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JP4730709B2 - NOx吸蔵還元型触媒 - Google Patents
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JP4730709B2 - NOx吸蔵還元型触媒 - Google Patents

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本発明は、NO吸蔵還元型触媒に関し、より詳しくは、特に高温域において高いNO浄化率を示すNO吸蔵還元型の排ガス浄化用触媒に関する。
近年、地球環境保護の観点から、自動車等の内燃機関から排出される排ガス中の二酸化炭素(CO)が問題にされている。そこで温室効果ガスであるCOを低減するために、酸素過剰雰囲気下において希薄燃焼させる、いわゆるリーンバーンが実用化されている。このリーンバーンにおいては、燃料の使用量が低減でき、排ガスとして排出されるCO量を低減することができる。
そして、例えば特開平5−317625号公報(特許文献1)においては、アルカリ土類金属等のNO吸蔵材と貴金属とをアルミナ等の多孔質担体に担持したNO吸蔵還元型の排ガス浄化用触媒が開示されている。このような触媒によれば、空燃比をリーン側からパルス状にストイキ又はリッチ側となるように制御(リッチスパイク)することにより、リーン側でNOがNO吸蔵材に吸蔵され、それがストイキ又はリッチ側でHCやCO等の還元性成分と反応して浄化されるため、リーンバーンにおいてもNOを効率良く浄化することができた。
しかしながら、直噴ガソリンエンジンの高出力化あるいは高速走行の増加等を背景に、近年の自動車から排出される排ガスの温度は高温となっており、このような400℃以上という高温領域においては、特許文献1に記載のようなNO吸蔵還元型触媒ではNO吸蔵材が担体と固相反応を起こして失活してしまうという問題があった。
そこで、特開2002−79094号公報(特許文献2)においては、高温安定性の高いマグネシア・アルミナスピネル構造を有する複合酸化物を担体として用いることにより、高温用のNO吸蔵還元型触媒を得ている。
しかしながら、400℃以上という高温領域においては、NOの生成反応(NO+1/2O→NO)の平衡が大きくNO側に寄っており、NOは容易にNOへと分解されてしまい、NO吸蔵材に保持される前にNOとして再び気相に出てしまう。そのため、それを防ぐためにできるだけ多くのNOからNOへの反応活性点を触媒上に形成する必要があり、特許文献2に記載のようなNO吸蔵還元型触媒においてはその反応活性点としてPtやPdといった高価で稀少な貴金属を比較的多量に使用する必要があった。
一方、特開平10−338号公報(特許文献3)においては、燃料組成中の硫黄による被毒対策として、チタニア、シリカ、アルミナ等の多孔質担体にFeを担持したものをコーティングした触媒が開示されているが、FeはSOの吸着材として添加されたものであって、やはり比較的多量の貴金属を使用する必要があった。
特開平5−317625号公報 特開2002−79094号公報 特開平10−338号公報
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、貴金属の担持量が少なく、特に白金やパラジウムを用いない場合であっても、400℃以上という高温領域において十分に高いNO吸蔵能を有するNO吸蔵還元型触媒を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、卑金属触媒であるFeは高温で酸化活性を有するもののアルミナ等の担体と容易に固相反応して失活してしまうため貴金属の代わりに用いることはできないという認識が従来の技術常識であったにも拘らず、粒径3nm〜20μmのヘマタイトを、鉄と複合酸化物を形成し難い金属酸化物からなる酸化物担体と組み合わせて用い、さらにNO吸蔵材としてアルカリ金属、貴金属としてロジウムを採用することにより、驚くべきことに貴金属の担持量が少ない場合であっても高温領域において十分に高いNO吸蔵能が達成されるようになることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のNO吸蔵還元型触媒は、
粒径3nm〜20μmのヘマタイトと、
アルカリ金属と、
ロジウムと、
鉄と複合酸化物を形成し難い金属酸化物からなる酸化物担体と、
を備えており、前記の鉄と複合酸化物を形成し難い金属酸化物が、該金属酸化物200gに対して0.01〜1.0molの鉄を含む化合物と接触した状態で大気中750℃で5時間熱処理した後に粒径3nm〜20μmのヘマタイトを存在させ得る金属酸化物であることを特徴とするものである。
上記本発明にかかる前記の鉄と複合酸化物を形成し難い金属酸化物としては、マグネシア・アルミナスピネル構造を有する複合酸化物であることが特に好ましい。
また、本発明のNO吸蔵還元型触媒においては、貴金属の担持量が少なく、特に白金やパラジウムを用いない場合であっても高温領域において十分に高いNO吸蔵能が発揮されるため、白金及びパラジウムを実質的に含有していないことが好ましく、ロジウムの担持量が触媒1リットル当たり0.01〜2.0gであることが好ましい。
なお、本発明にかかる粒径3nm〜20μmのヘマタイトの存在は、以下の方法により確認できる。すなわち、一般にX線回折分析によって粒径を求める場合は、以下の「シェラー式」が使われる。
d=(0.9λ)/(Bcosθ
(式中、dは粒径、λは使用したX線固有値、Bはピーク半価幅、θはピークの角度を示す。)
例えば、X線源としてCuのKαを使用した場合、ヘマタイトで観測される33.152°において半価幅が2.8°より細いピークが認められることによって、粒径3nm以上のヘマタイトの存在が確認される。
本発明によれば、貴金属の担持量が少なく、特に白金やパラジウムを用いない場合であっても、400℃以上という高温領域において十分に高いNO吸蔵能を有するNO吸蔵還元型触媒を提供することが可能となる。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。
本発明のNO吸蔵還元型触媒は、
粒径3nm〜20μmのヘマタイトと、
アルカリ金属と、
ロジウムと、
鉄と複合酸化物を形成し難い金属酸化物からなる酸化物担体と、
を備えることを特徴とするものである。
本発明において用いられるヘマタイトは、Feで表される酸化鉄の一種であり、その粒径は3nm〜20μmであることが必要であり、5nm〜1000nmであることがより好ましい。その活性発現機構は必ずしも明らかではないが、ヘマタイトの粒径が3nm未満ではFeと担体との相互作用が強すぎるためNO酸化が抑制され、、他方、20μmを超えると酸化したNOの吸蔵材への移動が起こりにくくなる。
また、本発明のNO吸蔵還元型触媒に含有されるFeの含有量は、触媒1リットル(担体200g)当たり0.01〜1.0molであることが好ましく、0.05〜0.5molであることがより好ましい。前記Feの含有量が前記下限未満ではNOをNOに酸化して吸蔵材に送るのに十分な活性点数が不足する傾向にあり、他方、前記上限を超えると担体との固溶反応が起こり比表面積の低下を招く傾向にある。
また、本発明において用いられる鉄と複合酸化物を形成し難い金属酸化物からなる酸化物担体としては、該金属酸化物200gに対して0.01〜1.0molの鉄を含む化合物と接触した状態で大気中750℃で5時間熱処理した後に粒径3nm〜20μmのヘマタイトを存在させ得る金属酸化物であることが好ましく、以下に説明するマグネシア・アルミナスピネル構造を有する複合酸化物であることが特に好ましい。
このようなマグネシア・アルミナスピネル構造を有する複合酸化物は、MgAl構造を有する複合酸化物であり、この複合酸化物はそれ自体耐熱性が高く、高比表面積のものが比較的得やすいものである。
このようなマグネシア・アルミナスピネル構造を有する複合酸化物の{800}面の格子定数は理論値8.083±0.02Åであり、X線回折法によって検出されるマグネシアの最強線のピークがマグネシア・アルミナスピネルの最強線の1/20以下であり、かつマグネシウム(Mg)とアルミニウム(Al)の組成比がMg/2Al=1±0.05(モル比)であることが望ましい。
また、本発明にかかる担体の比表面積が、50m/g以上であることが好ましく、80m/g以上であることがより好ましく、100m/g以上であることがさらに好ましい。比表面積が大きいほど前記ヘマタイト、NOx吸蔵材及び貴金属の分散性が向上し、高温域でもより高いNO吸蔵能を示す傾向にある。
このようなマグネシア・アルミナスピネル構造を有する複合酸化物は、例えば特開2000−128527号公報に記載の製造方法を用いて製造することができる。すなわち、水酸化マグネシウムと水酸化アルミニウムを原子比でAl:Mg=2:1となるように混合し、機械的に混合・粉砕して複合水酸化物を含む水酸化物の混合組成物とし、それを加熱処理することでマグネシア・アルミナスピネル構造を有する複合酸化物とする。混合・粉砕時に、混合物に機械的に十分なエネルギーを与えることにより、両水酸化物の少なくとも一部を複合水酸化物に転化させるとともに、80重量%以上の粒子の粒子径が100nm以下となるまで十分に微細化する。そして得られた混合組成物を1100℃以下の温度で加熱処理することにより、前記マグネシア・アルミナスピネル構造を有する複合酸化物からなる担体が得られる。また、このような担体は、ゾルゲル法あるいは共沈法によっても製造することができる。
なお、本発明のNO吸蔵還元型触媒に含有される酸化物担体の全てが前述の鉄と複合酸化物を形成し難い金属酸化物からなるものである必要はないが、該触媒に含有される酸化物担体のうち前述の鉄と複合酸化物を形成し難い金属酸化物の含有量が20wt%以上であることが好ましく、80wt%以上であることがより好ましい。前述の鉄と複合酸化物を形成し難い金属酸化物の含有量が前記下限未満では、鉄が担体と固溶反応して活性点を失うため、高温領域におけるNO吸蔵能が低下する傾向にある。前述の鉄と複合酸化物を形成し難い金属酸化物以外の金属酸化物であって、本発明のNO吸蔵還元型触媒に含有され得るものとしては、ジルコニア、アルミナ、チタニア、セリア、シリカ、或いはこれらの複合酸化物が挙げられる。
また、本発明のNO吸蔵還元型触媒においては、前記酸化物担体を後述する他の基材に担持させて構成されるものであってもよく、その場合、前記酸化物担体の担持量は、触媒1リットル当たり50〜300gであることが好ましく、200〜300gであることがより好ましい。前記酸化物担体の担持量が前記下限未満では反応ガスとの接触確率が低下するため、十分な吸蔵性能が得られなくなる傾向にあり、他方、前記上限を超えるとコート量が多すぎるため、基材全体としての背圧が上昇し、エンジン出力の低下をもたらす傾向にある。
本発明のNO吸蔵還元型触媒においては、NO吸蔵材としてアルカリ金属が用いられる。このようなアルカリ金属としては、Li、Na、K、Csが例示され、中でもアルカリ度が高く高温でも飛散しないKが特に好ましい。なお、本発明のNO吸蔵還元型触媒においては、前記アルカリ金属と同様にNO吸蔵材として知られているアルカリ土類金属や希土類元素を用いた場合には、その塩基性の低さのため、高温領域においてNO吸蔵能が高いという本発明の効果は達成されない。
本発明のNO吸蔵還元型触媒におけるアルカリ金属の担持量は、触媒1リットル当たり0.1〜2.0モルとすることが好ましく、0.3〜1.0モルとすることがより好ましい。アルカリ金属の担持量が前記下限未満ではNO吸蔵能が不十分となる傾向にあり、他方、前記上限を超えると活性点である鉄を覆ったり、担体の細孔を閉塞して比表面積の低下を招くといった原因により活性が低下する傾向にある。
なお、アルカリ金属としてKを用いる場合には、触媒1リットル当たり0.3モル以上、より好ましくは0.6モル以上担持することが好ましい。Kの担持量が0.3モル/L未満ではNO吸蔵量が低下する傾向にある。また、Kの担持量の上限は特に制限されないが、1モル/L程度でNO吸蔵能がほぼ飽和する傾向にあるので、1モル/Lを限度とすることが好ましい。
本発明のNO吸蔵還元型触媒においては、貴金属としてロジウムが用いられる。前述のとおり、本発明のNO吸蔵還元型触媒においては、貴金属の担持量が少なく、特に白金やパラジウムを用いない場合であっても高温領域において十分に高いNO吸蔵能が発揮されるため、白金及びパラジウムを実質的に含有していないことが好ましい。
また、ロジウムの担持量は、触媒1リットル当たり0.01〜2.0gであることが好ましく、0.1〜1.0gであることがより好ましい。ロジウムの担持量が前記下限未満では吸蔵NOの還元が不十分となる傾向にあり、他方、前記上限を超えると経済的に本発明の優位性が低下する傾向にある。
本発明のNO吸蔵還元型触媒の形態は特に制限されず、ハニカム形状のモノリス触媒、ペレット形状のペレット触媒等の形態とすることができる。ここで用いられる基材も特に制限されず、得られる触媒の用途等に応じて適宜選択されるが、DPF基材、モノリス状基材、ペレット状基材、プレート状基材等が好適に採用される。また、このような基材の材質も特に制限されないが、コーディエライト、炭化ケイ素、ムライト等のセラミックスからなる基材や、クロム及びアルミニウムを含むステンレススチール等の金属からなる基材が好適に採用される。
さらに、本発明のNO吸蔵還元型触媒を製造する方法も特に制限されず、例えば、モノリス触媒を製造する場合は、コーディエライト等により形成されたハニカム形状の基材に、上述の本発明にかかる諸成分からなるコート層を順次または一括して形成せしめる方法が適宜採用される。なお、上述の酸化物担体の粉末に予めアルカリ金属及び/又はロジウムを担持せしめた後に粉末を用いて基材にコート層を形成する方法でも、上述の酸化物担体の粉末を用いて基材にコート層を形成した後にアルカリ金属及び/又はロジウムを担持せしめる方法でもよい。
また、本発明のNO吸蔵還元型触媒に前記ヘマタイトを含有させる方法も特に制限されず、例えば、鉄の塩(例えば、硝酸鉄・9水和物、塩化鉄(II)、臭化鉄(II)、シュウ酸鉄・2水和物、酢酸鉄(II)、クエン酸鉄)を含有する水溶液を前記酸化物担体に接触させた後に乾燥し、更に焼成する方法が挙げられる。また、前記ヘマタイトの全体又は一部として、ヘマタイトの粉末を前記酸化物担体の粉末と共に混合して用いてもよい。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(予備実施例1)
通常の共沈法によって作製した比表面積が100m/gのMgAlスピネル粉末200gに所定量の硝酸鉄・9水和物水溶液を含浸し、空気中で300℃×3時間の仮焼を行い、さらに空気中で750℃×5時間の熱処理を行って予備実施例1の試料を得た。Feの担持量は0.12mol/Lであった。
(予備比較例1)
MgAlスピネル粉末の代わりに市販のアルミナ粉末(WRグレース社製、MI386)を使用したこと以外は予備実施例1と同様にして予備比較例1の試料を得た。
(予備比較例2)
MgAlスピネル粉末の代わりに市販のマグネシア粉末(宇部マテリアルズ社製、500A)を使用したこと以外は予備実施例1と同様にして予備比較例2の試料を得た。
(予備比較例3)
MgAlスピネル粉末の代わりに市販のジルコニア粉末(第1稀元素化学工業社製、RC100)を使用したこと以外は予備実施例1と同様にして予備比較例3の試料を得た。
<XRD測定>
予備実施例1及び予備比較例1〜3で得られた試料について、X線回折装置((株)リガク社製、RINT−2200)を用いて30°〜35°の回折線を測定した。得られた結果を図1に示す。
図1に示した結果から、予備実施例1で得られた試料においてはヘマタイトで観測される33.152°において細いピークが認められ、平均粒径44.6nmのヘマタイトの存在が確認されたが、予備比較例1〜3で得られた試料においてはそのピークは認められなかった。
<FE−TEM測定>
予備実施例1及び予備比較例1で得られた試料について、透過型電子顕微鏡((株)日立社製、HF−2000)を用いてFE−TEM写真を撮影した。得られた結果を図2(予備実施例1)及び図3(予備比較例1)に示す。
図2において、白丸で示したコントラストの濃い部分1と比較的薄い部分2における元素組成(atom%)を以下に示す。
1 2
Mg 35.51 33.46
Al 33.80 62.4
Fe 30.68 4.08
この結果から、予備実施例1で得られた試料においては、コントラストの濃い部分にFeが存在することが確認された。そして、図2において、黒丸3〜7で示す部分にコントラストの濃いFeの粒子が確認された。
一方、図3において、黒丸1〜4で示す部分における元素組成(atom%)を以下に示す。
1 2 3 4
Al 97.19 97.64 98.42 98.21
Fe 2.81 2.36 1.58 1.79
この結果から、予備比較例1で得られた試料においては、コントラストに拘わらず、Feが粒子として集中して存在するところはなく、広く一様に存在していることが確認された。
従って、MgAlスピネル粉末は本発明にかかる鉄と複合酸化物を形成し難い金属酸化物からなる酸化物担体に相当するが、アルミナ粉末、マグネシア粉末及びジルコニア粉末は本発明にかかる鉄と複合酸化物を形成し難い金属酸化物からなる酸化物担体に相当しないことが確認された。
(実施例1)
MgAlスピネル粉末と、Rhの担持量が0.5g/LとなるようにRhが担持された市販ZrO粉末(第1稀元素化学工業社製、RC100)との混合粉末を定法でスラリー化し、コーディエライト製のモノリス基材(直径30mm、長さ50mm、体積35cc)にMgAlスピネル粉末の担持量が200g/L、ZrO粉末の担持量が50g/Lとなるようにコート層を形成した。次に、所定量の硝酸鉄・9水和物水溶液をコート層に含浸させ、空気中で300℃×3時間の仮焼を行った。さらに、所定量の酢酸カリウム水溶液をコート層に含浸させ、空気中で300℃×3時間の仮焼を行った。Feの担持量は0.12mol/L、Kの担持量は0.6mol/Lであった。さらに、表1に示すリッチモデルガス及びリーンモデルガスを用いて10L/minの流速でリッチとリーンを10秒/110秒で切り替えながら、750℃×5時間の熱処理を行い、実施例1の試料を得た。
実施例1で得られた試料について前記と同様にXRD測定を行ったところ、33.152°付近に細いピークが観測され、粒径3nm〜20μmのヘマタイトの存在が確認された。
(実施例2)
MgAlスピネル粉末と、Rhの担持量が0.5g/LとなるようにRhが担持された市販ZrO粉末(第1稀元素化学工業社製、RC100)と、Fe粉末(戸田工業社製、100ED、平均粒径:0.1μm)との混合粉末を定法でスラリー化し、コーディエライト製のモノリス基材(直径30mm、長さ50mm、体積35cc)にMgAlスピネル粉末の担持量が200g/L、ZrO粉末の担持量が50g/L、Fe粉末の担持量がFeとして0.12mol/Lとなるようにコート層を形成した。次に、所定量の酢酸カリウム水溶液をコート層に含浸させ、空気中で300℃×3時間の仮焼を行った。Kの担持量は0.6mol/Lであった。さらに、表1に示すリッチモデルガス及びリーンモデルガスを用いて10L/minの流速でリッチとリーンを10秒/110秒で切り替えながら、750℃×5時間の熱処理を行い、実施例2の試料を得た。
実施例2で得られた試料について前記と同様にXRD測定を行ったところ、平均粒径0.1μmのヘマタイトの存在が確認された。
(実施例3)
Rhの担持量が0.5g/LとなるようにRhが担持された市販ZrO粉末に代えてRhの担持量が0.5g/LとなるようにRhが担持されたMgAlスピネル粉末を使用したこと以外は実施例1と同様にして実施例3の試料を得た。
実施例3で得られた試料について前記と同様にXRD測定を行ったところ、33.152°付近に細いピークが観測され、粒径3nm〜20μmのヘマタイトの存在が確認された。
(実施例4)
MgAlスピネル粉末を定法でスラリー化し、コーディエライト製のモノリス基材(直径30mm、長さ50mm、体積35cc)にMgAlスピネル粉末の担持量が200g/Lとなるようにコート層を形成した。次に、所定量の硝酸ロジウム水溶液をコート層に含浸させ、空気中で300℃×3時間の仮焼を行った。次いで、所定量の硝酸鉄・9水和物水溶液をコート層に含浸させ、空気中で300℃×3時間の仮焼を行った。さらに、所定量の酢酸カリウム水溶液をコート層に含浸させ、空気中で300℃×3時間の仮焼を行った。Rhの担持量は0.5g/L、Feの担持量は0.12mol/L、Kの担持量は0.6mol/Lであった。さらに、表1に示すリッチモデルガス及びリーンモデルガスを用いて10L/minの流速でリッチとリーンを10秒/110秒で切り替えながら、750℃×5時間の熱処理を行い、実施例4の試料を得た。
実施例4で得られた試料について前記と同様にXRD測定を行ったところ、33.152°付近に細いピークが観測され、粒径3nm〜20μmのヘマタイトの存在が確認された。
(実施例5)
担持するK量を0.3mol/Lとしたこと以外は実施例1と同様にして実施例5の試料を得た。
(実施例6)
担持するK量を0.15mol/Lとしたこと以外は実施例1と同様にして実施例6の試料を得た。
(比較例1)
MgAlスピネル粉末の代わりに市販のアルミナ粉末(WRグレース社製、MI386)を使用したこと以外は実施例1と同様にして比較例1の試料を得た。比較例1で得られた試料について前記と同様にXRD測定を行ったところ、33.152°付近にピークは観測されず、ヘマタイトの存在は確認されなかった。
(比較例2)
MgAlスピネル粉末の代わりに市販のマグネシア粉末(宇部マテリアルズ社製、500A)を使用したこと以外は実施例1と同様にして比較例2の試料を得た。比較例2で得られた試料について前記と同様にXRD測定を行ったところ、33.152°付近にピークは観測されず、ヘマタイトの存在は確認されなかった。
(比較例3)
MgAlスピネル粉末の代わりに市販のジルコニア粉末(第1稀元素化学工業社製、RC100)を使用したこと以外は実施例1と同様にして比較例3の試料を得た。比較例3で得られた試料について前記と同様にXRD測定を行ったところ、33.152°付近にピークは観測されず、ヘマタイトの存在は確認されなかった。
(比較例4)
Feを含浸担持せしめる代わりに、ジニトロジアミノ白金水溶液を用いて担持量が2g/LとなるようにPtを担持せしめたこと以外は実施例1と同様にして比較例4の試料を得た。
(比較例5)
Feを含浸担持せしめる代わりに、ジニトロジアミノ白金水溶液を用いて担持量が2g/LとなるようにPtを担持せしめたこと以外は比較例1と同様にして比較例5の試料を得た。
(比較例6)
Kを含浸担持せしめる代わりに、酢酸バリウム水溶液を用いて担持量が0.4mol/LとなるようにBaを担持せしめたこと以外は実施例1と同様にして比較例6の試料を得た。
(比較例7)
Kを含浸担持せしめる代わりに、酢酸バリウム水溶液を用いて担持量が0.2mol/LとなるようにBaを担持せしめたこと以外は実施例1と同様にして比較例7の試料を得た。
<95%NO吸蔵量の評価>
実施例1〜4及び比較例1〜7で得られた試料をそれぞれ評価装置に配置し、表2に示すリッチモデルガスを用いて、入りガス温度が600℃、SVが51400h−1の条件下でリッチ状態を5分間続けた後、ガスを表2に示すリーンモデルガスに切り替え、出ガス中のNO濃度を算出し、以下のようにして600℃における95%NO吸蔵量を求めた。
すなわち、出ガス中のNO濃度は、リッチ状態からリーン状態に切り替わった直後から図4に模式的に示すように徐々に増大する(触媒通過後のNO濃度)。そして、リッチ状態からリーン状態に切り替わった直後から時間tが経過するまでに、触媒に流入したNO総量は図4に示すA+Bの面積で表され、触媒に吸蔵されたNO量はAの部分の面積で表される。そこで、Aの部分の面積がA+Bの面積の95%以上となるときの時間tを測定し、Aの部分の面積に相当するNO量を算出して600℃95%NO吸蔵量とした。実施例1〜4及び比較例1〜7で得られた試料について測定した結果を表3にに示す。
表3に示した結果から明らかなとおり、MgAlスピネル粉末を担体として使用し、Feを含浸あるいは粉末で添加して粒径3nm〜20μmのヘマタイトを担持せしめた本発明の触媒においては、非常に高い95%NO吸蔵量を示すことが確認された。
また、実施例1、5,6で得られた試料について前記と同様にして600℃における95%NO吸蔵量を求め、得られた結果を図5に示す。図5に示した結果から、Kの担持量は0.3mol/Lより多いことが好ましいことが確認された。
以上説明したように、本発明によれば、貴金属の担持量が少なく、特に白金やパラジウムを用いない場合であっても、400℃以上という高温領域において十分に高いNO吸蔵能を有するNO吸蔵還元型触媒を提供することが可能となる。
したがって、本発明のNO吸蔵還元型触媒は、特に高温域において高いNO浄化率を示すNO吸蔵還元型の排ガス浄化用触媒として非常に有用である。
予備実施例1及び予備比較例1〜3で得られた試料のX線回折プロファイルを示すグラフである。 予備実施例1で得られた試料のFE−TEM写真である。 予備比較例1で得られた試料のFE−TEM写真である。 リッチ状態からリーン状態に切り替わった直後における出ガス中のNO濃度を模式的に示すグラフである。 実施例1、5,6で得られた試料における600℃95%NO吸蔵量を示すグラフである。

Claims (3)

  1. 粒径3nm〜20μmのヘマタイトと、
    アルカリ金属と、
    ロジウムと、
    鉄と複合酸化物を形成し難い金属酸化物からなる酸化物担体と、
    を備えており、前記の鉄と複合酸化物を形成し難い金属酸化物が、該金属酸化物200gに対して0.01〜1.0molの鉄を含む化合物と接触した状態で大気中750℃で5時間熱処理した後に粒径3nm〜20μmのヘマタイトを存在させ得る金属酸化物であることを特徴とするNO吸蔵還元型触媒。
  2. 前記の鉄と複合酸化物を形成し難い金属酸化物が、マグネシア・アルミナスピネル構造を有する複合酸化物であることを特徴とする請求項1に記載のNO吸蔵還元型触媒。
  3. 白金及びパラジウムを実質的に含有しておらず、前記ロジウムの担持量が触媒1リットル当たり0.01〜2.0gであることを特徴とする請求項1又は2に記載のNO吸蔵還元型触媒。
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