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JP4738283B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents
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JP4738283B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は空気入りタイヤに関し、たとえば乗り心地性能を維持しながら操縦安定性能および耐久性能を向上させた空気入りタイヤに関する。
近年、自動車の装備や性能の著しい充実に加え、道路網が拡充発展したことで、タイヤについても安定した操縦性、特に高速走行での高い制動性能の要求に加えて、乗り心地についても高い性能が要求されていきている。タイヤの制動性能を高くするためには、タイヤの前後剛性を高くする方法等が従来用いられており、たとえば高硬度サイドウォールを用いる方法等が知られている。
たとえば特開2002−37929号公報(特許文献1)には、ゴム成分100重量部に対して、裁断した古紙を1重量部〜10重量部配合したタイヤ用ゴム組成物が開示されている。特許文献1に開示のタイヤ用ゴム組成物では、高い硬度のタイヤを得ることができる。
また、特開2002−249619号公報(特許文献2)には、天然ゴムおよび/またはジエン系合成ゴム100重量部に対し、短繊維2〜15重量部、古紙1〜6重量部およびシリカ5〜30重量部を含有するスタッドレスタイヤ用ゴム組成物が開示されている。特許文献2に開示のスタッドレスタイヤ用ゴム組成物では、氷上グリップ性能を向上することができる。
特開2002−37929号公報 特開2002−249619号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示のタイヤ用ゴム組成物をサイドウォール部に用いると、制動性能は向上できるものの、サイドウォール部として必要な耐久性能および乗り心地性能を損ねてしまうという問題がある。
また、上記特許文献2に開示のスタッドレスタイヤ用ゴム組成物をサイドウォール部に用いると、氷上グリップ性能および耐摩耗性能は維持できるものの、乗り心地性能を損ねてしまうという問題がある。
そこで本発明の目的は、上記の課題を解決することであり、乗り心地性能を維持しながら、操縦安定性能および耐久性能を向上するタイヤを提供することである。
本発明の空気入りタイヤは、内側ゴム層と外側ゴム層とを含むサイドウォールゴムと、ブレーカーとを備えた空気入りタイヤである。内側ゴム層は、ゴム成分100質量部に対して、紙繊維を0.5〜20質量部配合されている。サイドウォールゴムの総厚さに対する内側ゴム層の平均厚さは、20〜80%である。内側ゴム層はブレーカーの両端部と接しており、かつ外側ゴム層はブレーカーと接していない。
上記空気入りタイヤにおいて好ましくは、紙繊維の平均長さは、10μm以上であることを特徴としている。
上記空気入りタイヤにおいて好ましくは、紙繊維の平均長径は、10〜1000μmであることを特徴としている。
上記空気入りタイヤにおいて好ましくは、紙繊維の平均長さと平均長径との比は、10以上であることを特徴としている。
本発明のタイヤによれば、乗り心地性能を維持しながら、操縦安定性能および耐久性能を向上できる。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照符号を付し、その説明は繰り返さない。
図1は、本発明の実施の形態における空気入りタイヤの右半分を示す断面図である。図1を参照して、本発明の実施の形態における空気入りタイヤ1は、内側ゴム層3aと外側ゴム層3bとを含むサイドウォールゴムと、ブレーカー6とを備えた空気入りタイヤである。内側ゴム層3aは、ゴム成分100質量部に対して、紙繊維を0.5〜20質量部配合されている。サイドウォールゴムの総厚さに対する内側ゴム層3aの平均厚さは、20〜80%である。内側ゴム層3aはブレーカー6の両端部と接しており、かつ外側ゴム層3bはブレーカーと接していない。
詳細には、図1に示すように、空気入りタイヤ1は、トレッド部2と、その両端からタイヤ半径方向内方にのびる一対のサイドウォール部3と、各サイドウォール部3の内方端に位置するビード部4と、各サイドウォール部3の外方端に位置するクリンチエイペックス8とを備えている。またビード部4,4間にはカーカス5が架け渡されるとともに、このカーカス5のラジアル方向外側にタガ効果を有するブレーカー6が配置されている。カーカス5は、カーカスコードをタイヤ赤道Cに対して、たとえば70〜90°の角度で配列する1枚以上のカーカスプライから形成され、このカーカスプライは、トレッド部2からサイドウォール部3を経てビード部4のビードコア7の廻りをタイヤ軸方向の内側から外側に折返され、折返し部5aによって係止される。
ブレーカー6は、ベルトコードをタイヤ赤道Cに対して、たとえば45°以下の角度で配列した2枚以上のベルトプライからなり、各ベルトコードがプライ間で交差するよう向きを違えて重置している。さらにブレーカー6の外側にバンド層(図示せず)を設けても良く、このときバンド層は低モジュラスの有機繊維コードを、タイヤ赤道Cとほぼ平行に螺旋巻きした連続プライで形成する。
本発明の空気入りタイヤ1においては、サイドウォール部3が内側ゴム層3aと外側ゴム層3bとを少なくとも有する2層以上の構造である。内側ゴム層3aはブレーカー6の両端部と接しており、かつ外側ゴム層3bはブレーカー6と接していない。サイドウォール部3において、内側ゴム層3aの両端部と、ブレーカー6の両端部とが接していることが好ましい。さらに、内側ゴム層3aは、ブレーカー6におけるトレッド部2と対向する側と反対の側(空気入りタイヤ1の内周側)の両端部と接していることが好ましい。内側ゴム層3aとブレーカー6とが接していることにより、サイドウォール部3の内部で補強効果を得ることができるので、操縦安定性を向上できる。外側ゴム層3bとブレーカー6とが接していないことにより、サイドウォール部3の外側で所望の性能を備えることができるので、耐摩耗性能を向上するとともに、乗り心地性能を維持できる。また、外側ゴム層3bは、ブレーカー6の動きに束縛されないので、耐久性能を向上できる。
ブレーカー6の巾Wに対する、内側ゴム層3aとブレーカー6とが接している巾X(図1において、(2X/W)×100%)は、10%〜50%の範囲内であることが好ましく、20%〜45%の範囲内であることがより好ましい。10%以上とすることによって、ブレーカーエッジの動きを所望の範囲内で束縛することによる補強効果をより得られるからである。20%以上とすることによって、補強効果をより一層得られるからである。一方、50%以下とすることによって、耐久性能および乗り心地性能を充分に向上できるからである。45%以下とすることによって、耐久性能および乗り心地性能をより充分に向上できるからである。なお、内側ゴム層3aとブレーカー6とが接している巾Xとは、内側ゴム層3aとブレーカー6とが接している部分のうち、空気入りタイヤ1の断面での巾方向の片方のオーバーラップしている長さを意味する。
サイドウォール部3のサイドウォールゴムの総厚さに対する内側ゴム層3aの平均厚さは、20〜80%であり、30〜70%が好ましく、40〜60%がより好ましい。内側ゴム層3aの平均厚さを20%未満とすると、内側ゴム層3aの補強効果を十分に得られず、操縦安定性能を維持できない。30%以上とすることによって、内側ゴム層3aの補強効果を十分に得られるので、操縦安定性能を維持できる。40%以上とすることによって、内側ゴム層3aの補強効果をより十分に得られるので、操縦安定性能を向上できる。一方、内側ゴム層3aの平均厚さが80%を超えると、補強効果を有する内側ゴム層3aの占める割合が大きくなりすぎて乗り心地性能が悪くなり、耐屈曲性能が低下するため耐久性能が悪くなる。70%以下とすることによって、乗り心地性能を維持でき、耐久性能をより向上できる。60%以下とすることによって、乗り心地性能を向上でき、耐久性能をより向上できる。
内側ゴム層3aは、ゴム成分100質量部に対して、紙繊維を0.5〜20質量部、好ましくは1〜18質量部、より好ましくは2〜15質量部配合されている。紙繊維の配合量が0.5質量部未満とすると、紙繊維を配合することによる補強効果が得られない。1質量部以上とすることによって、紙繊維を配合することによる補強効果をより十分に得られる。2質量部以上とすることによって、補強効果をより一層十分に得られる。一方、紙繊維の配合量が20質量部を超えると、ゴム組成物が硬くなり、加工性および乗り心地性能が悪化する。18質量部以下とすることによって、ゴム組成物が硬くなりすぎず、加工性および乗り心地性能の悪化をより防止できる。15質量部以下とすることによって、加工性および乗り心地性能の悪化をより一層防止できる。
なお、紙繊維とは、紙を粉砕等により短繊維化したものを指す。本発明においては、内側ゴム層3aに対して上記配合量の紙繊維を配合することにより、内側ゴム層3aの剛性を低コストで向上させることができるとともに、該紙繊維の種類および配合量を適宜設定することにより、内側ゴム層3aの剛性を簡便かつ任意に制御できる。また、紙繊維は安価であるため、該紙繊維を補強材として用いることによりコストを低減できる。
内側ゴム層3aに配合される紙繊維は、クラフトパルプ、セミケミカルパルプ、機械パルプ等のパルプ化法で得られるパルプ、ケナフ、バガス、竹、コットン、海藻等を由来とする非木材パルプ、使用済コピー用紙、古新聞紙、古段ボール紙等の古紙を脱墨して得られる古紙パルプ、等から得られる原料紙の1種または2種以上の混合物を用いて調製することができるが、たとえばクラフト紙粉砕品等の物理的強度が比較的大きい紙繊維を用いることが好ましい。クラフト紙とは、クラフトパルプ(KP)を抄紙して得られる紙の全般を指し、未晒クラフト紙および晒クラフト紙を含む。クラフトパルプは、化学パルプに分類されるものの主流であり、一般に比較的長い繊維長を有することから、クラフト紙は強度に優れる紙として包装用途等に広く使用される。クラフトパルプとしては針葉樹クラフトパルプ、広葉樹クラフトパルプのいずれも使用できるが、針葉樹クラフトパルプは繊維長が比較的長いため好ましい。
クラフトパルプは、一般に以下のような方法で製造される。まず原料となるチップの不純物を除去するとともに、厚みや長さ等を一定範囲内に均一化する。次にチップを苛性ソーダ、硫化ソーダ等の薬品で、たとえば150〜160℃程度の高温で蒸煮し、チップ中の主にリグニンを溶出させ、パルプ化する。溶出リグニンおよび薬品をパルプと分離するための洗浄工程を経た後、該パルプをたとえば酸素およびアルカリで処理すること等により、パルプ中の残存リグニンをさらに溶出させる。最後に異物除去、洗浄を行ない、未晒クラフトパルプを得ることができる。未晒クラフトパルプはさらに漂白工程を経ることによって晒クラフトパルプとされることができる。未晒クラフトパルプを抄紙することにより未晒クラフト紙、晒クラフトパルプを抄紙することにより晒クラフト紙をそれぞれ製造することができる。
内側ゴム層3aに配合される紙繊維の平均長さ(L)は、10μm以上が好ましく、50〜1000μmの範囲内であることがより好ましい。平均長さ(L)を10μm以上とすることによって、内側ゴム層3aの補強効果が十分に得られる。50μm以上とすることによって、内側ゴム層3aの補強効果がより十分に得られる。一方、平均長さ(L)を1000μm以下とすることによって、紙繊維の分散不良や内側ゴム層3aの物性の不均一を良好に防止できる。
また、内側ゴム層3aに配合される紙繊維の平均長径(D)は、10〜1000μmの範囲内であることが好ましく、30〜700μmの範囲内であることがより好ましく、30〜200μmの範囲内であることがより一層好ましい。平均長径(D)を10μm以上とすることによって、内側ゴム層3aの補強効果が十分に得られる。30μm以上とすることによって、内側ゴム層3aの補強効果をより十分に得ることができる。一方、平均長径(D)を1000μm以下とすることによって、紙繊維の分散不良や内側ゴム層3aの物性の不均一を良好に防止できる。700μm以下とすることによって、紙繊維の分散不良や内側ゴム層3aの物性の不均一をより良好に防止できる。200μm以下とすることによって、紙繊維の分散不良や内側ゴム層3aの物性の不均一をより一層良好に防止できる。
また、内側ゴム層3aに配合される紙繊維の平均長さ(L)と平均長径(D)との比(L/D)は、10以上であることが好ましく、20〜2000の範囲内であることがより好ましい。L/Dを10以上とすることによって、内側ゴム層3aの補強効果が十分に得られる。20以上とすることによって、内側ゴム層3aの補強効果がより十分に得られる。一方、L/Dを2000以下とすることによって、紙繊維の分散不良や内側ゴム層3aの物性の不均一を良好に防止できる。
また、内側ゴム層3aの硬度は、たとえば35〜65の範囲内に設定されることが好ましい。硬度が35以上であればタイヤの操縦安定性が所望の程度確保でき、65以下であれば乗り心地性能が良好である。また、外側ゴム層3bの硬度は、たとえば40〜60の範囲内に設定されることが好ましい。硬度が40以上であればタイヤの操縦安定性が所望の程度確保でき、60以下であれば乗り心地性能が良好である。なお、硬度は、ISO−7619に準拠して測定することができる。
本発明のサイドウォールゴムに使用されるゴム成分としては、天然ゴム(NR)およびジエン系合成ゴムの少なくとも一方が好ましく挙げられる。ジエン系合成ゴムとしては、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)、ポリイソプレンゴム(IR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)等が挙げられ、これらのうち1種類または2種類以上を含むゴム成分が好適である。なお、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)とは、エチレン−プロピレンゴム(EPM)に第三ジエン成分を含むものである。ここで第三ジエン成分としては、たとえば炭素数5〜20の非共役ジエンが挙げられ、1,4−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、2,5−ジメチル−1,5−ヘキサジエンおよび1,4−オクタジエンや、1,4−シクロヘキサジエン、シクロオクタジエン、ジシクロペンタジエンなどの環状ジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−ブチリデン−2−ノルボルネン、2−メタリル−5−ノルボルネンおよび2−イソプロペニル−5−ノルボルネンなどのアルケニルノルボルネン等が好ましく例示できる。特に、ジシクロペンタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン等は好ましく使用され得る。
本発明におけるサイドウォールゴムには、その他ゴム製品において一般的に配合される以下の成分を適宜配合することができる。
充填剤としては、たとえばシリカをゴム成分100質量部に対してたとえば5質量部以上100質量部以下で配合することができる。シリカとしては汎用ゴム一般に用いられるものを使用でき、たとえば補強材として使用される乾式法ホワイトカーボン、湿式法ホワイトカーボン、コロイダルシリカ等が挙げられる。中でも含水ケイ酸を主成分とする湿式法ホワイトカーボンが好ましい。シリカの配合量が5質量部以上であればタイヤ用ゴム組成物に対する補強効果が十分得られることによりタイヤの耐摩耗性が良好に向上し、100質量部以下であれば、タイヤ用ゴム組成物の製造時における未加硫ゴム組成物の粘度上昇による加工性の低下やコストの過度な上昇を防止できる。
上記で使用されるシリカの窒素吸着比表面積(BET法)は、たとえば50〜300m2/g、さらに100〜200m2/gの範囲内であることが好ましい。シリカの窒素吸着比表面積が50m2/g以上である場合、サイドウォールゴムに用いるゴム組成物に対する補強効果が十分得られることにより空気入りタイヤ1の耐摩耗性が良好に向上する。一方、窒素吸着比表面積が300m2/g以下である場合、サイドウォールゴムに用いるゴム組成物の加工性が良好であり、操縦安定性も十分確保される。ここで窒素吸着比表面積は、ASTM D3037−81に準じてBET法で測定される値である。
本発明のサイドウォールゴムに使用されるゴム組成物にシリカを配合する場合には、シラン系カップリング剤、好ましくは含硫黄シランカップリング剤をたとえば、シリカ質量に対して1質量%以上20質量%以下で配合することが好ましい。シランカップリング剤の配合によって空気入りタイヤ1の耐摩耗性および操縦安定性を向上させることができ、シランカップリング剤の配合量が1質量%以上の場合、耐摩耗性および操縦安定性の向上効果が良好に得られる。またシランカップリング剤の配合量が20質量%以下の場合、ゴムの混練、押出工程での焼け(スコーチ)が生じる危険性が少ない。含硫黄シランカップリング剤としては、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイル−テトラスルフィド、トリメトキシシリルプロピル−メルカプトベンゾチアゾールテトラスルフィド、トリエトキシシリルプロピル−メタクリレート−モノスルフィド、ジメトキシメチルシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイル−テトラスルフィド、ビス−[3−(トリエトキシシリル)−プロピル]テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が例示される。
その他のシラン系カップリング剤としては、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等を使用することができる。
本発明では、用途に応じてその他のカップリング剤、例えばアルミネート系カップリング剤、チタン系カップリング剤を単独またはシラン系カップリング剤と併用して使用することも可能である。
本発明のサイドウォールゴムには、その他、カーボンブラック、クレー、アルミナ、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン等の充填剤を単独あるいは2種以上混合して用いることができる。
カーボンブラックはゴム成分100質量部に対して10質量部以上で150質量部以下で配合されることが好ましい。また、カーボンブラックの物性は窒素吸着比表面積(BET法)が70〜300m2/gの範囲内、DBP吸油量が5〜300ml/100gの範囲内、ヨウ素吸着量が146〜152mg/gの範囲内のものが、サイドウォールゴムに用いるゴム組成物に対する補強効果の点で好適である。
本発明のサイドウォールゴムには、上記の他に、加硫剤、加硫促進剤、軟化剤、可塑剤、老化防止剤、発泡剤およびスコーチ防止剤等を添加することが可能である。
加硫剤としては、有機過酸化物もしくは硫黄系加硫剤を使用できる。有機過酸化物としては、たとえば、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3あるいは1,3−ビス(t−ブチルパーオキシプロピル)ベンゼン、ジ−t−ブチルパーオキシ−ジイソプロピルベンゼン、t−ブチルパーオキシベンゼン、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシロキサン、n−ブチル−4,4−ジ−t−ブチルパーオキシバレレートなどを使用することができる。これらの中で、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゼンおよびジ−t−ブチルパーオキシ−ジイソプロピルベンゼンが好ましい。また、硫黄系加硫剤としては、たとえば、硫黄、モルホリンジスルフィドなどを使用することができる。これらの中では硫黄が好ましい。
加硫促進剤としては、スルフェンアミド系、チアゾール系、チウラム系、チオウレア系、グアニジン系、ジチオカルバミン酸系、アルデヒド−アミン系またはアルデヒド−アンモニア系、イミダゾリン系、もしくは、キサンテート系加硫促進剤のうち少なくとも一つを含有するものを使用することが可能である。
スルフェンアミド系としては、たとえばCBS(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)、TBBS(N−t−ブチル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)、N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N,N−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミドなどのスルフェンアミド系化合物などが挙げられる。
チアゾール系としては、たとえばMBT(2−メルカプトベンゾチアゾール)、MBTS(ジベンゾチアジルジスルフィド)、2−メルカプトベンゾチアゾールのナトリウム塩、亜鉛塩、銅塩、シクロヘキシルアミン塩、2−(2,4−ジニトロフェニル)メルカプトベンゾチアゾール、2−(2,6−ジエチル−4−モルホリノチオ)ベンゾチアゾールなどが挙げられる。
チウラム系としては、たとえばTMTD(テトラメチルチウラムジスルフィド)、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド、ジペンタメチレンチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムモノスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド、ジペンタメチレンチウラムヘキサスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、ペンタメチレンチウラムテトラスルフィドなどが挙げられる。
チオウレア系としては、たとえばチアカルバミド、ジエチルチオ尿素、ジブチルチオ尿素、トリメチルチオ尿素、ジオルトトリルチオ尿素などのチオ尿素化合物などが挙げられる。
グアニジン系としては、たとえばジフェニルグアニジン、ジオルトトリルグアニジン、トリフェニルグアニジン、オルトトリルビグアニド、ジフェニルグアニジンフタレートなどのグアニジン系化合物が挙げられる。
ジチオカルバミン酸系としては、たとえばエチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ブチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジアミルジチオカルバミン酸亜鉛、ジプロピルジチオカルバミン酸亜鉛、ペンタメチレンジチオカルバミン酸亜鉛とピペリジンの錯塩、ヘキサデシル(またはオクタデシル)イソプロピルジチオカルバミン酸亜鉛、ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ペンタメチレンジチオカルバミン酸ピペリジン、ジメチルジチオカルバミン酸セレン、ジエチルジチオカルバミン酸テルル、ジアミルジチオカルバミン酸カドミウムなどのジチオカルバミン酸系化合物などが挙げられる。
アルデヒド−アミン系またはアルデヒド−アンモニア系としては、たとえばアセトアルデヒド−アニリン反応物、ブチルアルデヒド−アニリン縮合物、ヘキサメチレンテトラミン、アセトアルデヒド−アンモニア反応物などが挙げられる。
老化防止剤としては、アミン系、フェノール系、イミダゾール系の各化合物や、カルバミン酸金属塩、ワックスなどを適宜選択して使用することが可能である。
本発明では練り加工性を一層向上させるために軟化剤を併用しても良い。軟化剤としては、プロセスオイル、潤滑油、パラフィン、流動パラフィン、石油アスファルト、ワセリンなどの石油系軟化剤、ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油、ヤシ油などの脂肪油系軟化剤、トール油、サブ、蜜ロウ、カルナバロウ、ラノリンなどのワックス類、リノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ラウリン酸などの脂肪酸等が挙げられる。
さらに、本発明のサイドウォールゴムには必要に応じて可塑剤を配合することができる。具体的には、DMP(フタル酸ジメチル)、DEP(フタル酸ジエチル)、DBP(フタル酸ジブチル)、DHP(フタル酸ジヘプチル)、DOP(フタル酸ジオクチル)、DINP(フタル酸ジイソノニル)、DIDP(フタル酸ジイソデシル)、BBP(フタル酸ブチルベンジル)、DLP(フタル酸ジラウリル)、DCHP(フタル酸ジシクロヘキシル)、無水ヒドロフタル酸エステル、DOZ(アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル)、DBS(セバシン酸ジブチル)、DOS(セバシン酸ジオクチル)、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸アセチルトリブチル、DBM(マレイン酸ジブチル)、DOM(マレイン酸−2−エチルヘキシル)、DBF(フマル酸ジブチル)等が挙げられる。
本発明のサイドウォールゴムには、スコーチを防止または遅延させるためのスコーチ防止剤として、たとえば無水フタル酸、サリチル酸、安息香酸などの有機酸、N−ニトロソジフェニルアミンなどのニトロソ化合物、N−シクロヘキシルチオフタルイミド等を使用することができる。
なお、空気入りタイヤ1におけるサイドウォール部3以外の部分については、特に限定されず、一般的に配合される成分を適宜配合してなる。
以上説明したように、本発明の実施の形態における空気入りタイヤ1によれば、内側ゴム層3aと外側ゴム層3bとを含むサイドウォールゴムと、ブレーカー6とを備えた空気入りタイヤ1であって、内側ゴム層3aは、ゴム成分100質量部に対して、紙繊維を0.5〜20質量部配合され、サイドウォールゴムの総厚さに対する内側ゴム層3aの平均厚さは、20〜80%であり、内側ゴム層3aはブレーカー6の両端部と接しており、かつ外側ゴム層3bはブレーカー6と接していないことを特徴としている。これにより、内側ゴム層3aは補強効果を有する。そのため、ブレーカー6と接続される所定の厚みの内側ゴム層3aで補強効果を高めることにより、制動性能を含む操縦安定性能を維持できる。ブレーカー6と接続されない所定の厚みの外側ゴム層3bを乗り心地性能および耐摩耗性能を向上できる配合とすることによって、乗り心地性能および耐摩耗性能を向上できる。
上記空気入りタイヤ1において好ましくは、紙繊維の平均長さは、10μm以上であることを特徴としている。これにより、サイドウォール部3の補強効果をより向上できる。そのため、操縦安定性能をより向上できる。
上記空気入りタイヤ1において好ましくは、紙繊維の平均長径は、10〜1000μmであることを特徴としている。これにより、サイドウォール部3の補強効果をより向上できるとともに、紙繊維の分散性や内側ゴム層3aの物性の均一性を向上できる。
上記空気入りタイヤ1において好ましくは、紙繊維の平均長さと平均長径との比は、10以上であることを特徴としている。これにより、サイドウォール部3の補強効果をより向上できるとともに、紙繊維の分散性や内側ゴム層3aの物性の均一性を向上できる。
〔実施例〕
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
表1および表2に示す配合成分のうち硫黄および加硫促進剤を除いた成分を、1.7Lのバンバリー(神戸製鋼(株)製)を用いて、150℃で5分間混練して混合物を得た。次いで、得られた混合物に硫黄および加硫促進剤を加えて8インチの2軸ローラーを用い80℃で5分間練り込んで、ゴム組成物を得た。そして、得られたゴム組成物を用いて試験用のゴムシートを作製した。また、試験用のゴムシートをタイヤのサイドウォール部として成型し、150℃、35分、25kgf(245.16625N)の条件で加硫を行なって、実施例1および比較例1〜5の試験用タイヤを作製した。
なお、実施例1、比較例3〜5のサイドウォール部は、図1に示すように、内側ゴム層3aはブレーカー6の両端部と接しており、かつ外側ゴム層3bはブレーカー6と接していない構造とした。比較例1は、図2に示すように、内側ゴム層3aを設けない1層からなる構造とした。比較例2は、図3に示すように、外側ゴム層3bはブレーカー6の両端部と接しており、かつ内側ゴム層3aはブレーカー6の両端部以外の部分と接している構造とした。
また、実施例1および比較例2〜5の各成分は、表1に示す内側ゴム層3aの配合成分とし、外側ゴム層3bは表2に示す配合成分とした。比較例1は、1層からなる表1に示す配合成分とした。
Figure 0004738283
Figure 0004738283
以下に、実施例1および比較例1〜5で用いた各種配合剤について説明する。なお、表1および表2中の配合量の単位は質量部である。
(注1) 天然ゴムとして、タイ社製のRSS3を用いた。
(注2) ブタジエンゴムとして、宇部興産(株)製のBR150Bを用いた。
(注3) カーボンブラックとして、三菱化学(株)社製のN550を用いた。
(注4) 紙繊維として、王子製袋(株)社製のネオファイバーを用いた。(平均長さは1000μm、平均長径は20μm、平均長さと平均長径との比は50の紙繊維を用いた。)
(注5) 老化防止剤として、精工化学社製のオゾノン6Cを用いた。
(注6) ワックスとして、大内化学新興化学社製のサンノックワックスを用いた。
(注7) アロマオイルとして、出光興産(株)製のダイアナプロセスAH40を用いた。
(注8) ステアリン酸として、日本油脂(株)製の桐を用いた。
(注9) 酸化亜鉛として、東邦亜鉛社製の銀嶺Rを用いた。
(注10) 硫黄として、鶴見化学(株)社製の硫黄を用いた。
(注11) 加硫促進剤として、大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS(N-tert-ブチル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)を用いた。
(操縦安定性能)
サイズ195/65R15の空気入りタイヤを車に装着し、テストコースにて40〜100km/hで走行し、ハンドル応答性、剛性感、およびグリップ性のフィーリング試験による操縦安定性の評価を行なった。評価は10点満点法で行ない、3人のドライバーの平均値を、比較例1を100とする指数により表わした。その結果を表1に示す。数値が大きいほど操縦安定性が良いことを表わし、110以上で操縦安定性の効果があることを示す。
(乗り心地性能)
上記の空気入りタイヤを車に装着し、テストコースにて40〜100km/hで走行し、乗り心地のフィーリング試験による乗り心地性能の評価を行なった。評価は10点満点法で行ない、3人のドライバーの平均値を、比較例1を100とする指数により表わした。その結果を表1に示す。数値が大きいほど操縦安定性が良いことを表わし、95以下では乗り心地性能が悪いことを示す。
(耐久性能)
上記の空気入りタイヤを80℃のオーブンに1週間入れた後、内圧200kPa、荷重340kgf(約3334.278N)、時速80km/時で走行し、各空気入りタイヤが損傷するまでの距離を、比較例1を100とする指数により表わした。その結果を表1に示す。数値が大きいほど耐久性能が良いことを表わし、105以上で耐久性能の効果があることを示す。
(評価結果)
表1に示すように、内側ゴム層はゴム成分100質量部に対して、紙繊維を0.5〜20質量部配合され、サイドウォールゴムの総厚さに対する内側ゴム層の平均厚さは、20〜80%であり、内側ゴム層はブレーカーの両端部と接しており、かつ外側ゴム層はブレーカーと接していなかった実施例1では、乗り心地性能を維持し、操縦安定性能および耐久性能を向上できた。
一方、紙繊維を配合した内側ゴム層を設けなかった比較例1は、実施例1と比較して、操縦安定性および耐久性能が悪かった。外側ゴム層がブレーカーと接続されていた比較例2は、ブレーカー端部の動きが束縛されるため、耐久性能が改善されていなかった。紙繊維を多く配合した比較例3は、耐屈曲性能が低下するため、耐久性能が低下した。内側ゴム層の厚みが薄い比較例4は、内側ゴム層の効果が少ないため、実施例1と比較して操縦安定性および耐久性能が悪かった。内側ゴム層の厚みが厚い比較例5は、前後剛性が強いため、実施例1と比較して操縦安定性能が悪かった。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明が適用される空気入りタイヤの右半分を示す断面図である。 比較例1を示す空気入りタイヤの右半分を示す断面図である。 比較例2を示す空気入りタイヤの右半分を示す断面図である。
符号の説明
1 空気入りタイヤ、2 トレッド部、3 サイドウォール部、3a 内側ゴム層、3b 外側ゴム層、4 ビード部、5 カーカス、5a 折返し部、6 ブレーカー、7 ビードコア、8 クリンチエイペックス、C タイヤ赤道。

Claims (4)

  1. 内側ゴム層と外側ゴム層とを含むサイドウォールゴムと、ブレーカーとを備えた空気入りタイヤであって、
    前記内側ゴム層はゴム成分100質量部に対して、紙繊維0.5〜20質量部配合され、
    前記サイドウォールゴムの総厚さに対する前記内側ゴム層の平均厚さは、20〜80%であり、
    前記内側ゴム層は前記ブレーカーの両端部と接しており、その接する幅Xのブレーカー幅Wに対する割合((2X/W)×100)は、10〜50%の範囲であり、
    かつ前記外側ゴム層は前記ブレーカーと接していないことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記紙繊維の平均長さは、10μm以上であることを特徴とする、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記紙繊維の平均長径は、10〜1000μmであることを特徴とする、請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記紙繊維の平均長さと平均長径との比は、10以上であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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