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JP4736079B2 - 粉末状アクリル酸カリの製造方法 - Google Patents
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JP4736079B2 - 粉末状アクリル酸カリの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、粉末状アクリル酸カリの製造方法、詳しくは、水分含有量が少なく、流動性が高く、塊状物の存在しない粉末状アクリル酸カリの製造方法に関するもので、化学品製造技術に属するものである。
【0002】
【従来の技術】
ビニル系単量体であるアクリル酸カリは、その単独重合体は勿論、各種の単量体と共重合させて得られる共重合体は、水性塗料、水性接着剤、シーリング剤などの増粘剤、ハップ剤の基剤又は粘着性向上剤、顔料や骨材の分散剤・バインダー及び沈降防止剤、乾電池の金属粉の分散安定剤などとして様々な分野で使用されている。
【0003】
これらの用途において、通常、アクリル酸カリは水溶液として用いられているが、一部の用途においては粉末状のものが求められている。
しかしながら、アクリル酸カリは非常に吸湿性の強いもので、吸湿したアクリル酸カリは塊状物となり易く、塊状となったアクリル酸カリは、その取り扱いが非常に困難なものであるので、粉末状のものが求められながら、取り扱いの困難な塊状物の混入したものがしばしば供給されるというのが現状で、その改良が強く求められている。
【0004】
アクリル酸カリの水溶液から粉末を得る方法は、通常、乾燥さらには粉砕などの工程を経て得るという方法で行われている。
その乾燥方法としては、内部に蒸気等の熱媒体を通して、高温にした回転ドラム表面又は回転ディスクの上面に、さらには2本ロールの間隙に、アクリル酸カリ水溶液を薄膜状に付着させ乾燥させる方法や、スプレードライヤーなどを用いた噴霧による乾燥方法などが採用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
かかる方法で製造された粉末状のアクリル酸カリは、気密性を有する容器に収納されて製品とされる。
したがって、容器に収容された粉末状アクリル酸カリは、保存中に吸湿して塊状化するおそれは少ないが、容器を開封した後、急速に吸湿して塊状化することがある一方、製造工程においても吸湿塊状化し、配管を詰まらせたり、容器への充填を困難にするという問題を有している。
【0006】
かかる現状に鑑み、この発明の発明者等は、塊状化し難いアクリル酸カリの粉末を得るべく、粉末状アクリル酸カリの製造方法について鋭意検討を行った。
その結果、水溶液から分離乾燥して得た粉末状アクリル酸カリを、さらに乾燥気体に接触させ、含水率を200ppm以下になるように乾燥処理することにより、得られた粉末状アクリル酸カリが、塊状化し難いものとなり、製造工程中においても、製品として使用される際にも、塊状物を生じることが少ないことを見出し、この発明を完成させた。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明の請求項1に記載の発明は、
固形分濃度が10〜70質量%のアクリル酸カリの水溶液をスプレードライヤーで乾燥させて得た粉末状のアクリル酸カリを、前記スプレードライヤーと配管を介して連携するサイクロンに送り、
前記サイクロン内において、水蒸気を含む空気から分離した粉末状のアクリル酸カリを配管を介してストックタンクに送り、
前記ストックタンク内において、露点温度が−20℃以下の乾燥気体と接触混合させて含水率を200ppm以下に乾燥処理することによって、粉末表面には水分が殆ど存在しないサラサラのアクリル酸カリを生成し、
得たアクリル酸カリを、前記ストックタンクに付設されたロータリーバルブを介して充填機を用い、防湿性の容器に充填すること
を特徴とする粉末状アクリル酸カリの製造方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】
この発明において、使用するアクリル酸カリの水溶液には格別な制限はない。
工業用アクリル酸を、工業用の苛性カリで単純に中和したものであってよく、固形分濃度としては、取り扱いの容易性から10〜70質量%であって、より好ましくは20〜50質量%のものである。
【0009】
分離乾燥に使用する機器としては、スプレードライヤーを用いるものである。
【0010】
乾燥気体としては、空気あるいは窒素、二酸化炭素などの不活性気体及びそれらの混合気体を乾燥したものが用いられる。
格別な理由がなければ、空気を用いればよく、空気としては、空気乾燥機で、空気中の水蒸気を除去したものなどが用いられる。
【0011】
空気乾燥機には、水蒸気を凝縮させ除湿する冷凍式と、吸着剤を用いて水蒸気を吸着する吸着式が存在する。
吸着式には、吸着剤を再生させる方法から加熱再生型と無加熱再生型があるが、この発明の製造方法にとり好ましいものは、低露点温度の乾燥空気が簡易な装置で安価に得られる、無加熱再生型吸着式空気乾燥機である。
【0012】
乾燥気体、通常乾燥空気としては、露点温度が−20℃以下のものを用いる。
【0013】
以下、分離乾燥用機器としてスプレードライヤーを用いた、この発明に係る粉末状アクリル酸カリの製造装置の一例を図1に基づいて説明するが、製造装置はこの実施例にのみ限定されるものではない。
【0014】
図1において、1は内部にバイブレータ(図示せず)を内蔵し、上部にエアディスパーザ2を有する原料のアクリル酸カリ水溶液を乾燥させるためのドライチャンバ、3はポンプ4によって供給される原料のアクリル酸カリ水溶液を、前記ドライチャンバに霧状で供給するためのアトマイザー、5はエアヒータで、送風機6によって取り入れた空気は、加熱されて前記エアディスパーザ2に供給され、ドライチャンバ1内に温風が、サイクロン状に吹き込まれるもので、かかる部材によって、全体でスプレードライヤーが構成されている。
【0015】
7は、配管8を介してドライチャンバ1に連携し、ドライチャンバ1から供給される粉末状のアクリル酸カリと、水蒸気を含む空気を分離するサイクロン、9は配管10を介して前記サイクロン7のロータリバルブ11に連携するストックタンクで、バイブレータ(図示せず)を付帯されるとともに、配管12を介して空気乾燥機13と連携している。
【0016】
14は、配管15を介して前記サイクロン7と連携するバグフィルタで、排風機16を具備し、配管15を介してサイクロン7から供給される、微小な粉末状のアクリル酸カリと空気を分離し、分離した空気は排風機16を介して外部に排出するものである。
【0017】
かかるスプレードライヤーを主とする粉末状アクリル酸カリの製造装置を使用して、粉末状のアクリル酸カリを製造するには、ポンプ4で送られてきた原料のアクリル酸カリ水溶液をアトマイザー3に供給し、噴霧状にしてエアディスパーザ2を介してドライチャンバ1に送り込む
同時に、エアヒータ5で所定の温度に加熱された空気を送風機6によってエアディスパーザ2に供給すると、噴霧状になったアクリル酸カリ水溶液と加熱された空気は、エアディスパーザ2で一体的に混合されてドライチャンバ1内に送られ、攪拌混合されスプレー乾燥される。
【0018】
その際、噴霧状のアクリル酸カリ水溶液の水分が加熱され水蒸気となって、アクリル酸カリが粉末状になるとともに、水蒸気を含んだ空気と一緒に配管8を経てサイクロン7に送られるが、ドライチャンバ1内にはバイブレータが付設されているので、粉末状となったアクリル酸カリが周壁に付着することがない。
【0019】
サイクロン7に送られた、粉末状のアクリル酸カリと発生した水蒸気を含む空気は、粉末状のアクリル酸カリと水蒸気を含む空気に分離され、粉末状のアクリル酸カリは、配管10を介してストックタンク9に送られるが、微小な粉末状のアクリル酸カリは、空気と共に配管15を経てバグフィルタ14に送られる。
【0020】
ストックタンク9に供給された粉末状のアクリル酸カリは、ストックタンク9には配管12を介して、空気乾燥機13から所定の露点温度に調整された乾燥空気が供給されるため、この乾燥空気と粉末状のアクリル酸カリが混合接触し、サラサラの粉末状のアクリル酸カリが生成され、ロータリバルブ11を介し充填機(図示せず)を用いて容器に収容され製品とされる。
【0021】
なお、バグフィルタ14に送られ、微小な粉末状のアクリル酸カリと空気は、バグフィルタ14において分離され、空気は排風機16によって外気中に、微小な粉末状のアクリル酸カリは、ロータリバルブ11を介して取り出され、製品として出荷される。
【0022】
【作用】
この発明のアクリル酸カリの製造方法によれば、水溶液から分離乾燥して得た粉末を、さらにストックタンク内において露点温度が−20℃以下の乾燥気体と接触混合させ、水分が200ppm以下の粉末状のアクリル酸カリとすることにより、得られる粉末状アクリル酸カリを、密封容器内では勿論のこと、開封後においても、あるいは比較的空気の混入し易い製造装置内でも、吸湿による塊状化が起こり難く、使用に際しても、製造に際しても、非常に取り扱いやすいものにするのである。
【0023】
前記の方法によって、かかる性質を有する粉末状アクリル酸カリが、なぜ得られるのかは定かではないが、この発明により調製された水分が200ppm以下の粉末状アクリル酸カリは、粉末表面に水分が殆ど存在せず、乾燥空気により表面が、かなりの程度疎水性を帯びたためでないかと考えられる。
【0024】
【実施例】
以下、実施例及び比較例によって、この発明に係る粉末状アクリル酸カリの製造方法をさらに具体的に説明する。
【0025】
<実施例1>
アクリル酸水溶液に、苛性カリを加えて中和して得たアクリル酸カリ水溶液(濃度:30質量%)40kg/Hrを、温度260℃に加熱された空気4m/minと共に15,000rpmのエアディスパーザを用いて内径3,500mm×高さ2,000mmのドライチャンバ(処理能力:150kg/h)に送り、乾燥させた。
熱風により乾燥し、粉末状となったアクリル酸カリは、温度140℃の気流により、直径300mmのサイクロンに送られ、空気と分離した。
【0026】
空気と分離された粉末状のアクリル酸カリを、サイクロンの下部から1.5mのストックタンクに送った。
ストックタンクには、330l/minの乾燥空気を製造する能力のある空気乾燥機2台から別々に、露点温度−20℃以下の空気が供給され、粉末状のアクリル酸カリと接触混合させた。
ストックタンクに送られてきた粉末状のアクリル酸カリは、温度60℃程度の温度を有するもので、乾燥空気との接触混合により冷却され、充填機により防湿性の容器に何ら問題なく充填され製品とされた。
【0027】
得られた製品中には塊状物が存在せず、充填1ヵ月後の検査でも、塊状物は認められず粉末状のままであった。
また、製品の含水率を、相対湿度40%の環境下に、カールフィッシャー法を用い、以下の条件で測定したところ、120ppmであった。
【0028】
<含水率測定条件(カールフィッシャー法)>
三菱化成株式会社製水分測定装置(CA−06型)を用い、同装置に接続された水分気化装置(VA−06型)の気化室に精秤した試料を載置し、設定温度150℃、窒素流量200ml/minで測定した。
なお、カールフィッシャー水分測定試薬としては、三菱化成株式会社製のアクアミクロンAX、アクアミクロンCXUを使用した。
【0029】
<比較例1>
ストックタンクでの粉末状アクリル酸カリと、乾燥空気との接触混合を実施しない以外は、実施例1と同様にして、粉末状アクリル酸カリを調製した。
このアクリル酸カリの含水率を、実施例と同様に、カールフィッシャー法で測定したところ、2850ppmであった。
得られた粉末状のアクリル酸カリは、ストックタンクで既に塊状化の傾向があり、塊状化の認められない粉末のみを充填した製品も、防湿性容器中において短時間で塊状化し、一部重合し、粉末分散不能な状態となり、品質も急速に劣化した。
【0030】
【発明の効果】
この発明の粉末状アクリル酸カリの製造方法によれば、原材料となる特定濃度のアクリル酸カリの水溶液を、一旦スプレードライヤーで乾燥させて得た粉末状のアクリル酸カリをストックタンクに供給し、このストックタンク内において、露点温度が−20℃以下の乾燥気体と接触混合させることによって、含水率が200ppm以下で、かつ表面には水分が殆ど存在しない状態の粉末状のアクリル酸カリを得ることができ、密封容器に収容した場合は勿論のこと、製造過程においても吸湿し難く、使用に際しても、非常に取り扱いやすい粉末状のアクリル酸カリを簡単かつ容易に製造することが可能となった。
【0031】
また、この発明の粉末状アクリル酸カリの製造方法によって得られた粉末状のアクリル酸カリは、何に起因するのかは定かではないが、長期間保管しても塊状化し難く、得られた粉末状のアクリル酸カリは、水分が200ppm以下で、かつ粉末表面には水分が殆ど存在しない状態の塊状化傾向の少ない優れた粉末状のアクリル酸カリが提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係る粉末状アクリル酸カリの製造方法の概略工程説明図である。
【符号の説明】
1 ドライチャンバ
2 エアディスパーザ
3 アトマイザー
4 ポンプ
5 エアヒータ
6 送風機
7 サイクロン
8,10,15 配管
9 ストックタンク
11 ロータリバルブ
13 空気乾燥機
14 バグフィルタ

Claims (1)

  1. 固形分濃度が10〜70質量%のアクリル酸カリの水溶液をスプレードライヤーで乾燥させて得た粉末状のアクリル酸カリを、前記スプレードライヤーと配管を介して連携するサイクロンに送り、
    前記サイクロン内において水蒸気を含む空気から分離した粉末状のアクリル酸カリを、配管を介してストックタンクに送り、
    前記ストックタンク内において、露点温度が−20℃以下の乾燥気体と接触混合させて含水率を200ppm以下に乾燥処理することによって、粉末表面には水分が殆ど存在しないサラサラのアクリル酸カリを生成し、
    得たアクリル酸カリを、前記ストックタンクに付設されたロータリーバルブを介して充填機を用い、防湿性の容器に充填すること
    を特徴とする粉末状アクリル酸カリの製造方法。
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