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JP4702001B2 - 半導体装置 - Google Patents
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本発明は半導体装置に係り、詳しくは、基板電位を独立に制御可能な絶縁ゲート型トランジスタを備えた半導体装置に関するものである。
従来より、パワーMOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタのソースまたはエミッタセルの外部に設けたボディコンタクト領域から延びる基板電位専用電極に基板電位を制御する基板電位制御回路を接続し、この基板電位制御回路が、ゲート電極と基板の電位差をトランジスタのオン・オフで一定とする電圧を加え、トランジスタ・オフ時に基板に逆バイアスをかけるようにした技術が開示されている(特許文献1参照)。
特許第3622693号公報(第1〜10頁 図9、図10)
特許文献1の技術では、基板電位とソースの電位を独立に制御し、ゲートと基板の電位差をトランジスタのオン・オフで一定として、トランジスタ・オフ時に基板に逆バイアスをかけることにより、ゲートと基板との間に形成された寄生容量での充放電を無くし、ターンオン時間とターンオフ時間を短くしてスイッチングの遅れを小さくすることでスイッチング特性を向上させている。
しかし、特許文献1の技術でも、トランジスタのターンオフ時には、ゲートとドレインとの間に形成された寄生容量に蓄積された電荷を引き抜くのに時間がかかるため、ターンオフ時間を十分に短くすることができないという問題があった。
尚、特許文献1には、ゲートと基板の電位差をトランジスタのオン・オフで一定とする電圧を加えることにより、スイッチング特性を向上させることができると記載されている。
また、特許文献1には、トランジスタ・オフ時に基板に逆バイアスをかけることにより、しきい値電圧の最適化を図ることができると記載されている。
すなわち、特許文献1の記載は、ゲート電極と基板の電位差をトランジスタのオン・オフで一定とする技術と、トランジスタ・オフ時に基板に逆バイアスをかける技術とが、全く異なる技術であるとの誤解を招くものである。
しかし、ゲート電極と基板の電位差をトランジスタのオン・オフで一定とすれば、トランジスタ・オフ時に基板に逆バイアスをかけることになる。
但し、トランジスタ・オフ時に基板に逆バイアスをかける場合に、ゲート電極と基板の電位差をトランジスタのオン・オフで一定とする必要はない。
本発明は上記問題を解決するためになされたものであって、その目的は、ターンオフ時間を短くし、スイッチングによる発熱を抑えることが可能な絶縁ゲート型トランジスタを備えた半導体装置を提供することにある。
請求項1に記載の発明は、
ゲートが絶縁された絶縁ゲート型トランジスタ(Tp,Tn)と、
そのトランジスタの基板電位(VB)を制御する基板電位制御回路(14,32)と
を備えた半導体装置(10,30)であって、
前記基板電位制御回路は、
前記トランジスタのターンオフ時に、当該トランジスタのしきい値電圧(Vt)と当該トランジスタのゲートに入力される電圧(Vin)との電位差の絶対値(|Vt−Vin|)が大きくなるように前記基板電位を制御することにより、当該トランジスタの基板に逆バイアスをかけ
その逆バイアスをかけるタイミング(t4)を、当該トランジスタのターンオンが完了した時点(t3)以降で、且つ、当該トランジスタのゲートに入力される電圧(Vin)が当該トランジスタをオフさせるレベルに切り替わる時点(t5)以前に設定することを技術的特徴とする。
請求項2に記載の発明は、
請求項1に記載の半導体装置(10,30)において、
前記基板電位制御回路(14,32)は、前記トランジスタ(Tp,Tn)の基板にかけた逆バイアスを解除するタイミング(t8)を、前記トランジスタのターンオフが完了した時点(t7)以降で、且つ、当該トランジスタのゲートに入力される電圧(Vin)が当該トランジスタを再びオンさせるレベルに切り替わる時点(t9)以前に設定することを技術的特徴とする。
請求項3に記載の発明は、
請求項1または請求項2に記載の半導体装置において、
前記基板電位制御回路(14,32)は、
前記トランジスタ(Tp,Tn)の基板に逆バイアスをかけるための電圧(Vp,Vq)を生成する電圧生成手段(16,34)と、
前記トランジスタのゲートに入力される信号(Vin)を所定の遅延時間(tc)だけ遅延して出力する遅延手段(19)と、
その遅延手段の出力した信号に従い、前記電圧生成手段が生成した電圧を前記トランジスタの基板に印加する電圧印加手段(Tc,Te)と
を備えたことを技術的特徴とする。
<請求項1>
絶縁ゲート型トランジスタでは、基板に逆バイアスをかけて基板効果を発生させることにより、ソース電位(エミッタ電位)から見たしきい値電圧の絶対値が上昇する。
例えば、PチャネルMOSトランジスタ(Tp)では、基板電位(VB)を高くすることで基板に逆バイアスをかけて基板効果を発生させることにより、ソース電位(Vs)から見たしきい値電圧(Vt)の絶対値を上昇させ、しきい値電圧の実際の値を低下させることができる。
また、NチャネルMOSトランジスタ(Tn)では、基板電位(VB)を低くすることで基板に逆バイアスをかけて基板効果を発生させることにより、ソース電位(Vs)から見たしきい値電圧(Vt)の絶対値を上昇させ、しきい値電圧の実際の値を増大させることができる。
ここで、トランジスタのターンオフ時間は、トランジスタのゲートに入力される電圧(Vin)がトランジスタをオフさせるレベルに切り替わる時点(t5)からゲート電位(Vg)がしきい値電圧(Vt)に達する時点(t6)までの第1期間(t5〜t6)と、トランジスタのゲートとドレイン(コレクタ)との間に形成された寄生容量から電荷が引き抜かれて放電される間だけゲート電位が一定になっている第2期間(tb:t6〜t7)とを加算した時間(t5〜t7)である。
このとき、トランジスタのスイッチングによる発熱は第2期間に発生する。
そして、第2期間(tb)は、トランジスタのゲートとドレインとの間に形成された寄生容量を充電するのに必要な電荷量(Qgd)を、しきい値電圧(Vt)とゲートに入力される電圧(Vin)との電位差の絶対値(|Vt−Vin|)で除算した値に比例する(数式1:tb=Qgd×Rg/|Vt−Vin|)。
請求項1の発明では、トランジスタのターンオフ時に、しきい値電圧(Vt)とゲートに入力される電圧(Vin)との電位差の絶対値(|Vt−Vin|)が大きくなるように基板電位(VB)を制御することにより、トランジスタの基板に逆バイアスをかけている。
そのため、トランジスタの発熱に影響する第2期間(tb)を短くすることが可能になり、トランジスタのターンオフ時間を短くすることができる。
ところで、特許文献1の技術では、ゲート電位(Vg)と基板電位(VB)との電位差をトランジスタのオン・オフで一定として、トランジスタ(Tp,Tn)のオフ時に基板に逆バイアスをかけている。
すなわち、特許文献1の技術では、トランジスタのゲートに入力される電圧(Vin)がトランジスタをオフさせるレベルに切り替わるタイミング(t5)で、基板に逆バイアスをかけている。
それに対して、請求項1の発明では、トランジスタの基板に逆バイアスをかけるタイミング(t4)を、トランジスタのターンオンが完了した時点(t3)以降で、且つ、ゲートに入力される電圧(Vin)がトランジスタをオフさせるレベルに切り替わる時点(t5)以前に設定している。
そのため、トランジスタのターンオフ時(t5〜t7)において、ゲートに入力される電圧(Vin)としきい値電圧(Vt)との電位差の絶対値(|Vt−Vin|)は、請求項1の発明に比べて特許文献1の技術の方が小さくなる。
その結果、前記第2期間(tb)は、特許文献1の技術に比べて、請求項1の発明の方が短くなる。
このとき、前記第1期間(t5〜t6)は、特許文献1の技術の方が請求項1の発明よりも僅かに短くなる。しかし、第1期間は第2期間(tb)に比べて短いため、第1期間と第2期間を合わせた時間であるターンオフ時間(t5〜t7)は、特許文献1の技術に比べて、請求項1の発明の方が短くなる。
そして、トランジスタのスイッチングによる発熱が発生するのは第2期間(tb)であるため、特許文献1の技術に比べて、第2期間が短い請求項1の発明によればトランジスタのスイッチングによる発熱を抑えることができる。
このように、請求項1の発明によれば、トランジスタの発熱に影響するターンオフ時間を、特許文献1の技術に比べて更に短くすることができる。
請求項2
請求項2の発明では、トランジスタ(Tp,Tn)の基板にかけた逆バイアスを解除するタイミング(t8)を、トランジスタのターンオフが完了した時点(t7)以降で、且つ、トランジスタのゲートに入力される電圧(Vin)がトランジスタを再びオンさせるレベルに切り替わる時点(t9)以前に設定している。
従って、請求項2の発明によれば、請求項1の発明の作用・効果をより確実に得ることができる。
<請求項3>
請求項3の発明では、基板電位制御回路(14,32)を、電圧生成手段(16,34)、遅延手段(19)、電圧印加手段(Tc,Te)から構成している。
従って、請求項3の発明によれば、請求項1または請求項2の発明の作用・効果を得ることが可能な基板電位制御回路を簡単な構成で容易に実現することができる。
(用語の説明)
尚、上術した[課題を解決するための手段][発明の効果]に記載した( )内の符号等は、後述する[発明を実施するための最良の形態]に記載した構成部材・構成要素の符号に対応したものである。
そして、[課題を解決するための手段][発明の効果]に記載した構成部材・構成要素と、[発明を実施するための最良の形態]に記載した構成部材・構成要素との対応関係は以下のようになっている。
「絶縁ゲート型トランジスタ」は、トランジスタTp,Tnに該当する。
「トランジスタのゲートに入力される電圧」は、発振回路12が生成した信号電圧Vinに該当する。
「電圧生成手段」は、昇圧回路16または降圧回路34に該当する。
「遅延手段」は、遅延回路19に該当する。
「電圧印加手段」は、トランジスタTc,Teに該当する。
以下、本発明を具体化した各実施形態について図面を参照しながら説明する。尚、各実施形態において、同一の構成部材および構成要素については符号を等しくすると共に、同一内容の箇所については重複説明を省略してある。
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態の半導体装置10の回路構成を示す回路図である。
発振装置を構成する半導体装置10は、Pチャネル・パワーMOSトランジスタTp、ゲート抵抗Rg、発振回路12、基板電位制御回路14がワンチップに集積化されたモノリシックIC(Integrated Circuit)から成る。
発振回路12は、複数個のインバータゲートINVがリング状に連結された公知のリングオシレータから成り、矩形波であるトランジスタ駆動指令信号Vinを生成して出力する。尚、発振回路12には、直流電源Vrから電源が供給されている。
信号Vinは、ゲート抵抗Rgを介してトランジスタTpのゲートに入力されると共に、基板電位制御回路14に入力されている。
尚、ゲート抵抗Rgは、(1)トランジスタTpの寄生振動を防止する、(2)トランジスタTpのゲートにサージ電圧が印加されるのを防止する、(3)発振回路12の電流ドライブ能力とトランジスタTpとの整合をとる、ことなどを目的に設けられている。
トランジスタTpにおいて、ソースは直流電源Vsに接続され、ドレインとアースとの間には半導体装置10のチップの外部にて負荷Zが接続され、基板は基板電位制御回路14に接続されている。
トランジスタTpは、基板の電位(基板電位VB)とソースの電位(ソース電位Vs)を独立に制御可能な構造になっている。尚、トランジスタTpの具体的な構造は、特許文献1(図1〜図8,図11〜図16,図19,図22)に開示される構造に限らず、基板電位とソース電位を独立に制御可能であれば、どのような構造でもよい。
尚、トランジスタTpの基板は、発振回路12および基板電位制御回路14が形成された基板に対して、適宜な素子分離方法(例えば、トレンチ分離、LOCOS分離など)を用いて素子分離されている。そのため、トランジスタTpの基板電位VBの変化が各回路12,14を構成する他の素子に影響を与えることはなく、トランジスタTpと各回路12,14をワンチップ化して複合ICにすることができる。
基板電位制御回路14は、昇圧回路16および基板バイアス回路18から構成されている。
昇圧回路16は、発振器としてのリングオシレータOC、スイッチング素子としてのトランジスタTa,Tb、コレクタ抵抗Ra,Rb、ポンピング容量Ca,Cb、整流回路を構成するダイオードDa,Dbを備えた公知の昇圧型チャージポンプ回路から成り、直流電源Vcを昇圧したプラス電圧Vpを生成して出力する。
基板バイアス回路18は、複数個のインバータゲートINVが直列接続された遅延回路19、抵抗Rs、PチャネルMOSトランジスタTcから構成されている。
発振回路12が生成した信号Vinは、遅延回路19を介してトランジスタTcのゲートに入力されている。
トランジスタTcにおいて、ドレインはトランジスタTpの基板に接続されると共に抵抗Rsを介して直流電源Vsに接続され、ソースは昇圧回路16に接続されて昇圧電圧Vpが印加されている。
図2は、半導体装置10の動作を説明するためのタイミングチャートであり、トランジスタTpのゲート電位Vg,基板電位VB,しきい値電圧Vt,ドレイン電位Vdおよび発振回路12の生成した信号電圧Vinの時間変位を示すグラフである。
トランジスタTpにおいて、ゲートと各部(基板、ソース、ドレイン)との間には寄生容量が形成されている。尚、それら寄生容量は、トランジスタTpの構造および各部の寸法によって決定される。
また、トランジスタTpのソースは直流電源Vsに接続されているため、ソース電位Vsは直流電源Vsの電位と等しい一定電圧になっている。
尚、説明を分かり易くするため、ソース電位Vsと直流電源Vsとは同一符号を用いて表記している。また、発振回路12が生成した矩形波である信号Vinと、その信号電圧Vinとは同一符号を用いて表記している。
[トランジスタTpのターンオン時]
信号電圧Vinがハイレベル(ソース電位Vs)からローレベル(アース電位GND)に切り替えられるとトランジスタTpのターンオンが開始され(時刻t1)、トランジスタTpのゲートの前記寄生容量に電荷が注入されて充電が開始される。
そして、ゲート電位Vgがしきい値電圧Vtに達すると(時刻t2)、トランジスタTpがオンし、トランジスタTpのソース・ドレイン間の電位差が減少するため、ドレイン電位Vdが上昇し始める。
このとき、トランジスタTpのゲートとドレインとの間に形成された寄生容量に電荷が蓄積されて充電される間は、ゲート電位Vgが一定になっている(時刻t2〜t3)。
その後、トランジスタTpのソース・ドレイン間の電位差が減少しきるとターンオンが完了し(時刻t3)、ゲート電位Vgが信号電圧Vinのローレベルに向けて下降し始める。
ここで、時刻t2〜t3の期間(時間間隔)taは、数式1に示すように、トランジスタTpのゲートとドレインとの間に形成された寄生容量を充電するのに必要な電荷量Qgdに抵抗Rgの抵抗値Rgを乗算した値を、信号電圧Vinとしきい値電圧Vtとの電位差の絶対値(|Vt−Vin|)で除算した値になる。
つまり、期間taは、電荷量Qgを信号電圧Vinとしきい値電圧Vtとの電位差の絶対値(|Vt−Vin|)で除算した値に比例する。
ta=Qgd×Rg/|Vt−Vin| ………(数式1)
[トランジスタTpのターンオフ時]
信号電圧Vinがローレベルからハイレベルに切り替えられるとトランジスタTpのターンオフが開始され(時刻t5)、トランジスタTpのゲートの前記寄生容量から電荷が引き抜かれだして放電が開始される。
そして、ゲート電位Vgがしきい値電圧Vtに達すると(時刻t6)、トランジスタTpがオフし、トランジスタTpのソース・ドレイン間の電位差が増大するため、ドレイン電位Vdが下降し始める。
このとき、トランジスタTpのゲートとドレインとの間に形成された寄生容量から電荷が引き抜かれて放電される間は、ゲート電位Vgが一定になっている(時刻t6〜t7)。
その後、トランジスタTpのソース・ドレイン間の電位差が増大しきるとターンオフが完了し(時刻t7)、ゲート電位Vgが信号電圧Vinのハイレベルに向けて上昇し始める。
ここで、時刻t6〜t7の期間tbについても、時刻t2〜t3の期間taと同じく、前記数式1によって表される(tb=Qgd×Rg/|Vt−Vin|)。
[第1実施形態の作用・効果]
第1実施形態によれば、以下の作用・効果を得ることができる。
[1−1]MOSトランジスタでは、基板に逆バイアスをかけて基板効果を発生させることにより、ソース電位から見たしきい値電圧の絶対値が上昇する。
つまり、Pチャネル・パワーMOSトランジスタTpでは、基板電位VBを高くすることで基板に逆バイアスをかけて基板効果を発生させることにより、ソース電位Vsから見たしきい値電圧Vtの絶対値を上昇させ、しきい値電圧Vtの実際の値を低下させることができる。
そこで、第1実施形態では、トランジスタTpのターンオフ時に、しきい値電圧Vtと信号電圧Vinとの電位差の絶対値(|Vt−Vin|)が大きくなるように基板電位VBを制御することにより、トランジスタTpの基板に逆バイアスをかけている。
そのため、期間tbを短くすることが可能になり、トランジスタTpのターンオフ時間を短くすることができる。
すなわち、第1実施形態では、信号電圧Vinがローレベルからハイレベルに切り替わる時点(時刻t5)より以前の時点で、基板電位VBを高くすることで基板に逆バイアスをかけて基板効果を発生させることにより、ソース電位Vsから見たしきい値電圧Vtの絶対値を上昇させ、しきい値電圧Vtの実際の値を低下させる(時刻t4)。
また、トランジスタTpがターンオフした時点(時刻t7)より以降の時点で、基板電位VBをソース電位Vsと等しくすることで基板にかけた逆バイアスを解除して基板効果の発生を停止させることにより、ソース電位Vsから見たしきい値電圧Vtの絶対値を下降させ、しきい値電圧Vtの実際の値を増大させる(時刻t8)。
そして、トランジスタTpがターンオフする前後の期間は、基板電位VBを高い一定値に保持させ、しきい値電圧Vtの実際の値を低い一定値に保持させる(時刻t4〜t8)。
図3は、特許文献1の技術をPチャネル・パワーMOSトランジスタTpに適用した場合の動作を説明するためのタイミングチャートである。
尚、図3において、図2と同様の動作が行われる時刻(タイミング)には同じ符号を付してある。
特許文献1の技術では、ゲート電位Vgと基板電位VBとの電位差をトランジスタTpのオン・オフで一定として、トランジスタTpのオフ時に基板に逆バイアスをかけている。
すなわち、特許文献1の技術では、信号電圧Vinがローレベルからハイレベルに切り替わる時点で、基板電位VBを高くすることで基板に逆バイアスをかけて基板効果を発生させることにより、ソース電位Vsから見たしきい値電圧Vtの絶対値を上昇させ、しきい値電圧Vtの実際の値を低下させる(時刻t5)。
そして、トランジスタTpがターンオフした後は、ゲート電位Vgと基板電位VBとの電位差を一定するため、基板電位VBを高い値で変化させ、しきい値電圧Vtの実際の値を低い値で変化させる(時刻t5〜t9)。
このように、基板電位VBを高くすることで基板に逆バイアスをかけるタイミングは、第1実施形態では信号電圧Vinがローレベルからハイレベルに切り替わる以前の時点(時刻t4)であるのに対して、特許文献1の技術では信号電圧Vinがローレベルからハイレベルに切り替わる時点(時刻t5)である。
そのため、トランジスタTpのターンオフ時(時刻t5〜t7)には、第1実施形態のしきい値電圧Vtの実際の値Vmに比べて、特許文献1の技術のしきい値電圧Vtの実際の値Vnの方が大きくなる。
すなわち、トランジスタTpのターンオフ時において、信号電圧Vinとしきい値電圧Vtとの電位差の絶対値(|Vt−Vin|)は、第1実施形態に比べて特許文献1の技術の方が小さくなる。
そのため、前記数式1により、期間tbは特許文献1の技術に比べて第1実施形態の方が短くなる。
ここで、トランジスタTpのターンオフ時間は、時刻t5〜t7の期間であり、時刻t5〜t6の期間に期間tbを加算した時間である。そして、トランジスタTpのスイッチングによる発熱は期間tbに発生する。
このとき、時刻t5〜t6の期間は、特許文献1の技術の方が第1実施形態よりも僅かに短くなる。しかし、時刻t5〜t6の期間は期間tbに比べて短いため、トランジスタTpのターンオフ時間(時刻t5〜t7)は、特許文献1の技術に比べて、第1実施形態の方が短くなる。
そして、トランジスタTpのスイッチングによる発熱が発生するのは期間tbであるため、特許文献1の技術に比べて、期間tbが短い第1実施形態によればトランジスタTpのスイッチングによる発熱を抑えることができる。
このように、第1実施形態によれば、トランジスタTpの発熱に影響するターンオフ時間を、特許文献1の技術に比べて更に短くすることができる。
ちなみに、信号電圧Vinとしきい値電圧Vtとの電位差の絶対値(|Vt−Vin|)は、トランジスタTpのターンオン時(時刻t1〜t3)に比べて、ターンオフ時(時刻t5〜t7)の方が小さいため、期間taに比べて期間tbの方が長くなっている。
[1−2]第1実施形態において、基板電位VBを高くすることで基板に逆バイアスをかけるタイミング(時刻t4)は、トランジスタTpのターンオンが完了した時点(時刻t3)以降で、且つ、信号電圧Vinがローレベルからハイレベルに切り替わる時点(時刻t5)以前に設定する必要がある。
ここで、信号電圧Vinがローレベルからハイレベルに切り替わる時点とは、信号電圧VinがトランジスタTpをオフさせるレベルに切り替わる時点である。
そして、基板に逆バイアスをかけるタイミングは、望ましくは、ゲート電位Vgが信号電圧Vinのローレベルに向けて十分に下降した後の時点に設定する必要がある。
尚、基板に逆バイアスをかけるタイミングの具体値は、前記[1−1]の作用・効果を確実に得るための十分なマージンを見込んだ上で、カット・アンド・トライにより実験的に最適値を見つけて設定すればよい。
例えば、信号電圧Vinがハイレベルからローレベルに切り替わる時点(時刻t1)から再びハイレベルに切り替わる時点(時刻t5)までの期間のうち、30%以降で且つ90%以前に設定すればよい。
[1−3]第1実施形態において、基板電位VBをソース電位Vsと等しくすることで基板にかけた逆バイアスを解除するタイミング(時刻t8)は、トランジスタTpのターンオフが完了した時点(時刻t7)以降で、且つ、信号電圧Vinが再びハイレベルからローレベルに切り替わる時点(時刻t9)以前に設定する必要がある。
ここで、信号電圧Vinが再びハイレベルからローレベルに切り替わる時点とは、信号電圧VinがトランジスタTpを再びオンさせるレベルに切り替わる時点である。
そして、基板にかけた逆バイアスを解除するタイミングは、望ましくは、ゲート電位Vgが信号電圧Vinのハイレベルに向けて十分に上昇した後の時点に設定する必要がある。
尚、基板にかけた逆バイアスを解除するタイミングの具体値は、前記[1−1]の作用・効果を確実に得るための十分なマージンを見込んだ上で、カット・アンド・トライにより実験的に最適値を見つけて設定すればよい。
例えば、信号電圧Vinがローレベルからハイレベルに切り替わる時点(時刻t5)から再びローレベルに切り替わる時点(時刻t9)までの期間のうち、50%以降で且つ90%以前に設定すればよい。
[1−4]信号電圧Vinは、遅延回路19を介してPチャネルMOSトランジスタTcのゲートに入力されている。
また、トランジスタTcにおいて、ドレインはトランジスタTpの基板に接続されると共に抵抗Rsを介して直流電源Vsに接続されて、ソースは昇圧回路16に接続されて昇圧電圧Vpが印加されている。
そのため、信号電圧Vinがハイレベルからローレベルに切り替わる時点(時刻t1)から遅延回路19による遅延時間tcが経過した後に、トランジスタTcがオンする。すると、オンしたトランジスタTcを介して昇圧電圧VpがトランジスタTpの基板に印加され、基板電位VBは昇圧電圧Vpと等しくなる。
また、信号電圧Vinがローレベルからハイレベルに切り替わる時点(時刻t5)から遅延回路19による遅延時間tcが経過した後に、トランジスタTcがオフする。すると、トランジスタTpの基板には抵抗Rsを介してソース電位Vsが印加され、基板電位VBはソース電位Vsと等しくなる。
その結果、前記[1−1]のように基板電位VBが変化する。
ここで、遅延回路19の遅延時間tcは、時刻t1〜t4の期間および時刻t5〜t8の期間になるため、前記[1−2][1−3]のように設定すればよい。
尚、抵抗Rsは、トランジスタTcのオン時に基板電位VBがソース電位Vsと等しくなるのを防止するために設けられており、その抵抗値はカット・アンド・トライにより実験的に最適値を見つけて設定すればよく、例えば、数百〜数千Ωに設定すればよい。
このように、基板電位制御回路14は簡単な構成で容易に実現することができる。
<第2実施形態>
図4は、第2実施形態の半導体装置30の回路構成を示す回路図である。
発振装置を構成する半導体装置30は、Nチャネル・パワーMOSトランジスタTn、ゲート抵抗Rg、発振回路12、基板電位制御回路32がワンチップに集積化されたモノリシックICから成る。
発振回路12が生成した信号Vinは、ゲート抵抗Rgを介してトランジスタTnのゲートに入力されると共に、基板電位制御回路32に入力されている。
トランジスタTnにおいて、ソースはアースに接続され、ドレインと直流電源Vaとの間には半導体装置30のチップの外部にて負荷Zが接続され、基板は基板電位制御回路32に接続されている。
トランジスタTnは、基板の電位とソースの電位を独立に制御可能な構造になっている。尚、トランジスタTnの具体的な構造は、特許文献1に開示される構造に限らず、基板電位とソース電位を独立に制御可能であれば、どのような構造でもよい。
尚、トランジスタTnの基板は、発振回路12および基板電位制御回路32が形成された基板に対して、適宜な素子分離方法(例えば、トレンチ分離、LOCOS分離など)を用いて素子分離されている。そのため、トランジスタTnの基板電位VBの変化が各回路12,32を構成する他の素子に影響を与えることはなく、トランジスタTnと各回路12,34をワンチップ化して複合ICにすることができる。
基板電位制御回路32は、降圧回路34および基板バイアス回路36から構成されている。
降圧回路34は、発振器としてのリングオシレータOC、スイッチング素子としてのトランジスタTd、インダクタL、ポンピング容量Cc、整流回路を構成するダイオードDcを備えた公知の降圧回路から成り、直流電源Vcを降圧したマイナス電圧Vqを生成して出力する。
基板バイアス回路36は、複数個のインバータゲートINVが直列接続された遅延回路19、抵抗Rs、NチャネルMOSトランジスタTeから構成されている。
発振回路12が生成した信号Vinは、遅延回路19を介してトランジスタTeのゲートに入力されている。
トランジスタTeにおいて、ドレインはトランジスタTnの基板に接続されると共に抵抗Rsを介してアースに接続され、ソースは降圧回路34に接続されて降圧電圧Vqが印加されている。
図5は、半導体装置30の動作を説明するためのタイミングチャートであり、トランジスタTnのゲート電位Vg,基板電位VB,しきい値電圧Vt,ドレイン電位Vdおよび発振回路12の生成した信号電圧Vinの時間変位を示すグラフである。
トランジスタTnにおいて、ゲートと各部(基板、ソース、ドレイン)との間には寄生容量が形成されている。尚、それら寄生容量は、トランジスタTnの構造および各部の寸法によって決定される。
また、トランジスタTnのソースはアースに接続されているため、ソース電位Vsはアース電位GNDになっている。
尚、直流電源Vaの電位Vaは、第1実施形態の直流電源Vsの電位Vsと等しい。
[トランジスタTnのターンオン時]
信号電圧Vinがローレベル(アース電位GND)からハイレベル(電位Va)に切り替えられるとトランジスタTnのターンオンが開始され(時刻t1)、トランジスタTnのゲートの前記寄生容量に電荷が注入されて充電が開始される。
そして、ゲート電位Vgがしきい値電圧Vtに達すると(時刻t2)、トランジスタTnがオンし、トランジスタTnのソース・ドレイン間の電位差が減少するため、ドレイン電位Vdが下降し始める。
このとき、トランジスタTnのゲートとドレインとの間に形成された寄生容量に電荷が蓄積されて充電される間は、ゲート電位Vgが一定になっている(時刻t2〜t3)。
その後、トランジスタTnのソース・ドレイン間の電位差が減少しきるとターンオンが完了し(時刻t3)、ゲート電位Vgが信号電圧Vinのハイレベルに向けて上昇し始める。
ここで、時刻t2〜t3の期間taは、前記数式1に示すように、トランジスタTnのゲートとドレインとの間に形成された寄生容量を充電するのに必要な電荷量Qgdに抵抗Rgの抵抗値Rgを乗算した値を、信号電圧Vinとしきい値電圧Vtとの電位差の絶対値(|Vt−Vin|)で除算した値になる。
[トランジスタTnのターンオフ時]
信号電圧Vinがハイレベルからローレベルに切り替えられるとトランジスタTnのターンオフが開始され(時刻t5)、トランジスタTnのゲートの前記寄生容量から電荷が引き抜かれだして放電が開始される。
そして、ゲート電位Vgがしきい値電圧Vtに達すると(時刻t6)、トランジスタTnがオフし、トランジスタTnのソース・ドレイン間の電位差が増大するため、ドレイン電位Vdが上昇し始める。
このとき、トランジスタTnのゲートとドレインとの間に形成された寄生容量から電荷が引き抜かれて放電される間は、ゲート電位Vgが一定になっている(時刻t6〜t7)。
その後、トランジスタTnのソース・ドレイン間の電位差が増大しきるとターンオフが完了し(時刻t7)、ゲート電位Vgが信号電圧Vinのローレベルに向けて下降し始める。
ここで、時刻t6〜t7の期間tbについても、時刻t2〜t3の期間taと同じく、前記数式1によって表される(tb=Qgd×Rg/|Vt−Vin|)。
[第2実施形態の作用・効果]
第2実施形態によれば、以下の作用・効果を得ることができる。
[2−1]Nチャネル・パワーMOSトランジスタTnでは、基板電位VBを低くすることで基板に逆バイアスをかけて基板効果を発生させることにより、ソース電位Vsから見たしきい値電圧Vtの絶対値を上昇させ、しきい値電圧Vtの実際の値を増大させることができる。
そこで、第2実施形態では、トランジスタTnのターンオフ時に、しきい値電圧Vtと信号電圧Vinとの電位差の絶対値(|Vt−Vin|)が大きくなるように基板電位VBを制御することにより、トランジスタTnの基板に逆バイアスをかけている。
そのため、期間tbを短くすることが可能になり、トランジスタTnのターンオフ時間を短くすることができる。
すなわち、第2実施形態では、信号電圧Vinがハイレベルからローレベルに切り替わる時点(時刻t5)より以前の時点で、基板電位VBを低くすることで基板に逆バイアスをかけて基板効果を発生させることにより、ソース電位Vs(=アース電位GND)から見たしきい値電圧Vtの絶対値を上昇させ、しきい値電圧Vtの実際の値を増大させる(時刻t4)。
また、トランジスタTnがターンオフした時点(時刻t7)より以降の時点で、基板電位VBをソース電位Vs(=アース電位GND)と等しくすることで基板にかけた逆バイアスを解除して基板効果の発生を停止させることにより、ソース電位Vsから見たしきい値電圧Vtの絶対値を下降させ、しきい値電圧Vtの実際の値を低下させる(時刻t8)。
そして、トランジスタTnがターンオフする前後の期間は、基板電位VBを低い一定値に保持させ、しきい値電圧Vtの実際の値を高い一定値に保持させる(時刻t4〜t8)。
図6は、特許文献1の技術をNチャネル・パワーMOSトランジスタTnに適用した場合の動作を説明するためのタイミングチャートである。
尚、図6において、図5と同様の動作が行われる時刻(タイミング)には同じ符号を付してある。
特許文献1の技術では、ゲート電位Vgと基板電位VBとの電位差をトランジスタTnのオン・オフで一定として、トランジスタTnのオフ時に基板に逆バイアスをかけている。
すなわち、特許文献1の技術では、信号電圧Vinがハイレベルからローレベルに切り替わる時点で、基板電位VBを低くすることで基板に逆バイアスをかけて基板効果を発生させることにより、ソース電位Vs(=アース電位GND)から見たしきい値電圧Vtの絶対値を上昇させ、しきい値電圧Vtの実際の値を増大させる(時刻t5)。
そして、トランジスタTnがターンオフした後は、ゲート電位Vgと基板電位VBとの電位差を一定するため、基板電位VBを低い値で変化させ、しきい値電圧Vtの実際の値を高い値で変化させる(時刻t5〜t9)。
このように、基板電位VBを低くすることで基板に逆バイアスをかけるタイミングは、第2実施形態では信号電圧Vinがハイレベルからローレベルに切り替わる以前の時点(時刻t4)であるのに対して、特許文献1の技術では信号電圧Vinがハイレベルからローレベルに切り替わる時点(時刻t5)である。
そのため、トランジスタTnのターンオフ時(時刻t5〜t7)には、第2実施形態のしきい値電圧Vtの実際の値Vxに比べて、特許文献1の技術のしきい値電圧Vtの実際の値Vyの方が小さくなる。
すなわち、トランジスタTnのターンオフ時において、信号電圧Vinとしきい値電圧Vtとの電位差の絶対値(|Vt−Vin|)は、第2実施形態に比べて特許文献1の技術の方が小さくなる。
そのため、前記数式1により、期間tbは特許文献1の技術に比べて第1実施形態の方が短くなる。
ここで、トランジスタTnのターンオフ時間は、時刻t5〜t7の期間であり、時刻t5〜t6の期間に期間tbを加算した時間である。そして、トランジスタTnのスイッチングによる発熱は期間tbに発生する。
このとき、時刻t5〜t6の期間は、特許文献1の技術の方が第2実施形態よりも僅かに短くなる。しかし、時刻t5〜t6の期間は期間tbに比べて短いため、トランジスタTnのターンオフ時間(時刻t5〜t7)は、特許文献1の技術に比べて、第2実施形態の方が短くなる。
そして、トランジスタTnのスイッチングによる発熱が発生するのは期間tbであるため、特許文献1の技術に比べて、期間tbが短い第2実施形態によればトランジスタTnのスイッチングによる発熱を抑えることができる。
このように、第2実施形態によれば、トランジスタTnの発熱に影響するターンオフ時間を、特許文献1の技術に比べて更に短くすることができる。
ちなみに、信号電圧Vinとしきい値電圧Vtとの電位差の絶対値(|Vt−Vin|)は、トランジスタTnのターンオン時(時刻t1〜t3)に比べて、ターンオフ時(時刻t5〜t7)の方が小さいため、期間taに比べて期間tbの方が長くなっている。
[2−2]第2実施形態において、基板電位VBを低くすることで基板に逆バイアスをかけるタイミング(時刻t4)は、トランジスタTnのターンオンが完了した時点(時刻t3)以降で、且つ、信号電圧Vinがハイレベルからローレベルに切り替わる時点(時刻t5)以前に設定する必要がある。
ここで、信号電圧Vinがハイレベルからローレベルに切り替わる時点とは、信号電圧VinがトランジスタTnをオフさせるレベルに切り替わる時点である。
そして、基板に逆バイアスをかけるタイミングは、望ましくは、ゲート電位Vgが信号電圧Vinのハイレベルに向けて十分に上昇した後の時点に設定する必要がある。
尚、基板に逆バイアスをかけるタイミングの具体値は、前記[2−1]の作用・効果を確実に得るための十分なマージンを見込んだ上で、カット・アンド・トライにより実験的に最適値を見つけて設定すればよい。
例えば、信号電圧Vinがローレベルからハイレベルに切り替わる時点(時刻t1)から再びローレベルに切り替わる時点(時刻t5)までの期間のうち、30%以降で且つ90%以前に設定すればよい。
[2−3]第2実施形態において、基板電位VBをソース電位Vs(=アース電位GND)と等しくすることで基板にかけた逆バイアスを解除するタイミング(時刻t8)は、トランジスタTnのターンオフが完了した時点(時刻t7)以降で、且つ、信号電圧Vinが再びローレベルからハイレベルに切り替わる時点(時刻t9)以前に設定する必要がある。
ここで、信号電圧Vinが再びローレベルからハイレベルに切り替わる時点とは、信号電圧VinがトランジスタTnを再びオンさせるレベルに切り替わる時点である。
そして、基板にかけた逆バイアスを解除するタイミングは、望ましくは、ゲート電位Vgが信号電圧Vinのローレベルに向けて十分に下降した後の時点に設定する必要がある。
尚、基板にかけた逆バイアスを解除するタイミングの具体値は、前記[2−1]の作用・効果を確実に得るための十分なマージンを見込んだ上で、カット・アンド・トライにより実験的に最適値を見つけて設定すればよい。
例えば、信号電圧Vinがハイレベルからローレベルに切り替わる時点(時刻t5)から再びハイレベルに切り替わる時点(時刻t9)までの期間のうち、50%以降で且つ90%以前に設定すればよい。
[2−4]信号電圧Vinは、遅延回路19を介してNチャネルMOSトランジスタTeのゲートに入力されている。
また、トランジスタTeにおいて、ドレインはトランジスタTnの基板に接続されると共に抵抗Rsを介してアースに接続されてアース電位GNDになっており、ソースは降圧回路34に接続されて降圧電圧Vqが印加されている。
そのため、信号電圧Vinがローレベルからハイレベルに切り替わる時点(時刻t1)から遅延回路19による遅延時間tcが経過した後に、トランジスタTeがオンする。すると、オンしたトランジスタTeを介して降圧電圧VqがトランジスタTnの基板に印加され、基板電位VBは降圧電圧Vqと等しくなる。
また、信号電圧Vinがハイレベルからローレベルに切り替わる時点(時刻t5)から遅延回路19による遅延時間tcが経過した後に、トランジスタTeがオフする。すると、トランジスタTnの基板には抵抗Rsを介してアース電位GNDが印加され、基板電位VBはアース電位GNDと等しくなる。
その結果、前記[2−1]のように基板電位VBが変化する。
ここで、遅延回路19の遅延時間tcは、時刻t1〜t4の期間および時刻t5〜t8の期間になるため、前記[2−2][2−3]のように設定すればよい。
尚、抵抗Rsは、トランジスタTeのオン時に基板電位VBがアース電位GNDと等しくなるのを防止するために設けられており、その抵抗値はカット・アンド・トライにより実験的に最適値を見つけて設定すればよく、例えば、数百〜数千Ωに設定すればよい。
このように、基板電位制御回路32は簡単な構成で容易に実現することができる。
<別の実施形態>
本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、以下のように具体化してもよく、その場合でも、上記各実施形態と同等もしくはそれ以上の作用・効果を得ることができる。
[1]第1実施形態の昇圧回路16はチャージポンプ回路から成るが、昇圧電圧Vpを生成可能であれば、どのような回路を用いてもよい。また、昇圧回路16を、電圧Vpを生成するプラスの高電圧電源に置き換えてもよい。
また、第2実施形態の降圧回路34についても、降圧電圧Vqを生成可能であれば、どのような回路を用いてもよい。また、降圧回路34を、電圧Vqを生成するマイナスの高電圧電源に置き換えてもよい。
[2]上記各実施形態では各直流電源Vr,Vs,Vcを別個に設けているが、各直流電源Vr,Vs,Vcを共用にしてもよい。
[3]上記各実施形態は発振装置を構成する半導体装置に適用したものであるが、パワーMOSトランジスタをオン・オフ動作させる装置であれば、どのような装置に適用してもよい。
[4]上記各実施形態は半導体装置がワンチップに集積化されたモノリシックICから成るが、パワーMOSトランジスタを単独のデバイスとして構成してもよい。
[5]上記各実施形態はMOSトランジスタに適用したものであるが、本発明は絶縁ゲートによってチャネルを形成して駆動する絶縁ゲート型トランジスタであれば、どのようなタイプのトランジスタに適用してもよい。
また、本発明は、1つのチャネルを有する絶縁ゲート型トランジスタだけでなく、複数チャネルを有する絶縁ゲート型トランジスタに適用してもよい。
尚、絶縁ゲート型トランジスタには、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)およびIGFET(Insulated Gate Field Effect Transistor)がある。本発明をIGBTに適用した場合には、上記各実施形態のMOSトランジスタのソースがIGBTのエミッタに該当し、MOSトランジスタのドレインがIGBTのコレクタに該当する。
また、IGFETのゲート構造は、MOS(Metal Oxide Semiconductor)構造を含む広義のMIS(Metal Insulated Semiconductor)構造であれば、どのような構造でもよい。
そして、IGFETのソース・ドレイン領域の構造は、LDMOS(Laterally Diffused MOS:横方向拡散)やVDMOS(Vertically Diffused MOS:垂直方向拡散)など、どのような構造でもよい。
本発明を具体化した第1実施形態の半導体装置10の回路構成を示す回路図である。 半導体装置10の動作を説明するためのタイミングチャートであり、トランジスタTpのゲート電位Vg,基板電位VB,しきい値電圧Vt,ドレイン電位Vdおよび発振回路12の生成した信号電圧Vinの時間変位を示すグラフである。 特許文献1の技術をPチャネル・パワーMOSトランジスタTpに適用した場合の動作を説明するためのタイミングチャートである。 本発明を具体化した第2実施形態の半導体装置30の回路構成を示す回路図である。 半導体装置30の動作を説明するためのタイミングチャートであり、トランジスタTnのゲート電位Vg,基板電位VB,しきい値電圧Vt,ドレイン電位Vdおよび発振回路12の生成した信号電圧Vinの時間変位を示すグラフである。 特許文献1の技術をNチャネル・パワーMOSトランジスタTnに適用した場合の動作を説明するためのタイミングチャートである。
符号の説明
10…第1実施形態の半導体装置
12…発振回路
14…基板電位制御回路
16…昇圧回路(電圧生成手段)
18…基板バイアス回路
19…遅延回路(遅延手段)
30…第2実施形態の半導体装置
32…基板電位制御回路
34…降圧回路(電圧生成手段)
36…基板バイアス回路
Tp…Pチャネル・パワーMOSトランジスタ
Tc…PチャネルMOSトランジスタ(電圧印加手段)
Tn…Nチャネル・パワーMOSトランジスタ
Te…NチャネルMOSトランジスタ(電圧印加手段)
Rg…ゲート抵抗
Rs…抵抗
Vin…トランジスタ駆動指令信号(信号電圧)
Vg…ゲート電位
Vd…ドレイン電位
Vs…ソース電位
Vt…しきい値電圧
VB…基板電位
Vp…昇圧電圧
Vq…降圧電圧
GND…アース電位
Va…直流電源Vaの電位

Claims (3)

  1. ゲートが絶縁された絶縁ゲート型トランジスタと、
    そのトランジスタの基板電位を制御する基板電位制御回路と
    を備えた半導体装置であって、
    前記基板電位制御回路は、
    前記トランジスタのターンオフ時に、当該トランジスタのしきい値電圧と当該トランジスタのゲートに入力される電圧との電位差の絶対値が大きくなるように前記基板電位を制御することにより、当該トランジスタの基板に逆バイアスをかけ
    その逆バイアスをかけるタイミングを、当該トランジスタのターンオンが完了した時点以降で、且つ、当該トランジスタのゲートに入力される電圧が当該トランジスタをオフさせるレベルに切り替わる時点以前に設定することを特徴とする半導体装置。
  2. 請求項1に記載の半導体装置において、
    前記基板電位制御回路は、前記トランジスタの基板にかけた逆バイアスを解除するタイミングを、前記トランジスタのターンオフが完了した時点以降で、且つ、当該トランジスタのゲートに入力される電圧が当該トランジスタを再びオンさせるレベルに切り替わる時点以前に設定することを特徴とする半導体装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の半導体装置において、
    前記基板電位制御回路は、
    前記トランジスタの基板に逆バイアスをかけるための電圧を生成する電圧生成手段と、
    前記トランジスタのゲートに入力される信号を所定の遅延時間だけ遅延して出力する遅延手段と、
    その遅延手段の出力した信号に従い、前記電圧生成手段が生成した電圧を前記トランジスタの基板に印加する電圧印加手段と
    を備えたことを特徴とする半導体装置。
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