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JP4684582B2 - 廃棄物最終処分場における覆土構造 - Google Patents
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JP4684582B2 - 廃棄物最終処分場における覆土構造 - Google Patents

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本発明は、廃棄物最終処分場の覆土構造に関するものである。
廃棄物最終処分場においては、埋め立てられた廃棄物が適切に分解し、安定化するように図る必要があり、かつ、廃棄物の飛散防止と腐敗防止などのために埋め立てた廃棄物が表層に露出しないように廃棄物の表面に最終的に覆土等の表層を形成するようにしている。この表層を形成する最終覆土工法としては、一般の土砂などによる覆土工法または遮水シートやアスファルトなどの遮水基材を用いたキャッピング工法が選択的に用いられている。
前記覆土工法には、従来、例えば、地盤材料のみによるキャピラリーバリア効果を利用する構造がある。これは、上層に細粒土、下層に粗粒土の2層構造として、保水性の差異すなわちpF値の差異(pF値;細粒土>粗粒土)および勾配を設けることで、上層の細粒土の保水力が限界高さまでは側方排水を促進させ、廃棄物層への浸透量を制御するものである。
しかしながら、このような地盤材料のみによるキャピラリーバリア構造においては、一定の降雨強度以内ではバリア効果が保たれるが、図5のグラフに示すように、降雨強度が一定の値を超過すると、下部砂層へ浸透が開始され、降雨量(降雨強度)が増すほど下部への浸透率(降雨強度に対する下部への浸透量の比)も大きくなり、かつその相関関係もバラツキが大きいため、この構造を用いて廃棄物層への浸透量を制御することは容易ではない。
また、この構造の施工を行うに際しては、細粒土層、粗粒土層の組合わせにはフィルター基準等による材料の選定が重要となり、現地発生土を使用する場合は、篩い分け等の前処理をする必要があり、施工手間が多くなる。
さらに、施工時に多少の不陸などが境界部に生じると、そこを基点としてキャピラリー効果が破られ一挙に浸透が進むことになるうえ、施工後においても水分の移動とともに細粒土層の材料が粗粒土層へ移動し、粒径が混合することにより十分なキャピラリーバリア効果が発揮されない可能性がある。
一方、開孔シートを通気性防水シートとして利用することがあるが、これは廃棄物を早期安定化させるためには、適度の水と空気の循環が必要であるためであり、通気性防水シートを利用することで覆土全面より通気され、ガスの移動が容易となる利点がある。これに対して、遮水シートでは通水部分である開口部のみで通気されることになる。
そして、通気性防水シートを敷設する方法は、通常の降雨強度(10mm/h程度)に対しては通気性防水シート自体にキャピラリーバリア機能があり、側方への排水効率が大きく、廃棄物層へ浸透せず、適度な水分量を供給することができない。この場合の降雨強度に対する下部への浸透率(降雨強度に対する下部への浸透量の比)の関係は、図6のグラフに示すように地盤材料のみの構造と同様に正の相関性があり、かつ浸透率の値はバラツキが大きく、廃棄物層への浸透量を制御することが困難である。
ここで、廃棄物最終処分場の埋立地に埋め立てた廃棄物の表面に最終的に覆土等の表層を形成するに際し、この表層を透水性を有する部分と、遮水性または難透水性を有する部分とが混在するように形成するようにした廃棄物最終処分場の最終覆土工法がある(例えば特許文献1参照)。
これは、透水性を有する部分と、遮水性または難透水性を有する部分とを、帯状に交互に形成するとともに、全ての遮水性または難透水性を有する部分を傾斜面に形成し、かつ、その下縁にそって排水施設を設け、遮水性または難透水性を有する部分に降った雨水を地表水として埋立地外に排水するようにしたものであり、透水性を有する部分と遮水性または難透水性を有する部分の比率を、降雨量に応じて可変にできるようにしている。
また、廃棄物処分場において雨水の浸透量を調節する方法もある(例えば、特許文献2,3参照)。
特許文献2に記載の技術は、廃棄物処分場において、埋立完了した廃棄物の上面を覆う所定厚み、かつ所定透水係数の浸透調節層と、浸透調節層上に設置された雨水貯留槽と、貯留槽上を覆う最終覆土層とを備え、貯留槽の底面には適宜開口率で小孔を形成し、降雨により覆土層を通過して貯留槽内に一時貯留された雨水が小孔および浸透調節層を通じて順次所定水量で廃棄物内に浸透させるようにしたものである。
特許文献3に記載の技術は、廃棄物処分場において、埋立完了した廃棄物の上面に、処分場の中央から周縁に至るにつれて傾斜する勾配の最終覆土を施し、覆土上を遮水シートで覆うとともに、遮水シートに所定の開口率で複数のスリットないし小孔を開け、該スリットないし小孔を通じて遮水シート上に降り注ぐ降雨の一部を覆土を通じて廃棄物内に浸透させるものである。
特許第3354920号公報 特開平2004−73907号公報 特開平2004−73908号公報
前記特許第3354920号公報に記載の技術は、透水性を有する部分については、一般の土砂などによる覆土工法を採用して施工し、遮水性または難透水性を有する部分については遮水シートやアスファルトなどの遮水基材を用いたキャッピング工法を採用したり、粘度などの難透水性材料により覆土するなどの方法を採用するものであり、これらを交互に帯状、S字状、波縞状、山折れの縞模様状などの形態に施工する必要がある。
よって、覆土工法とキャッピング工法との異なる工法で同時に、または交互に施工することになり、施工性がよくない。しかも、遮水性または難透水性を有する部分だけを傾斜面に形成するものであるため、さらに施工性のよくないものになっている。
また、特許文献2、3に記載の技術は、廃棄物への雨水の浸透量を調節できるものではあるが、特許文献2はそのための構造として貯留槽の設置を必要とし、設備全体が大掛かりなものになる。
特許文献3は、遮水シートを敷設するだけですむが、覆土構造として遮水シートが最上層になり、露出するため、そのままでは埋立地を緑化して公園などとして利用することができない。
本発明の目的は前記従来例の不都合を解消するものとして、表層を細粒土層と粗粒土層の2層で形成する場合に、さらにキャピラリーバリア機能を備えるシートを敷設するだけの簡単な構造で通気性と防水性を確実なものにでき、このシートに通水機能をさらに付与することで下部廃棄物層への雨水の浸透量を制御でき、覆土に現地発生土の使用も可能であり、安定した覆土を得ることのできる廃棄物最終処分場の覆土構造を提供することにある。
本発明は前記目的を達成するものとして、請求項1記載の発明は、廃棄物最終処分場の埋立地に埋め立てた廃棄物の表面に覆土などの表層を形成するに際し、この表層を透水性を有する部分と、遮水性を有する部分とが混在するように形成する廃棄物最終処分場の覆土構造において、廃棄物層の上に勾配をもたせて形成する粗粒土層と、この粗粒土層の上に敷設されて、点在する複数の小孔により形成される通水部を設けた通気性防水シートと、この通気性防水シートの上に形成される細粒土層とで構成することを要旨とするものである。
請求項1記載の本発明によれば、通気性防水シートに、点在する複数の小孔により形成される通水部を設けることで、キャピラリーバリア機能を備えたシートに通水機能が付与されることになり、基本的な機能である防水性と通気性を確保し、覆土全面よりガスの移動を容易にしつつ、廃棄物層への雨水の浸透率を一定のものに保持できる。また、勾配を設けることで、シート上部の水の側方への排水が促進され下部への浸透を防止できる。
さらに、シート自体が有するキャピラリーバリア効果により、細粒土層と粗粒土層とが仮に同一の透水性を有する材料になっても、基本的機能である通気性と防水性とを確保できる。よって、細粒土層と粗粒土層に特別な土質材料を使用する必要もなく、現地発生土の使用が可能となる。
また、通気性防水シートの敷設により、細粒土層の材料が粗粒土層へ移動することを抑止でき、さらに細粒土層と粗粒土層との境界部に多少の不当沈下などによる不陸が発生してもキャピラリーバリア効果に影響は少なく、土構造のみの場合に比較して安定性の高い覆土構造となる。そして、細粒土層と粗粒土層との境界部も安定するから、施工後も安定した勾配を維持できる。
請求項2記載の発明は、前記粗粒土層および細粒土層は、現地発生土を使用することを要旨とするものである。
請求項2記載の本発明によれば、現地発生土を使用する場合であっても、前記シートがキャピラリーバリア機能を有しているから、前処理としての粒度調整などを行う必要がなく、また、特別な土質材料を持ち込む必要もなく、施工性が向上する。
請求項3記載の発明は、前記小孔は、降雨量の5〜15%の水が流入する面積に形成することを要旨とするものである。
請求項3記載の本発明によれば、小孔の大きさや数などによって、開口部の面積を設定できるから、この開口率により下方の廃棄物層へ雨水の浸透量を適切なものに制御できる。
請求項4記載の発明は、前記小孔は千鳥状に配置することを要旨とするものである。
請求項4記載の本発明によれば、小孔を千鳥状に配置することで、下方の廃棄物層へ雨水の浸透量を一定のものに制御できる。
請求項5記載の発明は、前記小孔は、開口縁に鉛直な立ち上げ部を形成することを要旨とするものである。
請求項5記載の本発明によれば、上部覆土層内の鉛直浸透水のみを小孔の開口内に浸入させて下方に浸透させることができ、また、シート表面を流れる水は小孔から下方に浸透することが阻止されるから、小孔の開口部の面積のみで下方への浸透量を確実に制御できる。
請求項6記載の発明は、前記立ち上げ部の頂部を円弧状に形成したことを要旨とするものである。
請求項6記載の本発明によれば、立ち上げ部の頂部を円弧状に形成することで、排水の流れがスムーズになり、小孔内に流入する水量を確実に制御できる。
以上述べたように本発明の廃棄物最終処分場における覆土構造は、表層を細粒土層と粗粒土層の2層で形成する場合に、さらにキャピラリーバリア機能を備えるシートを敷設するだけの簡単な構造で通気性と防水性を確実なものにでき、覆土構造を安定したものにでき、このシートに通水機能をさらに付与することで下部廃棄物層への雨水の浸透量を制御でき、覆土に現地発生土の使用も可能であり、安定した覆土を得ることのできるものである。
以下、図面について本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は本発明の廃棄物最終処分場における覆土構造の実施形態を示す縦断正面図、図2は同上要部である通気性防水シートの平面図で、本発明の覆土構造は基本構成として廃棄物層1の上に勾配をもたせて形成する粗粒土層2と、この粗粒土層2の上に敷設されて、点在する複数の小孔5により形成される通水部を設けた通気性防水シート3と、この通気性防水シート3の上に形成される細粒土層4とで構成する。
廃棄物層1は、産業廃棄物や一般廃棄物を焼却した焼却灰や不燃物などである。この上に形成する粗粒土層2、砂層などによる細粒土層4はともに現地発生土を使用し、いずれも粒度調整は特に必要としない。
通気性防水シート3には、前記のように通水部として、複数の小孔5を点在させて形成するが、この小孔5は開口5aの開口縁に鉛直方向に突出する立ち上がり部6を設け、その頂部は例えば円弧状に形成して立ち上がり部6の全体形状を小山状に形成する。
小孔5の開口率(通気性防水シート3の面積に対する開口5aによる通水部分の比)は、キャピラリーバリア効果を確保するためには、降雨量に対して所定の浸透率が得られるよう、例えば開口部分の面積比で0.1〜数%程度に設定し、開口面積も降雨量の10%程度(望ましくは降雨量の5〜15%)が流入する程度に設定する。また、複数の小孔5は千鳥状に配置する。なお、小孔5の数や大きさ、すなわち開口率や開口面積、さらには立ち上がり部6の高さは、これを適宜調整することで降雨強度に対する廃棄物層への雨水の浸透率を一定のものとし、季節によって降雨量(降雨強度)の変動が大きい地域において、廃棄物層への雨水の浸透量の管理を可能とした。立ち上がり部6の高さ調整は細粒土層4の細粒分に応じて行う。
図3、図4は下記の表1に示すように小孔5の開口率や突出高を異ならせた場合の、各ケースごとの浸透率を示す。
Figure 0004684582
特に、覆土構造において、低勾配で浸透量を制御できるから、覆土材料の容積を小さくすることが可能である。
以上のようにして構成した覆土に降雨があると、雨水は上層の細粒土層4に浸透し、ここで保水される。保水能力が限界に達すると、その下方の通気性防水シート3の表面に流下し、この上を勾配にそって流れ、側部から排水される。この通気性防水シート3の表面に浸透した雨水は、シート上を流れるとき立ち上がり部6により小孔5の開口5a内に流入することはない。よって、通気性防水シート3のキャピラリーバリア効果によって、この雨水が下方の粗粒土層2に浸透することはない。
一方、小孔5内には鉛直方向の雨水のみが流入し、この浸透水のみが下方の粗粒土層2に浸透し、さらにその下方の廃棄物層1に浸透する。この場合、小孔5は千鳥状に配置されているから、水みちにより局所的に浸透しやすい領域や浸透しにくい領域が発生しても安定して水分を供給でき、また、前記のように浸透量を調整することで、降雨強度にかかわらず廃棄物層1への浸透量を一定に維持できるから(図3のグラフ参照)、年間を通じて一定量の水を供給できる。
そして、粗粒土層2と細粒土層4との間には、通気性防水シート3が介在するから、境界部が安定し、施工後も設定した勾配が維持され、細粒土層4から粗粒土層2への土粒子の移動が抑制されて、多少の地盤沈下が発生してもキャピラリーバリアがブレイクされることが阻止され、安定性の高い覆土構造となる。
本発明の廃棄物最終処分場における覆土構造の実施形態を示す縦断正面図である。 本発明の廃棄物最終処分場における覆土構造の実施形態を示す要部である部分的通水機能を備えた通気性防水シートの平面図である。 本発明の廃棄物最終処分場における覆土構造の実施形態を示す雨水の浸透率を示すグラフである。 本発明の廃棄物最終処分場における覆土構造の他の実施形態を示す雨水の浸透率を示すグラフである。 従来の土質材料のみによる廃棄物最終処理覆土による雨水の透水率を示すグラフである。 従来の通気性防水シートのみによる廃棄物最終処理覆土による雨水の透水率を示すグラフである。
符号の説明
1 廃棄物層 2 粗粒土層
3 通気性防水シート 4 細粒土層
5 小孔 5a 開口
6 立ち上がり部

Claims (6)

  1. 廃棄物最終処分場の埋立地に埋め立てた廃棄物の表面に覆土などの表層を形成するに際し、この表層を透水性を有する部分と、遮水性を有する部分とが混在するように形成する廃棄物最終処分場の覆土構造において、廃棄物層の上に勾配をもたせて形成する粗粒土層と、この粗粒土層の上に敷設されて、点在する複数の小孔により形成される通水部を設けた通気性防水シートと、この通気性防水シートの上に形成される細粒土層とで構成することを特徴とする廃棄物最終処分場における覆土構造。
  2. 前記粗粒土層および細粒土層は、現地発生土を使用することを特徴とする請求項1記載の廃棄物最終処分場における覆土構造。
  3. 前記小孔は、降雨量の5〜15%の水が流入する面積に形成することを特徴とする請求項1に記載の廃棄物最終処分場における覆土構造。
  4. 前記小孔は千鳥状に配置することを特徴とする請求項1または請求項3に記載の廃棄物最終処分場における最終覆土構造。
  5. 前記小孔は、開口縁に鉛直な立ち上げ部を形成することを特徴とした請求項1、請求項3または請求項4に記載の廃棄物最終処分場における覆土構造。
  6. 前記立ち上げ部の頂部を円弧状に形成したことを特徴とする請求項5記載の廃棄物最終処分場における覆土構造。
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