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JP4666830B2 - 多層配線基板及びその製造方法 - Google Patents
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JP4666830B2 - 多層配線基板及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、多層配線基板及び半導体素子収納用パッケージなどに適した多層配線基板とその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来技術】
近年、電子機器は小型化が進んでいるが、近年携帯情報端末の発達や、コンピューターを持ち運んで操作するいわゆるモバイルコンピューティングの普及によってさらに小型、薄型且つ高精細の多層配線基板が求められる傾向にある。
【0003】
また、通信機器に代表されるように、高速動作が求められる電子機器が広く使用されるようになってきた。高速動作が求められるということは、高い周波数の信号に対し、正確なスイッチングが可能であるなど多種な要求を含んでいる。そのような電子機器に対応するため、高速な動作に適した多層プリント配線板が求められている。
【0004】
高速な動作を行うためには、配線の長さを短くし、電気信号の伝播に要する時間を短縮することが必要である。配線の長さを短縮するために、配線の幅を細くし、配線の間隙を小さくするという、小型、薄型且つ高精細の多層配線基板が求められる傾向にある。
【0005】
そのような高密度配線の要求に対応するため、ビルドアップ法と呼ばれる製造方法が用いられている。ビルドアップ法の基本構造としては、JPCA規格では(1)ベース+ビルドアップ法、(2)全層ビルドアップ法の2種類に分類されている。
【0006】
(1)ベース+ビルドアップ法は、両面銅張ガラスエポキシ基板などの絶縁基板の表面に導体配線層やスルーホール導体などが形成されたコア基板表面に感光性樹脂を塗布後、露光現象して貫通孔を形成した後、感光性絶縁層の表面全面に銅などのメッキ層を施し、その後、メッキ層に感光性レジストを塗布し、回路パターンを露光、現像した後、非レジスト形成部をエッチングして回路を形成した後、レジストを除去して導体配線層を作製したもので、この工程を繰り返して多層化するものである。
【0007】
また、(2)全層ビルドアップの製造方法は、例えば特許2587593号の様に、絶縁シートにレーザーなどで貫通孔を形成し、その貫通孔内に導電性ペーストを充填することにより絶縁シートの表面に形成された導体配線層を電気的に接続して配線シートを形成し、このように作製した配線シートを繰り返して形成して多層化するものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、(1)ベース+ビルドアップ法では、絶縁シートとして感光性エポキシ樹脂などが多用されるが、エポキシ樹脂はもともとガラス転移点が低い上に感光性としたことで吸水率が増加し、高温高湿放置で絶縁性が低下するなど信頼性が低下しやすいために、アリル化ポリフェニレンエーテル(A−PPE)樹脂やBTレジンといったエポキシ樹脂より吸水率の低い樹脂を用いるが、吸水率の低い樹脂は極性が低くなるため、極性の高い金属表面との濡れ性が悪くなり、絶縁層と導体配線層の界面が弱くなり、特性劣化の要因となる水分等を非常に通しやすくなる。また、貫通孔の径を小さくした場合には、バイア導体の抵抗上昇等の問題が顕著に現れ、高密度配線基板を作製するための大きな障害となっていた。
【0009】
また、前記(2)全層ビルドアップ法では、バイア導体を、貫通孔内への導電性ペーストの充填によって形成するものの高温放置、PCT等の信頼性試験においてバイア導体が酸化し、電気抵抗が上昇するという問題がある。また、バイア導体のピッチを狭くした場合には、バイア導体間の絶縁抵抗が低下するという問題があった。これは、導体配線層やバイア導体と絶縁樹脂との界面が弱く水分等の劣化の要因となるものが通りやすい。また、樹脂中を通ってきた水分がバイア導体内部に直接侵入してくるために発生していると考えられる。
【0010】
従って、本発明は、上記のような従来のビルドアップ法における課題を解決することを目的とするものであり、具体的には、バイア導体と導体配線層との接続信頼性を向上させ、過酷な環境下においても特性劣化のない高信頼性の多層配線基板と、これを容易に製造することのできる多層配線基板の製造方法を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の多層配線基板は、少なくとも熱硬化性樹脂を含む絶縁層と、該絶縁層表面に埋設された導体配線層と、導体配線層間を接続するために貫通孔に金属粉末および有機成分を含む導体成分充填されたバイア導体とを具備する多層配線基板において、前記導体配線層の前記バイア導体との接続側が凹凸面によって形成されており、該凹凸面の表面粗さ(Rz)が1μm以上であり、前記導体配線層凹部の高さの1/4〜1/2の底部分に前記絶縁層中の熱硬化性樹脂が存在し、該底部分に存在する熱硬化性樹脂が前記導体成分中の有機成分と化学反応していることを特徴とするものである。
【0012】
特に、前記バイア導体の両端におけるバイア径が異なり、径の小さい端部側の導体配線層凹部に絶縁層中の熱硬化性樹脂が残存することによって、バイア径が小さい端部側の導体配線層との接続信頼性を高めることができる。
【0013】
また、本発明の多層配線基板は、少なくとも熱硬化性樹脂を含む絶縁層と、該絶縁層表面に埋設された導体配線層と、導体配線層間を接続するために貫通孔に金属粉末および有機成分を含む導体成分が充填されたバイア導体とを具備する多層配線基板において、前記絶縁層は、第1絶縁層と、該第1絶縁層よりも厚みの小さい第2絶縁層とを備え、前記バイア導体は、前記第1絶縁層に形成された第1バイア導体と、前記第2絶縁層に形成されるとともに前記第1バイア導体よりも径の小さい第2バイア導体とを備え、前記導体配線層の前記第2バイア導体との接続側が凹凸面によって形成されており、該凹凸面の表面粗さ(Rz)が1μm以上であり、前記導体配線層凹部の高さの1/4〜1/2の底部分に前記第2絶縁層中の熱硬化性樹脂が存在し、該底部分に存在する熱硬化性樹脂が前記第2バイア導体の前記導体成分中の有機成分と化学反応していること特徴とするものである。
【0016】
さらに、本発明の多層配線基板の製造方法によれば、(a)半硬化状態の第1の絶縁シートの表面に、上面側が凹凸面からなり、該凹凸面の表面粗さ(Rz)が1μm以上である第1の導体配線層を形成する工程と、(b)該絶縁シートの表面に半硬化状態の熱硬化性樹脂を含む第2の絶縁シートを熱圧着し、前記第1の絶縁シートにおける第1の導体配線層上面の凹部底部まで前記第2の絶縁シートの樹脂を浸入させる工程と、(c)第2の絶縁シートの所定箇所にレーザーを照射して、前記第1の導体配線層凹部の高さの1/4〜1/2の底部分に熱硬化性樹脂が残存するように貫通孔を形成する工程と、(d)(c)で形成した貫通孔に金属粉末と有機成分を含む導体ペーストを充填し、該導体ペーストの有機成分と前記底部分に残存した熱硬化性樹脂とを化学反応させて、バイア導体を形成する工程と、(e)前記バイア導体が形成された第2の絶縁シートの表面に、第2の導体配線層を形成する工程とを具備することを特徴とするものである。
【0017】
特に、前記(b)工程において、熱圧着が、温度80℃以上、圧力10kg/cm2以上で行われるによって効率的に導体配線層上面の凹部底部まで前記第2の絶縁シートの樹脂を浸入させることができる。
【0018】
また、前記(c)工程において、レーザーの出力を0.05〜0.5mJとすることによって、効率的に前記導体配線層凹部内に熱硬化性樹脂が残存するように貫通孔を形成することができる。
【0019】
さらに、前記(d)工程において、前記導体ペーストの有機成分が第2の絶縁シート中の半硬化状態の熱硬化性樹脂と化学反応することによって強固な接続が可能となる。
【0020】
上記本発明の多層配線基板は、バイア導体と導体配線層の接続部における配線層凹部内に絶縁層中の熱硬化性樹脂が存在しているためバイア導体と導体配線層の接続信頼性を向上させることができ、バイア導体と導体配線層を含めた回路の断線や抵抗変化のない高信頼性の多層配線基板を得ることができる。
【0021】
また、本発明の製造方法によれば、導体配線層間を接続するための貫通孔をレーザー照射によって形成しているため、感光性樹脂を使用する必要がなく、絶縁層材料としてガラス転移点が高く、吸水率の小さいなどの材料特性に優れた任意の絶縁材料を選定できる。また、バイア導体と導体配線層の接続部において導体配線層凹部内に半硬化状態の熱硬化性樹脂が残存するように貫通孔(ブラインドバイア)を形成し、さらには導体ペースト中の有機成分と化学反応せしめることによって、過酷な環境下においても良好な電気的接続を保つことができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の多層配線基板を製造方法とあわせて図面をもとに説明する。図1は、本発明における多層配線基板を説明するための概略断面図である。
【0023】
この図1の多層配線基板は、絶縁層が複数積層された絶縁基板1の表面や内部に導体配線層2やバイア導体3が形成されたコア基板Aの表裏に、薄層の絶縁層4と、微細なパターンからなる導体配線層5およびバイア導体6が形成された多層配線層Bを具備したものである。なお、上記のバイア導体3、6はいずれも金属粉末および有機樹脂を含む導体成分を貫通孔内に充填することによって形成されたものである。
【0024】
図2に、図1の多層配線基板における多層配線層Bの要部拡大断面図を示す。この図2に示すように、多層配線層Bにおける導体配線層5のバイア導体6との接続部表面は、凹凸面によって形成されており、その凹凸面の凹部7の底部に絶縁層4中の熱硬化性樹脂8が存在することが重要である。本発明によれば、この凹部7内への熱硬化性樹脂8の存在によって、バイア導体6中に含まれる有機成分6aと凹部7内の熱硬化性樹脂8とが強固に結合することによって、導体配線層5とバイア導体6との接続信頼性を高めることができる。
【0025】
なお、係る接続部の構造において、バイア導体6と導体配線層5の接続抵抗を低く、且つ接続信頼性を高める上で、導体配線層5の凹部7の深さの1/4〜1/2、望ましくは1/3〜1/2の底部に熱硬化性樹脂8を存在させることが望ましい。
【0026】
また、このバイア導体6をレーザー光で形成した場合、レーザー光の入射側と出射側でバイア径が異なり、出射側の径が小さくなるために、特に導体配線層5との接続信頼性が劣化するために、このバイア径の小さい端部側での導体配線層5との接続部が上記の構造からなることが望ましい。
【0027】
また、導体配線層5の凹凸面の表面粗さ(Rz)は、1μm以上、特に1.5μmであることが望ましい。
【0028】
次に、本発明の多層配線基板の製造方法を図3、図4をもとに説明する。図3はコア基板の製造方法を説明する工程図、図4は多層配線層Bを形成する方法を説明するための工程図である。
【0029】
図3のコア基板Aの製造方法によれば、まず、樹脂フィルム22の表面に接着剤を介して金属箔21を接着する(a)。この時、金属箔21はこの後の配線形成のしやすさ、電気抵抗等を考慮すると銅箔を用いるのが望ましい。そして、金属箔21表面にさらにフォトレジスト23を貼付する(b)。そしてフォトレジスト23を露光、現像することにより、導体配線部分にフォトレジスト24を残す(c)。フォトレジスト24はネガ型を用いる方が、その後の導体配線層25を粗化するときに処理が行いやすい。その後、金属箔21をエッチングすることにより導体配線層25を形成し(d)、フォトレジスト24を除去する(e)。この時、樹脂フィルム22表面に形成した導体配線層25の断面は形成角(下底両端における角度)が45〜80°の台形形状に形成することによって絶縁層への密着性、埋設性を高めることができる。このような台形形状の導体配線層25は、2〜50μm/minでエッチングするのが良い。
【0030】
次に、樹脂フィルム22上に形成した導体配線層25表面を表面粗さ(Ra)を0.2μm以上に粗化するのが望ましい。金属の種類によっても異なるが、蟻酸、NaClO2、NaOH、Na2PO4あるいはこれらの混合液等の酸性溶液をスプレー等で吹き付ける、ディッピングするのが良く、特に蟻酸を吹き付けるのが表面粗さを細かく制御できる点で望ましい。
【0031】
一方では、絶縁シート26を準備する(f)。この絶縁シート26は、熱硬化性樹脂と無機フィラーからなるものである。絶縁シート26を構成する熱硬化性樹脂は吸水率が0.5%以下、特に0.3%以下であることによって、水分の影響を受けてバイア導体28の抵抗が上昇するのを防止することができる。
【0032】
具体的には、絶縁シート26を構成する熱硬化性樹脂としては、A−PPE(アリル化ポリフェニレンエーテル)、BTレジン(ビスマレイミドトリアジン)、ポリイミド樹脂、ポリアミドビスマレイミドの群から選ばれる少なくとも1種の樹脂が望ましい。また、絶縁シート26の無機フィラーとしては、SiO2、Al23、AlNの群から選ばれる少なくとも1種が好適であり、フィラーの形状は平均粒径が20μm以下、特に10μm以下、最適には7μm以下の略球形状の粉末が用いられる。また、多層配線基板の強度を持たせるためには繊維質の織布や不織布を含むことが望ましい。コア基板を形成する絶縁層のうち少なくとも1層が繊維質フィラーを含むことが望ましい。
【0033】
この無機質フィラーは、有機樹脂:無機質フィラーの体積比率で15:85〜95:5の比率で混合される。高密度配線基板を作製するためにバイアピッチを小さくするためには繊維質のフィラーよりも、球状のフィラーを用いるほうが望ましい。
【0034】
次に、レーザー光を照射して絶縁シート26に貫通孔27を形成する。貫通孔27加工は、CO2レーザー、YAGレーザー、エキシマレーザー等が使用できる。その後、金、銀、銅、アルミニウム等から選ばれる少なくとも1種を含む金属粉末に有機成分を添加した導体ペーストを調製し、貫通孔27に導体ペーストを充填し、バイア導体28を形成する(g)。有機成分は、不揮発で絶縁層を構成する熱硬化性樹脂と反応するものを用いるのが望ましい。また、導体ペーストの充填方法として常圧の印刷機等も使用できるが、真空印刷機を用いる方がより充填率を上げることができる。
【0035】
その後、樹脂フィルム22上に作製した鏡像の導体配線層25を、バイア導体28を形成した絶縁シート26の両面または片面に熱圧着する(h)。そして、この鏡像の導体配線層25のパターンを有する樹脂フィルム22をBステージ状の絶縁シート26の表面に積層して3kg/cm2以上の圧力を印加した後、樹脂フィルム22を剥離する(i)ことにより、絶縁シート26の表面に導体配線層25を転写するとともに、導体配線層25を絶縁層の表面に埋設し、配線シート29を得ることができる(j)。
【0036】
次に、以上のようにして得られた複数の配線シート29−1〜5を位置合せして重ねて積層することによりコア基板Aを作製することができる(k)。
【0037】
なお、このコア基板Aは、積層処理後に、熱処理して絶縁層中の熱硬化性樹脂を完全に硬化してもよいし、あるいは後述する多層配線層Bの形成後に合わせて完全熱硬化することもできる。
【0038】
なお、後述する多層配線層Bの形成にあたり、多層配線層Bの絶縁層やバイア導体との接続性を高めるために、コア基板A表面の導体配線層の表面粗さRzを1μm以上、特に1.5μm以上に粗面加工することが望ましい。この粗面加工は、金属の種類によっても異なるが、蟻酸、NaClO2、NaOH、Na2PO4あるいはこれらの混合液等の酸性溶液をスプレー等で吹き付け、特に蟻酸を吹き付けるのが表面粗さを細かく制御できる点で望ましい。
【0039】
次に、コア基板Aの表裏に多層配線層Bを形成する方法について図4をもとに説明する。まず、上記のようにして作製した表面に導体配線層30が形成された半硬化状態のコア基板Aの表面に未硬化または半硬化の熱硬化性樹脂を含む絶縁シート31を熱圧着する(b)。この絶縁シート31は、熱硬化性樹脂と無機フィラーからなることが望ましく、熱硬化性樹脂および無機フィラーとしては、コア基板Aと同様の熱硬化性樹脂や無機フィラーが選択される。また、高密度配線基板を作製するためにバイアピッチを小さくするためにはこの多層配線層Bにおいては、繊維質のフィラーよりも、球状のフィラーからなることが望ましい。
【0040】
本発明によれば、このコア基板Aの表面に絶縁シート31を熱圧着する際に、コア基板Aの表面に形成された導体配線層30の表面の凹凸面における凹部内に絶縁シート31中の熱硬化性樹脂を浸入させることが重要である。
【0041】
絶縁シート31の熱硬化性樹脂を導体配線層30の凹部内に浸入させるには、樹脂の種類、樹脂の溶融粘度によっても異なるが、温度が80℃以上で、30kg/cm2以上の圧力を印加することが望ましい。
【0042】
また、コア基板Aの表面の導体配線層30の表面粗さ(Rz)は1.0μm以上、望ましくは1.5μm以上であることが望ましい。この表面粗さ(Rz)が1.0μmより小さいと絶縁シートあるいはバイア導体との間で剥離が発生する。
【0043】
次に、コア基板Aの表面に熱圧着された絶縁シート31にレーザーを照射することによって貫通孔32を形成する(c)。この貫通孔32の加工は、コア基板Aと同様にCO2レーザー、YAGレーザー、エキシマレーザー等が使用できる。このレーザーの照射によって、絶縁シート31の照射部は熱分解することによって穿孔されるが、この時、レーザー照射部分絶縁シート31のすべての熱硬化性樹脂を除去するのではなく、導体配線層30の表面の凹凸における凹部の深さの1/4〜1/2、望ましくは1/3〜1/2の底部に半硬化状態の熱硬化性樹脂が残存するように加工することが前述した理由から望ましい。
【0044】
この時のレーザー光の出力は0.05〜0.5mJ、望ましくは0.1〜0.3mJで行うのが良い。レーザー光の出力が0.5mJを超えると、導体配線層30の凹部内の熱硬化性樹脂をすべて分解除去してしまう。0.05mJ未満では、絶縁シートの熱硬化性樹脂を分解除去しきれずに、貫通孔を形成することが難しい。
【0045】
次に、貫通孔32に導体ペーストを埋め込み、バイア導体33を形成する(d)。導体ペーストは、金、銀、銅、アルミニウム等から選ばれる少なくとも1種を含む金属粉末に有機成分を添加したものからなる。また、導体ペーストの充填方法として常圧の印刷機等も使用できるが、真空印刷機を用いる方がより充填率を上げることができる。
【0046】
この時、導体ペーストには、有機成分として、絶縁シート31中の半硬化状態の熱硬化性樹脂、言い換えれば導体配線層30の表面の凹部内に残存する熱硬化性樹脂と化学反応をする有機成分を含むことが望ましい。導体ペースト中の有機成分と導体配線層30の凹部に存在する熱硬化性樹脂を反応させることによりバイア導体32と導体配線層30との接続信頼性を高めることができる。例えば、絶縁シート31中の熱硬化性樹脂としてA−PPEを用いた場合は、導体ペーストの有機成分としては、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)が好適に使用できる。また、絶縁シート31中の熱硬化性樹脂としてBTレジンを用いた場合は、導体ペーストの有機成分として、エポキシ樹脂が好適に使用できる。樹脂の吸水率、耐熱性、電気特性を考慮するとA−PPEとTAICの組み合わせで使用するのが望ましい。
【0047】
その後、このバイア導体33が形成された絶縁シート31の表面に導体配線層34を形成する(e)。この導体配線層34の形成は、コア基板A作製時と同様に、予め樹脂フィルム35の表面に接着剤を介して金属箔を接着し、この金属箔をフォトレジスト法によってパターン化して導体配線層34を形成する。また、この樹脂フィルム35上に形成した導体配線層34の表面を表面粗さ(Ra)を0.2μm以上に粗化するのが望ましい。金属の種類によっても異なるが、蟻酸、NaClO2、NaOH、Na2PO4あるいはこれらの混合液等の酸性溶液をスプレー等で吹き付ける、特に蟻酸を吹き付けるのが表面粗さを細かく制御できる点で望ましい。
【0048】
その後、樹脂フィルム35上に作製した鏡像の導体配線層34を、バイア導体33を形成した絶縁シート31の表面に100〜150℃、3kg/cm2以上の圧力を印加して熱圧着した後、樹脂フィルム35を剥離することによって絶縁シート31の表面に導体配線層34を転写形成することができる。
【0049】
その後、この導体配線層34が形成された絶縁シート31の表面に、上記(b)〜(e)の処理を繰り返し行うことによって、任意の層数の多層配線層Bを積層形成することができる(f)。そして、最終的に、すべてを200℃以上の温度で圧力をかけながら一括で硬化することにより本発明の多層配線基板を得ることができる。
【0050】
本発明によれば、多層配線基板、例えばコア基板Aの表面に微細回路からなる多層配線層Bを形成した多層配線基板において、多層配線層Bにおいてバイア導体を任意の位置に配置できるため、多層配線層Bに高密度の回路を形成することができる。また、多層配線層Bにおいて、バイア導体と導体配線層の接続信頼性が向上できるため、過酷な環境下においても導通不良のない多層配線基板が得られる。
【0051】
また、上記の製造方法においては、転写法によれば、導体配線層のパターン化を、絶縁層の加工と並列して行うことができるため、また、多層化した多層配線層やコア基板を一括で完全硬化できるため、短い製造工程で信頼性の高い多層配線基板を作製することができる。
【0052】
【実施例】
コア基板の絶縁層として、アリル化ポリフェニレンエーテル(A−PPE)またはBTレジンをガラス布に含浸させ、厚み100μmのプリプレグを作製し第1の絶縁シートとした。また、コア基板表面の多層配線層の絶縁樹脂として、コア基板と同様A−PPE樹脂またはBTレジンを用い、無機フィラーとして溶融シリカを体積比で50:50となるよう調製し、これに有機溶剤を加えてスラリー状にした。これをドクターブレード法によって厚さ40μmのBステージ状態の第2の絶縁シートを作製した。この2種類の絶縁層にCO2レーザーでコア基板のに用いるプリプレグに100μmφの貫通孔を形成し、次いで銅の表面を銀でコーティングした金属粉末とトリアリルイソシアヌレート(TAIC)からなる有機成分を混合して導体ペーストを調製し、この導体ペーストを貫通孔に充填した。
【0053】
一方では、38μmのPETフィルムに、厚さ12μmの電解銅箔を貼り合わせて転写用の銅箔付きフィルムを準備した。銅箔表面にドライフィルムレジストを貼付し、露光、炭酸ナトリウムによる現像、塩化第二鉄によるエッチングを行い台形の形成角60°の形成角を持つ導体配線層を形成した。その後、水酸化ナトリウムによるレジストの剥離を行い、PETフィルム上に配線パターンを形成した。この後、10%の蟻酸により導体配線層表面(プリプレグへの埋め込み側)を表面粗さRz3.0μmに粗化した。
【0054】
次に、バイア導体を形成したプリプレグに樹脂フィルム上に作製した配線パターンを位置合わせして貼り合わせ、130℃、50kg/cm2で熱圧着することによりプリプレグ表面に導体配線層を転写した。その後、導体配線層を転写したプリプレグ4層を130℃、50kg/cm2で積層して半硬化状態のコア基板を作製した。その後、コア基板表面の導体配線層の表面粗さ(Rz)を10%蟻酸を用いて0.8〜3.4μmと変化させた。
【0055】
コア基板の表裏に上記のように作製した第2の絶縁シートを60〜130℃、5〜50kg/cm2で貼り合わせて、CO2レーザーにより50μmφの貫通孔を形成した。この時、レーザーの出力は0.03〜1.0mJで行った。
【0056】
次いで、銅の表面を銀でコーティングした金属粉末と有機樹脂とを混合して導体ペーストを調製した。ぺースト中の樹脂としては、絶縁シートがA−PPE樹脂の場合は、TAICを、また、BTレジンの場合はエポキシ樹脂をそれぞれ選択した。この導体ペーストを真空印刷機を用いて貫通孔に充填してバイア導体を形成した。
【0057】
次に、バイア導体を形成した第2の絶縁シートとコア基板の導体配線層の形成方法と同様にして形成された樹脂フィルムの導体配線層を貼り合わせ、130℃、50kg/cm2で熱圧着して、絶縁シートの表面に導体配線層を転写形成した。
【0058】
コア基板の絶縁層4層、導体配線層5層、コア基板の表裏に絶縁層各1層、導体層各1層、合計絶縁層6層、導体層7層の多層配線基板を作製し、200℃、20kg/cm2ですべての絶縁層を一括で硬化した。
【0059】
なお、評価用の配線パターンとしては、多層配線層に対して800個のバイア導体を導体配線層で直列につないだデイジーチェーンを形成した。
(評価)
作製した多層配線基板において、導体配線層の表面粗さ(Rz)は原子間力顕微鏡(AFM)で測定した。また、導体配線層凹部への熱硬化性樹脂の浸入状態は断面をSEM観察することにより求めた。
【0060】
作製した多層配線基板に対して、1)150℃、1000時間の高温放置試験、2)130℃、85%RH、2.3atm、200時間のPCT試験、3)−55℃〜125℃、1000サイクルの温度サイクル試験、4)260℃〜20℃、100サイクルのホットオイル試験を行った。上記試験の前後で800個のバイアホール導体を導体配線層で直列に接続したデイジーチェーンの抵抗変化が10%以内のものを良品、10%を越えるものを不良品としてN数20個の多層配線基板について試験した。
【0061】
【表1】
Figure 0004666830
【0062】
表1からわかるように、多層配線層におけるバイア導体と導体配線層の接続部において、導体配線層凹部内に絶縁層中の熱硬化性樹脂を存在させることにより、高温放置、PCT、温度サイクル、ホットオイル等の信頼性試験後において電気断線のない高信頼性の多層配線基板が作製できた。
【0063】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、多層配線基板におけるバイア導体と導体配線層の接続性、特にコア基板の表面に形成された微細配線を有する多層配線層に形成された金属粉末を充填して形成されたバイア導体と導体配線層との接続性を高めることができ、これによって過酷な環境下においても優れた接続信頼性を有する多層配線基板を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多層配線基板の一例の概略断面図である。
【図2】本発明の多層配線基板の要部拡大断面図である。
【図3】本発明の多層配線基板におけるコア基板の製造方法の一例を説明するための工程図である。
【図4】本発明の多層配線基板における多層配線層の製造方法の一例を説明するための工程図である。
【符号の説明】
A コア基板
B 多層配線層
1 絶縁基板
2 導体配線層
3、6 バイア導体
4 絶縁層
5 導体配線層
7 凹部
8 熱硬化性樹脂

Claims (7)

  1. 少なくとも熱硬化性樹脂を含む絶縁層と、該絶縁層表面に埋設された導体配線層と、導体配線層間を接続するために貫通孔に金属粉末および有機成分を含む導体成分充填されたバイア導体とを具備する多層配線基板において、
    前記導体配線層の前記バイア導体との接続側が凹凸面によって形成されており、該凹凸面の表面粗さ(Rz)が1μm以上であり、前記導体配線層凹部の高さの1/4〜1/2の底部分に前記絶縁層中の熱硬化性樹脂が存在し、該底部分に存在する熱硬化性樹脂が前記導体成分中の有機成分と化学反応していること特徴とする多層配線基板。
  2. 前記バイア導体の両端におけるバイア径が異なり、径の小さい端部側の導体配線層凹部の底部分に絶縁層中の熱硬化性樹脂が存在することを特徴とする請求項1記載の多層配線基板。
  3. 少なくとも熱硬化性樹脂を含む絶縁層と、該絶縁層表面に埋設された導体配線層と、導体配線層間を接続するために貫通孔に金属粉末および有機成分を含む導体成分が充填されたバイア導体とを具備する多層配線基板において、
    前記絶縁層は、第1絶縁層と、該第1絶縁層よりも厚みの小さい第2絶縁層とを備え、
    前記バイア導体は、前記第1絶縁層に形成された第1バイア導体と、前記第2絶縁層に形成されるとともに前記第1バイア導体よりも径の小さい第2バイア導体とを備え、
    前記導体配線層の前記第2バイア導体との接続側が凹凸面によって形成されており、該凹凸面の表面粗さ(Rz)が1μm以上であり、前記導体配線層凹部の高さの1/4〜1/2の底部分に前記第2絶縁層中の熱硬化性樹脂が存在し、該底部分に存在する熱硬化性樹脂が前記第2バイア導体の前記導体成分中の有機成分と化学反応していること特徴とする多層配線基板。
  4. (a)半硬化状態の第1の絶縁シートの表面に、上面側が凹凸面からなり、該凹凸面の表面粗さ(Rz)が1μm以上である第1の導体配線層を形成する工程と、(b)該絶縁シートの表面に半硬化状態の熱硬化性樹脂を含む第2の絶縁シートを熱圧着し、前記第1の絶縁シートにおける第1の導体配線層上面の凹部底部まで前記第2の絶縁シートの樹脂を浸入させる工程と、(c)第2の絶縁シートの所定箇所にレーザーを照射して、前記第1の導体配線層凹部の高さの1/4〜1/2の底部分に熱硬化性樹脂が残存するように貫通孔を形成する工程と、(d)(c)で形成した貫通孔に金属粉末と有機成分を含む導体ペーストを充填し、該導体ペーストの有機成分と前記底部分に残存した熱硬化性樹脂とを化学反応させて、バイア導体を形成する工程と、(e)前記バイア導体が形成された第2の絶縁シートの表面に、第2の導体配線層を形成する工程とを具備することを特徴とする多層配線基板の製造方法
  5. 前記(b)工程において、熱圧着が、温度80℃以上、圧力10kg/cm2以上で行われること特徴とする請求項記載の多層配線基板の製造方法。
  6. 前記(c)工程において、レーザーの出力が0.05〜0.5mJであることを特徴とする請求項または請求項記載の多層配線基板の製造方法。
  7. 前記(d)工程において、前記導体ペーストの有機成分が第2の絶縁シート中の半硬化状態の熱硬化性樹脂と化学反応することを特徴とする請求項乃至請求項のいずれか記載の多層配線基板の製造方法。
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