい、隣車線の車両と誤認識してしまう。図22は自車がコーナーに進入したが先行車が既にコーナーを脱出して直線路に進入した場合を示しており、このとき自車は右向きのヨーレートおよび舵角を持つために予測した進行軌跡は右曲がりとなり、レーダー装置によるロックオン範囲は右に曲がった円弧形状となる。従って、コーナーを脱出した先行車は前記ロックオン範囲から左側にずれてしまい、隣車線の車両と誤認識してしまう。
【0005】
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、物体検知装置の検知結果を用いて自車の進行軌跡を的確に予測することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、図19のクレーム対応図に示す構成によって上記目的を達成している。
【0007】
即ち、請求項1に記載された発明によれば、自車の運動状態を検知する運動状態検知手段と、運動状態検知手段の検知結果に基づいて自車の進行軌跡を予測する軌跡予測手段とを備えた車両用進行軌跡予測装置において、自車の進行方向の所定領域に向けて電磁波を発信し、前記電磁波が物体により反射された反射信号を受信することにより物体の存在を検知する物体検知装置と、物体検知装置の検知結果に基づいて路上に設置された複数の物体の連続性を判定する路上設置物判定手段と、前記複数の物体の連続性に基づいて自車の進行方向の走行路形状を推定する走行路形状推定手段と、走行路形状推定手段により複数の走行路形状が推定されたとき、それら複数の走行路形状のうちから、軌跡予測手段により予測された自車の進行軌跡との車両幅方向の距離が最も短いものを選択する選択手段と、選択手段の選択した走行路形状に基づいて、前記軌跡予測手段の予測した自車の進行軌跡を補正する軌跡補正手段とを備え、前記車両幅方向の距離は、走行路形状を構成する物体群のうち、自車に最も近い物体と予測された自車の進行軌跡との距離であることを特徴とする車両用進行軌跡予測装置が提案される。
【0008】
上記構成によれば、運動状態検知手段で検知した自車の運動状態に基づいて軌跡予測手段が自車の進行軌跡を予測する。物体検知装置の検知結果に基づいて路上設置物判定手段が路上に設置された複数の物体の連続性を判定し、その複数の物体の連続性に基づいて走行路形状推定手段が自車の進行方向の走行路形状を推定する。走行路形状推定手段により複数の走行路形状が推定されたとき、それら複数の走行路形状のうちから、選択手段が軌跡予測手段により予測された自車の進行軌跡との車両幅方向の距離が最も短いものを選択すると、軌跡補正手段が前記自車の進行軌跡を前記走行路形状に基づいて補正するので、複数の走行路形状のうちから適切な走行路形状を選択することができ、軌跡予測手段が予測した自車の進行軌跡の補正精度を高めることができる。このとき、前記車両幅方向の距離は、自車に最も近い物体と予測された自車の進行軌跡との距離であるので、複数の走行路形状のうちから適切な走行路形状を精度良く選択することができる。
【0009】
また請求項2に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、路上設置物判定手段は、物体検知装置により検知された複数の物体について、基準物体を設定する基準物体設定手段と、基準物体設定手段により設定された基準物体との位置が最も近い第1の近接物体を判定する第1の近接物体判定手段と、基準物体と第1の近接物体との距離および基準物体に対する第1の近接物体の方向を求める位置関係演算手段と、位置関係演算手段により求められた距離および方向に基づいて第1の近接物体に近接する第2の近接物体が存在すると予測される位置を設定する予測位置設定手段と、予測位置設定手段の予測した位置に最も近い第2の近接物体を判定する第2の近接物体判定手段とを備え、第1の近接物体判定手段および第2の近接物体判定手段の判定結果に基づいて複数の物体の規則的な連続性を判定することを特徴とする車両用進行軌跡予測装置が提案される。
【0010】
上記構成によれば、基準物体設定手段が物体検知装置により検知された複数の物体について基準物体を設定し、第1の近接物体判定手段が基準物体との位置が最も近い第1の近接物体を判定し、位置関係演算手段が基準物体と第1の近接物体との距離および基準物体に対する第1の近接物体の方向を求め、予測位置設定手段が前記距離および方向に基づいて第1の近接物体に近接する第2の近接物体が存在すると予測される位置を設定し、第2の近接物体判定手段が前記予測した位置に最も近い第2の近接物体を判定するので、路上設置物判定手段は第1の近接物体判定手段および第2の近接物体判定手段の判定結果に基づいて複数の物体の規則的な連続性を判定することができる。
【0011】
また請求項3に記載された発明によれば、請求項2の構成に加えて、基準物体設定手段は物体検知装置により検知された複数の物体のうち、より自車に近い物体を基準物体として設定することを特徴とする車両用進行軌跡予測装置が提案される。
【0012】
上記構成によれば、基準物体設定手段は物体検知装置により検知された複数の物体のうち、より自車に近い物体を基準物体として設定するので、走行路形状を自車に近い側から推定することができる。
【0013】
また請求項4に記載された発明によれば、請求項2または請求項3の構成に加えて、第1の近接物体判定手段は、基準物体と自車幅方向の距離が最も近い物体であり、かつ該物体および基準物体を結ぶ方向と自車進行方向との成す角度が所定角度以内の物体を第1の近接物体と判定することを特徴とする車両用進行軌跡予測装置が提案される。
【0014】
上記構成によれば、第1の近接物体判定手段は、基準物体と自車幅方向の距離が最も近く、かつ該物体および基準物体を結ぶ方向と自車進行方向との成す角度が小さい物体を第1の近接物体と判定するので、基準物体に対して連続する第1の近接物体を正確に判定することができる。
【0015】
また請求項5に記載された発明によれば、請求項2請求項4の何れか1項の構成に加えて、第2の近接物体判定手段は、予測位置設定手段により設定される予測位置の所定範囲内に存在する物体のうち、最も予測位置に近い物体であり、かつ該物体および第1の近接物体を結ぶ方向と基準物体および第1の近接物体を結ぶ方向との成す角度が所定角度以内の物体を第2の近接物体と判定することを特徴とする車両用進行軌跡予測装置が提案される。
【0016】
上記構成によれば、第2の近接物体判定手段は、予測位置設定手段により設定される予測位置の所定範囲内に存在する物体のうち、最も予測位置に近く、かつ該物体および第1の近接物体を結ぶ方向と基準物体および第1の近接物体を結ぶ方向との成す角度が小さい物体を第2の近接物体と判定するので、第1の近接物体に対して連続する第2の近接物体を正確に判定することができる。
【0017】
また請求項6に記載された発明によれば、請求項5の構成に加えて、前記所定範囲は、基準物体と第1の近接物体との距離に応じて設定されることを特徴とする車両用進行軌跡予測装置が提案される。
【0018】
上記構成によれば、第2の近接物体を判定する所定範囲を、基準物体と第1の近接物体との距離に応じて設定したので、距離が遠くなるほど低下する物体検知装置の検知精度を補償することができる。
【0019】
また請求項7に記載された発明によれば、請求項5または請求項6の構成に加えて、第2の近接物体判定手段は、予測位置設定手段により設定される予測位置を基準とした所定範囲内に物体が存在しないとき、予測位置設定手段により設定される予測位置に物体が存在すると推定することを特徴とする車両用進行軌跡予測装置が提案される。
【0020】
上記構成によれば、第2の近接物体判定手段は、前記予測位置を基準とした所定範囲内に物体が存在しないときに該予測位置に物体が存在すると推定するので、物体が存在しないときに該物体を的確に補間することができる。
【0021】
また請求項8に記載された発明によれば、請求項7の構成に加えて、前記推定された物体および第1の近接物体の成す方向および距離に基づいて予測位置を設定し、該予測位置に近接する物体を第3の近接物体と判定することを特徴とする車両用進行軌跡予測装置が提案される。
【0022】
上記構成によれば、前記推定された物体および第1の近接物体の成す方向および距離に基づいて予測位置を設定し、該予測位置に近接する物体を第3の近接物体と判定するので、第2の近接物体を補間データで代用した場合でも、第3の近接物体を支障なく判定することができる
【0023】
また請求項9に記載された発明によれば、請求項1請求項8の何れか1項の構成に加えて、選択手段により選択された走行路形状と軌跡予測手段により予測された自車の進行軌跡との車両幅方向の距離を算出する距離算出手段を備え、軌跡補正手段は、軌跡予測手段により予測された自車の進行軌跡を選択手段により選択された走行路形状と距離算出手段により算出された距離とに基づいて補正することを特徴とする車両用進行軌跡予測装置が提案される。
【0024】
上記構成によれば、選択手段により選択された走行路形状と予測された自車の進行軌跡との車両幅方向の距離を算出し、自車の進行軌跡を走行路形状と前記距離とに基づいて補正するので、補正後の自車の進行軌跡を正確に予測することができる。
【0025】
また請求項10に記載された発明によれば、請求項1〜請求項9の何れか1項の構成に加えて、軌跡補正手段により補正された自車の進行軌跡および自車の車線幅に基づいて自車の通過領域を設定する通過領域設定手段と、物体検知装置により検知された物体のうち、設定された通過領域に存在する物体を追従対象車両と判定する追従対象車両判定手段とを備えたことを特徴とする車両用進行軌跡予測装置が提案される。
【0026】
上記構成によれば、補正された自車の進行軌跡および自車の車線幅に基づいて通過領域設定手段が自車の通過領域を設定すると、追従対象車両判定手段が前記設定された通過領域に存在する物体を追従対象車両と判定するので、追従対象車両を的確に判定して追従走行を行うことができる。
【0027】
尚、前記所定角度は実施例では15°に設定されているが、それに限定されるものではない。また前記所定範囲は、実施例では予測位置の前後に±3m、左右方向に±(D×0.1+1m)に設定されているが、それに限定されるものではない。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。 図1〜図19は本発明の一実施例を示すもので、図1は物体検知装置のブロック図、図2は物体検知装置の斜視図、図3は進行軌跡予測装置のメモリの構成を示すブロック図、図4はメインルーチンのフローチャートの第1分図、図5はメインルーチンのフローチャートの第2分図、図6は道路形状認識処理モジュールのフローチャート、図7は軌跡算出モジュールのフローチャート、図8は連続性判定モジュールのフローチャートの第1分図、図9は連続性判定モジュールのフローチャートの第2分図、図10はステップS1に対応する説明図、図11はステップS3〜S7に対応する説明図、図12はステップS31〜S39に対応する説明図、図13はステップS50〜S55に対応する説明図、図14はステップS56に対応する説明図、図15はステップS57,S58に対応する説明図、図16はステップS10〜S14に対応する説明図、図17は連続したターゲット列を示す図、図18はターゲット列の求め方の説明図、図19はクレーム対応図である。
【0029】
図1および図2に示すように、自車前方の物体の距離および方向を検知するための物体検知装置Stはレーザーレーダー装置を備えるもので、送光部1と、送光走査部2と、受光部3と、受光走査部4と、距離計測処理部5とから構成される。送光部1は、送光レンズを一体に備えたレーザーダイオード11と、レーザーダイオード11を駆動するレーザーダイオード駆動回路12とを備える。送光走査部2は、レーザーダイオード11が出力したレーザーを反射させる送光ミラー13と、送光ミラー13を上下軸14回りに往復回動させるモータ15と、モータ15の駆動を制御するモータ駆動回路16とを備える。送光ミラー13から出る送光ビームは左右幅が制限されて上下方向に細長いパターンを持ち、それが所定周期で左右方向に往復移動して物体を走査する。
【0030】
受光部3は、受光レンズ17と、受光レンズ17で収束させた反射波を受けて電気信号に変換するフォトダイオード18と、フォトダイオード18の出力信号を増幅する受光アンプ回路19とを備える。受光走査部4は、物体からの反射波を反射させて前記フォトダイオード18に導く受光ミラー20と、受光ミラー20を左右軸21回りに往復回動させるモータ22と、モータ22の駆動を制御するモータ駆動回路23とを備える。上下幅が制限されて左右方向に細長いパターンを持つ受光エリアは、受光ミラー20によって所定周期で上下方向に往復移動して物体を走査する。
【0031】
距離計測処理部5は、前記レーザーダイオード駆動回路12やモータ駆動回路16,23を制御する制御回路24と、アダプティブクルーズコントロール装置を制御する電子制御ユニット25との間で通信を行う通信回路26と、レーザーの送光から受光までの時間をカウントするカウンタ回路27と、物体までの距離および物体の方向を算出する中央演算処理装置28とを備える。
【0032】
而して、上下方向に細長い送光ビームと左右方向に細長い受光エリアとが交わる部分が瞬間的な検知エリアになり、この検知エリアは、送光ビームの左右走査幅と等しい左右幅を持ち、受光エリアの上下走査幅と等しい上下幅を持つ検知領域の全域をジグザグに移動して物体を走査する。そして送光ビームが送光されてから、該送光ビームが物体に反射された反射波が受光されるまでの時間に基づいて物体までの距離が検知され、そのときの瞬間的な検知エリアの方向に基づいて物体の方向が検知される。
【0033】
図3は本実施例の進行軌跡予測装置のメモリ構成を示すもので、物体検知装置Stで検知したターゲットを記憶するターゲットメモリと、ターゲットメモリ中の移動物を選択して記憶する移動物メモリと、ターゲットメモリ中の停止物を選択して記憶する停止物メモリと、自車のヨーレート(あるいは舵角)と車速とから予測した自車の進行軌跡を記憶する軌跡メモリと、停止物メモリ中のデータの連続性から予測した複数の道路形状を記憶する道路形状メモリと、道路形状メモリ中のデータから自車が進行する可能性が高い道路のデータを選択して記憶する軌跡補正バッファと、軌跡メモリのデータを軌跡補正バッファのデータで補正した自車の進行軌跡を記憶する補正軌跡メモリと、移動物メモリ中のターゲットから、補正軌跡メモリ中の進行軌跡に沿うものを先行車として選択して記憶する先行車メモリとを備える。
【0034】
図4および図5のメインルーチンのフローチャートにおいて、先ずステップS1で物体検知装置Stにより検知エリア内のターゲットを全て検知してターゲットメモリに記憶する(図10参照)。この場合のターゲットは、高速道路の右にカーブした本線上の先行車T1と、左に分岐するランプウエイの並走車T2と、路側のガードレール上に設けられた8個のデリニエータT3〜T10である。
【0035】
続くステップS2で自車の車速およびヨーレート(または舵角)を読み込み、ステップS3でターゲットメモリからターゲットの位置と相対速とを読み込む。そしてステップS4で前記読み込んだターゲットが移動物であるか停止物であるかを判定し、移動物であればステップS5で移動物メモリに記憶し、停止物であればステップS6で停止物メモリに記憶する。ターゲットが移動物であるか停止物であるかは、その絶対速(つまり自車速とターゲットの相対速との和の絶対値)が20km/hを越えている場合に移動物と判定し、20km/h以下の場合に停止物と判定することができる。そしてステップS7でターゲットメモリ内のターゲットを全て読み込むまで、前記ステップS3〜S6を繰り返す。図11に示すように、先行車T1および並走車T2は移動物であり、デリニエータT3〜T10は停止物である。
【0036】
続くステップS8で道路形状認識処理モジュールを実行するとともに、ステップS9で軌跡算出モジュールを実行し、自車の進行軌跡を予測する。これらステップS8およびステップS9の具体的内容は、図6〜図9のフローチャートを用いて後から詳述する。
【0037】
続くステップS10で移動物メモリからターゲットデータを読み込み、ステップS11で前記読み込んだターゲットデータが補正後の自車の進行軌跡から所定の左右幅(例えば、左右に各1.8m)内に有り、かつステップS12で先行車メモリ内のターゲットデータの距離が今回読み込んだターゲットデータの距離を越えていれば、ステップS13で前記今回のターゲットデータを先行車として先行車メモリに記憶することにより、自車の前方の並走車のうちで最も車間距離が小さいものを先行車とする。そしてステップS14でターゲットメモリ内のターゲットを全て読み込むまで、前記ステップS10〜S13を繰り返す。
【0038】
続くステップS15で先行車が存在するとき、ステップS16で先行車の実際の車間距離が設定車間距離を越えていれば、ステップS17で加速制御を実行し、ステップS16で先行車の実際の車間距離が設定車間距離に一致していれば、ステップS18で定速制御を実行し、ステップS16で先行車の実際の車間距離が設定車間距離を未満であれば、ステップS19で減速制御を実行し、これにより車間距離を設定車間距離に一致させる。またステップS15で先行車が存在しないとき、ステップS20で自車速がセット車速を越えていればステップS21で減速制御を実行し、ステップS20で自車速がセット車速に一致していればステップS22で定速制御を実行し、ステップS20で自車速がセット車速未満であればステップS23で増速制御を実行し、これにより自車速をセット車速に一致させる。
【0039】
次に、前記ステップS8の道路形状認識処理モジュールの内容を、図6のフローチャートに基づいて説明する。
【0040】
先ず、ステップS31で停止物メモリ内のターゲットデータが3個未満であれば、道路形状の認識処理は不可能であるため、ステップS32〜S39は実行しない。ステップS31で停止物メモリ内のターゲットデータが3個以上であれば、ステップS32で停止物メモリ内のターゲットデータを距離が近い順にソートし、ステップS33で停止物メモリ内の最も距離が近いターゲットデータを起点ターゲット(本発明の基準物体)として読み込み、更にステップS34で起点ターゲットに左右位置が最も近いターゲットデータを第2ターゲット(本発明の第1の近接物体)として読み込む。
【0041】
続くステップS35で起点ターゲットおよび第2ターゲット間のベクトル(D1,θ1)を算出する。続くステップS36で前記ベクトル(D1,θ1)の方向θ1(自車の車体前後軸を基準とした角度)が±15°未満であれば、ステップS37で連続性判定モジュールを実行し、ステップS38で起点ターゲットより遠いターゲットデータを全て読み込むまで前記ステップS34〜S37を繰り返す。そしてステップS39で停止物メモリ内の全てのターゲットデータを起点ターゲットとして読み込むまで、前記ステップS33〜S38を繰り返す。
【0042】
図12には、道路形状認識処理モジュールにより判定された2つの道路形状、つまり連続性を有する2つのデータ列R1,R2が示される。データ列R1はランプウエイに対応するもので4個のターゲットデータD1〜D4で構成され、データ列R2は本線に対応するもので7個のターゲットデータD1〜D7で構成される。データ列R1のターゲットデータD4と、データ列R2のターゲットデータD5,D7とは、実在のターゲットデータではなく、脱落したターゲットデータを補う補間データである。
【0043】
次に、前記ステップS37の連続性判定モジュールの内容を、図8および図9のフローチャートに基づいて説明する。
【0044】
先ず、図18に示すように、ステップS101で第2ターゲットの位置を起点にして前記ベクトル(D1,θ1)分だけ延ばした位置P1を求める。位置P1は前記ベクトル(D1,θ1)の基端を第2ターゲットの位置に移動したときの先端の位置である。続くステップS102で前記求めた位置P1の前後±3m、左右±(D1×0.1+1m)の範囲を区画し、この長方形の判定領域に他のターゲットがあるか否かを判定する。尚、位置P1を中心とする判定領域の左右幅をベクトル(D1,θ1)の長さD1で規定する理由は、ベクトル(D1,θ1)の長さD1が長くなるに伴って(つまりターゲットの距離が増加するに伴って)物体検知装置Stの左右方向の検知誤差が増加するからである。
【0045】
続くステップS103で判定領域内で位置P1に最も近いターゲットを第3ターゲット(本発明の第2の近接物体)として読み込むとともに、ステップS104で第2ターゲットおよび第3ターゲット間のベクトル(D2,θ2)を算出する。そしてステップS105で前記ベクトル(D2,θ2)の角度θ2(ベクトル(D1,θ1)の方向を基準とした角度)が±15°未満であれば、ステップS106で第3ターゲットの位置を起点にして前記ベクトル(D2,θ2)分だけ延ばした位置P2を求める。続くステップS107で前記求めた位置の前後±3m、左右±(D2×0.1+1m)の範囲を区画し、この長方形の判定領域に他のターゲットがあるか否かを判定する。前記ステップS107で他のターゲットがあれば、上記作用をステップS111〜S114で第nターゲットまで順次繰り返す。
【0046】
一方、前記ステップS107で他のターゲットがなければ、ステップS108で位置P1に第3ターゲットの代わりとなる補間ターゲットを追加する。続くステップS109で補間ターゲットの位置P1を基準にしてベクトル(D1,θ1)分だけ延ばした位置P2を求め、ステップS110で前記求めた位置P2の前後±3m、左右D1×0.1+1mの判定領域に他のターゲットがあるか否かを判定する。その結果、位置P2を中心とする判定領域に他のターゲットが無ければ、連続したターゲット列が途絶えたと判断し、ステップS117でそこまでの連続したターゲット列を道路形状メモリに記憶する。一方、前記ステップS110で他のターゲットがあれば、ステップS111に移行してターゲット列を順次延長する。従って、補間ターゲットが2個連続することは有り得ず、連続する実在のターゲットが2回続けて存在しなければ、その時点でターゲット列は中断される。
【0047】
前記ステップS113でθnが±15°以上であると、そのターゲットは連続したターゲットでないと見做され、ステップS115でそのデータが削除される。そして次のステップS116で一つ前のターゲットが補間ターゲットであれば、そこで連続したターゲット列が途絶えたと判断し、ステップS117でそこまでの連続したターゲット列を道路形状メモリに記憶する。前記ステップS116で1つ前のターゲットが補間ターゲットでなければ、ステップS108に戻って補間ターゲットを追加する。
【0048】
次に、前記ステップS9の軌跡算出モジュールの内容を、図7のフローチャートに基づいて説明する。
【0049】
先ず、ステップS50で自車速とヨーレート(あるいは舵角)とから自車の進行軌跡を推定し、続くステップS51で道路形状メモリにデータ列が存在し、かつステップS52で道路形状メモリのデータ列が複数であれば、ステップS53で起点ターゲットと自車の軌跡との左右間隔が最も小さいデータ列を選択する。このとき、自車がヨーレート(あるいは舵角)=0の状態で直線走行していれば、その進行軌跡は車体前後軸に沿う直線となる。図13に示す例では、データ列R1と進行軌跡との距離が、データ列R2と進行軌跡との距離よりも大きいため、データ列R2を選択する。一方、ステップS52で道路形状メモリのデータ列が単数であれば、ステップS54でその単数のデータ列を選択する。そしてステップS55で前記選択したデータ列R2を軌跡補正バッファ(図13参照)に記憶する。
【0050】
続くステップS56でデータ列の起点データ(データD1)から自車の軌跡(車体前後軸に沿う直線)との左右間隔(オフセット)を算出する(図14参照)。そしてステップS57で、前記ステップS56で求めた左右間隔を、軌跡補正バッファの全てのデータD1〜D7の左右位置に加算し、補正後の左右位置を算出して記憶する。そしてステップS58で、前記ステップS57で求めたデータD1〜D7の補正後の左右位置を通る滑らかな軌跡を算出すると、これが補正後の自車の予測される進行軌跡となる(図15参照)。而して、図16に示すように、補正後の自車の予測される進行軌跡の左右に所定幅(例えば±1.8mを加えたロックオン領域を設定し、このロックオン領域内で同方向に走行する最も近い車両を先行車とし、この先行車に設定車間距離で自車を追従走行させる。
【0051】
このように、ヨーレート(または舵角)と車速とに基づいて予測した自車の進行軌跡を、物体検知装置Stで検知した複数の停止物の連続状態から求めた道路形状で補正するので、直線路からコーナーへの移行部やコーナーから直線路への移行部において先行車が物体検知装置Sのtロックオン領域から外れるのを防止することができる。
【0052】
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
【0053】
例えば、図8の連続性判定モジュールのフローチャートにおいて、ステップS108,S109,S110,S116を廃止し、ターゲットの補間を省略することも可能である。また実施例の物体検知装置Stはレーザーレーダー装置を備えているが、ミリ波レーダー装置を備えるものであっても良い。
【0054】
【発明の効果】
以上のように請求項1に記載された発明によれば、運動状態検知手段で検知した自車の運動状態に基づいて軌跡予測手段が自車の進行軌跡を予測する。物体検知装置の検知結果に基づいて路上設置物判定手段が路上に設置された複数の物体の連続性を判定し、その複数の物体の連続性に基づいて走行路形状推定手段が自車の進行方向の走行路形状を推定する。走行路形状推定手段により複数の走行路形状が推定されたとき、それら複数の走行路形状のうちから、選択手段が軌跡予測手段により予測された自車の進行軌跡との車両幅方向の距離が最も短いものを選択すると、軌跡補正手段が前記自車の進行軌跡を前記走行路形状に基づいて補正するので、複数の走行路形状のうちから適切な走行路形状を選択することができ、軌跡予測手段が予測した自車の進行軌跡の補正精度を高めることができる。このとき、前記車両幅方向の距離は、自車に最も近い物体と予測された自車の進行軌跡との距離であるので、複数の走行路形状のうちから適切な走行路形状を精度良く選択することができる。
【0055】
また請求項2に記載された発明によれば、基準物体設定手段が物体検知装置により検知された複数の物体について基準物体を設定し、第1の近接物体判定手段が基準物体との位置が最も近い第1の近接物体を判定し、位置関係演算手段が基準物体と第1の近接物体との距離および基準物体に対する第1の近接物体の方向を求め、予測位置設定手段が前記距離および方向に基づいて第1の近接物体に近接する第2の近接物体が存在すると予測される位置を設定し、第2の近接物体判定手段が前記予測した位置に最も近い第2の近接物体を判定するので、路上設置物判定手段は第1の近接物体判定手段および第2の近接物体判定手段の判定結果に基づいて複数の物体の規則的な連続性を判定することができる。
【0056】
また請求項3に記載された発明によれば、基準物体設定手段は物体検知装置により検知された複数の物体のうち、より自車に近い物体を基準物体として設定するので、走行路形状を自車に近い側から推定することができる。
【0057】
また請求項4に記載された発明によれば、第1の近接物体判定手段は、基準物体と自車幅方向の距離が最も近く、かつ該物体および基準物体を結ぶ方向と自車進行方向との成す角度が小さい物体を第1の近接物体と判定するので、基準物体に対して連続する第1の近接物体を正確に判定することができる。
【0058】
また請求項5に記載された発明によれば、第2の近接物体判定手段は、予測位置設定手段により設定される予測位置の所定範囲内に存在する物体のうち、最も予測位置に近く、かつ該物体および第1の近接物体を結ぶ方向と基準物体および第1の近接物体を結ぶ方向との成す角度が小さい物体を第2の近接物体と判定するので、第1の近接物体に対して連続する第2の近接物体を正確に判定することができる。
【0059】
また請求項6に記載された発明によれば、第2の近接物体を判定する所定範囲を、基準物体と第1の近接物体との距離に応じて設定したので、距離が遠くなるほど低下する物体検知装置の検知精度を補償することができる。
【0060】
また請求項7に記載された発明によれば、第2の近接物体判定手段は、前記予測位置を基準とした所定範囲内に物体が存在しないときに該予測位置に物体が存在すると推定するので、物体が存在しないときに該物体を的確に補間することができる。
【0061】
また請求項8に記載された発明によれば、前記推定された物体および第1の近接物体の成す方向および距離に基づいて予測位置を設定し、該予測位置に近接する物体を第3の近接物体と判定するので、第2の近接物体を補間データで代用した場合でも、第3の近接物体を支障なく判定することができる
【0062】
また請求項9に記載された発明によれば、選択手段により選択された走行路形状と予測された自車の進行軌跡との車両幅方向の距離を算出し、自車の進行軌跡を走行路形状と前記距離とに基づいて補正するので、補正後の自車の進行軌跡を正確に予測することができる。
【0063】
また請求項10に記載された発明によれば、補正された自車の進行軌跡および自車の車線幅に基づいて通過領域設定手段が自車の通過領域を設定すると、追従対象車両判定手段が前記設定された通過領域に存在する物体を追従対象車両と判定するので、追従対象車両を的確に判定して追従走行を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 物体検知装置のブロック図
【図2】 物体検知装置の斜視図
【図3】 進行軌跡予測装置のメモリの構成を示すブロック図
【図4】 メインルーチンのフローチャートの第1分図
【図5】 メインルーチンのフローチャートの第2分図
【図6】 道路形状認識処理モジュールのフローチャート
【図7】 軌跡算出モジュールのフローチャート
【図8】 連続性判定モジュールのフローチャートの第1分図
【図9】 連続性判定モジュールのフローチャートの第2分図
【図10】 ステップS1に対応する説明図
【図11】 ステップS3〜S7に対応する説明図
【図12】 ステップS31〜S39に対応する説明図
【図13】 ステップS50〜S55に対応する説明図
【図14】 ステップS56に対応する説明図
【図15】 ステップS57,S58に対応する説明図
【図16】 ステップS10〜S14に対応する説明図
【図17】 連続したターゲット列を示す図
【図18】 ターゲット列の求め方の説明図
【図19】 クレーム対応図
【図20】 従来例の問題点の説明図
【図21】 従来例の問題点の説明図
【図22】 従来例の問題点の説明図
【符号の説明】
M1 運動状態検知手段
M2 軌跡予測手段
M3 路上設置物判定手段
M4 走行路形状推定手段
M5 軌跡補正手段
M6 基準物体設定手段
M7 第1の近接物体判定手段
M8 位置関係演算手段
M9 予測位置設定手段
M10 第2の近接物体判定手段
M11 選択手段
M12 距離算出手段
M13 通過領域設定手段
M14 追従対象車両判定手段
St 物体検知装置

Claims (10)

  1. 自車の運動状態を検知する運動状態検知手段(M1)と、
    運動状態検知手段(M1)の検知結果に基づいて自車の進行軌跡を予測する軌跡予測手段(M2)と、
    を備えた車両用進行軌跡予測装置において、
    自車の進行方向の所定領域に向けて電磁波を発信し、前記電磁波が物体により反射された反射信号を受信することにより物体の存在を検知する物体検知装置(St)と、
    物体検知装置(St)の検知結果に基づいて路上に設置された複数の物体の連続性を判定する路上設置物判定手段(M3)と、
    前記複数の物体の連続性に基づいて自車の進行方向の走行路形状を推定する走行路形状推定手段(M4)と、
    走行路形状推定手段(M4)により複数の走行路形状が推定されたとき、それら複数の走行路形状のうちから、軌跡予測手段(M2)により予測された自車の進行軌跡との車両幅方向の距離が最も短いものを選択する選択手段(M11)と、
    選択手段(M11)の選択した走行路形状に基づいて、前記軌跡予測手段(M2)の予測した自車の進行軌跡を補正する軌跡補正手段(M5)と、
    を備え
    前記車両幅方向の距離は、走行路形状を構成する物体群のうち、自車に最も近い物体と予測された自車の進行軌跡との距離であることを特徴とする車両用進行軌跡予測装置
  2. 路上設置物判定手段(M3)は、
    物体検知装置(St)により検知された複数の物体について、基準物体を設定する基準物体設定手段(M6)と、
    基準物体設定手段(M6)により設定された基準物体との位置が最も近い第1の近接物体を判定する第1の近接物体判定手段(M7)と、
    基準物体と第1の近接物体との距離および基準物体に対する第1の近接物体の方向を求める位置関係演算手段(M8)と、
    位置関係演算手段(M8)により求められた距離および方向に基づいて第1の近接物体に近接する第2の近接物体が存在すると予測される位置を設定する予測位置設定手段(M9)と、
    予測位置設定手段(M9)の予測した位置に最も近い第2の近接物体を判定する第2の近接物体判定手段(M10)と、
    を備え、第1の近接物体判定手段(M7)および第2の近接物体判定手段(M10)の判定結果に基づいて複数の物体の規則的な連続性を判定することを特徴とする、請求項1に記載の車両用進行軌跡予測装置。
  3. 基準物体設定手段(M6)は物体検知装置(St)により検知された複数の物体のうち、より自車に近い物体を基準物体として設定することを特徴とする、請求項2に記載の車両用進行軌跡予測装置。
  4. 第1の近接物体判定手段(M7)は、基準物体と自車幅方向の距離が最も近い物体であり、かつ該物体および基準物体を結ぶ方向と自車進行方向との成す角度が所定角度以内の物体を第1の近接物体と判定することを特徴とする、請求項2または請求項3に記載の車両用進行軌跡予測装置。
  5. 第2の近接物体判定手段(M10)は、予測位置設定手段(M9)により設定される予測位置の所定範囲内に存在する物体のうち、最も予測位置に近い物体であり、かつ該物体および第1の近接物体を結ぶ方向と基準物体および第1の近接物体を結ぶ方向との成す角度が所定角度以内の物体を第2の近接物体と判定することを特徴とする、請求項2請求項4の何れか1項に記載の車両用進行軌跡予測装置。
  6. 前記所定範囲は、基準物体と第1の近接物体との距離に応じて設定されることを特徴とする、請求項5に記載の車両用進行軌跡予測装置。
  7. 第2の近接物体判定手段(M10)は、予測位置設定手段(M9)により設定される予測位置を基準とした所定範囲内に物体が存在しないとき、予測位置設定手段(M9)により設定される予測位置に物体が存在すると推定することを特徴とする、請求項5または請求項6に記載の車両用進行軌跡予測装置。
  8. 前記推定された物体および第1の近接物体の成す方向および距離に基づいて予測位置を設定し、該予測位置に近接する物体を第3の近接物体と判定することを特徴とする、請求項7に記載の車両用進行軌跡予測装置
  9. 選択手段(M11)により選択された走行路形状と軌跡予測手段(M2)により予測された自車の進行軌跡との車両幅方向の距離を算出する距離算出手段(M12)を備え、
    軌跡補正手段(M5)は、軌跡予測手段(M2)により予測された自車の進行軌跡を選択手段(M11)により選択された走行路形状と距離算出手段(M12)により算出された距離とに基づいて補正することを特徴とする、請求項1請求項8の何れか1項に記載の車両用進行軌跡予測装置。
  10. 軌跡補正手段(M5)により補正された自車の進行軌跡および自車の車線幅に基づいて自車の通過領域を設定する通過領域設定手段(M13)と、
    物体検知装置(St)により検知された物体のうち、設定された通過領域に存在する物体を追従対象車両と判定する追従対象車両判定手段(M14)と、
    を備えたことを特徴とする、請求項1〜請求項9の何れか1項に記載の車両用進行軌跡予測装置。
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