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JP4681794B2 - ナフサメルカプタン除去のための高温減圧 - Google Patents
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JP4681794B2 - ナフサメルカプタン除去のための高温減圧 - Google Patents

ナフサメルカプタン除去のための高温減圧 Download PDF

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Description

【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、1999年12月22日に出願された米国特許出願第09/470,267号の一部継続出願である。
【0002】
発明の分野
本発明は、メルカプタン除去のための高温減圧を組込んだナフサ水素化脱硫に関する。より詳しくは、本発明は、ナフサ水素化脱硫方法であって、脱硫反応器を出る高温ナフサがメルカプタンを含み、これらの大部分が高温ナフサを減圧するか、この高温ナフサを熱処理するか、これらの何れかの組合わせによって、オレフィン損失を伴なわずに除去される方法に関する。脱硫されたナフサは、冷却されて液体に凝縮され、気体HSから分離され、ストリッピングされ、モーガス(自動車ガソリン)プールに送られてもよい。
【0003】
発明の背景
自動車ガソリン(「モーガス」)の規格は、特に硫黄含量に関して、ますます厳しくなっている。将来の規制は、モーガスが約150wppm以下、30wppmまたはそれ未満の硫黄しか含まないことを要求するものと予測される。このような硫黄規格によって、モーガスプール用の低い硫黄ブレンド基材油の生産を必要とすることがある。モーガスプールにおける主要な硫黄源は、原油品質および流動接触分解(「FCC」)操作に応じて、1000〜7000wppmの範囲の硫黄含量を有するナフサを形成するための、重油、軽油等の流動接触分解に由来するブレンド基材油である。通常の固定床水素化脱硫は、FCCナフサの硫黄レベルを非常に低いレベルまで減少させることができるが、温度、圧力、および処理ガス速度の過酷な条件は、飽和による大規模なオレフィン損失によって相当なオクタン価損失を結果として生じる。ひどいオレフィン飽和およびオクタン損失を防ぐために、選択的かつ過酷な水素化脱硫方法が開発された。このような方法は、例えば米国特許第4,149,965号;第4,243,519号;第5,423,975号;第5,525,211号、および第5,906,730号に開示されている。しかしながら、これらの方法およびその他の方法では、水素化脱硫反応器において、放出されたHSは、保持されたオレフィンと反応してメルカプタン硫黄化合物を形成する。ナフサ原料中の硫黄およびオレフィンの量に応じて、これらの戻り反応生成物のメルカプタンの濃度は、一般的にはメルカプタン硫黄、ある場合には総硫黄についての燃料規格を超えている。
【0004】
例えば、ナフサの水素化脱硫の間に、原料は、高温および高圧条件において、水素化脱硫触媒の存在下に水素と反応する。これは、原料中の有機硫黄含有化合物中の硫黄をHSに転化し、高温の脱硫原料とHSとの混合物を形成する。しかしながら、水素化脱硫の間、形成されたHSは、脱硫されつつある原料がメルカプタンを含んでいるか、含んでいないかとは無関係に、原料中のオレフィンと反応してメルカプタンを形成する。脱硫の結果として形成された、これらのメルカプタンは、戻りメルカプタンと呼ばれる。
【0005】
一般に水素化脱硫生成物中に存在するメルカプタンは、原料中に見られるよりも高い炭素数を有することが発見された。反応器において形成され、かつ脱硫生成物中に存在する、これらの戻りメルカプタンは、一般的にはC4+メルカプタンを含んでいる。水素化脱硫ナフサ生成物のメルカプタンおよび/または総硫黄を、例えば、1)ジオレフィンを飽和するための原料の予備処理、2)水素化処理された生成物の抽出スイートニング、および、3)酸化剤、アルカリ基剤(base)、および触媒での生成物スイートニングによって減少させることが提案されている。しかしながら、これらの方法のどれも、メルカプタンを転化しない。
【0006】
したがって、ナフサオクタン価における望ましくない損失を伴なわずに、さらなる脱硫ナフサを供給するために、メルカプタン、特に戻りメルカプタンをHSおよびオレフィンに転化することが望ましい。
【0007】
発明の概要
本発明は、水素化脱硫されたナフサから、戻りメルカプタンを含むメルカプタンを除去するための高温減圧に関する。より詳しくは、本発明は、ナフサ脱硫方法であって、
(a)オレフィンと、有機硫黄化合物の形態にある硫黄とを含むナフサを水素化脱硫し、硫黄の減少したナフサ、HS、およびメルカプタンの高温混合物を含む水素化脱硫流出物を形成する工程、ついで
(b)前記水素化脱硫流出物の少なくとも一部分を急速に減圧して、メルカプタンの少なくとも一部分を分解し、より多くのHSと、さらに硫黄が減少した減圧ナフサとを形成する工程、を含む方法に関する。
【0008】
好ましい実施態様において、本発明は、さらに、HSを減圧ナフサから分離することを含む。
【0009】
減圧は、高温において実施されるが、これは一般的には、少なくとも水素化脱硫反応器を出る水素化脱硫されたナフサ流出物の温度である。この減圧は、飽和によるオレフィン損失を伴なわずにメルカプタンを除去し、脱硫ナフサにおけるオレフィンレベルを、減圧を伴なわない場合よりも、わずかに高い量(例えば、1vol%未満)にまで高めさえする。
【0010】
もう1つの実施態様において、本発明は、ナフサ脱硫方法であって、
(a)オレフィンと、有機硫黄化合物の形態にある硫黄とを含むナフサを水素化脱硫し、当初温度における水素化脱硫流出物を形成することにより、この流出物が、硫黄の減少したナフサ、HS、およびメルカプタンの高温混合物を含むものとし、ついで
(b)前記水素化脱硫流出物の少なくとも一部分を、実質的に一定の全圧において、当初温度よりも高い温度まで加熱して、メルカプタンの少なくとも一部分を分解し、より多くのHSと、さらに硫黄が減少した処理済みナフサとを形成する工程、を含む方法に関する。
【0011】
好ましい実施態様において、本発明は、さらに、HSを処理済みナフサから分離することを含む。
【0012】
1つの実施態様において、水素化脱硫流出物の少なくとも一部、より好ましくは実質的に全部が蒸気相にある。換言すれば、水素化脱硫工程の温度は、水素化脱硫反応器における露点よりも高くなるように制御される。
【0013】
減圧とは、水素化脱硫反応器における圧力の50%以下、好ましくは25%以下のレベルまで、より好ましくは、この反応器の出口末端部における圧力の10%以下のレベルまで、圧力を減少させることを意味する。絶対的な意味において、減圧後の圧力は、300psig以下、好ましくは200psig以下であろう。水素化脱硫反応器が、150psigまたはそれに満たない、かなり低い圧力において運転されているならば、減圧の結果生じる低圧は、好ましくは25psig未満であり、より好ましくは、ほぼ大気圧であろう。好ましくは、減圧は、減圧反応器または容器において、減圧温度で生じる。減圧は、ほぼ断熱的であろうから、減圧温度の減少を、その減圧中に観察することができる。その結果、減圧の開始の時に当初減圧温度であり、減圧工程の終わりの時に、より低い、好ましくは僅かに低い最終減圧温度となるであろう。便宜的に、減圧温度は、ここでは当初減圧温度のことを言う。減圧温度は、好ましくは水素化脱硫反応器を出る水素化脱硫ナフサの温度と同程度に維持されるが、これは少なくとも10°F、さらに好ましくはその温度よりも少なくとも25°F高いことがより好ましい。1つの実施態様において、水素化脱硫ナフサは、最終減圧温度が、減圧反応器におけるナフサの露点よりも高くなるのに十分なほど加熱される。1つ以上の水素化脱硫反応器が用いられるならば、減圧されるのは、一般的には最後の反応器からの流出物であろう。減圧は、水素化脱硫反応器または水素化脱硫域の下流で、一般的には別個の容器において、メルカプタン分解速度を増すのに効果的な触媒の存在を伴なって、または伴なわずに実施される。減圧中に触媒が存在するならば、ナフサ炭化水素のコーキングを防ぐために、水素の存在が好ましい。この方法は、オレフィンおよび硫黄含量が高いナフサ原料の場合に、特に価値のあるオクタンのためにオレフィン保持が重要であるような、ガソリン用として有用なナフサの場合に特に有用である。
【0014】
詳細な説明
本発明は、部分的には、水素化脱硫流出物、すなわち水素化脱硫によって生成された水素化脱硫ナフサとHSとの高温混合物の圧力を急速に低下させることによって、水素化脱硫ナフサにおけるメルカプタンレベルを、残留オレフィンを飽和させずに実質的に減少させることができる、という発見に基づいている。さらには、この減圧の結果として、減圧ナフサと比べてオレフィン含量のわずかな増加が生じうる。何らかの理論あるいはモデルに結び付けたいわけではないが、比較的低い圧力によって、さらなるオレフィン損失を伴なわずに、戻りメルカプタンの少なくとも一部分および脱硫ナフサに存在する、その他のあらゆるメルカプタンを、HSと硫黄を含まない炭化水素とに戻す分解を促進すると考えられる。
【0015】
同様に、全気相系の減圧に加えて、メルカプタン分解は、水素化脱硫流出物の全圧を実質的に一定に維持しつつ、熱処理によって促進することができることも発見された。何らかの理論あるいはモデルに結び付けたいわけではないが、水素化脱硫流出物におけるメルカプタン形成についての平衡定数は、約25℃の温度の増加毎に約40%減少する。水素化脱硫流出物の温度を約100℃増すと、結果として約85%の平衡定数の減少を生じるであろう。
【0016】
オレフィンおよび硫黄含有ナフサ原料は、好ましくは脱硫反応器における飽和によるオレフィン損失を最小限にするために、選択的に水素化脱硫される。減圧または加熱後、好ましくは反応器を出る脱硫ナフサのオレフィン含量と同程度のオレフィン含量を有するであろう。したがって、メルカプタンが除去され、オクタンにとって価値のあるオレフィンが保持される。ついで、減圧または加熱によって生成された脱硫ナフサは、このナフサを液体状態に凝縮するために冷却されてもよく、ついで、凝縮ナフサは気体HSから分離され、ストリッピングされ、一般的にはブレンドのためにモーガスプールに導入される。メルカプタンを水素化脱硫流出物から除去するために、減圧、加熱、またはこれらの何れかの組合わせを用いることによって、水素化脱硫工程は、水素化脱硫の同じ全体的レベルを達成しつつ、ナフサオレフィン含量を保持するために、より低い過酷度において操作を行なうことができる。高い水素化脱硫過酷度でさえ、このプロセスの第二工程によって、メルカプタン戻りを介して分解されたオレフィンのうちの、いくらかの回収が可能になる。
【0017】
脱硫されることになる典型的なナフサ原料における有機硫黄化合物は、メルカプタン硫黄化合物(RSH)、硫化物(RSR)、二硫化物(RSSR)、チオフェン、その他の環式硫黄化合物、および芳香族単一および縮合環化合物を含んでいる。ナフサ原料中に存在するメルカプタンは、一般的には、1〜3個の(C〜C)炭素原子を有する。水素化脱硫プロセスの間、原料中のメルカプタンは、水素との反応、HSおよびパラフィンの形成によって除去される。有機硫黄化合物の除去からの、水素化脱硫反応器において生成されたHSは、オレフィンと反応して、新たなメルカプタン(すなわち戻りメルカプタン)を形成すると考えられる。
【0018】
考察したように、ナフサは、水素化脱硫工程への原料として用いることができる。あらゆるナフサを用いることができるが、典型的なナフサ原料には、接触分解および熱分解ナフサが含まれる。ナフサは、1つまたはそれ以上の石油処理装置から得ることができる。例えば適切なナフサ原料は、1つまたはそれ以上のFCC装置、コーカー、蒸気分解器等から得ることができる。このナフサは、「全範囲(full range)」ナフサであってもよいが、このナフサは使用前に、例えばナフサスプリッターにおいて分離されてもよい。分離されたナフサ、例えばワイドカットナフサ、軽質接触ナフサ、中間接触ナフサ、および重質接触ナフサが用いられてもよい。かなりのオレフィンおよび硫黄濃度を有する分解ナフサ、例えば中間接触ナフサが特に有用な原料であろう。したがって、1つの実施態様において、ナフサ原料は、1つまたはそれ以上の分解ナフサであり、これにはその留分も含まれ、最終沸点が一般的には450°F未満であり、一般的には60vol%またはそれ以下のオレフィン系炭化水素を含み、硫黄レベルは3000wppm、およびそれ以上(例えば7000wppm)の高さでさえある。ナフサ原料、好ましくは、分解ナフサ原料は、一般にパラフィン、ナフテン、および芳香族のみならず、不飽和物、例えば開鎖および環式オレフィン、ジエン、およびオレフィン側鎖を有する環式炭化水素も含んでいる。典型的な分解ナフサ原料のオレフィン含量は幅広く、5〜60vol%であるが、より一般的には10〜40vol%である。本発明の実施において、ナフサ原料のオレフィン含量は、少なくとも15vol%、より好ましくは少なくとも25vol%であるのが好ましい。ナフサ原料の硫黄含量は、総原料組成物を基準にして、一般的には1wt%未満であり、より一般的には0.05wt%と低いものから約0.7wt%と高いものまでの範囲にある。しかしながら、接触分解ナフサおよび本発明の選択的脱硫方法における原料として有用な、その他の高硫黄含量ナフサの場合、硫黄含量は幅広く、0.1〜0.7wt%、より一般的には約0.15wt%〜約0.7wt%であってもよく、0.2〜0.7wt%が好ましく、0.3〜0.7wt%がさらに好ましい。原料の窒素含量は、一般に約5wppm〜約500wppm、より一般的には約20wppm〜約200wppmであろうが、好ましい方法は、原料中の窒素の存在に対して敏感でない。
【0019】
このプロセスにおける第一工程として、ナフサは、硫黄を除去するために水素化脱硫されるか、あるいは水素処理される。水素化脱硫は、水素化処理または水素精製と呼ばれることがあり、一般的には硫黄に加えて窒素および、その他のヘテロ原子も除去する。1つの実施態様において、水素化脱硫は、主として硫黄除去への選択性があるのが好ましい。ナフサ水素化脱硫に用いられる操作条件は、通常のものでもよく、温度、全圧、および処理ガス比が含まれ、これは幅広く、約400〜約800°F、約60〜約2000psig、および約200〜約5000scf/bの範囲にある。空間速度は、一般的には、原料の容積を基準にして触媒1容積あたり、1時間につき約0.1〜約10LHSVである。約500〜750°F、および60〜300psigの比較的高い温度および比較的低い圧力を含むより狭い条件が、約2000〜4000scf/bの処理ガス比と共に、多くの場合、硫黄除去に対してより選択的であることが発見された。比較的高い温度および比較的低い圧力は、水素化脱硫により、小さいオレフィン飽和(すなわちオクタン価損失)を与えることによって選択率を改良する。
【0020】
通常の水素化脱硫(「HDS」)触媒が用いられよう。通常のHDS触媒には、少なくとも1つの第VIII族金属触媒成分、例えばCo、Ni、およびFeを、単独で、またはあらゆる適切な高表面積の無機金属酸化物担体物質、例えば非限定的にアルミナ、シリカ、チタニア、マグネシア、シリカ−アルミナ等の上に沈着された、第VI族、第IA族、第IIA族、第IB族金属および、これらの混合物から選ばれる少なくとも1つの金属成分と組合わされたものが含まれる。第VIII族金属成分は、一般的にはCo、Ni、またはFe、より好ましくはCoおよび/またはNi、最も好ましくはCoの1つの成分;および高表面積沈着成分、例えばアルミナと複合されているか、その上に沈着された少なくとも1つの第VI族金属触媒成分、好ましくはMoまたはW、最も好ましくはMoを含む。ここで言及されている周期表の族は、すべて、「Sargent−Welchの元素周期表(Sargent−Welch Periodic Table of the Elements)」、1968年の版権、Sargent−Welch著、Scientific Company社発行、にみられるような族を意味する。1つまたはそれ以上のゼオライト成分を用いた触媒もある。PdまたはPtの貴金属成分も用いられる。少なくとも一部および、より過酷に失活された触媒は、飽和によるオレフィン損失がより少なく、硫黄除去において、より選択的であることが分かった。本発明の実施において、水素化脱硫触媒は、適切な触媒担体上の、第VIII族金属の少なくとも1つの第VIII族非貴金属触媒成分、および第VIB族の少なくとも1つの金属を含むのが好ましい。好ましい第VIII族金属にはCoおよびNiが含まれ、好ましい第VIB族金属にはMoおよびWが含まれる。高表面積の無機金属酸化物担体物質、例えば非限定的にはアルミナ、シリカ、チタニア、マグネシア、シリカ−アルミナ等が好ましく、アルミナ、シリカ、シリカ−アルミナが特に好ましい。金属濃度は、一般的には通常の水素処理触媒中に存在するものであり、総触媒重量を基準にして、金属酸化物の約1〜30wt%、より一般的には触媒金属成分の酸化物が約10〜25wt%の範囲であってもよい。触媒は、よく知られた通常の方法によって、現場で予備硫化または硫化されてもよい。
【0021】
1つの実施態様において、Co/Mo原子比が0.1〜1.0である、担体上のCoOおよびMoOを含む低金属充填量のHDS触媒が、深い脱硫および硫黄除去への高い選択性には特に好ましい。低金属充填されているとは、触媒が総触媒重量を基準として、それらの酸化物として計算された触媒金属を12wt%以下、好ましくは10wt%以下、より好ましくは8wt%以下含むという意味である。このような触媒は、(a)総触媒の約1〜10wt%、好ましくは2〜8wt%、より好ましくは4〜6wt%のMoO濃度;(b)総触媒重量を基準として0.1〜5wt%、好ましくは0.5〜4wt%、より好ましくは1〜3wt%のCoO濃度のものを含む。触媒は、また、(i)Co/Mo原子比が0.1〜1.0、好ましくは0.20〜0.80、より好ましくは0.25〜0.72;(ii)細孔直径中央値が60〜200Å、好ましくは75〜175Å、より好ましくは80〜150Å;(iii)MoO表面濃度が0.5×10−4〜3×10−4g.MoO/m、好ましくは0.75×10−4〜2.4×10−4、より好ましくは1×10−4〜2×10−4;および(iv)平均粒子サイズ直径が2.0mm未満、好ましくは1.6mm未満、より好ましくは1.4mm未満のものも有する。最も好ましい触媒は、また、「硫化モリブデンの構造と特性 酸素化学吸着と水素化脱硫活性との相関」(Structure and Properties of Molybdenum Sulfide:Correlation of O Chemisorption with Hydrodesulfurization Activity),S.J.Tausterら著,Journal of Catalysis,63,p.515−519(1980)に記載されている酸素吸着試験によって測定された、高度の金属硫化物エッジ面積も有する。この文献は、参照してここに組込まれるものとする。酸素化学吸着テストは、酸素パルスがキャリヤーガスストリームに添加され、したがって、触媒床を迅速に横断するように行なわれたエッジ面積測定を含んでいる。したがって、金属硫化物エッジ面積は、酸素化学吸着によって測定された場合、約761〜2800、好ましくは1000〜2200、より好ましくは1200〜2000μモル酸素/グラムMoOである。アルミナが好ましい担体である。高度の金属硫化物エッジ面積を有する触媒の場合、マグネシアも同様に用いることができる。触媒担体物質または成分は、好ましくは1wt%未満の汚染物質、例えばFe、硫酸塩、シリカ、および触媒の調製中に存在することがある様々な金属酸化物を含む。触媒は、このような汚染物質を含まないことが好ましい。1つの実施態様において、触媒は、また担体中に添加剤を5wt%まで、好ましくは0.5〜4wt%、より好ましくは1〜3wt%含んでいてもよい。この添加剤は、リンおよび第IA族の金属(アルカリ金属)または金属酸化物から成る群から選ばれる。
【0022】
1つまたはそれ以上の触媒金属は、あらゆる適切な通常の手段によって、例えば第VIB族および第VIII族金属の熱分解可能な塩を用いた含浸によって、または当業者に知られているその他の方法、例えばイオン交換によって、担体上に組込んで沈着させることができるが、含浸方法が好ましい。適切な水性含浸溶液には、硝酸塩、アンモニア処理酸化物、蟻酸塩、酢酸塩等が含まれるが、これらに限定されるわけではない。触媒金属水素添加成分の含浸は、初期湿潤、水性または有機媒質からの含浸、複合によって用いることもできる。初期湿潤におけるような含浸が、各含浸後の乾燥および焼成を伴って、または伴わずに一般的に用いられる。焼成は、一般に500〜1200°Fの温度において空気中で実施されるが、800〜1100°Fの温度が典型的である。
【0023】
水素化脱硫工程に続いて、水素化脱硫流出物の少なくとも一部分が、メルカプタン、特に戻りメルカプタンを除去するために、さらに第二工程で処理される。考察したように、第二工程は、水素化脱硫流出物の減圧、または実質的に一定の圧力における水素化脱硫流出物の加熱を含んでいてもよい。1つの実施態様によれば、このプロセスは、水素化脱硫流出物の少なくとも一部分が、蒸気相において第一工程から第二工程に直接導入され、第一工程の発熱HDS反応において生成された熱の一部分が第二工程で用いられるような統合プロセスである。
【0024】
高温減圧が用いられる時、メルカプタン硫黄化合物は、流出物のナフサ成分における実質的なオレフィン損失を伴わずに、水素化脱硫流出物から除去することができる。減圧は、一般的には接触ナフサ水素化脱硫プロセスの下流で用いられる。ここにおいてメルカプタンは、本質的に反応器において形成されたHSと、ナフサ原料中に存在するオレフィンとの反応によって生成される。前記のように、減圧温度は、一般的には水素化脱硫反応器から出る水素化脱硫ナフサの温度とほぼ同じであり、好ましくは大体その温度より低くないであろう。好ましくは、水素化脱硫流出物は蒸気相にある。水素化脱硫ナフサからのメルカプタン除去の効率は、高度に温度依存性であり、減圧温度の増加と共に高まる。したがって、何らかのメルカプタン除去は、水素化脱硫反応器を出る脱硫ナフサの温度よりも低い温度で生じるが、これは、より高い温度において除去される量ほど多くはないであろう。減圧は、一般的には水素化脱硫反応器の下流の減圧容器において行なわれる。何らかの理論に結び付けたいわけではないが、減圧中のメルカプタン分解は、平衡反応速度におけるシフトの結果生じると考えられる。換言すれば、メルカプタンが「RSH」として表わされるならば、その場合には、一定温度におけるメルカプタン戻り反応率、オレフィン+HS→RSHは、kオレフィンH2S(ここにおいて、kは、二次速度定数であり、PオレフィンおよびPH2Sは、それぞれオレフィンおよびHSの分圧である)に等しい。メルカプタン分解率、すなわちRSH→オレフィン+HSは、k−1RSH(ここにおいて、k−1は、一次速度定数であり、PRSHは、RSHの分圧である)に等しい。平衡においてメルカプタン戻り率は、メルカプタン分解率に等しいか、kオレフィンH2S=k−1RSHである。したがって、平衡定数keqは、k/k−1であり、これはPRSH/PオレフィンH2Sに等しい。分母が二次であるので、減圧から結果として生じる濃度効果は、PRSHを減少させる傾向があるであろう。
【0025】
メルカプタンを転化するために、水素化脱硫流出物の加熱が用いられる時、気相ナフサストリームは、接触水素化脱硫プロセスの下流で加熱され、ここにおいてメルカプタンは、本質的に反応器において形成されたHSと、ナフサ原料中に存在するオレフィンとの反応によって生成される。考察したように、水素化脱硫流出物におけるメルカプタン形成についての平衡定数は、約25℃の温度の増加毎に約40%減少する。水素化脱硫流出物の温度を約100℃増すと、結果として平衡定数の約85%の減少を生じるであろう。HDS反応器の水素化脱硫流出物は、水素化脱硫反応器の下流の炉で加熱されてもよい。今や高温である水素化脱硫流出物は、ついで触媒を含んでいてもよい断熱反応器に導入される。理論などに結び付けたいわけではないが、たとえkとk−1との両方が温度と共に増加しても、平衡率Keqは、温度増加と共に減少すると考えられる。その結果、温度増加はRSH種の分解を増すであろう。平衡率定数におけるこの減少は、加熱中におけるギブズ関数の変化の評価によって確認される。ギブズ関数の変化(「ΔG」)は、ΔG=ΔH−TΔSの関係式によって、この反応の温度、エントロピー、およびエンタルピーと関連付けられる。Keqの温度依存性は、この式を、ΔGに関するKeqについての式、ΔG=−RTLn(Keq)と関連させることによって評価することができ、Ln(Keq)=−(ΔH−TΔS)/RT、または−(ΔH/RT)+(ΔS/R)を生じる。これは、平衡定数の温度依存性について、よく知られたファントホッフの関係式である。第一項に対する反応の発熱性の影響、および第二項への加熱の効果を考慮すると、Keqに対する加熱の逆の関係は、今や明らかである。
【0026】
減圧の場合のように、流出物は、加熱後に熱力学的平衡に達するのに十分な時間を容器において有していなければならない。滞留時間は、約0.5秒〜約10分であってもよく、より幅広い温度変化には比較的長い時間が用いられる。好ましい実施態様において、流出物は、流出物の容積を基準にして容器の1容積あたり1時間につき、約2〜約8LHSVの範囲内の容器空間速度において反応器を流通するにつれて、約0℃〜約100℃の最終温度まで加熱される。
【0027】
図1および図2は、それぞれ減圧および加熱を用いた好ましい実施態様を例示している。ナフサ脱硫プロセス装置10の構成図フローシートである図1を参照すると、本発明の1つの実施態様では、水素化脱硫反応器12、減圧容器14、分離器16、アミンスクラビング容器18、およびストリッパー20を備えている。同様に熱交換器22、および圧縮機24も示されている。例示を目的とすれば、2000wppm総硫黄および30容積%オレフィンを含む気化硫黄およびオレフィンを含有する中間ナフサ原料は、接触分解装置(図示されていない)から反応器12の頂部へ、ライン26および28を経て送られる。このような中間接触ナフサは、例えばナフサスプリッターから得られてもよく、約120°F〜約160°Fの典型的な下方沸点と、約240°F〜約350°Fの典型的な上方沸点とを有する。ナフサは、例えば炉または熱交換器において、水素化脱硫の前に予備加熱されてもよい。熱交換器が用いられる場合、これは、スプリッターで分離されたその他の種、例えば重質接触ナフサおよび軽質接触ナフサを用いて、中間接触ナフサを加熱してもよい。同時に、新鮮な水素または水素処理ガスも、回収されて再循環された実質的に硫黄を含まない未反応水素と共に、ライン30を経て反応器の頂部に送られる。反応器12は、脱硫触媒の1つ、またはそれ以上の固定床34を含んでいる。1つまたはそれ以上のこれらの床は、1つ以上の脱硫触媒を含んでいてもよく、含んでいなくてもよい。反応器内の温度、全圧、空間速度、および処理ガス比は、それぞれ525〜650°F、200〜300psig、2〜8LHSV、および1000〜2000scf/bである。反応器出口における水素分圧は、一般的には約100psig〜約200psigである。触媒は、アルミナ上のCoおよびMoを含み、飽和によるオレフィン損失の減少に対して、全部で12wt%以下の低い触媒金属充填を有する一方で、高いレベルの総脱硫を維持する。しかしながら、本発明は、低い金属充填水素化脱硫触媒の使用に限定されるものではない。水素は、水素化脱硫触媒の存在下に硫黄化合物と反応し、硫黄をHSとして除去することによってナフサを脱硫する。HDS反応器を出る脱硫流出物は、メルカプタン含有硫黄減少ナフサ、未反応水素、およびHSを含む混合物、好ましくは気体混合物である。流出物中のナフサは、好ましくは420wppm総硫黄、および85wppmメルカプタン硫黄の平衡レベルを含む。オレフィン損失は、ナフサ臭素価における18%減少として表わされる。
【0028】
メルカプタンを除去するための、第二工程における水素化脱硫流出物のさらなる処理は、考察したように、(i)水素化脱硫流出物の急速減圧、および(ii)それらの加熱、のうちの少なくとも1つによって行なわれてもよい。急速減圧が用いられる時、水素化脱硫流出物の少なくとも一部分は、HDS反応器の下流末端における温度および圧力において、HDS反応器の下流末端(すなわち底部)から出て、ライン36を経て減圧容器14の中に入る。減圧容器において、混合物の圧力は、水素化脱硫反応器における出口最終圧力の約10%のレベルまで低下される。例えば水素化脱硫反応器内の出口末端部における圧力が300psigであるならば、混合物は、容器14において約30psigまで減圧される。減圧容器における30psigでの蒸気の滞留時間は約1秒であり、ライン38を経て容器の底部から出る気体混合物は、今やメルカプタン硫黄における10倍減少の場合、約8.5のメルカプタン硫黄含量を有する。減圧容器において必要とされる滞留時間は、この容器において触媒が使用されているかどうかに応じ、かつ低圧で熱力学的に平衡させるために、この系に対して要求される時間の長さに応じる。一般に滞留時間は、約0.5秒〜数分に維持されるべきであり、より大きい減圧は、より長い滞留時間を必要とする。触媒が用いられる時、滞留時間は、数秒またはそれ以下である方がよく、一方、触媒が用いられないならば、より長い滞留時間が必要とされることがある。通常の減圧とは、減圧を生じるために背圧調節器またはジュールバルブを用いることができるようなものを意味する。
【0029】
好ましい実施態様において、水素化処理流出物は、高圧部位から低圧部位まで連続的に流れる。約100〜約300psigの範囲にある全差圧の場合、滞留時間は、約2〜約8LHSVの範囲の容器空間速度に対して直接計算されてもよい。この場合、容器LHSVは、容器容積あたり1時間についての流出物の容積を基準にしている。
【0030】
図2は、メルカプタン除去のために水素化脱硫流出物の加熱が用いられる時に用いることができる、同様なフローシートを例示している。水素化脱硫工程は、減圧、加熱、またはこれらの何らかの組合わせによるメルカプタン除去のために、同様な、あるいは同一でさえある条件下に操作されてもよいことに注目すべきである。加熱について、ここで図2を参照すると、HDS反応器12の下流末端部における温度および圧力での水素化脱硫流出物の少なくとも一部分は、反応器の底部から出て、ライン36を経て、炉21の中に入る。炉21において、流出物は、反応器12の出口温度よりも少なくとも25℃、好ましくは少なくとも50℃、最も好ましくは少なくとも100℃高い温度まで加熱される。ついで高温混合物は、ライン37を経て、高温メルカプタン分解反応器14に送られる。100℃高い温度において、混合物のメルカプタン含量は、約85%減少される。メルカプタンが減少した混合物は、ライン38を経て出て行き、ついで熱交換器22において冷却される。この熱交換器は、混合物を38℃まで冷却し、これによってナフサを液体に凝縮し、メルカプタンの再形成を防ぐ。この発明のもう1つの実施態様において、出口ストリームから除去された熱は、反応器12または反応器14への原料を加熱するために用いることができる。
【0031】
好ましい実施態様において、追加の水素処理ガスは、例えば処理ガスを主HDS反応器12への原料に、または炉21の前に反応器12からの出口混合物中に添加することによって、このプロセスにおいて用いられてもよい。この追加処理ガスは、結果としてメルカプタン、硫化水素、およびオレフィンの比較的低い分圧を生じ、これによって分解を高める。
【0032】
ここで図1または図2のどちらかを参照すると、反応器60の下流末端部を出る処理済み流出物は、熱交換器22を通過する。この熱交換器は、これを100°Fの温度まで冷却し、これによってナフサを液体に凝縮し、メルカプタンの再形成を防ぐ。液体ナフサ、未反応水素、反応器12において生成された軽質(例えば約C4−)炭化水素蒸気、およびHSの混合物は、ライン40を経て分離容器16に入る。この容器は、この実施態様において、単一ドラム分離器である。この分離器において液体ナフサは、ガスおよび蒸気から分離され、ライン42を経て分離器から引き出され、ストリッパー20の頂部に入る。メタンストリッピングガスは、ライン44を経てストリッパーの底部に入り、脱硫ナフサから、あらゆる溶解HSをストリッピングする。ストリッピングされた清浄な液体ナフサは、ライン46を経てストリッパーの底部から除去されてもよく、例えば保存、および更なる処理のために、このプロセスからモーガスブレンドプールへ導入されてもよい。HS含有メタンストリッピングガスは、ライン47を経てストリッパーの頂部から除去される。HSおよび未反応水素を含む分離されたガス及び蒸気流出物は、ライン48を経て分離器から除去され、スクラバー18の中に入り、ここにおいて、ライン50を経て頂部に入る水性アミン溶液は、未反応水素および残留蒸気からHSを除去する。HSを含むアミン溶液は、ライン52を経てスクラバーの底部を出て、硫黄除去およびアミン回収のために、例えばクラウスプラントに送られてもよい。スクラビングされた水素リッチな脱硫ガスは、スクラバーの頂部から除去され、ライン54、圧縮機24、およびライン30および28を経て、反応器12に戻るように再循環されてもよい。
【0033】
もう1つの実施態様、すなわち減圧あるいは高温流出物処理に関連して用いられる好ましい実施態様において、減圧または高温容器は、触媒床60を有する。これは、メルカプタンをHSおよびオレフィンに戻す触媒物質を含んでいる。これは、減圧容器におけるナフサ滞留時間を実質的に減少させ、これによって、より小さい容器の使用を可能にする。このプロセスに適した触媒物質には、高温において硫黄および水素に抵抗力があり、かつ水素添加活性をほとんど、またはまったく有していない耐火金属酸化物が含まれる。これらの物質の例示的ではあるが非限定的な例には、中性およびアルカリ性物質、例えばアルミナ、シリカ、結晶質および非晶質の両方のシリカ−アルミナ、リン酸アルミニウム、チタニア、酸化マグネシウム、アルカリおよびアルカリ土類金属酸化物、アルカリ金属酸化物、アルミナ上に沈着された酸化マグネシウム、酸性度を除去するためにナトリウムとイオン交換されたフォージャサイト、およびアンモニウムイオン処理されたリン酸アルミニウムが含まれる。
【0034】
本発明のプロセスとの単純な対照として、図3は、従来のナフサ脱硫プロセス装置100の構成図フローシートである。便宜上、同じ機能を果たしている両方の図面に共通な容器およびラインは、同じ数字を用いた。図3を参照すると、プロセス図式は、減圧容器14およびライン38が存在しないこと以外は同じである。したがって、脱硫反応器12を出るナフサは、図1に示されている本発明のプロセスの部分と同じ特性を有する。しかしながら、ライン46を経てモーガスプールに行くナフサにおける総硫黄、メルカプタン硫黄、およびオレフィンレベルは、ライン36のものと依然として同じである。これらは420wppm総硫黄、および85wppmメルカプタン硫黄である。オレフィン損失は、両方の場合に同じである。
【0035】
本発明は、下記実施例を参照すれば、よりよく理解されるであろう。
【0036】
実施例
実施例1
この実験では、火炎イオン化検出器(FID)と、シーバース(Sievers)硫黄化学ルミネセンス検出器(SCD)との両方を備えたオンラインHP6890ガスクロマトグラフ(GC)を備えている固定床の下降流気相マイクロ反応器において、HSおよび2−ペンテンの熱およびアルミナ触媒反応率を調べた。非触媒熱反応の場合、反応器を約33ccの低表面積クアーズビーズ(Coors Beads)で満たした。これらは、反応に対して本質的に不活性である。アルミナ触媒反応の場合、2ccのクアーズビーズを、2ccのγ−アルミナ(Ketjen)と代えた。両方の反応についての結果を図4に示す。これらの結果は、水素化脱硫触媒用として良く知られ、広く用いられている担体である単純ガンマアルミナが、約480°Fよりも高い温度において、本質的に平衡な混合物、HSおよびメルカプタンを生成するのに効果的な触媒であることを示している。これに対して、HSとオレフィンとの非触媒反応は、有意に遅い速度で進行する。これらの結果は、ナフサ水素化脱硫において形成された戻りメルカプタンの実質的にすべてが、水素化脱硫反応器それ自体において生じるのであって、反応器の下流で生じるのではないことを証明している。
【0037】
実施例2
実施例1において用いたものと同じマイクロ反応器を、この実験においても用いた。この実験では、2−メチル−2−ブテン(22psi)と、HS(1.75psi)とを、435°F、215psia、および20LHSVにおいてγ−アルミナの存在下に反応させた。これは、反応器から2−メチル−2−ブテンチオールの平衡レベルを生じるのに適切である。反応器流出物を15〜20psiaまで減圧し、高温(公称338°F)移送ラインの中に入れ、このラインで、これを分析のためにGCに送った。反応器蒸気流出物への窒素の添加によって、移送ラインにおける流出物の滞留時間の調節が可能になった。したがって、蒸気中への窒素流の増加によって、滞留時間が減少したが、その逆も同様であった。図5は、移送ライン中における反応器蒸気流出物の相対的滞留時間の関数としての、GC中のメルカプタン量のグラフである。1100wppm硫黄は、減圧前に反応器から出る時の、ナフサのメルカプタン硫黄含量である。これらのデータは、ナフサのメルカプタン硫黄含量の減少への減圧の効果を証明している。
【0038】
実施例3
一連の触媒物質を、メルカプタンを親オレフィン、および硫化水素に分解する能力について調べた。これらの物質には、γ−アルミナ、クアーズビーズ、LZY−52(NaY)、Cl/γ−アルミナ、NH−AlPO、およびMgO/Alが含まれる。γ−アルミナは、約170m/gの表面積を有する商用γ−アルミナであった。アルミナ上の1.2wt%のClを、アルミナ上の塩化アンモニウム含浸、ついで高温焼成によって調製した。LZY−52は、商品として入手しうるナトリウム交換Y−フォージャサイトであったが、一方、MgO/Alは、500℃でマグネシウムアルミネートハイドロタルサイトを焼成して調製した。析出したリン酸アルミニウムを、800℃においてアンモニアで予備処理されたリン酸アルミニウム(NH−AlPO)と共に評価した。アルミナ上の酸化ナトリウム(3wt%Na−Al)は、アルミナを硝酸ナトリウムで含浸し、ついで400℃で焼成することによって調製した。
【0039】
1−ヘプタンチオールの形態にある2000wppm硫黄のメルカプタン分解に対する触媒活性を測定した。1−ヘプタンチオールを、67wt%のm−キシレンと33wt%の1−オクテンとの溶液中に溶解した。さらに、ベンゾチオフェンの形態における500wppmの硫黄の分解に対する触媒活性を、比較のために対照標準として測定した。これらのテストは、200℃および300℃で、全蒸気相、上昇流マイクロ反応器において実施した。すべてのテストの場合、反応器における圧力を50psigに維持し、水素処理ガス(100%H)比は、5000scf/bであり、液体毎時空間速度は1であった。反応器流出物を冷却して、室温および圧力の標準条件において液体である液体反応生成物に凝縮させた。これらの生成物は、火炎イオン化検出器と硫黄ルミネセンス検出器(FID)との両方を利用する高解像毛管ガスクロマトグラフィーを用いて分析した。200℃における結果を表1に示し、300℃における結果を表2に示す。パーセントC−SH転化とは、1−ヘプタンチオールのモルパーセント分解のことを言い、これはHSに戻るメルカプタン分解に対する触媒活性を反映している。
【0040】
S、オクチルメルカプタン(CSH)、およびヘプチルオクチル硫化物(C−S−C)への選択率パーセントは、それぞれ、(i)HSに転化されたか、(ii)オクチルメルカプタンを形成するために原料オクテンに移送されたか、あるいは(iii)ヘプチルオクチル硫化物を形成するために原料オクテンを加える、ヘプタンチオール硫黄のモル%を反映している。所望の反応は、HSの形成である。これらの2つの表におけるデータが示しているように、中性または塩基性であると考えられている物質は、HSへのより完全な有機硫黄分解において反映されているような優れた性能を与える。FIDによって測定された時、検出可能なオレフィン飽和は、触媒のどれに対しても全く検出できなかった。
【0041】
【表1】
Figure 0004681794
【0042】
【表2】
Figure 0004681794
【0043】
本発明の実施において、様々なその他の実施態様および修正は、前記本発明の範囲および精神から逸脱することなく、当業者には明らかであろうし、当業者によって容易になされうると理解される。したがって、ここに添付された特許請求の範囲の範囲は、上に開示されている正確な記載に限定されるためのものではなく、むしろ特許請求の範囲は、本発明に存在する特許性のある新規性の特徴のすべてを包含すると考えられる。これらには、本発明が属する技術の業者によって、これらと同等のものと扱われるすべての特徴および実施態様が含まれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 水素化脱硫流出物の急速減圧を含む、本発明の1つの実施態様によるナフサ脱硫プロセスの構成図フローシートである。
【図2】 水素化脱硫流出物の加熱を含む、本発明の1つの実施態様によるナフサ脱硫プロセスの構成図フローシートである。
【図3】 従来のナフサ脱硫プロセスの構成図フローシートである。
【図4】 温度の関数としての、オレフィンへのHS添加の効果を例証するグラフである。
【図5】 減圧下の時間の関数としての、メルカプタン分解のグラフである。

Claims (25)

  1. (a)オレフィンと、有機硫黄化合物の形態にある硫黄とを含むナフサを水素化脱硫し、工程(a)での温度における水素化脱硫流出物を形成することにより、この水素化脱硫流出物が工程(a)での圧力において硫黄の減少したナフサ、HS、およびメルカプタンの高温混合物を含むものとする工程、および
    (b)前記水素化脱硫流出物の少なくとも一部分を減圧時間の間に、減圧して、メルカプタンの少なくとも一部分を分解し、より多くのHSとさらに硫黄が減少した減圧ナフサとを形成する工程、
    を含むことを特徴とするナフサ脱硫方法。
  2. 前記水素化脱硫が、接触水素化脱硫条件下において、触媒的有効量の水素化脱硫触媒の存在下に実施され、前記水素化脱硫触媒が、少なくとも1つの第VIII族触媒金属成分と担体成分とを含み、前記ナフサ原料が少なくとも0.1wt%の硫黄を含むことを特徴とする、請求項1に記載のナフサ脱硫方法。
  3. 前記高温混合物が、工程(a)での圧力の50%以下の最終圧力まで減圧され、減圧温度が工程(a)での温度よりも低くなく、減圧時間は流出物が最終圧力において熱力学的平衡に達するのに十分なものであることを特徴とする、請求項1に記載のナフサ脱硫方法。
  4. 前記触媒金属成分が、少なくとも1つの第VIII族金属と少なくとも1つの第VI族金属とを含むことを特徴とする、請求項2に記載のナフサ脱硫方法。
  5. 前記HSを前記減圧ナフサから分離する工程をさらに含むことを特徴とする、請求項2に記載のナフサ脱硫方法。
  6. 前記水素化脱硫触媒が、CoおよびMo触媒金属成分を含み、前記ナフサ原料が、有機硫黄化合物の形態にある0.1〜0.7wt%の硫黄と、5〜60vol%のオレフィンとを含むことを特徴とする請求項5に記載のナフサ脱硫方法。
  7. 前記最終圧力がほぼ大気圧〜300psigであり、前記減圧時間が0.5秒〜10分であることを特徴とする、請求項に記載のナフサ脱硫方法。
  8. 減圧温度が、工程(a)での温度よりも大きいことを特徴とする請求項3に記載のナフサ脱硫方法。
  9. CoOおよびMoOとして計算された、前記CoおよびMo触媒金属成分の総量が、前記触媒の総重量の12wt%以下であることを特徴とする、請求項8に記載のナフサ脱硫方法。
  10. 前記メルカプタンのHSへの分解を触媒するのに効果的な量にある第二触媒の存在下において、前記減圧を実施する工程をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のナフサ脱硫方法。
  11. 前記第二触媒は、少なくとも1つの中性またはアルカリ性金属酸化物を含むことを特徴とする、請求項10に記載のナフサ脱硫方法。
  12. 前記水素化脱硫条件は、204.4℃(400°F)426.7℃(800°Fの温度、60〜2000psigの圧力、0.1〜10の空間速度、および200〜5000scf/bの水素処理ガス比を含むことを特徴とする、請求項1に記載のナフサ脱硫方法。
  13. 前記減圧の間に水素が存在することを特徴とする、請求項11に記載のナフサ脱硫方法。
  14. 前記第二触媒が、アルミナであることを特徴とする請求項11に記載のナフサ脱硫方法。
  15. 前記第二触媒が、水素添加機能を有していないことを特徴とする請求項11に記載のナフサ脱硫方法。
  16. (a)オレフィンと、有機硫黄化合物の形態にある硫黄とを含むナフサを水素化脱硫し、工程(a)での温度における水素化脱硫流出物を形成することにより、この水素化脱硫流出物が硫黄の減少したナフサ、HS、およびメルカプタンの高温混合物を含むものとする工程、および
    (b)実質的に一定の全圧において、工程(a)での温度よりも高い最終温度まで前記水素化脱硫流出物の少なくとも一部分を加熱し、加熱時間の間に、メルカプタンの少なくとも一部分を分解して、より多くのHSとさらに硫黄が減少した処理済みナフサとを形成する工程、
    を含むことを特徴とするナフサ脱硫方法。
  17. 前記HSを前記処理済みナフサから分離する工程をさらに含むことを特徴とする、請求項16に記載のナフサ脱硫方法。
  18. 前記水素化脱硫が、接触水素化脱硫条件下において触媒的有効量の水素化脱硫触媒の存在下に実施され、前記水素化脱硫触媒が、少なくとも1つの第VIII族触媒金属成分と担体成分とを含み、前記ナフサ原料が少なくとも0.1wt%の硫黄を含むことを特徴とする、請求項17に記載のナフサ脱硫方法。
  19. 前記触媒金属成分が、少なくとも1つの第VIII族金属と、少なくとも1つの第VI族金属とを含むことを特徴とする請求項18に記載のナフサ脱硫方法。
  20. 前記水素化脱硫触媒が、CoおよびMo触媒金属成分を含み、前記ナフサ原料が、有機硫黄化合物の形態にある0.1〜0.7wt%の硫黄と、5〜60vol%のオレフィンとを含むことを特徴とする請求項16に記載のナフサ脱硫方法。
  21. 前記最終温度が工程(a)での温度よりも0℃〜100℃高く、前記加熱時間が0.5秒〜10分であることを特徴とする、請求項16に記載のナフサ脱硫方法。
  22. CoOおよびMoOとして計算された、前記CoおよびMo触媒金属成分の総量が、前記触媒の総重量の12wt%以下であることを特徴とする、請求項20に記載のナフサ脱硫方法。
  23. 前記メルカプタンのHSへの分解を触媒するのに効果的な量にある第二触媒の存在下において、前記加熱を実施する工程をさらに含むことを特徴とする請求項16に記載のナフサ脱硫方法。
  24. 前記第二触媒は、少なくとも1つの中性またはアルカリ性金属酸化物を含むことを特徴とする、請求項23に記載のナフサ脱硫方法。
  25. 前記水素化脱硫条件は、204.4℃(400°F)426.7℃(800°Fの温度、60〜2000psigの圧力、0.1〜10の空間速度、および200〜5000scf/bの水素処理ガス比を含むことを特徴とする、請求項18に記載のナフサ脱硫方法。
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