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JP4698317B2 - 跳弾防止装置 - Google Patents
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Description

この発明は、射撃場で射撃訓練の際に射撃標的を貫通した弾丸の跳弾を防止する装置に関する。
射撃場における射撃訓練の際に射撃標的を貫通した弾丸は、従来、布製の袋に砂を入れたいわゆる土嚢を標的周辺に積上げ、この土嚢に喰い込ませて跳弾を防止し、土嚢を撤去することにより弾丸の回収が行なわれていた。この方法では、射撃した弾丸の回収が困難で鉛害等の問題が生じ、又弾種により土嚢内部に停弾した銃弾は変形、粉砕され回収が困難である。土嚢内部に停弾した弾丸の回収には、土嚢を撤去し専用器具又は専用業者にて分離回収せねばならず、射撃場内での回収ができないからである。
又、回収には土嚢を全面撤去しなければならず、現実的にはそのような作業は無理であり、長期的に設置された土嚢より鉛成分が溶け出し鉛害を起した事例もある。さらに、室内の射撃場に対し壁面や天井面への全面配置も困難である。室内射撃場など限られたスペースの壁面に土嚢を配置した場合、射撃スペースを犠牲にせねばならず現実的でないこと、又天井面への配置もその構造から不可能だからである。
上述した土嚢を用いる方法に代えて銃弾の回収を容易にする装置及び方法が特許文献1により開示されている。この公報による銃弾回収装置は、銃弾入射方向の少なくとも前面に、銃弾貫通孔を閉塞する合成樹脂材またはゴム材料を設け、内部に銃弾を捕捉する砂が充填されたコンテナから成り、射撃場の標的の後方に設置されるというものである。そして、その回収方法は、上記コンテナを射撃場の標的の後方に設置し、射撃訓練後に、コンテナ内に充填された砂と共に、コンテナ内に撃ち込まれた銃弾をコンテナ外に排出し、銃弾を回収するという方法である。
上記コンテナに砂を充填して銃弾を捕捉するという装置は、実際の装置としてはコンテナを複数段積重ね、かつ安全のため銃弾の飛ぶ方向に複数組設置して用いられる。このような装置では、コンテナの前面を貫通した銃弾は砂によってコンテナ内に止まり、前面を貫通しても前面部材の収縮により砂の流出が防止される。しかし、捕捉された銃弾を回収する場合、コンテナを吊り上げ、底面の排出口を開放し、コンテナ内に充填された砂と共に、撃ち込まれた銃弾をコンテナ外に排出して、その砂の中から銃弾を回収することとなる。コンテナは重く、いずれのコンテナ内に銃弾が止まっているか判別が難しく、回収作業を容易かつ効率的とするにはなお改善すべき余地がある。
特開2003−287399号公報
この発明は、上記の問題に留意して、可撓性シートのような取扱いが容易で、高い跳弾(停弾)防止効果を有し、かつ銃弾の回収が容易な跳弾防止装置を提供することを課題とする。
又、上記跳弾防止装置に適合する跳弾防止用可撓性シートを提供することをもう1つの課題とする。
この発明は、上記の課題を解決する手段として、屋外又は屋内射撃場において、合成樹脂又はゴムを含む可撓性シートの複数枚を射撃場の標的周辺部に支持手段を介してそれぞれ独立に支持される可撓性シート群から成り、前記可撓性シートは、銃弾が、貫通するように構成され、かつ、その厚さが銃弾長さ以下であり、前記可撓性シート群は、前記可撓性シートを、銃弾の運動エネルギを減衰し停弾させるに必要な枚数を分離独立状態に組み合わせて跳弾防止装置としたのである。
上記の構成とした跳弾防止装置によれば、射撃された銃弾は標的後方の所定位置に設置された可撓性シートによりその銃弾エネルギが減衰されて跳弾が有効に防止される。かつ可撓性シートの間から落下もしくは可撓性シートに付着、停弾した状態でも容易に取除くことができ、回収が容易となる。可撓性シートは複数枚のシート群として互いに移動自在に分離独立状に支持されているため、銃弾が打込まれても、各シートを貫通する毎に運動エネルギが減衰され、所定枚数シートを通過すると停弾する。従って、シート群の枚数は安全性を考慮して停弾するまでの枚数の数倍程の枚数を用意しておけば、シート群を貫通することはない。
上記跳弾防止装置に適合する可撓性シートとして、合成樹脂又はゴムを含む可撓性シートを、銃弾の運動エネルギを減衰し停弾させるに必要な複数枚、互いに分離独立状に組合わせて成る跳弾防止用可撓性シートを用いることができる。可撓性シートは、合成樹脂又はゴムを含む可撓性のものであればよいが、貫通する銃弾に対して可能な限り摩擦抵抗を加えて運動エネルギを減衰し得る性質のものが好ましい。支持手段は上面部又はその周辺に対し可撓性シートを分離独立状に支持し得る形式のものであればよく、支持アームあるいは支持ガイド部材を用いることができる。
この発明の跳弾防止装置は、標的周辺部に支持手段により複数枚の可撓性シートを互いに分離独立状に支持して標的の後方に配置するようにしたから、銃弾が標的を通過して打込まれてもその所定枚数のシートで停弾させることにより跳弾が防止され、かつシート間で停弾すれば銃弾は下方へ落下し、シートの厚さ内で停弾しても容易に除去されるため回収が容易であり、専用の回収装置又は機器を用いることなく射撃場において銃弾を回収できるという利点が得られる。
又、上記跳弾防止装置に適合する跳弾防止用可撓性シートは、合成樹脂又はゴムを含む可撓性シートの複数枚を分離独立状に組合わせたものとしたから、銃弾の運動エネルギを吸収し跳弾を防止することができるシートとして使用でき、銃弾の回収作業を容易にかつ効率化することに役立つという利点が得られる。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は実施形態の跳弾防止装置を設けた(a)室内射撃場の全体概略図、(b)跳弾防止装置の概略斜視図を示す。図示のように、跳弾防止装置Aは、小銃1から標的2に向って発射された銃弾(小銃弾)Pが標的2を貫通したその後方で跳弾を防止するために標的2から所定距離後方に設置されている。又、この跳弾防止装置Aは、可撓性シート3の複数枚を支持手段4のアームをシート上方の穴に挿通することにより天井面Cから吊して各シートが独立に支持された可撓性シート群から成り、標的2を通過した銃弾Pが向う方向Fの壁面Wに沿って設置されている。
可撓性シート3は、合成樹脂シート、ゴムシート、ゴム引布、又は織り布に合成樹脂をコーティングした合成樹脂引布等のフレキシブルな(可撓性)材料が用いられる。合成樹脂シートは、塩化ビニール等の熱可塑性樹脂、ゴムシートは各種の合成ゴム、ゴム引布は織り布にゴムをコーティングしたもので、かつ銃弾Pに対する通過抵抗の大きい材料をそれぞれ使用することができる。各シートは各々接着されず、銃弾Pの射撃方向に互いに独立に移動自在な分離独立状に支持する。可撓性シート3の厚さは、射撃する弾種の最大長さ以下とする。又、上記各種シートのいずれかを組合わせて使用してもよい。
なお、図示の例では、支持手段4は天井面Cから延びるアーム形式としたが、壁面Wに取付けたアーム、あるいはガイド支持フレームなどにより支持するようにしてもよい。アームに対してはシートに穴を設けずにシートの上辺に係止片を設け、係止片をアームに引掛けるようにすることができる。ガイド支持フレームでは、シートの上部両側辺に係止片を突出して設け、係止片をガイド支持フレームで支持することができる。いずれの場合も各シートが分離独立状に支持されていることが必要である。又、可撓性シートの枚数は銃弾が全枚数を貫通せず、途中で停弾するに十分な枚数とする。
上記構成の跳弾防止装置Aによれば、標的2を貫通した銃弾は、図2のように、複数枚の可撓性シート3の厚さの適宜枚数位置で停弾し、跳弾が防止される。可撓性シート3が用いられているため、銃弾が個々のシートを貫通するごとに銃弾の運動エネルギを吸収し、適宜枚数位置で停弾する。停弾した弾丸は、シート間で停弾すれば床面へ落下し、シート内で停弾してもシート厚さが銃弾長さ以下のため、例えばシートを全体的又は部分的に揺らすなどによりシートから抜け落ち、専用の回収装置又は機器を使用することなく容易に回収できる。
なお、可撓性シート群を接着せず分離独立状に支持する際に各シートにスペーサを貼付又は置いて互いに一定の隙間を確保するようにしてもよい。又、可撓性シート群は壁面Wに沿って設けた例を示したが、天井面に沿って設けるようにしてもよい。この場合、斜め上方に銃弾が射撃されるのに合せて天井面に傾斜状に可撓性シート群を支持してもよい。図示の例では屋内射撃場の場合を示したが、屋外射撃場に適用することもできる。支持手段4は標的後方の適宜位置に設置すればよい。
可撓性シート3の一例にゴム引布を用いてその停弾性能を測るため射撃試験を実施した。試験は図1(a)図のように、可撓性シート3の複数枚を小銃1の位置から25m離れた位置に吊り下げた例と、同じ位置にゴム引布や金属粉、古タイヤ等を粉砕したゴムチップをプラスチック容器に入れたものを比較例として置き、それぞれが同一条件となるようにして試験を行った。使用した小銃弾は5.56mmと7.62mm、それぞれの弾長は約10mm、約20mmである。
実施例 ゴム引布シート 厚さ8mm×50枚
比較例 ゴム引布、金属粉、古タイヤの粉砕ゴムチップ
(30(高)×35(横)×50(奥行き)cmプラスチック容器入り)
停弾距離
1.実施例 5.56mm弾 48mm(6枚目)
(ゴム引布シート)7.62mm弾 80mm(10枚目)
2.比較例1 5.56mm弾 約100mm
(金属粉チップ) 7.62mm弾 約120mm
3.比較例2 5.56mm弾 約150mm
(ゴム引布チップ)7.62mm弾 約220mm
上記結果からゴム引布の可撓性シートの複数枚から成る実施例の場合が最も跳弾(停弾)防止効果が大きいことが分った。上記試験状況を図3に示す。(a)図は実施例のゴム引布サンプルの写真、(b)図は比較例1、2のプラスチック容器を示す写真である。(a)図のサンプルは7.62mm弾が停弾した1枚目のサンプルであり、(b)図では矢印方向から容器の窓に向って銃弾が打込まれる。
この発明の跳弾防止装置は、可撓性シートの複数枚から成り、射撃場の射撃訓練における跳弾を防止し、銃弾を回収するのに利用され得る。
射撃場に実施形態の跳弾防止装置を備えた(a)全体概略配置図、(b)跳弾防止装置の外観斜視図 跳弾防止装置の部分拡大断面図 (a)実施例の可撓性シートのサンプルの写真、(b)比較例のプラスチック容器の外観写真
符号の説明
1 小銃
2 標的
3 可撓性シート
4 支持手段
A 跳弾防止装置
P 銃弾

Claims (3)

  1. 屋外又は屋内射撃場において、合成樹脂又はゴムを含む可撓性シートの複数枚を射撃場の標的周辺部に支持手段を介してそれぞれ独立に支持される可撓性シート群から成り、前記可撓性シートは、銃弾が、貫通するように構成され、かつ、その厚さが銃弾長さ以下であり、前記可撓性シート群は、前記可撓性シートを、銃弾の運動エネルギを減衰し停弾させるに必要な枚数を分離独立状態に組み合わせて成ることを特徴とする跳弾防止装置。
  2. 上記可撓性シートの材料を合成樹脂シート、ゴムシート、織り布にゴムをコーティングしたゴム引布、織り布に合成樹脂をコーティングした合成樹脂引布のシートのいずれか又はそのいずれかのシートの組合わせとしたことを特徴とする請求項1に記載の跳弾防止装置。
  3. 上記可撓性シートを銃弾の射撃方向に移動自在な分離独立状にそれぞれ支持したことを特徴とする請求項1又は2に記載の跳弾防止装置。
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