JP4742977B2 - 有機elディスプレイパネルの製造方法 - Google Patents
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Description
発光層を形成する有機発光材料には、低分子材料と高分子材料があり、一般に低分子材料は抵抗加熱蒸着法等により薄膜形成し、このときに微細パターンのマスクを用いてパターニングするが、この方法では基板が大型化すればするほどパターニング精度が出難いという問題がある。
そこで、最近では有機発光材料に高分子材料を用い、有機発光材料を溶剤に分散または溶解させて塗工液にし、これをウェットコーティング法で薄膜形成する方法が試みられるようになってきている。
薄膜形成するためのウェットコーティング法としては、スピンコート法、バーコート法、突出コート法、ディップコート法等があるが、高精細にパターニングしたりR、G、B3色に塗り分けしたりするためには、これらのウェットコーティング法では難しく、塗り分け・パターニングを得意とする印刷法による薄膜形成が最も有効であると考えられる。
さらに、各種印刷法のなかでも、ガラスを基板とする有機EL素子やディスプレイでは、グラビア印刷法等のように金属製の印刷版等の硬い版を用いる方法は不向きであり、弾性を有するゴムブランケットを用いるオフセット印刷法や同じく弾性を有するゴム版や樹脂版を用いる凸版印刷法が適正である。実際にこれらの印刷法による試みとして、オフセット印刷による方法(特許文献1参照)、凸版印刷による方法(特許文献2参照)などが提唱されている。
ところが、オフセット印刷に用いるゴムブランケットはトルエンやキシレン有機溶剤によって膨潤や変形を起こしやすいという問題がある。ブランケットに使用されるゴムの種類はオレフィン系のゴムからシリコーン系のゴムまで多様であるが、何れのゴムもトルエン、キシレンその他の溶剤に対して耐性がなく、膨潤や変形が起こりやすく、よって有機ELインキの印刷には不適切である。
また、弾性を有する凸版を使用する凸版印刷方式にも、ゴム製の版を用いるフレキソ印刷方式と樹脂性の版を用いる樹脂凸版方式があるが、このうち水現像タイプの樹脂凸版を用いる方式であれば、トルエン、キシレン、その他の有機溶剤に対する耐性も高く、有機ELインキの印刷に使用可能である。
以上に述べた理由から、ガラス基板のような硬い基材の上に、トルエン、キシレン等の芳香族溶剤からなる有機ELインキを印刷する方式としては、水現像タイプの樹脂凸版を用いる凸版印刷方式が最適である。
しかし、テレビなどのようにあらゆるタイプの画像をしかも動画を主体に表示するディスプレイでは、デルタ配列もしくはモザイク配列の方が滑らかな画像を表示できる。したがって、有機ELディスプレイにおいても、テレビ等の動画表示用のディスプレイに用いる場合は、デルタ配列もしくはモザイク配列にR、G、Bを配置することが好ましい。
一方、印刷法で位置精度良くR、G、Bを塗りわけして有機ELディスプレイの発光層を形成する場合には、パッシブマトリックスタイプでは当然ストライプ上の画素に対してストライプ状に発光層を印刷すれば良く、アクティブマトリックスでもR、G、B配列が直線状に並んだストライプ配列では、同様にストライプ状に発光層を印刷すれば良かった。
ところが、デルタ配列やモザイク配列では、同一色の画素がストライプ状に配置されていないため、発光層をストライプ状に印刷することはできず、画素毎に発光層を印刷するいわゆるドット印刷の方式をとる必要がある。
一般的に、凸版印刷法などでストライプ状に発光層を印刷する場合は、ストライプのライン方向と印刷方向を同じにすることで、印刷方向の位置合わせが楽になるという利点がある。しかし、ドット印刷方式では、印刷方向でも精度良く位置合わせする必要があり、印刷精度を高めることが困難であった。
一方、これも前述したようにテレビ等のように動画であらゆる画像を表示するディスプレイのR、G、B配列は、デルタ配列やモザイク配列のRGB配置が好ましい。印刷法でこのような配列のR、G、Bの発光層を形成するには、各画素毎に印刷するドット形式での印刷方式を採る必要がある。
ところが、これも前述したようにドット形式で印刷する場合には、印刷方向においても印刷方向に垂直な方向と同様に精度の高い位置合わせを行う必要がある。しかし、印刷方向の位置合わせには、版と被印刷基板の単純な位置合わせを行うアライメント作業の他に、円筒状の印刷シリンダードラムに巻き付けて取り付けされた凸版の曲率を考慮したり、印圧により押しつぶされた弾性版と基板の周速のズレを考慮に入れたりする必要があり、位置合わせ作業が非常に困難である。
また、ドットでの凸版印刷方式では、印刷位置が少しでもずれて凸版のドットの一部が隔壁に架かった場合、画素内へ転移されるべきインキの量が減ることで画素内発光層の膜厚が薄くなることになり、例えレベリングにより画素内にインキが行渡って欠陥にならないとしても、問題となる。
本発明は、従来の技術における、前記の様な問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、印刷方向の位置調整が容易なように工夫したドット形式の印刷方式を提供することであり、より詳しくは、デルタ配列やモザイク配列のRGB配置の有機ELディスプレイにおいても、凸版印刷方式による発光層の形成を可能とする有機ELディスプレイパネルの製造方法を提供することである。
本発明の請求項1に係る発明は、R、G、Bのそれぞれに対応した画素からなる複数の画素が基板上に規則正しく配列され、前記R、G、Bのそれぞれに対応した画素が基板上に形成される際のR、G、B配列がデルタ配列またはモザイク配列であり、前記基板上で前記画素毎に該画素の周囲に形成された隔壁によって前記各画素が仕切られたアクティブマトリックス方式の有機ELディスプレイの製造方法であって、有機発光材料を溶剤に溶解または分散させてなるインキを、凸版を用いてR、G、Bの一色分の前記画素上に転移することで発光層を形成する工程を含み、前記凸版は前記R、G、Bのそれぞれに対応した画素のうちの何れか一色の画素に対応したドット状の複数の凸部を有し、前記凸部の先端面の面積は、前記画素の開口部の底面の面積の70%以上90%以下で形成されていることを特徴とする有機ELディスプレイパネルの製造方法である。
本発明の請求項2に係る発明は、前記インキの前記凸版に対する接触角が10度以下であることを特徴とする請求項1記載の有機ELディスプレイパネルの製造方法である。
本発明の請求項3に係る発明は、前記凸版が、水現像タイプの感光性樹脂凸版で形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の有機ELディスプレイパネルの製造方法である。
本発明の請求項4に係る発明は、前記凸版は板状の基材を有し、前記複数の凸部は前記基材の厚さ方向の一方の面に形成され、前記凸部は合成樹脂材料により互いに切り離されて形成されていることを特徴とする請求項1,2または3項記載の有機ELディスプレイパネルの製造方法である。
本発明の請求項5に係る発明は、前記基材は前記凸部を形成する合成樹脂材料とは異なる材料で形成されていることを特徴とする請求項4記載の有機ELディスプレイパネルの製造方法である。
本発明の請求項6に係る発明は、前記基材を形成する材料が金属材料であることを特徴とする請求項5記載の有機ELディスプレイパネルの製造方法である。
本発明の請求項7に係る発明は、前記基板は前記画素毎に薄膜トランジスタが形成されたTFT基板であることを特徴とする請求項1乃至6に何れか1項記載の有機ELディスプレイパネルの製造方法である。
本発明の請求項1に係る発明は、R、G、Bのそれぞれに対応した画素からなる複数の画素が基板上に規則正しく配列され、前記R、G、Bのそれぞれに対応した画素が基板上に形成される際のR、G、B配列がデルタ配列またはモザイク配列であり、前記基板上で前記画素毎に該画素の周囲に形成された隔壁によって前記各画素が仕切られたアクティブマトリックス方式の有機ELディスプレイの製造方法であって、有機発光材料を溶剤に溶解または分散させてなるインキを、凸版を用いてR、G、Bの一色分の前記画素上に転移することで発光層を形成する工程を含み、前記凸版は前記R、G、Bのそれぞれに対応した画素のうちの何れか一色の画素に対応したドット状の複数の凸部を有し、前記凸部の先端面の面積は、前記画素の開口部の底面の面積の70%以上90%以下で形成され、かつ、前記凸部の先端面の印刷方向の長さが前記画素の開口部の印刷方向の長さより短いことを特徴とする有機ELディスプレイパネルの製造方法である。
本発明の請求項2に係る発明は、前記インキの前記凸版に対する接触角が10度以下であることを特徴とする請求項1記載の有機ELディスプレイパネルの製造方法である。
本発明の請求項3に係る発明は、前記凸版が、水現像タイプの感光性樹脂凸版で形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の有機ELディスプレイパネルの製造方法である。
本発明の請求項4に係る発明は、前記凸版は板状の基材を有し、前記複数の凸部は前記基材の厚さ方向の一方の面に形成され、前記凸部は合成樹脂材料により互いに切り離されて形成されていることを特徴とする請求項1,2または3項記載の有機ELディスプレイパネルの製造方法である。
本発明の請求項5に係る発明は、前記基材は前記凸部を形成する合成樹脂材料とは異なる材料で形成されていることを特徴とする請求項4記載の有機ELディスプレイパネルの製造方法である。
本発明の請求項6に係る発明は、前記基材を形成する材料が金属材料であることを特徴とする請求項5記載の有機ELディスプレイパネルの製造方法である。
本発明の請求項7に係る発明は、前記基板は前記画素毎に薄膜トランジスタが形成されたTFT基板であることを特徴とする請求項1乃至6に何れか1項記載の有機ELディスプレイパネルの製造方法である。
まず、有機ELディスプレイパネルの構造について説明する。
図1に有機ELディスプレイパネルの説明断面図を示す。
本発明はアクティブマトリックス方式の有機ELディスプレイパネルに適用可能である。アクティブマトリックス方式は画素毎にトランジスタを形成した、いわゆる薄膜トランジスタ(TFT)基板を用いることにより、画素毎に独立して発光する方式である。
図2は、TFT基板1の説明断面図である。
TFT基板1は、TFT(薄膜トランジスタ)120上に、平坦化層117が形成してあるとともに、平坦化層117上に有機ELディスプレイパネルの下部電極(第一電極2)が設けられており、かつ、TFT120と下部電極とが平坦化層117に設けたコンタクトホール118を介して電気接続してあることが好ましい。このように構成することにより、TFT120と、有機発光媒体層(正孔輸送層3、有機発光層41、42、43)との間で、優れた電気絶縁性を得ることができる。
支持体111の材料としては、例えば、ガラス基板や石英基板が使用できる。また、ポリプロピレン、ポリエーテルサルフォン、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー、ポリアリレート、ポリアミド、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のプラスチックフィルムやシートであっても良い。これら、プラスチックフィルムやシートに、有機発光媒体層への水分の侵入を防ぐことを目的として、金属酸化物薄膜、金属弗化物薄膜、金属窒化物薄膜、金属酸窒化膜薄膜、あるいは高分子樹脂膜を積層したものを利用してもよい。
これらの活性層は、例えば、アモルファスシリコンをプラズマCVD法により積層し、イオンドーピングする方法、SiH4ガスを用いてLPCVD法によりアモルファスシリコンを形成し、固相成長法によりアモルファスシリコンを結晶化してポリシリコンを得た後、イオン打ち込み法によりイオンドーピングする方法、Si2H6ガスを用いてLPCVD法により、また、SiH4ガスを用いてPECVD法によりアモルファスシリコンを形成し、エキシマレーザー等のレーザーによりアニールし、アモルファスシリコンを結晶化してポリシリコンを得た後、イオンドーピング法によりイオンドーピングする方法(低温プロセス)、減圧CVD法又はLPCVD法によりポリシリコンを積層し、1000℃以上で熱酸化してゲート絶縁膜を形成し、その上にn+ポリシリコンのゲート電極114を形成し、その後、イオン打ち込み法によりイオンドーピングする方法(高温プロセス)等が挙げられる。
TFT基板1は、各画素P(図5参照)がポリイミドなどの絶縁材料からなる隔壁7によって仕切られており、よって画素電極(第一電極2)上で独立したマトリックス状の開口部を有することになる。
このTFT基板1を用いて、まず正孔輸送層を形成する。
正孔輸送層を形成する正孔輸送材料としては、ポリアニリン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリビニルカルバゾール(PVK)誘導体、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)等とポリスチレンスルホン酸(PSS)の混合物(PEDOT/PSS)が挙げられる。これらの材料は溶媒に溶解または分散させて正孔輸送材料インキとし、スピンコート法で全面塗布して薄膜形成できる。
有機発光層を形成する有機発光材料は、例えばクマリン系、ペリレン系、ピラン系、アンスロン系、ポルフィレン系、キナクドリン系、N,N’−ジアルキル置換キナクドリン系、ナフタルイミド系、N,N’−ジアリール置換ピロロピロール系、イリジウム錯体系等の発光性色素を、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルカルバゾール等の高分子中に分散させたものや、ポリアリーレン系、ポリアリーレンビニレン系やポリオレフィン系の高分子材料が挙げられる。
これらの有機発光材料は溶媒に溶解または分散させて有機発光インキとすることができる。有機発光材料を溶解または分散させる溶媒としては、トルエン、キシレン、アセトン、アニソール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等の単独またはこれらの混合溶媒が挙げられる。中でもトルエン、キシレン、アニソールといった芳香族有機溶媒が有機発光材料の溶解性の面から好適である。
本発明における樹脂版を構成する水現像タイプの感光性樹脂としては、例えば親水性のポリマーと不飽和結合を含むモノマーいわゆる架橋性モノマー及び光重合開始剤を構成要素とするタイプが挙げられる。このタイプでは、親水性ポリマーとしてポリアミド、ポリビニルアルコール、セルロース誘導体等が用いられる。また、架橋性モノマーとしては、例えばビニル結合を有するメタクリレート類が挙げられ、光重合開始剤としては例えば芳香族カルボニル化合物が挙げられる。中でも、印刷適正の面からポリアミド系の水現像タイプの感光性樹脂が好適である。
図4はデルタ配列における画素配列と版の凸部(ドット)の位置関係の説明図である。
図5は凸版とTFT基板の断面説明図である。
図3、図4、図5に示すように、本発明における凸版(樹脂凸版)50は、R、G、Bがデルタ配列で配置される画素Pに合わせて、その一色分の配置に対応したドット状の凸部202が形成されている。
すなわち、樹脂凸版16は、R、G、Bのそれぞれに対応した画素Pのうちの何れか一色の画素Pに対応したドット状の複数の凸部202を有し、凸部202の先端面の面積S2が画素Pの開口部P1の底面の面積S1の70%以上90%以下で形成されている。
凸部202の先端面の面積S2は、画素開口部(開口部)P1の面積S1に対して小さければ小さいほど、位置ズレに対応できるという点では望ましいが、小さすぎる場合にはインキの転移量が不足し、画素全体に広がるだけのインキ量を供給できなかったり、所定の膜厚を得られなかったり等の問題がある。また、所定のインキ転移量を確保するためには、凸版16のインキに対する濡れ性も重要となり、種々実験した結果、版表面のインキに対する接触角が10度以下が望ましいこともわかった。
図6に本発明の樹脂凸版16の説明断面図を示す。
本発明において凸版印刷法による有機発光層の形成に用いられる樹脂凸版16は、板状の基材200を有し、複数の凸部202は、基材200の厚さ方向の一方の面に形成され、凸部202は、合成樹脂により隣接する凸部202に対して独立して形成されており、言い換えると、凸部202は、隣接する凸部202に連続していない。したがって、隣接する凸部202が連続しており、樹脂層として一体化している従来の版と比較して、凸部202を形成する樹脂の変形による位置精度のずれを大幅に抑制することができ、高精細パターニングが可能となる。
ここで、凸部202が独立して形成されているとは、凸部202が互いに切り離されて形成されているということであり、より詳細には、基材200上において凸部202の基端から先端までが互いに接続されておらず互いに切り離されているということである。
基材200としては、印刷に対する機械的強度を有すれば良く、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、ポリエーテルスルホン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリビニルアルコールなどの公知の合成樹脂、鉄や銅、アルミニウムといった公知の金属、またはそれらの積層体を用いることができる。なお、本発明に使用する樹脂凸版を構成する基材200としては、樹脂部分の寸法変化を抑えるのに十分な剛性をもっていることと、基材200自身も寸法変化しにくいことが要求される。また、有機発光インキに含まれる有機溶剤への耐性が高いものが望ましい。したがって、基材200として用いられる材料としては金属材料が好適に使用される。
また、金属からなる基材の中でも、加工性、経済性からスチール基材やアルミ基材が好適である。
基材200に用いられる材料の熱膨張係数は、好ましくは2.0×10−5/K以下であり、更に好ましくは、3.0×10−6/K以下である。鉄等の金属は、熱膨張係数1.0×10−4/K以上のポリエステルフィルムに比べると十分に低い熱膨張係数を示し、この点からも本発明の樹脂版の基材200として適する。
ちなみに鉄の熱膨張係数は1.2×10−5/Kである。さらに、鉄とニッケル系の合金は鉄よりも低い熱膨張率を示し、中でも鉄64%、ニッケル36%の比率の合金は、鉄や一般的な金属の10分の1以下の熱膨張率を示し、最も好適な合金である。
図7に樹脂凸版の製造方法の説明断面図を示す。
まず、図7(a)に示したように、基材200上に感光性樹脂が一面に形成された版材を用意する。
次に、図7(b)に示したように、遮光部と透光部を有しており、且つ、透光部によってパターンが形成されたフォトマスク206を感光性樹脂上に配置する。フォトマスクは、透光性を有するガラス104上に例えばクロム薄膜からなる遮光部205がパターニングされた構造をしており、クロム薄膜が形成されている箇所が遮光部、クロム薄膜が形成されていない箇所が透光部となる。
図8に凸版印刷機の概略図を示す。
凸版印刷機は、インクタンク10とインキチャンバー12とアニロックスロール14と樹脂凸版16を取り付けした版胴18を有している。インクタンク10には、溶剤で希釈された有機発光インキが収容されており、インキチャンバー12にはインクタンク10より有機発光インキが送り込まれるようになっている。アニロックスロール14は、インキチャンバー12のインキ供給部及び版胴18に接して回転するようになっている。
さらに、被印刷基板24(TFT基板1)は摺動可能な基板固定台上に固定され樹脂凸版16版の凸部202のパターンと被印刷基板24のパターンの位置調整機構により、位置調整しながら印刷開始位置まで移動して、版胴18の回転に合わせて樹脂凸版16の凸部202が被印刷基板24に接しながらさらに移動し、ステージ20上にある被印刷基板24の所定位置にパターニングして有機発光インキ14aを転移する。
陰極層(第二電極5)の材料としては、有機発光層の発光特性に応じたものを使用でき、例えば、リチウム、マグネシウム、カルシウム、イッテルビウム、アルミニウム等の金属単体やこれらと金、銀などの安定な金属との合金などが挙げられる。また、インジウム、亜鉛、錫などの導電性酸化物を用いることもできる。陰極層(第二電極5)の形成方法としては、マスクを用いた真空蒸着法による形成方法が挙げられる。
最後にこれらの有機EL構成体を、外部の酸素や水分から保護するために、ガラスキャップ8と接着剤9を用いて密封封止し、有機ELディスプレイパネルを得ることができる。
次に、本発明の実施例を説明する。
本実施例においては、既に画素電極(第一電極2)、取り出し電極、TFT回路を保護するためのSiNx膜からなる絶縁層およびポリイミドからなる絶縁層を備え、当該ポリイミドからなる絶縁層は画素Pを仕切るように形成されており、よって各画素の隔壁7としても機能するようなTFT基板1を用いて、その上に正孔輸送層3、発光層、陰極(第二電極5)を順次形成して、アクティブマトリックス方式デルタ配列の有機ELディスプレイパネルを作成した。
このとき、隔壁7で仕切られた画素開口部P1の底面は、縦120μm、横40μmの長方形状であった。
発光層は有機発光材料であるポリフルオレン系のR材料、G材料、B材料をそれぞれ濃度1%になるようにトルエンに溶解させたR、G、B3色の有機発光インキを用い、ドット状の凸版で、各画素にデルタ配列でR、G、Bを塗り分けて、凸版印刷法で印刷した。
このとき、発光層の印刷には水現像タイプの感光性樹脂版を使用した。この版表面に対する発光材料インキの接触角は10度以下であった。
その上にCa、Alからなる陰極層(第二電極5)を抵抗加熱蒸着法により真空蒸着して形成した。最後にこれらの有機EL構成体を、外部の酸素や水分から保護するために、ガラスキャップ8と接着剤9を用いて密閉封止し、有機ELディスプレイ用素子パネルを作成した。
得られたパネルの表示部の周縁部には、各画素電極に接続されている陽極側および陰極側それぞれの取り出し電極があり、これらをドライバーを介して駆動装置に接続することでパネルの点灯表示確認を行い、発光状態のチェックを行った。
実施例1においては、版の凸部202の先端面のサイズを縦110μm、横38μmとし、すなわち画素開口部P1の底面の面積S1に対する版のドット(凸部202)の先端面の面積S2の比率が87%になるようにした凸版を用いた。
隔壁で仕切られた画素開口部P1の底面は、縦120μm、横40μmの長方形状であるから、この場合、印刷方向の位置ズレ10μm以内は許容できる範囲となる。
また印刷後、発光材料インキを乾燥させ、膜厚を測定したところ76nmで、画素内での膜厚も均一であった。
実施例2においては、版の凸部202の先端面のサイズを縦90μm、横38μmとし、すなわち画素開口部P1の底面の面積S1に対する版のドット(凸部202)の先端面の面積S2の比率が71%になるようにした凸版を用いた。隔壁7で仕切られた画素開口部P1の底面のサイズは、縦120μm、横40μmの長方形状であるから、この場合、印刷方向の位置ズレ30μm以内は許容できる範囲となる。
その他は、実施例1と全く同様にして有機ELディスプレイパネルを作成した。
印刷後、発光材料インキを乾燥させ、膜厚を測定したところ68nmで、画素内での膜厚も均一であった。
比較例1においては、版の凸部202の先端面のサイズを縦120μm、横40μmとし、すなわち、隔壁7で仕切られた画素開口部P1の底面のサイズと全く同じドットのサイズとした。
従って、この場合、印刷方向の位置ズレがすこしでもあった場合、版の凸部202が隔壁7に乗り上げる部分が生じてしまうため、位置ズレの許容はほとんどないことになる。
その他は、実施例1と全く同様にして有機ELディスプレイパネルを作成した。
印刷後、発光材料インキを乾燥させ、膜厚を測定したところ78nmであったが、画素内での膜厚は不均一であった。
比較例2においては、版の凸部202の先端面のサイズを縦70μm、横38μmとし、すなわち画素開口部P1の底面の面積S1に対する版の凸部202の先端面の面積S2の比率が55%になるようにした凸版を用いた。
隔壁7で仕切られた画素開口部P1の底面は、縦120μm、横40μmの長方形状であるから、この場合、印刷方向の位置ズレ50μm以内は許容できる範囲となる。
その他は、実施例1と全く同様にして有機ELディスプレイパネルを作成した。
印刷後、発光材料インキを乾燥させ、膜厚を測定したところ50nmであり、画素内での膜厚も不均一であった。
比較例3においては、版の凸部202の先端面のサイズを縦110μm、横38μmとし、すなわち画素開口部P1の底面の面積S1に対する版の凸部202の先端面の面積S2の比率が87%になるようにした凸版を用いた。
隔壁7で仕切られた画素開口部P1は、縦120μm、横40μmの長方形状であるから、この場合、印刷方向の位置ズレ10μm以内は許容できる範囲となる。
さらに、凸版として用いる版を、フッ素系成分を含む版材にして発光層印刷を行った。
このとき、版材表面の発光材料インキに対する接触角は30度であった。
印刷後、発光材料インキを乾燥させ、膜厚を測定したところ40nmで、画素内での膜厚も不均一であった。
これからわかる通り、実施例1、2では画素開口部P1の底面の面積S1に対して版の凸部202の先端面の面積S2が小さいため、印刷位置精度にゆとりがあり、位置精度の出しにくい印刷流れ方向での精度も良好であった。
また、位置ズレがないため画素内の膜厚分布も良好であり、膜厚も発光層の最適膜厚範囲である60〜80nmの範囲内に入っていた。
それに対して、比較例1では画素開口部P1の底面の面積S1と版の凸部202の先端面の面積S2が同じであるため、位置精度にゆとりがなく、印刷したパネルでも印刷方向の位置ズレがみられた。また、位置ズレの影響で画素内の膜厚分布も不均一であった。
比較例2では、画素開口部P1の底面の面積S1に対して版の凸部202の先端面の面積S2は十分小さいため、位置精度では問題ないが、小さすぎるためインキ転移量も少なく、それに由来して画素内膜厚分布も悪化していた。膜厚も50nmと最適範囲から外れていた。
比較例3では、版の発光材料インキに対する接触角が40度と高く、従ってインキ転移量が少なくなるため、膜厚が小さくなり、画素内の膜厚分布も不良であった。
このことから、画素開口部P1の底面の面積S1より小さい面積の先端面を有する凸部202の版で印刷する場合には、ある程度インキとの接触角が大きく、インキ転移量を十分に得られる版を使用する必要があることがわかる。
Claims (7)
- R、G、Bのそれぞれに対応した画素からなる複数の画素が基板上に規則正しく配列され、
前記R、G、Bのそれぞれに対応した画素が基板上に形成される際のR、G、B配列がデルタ配列またはモザイク配列であり、
前記基板上で前記画素毎に該画素の周囲に形成された隔壁によって前記各画素が仕切られたアクティブマトリックス方式の有機ELディスプレイの製造方法であって、
有機発光材料を溶剤に溶解または分散させてなるインキを、凸版を用いてR、G、Bの一色分の前記画素上に転移することで発光層を形成する工程を含み、
前記凸版は前記R、G、Bのそれぞれに対応した画素のうちの何れか一色の画素に対応したドット状の複数の凸部を有し、
前記凸部の先端面の面積は、前記画素の開口部の底面の面積の70%以上90%以下で形成され、かつ、前記凸部の先端面の印刷方向の長さが前記画素の開口部の印刷方向の長さより短い、
ことを特徴とする有機ELディスプレイパネルの製造方法。 - 前記インキの前記凸版に対する接触角が10度以下であることを特徴とする請求項1記載の有機ELディスプレイパネルの製造方法。
- 前記凸版が、水現像タイプの感光性樹脂凸版で形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の有機ELディスプレイパネルの製造方法。
- 前記凸版は板状の基材を有し、前記複数の凸部は前記基材の厚さ方向の一方の面に形成され、
前記凸部は合成樹脂材料により互いに切り離されて形成されている、
ことを特徴とする請求項1,2または3項記載の有機ELディスプレイパネルの製造方法。 - 前記基材は前記凸部を形成する合成樹脂材料とは異なる材料で形成されていることを特徴とする請求項4記載の有機ELディスプレイパネルの製造方法。
- 前記基材を形成する材料が金属材料であることを特徴とする請求項5記載の有機ELディスプレイパネルの製造方法。
- 前記基板は前記画素毎に薄膜トランジスタが形成されたTFT基板であることを特徴とする請求項1乃至6に何れか1項記載の有機ELディスプレイパネルの製造方法。
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