JP4667614B2 - カロリメータとその駆動方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、放射線のエネルギーを熱に変換し、さらに、その温度変化を電気信号として読み出すカロリメータに関し、特に、高感度、高計数率を有し、実用性の高いカロリメータを提供するものである。
【0002】
【従来技術】
図7、図8に従来技術による超伝導転移端センサ(Transition Edge Sensor:以下TESと称す)カロリメータの構造図を示す。図7は上面図であり、 TESカロリメータのみを示している。図8は、図7のa- a ’の断面図を示し、さらに、一定温度に保持されている熱槽6上に設置されている。
【0003】
TESカロリメータは基板1上に作製され、放射線を吸収し、エネルギーを熱に変換する吸収体3と、吸収体3の温度Taを計測するための温度変換器であるTES4が薄膜メンブレン2上に形成されている。薄膜メンブレン2は、TES4と熱槽6の間に熱コンダクタンスgを有する熱リンクとして機能する。ここで、gに比べ、吸収体3とTES4の間の熱コンダクタンスは十分大きいと仮定し、吸収体3の温度 TaとTES4の温度 Ttは等しいものとしている。TES4には、電力を供給し、また、その抵抗値を読み出すための電極5が接続されている。TES4の抵抗値Rtは温度Ttにより変化し、その関係は図9に示す抵抗-温度(R-T)曲線で表される。
【0004】
図10に、超伝導量子干渉素子(以下SQUIDと称す )を用いた読み出し回路を示す。入力コイルを磁気結合されたSQUID7がTES4に対して直列に接続されている。バイアス電流源9とその電流値Ibを電圧に変換するバイアス抵抗(抵抗値Rb)10により、TES4に電圧Vbを加える。バイアス抵抗10は、直列接続されているTES4とSQUID7に対して、並列に接続されている。SQUID7の入力コイルに流れる電流ItをSQUID駆動回路8により測定する。そのときの電流変化は放射線のエネルギーに対応する。
【0005】
次に、読み出し回路の調整法について説明する。図11に、バイアス電流Ibと、SQUID7によって測定されたTES電流Itの関係を示す。熱槽の温度TbはTESの臨界温度Tcより低く設定されている。Ib=0のとき、Tt=Tbであり、TESは超伝導状態にある。Ibをゼロから増加させると、TESの臨界電流値Icまで、Ibの全てがTESに流れる。その結果、Itは、Ibに比例して増加する。
【0006】
次に、IbがIcを越えると、TESは抵抗状態になる。その結果、Ibの一部がバイアス抵抗10に流れ、Itは急激に減少する。IbがIcに到達し(点B)、その点を越えると、動作点は点Cへ移動する。抵抗状態になったTES自身のジュール熱により温度Ttは上昇する。さらに、Ibを増加させると、点 Dに向かって Itは増加する。
【0007】
このとき、TtはTESの臨界温度Tcを越え、その抵抗値は常伝導抵抗R nとなる。
【0008】
次に、Ibを小さくすると、Itは点 Eに向かい、I bに比例して減少する。さらに、Ibを減少させると、点Eを境に増加し始める。その増加領域において、TESは転移状態にある。このとき、Ibの変化に対してジュール熱が一定となる。この状態を電熱フィードバック(Electro Thermal Feedback: 以下ETFと称す)状態と言う。ETF状態にあるTESの時定数はτeffは次の式で表される。
【0009】
【数1】
ここで、Cは吸収体の熱容量、gはカロリーメータから熱槽への熱コンダクタンス、nは定数(=3〜5)である。τoは固有時定数であり、C/gで表される。数式1からわかるとおり、ETF状態にあるTESの時定数τeffは固有時定数τoに比べ、短くなっている。しかし、Rbに比べ、Roが大きい場合、Rb=Roを境に、ETFの効果が失われることがわかる。
【0010】
以上のように、TESカロリメータを読み出し回路を用いて動作させるには、一度、臨界電流値Icを越える大きなバイアス電流Ibを加え、Ibを減少させ、ETF状態にして、図9の点Aにバイアスする必要がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
カロリメータは高エネルギー分解能と高計数率が要求される。高計数率を得るためには、入射放射線に対する応答速度を早くするため、その時定数を短くする必要がある。
【0012】
TESカロリメータにおいては、ETF状態にさせることで、時定数の改善が可能であった。バイアス抵抗Rbと動作抵抗Roの関係において、ETFの効果を得るためにはRb<<Roを満足させる必要があった。TESの常伝導抵抗の値Rnは1Ωより遙かに小さいため、Rb<<Roを満足させるバイアス抵抗を安定して得ることは難しい。
【0013】
また、カロリメータをETF状態にバイアスするためには、臨界電流値Icを越える大きなバイアス電流Ibを加えTESの臨界電流値Icより大きなバイアス電流を加える必要がある。しかし、バイアス点の電流値に比べ、臨界電流値Icは非常に大きく、超伝導状態にあるTESを転移状態、および抵抗状態に移動させることは困難であった。
【0014】
また、臨界電流値Icは温度上昇によって、減少させることが可能である。そのため、熱槽の温度を上昇させることによって、臨界電流値を小さくする方法も行われてきた。しかし、一度上昇させた熱槽の温度を安定させるためには非常に時間がかかり、実用上問題があった。
【0015】
【課題を解決するための手段】
前記の問題点を解決するために、本発明は、放射線のエネルギーを吸収し熱に変換する吸収体と、その吸収体の温度を計測するための温度変換器と、一定温度に保持されている熱槽との間の熱コンダクタンスを有する熱リンクなるカロリメータにおいて、吸収体の温度を制御するための抵抗体を備える。
【0016】
また、吸収体と温度変換器と熱リンクと抵抗体が基板上に集積されており、熱リンクが基板の厚さより薄いメンブレン構造を持ち、その温度変換器が温度により超伝導状態と常伝導状態と中間の転移状態を持つTESからなり、かつ、吸収体と温度変換器を熱リンク上に形成されたTESカロリメータに対して、抵抗体を備える。
【0017】
また、吸収体と温度変換器とともに、抵抗体を熱リンク上に形成する。
また、抵抗体の抵抗値が、前記超伝導転移端センサの常伝導状態における抵抗値より大きくする。
【0018】
また、抵抗体が超伝導状態と常伝導状態を持ち、その臨界温度が温度変換器の臨界温度より低い超伝導体とする。
【0019】
さらに、抵抗体の抵抗変化に対応した電流、または、電圧を前記抵抗体に帰還させる。
【0020】
さらに、抵抗体の抵抗変化を読み出すための外部駆動回路を備え、その外部駆動回路の出力に対応した電流、または、電圧を前記抵抗体に帰還させる。
【0021】
【発明の実施形態】
以下に本発明の実施例について図面を参照して説明する。
(実施の形態1)
図1に本発明の第1実施例を示すカロリメータの構成図を示す。放射線を吸収し、エネルギーを熱に変換する吸収体3と、吸収体の温度Taを計測するための温度変換器14と、一定温度に保持されている熱槽6との間の熱コンダクタンスgを有する熱リンク12と、吸収体の温度を制御するための抵抗体11から構成される。
【0022】
TESは読み出し回路17で抵抗変化を検出する。抵抗体11は外部制御回路18により、電流、または、電圧が供給され、吸収体、および、温度変換器14の温度Ttを制御する。
【0023】
あらかじめ、外部制御回路18により抵抗体11に、電流または、電圧が供給される。入射放射線19によって、温度Ttが上昇し、抵抗値Rtが変化する。読み出し回路17によって、その抵抗変化が読みとられ、入射放射線のエネルギーが求められる。そして、その抵抗変化に対して、外部制御回路18から、入射放射線によって上昇した温度を下げるように、電流または、電圧を制御する。
【0024】
その結果、問題となっていた入射放射線に対する応答速度を早くすることができ、高計数率を有するカロリメータを実現できる。応答速度は、外部制御回路18および、その抵抗体11に帰還される電力で変化する。
【0025】
本実施例によるカロリメータは、素子作製段階で抵抗体の抵抗値を任意に変化させることができ、かつ外部制御回路18で帰還量を制御することができる。そのため、応答速度の最適化が容易となる。
(実施の形態2)
図2に本発明の第2実施例を示すカロリメータの構造図を示す。TESカロリメータは基板1上に作製され、放射線を吸収し、エネルギーを熱に変換する吸収体3と、吸収体3の温度Taを計測するための温度変換器であるTES4が薄膜メンブレン2上に形成されている。TES4には、電力を供給し、その抵抗値を読み出すための電極5が接続されている。吸収体の温度を制御するための抵抗体11が基板1上に形成されている。薄膜メンブレン2は、TES4と熱槽6の間に熱コンダクタンスgを有する熱リンクとして機能する。ここで、gに比べ、吸収体3とTES4の間の熱コンダクタンスは十分大きいと仮定し、吸収体3の温度 TaとTES4の温度 Ttは等しいものとしている。TES4には、電流、また、電圧を供給し、また、その抵抗値を読み出すための電極5が接続されている。基板上1に、TES4の温度を制御するための抵抗体11が形成されている。TES4の抵抗値Rtは温度Ttにより変化し、その関係は図9に示す抵抗-温度(R-T)曲線で表される。抵抗体11は、実施例1に示したカロリメータ同様、外部制御回路18により、電流、また、電圧が供給され、TES4の温度Ttを制御する。
【0026】
その結果、問題となっていた入射放射線に対する応答速度を早くすることができ、高計数率を有するカロリメータを実現できる。応答速度は、外部制御回路および、その抵抗体11によって帰還される電力で変化する。
【0027】
本実施例によるカロリメータは、素子作製段階で抵抗体の抵抗値を任意に変化させることができ、かつ外部制御回路18で帰還量を制御することができる。そのため、応答速度の最適化が容易となる。
【0028】
大きな温度-抵抗変換係数を有するTESカロリメータに、温度制御用の抵抗体を備えることにより、高エネルギー分解能と高計数率を有するカロリメータを実現することができる。
【0029】
また、抵抗体11の抵抗値をTES4の常伝導状態における抵抗値より大きくすることにより、バイアス電流IbによるTES4自身でのジュール熱を大きくする。その結果,大きな熱量を帰還することができるため、温度の制御範囲を拡大させることができ、さらに、応答速度の向上が期待できる。
【0030】
また、抵抗体が超伝導状態と常伝導状態を持ち、その臨界温度が温度変換器の臨界温度より低い超伝導体とすることにより、抵抗体11を超伝導材料で作製することができる。作製条件を変えるだけで、TES4を構成する材料と同じもので抵抗体11を作製できる。
【0031】
また、抵抗体11に電流または電圧を加えることで、局所的にTES4の温度を上昇させることができるため、TES4を常伝導状態に転移させることが容易となる。
【0032】
また、臨界電流値の減少も容易となる。その結果、実用上の課題であった超伝導状態にあるTESを転移状態、および抵抗状態に転移させバイアス点への移動が容易となる。
(実施の形態3)
図3は本発明の第3実施例を示すカロリメータの構造図である。TESカロリメータは基板1上に作製され、放射線を吸収し、エネルギーを熱に変換する吸収体3と、吸収体3の温度Taを計測するための温度変換器である超伝導転移端センサ(Transition Edge Sensor: TES)4が薄膜メンブレン2上に形成されている。
【0033】
TES4には、電流、または、電圧を供給し、その抵抗値を読み出すための電極5が接続されている。吸収体の温度を制御するための抵抗体11がメンブレン2上に、吸収体3とTES4とともに形成されている。薄膜メンブレン2は、TES4と熱槽6の間に熱コンダクタンスgを有する熱リンクとして機能する。ここで、gに比べ、吸収体3とTES4との間の熱コンダクタンスは十分大きいと仮定し、吸収体3の温度 TaとTES4の温度 Ttは等しいものとしている。TES4には、電流、または、電圧を供給し、また、その抵抗値を読み出すための電極5が接続されている。TES4の抵抗値Rtは温度Ttにより変化し、その関係は図9に示す抵抗-温度(R-T)曲線で表される。抵抗体11は、実施例1に示したカロリメータ同様、外部制御回路18により、電力が供給され、TES4の温度Ttを制御する。
【0034】
抵抗体11をメンブレン2上に形成することにより、抵抗体11による温度制御を効率よく、TES4に伝えることができる。その結果、応答速度のさらなる向上が期待できる。また、実用上の課題であった超伝導状態にあるTESを転移状態、および抵抗状態に転移させバイアス点への移動が容易となる。
【0035】
(実施の形態4)
図4に、本発明の第4実施例を示す超伝導量子干渉素子(SQUID )を用いた読み出し回路を示す。本実施例において、実施例2、および実施例3のカロリーメータを駆動する。そして、図4には、カロリメータの構成要素のうち、TES4と抵抗体11のみが記載されている。入力コイルを磁気結合されたSQUID7がTES4に対して直列に接続されている。バイアス電流源9と、その電流値Ibを電圧に変換するバイアス抵抗(抵抗値Rb)10により、TE S4に電圧Vbを加える。バイアス抵抗10は、直列接続されているTES4とSQUID7に対して、並列に接続されている。SQUID7の出力端子を抵抗体11に接続し、SQUID7の出力VsをTES4に熱として帰還する。
【0036】
SQUID7の入力コイルに流れる電流ItをSQUID駆動回路8により測定する、そのときの電流変化は放射線のエネルギーに対応する。
【0037】
SQUID7の入力電流Itに対する出力電圧Vsの関係を図5に示す。SQUID駆動回路8により、SQUIDリング内の磁束を制御し、定常状態におけるTES電流It1のときの動作点を点Fの位置になるようにする。TES4の温度上昇によってTES電流Itは減少するため、 Itの減少とともに、抵抗体11に流す帰還電流Ifも減少するように帰還をかける。その結果、TESを早く定常状態に戻すことができる。
【0038】
本実施例により、外部から意図的に制御することなく、帰還がかかり、容易に応答速度の高速化が実現できる。
【0039】
(実施の形態5)
図6に、本発明の第5実施例を示す超伝導量子干渉素子(SQUID )を用いた読み出し回路を示す。本実施例において、実施例2、および実施例3のカロリーメータを駆動する。そして、図4には、カロリメータの構成要素のうち、TES4と抵抗体11のみが記載されている。入力コイルを磁気結合されたSQUID7がTES4に対して直列に接続されている。バイアス電流源9と、その電流値Ibを電圧に変換するバイアス抵抗(抵抗値Rb)10により、TES4に電圧Vbを加える。バイアス抵抗10は、直列接続されているTES4とSQUID7に対して、並列に接続されている。SQUID駆動回路8の出力電圧Voutに対応した電流を帰還回路12を介して抵抗体11に帰還する。SQUID7の入力コイルに流れる電流ItをS QUID駆動回路8により測定するSQUID7の入力コイルに流れる電流ItをSQUID駆動回路8により測定し、その値からTES4の抵抗値Rtを求める。そのときの電流変化は放射線のエネルギーに対応する。
【0040】
SQUID駆動回路8により、周期的に変化するSQUID出力を線形化でき、さらにダイナミックレンジを大きくする機能を加えることができる。その線形化され、ダイナミックレンジの大きな出力電圧Voutを使って、抵抗体11に帰還することにより、安定した帰還が可能になる。
【0041】
本実施例によるカロリメータの時定数τeff2は次の式で表される。
【0042】
【数2】
ここで、Cは吸収体の熱容量、gはカロリーメータから熱槽への熱コンダクタンス、nは定数(=3〜5)である。τoは固有時定数であり、C/gで表される。cは帰還率であり、帰還回路12によって決定される。If=c I tである。従来技術によるカロリメータの時定数τeff(数式1)と比較して、帰還率cと帰還抵抗Rfを調整することにより、応答速度が向上する。
【0043】
また、従来のTESカロリメータの課題であったRbに対してRoが大きい状態(Rb>Ro)で、ETFの効果が失われること点に対しては、帰還率cと帰還抵抗Rfを調整することにより、ETF効果の低下を抑制することができる。
【0044】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載される効果を有する。
【0045】
放射線のエネルギーを吸収し熱に変換する吸収体と、その吸収体の温度を計測するための温度変換器と、一定温度に保持されている熱槽との間の熱コンダクタンスを有する熱リンクなるカロリメータにおいて、吸収体の温度を制御するための抵抗体を備えることにより、入射放射線に対する応答速度を早くすることができ、高計数率を有するカロリメータを実現できる。さらに、素子作製段階で抵抗体の抵抗値を任意に変化させることができ、かつ外部制御回路で帰還量を制御することができるため、応答速度の最適化が容易となる効果を有する。
【0046】
また、吸収体と温度変換器と熱リンクと抵抗体が基板上に集積されており、熱リンクが基板の厚さより薄いメンブレン構造を持ち、その温度変換器が温度により超伝導状態と常伝導状態と中間の転移状態を持つ超伝導転移端センサ(Transition Edge Sensor: TES)からなり、かつ、吸収体と温度変換器を熱リンク上に形成された、温度変化に対して大きな抵抗変化を有するTESカロリメータに対して、温度制御用の抵抗体を備えることにより、高エネルギー分解能と高計数率を有するカロリメータを実現することができる。
【0047】
さらに、抵抗体の抵抗値をTESの常伝導状態における抵抗値より大きくすることにより、バイアス電流IbによるTES自身でのジュール熱を大きくすることができる。その結果,大きな熱量を帰還することができるため、温度の制御範囲を拡大させることができ、さらなる応答速度の向上が期待できる。
【0048】
また、抵抗体が超伝導状態と常伝導状態を持ち、その臨界温度が温度変換器の臨界温度より低い超伝導体とすることにより、抵抗体を作製するために、新たな材料を用いる必要をなくす効果が得られる。
【0049】
また、抵抗体に電流または電圧を加えることで、局所的にTESの温度を上昇させることができるため、実用上の課題であった超伝導状態にあるTESを転移状態、および抵抗状態に転移させバイアス点への移動が容易となる。
【0050】
また、吸収体と温度変換器とともに、抵抗体を熱リンク上に形成することにより、抵抗体による温度制御を効率よく、TESに伝えることができ、応答速度のさらなる向上が期待できる。また、TESの常伝導への転移がさらに容易となる。
【0051】
また、抵抗体の抵抗変化に対応した電流、または、電圧を前記抵抗体に帰還させることにより、外部から意図的に制御することなく、帰還がかかり、容易に応答速度の高速化が実現できる効果がある。
【0052】
また、抵抗体の抵抗変化を読み出すための外部駆動回路を備え、その外部駆動回路の出力に対応した電流、または、電圧を抵抗体に帰還させることにより、外部駆動回路による帰還率と帰還抵抗Rfを調整が可能となり、応答速度をさらに向上させる効果をもたらす。
【0053】
さらに、従来のTESカロリメータの課題であったRbに対してRoが大きい状態(Rb>Ro)で、ETFの効果が失われること点に対しては、帰還率cと帰還抵抗Rfを調整することにより、ETF効果の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示すカロリメータの構成図。
【図2】本発明の第2実施例を示すカロリメータの構造図。
【図3】本発明の第3実施例を示すカロリメータの構造図。
【図4】本発明の第4実施例を示す超伝導量子干渉素子(SQUID )を用いた読み出し回路の構成図。
【図5】 SQUIDの入力電流Itに対する出力電圧Vsの関係。
【図6】本発明の第5実施例を示す超伝導量子干渉素子(SQUID )を用いた読み出し回路の構成図。
【図7】従来例を示すTESカロリメータの構造図(上面図)。
【図8】従来例を示すTESカロリメータの構造図(断面図)。
【図9】 TESカロリメータの抵抗-温度( R-T )曲線。
【図10】超伝導量子干渉素子(SQUID )を用いた読み出し回路。
【図11】バイアス電流IbとSQUID7によって測定されたTES電流Itの関係。
【符号の説明】
1・・・基板
2・・・メンブレン
3・・・吸収体
4・・・超伝導転移端センサ(TES)
5・・・電極
6・・・熱槽
7・・・超伝導量子干渉素子(SQUID)
8・・・SQUID駆動回路
9・・・バイアス電流源
10・・・バイアス抵抗
11・・・抵抗体
12・・・帰還回路
13・・・熱リンク
14・・・温度変換器
17・・・読み出し回路
18・・・外部制御回路
19・・・入射放射線
Ib・・・バイアス電流
It・・・TES電流
If・・・帰還電流
Claims (4)
- 放射線のエネルギーを吸収し熱に変換する吸収体と、その吸収体の温度を計測するための温度変換器と、一定温度に保持されている熱槽との間の熱コンダクタンスを有する熱リンクと、からなるカロリメータにおいて、
電流、または、電圧が供給されることにより吸収体の温度を制御するための抵抗体を有し、
前記吸収体と前記温度変換器と前記熱リンクと前記抵抗体とが基板上に集積され、かつ前記基板の同一平面側に形成されており、
前記熱リンクが前記基板の厚さより薄いメンブレン構造を持ち、
前記温度変換器が温度により超伝導状態と常伝導状態と中間の転移状態を持つ超伝導転移端センサであり、
前記吸収体と前記温度変換器が前記熱リンク上に形成され、
前記抵抗体の抵抗値が、前記超伝導転移端センサの常伝導状態における抵抗値より大きいことを特徴とするカロリメータ。 - 請求項1記載のカロリメータにおいて、
前記抵抗体が前記熱リンク上に形成されていることを特徴とするカロリメータ。 - 請求項1または請求項2記載のカロリメータにおいて、
前記抵抗体が超伝導状態と常伝導状態を持ち、前記抵抗体の臨界温度が前記温度変換器の臨界温度より低い超伝導体であることを特徴とするカロリメータ。 - 請求項1から3のいずれか記載のカロリメータを用いた駆動方法において、
前記温度変換器の電流を読み出すための超伝導量子干渉素子を備え、前記超伝導量子干渉素子の出力に対応した電流、または、電圧を前記抵抗体に帰還させることを特徴とする駆動方法。
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