JP4689780B2 - ガスバリア性フィルムおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はガスバリア性に優れた熱可塑性樹脂フィルムおよびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリアミド、ポリエステル等の熱可塑性樹脂フィルムは強度、透明性、成形性、ガスバリア性に優れていることから、包装材料として幅広い用途に使用されている。しかしながら、レトルト処理食品等の長期間の保存性が求められる用途に用いる場合には、さらに高度なガスバリア性が要求される。
【0003】
ガスバリア性を改良するために、これらの熱可塑性樹脂フィルムの表面にポリ塩化ビニリデン(PVDC)を積層したフィルムが食品包装等に幅広く使用されてきたが、PVDCは焼却時に酸性ガス等の有機物質を発生するため、近年環境への関心が高まるとともに他材料への移行が強く望まれている。
【0004】
PVDCに変わる材料として、ポリビニルアルコール(PVA)は有毒ガスの発生もなく、低湿度雰囲気下でのガスバリア性も高いが、湿度が高くなるにつれて急激にガスバリア性が低下し、水分を含む食品等の包装には用いることができない場合が多い。
【0005】
PVAの高湿度下でのガスバリア性の低下を改善したフィルムとして、ビニルアルコールとエチレンの共重合体(EVOH)からなるフィルムが知られているが、高湿度下でのガスバリア性を実用レベルに維持するためにはエチレンの含有量をある程度高くする必要がある。EVOHをコーティング材料として用いる場合には有機溶媒または水と有機溶媒の混合溶媒を用いて溶解させることが必要であり、環境問題の観点からも望ましくなく、また有機溶媒の回収工程などを必要とするため、コスト高になるという問題がある。
【0006】
水溶性のポリマーからなる液状組成物をフィルムにコートし、高湿度下でも高いガスバリア性を発現させる方法として、PVAとポリアクリル酸またはポリメタクリル酸の部分中和物とからなる水溶液をフィルムにコートし熱処理することにより、両ポリマーをエステル結合により架橋する方法が提案されているが(特開10-237180号公報)、この方法ではエステル化を十分に進行させて、フィルムのガスバリア性を高めるためには高温で長時間の加熱が必要であり生産性に問題があった。
【0007】
一方、従来よりマレイン酸単位を含有するポリマーがPVAや多糖類などの水酸基と反応して耐水化されることは広く知られている。例えば、特開平8―66991号公報には、イソブチレン−マレイン酸共重合体の25〜50%部分中和物とPVAからなる層が優れた耐水性を有することが示されている。また、特開昭49−1649号公報にはPVAにアルキルビニルエーテル−マレイン酸共重合体を混合することによりPVAのフィルムを耐水化する方法が述べられている。
【0008】
ところで、耐水化(すなわち非水溶化)とガスバリア性は異なる性質であり、一般的にポリマー分子を架橋することにより耐水化されるが、ガスバリア性は酸素等の比較的小さな分子の侵入や拡散を防ぐ性質であり、単にポリマーを架橋してもガスバリア性が得られるとは限らず、たとえば、エポキシ樹脂やフェノール樹脂などの三次元架橋性ポリマーはガスバリア性を有していない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、上記のような問題に対して、高湿度下でも高いガスバリア性を維持することができる熱可塑性樹脂フィルム、およびそれを工業的に安価に製造できる方法を提供しょうとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意研究の結果、特定の樹脂組成物をフィルムの表面に積層することにより上記の課題が解決できることを見出し本発明に到達した。
すなわち本発明の要旨は、次のとおりである。
(1)熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも片面に、ポリビニルアルコール(A)とアルキルビニルエーテル−マレイン酸共重合体(B)の、重量比が97/3〜20/80の混合物からなるガスバリア層が形成されたフィルムであって、前記ガスバリア層の20℃、85%RHにおける酸素透過係数が1000ml・μm/m2・day・MPa以下であるガスバリア性フィルム。
(2)ポリビニルアルコール(A)とアルキルビニルエーテル−マレイン酸共重合体(B)の重量比が97/3〜20/80の混合物に、(B)中のカルボキシル基に対して0.1〜20当量%のアルカリ化合物を混合した水溶液を、熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも片面にコーティングした後、150℃以上の温度で熱処理する上記(1)記載のガスバリア性フィルムの製造方法。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0012】
本発明において用いられる熱可塑性樹脂フィルムとしては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46等のポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート等のポリエステル樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン樹脂またはそれらの混合物よりなるフィルムまたはそれらのフィルムの積層体が挙げられ、未延伸フィルムでも延伸フィルムでもよい。
【0013】
フィルムを製造する方法としては、熱可塑性樹脂を押出機で加熱、溶融してTダイより押し出し、冷却ロールなどにより冷却固化させて未延伸フィルムを得るか、もしくは円形ダイより押し出して水冷あるいは空冷により固化させて未延伸フィルムを得る。延伸フィルムを製造する場合は、未延伸フィルムを一旦巻き取った後、または連続して同時2軸延伸法または逐次2軸延伸法により延伸する方法が好ましい。フィルムの機械的特性や厚み均一性などの性能面からはTダイによるフラット式製膜法とテンター延伸法を組み合わせる方法が好ましい。
【0014】
本発明におけるポリビニルアルコール(A)とアルキルビニルエーテル−マレイン酸共重合体(B)の重量比は97/3〜20/80、好ましくは、90/10〜40/60の範囲であることが必要である。この範囲を外れる場合には、特に高湿度雰囲気下でのフィルムのガスバリア性の発現のために有効な架橋密度を得ることができず、本発明の目的とするガスバリア性フィルムを得ることができない。
【0015】
本発明において用いられるポリビニルアルコール(A){ポリマー(A)}は、ビニルエステルの重合体を完全または部分ケン化するなどの公知の方法を用いて得ることができる。ビニルエステルとしては、ぎ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バーサチック酸ビニル等が挙げられ、中でも酢酸ビニルが工業的に最も好ましい。
【0016】
本発明の効果を損ねない範囲で、ビニルエステルに対し他のビニル化合物を共重合することも可能である。他のビニル系モノマーとしては、クロトン酸、アクリル酸、メタクリル酸等の不飽和モノカルボン酸およびそのエステル、塩、無水物、アミド、ニトリル類や、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸などの不飽和ジカルボン酸およびその塩、炭素数2〜30のα−オレフィン類、アルキルビニルエーテル類、ビニルピロリドン類などが挙げられる。
【0017】
本発明において、フィルム表面にガスバリア性を付与するために積層されるポリマーは水溶性とすることが生産上好ましく、疎水性の共重合成分を多量に含有させると水溶性が損なわれるので好ましくない。
また、積層されるポリマー(A)中のビニルアルコール単位の比率が低すぎると、マレイン酸共重合体(B)とのエステル結合反応率が低下し、本発明の目的とするガスバリアフィルムを得ることができない。そのためには、ポリマー(A)中のビニルアルコール単位が40モル%以上含有されていることが好ましい。
【0018】
なお、ケン化方法としては公知のアルカリケン化法や酸ケン化法を用いることができ、中でもメタノール中で水酸化アルカリを使用して加アルコール分解する方法が好ましい。
ケン化度は100%に近いほどガスバリア性の観点からは好ましいが、水溶液の温度が低くなるとゲル化する懸念があり、保存には温度管理が必要である。ケン化度を若干低下させて、例えば97%程度にすると溶液の安定性は格段に増し、またバリア性能の低下もほとんどないが、ケン化度が低すぎるとバリア性能が低下し、ポリマーの水溶性が失なわれてくる。好ましいケン化度は約80%以上である。
【0019】
次に、本発明において使用されるアルキルビニルエーテル−マレイン酸共重合体(B){ポリマー(B)}は、無水マレイン酸とアルキルビニルエーテルを溶液ラジカル重合などの公知の方法で重合することにより得られる。
アルキルビニルエーテルとしては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテルなどの炭素数3〜30までのアルキルビニルエーテル類が挙げられ、これらの混合物を用いることもできる。
ポリマー(B)としては、メチルビニルエーテル−マレイン酸共重合体が特に好ましい。
【0020】
また、ポリマー(B)には本発明の効果を損なわない範囲で他のビニル化合物を少量共重合することもできる。他のビニル化合物としては、たとえば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル等のアクリル酸エステル類、ギ酸ビニル、酢酸ビニルなどのビニルエステル類、スチレン、p−スチレンスルホン酸、エチレン、プロピレン、イソブチレンなどの炭素数2〜30のオレフィン類や、ポリマー(A)の水酸基などと反応する反応性基を有する化合物を挙げることができる。
【0021】
本発明におけるポリマー(B)中のマレイン酸単位は、10モル%以上含有することが好ましい。マレイン酸単位が10モル%より少ないと、ポリマー(A)中のビニルアルコール単位との反応による架橋構造の形成が不十分でありガスバリア性が低下する。
【0022】
なお、本発明で用いられるポリマー(B)中のマレイン酸単位は、乾燥状態では隣接カルボキシル基が脱水環化した無水マレイン酸構造となりやすく、湿潤時や水溶液中では開環してマレイン酸構造となる。
【0023】
本発明における、ポリマー(A)とポリマー(B)を混合して水溶液を調製する際には、ポリマー(B)中のカルボキシル基に対して0.1〜20当量%のアルカリ化合物を加えることが好ましい。
ポリマー(B)はそれ自身の親水性が高く、特にメチルビニルエーテル−マレイン酸共重合体は非常に水溶性に優れ、アルカリを添加しなくても水溶液にすることができるが、アルカリ化合物を適正量添加することにより、得られるフィルムのガスバリア性が格段に向上される。
アルカリ化合物としては、ポリマー(B)中のカルボキシル基を中和できるものであればよく、アルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物、水酸化アンモニウム、有機水酸化アンモニウム化合物等が挙げられる。
【0024】
水溶液の調整方法としては、撹拌機を備えた溶解釜等を用いて公知の方法で行えばよい。たとえば、ポリマー(A)とポリマー(B)を別々に水溶液とし、使用前に混合して用いる方法が好ましい。この時、アルカリ化合物をポリマー(B)の水溶液に加えておくことにより水溶液の安定性が向上する。
また、ポリマー(A)とポリマー(B)を溶解釜中の水に加えてもよいが、アルカリは最初に添加しておく方が溶解性がよい。
【0025】
本発明における、ポリマー(A)とポリマー(B)の混合物中に、バーミキュライトやモンモリロナイト、ヘクトライトなどの水膨潤性の層状無機化合物を少量添加することによって、得られるフィルムのガスバリア性をさらに向上させることができる。
【0026】
本発明のフィルムは、ポリマー(A)とポリマー(B)の混合溶液を作製し、これをフィルムの表面にコートした後、加熱乾燥することによって得られる。溶解性を高める目的や乾燥工程の短縮、溶液の安定性の改善などの目的により、水にアルコールや有機溶媒を少量添加することもできる。
また、本発明のフィルムのガスバリア性を高めるためには、ポリマー(A)とポリマー(B)間にエステル結合による架橋反応が起こることが必要であるが、架橋反応を促進させるために、酸などの触媒を添加することもできる。
【0027】
本発明におけるポリマー(A)とポリマー(B)からなる層の厚みは、フィルムのガスバリア性を十分高めるためには少なくとも0.1μmより厚くすることが望ましい。
また、ポリマー(A)とポリマー(B)からなる混合溶液をフィルムにコートする際のポリマー濃度は、液の粘度や反応性、用いる装置の仕様によって適宜変更されるものであるが、あまりに希薄な溶液ではガスバリア性を発現するのに充分な厚みの層をコートすることが困難となり、また、その後の乾燥工程において長時間を要するという問題を生じやすい。一方、溶液の濃度が高すぎると、混合操作や保存性などに問題を生じることがある。この様な観点から、ポリマー濃度は溶液全体の10〜50重量%の範囲にすることが好ましい。
【0028】
ポリマー(A)とポリマー(B)からなる混合溶液をフィルムにコーティングする方法は特に限定されないが、グラビアロールコーティング、リバースロールコーティング、ワイヤーバーコーティング等の通常の方法を用いることができる。またコーティングは、フィルムの延伸前に行ってもよく、また、延伸後のフィルムに行ってもよい。
延伸に先だってコーティングを行うには、まず未延伸フィルムにコーティングして乾燥した後、テンター式延伸機に供給してフィルムを走行方向と幅方向に同時に延伸(同時2軸延伸)、熱処理するか、あるいは、多段熱ロール等を用いてフィルムの走行方向に延伸を行った後にコーティングし、乾燥後、テンター式延伸機によって幅方向に延伸(逐次2軸延伸)してもよい。また、走行方向の延伸とテンターでの同時2軸延伸を組み合わせることも可能である。
また、延伸に先だってコーティングし、その後に延伸、熱処理を行う方法は延伸、熱処理時の高い温度を架橋反応に利用できるので好ましい方法である。
【0029】
本発明においては、フィルムの片面あるいは両面に形成された、ポリマー(A)とポリマー(B)を架橋反応させるために、温度150℃以上、好ましくは180℃以上の雰囲気で熱処理することが好ましい。
熱処理温度が低いと架橋反応を充分に進行させることができず、充分なガスバリア性を有するフィルムが得ることが困難になる。
【0030】
本発明においては、フィルムのガスバリア性は基材フィルムの種類や厚み、およびコート層の厚みにより変化するため、コート層自体の酸素透過係数を評価した。
酸素透過係数は、下記式より求めた。
1/QF=1/QB+L/PC
ただし、QF:コートフィルムの酸素透過度(ml/m2・day・MPa)
QB:熱可塑性樹脂フィルムの酸素透過度(ml/m2・day・MPa)
PC:コート層の酸素透過係数(ml・μm/m2・day・MPa)
L:コート層厚み(μm)
したがって、コートフィルムの酸素透過度は、PCおよびLが分かれば上式より見積もることができる。
【0031】
【作用】
コーティング液中のアルカリ化合物の作用については明らかではないが、アルカリにより部分的に中和することにより、アルキルビニルエーテル−マレイン酸共重合体(B)の溶解性が向上し、水溶液中で、ポリマー(A)とより均一に混合し、乾燥後も両ポリマーの緊密性が保たれていることによるものと考えられる。また、アルカリ化合物の量が多すぎる場合には、水酸基と反応したり、その反応の触媒として作用するカルボキシル基の活性が低下して架橋反応が起こりにくくなると考えられる。
【0032】
【実施例】
次に、本発明を実施例により具体的に説明する。
【0033】
酸素バリア性は、モコン社製酸素バリア測定器により20℃、相対湿度85%の雰囲気における酸素透過度を測定した。
また、コート層の酸素透過係数PCは、モコン社製酸素バリア測定器によりコートフィルムの20℃、相対湿度85%の雰囲気における酸素透過度QFを測定し、コートしていないフィルムの酸素透過度QB、未コートフィルムとコートフィルムの平均厚みの差から求めたコート厚みLとから、前記式を用いて算出した。
なお、厚み12μmのPETフィルムの酸素透過度は900ml/m2・day・MPa、また、厚み15μmのナイロン6フィルムの酸素透過度は400ml/m2・day・MPaとした。
【0034】
実施例1
ポリマー(A)として、ユニチカケミカル社製ポリビニルアルコールUF040G(ケン化度99.6%、平均重合度500)を純水に溶解し、10重量%の水溶液を得た。
ポリマー(B)としてInternational Specialty Products社製メチルビニルエーテル−マレイン酸の等モル共重合体GANTREZ AN119をカルボンキシル基に対して5モル%の水酸化ナトリウムを含む水溶液に溶解し10重量%溶液とした。次いでポリマー(A)とポリマー(B)の重量比が60/40となるように両水溶液を混合し、室温で撹拌してコート液を調製した。
このコート液を2軸延伸PETフィルム(ユニチカ社製エンブレットPET12、厚み12μm)上に乾燥後の塗膜厚みが約2μmになるようにメイヤーバーでコートし、100℃で2分間乾燥した後、200℃で60秒間熱処理した。
得られたフィルムの酸素透過度は45ml/m2・day・MPaと優れた値を示し、コート層の酸素透過係数は95ml/m2・day・MPaであった。
【0035】
比較例1
コート液としてPVA水溶液だけを用いて、実施例1と同様の操作を行った。得られたフィルムの酸素透過度は400ml/m2・day・MPaで食品包装フィルムに供するものとしてはガスバリア性が不足であり、これから見積もられるコート層の酸素透過係数は1440ml/m2・day・MPaであった。
【0036】
実施例2〜7、比較例2〜3
ポリマー(A)とポリマー(B)の混合比率、製造条件(中和度、熱処理温度および時間)、コート層の厚みを表1に示したように変更した以外は実施例1と同様にしてガスバリア性PETフィルムを得た。
得られたフィルムの酸素透過度及びコート層の酸素透過係数を表1に示した。
【0037】
実施例8
厚み15μmの2軸延伸ナイロン6フィルムを用い、ポリマー(A)とポリマー(B)の比率を70/30とした以外は、実施例1と同様にしてガスバリア性ナイロンフィルムを得た。
得られたフィルムの酸素透過度及びコート層の酸素透過係数を表1に示した。
【0038】
実施例9
ポリマー(A)として、ユニチカケミカル社製ポリビニルアルコール UF040G(ケン化度99.6%、平均重合度500)を純水に溶解し、20重量%の水溶液を得た。
ポリマー(B)として、International Specialty Products社製メチルビニルエーテル−無水マレイン酸の等モル共重合体 GANTREZ AN119をカルボン酸単位に対して5モル%の水酸化ナトリウムを含む水溶液に溶解し20重量%溶液とした。
次いで、ポリマー(A)とポリマー(B)の重量比が70/30となるように両水溶液を混合し、コート液を調製した。
次に、PET樹脂をTダイを備えた押出機(75mm径、L/Dが45の緩圧縮タイプ単軸スクリュー)を用いて、シンリンダー温度260℃、Tダイ温度280℃でシート状に押し出し、表面温度10℃に調節された冷却ロール上に密着させて急冷し、厚み120μmの未延伸フィルムとした。続いて、未延伸フィルムをグラビアロール式コーターに導き乾燥後のコート厚みが20μmになるようにコーティングし、80℃の熱風ドライヤー中で30秒間乾燥した。次に、フィルムをテンター式同時2軸延伸機に供給し、温度100℃で2秒間予熱した後、95℃で縦方向に3倍、横方向に3.5倍の倍率で延伸した。
さらに、横方向弛緩率5%で、200℃で15秒間の熱処理を行い、室温まで冷却後、延伸フィルムを巻き取った。
得られたフィルムの酸素透過度及びコート層の酸素透過係数を表1に示した。
【0039】
実施例10
ポリマー(A)とポリマー(B)の重量比を変更した以外は実施例8と同様にしてガスバリア性PETフィルムを得た。
得られたフィルムの酸素透過度及びコート層の酸素透過係数を表1に示した。
【0040】
実施例11
ナイロン6樹脂をTダイを備えた押出機(75mm径、L/Dが45の緩圧縮タイプ単軸スクリュー)を用いて、シンリンダー温度260℃、Tダイ温度270℃でシート状に押し出し、表面温度10℃に調節された冷却ロール上に密着させて急冷し、厚み150μmの未延伸フィルムとした。続いて、未延伸フィルムをグラビアロール式コーターに導き、乾燥後のコート厚みが20μmになるようにコーティングし、80℃の熱風ドライヤー中で30秒間乾燥した。次に、フィルムをテンター式同時2軸延伸機に供給し、温度100℃で2秒間予熱した後、170℃で縦方向に3倍、横方向に3.5倍の倍率で延伸した。次に、横方向弛緩率5%で、200℃で15秒間の熱処理を行い、室温まで冷却後延伸フィルムを巻き取った。
得られたフィルムの酸素透過度及びコート層の酸素透過係数を表1に示した。
【0041】
【表1】
【0042】
【発明の効果】
本発明によれば、高湿度下でも高いガスバリア性を有し、工業的に安価に製造することができる熱可塑性樹脂フィルムが提供される。
Claims (6)
- 熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも片面に、ポリビニルアルコール(A)とアルキルビニルエーテル−マレイン酸共重合体(B)の重量比が97/3〜20/80の混合物からなるガスバリア層が形成されたフィルムであって、前記ガスバリア層の20℃、85%RHにおける酸素透過係数が1000ml・μm/m2・day・MPa以下であるガスバリア性フィルム。
- ガスバリア層の20℃、85%RHにおける酸素透過係数が700ml・μm/m2・day・MPa以下である請求項1記載のガスバリア性フィルム。
- ポリエチレンテレフタレートフィルムの少なくとも片面に、ポリビニルアルコール(A)とアルキルビニルエーテル−マレイン酸共重合体(B)の重量比が97/3〜20/80の混合物からなるガスバリア層が形成されたフィルムであって、このフィルムの20℃、85%RHにおける酸素透過度が250ml/m2・day・MPa以下であるガスバリア性フィルム。
- ナイロン6フィルムの少なくとも片面に、ポリビニルアルコール(A)とアルキルビニルエーテル−マレイン酸共重合体(B)の重量比が97/3〜20/80の混合物からなるガスバリア層が形成されたフィルムであって、このフィルムの20℃、85%RHにおける酸素透過度が190ml/m2・day・MPa以下であるガスバリア性フィルム。
- ポリビニルアルコール(A)とアルキルビニルエーテル−マレイン酸共重合体(B)の重量比が97/3〜20/80の混合物に、(B)中のカルボキシル基に対して0.1〜20当量%のアルカリ化合物を混合した水溶液を、熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも片面にコーティングした後、150℃以上の温度で熱処理するガスバリア性フィルムの製造方法。
- 180℃以上の温度で熱処理する請求項5記載のガスバリア性フィルムの製造方法。
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