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JP4739766B2 - 貼付材の製造方法および貼付製剤の製造方法 - Google Patents
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貼付材の製造方法および貼付製剤の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、創傷被覆材、絆創膏などといった貼付材および皮膚を通して薬物を生体内へ連続的に投与し得る貼付製剤に関する。
貼付材や貼付製剤などの製品として、粘着剤を不織布やプラスチックフィルムの片面に形成したものが各種提案されている。これら製品は、包装用フィルムや箱などの包装容器にて包装した状態で流通、保存されている。しかし、用いる粘着剤の種類や、粘着剤に添加する液状成分などの添加剤の種類や量によっては、粘着剤の凝集力が不十分になる場合がある。そのような場合、流通、保存の間に、これら製品のエッジ部から粘着剤が流出する問題、所謂「糊はみだし」が生じる。糊はみだしが生じると、これら製品が包装容器の内面に付着して包装容器から取り出し難くなってしまう。貼付製剤において糊はみだしが生じると、エッジ部から粘着剤とともに薬物が流出してしまい、結果として、貼付製剤に含まれる薬物の量が減ってしまい、薬効低下につながり好ましくない。
糊はみだしの有効な解決策として、粘着剤を化学的に架橋することが挙げられる。特許文献1には、化学的架橋を形成し得る官能基を有する粘着剤と、架橋剤とを用いて化学的架橋を形成させる方法が記載されている。特許文献2には、化学的架橋を形成し得る官能基をもたない粘着剤に擬似架橋を導入する方法として、ゴム系粘着剤であるスチレン−ブタジエンゴムにイソシアネート系化合物およびポリヒドロキシアルキルアミン系化合物を添加する方法が記載されている。
化学的な架橋や擬似架橋によらない糊はみだし抑制策としては、高分子ゴムなど高Tg成分の添加や粉体などの充填剤の添加によって、粘着剤を物理的に硬くする方法がある。充填剤の使用に関しては、特許文献3に、テープを引出すときの抵抗、換言すればテープの巻き戻し力、を低減するために、テープの粘着層に短繊維を分散せしめる技術が開示されている。また、流通、保存中で製品への圧迫を避けることで糊はみだし抑制を図るために、ブリスターパックでの包装も行われている。しかし、ブリスターパックは包装フィルム自体が厚くて材料費が嵩み、さらに、ブリスターパックはかさばるから保管コストや流通コストが嵩む、という経済的な問題がある。
特許2700835号公報 特開2004−217860号公報 実開平7−40756号公報
しかし、特許文献1に記載の方法は、物性、薬物安定性、経済性などの理由により、化学的架橋を形成し得る官能基をもたない粘着剤を用いる場合や、安定性の理由から架橋剤を使用できない場合などには適用できない。特許文献2の方法は、化学的反応により擬似架橋を導入する方法であるから、粘着剤中に配合する添加剤や薬物の種類によっては適用できない。また、充填剤の添加によって粘着剤を物理的に硬くすれば、糊はみだしを抑制することはできても粘着剤の粘着力が低下して、製品が使い難くなってしまう。以上のように、糊はみだし抑制と粘着力確保とは両立し難い。
このような状況を鑑みて、本発明は、粘着剤の種類を問わずに適用可能であり、糊はみだしが生じ難く、好ましくは粘着力が低下し難く経済的にも有利である、貼付材およびそれを用いた貼付製剤を提供することを課題とする。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、繊維どうしが部分的に結合して形成された網目状構造物を粘着剤層中に含ませることにより、粘着剤組成物の流動を効率よく阻害し、糊はみだしが生じ難くなることを見出して、本発明を完成するに至った。
本発明の特徴は以下のとおりである。
(1)支持体と支持体上に設けられた粘着剤層とを有し、粘着剤層は繊維どうしが互いに部分的に結合してなる網目状構造物を含有し、前記繊維が、前記粘着剤層の全体に存在している、貼付材。
(2)着剤層が0.1〜10重量%の繊維を含有することを特徴とする上記(1)に記載の貼付材。
維どうしが互いに部分的に融着して網目状構造物を形成している上記(1)または(2)に記載の貼付材。
(4)繊維が、長さ0.1〜10mmの熱融着性繊維である上記(1)〜(3)のいずれかに記載の貼付材。
(5)熱融着性繊維が、融点が70〜150℃のポリオレフィンからなる繊維、または融点が70〜150℃のポリオレフィンからなる鞘部および鞘部よりも融点の高いポリエステル若しくはポリプロピレンからなる芯部をもつ鞘芯型複合繊維である上記(4)に記載の貼付材。
)上記(1)〜()のいずれか一つの貼付材における粘着剤層中に、薬物が含有されてなる貼付製剤。
(7)支持体と支持体上に設けられた粘着剤層とを有し、粘着剤層は繊維どうしが互いに部分的に結合してなる網目状構造物を含有している貼付材の製造方法であって、
熱融着性繊維が分散した粘着剤層を加熱して、熱融着性繊維どうしが互いに部分的に融着してなる網目状構造物を粘着剤層中で形成することを特徴とする製造方法。
(8)熱融着性繊維の長さが、0.1〜10mmである上記(7)に記載の製造方法。
(9)上記(7)に記載の製造方法で、支持体上に設けられた粘着剤層中に、薬物を含有させてなる貼付製剤の製造方法。
以上のような構成からなる本発明の貼付材および貼付製剤は、粘着剤層中に含まれる網目状構造物が粘着剤組成物の流動を効率よく阻害し、糊はみだしを抑制する効果を奏する。この効果は、粘着剤層中に含まれる繊維の濃度が低くても奏されるから、強固な粘着力と糊はみだし抑制とが両立し得る。本発明は、粘着剤層のマトリックス部として用いる粘着剤組成物の種類を問わず広く適用することができる。本発明の貼付材あるいは貼付製剤は、エッジ部から糊がはみだし難いから、平袋状に包装して保存することができ、経済的に有利である。平袋からは製品が取り出しやすい。本発明の貼付製剤は、糊はみだしに伴う薬物のロスを低減できる。貼付材、貼付製剤がロール状である場合にも本発明の効果は奏され、袋あるいは箱などの包装容器から製品が取り出しやすい。
以下、図面を参照しながら本発明を詳細に説明する。図1は、本発明の貼付材の斜視図であり、図2は粘着剤層の斜視透視図である。図、粘着剤層11中の繊維111を強調して大きく描写している。
本発明の貼付材1は、支持体10と支持体10上に設けられた粘着剤層とを有し、粘着剤層11は繊維111からなる網目状構造物を含有している。
本明細書において、「貼付材」とは、ヒト皮膚や他の物品に貼付する部材であり、経皮吸収による投与を意図する薬物をさらに含有する「貼付製剤」、および、該薬物を含有しないテープ(例えば、皮膚を保護するサポーターや皮膚にカテーテルを固定するテープ等)などを包含する概念である。
<粘着剤層>
本発明の貼付材1の粘着剤層11は、支持体10の片に設けられている。粘着剤層の厚みは特に限定されず、通常、10μm〜3mmの範囲内である。
粘着剤層は、粘着剤と必要に応じて添加剤や架橋剤などとを含む粘着剤組成物によって粘着力を呈する。以下、構造の記載において、粘着剤層11のうちの粘着剤組成物からなる部分をマトリックス部110ともいう。
本発明の貼付材1の粘着剤層11には網目状構造物が含まれる。網目状構造物は、マトリックス部110中に分散している繊維111どうしが互いに部分的に結合してなる構造物である。本発明の貼付製剤では、粘着剤層中に薬物が含有されている
<粘着剤組成物>
粘着剤組成物に用いられる粘着剤は特に限定されず、例えば、ヒトの皮膚へ貼付し得る貼付材に一般的に用いられる粘着剤を使用することができる。具体的には、アクリル系粘着剤;天然ゴムや合成ゴムといったゴム系粘着剤;シリコーン系粘着剤;ビニル系粘着剤などが好適例として挙げられる。カルボキシル基、水酸基、アミノ基などといった化学的架橋を形成し得る官能基を有する粘着剤を用いてもよいし、それらの官能基を有さない無官能粘着剤を用いてもよい。無官能粘着剤を用いる場合に本発明の利用価値は高い。化学的架橋を形成し得る官能基を有する粘着剤を使用する場合には、化学的架橋を形成させなくてもよいし、架橋剤の添加、放射線の照射や、架橋成分の添加などによって、化学的架橋や擬似架橋を形成させてもよい。無官能粘着剤を用いる場合にも、擬似架橋を形成させてもよいし、させなくてもよい。
本発明の貼付材の粘着剤層を形成するための粘着剤組成物には、粘着剤の他に、添加剤を含んでいてもよい。添加剤は、粘着物性の調整、粘着物性や薬物の安定性改善、薬物の吸収性改善などといった任意の目的で添加してよい。添加剤は、粘着剤層の構成材料のうち、後述の繊維111と薬物以外の成分でありかつそれ自体ヒトの皮膚に粘着し得ない成分をいう。添加剤の常温での形態は、粉体、ペースト、液体といった各種形態が挙げられる。添加剤の種類は任意でよく、単独でもよいし複数種類を配合してもよい。通常、粘着剤層に占める添加剤の含有量は、0.01〜70重量%であり、好ましくは1〜65重量%程度である。添加剤の含有量が0.01重量%以上であれば配合目的の効果が期待し易い。本発明の貼付材1では、糊はみだしが抑制されるから、従来の貼付材よりも粘着剤層中に多量の添加剤を含有させることができる。薬物の吸収性や利用率を向上させるための添加剤は、多量に配合するほどその効果を奏し易く、治療上や経済的に好ましい。添加剤の含有量が70重量%以下であれば、粘着力の低下や、皮膚貼付後の皮膚面への糊残りの懸念が生じ難い。
<網目状構造物>
本発明の貼付材1の少なくとも一つの粘着剤層11は、繊維111どうしが互いに部分的に結合してなる網目状構造物を含有する。
繊維111は、マトリックス部110を構成する粘着剤組成物とは異なる材料からなる長尺状の構造物である。繊維111の長軸方向に垂直な断面は円、楕円、多角形、多葉形など任意の形状でよい。また、繊維111は中空繊維であってもよい。
繊維111の太さは、好ましくは0.1〜40μmであり、より好ましくは1〜20μmである。繊維111の太さが0.1μm以上であれば繊維111どうしが十分な面積で接触できるから繊維111どうしの結合が強固になり、外部から力がかかっても網目状構造物が破壊し難くなる。繊維111の太さが40μm以下であれば、粘着剤層11は好適な柔軟性をもち、また、粘着剤層11に凸凹など生じ難く外観上、好ましい。繊維111の太さは、繊維111の長軸方向に垂直な断面積と等しい面積の円の直径で定義される。繊維111の太さは、他の繊維111と結合していない部分の太さである。繊維111どうしが編みこまれた部分112や、繊維111どうしが交差して接着剤によって結合している部分112や、繊維111どうしが交差しそして融着して太くなっている部分112の太さは、繊維111の太さであるとはみなさない。ただし、複数の繊維111が交差せずに平行して接触し、結束や接着剤や溶着・融着などにより一体化している場合(図示せず)は、一体化した複数の繊維を一本の繊維111とみなして、その太さを導出する。繊維111の太さは電子顕微鏡やデジタルマイクロスコープによる観察などによって測定でき、10箇所の測定の平均値で表現することができる。
個々の繊維111の長さは、特に限定はなく、好適には0.1〜10mm程度である。繊維111の長さが10mm以下であれば、粘着剤層11の形成のための粘着剤溶液の塗工の際に繊維111の向きが揃い難く、網目状構造物を効率的に形成し得る。繊維111の長さが0.1mm以上であれば、網目状構造物の目が適度な大きさになって粘着力を確保し易くなる。
繊維111の材質は特に限定なく、典型的には有機樹脂であり、好適には互いに熱融着し得る材料である。本発明で用いる樹脂111は、好ましくは70〜150℃にて、より好ましくは110〜150℃にて、互いに熱融着し得るよう構成されている。好適例として、各種ポリエチレン(LDPE、LLDPE、HDPE)、ポリプロピレン、ポリオレフィン、塩化ビニル、ポリエステル、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)などといった熱可塑性樹脂、前記熱可塑性樹脂に軟化材などといった添加剤を配合して融点を変えた各種の熱可塑性樹脂などが挙げられる。レーヨン、綿、などといった熱可塑性ではない繊維を単独で、あるいは熱可塑性樹脂と組み合わせて繊維111として用いてもよい。繊維111は、単一の材質による均質な繊維であってもよいし、複数の材質を組み合わせてなる複合繊維であってもよい。複合繊維としては、鞘芯型複合繊維、並列型複合繊維、分割型複合繊維などが挙げられる。粘着剤層11中には、上述のうちの1種類の繊維だけが存在していてもよいし、複数の種類の繊維が共存していてもよい。
粘着剤層11に占める繊維111の含有量は、好ましくは0.1〜10重量%であり、より好ましくは0.5〜7重量%である。含有量が10重量%以下であれば、粘着剤が硬化して粘着力の低下を引き起こすほどには繊維111の充填効果が生じ難い。含有量が0.1重量%以上であれば、網目状構造物の形成には十分であるから糊はみだしの抑制が可能である。粘着剤層11に占める繊維111の含有量は、繊維111からなる網目状構造物が含まれる粘着剤層11毎に算出する。繊維111の最適な含有量は、上記の範囲内で繊維111の太さに応じて適宜選択できる。一定重量の繊維においては、繊維が細いほど全繊維の合計長さは長くなり、繊維どうしが容易に結合する。例えば、繊維の直径が1/2であれば、同じ重量の繊維の4倍の長さを有する。よって、繊維111が細ければ、より少ない含有量であっても網目状構造物を形成でき、糊はみだしを抑制し得る。
本発明において、繊維111どうしが部分的に結合するとは、繊維111どうしの交差点112において、繊維111どうしが結合していることであり、その結合の様式は任意であり、繊維111どうしが、編まれていたり、絡み合っていたり、ひっかかりあっていたりする機械的な交絡による結合でも、繊維111どうしの接着剤による結合でも、繊維111どうしの溶着・融着による結合でも、その他の方法による結合でもよい。ここでいう繊維111どうしの結合が存在するか否かは、次の2つの方法のいずれかの方法によって判別できる。本発明では、以下の2つの方法の少なくともいずれか一方において繊維111どうしが結合していると認められた場合には、繊維111どうしが部分的に結合しているとみなす。
第1の方法は、デジタルマイクロスコープなどによる粘着剤層11中の繊維111の交絡部112を観察する方法である。繊推どうしの交絡部112が編みこまれていたり、繊維111の枝状部どうしやヒゲ状部どうしなど繊維111主軸から枝分かれした突起構造どうしが絡み合ったり、ひっかかりあったりしているなど、明らかな機械的交絡をしていたり、交差接触している繊維111どうしの間に接着剤あるいは繊維111の溶融物が観察像として明確に存在している場合に、繊維111どうしが結合していると認める。第2の方法は、溶剤浸漬によって粘着剤を溶解除去する方法である。粘着剤を溶解し得る溶剤に粘着剤層11を浸漬した後に残存した繊維111どうしが溶剤中で結合していれば繊維111どうしが結合していると認める。
本発明において繊維111は、粘着剤層11中に網目状構造物として存在していればよく、網目状構造物は、図のように三次元的である。繊維111どうしの結合の態様は特に限定されず、好ましくは融着である。融着とは繊維111の結合部112にて繊維111を構成する材料が混ざり合って一体化することであり、典型的には後述の熱融着が挙げられる。
網目状構造物を粘着剤層11中に形成する方法は、特に限定されず、好適には、次のような方法を用いることができる。粘着剤層11のマトリックス部110を構成する粘着剤組成物が溶解している粘着剤溶液に、互いに熱融着し得るよう構成された繊維111を加えて、分散した後に、粘着剤溶液を支持体10に塗工し、乾燥により溶剤を除去して、繊維111を含有する粘着剤層11を形成することができる。または、粘着剤溶液を剥離ライナー上に塗工、乾燥して粘着剤層11を形成後、これを支持体10に貼り合わせることもできる。上記乾燥中あるいは乾燥後に、繊維111どうしが熱融着し得る温度に粘着剤層11を加熱することで、粘着剤層11中の繊維111どうしを部分的に熱融着させることができる。互いに熱融着し得るよう構成された繊維111としては、熱可塑性樹脂からなる繊維や、外皮成分を熱可塑性樹脂で構成してなる繊維などが挙げられ、より具体的には、融点が70〜150℃のポリエチレンやポリオレフィンなどからなる繊維や、鞘部と芯部とをもち鞘部は融点が70〜150℃のポリエチレンやポリオレフィンなどからなり芯部は鞘部よりも融点の高いポリエステルやポリプロピレンなどからなる鞘芯型複合繊維などが挙げられる。繊維全体の材料、あるいは、鞘芯型複合繊維の鞘部の材料の融点が150℃以下であれば、支持体10やライナーとしてのフィルムが熱変形し難い程度の小エネルギー量で繊維111どうしの熱融着が可能であり経済的にも効率的である。融点が70℃以上であれば、繊維111が好適な強度をもつから網目状構造物の強度が確保され糊はみだしの十分な抑制効果が期待されさらに繊維111を所望の形状に切断・製造することが容易であるから好ましい。熱融着のための熱処理の方法は特に限定なく、例えばオーブン、熱ロール、超音波照射などの使用が挙げられる。
以上のように、本発明は、互いに部分的に熱融着し得る繊維111を含有する粘着剤層11を支持体10上に形成することと、粘着剤層11を上記繊維111が熱融着し得る温度に加熱することとを有する、貼付材の製造方法を包含する。
網目状構造物を粘着剤層11中に形成する方法として、繊維111どうしの熱融着以外に不織布や織布を用いる方法が例示される。不織布や織布は、繊維を機械的な交絡、接着剤の使用、融着・溶着などに供して得られる。そのような不織布や織布を粘着剤層11の形成用の粘着剤溶液を塗工した後でかつ乾燥前に粘着剤層11に沈み込ませたり、不織布や該織布を刃物で小片へと切断しその小片を配合した粘着剤溶液を、支持体10に塗工、乾燥したりするなどして、網目状構造物を含有する粘着剤層11を得ることができる。ここで、前記小片は好ましくは互いに熱融着し得るよう構成されている繊維で形成される。そのような小片を用いる場合、上述したような熱処理を施すことによって小片の繊維111どうしを熱融着させ、さらに大きな網目状構造物を形成させることができ、糊はみだし効果を増すこともできる。もちろん、小片どうしの機械的な交絡によって糊はみだし効果を増すことも期待できる
<支持体>
本発明の貼付材の支持体は、その上に粘着剤層を形成することができれば材質や形状は特に限定されない。支持体は、粘着剤層が含む液状成分や後述の薬物を通過させ難い材料で形成されることが好ましい。そのような材料を用いれば、上記液状成分や薬物が支持体を通過し難く、含量が低下し難い。支持体の好適例として、ポリエステル、ナイロン、サラン、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、サーリン、金属箔などからなる単層のフィルム、あるいはこれらのラミネートフィルムなどが挙げられる。支持体と粘着剤層との接着性(投錨性)の向上のために、支持体を上記材料からなる無孔シートと多孔シートとのラミネートシートとし、多孔シート側に粘着剤層を形成することもできる。このような多孔シートとしては、粘着剤層との投錨性が向上するものであれば特に限定されず、例えば紙、織布、不織布や、機械的に穿孔したシートなどが挙げられ、特に紙、織布、不織布が好ましい。
<薬物>
本発明の貼付製剤は、上述した貼付材における少なくとも一つの粘着剤層11中に、薬物が含有されてなる。ここで、薬物は経皮吸収によりヒトに投与可能であればよく、貼付製剤の治療目的に応じて任意に選択することができる。薬物としては、例えば、コルチコステロイド類、鎮痛消炎剤、催眠鎮静剤、精神安定剤、抗高血圧剤、降圧利尿剤、抗生物質、麻酔剤、抗菌剤、抗真菌剤、ビタミン剤、冠血管拡張剤、抗ヒスタミン剤、鎮咳剤、性ホルモン、抗鬱剤、脳循環改善剤、制吐剤、抗腫瘍剤、生体医薬などが挙げられる。薬物は単独で用いてもよいし、必要に応じて2種類以上併用することもできる。
粘着剤層への均一な分散性、溶解性あるいは経皮吸収性の点から、水100mLに対する溶解量が常温で0.4g以下である脂溶性薬物の使用が好ましい。薬物の含有量は、薬物の種類や投与目的に応じて適宜設定でき、粘着剤層中に、通常0.1〜70重量%であり、好ましくは1〜65重量%程度である。含有量が0.1重量以上であれば治療に有効な量の放出が期待でき、また、70重量%以下であれば経済的に有利である。本発明の貼付製剤が複数個の粘着剤層を有する場合には、粘着剤層中の薬物の含有量は、個々の粘着剤層毎に算出する。
以下、実施例を用いて本発明をより詳しく説明するが、これらの例は本発明を何ら限定するものではない。なお、以下の記載において、特に断らない限り、部および%は重量部および重量%を意味する。
〔実施例1〕
ポリイソブチレン系粘着剤(エクソン化学製ビスタネックス MML−140/新日本石油化学製ハイモール6H/荒川化学製アルコン P100=40部/30部/30部)73.5%、ミリスチン酸イソプロピル24.5%および熱融着性繊維(鞘芯型複合繊維(芯部PET、鞘部HDPE)、直径16μm、長さ5mm)2%を、トルエンに混合、分散させて粘着剤溶液を得た。この粘着剤溶液をポリエステル製ライナー上に乾燥後の厚みが120μmとなるように塗布し、100℃にて乾燥し、粘着剤層11を形成した。この粘着剤層11に、支持体10としてのポリエステルフィルム(厚さ12μm)を貼り合わせて、140℃の熱処理に供して、貼付材1を得た。この貼付材では、図2に記載のように、繊維111が粘着剤層11全体に存在していると考えられる。
〔実施例2〕
実施例1で用いたポリイソブチレン系粘着剤74.25%、ミリスチン酸イソプロピル24.75%および実施例1で用いた熱融着性繊維を1%を、トルエンに混合、分散させて粘着剤溶液を得た。その後は実施例1と同様にして貼付材1を得た。
〔実施例3〕
実施例1で用いたポリイソブチレン系粘着剤71.25%、ミリスチン酸イソプロピル23.75%および実施例1で用いた熱融着性繊維を5%を、トルエンに混合、分散させて粘着剤溶液を得た。その後は実施例1と同様にして貼付材1を得た。
〔実施例4〕
熱融着性繊維として鞘芯型複合繊維(芯部PP、鞘部HDPE、直径15μm、長さ5mm)を用いた以外は、実施例1と同様にして貼付材1を得た。
〔実施例5〕
熱融着性繊維としてHDPEのみからなる繊維(直径17μm、長さ5mm)を用いた以外は、実施例1と同様にして貼付材1を得た。
〔実施例
実施例1で用いたポリイソブチレン系粘着剤63.75%、ミリスチン酸イソプロピル21.25%および実施例1で用いた熱融着性繊維を15%を、トルエンに混合、分散させて粘着剤溶液を得た。その後は実施例1と同様にして貼付材1を得た。
〔実施例
不活性ガス雰囲気下でアクリル酸2−エチルへキシル97部とアクリル酸3部とを共重合させて得たアクリル酸エステル系重合体70.6%、ミリスチン酸イソプロピル24.5%、リドカイン(薬物)2.9%および実施例1で用いた熱融着性繊維を2%を、酢酸エチルに混合、分散させて粘着剤溶液を得た。その後は実施例1と同様にして貼付材(貼付製剤)1を得た。
〔比較例1〕
実施例1で用いたポリイソブチレン系粘着剤75%およびミリスチン酸イソプロピル25%を、トルエンに溶かして粘着剤溶液を得た。この粘着剤溶液を用いたことおよび140℃の熱処理を施さなかったことの他は実施例1と同様にして貼付材を得た。
〔比較例2〕
比較例1と同様にして貼付材を得て、さらに、140℃の熱処理を施した。
〔比較例3〕
140℃での熱処理を施さなかったこと以外は、実施例1と同様にして貼付材を得た。
〔比較例4〕
140℃での熱処理を施さなかったこと以外は、実施例2と同様にして貼付材を得た。
〔比較例5〕
140℃での熱処理を施さなかったこと以外は、実施例3と同様にして貼付材を得た。
〔比較例6〕
140℃での熱処理を施さなかったこと以外は、実施例4と同様にして貼付材を得た。
〔比較例7〕
140℃での熱処理を施さなかったこと以外は、実施例5と同様にして貼付材を得た。
〔比較例8〕
140℃での熱処理を施さなかったこと以外は、実施例と同様にして貼付製剤を得た。
〔比較例9〕
実施例で用いたアクリル酸エステル系重合体72%、ミリスチン酸イソプロピル25%およびリドカイン(薬物)3%を、酢酸エチルに溶かして粘着剤溶液を得た。その後は実施例1と同様にして貼付材(貼付製剤)を得た。
〔比較例10〕
140℃での熱処理を施さなかったこと以外は、比較例9と同様にして貼付製剤を得た。
〔繊維の結合〕
粘着剤を溶解し得る溶剤に各貼付材、貼付製剤の小片を浸漬し、繊維どうしが結合しているか否かを目視で確認した。
〔粘着力測定〕
各貼付材、貼付製剤を幅24mmに裁断した帯状のサンプルをベークライト板に貼付し、荷重850gのローラーを1往復させて密着させた。その後、180度方向に300mm/分の速度でサンプルを剥離し、その際の剥離力を粘着力(N/24mm)とみなした。
〔糊はみだし測定〕
各貼付材、貼付製剤を2.5cmの大きさに打ち抜き、35gの加重を乗せた状態で50℃にて7日間静置したときのエッジ部から糊がはみだした長さを測定し、その長さの最大値を比較した。
上記各測定の結果を、貼付材については表1に、貼付製剤については表2に示す。
Figure 0004739766
Figure 0004739766
本発明の貼付材の斜視図である。 本発明の貼付材の粘着剤層の斜視透視図である
符号の説明
1 貼付材
10 支持体
11 網目状構造物を含む粘着剤
10 マトリックス部
111 繊維
112 繊維結合部

Claims (3)

  1. 支持体と支持体上に設けられた粘着剤層とを有し、粘着剤層は繊維どうしが互いに部分的に結合してなる網目状構造物を含有している貼付材の製造方法であって、
    熱融着性繊維が分散した粘着剤層を加熱して、熱融着性繊維どうしが互いに部分的に融着してなる網目状構造物を粘着剤層中で形成することを特徴とする製造方法。
  2. 熱融着性繊維の長さが、0.1〜10mmである請求項に記載の製造方法。
  3. 請求項に記載の製造方法で、支持体上に設けられた粘着剤層中に、薬物を含有させてなる貼付製剤の製造方法。
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