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JP4745803B2 - ディスクブレーキ - Google Patents
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JP4745803B2 - ディスクブレーキ - Google Patents

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本発明は、例えば自動車等の車両に制動力を付与するのに好適に用いられるディスクブレーキに関する。
一般に、自動車等の車両に設けられるディスクブレーキは、車両の運転者等がブレーキ操作を行ったときに、インナ側とアウタ側の摩擦パッドをディスクの両面に押圧し、これによってディスクに制動力を付与するものである(例えば、特許文献1参照)。
特開平11−325133号公報
この種の従来技術によるディスクブレーキは、車両の非回転部分に取付けられる取付部材を有している。そして、取付部材は、ディスクの回転方向に離間して該ディスクの外周側を軸方向に跨ぐ一対の腕部を有し、これらの腕部には凹溝からなるパッドガイドがそれぞれ設けられている。
また、取付部材の各腕部には、ディスクの軸方向に摺動可能となったキャリパと、各腕部のパッドガイドに摺動可能に取付けられる突部を有し該キャリパによってディスクの両面に押圧される一対の摩擦パッドと、該各摩擦パッドの突部を各腕部の間で弾性的に支持する一対のパッドスプリングとが設けられている。
ここで、パッドスプリングは、各腕部の間で摩擦パッドのがたつき等が生じるのを抑え、摩擦パッドの摺動変位を滑らかにするものであり、例えばばね性を有する金属板等をプレス加工することによって形成されている。そして、パッドスプリングは、上板、下板及び側板によって略コ字状に形成された案内板部と、該案内板部の下板に設けられた径方向付勢部と、案内板部の上板に設けられた挿入ガイド部とを有している。
この場合、案内板部は取付部材のパッドガイドに嵌合されると共に、案内板部の内側には摩擦パッドの突部が摺動可能に挿嵌されている。これにより、案内板部は、摩擦パッドをディスクの軸方向に案内する構成となっている。また、径方向付勢部は、案内板部の下板から内側に向けて略U字状に折返されたばね片として形成され、摩擦パッドをディスクの径方向外側に向けて付勢している。
さらに、挿入ガイド部は、摩擦パッドの突部をパッドスプリングに組付けるときに用いられるものである。この場合、従来技術の挿入ガイド部は、案内板部の上板と連続して延びる略平板状の小片として形成され、上板から外側に向けてディスクの軸方向に突出している。
このように構成される従来技術のディスクブレーキにおいて、摩擦パッドとパッドスプリングの組付作業について説明すると、この組付作業では、まず取付部材の各腕部にパッドスプリングをそれぞれ組付ける。次に、摩擦パッドの両側に設けられた突部を、これらのパッドスプリングの案内板部にそれぞれ嵌合させることにより、摩擦パッドを各パッドスプリングの間に組付ける。
この場合、摩擦パッドの突部は、パッドスプリングの挿入ガイド部と径方向付勢部との間の隙間に対して外側から押込まれる。即ち、突部は、挿入ガイド部と摺接した状態で径方向付勢部を弾性変形させることにより、両者間の隙間を広げつつ、この隙間を通じて案内板部に嵌合される。
ところで、上述した従来技術では、摩擦パッドの組付作業を行うときに、その突部によって径方向付勢部を弾性変形させつつ、当該突部を径方向付勢部と挿入ガイド部との間の隙間に押込む構成としている。しかし、この場合には、弾性変形している径方向付勢部の反力と、作業者等が摩擦パッドの突部を押込むときの押付力とが大きな外力となって挿入ガイド部に加わることがある。
このため、従来技術では、摩擦パッドを組付けるときに、パッドスプリングの挿入ガイド部が外力によって折れ曲るように変形し、その機能が損なわれることがあり、これによってパッドの組付作業が難しくなったり、組付時の作業性が低下するという問題がある。
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、摩擦パッドの組付時にパッドスプリングの挿入ガイド部が変形するのを確実に防止でき、パッドの組付作業を効率よく行うことができるようにしたディスクブレーキを提供することにある。
上述した課題を解決するために本発明は、ディスクの回転方向に離間して該ディスクの外周側を軸方向に跨ぐ一対の腕部を有し該各腕部にパッドガイドが設けられた取付部材と、該取付部材の各腕部に摺動可能に設けられたキャリパと、取付部材の各腕部に前記パッドガイドを介して摺動可能に取付けられる突部を有し該キャリパによりディスクの両面に押圧される一対の摩擦パッドと、前記取付部材の各腕部側にそれぞれ取付けられ該各摩擦パッドの突部を各腕部間で弾性的に支持する一対のパッドスプリングとからなるディスクブレーキに適用される。
そして、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、前記パッドスプリングのうち少なくとも一方のパッドスプリングは、前記摩擦パッドの突部を取囲む上板、下板及び側板からなるU字状に形成されて前記取付部材のパッドガイドに取付けられ、前記摩擦パッドをディスクの軸方向に案内する案内板部と、基端側が前記案内板部から延在して形成され先端側が前記上板側に折返された自由端となり、当該自由端側で前記摩擦パッドをディスクの径方向外側に向けて付勢する径方向付勢部とを備え、かつ前記摩擦パッドの突部を前記上板と径方向付勢部との間に挿入するときに案内する挿入ガイド部を、前記案内板部の上板からディスクの軸方向に延出した上板延出部と、前記案内板部の側板から軸方向に延出した側板延出部とにより、前記案内板部の上板と側板とにわたって形成し、前記上板延出部と側板延出部との周縁部位は、ディスクの径方向外側に向かうにしたがってディスクの軸方向へ延びるように連続的に傾斜した傾斜縁部として形成される構成としたことにある。
また、請求項の発明によると、前記上板延出部の先端側にはディスクの径方向外側に折曲げられた上向き折曲部を設け、前記傾斜縁部前記案内板部の側板から前記上向き折曲部にかけて先細りとなるように形成する構成としている。
請求項1の発明によれば、パッドスプリングの挿入ガイド部を、案内板部の上板からディスクの軸方向に延出した上板延出部と、前記案内板部の側板から軸方向に延出した側板延出部とにより、前記案内板部の上板と側板とにわたって設ける構成としたので、挿入ガイド部を横断面形状が略L字状の突起部として形成することができ、例えば折曲げ方向の外力等に対して挿入ガイド部の剛性を十分に高めることができる。このため、摩擦パッドをパッドスプリングに組付けるときには、例えばパッドスプリングの径方向付勢部から摩擦パッドの突部に加わる付勢力が挿入ガイド部の上板延出部と側板延出部とに作用したとしても、この外力によって挿入ガイド部が折れ曲がったり、反り等の変形が生じるのを確実に防止することができる。
また、例えば組付を行う作業者等が摩擦パッドの突部を挿入ガイド部と径方向付勢部との間に強く押込んだとしても、このときの押付力によって挿入ガイド部が変形するのを阻止することができる。このように、挿入ガイド部は、組付作業中に変形することによって機能を損なうことがないから、摩擦パッドの突部を案内板部の上板と径方向付勢部との間に向けて円滑に案内することができる。従って、作業者は、挿入ガイド部の変形等を気にすることなく、摩擦パッドの突部を案内板部内にスムーズに挿入することができ、パッドの組付作業を効率よく行うことができる。
また、挿入ガイド部を、上板延出部と側板延出部とによって構成することができる。そして、摩擦パッドの組付時には、パッドの突部を上板延出部によって上側から押えつつ、当該突部を上板延出部に沿って案内板部の上板と径方向付勢部との間に円滑に案内することができる。
しかも、側板延出部は、上板延出部と略L字状に連続した一体構造物として形成することができる。これにより、側板延出部は、上板延出部をその厚さ方向と垂直な方向から補強する補強リブとして機能することができ、折曲げ方向の外力等に対して上板延出部の剛性を容易に高めることができる。さらに、上板延出部と側板延出部の周縁部位を滑らかな傾斜縁部として形成することができる。これにより、摩擦パッドの組付作業時には、突部等が挿入ガイド部の周縁部や側板の端面等に引掛るのを防止することができ、作業を円滑に進めることができる。
また、請求項の発明によれば、上板延出部の先端側に上向き折曲部を設けることができる。このため、摩擦パッドの組付時には、まずパッドの突部を上向き折曲部の下側へと容易に挿嵌することができ、この突部を上向き折曲部に沿って上板延出部の下側へとスムーズに案内することができる。従って、作業者等は、摩擦パッドを強く押込まなくても、パッドの突部を挿入ガイド部の位置に効率よく導入することができ、作業性を高めることができる。
また、上板延出部と側板延出部の周縁部位である傾斜縁部を、前記案内板部の側板から前記上向き折曲部にかけて先細りとなるように形成することができる。これにより、摩擦パッドの組付作業時には、突部等が挿入ガイド部の周縁部や側板の端面等に引掛るのを防止することができ、作業を円滑に進めることができる。
以下、本発明の実施の形態として、自動車用のディスクブレーキを例に挙げ、添付図面に従って詳細に説明する。
図中、1は車両の非回転部分に取付けられる取付部材で、該取付部材1は、図1、図2に示すように、車輪(図示せず)と共に回転するディスクDの近傍に配置されている。このディスクDは、例えば車両が前進方向に走行するときに図1中の矢示A方向に回転するものである。
そして、取付部材1は、ディスクDの回転方向(周方向)に離間してディスクDの外周を跨ぐように軸方向に延びた一対の腕部1A,1Aと、該各腕部1Aの基端側を連結して設けられ、ディスクDのインナ側となる位置で前記車両の非回転部分に固定される連結部1Bと、各腕部1Aの先端側を互いに連結する弓形状の補強ビーム1Cとによって大略構成されている。
また、各腕部1Aには、後述の摺動ピン5が摺動可能に挿嵌されるピン穴(図示せず)が設けられている。また、腕部1Aの長さ方向(軸方向)中間部には、図11に示す如く、ディスクDの外周に沿って円弧状に延びるディスクパス部1Dが形成され、各腕部1Aには、該ディスクパス部1Dを挟んで軸方向の両側に後述するインナ側,アウタ側のパッドガイド2がそれぞれ形成されている。
2は取付部材1の各腕部1Aにそれぞれ設けられたパッドガイドを示し、これらのパッドガイド2は、後述する摩擦パッド7の突部8がパッドスプリング9を介して嵌合されるもので、ブレーキの操作時または解除時に摩擦パッド7をディスクDの軸方向に案内するものである。
ここで、パッドガイド2は、図3ないし図5に示す如く、断面コ字形状の凹溝として形成され、ディスクDの軸方向に延びている。そして、パッドガイド2は、ディスクDの径方向外側寄りに位置する外径壁面(以下、上壁面2Aという)と、ディスクDの径方向内側寄りに位置して上壁面2Aと平行に延びた内径壁面(以下、下壁面2Bという)と、これらの壁面2A,2B間を連結して延びる側壁面2Cとによって構成されている。
この場合、パッドガイド2の側壁面2Cは所謂トルク受部を構成するもので、ブレーキ操作時にディスクDから摩擦パッド7に加わる制動トルクを、突部8を介して受承するものである。
3は取付部材1に摺動可能に設けられたキャリパで、該キャリパ3は、図1、図2に示す如く、ディスクDの一側(インナ側)に設けられたインナ脚部3Aと、取付部材1の各腕部1A間でディスクDの外周側を跨ぐようにインナ脚部3AからディスクDの他側(アウタ側)へと延設されたブリッジ部3Bと、該ブリッジ部3Bの先端側(アウタ側)からディスクDの径方向内向きに延び、先端側が二又状をなしたアウタ脚部3Cとによって構成されている。
そして、インナ脚部3Aには、図2中の左,右方向に突出する一対の取付部3D,3Dが設けられ、該各取付部3Dは、後述の摺動ピン5を介して取付部材1の各腕部1Aに摺動可能に支持されるものである。また、インナ脚部3Aには、図3に示す如く、外部からブレーキ液圧が供給されるシリンダ3Eが設けられ、該シリンダ3E内にはピストン4が摺動可能に挿嵌されている。
5は取付部材1とキャリパ3との間に設けられた例えば2本の摺動ピンで、これらの摺動ピン5は、図2に示す如く、基端側がボルト6等を用いてキャリパ3の各取付部3Dに締結されている。また、各摺動ピン5の先端側は、取付部材1の各腕部1Aのピン穴内に摺動可能に挿嵌されている。これにより、キャリパ3は、各摺動ピン5を介して取付部材1に摺動可能に支持されている。
7はディスクDの両面側に配置されたインナ側,アウタ側の摩擦パッドで、これらの摩擦パッド7は、図3、図15に示す如く、ディスクDの回転方向に延びる略扇形の板状体として形成され、その裏面側(裏金)の長さ方向両側には、上面部8A、下面部8B及び側面部8Cを有する略四角形状の突部8がそれぞれ設けられている。
これらの突部8は、ディスクDの回転方向入口側(図1中の右側)と回転方向出口側(左側)とに離間して配置され、後述するパッドスプリング9の案内板部13を介して取付部材1の各パッドガイド2にそれぞれ摺動可能に挿嵌されている。この場合、突部8は、図5に示す如く、パッドスプリング9の上板13Aと付勢片部15Bとの間に弾性的に支持(挟持)されている。
そして、インナ側,アウタ側の摩擦パッド7は、ブレーキ操作時にキャリパ3によってディスクDの両面に押圧され、このときに突部8がパッドガイド2に沿ってディスクDの軸方向に摺動変位する。また、ブレーキ操作時には、摩擦パッド7がディスクDから制動トルクを受けると、この制動トルクにより突部8がパッドスプリング9の案内板部13(側板13C)を介してパッドガイド2の側壁面2Cに押付けられ、制動トルクが側壁面2Cによって受承される。
9は取付部材1の各腕部1Aにそれぞれ設けられた一対のパッドスプリングを示し、これらのパッドスプリング9は、摩擦パッド7を挟んでディスクDの回転方向入口側と回転方向出口側とに配置され、インナ側,アウタ側の摩擦パッド7を弾性的に支持すると共に、これらの摩擦パッド7の摺動変位を滑らかにするものである。
ここで、パッドスプリング9は、例えばばね性を有するステンレス鋼板をプレス加工等の手段を用いて、図6ないし図8に示すように折曲げることにより一体形成され、後述の連結板部10、案内板部13,13、径方向付勢部15,15、挿入ガイド部16,16等によって構成されている。
10はパッドスプリング9の各案内板部13等を連結する連結板部で、該連結板部10は、ディスクDの外周側を跨ぐように軸方向に延びて形成され、その長さ方向両端側には、一対の平板部11,11がディスクDの径方向内向きに延びて一体形成されている。
そして、連結板部10は、図6、図11に示す如く、平板部11に対して外側へと反るように略「く」字状に屈曲され、取付部材1のディスクパス部1Dに沿って配置されるものである。また、連結板部10の長さ方向中間部には、下向きに延びつつ略「く」字状に折曲げられた係合板部12が一体形成されている。この係合板部12は、ディスクパス部1Dに径方向内側から係合するように取付けられ、パッドスプリング9を取付部材1の腕部1Aに対してディスクDの軸方向に位置決めするものである。
13は連結板部10の両端側に各平板部11を介して設けられた案内板部を示している。これらの案内板部13は略U字状または略コ字状に形成され、取付部材1のインナ側とアウタ側のパッドガイド2にそれぞれ嵌合して取付けられている。そして、案内板部13は、後述の径方向付勢部15と協働して摩擦パッド7の突部8をディスクDの軸方向に案内するものである。
また、案内板部13は、図4、図5に示す如く、パッドガイド2の上壁面2Aに対向する上板13Aと、該上板13Aに対してほぼ平行な状態で対向配置され、パッドガイド2の下壁面2Bに対向する下板13Bと、これらの上板13Aと下板13Bとの間を連結し、パッドガイド2の側壁面2Cに当接される側板13Cとによって構成されている。
そして、これらの上板13A、下板13B及び側板13Cは、パッドガイド2内で摩擦パッド7の突部8を取囲んで略U字状または略コ字状に延びている。また、案内板部13の上板13Aには後述の挿入ガイド部16が設けられ、下板13Bには径方向付勢部15が設けられている。また、側板13Cには、図11に示す如く、パッドガイド2の外側に向けてディスクDの軸方向に突出する外側突起13Dと、後述の爪部14とが設けられている。
14は各案内板部13の側板13Cにそれぞれ設けられた爪部で、これらの爪部14は、側板13Cから下向きに突出する突起として形成され、その先端側は、図5に示す如く、パッドガイド2の下壁面2Bに弾性変形状態で掛止めされる。これにより、爪部14は、下壁面2Bからの反力によって案内板部13の上板13Aをパッドガイド2の上壁面2Aに向けて弾性的に押付け、案内板部13をパッドガイド2内で抜止め状態に保持するものである。
15は各案内板部13の下板13Bにそれぞれ設けられた径方向付勢部で、これらの径方向付勢部15は、摩擦パッド7をディスクDの径方向外側に向けて付勢し、そのがたつき等を抑えるものである。ここで、径方向付勢部15は、図6、図7に示す如く、略U字状または略C字状の折曲げ部として形成された折返し部15Aと、該折返し部15Aの先端側に設けられ、細長い平板状のばね片として形成された付勢片部15Bとによって構成されている。
そして、折返し部15Aは、案内板部13の下板13BからディスクDの軸方向に延在して形成された固定端となっている。また、付勢片部15Bは、下板13Bから折返し部15Aを介して上板13A側に折返された自由端となっている。この場合、付勢片部15Bの基端側は、上板13Aよりも下板13Bに近い位置に配置され、後述の挿入ガイド部16とディスクDの径方向で対向している。
また、付勢片部15Bの先端側は、図12に示す如く、折返し部15Aが非弾性変形状態のときに、ディスクDの軸方向及び径方向外側に向けて斜めに延び、付勢片部15Bの最先端部位は、案内板部13の下板13Bよりも上板13Aに近い位置に配置されている。
そして、径方向付勢部15は、図13、図14に示す如く、摩擦パッド7の突部8を案内板部13内に組付けるときに、折返し部15A等が弾性変形することにより、付勢片部15Bが下板13Bに押付けられるように変位する。これにより、付勢片部15Bは、図5中の矢示Fに示す如く、折返し部15Aの弾性反力によって摩擦パッド7の突部8をディスクDの径方向外側に向けて付勢し、この突部8を案内板部13の上板13A(パッドガイド2の上壁面2A)に向けて弾性的に押付けている。
このため、突部8は、径方向付勢部15の付勢力(弾性反力)によって上板13Aと付勢片部15Bとの間に弾性的に支持された状態となり、摩擦パッド7のがたつきを抑えることができる。
16は各案内板部13の上板13Aと側板13Cとにわたって設けられた挿入ガイド部を示している。これらの挿入ガイド部16は、摩擦パッド7をパッドスプリング9に組付けるときに用いられるもので、摩擦パッド7の突部8を上板13Aと径方向付勢部15の付勢片部15Bとの間に挿入するときに、これらの部位の間に向けて突部8を案内するものである。
ここで、挿入ガイド部16は、図6ないし図10に示す如く、例えばL字状の横断面形状を有する突起部として形成され、上板13A及び側板13Cの両方から案内板部13の外側に向けてディスクDの軸方向に突出している。即ち、挿入ガイド部16は、案内板部13の上板13Aから軸方向に延出した略四角形状の上板延出部16Aと、該上板延出部16Aの剛性を高めるために側板13Cから軸方向に延出した略三角形状の側板延出部16Bとによって形成されている。
そして、上板延出部16Aは、図7に示す如く、径方向付勢部15の付勢片部15Bの基端側とディスクDの径方向で対向している。また、上板延出部16Aの先端側には、ディスクDの径方向外側(付勢片部15Bから離れる方向)に向けて斜めに折曲げられた上向き折曲部16Cが設けられている。
これにより、摩擦パッド7の組付作業において、その突部8を案内板部13の上板13Aと径方向付勢部15の付勢片部15Bとの間に挿入するときには、図12ないし図14に示す如く、まず突部8の下面部8B側を付勢片部15Bに押付けた状態で、突部8の上面部8A側を上向き折曲部16Cの下側へと容易に挿嵌することができる。そして、突部8の上面部8A側は、上向き折曲部16Cと上板延出部16AとによってディスクDの軸方向に案内され、案内板部13の上板13Aの下側にスムーズに挿入される。
この場合、上板延出部16Aと上向き折曲部16Cとは、図9、図10に示す如く、ディスクDの径方向外側からみたときに、全体として略三角形の板状に形成されている。そして、上板延出部16Aと上向き折曲部16Cの部位の周縁部位は、案内板部13の側板13Cから上向き折曲部16Cにかけて先細りとなるように斜めに傾斜して延びた傾斜縁部16Dとして形成されている。
一方、側板延出部16Bは、上板延出部16Aと案内板部13の側板13Cとの間に設けられた補強リブとして機能している。この場合、上板延出部16Aと側板延出部16Bとの間には、図10に示す如く、案内板部13の上板13Aと側板13Cとの間の折曲げ部に対応する位置でほぼ直角に屈曲した屈曲部16Eが設けられ、上板延出部16Aと側板延出部16Bとは、この屈曲部16Eを介して略L字状に連続している。
これにより、側板延出部16Bは、上板延出部16Aをその厚さ方向と垂直な方向から補強し、折曲げ方向(ディスクDの径方向)の外力等に対して、上板延出部16Aに高い剛性を与えている。このため、摩擦パッド7の組付時には、図14中の矢示Fに示す如く、径方向付勢部15の弾性反力(ばね力)が摩擦パッド7の突部8を介して上板延出部16Aに作用したり、作業者等が摩擦パッド7を押込むときの押付力が上板延出部16Aに作用した場合でも、上板延出部16Aの折れ曲がり、反り等を防止することができる。
本実施の形態によるディスクブレーキは上述の如き構成を有するもので、次にその作動について説明する。
まず、車両のブレーキ操作時には、キャリパ3のシリンダ3Eにブレーキ液圧を供給することにより、ピストン4をディスクDに向けて摺動変位させ、これによりインナ側の摩擦パッド7をディスクDの一側面に押圧する。そして、このときにはキャリパ3がディスクDからの押圧反力を受けるため、キャリパ3全体が取付部材1の腕部1Aに対してインナ側に摺動変位し、アウタ脚部3Cがアウタ側の摩擦パッド7をディスクDの他側面に押圧する。
これにより、インナ側とアウタ側の摩擦パッド7は、ディスクDに両面側から制動力を与えることができる。そして、ブレーキ操作を解除したときには、シリンダ3Eへの液圧供給が停止されることにより、インナ側とアウタ側の摩擦パッド7がディスクDから離間し、再び非制動状態に復帰する。
また、これらの摩擦パッド7の突部8は、ディスクDの回転方向入口側,回転方向出口側に位置する各パッドガイド2内にパッドスプリング9の案内板部13を介して摺動可能に挿嵌され、径方向付勢部15の付勢片部15B等によって図5中の矢示F方向に付勢されている。これにより、摩擦パッド7の突部8を案内板部13の上板13Aに弾性的に押付けることができる。
このため、走行時の振動等により摩擦パッド7がディスクDの径方向にがたついたりするのを、パッドスプリング9の径方向付勢部15によって防止することができる。そして、ブレーキ操作時には、インナ側,アウタ側の摩擦パッド7の突部8を、案内板部13の上板13Aと径方向付勢部15の付勢片部15Bとに沿ってディスクDの軸方向へと円滑に案内することができる。
次に、図11ないし図15を参照しつつ、ディスクブレーキの組立時に行われる摩擦パッド7とパッドスプリング9の組付作業について説明する。
まず、パッドスプリング9の組付作業では、図11に示す如く、取付部材1の各腕部1A(一方のみ図示)の間にパッドスプリング9を配置し、その案内板部13をパッドガイド2に嵌合させることにより、取付部材1にパッドスプリング9を組付ける。
次に、摩擦パッド7の組付作業では、図12に示す如く、まず摩擦パッド7の突部8を、パッドスプリング9の径方向付勢部15と挿入ガイド部16との間に配置する。そして、図13に示すように、突部8の下面部8B側を付勢片部15Bの基端側に当接させ、この状態で突部8の上面部8A側を挿入ガイド部16に向けて回動させる。
このとき、挿入ガイド部16の先端部位には、付勢片部15Bから離れる方向に折曲げられた上向き折曲部16Cが設けられているので、突部8の上面部8A側を上向き折曲部16Cの下側へと容易に挿嵌することができる。これにより、摩擦パッド7の突部8は、上向き折曲部16Cによって上板延出部16Aの下側に案内され、付勢片部15Bを押下げる方向に弾性変形させつつ、上板延出部16Aと付勢片部15Bとの間に挟まれた状態となる。
この状態で、摩擦パッド7を案内板部13側に向けて摺動させると、突部8は、図14に示す如く、挿入ガイド部16の上板延出部16Aによって上側から押えられつつ、この上板延出部16Aに沿って案内板部13内に案内され、案内板部13の上板13Aと付勢片部15Bとの間に嵌合される。従って、図15に示すように、摩擦パッド7をパッドスプリング9の所定位置へとスムーズに組付けることができる。
この組付作業において、挿入ガイド部16の上板延出部16Aには、図14中の矢示Fに示す如く、摩擦パッド7の突部8を介して径方向付勢部15のばね力が作用する。また、上板延出部16Aには、作業者が摩擦パッド7を押込むときの押付力が加わることもある。
しかし、上板延出部16Aには、側板延出部16Bによって高い剛性が与えられているので、摩擦パッド7の組付作業中に上板延出部16Aが折れ曲がったり、反り等が生じるのを側板延出部16Bによって確実に防止することができる。
ここで、側板延出部16Bを備えていない従来技術のパッドスプリング100について、図17に示す比較例として説明する。この比較例において、パッドスプリング100は、案内板部101の上板101A、下板101B及び側板101C、径方向付勢部102、挿入ガイド部103等を備えているものの、挿入ガイド部103は板状に形成され、上板101Aのみに突設されている。
この構造では、挿入ガイド部103の剛性を十分に確保するのが難しいため、摩擦パッド7の組付作業中には、挿入ガイド部103が矢示F方向のばね力を受けることによって実線で示すように折れ曲がることがある。
これに対し、本実施の形態では、挿入ガイド部16に側板延出部16Bを設けているから、上板延出部16A、上向き折曲部16C等に高い剛性を与えることができ、これらの部位が外力を受けたとしても、挿入ガイド部16に折れ曲がり、反り等の変形が生じるのを確実に防止することができる。
かくして、本実施の形態によれば、パッドスプリング9の挿入ガイド部16を案内板部13の上板13Aと側板13Cとにわたって設ける構成としたので、挿入ガイド部16を横断面形状が略L字状の突起部として形成することができ、例えば折曲げ方向の外力等に対して、挿入ガイド部16の剛性を十分に高めることができる。
このため、摩擦パッド7の組付時には、径方向付勢部15のばね力や作業者の押付力等が挿入ガイド部16に加わったとしても、挿入ガイド部16は、これらの外力を安定的に受承しつつ、摩擦パッド7の突部8を案内板部13の上板13Aと径方向付勢部15との間に向けて円滑に案内することができる。
このように、挿入ガイド部16は、組付作業中に変形することによってガイドとしての機能を損なうことがないから、作業者は、挿入ガイド部16の変形等を気にすることなく、摩擦パッド7の突部8を案内板部13内にスムーズに挿入することができ、パッドの組付作業を効率よく行うことができる。
また、本実施の形態では、挿入ガイド部16を、上板延出部16Aと側板延出部16Bとによって形成したので、これらの上板延出部16Aと側板延出部16Bとを屈曲部16Eの位置で略L字状に連続した一体構造物として形成することができる。
これにより、側板延出部16Bは、上板延出部16Aをその厚さ方向と垂直な方向から補強する補強リブとして機能することができ、折曲げ方向の外力等に対して上板延出部16Aの剛性を容易に高めることができる。
また、上板延出部16Aと側板延出部16Bとを略L字状に形成することにより、これらの部位をプレス加工等の手段によってパッドスプリング9の他の部位と一緒に効率よく加工、成形することができる。このため、例えば別工程で特別な補強構造等を設けなくてもよいから、パッドスプリング9全体の加工性を損なうことなく、高い強度の挿入ガイド部16を実現することができる。
また、上板延出部16Aの先端側には上向き折曲部16Cを設けたので、摩擦パッド7の組付時には、まず突部8を上向き折曲部16Cの下側へと容易に挿嵌することができ、この突部8を上向き折曲部16Cに沿って上板延出部16Aの下側へとスムーズに案内することができる。従って、作業者等は、摩擦パッド7を強く押込まなくても、突部8を挿入ガイド部16の位置に効率よく導入することができ、作業性を高めることができる。
さらに、上板延出部16Aと側板延出部16Bの周縁部位を傾斜縁部16Dとして形成したので、これらの周縁部位を滑らかに成形することができる。これにより、摩擦パッド7の組付作業時には、突部8等が挿入ガイド部16の周縁部や側板13Cの端面等に引掛るのを防止することができ、作業を円滑に進めることができる。
なお、前記実施の形態では、挿入ガイド部16の上板延出部16Aと側板延出部16Bにわたって傾斜縁部16Dを設ける構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、例えば図16に示す変形例のように、挿入ガイド部の周縁部位を円弧状に構成してもよい。この場合、挿入ガイド部21は、上板延出部21A、側板延出部21B、上向き折曲部21C等を有しているものの、上板延出部21Aと上向き折曲部21Cの周縁部位は、略円弧状をなして滑らかに延びる円弧状縁部21Dとして形成されている。
また、実施の形態では、パッドスプリング9の径方向付勢部15を案内板部13の下板13Bから延出させる構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、例えば径方向付勢部15を案内板部13の側板13Cから延出させる構成としてもよい。
また、実施の形態では、ディスクDの回転方向入口側,回転方向出口側に配置する2個のパッドスプリング9に同じ符号を付して説明した。しかし、本発明では、これら2個のパッドスプリングを必ずしも同一形状の部品によって構成する必要はなく、回転方向入口側のパッドスプリングと、回転方向出口側のパッドスプリングとを互いに異なる形状の部品として構成してもよい。
本発明の実施の形態によるディスクブレーキの正面図である。 図1に示すディスクブレーキの平面図である。 取付部材とキャリパの一部を破断して示すディスクブレーキの正面図である。 図3中のa部を拡大して示す要部拡大図である。 取付部材、摩擦パッドの突部、パッドスプリング等を図4中の矢示V−V方向から拡大してみた断面図である。 パッドスプリングを示す斜視図である。 パッドスプリングを示す正面図である。 図7のパッドスプリングを示す右側面図である。 パッドスプリングの挿入ガイド部を図7中の矢示IX−IX方向から拡大してみた部分拡大平面図である。 パッドスプリングの挿入ガイド部を図6中の矢示X−X方向から拡大してみた部分拡大斜視図である。 パッドスプリングを取付部材の腕部に組付けた状態を示す斜視図である。 パッドスプリングの上板部と径方向付勢部との間に摩擦パッドの突部を挿入する状態を示す図5と同様の断面図である。 パッドスプリングの挿入ガイド部によって摩擦パッドの突部を案内する状態を示す断面図である。 摩擦パッドの突部がパッドスプリングの上板部と径方向付勢部との間に挿入された状態を示す断面図である。 摩擦パッドとパッドスプリングとを取付部材に組付けた状態を示す斜視図である。 本発明の変形例によるディスクブレーキのパッドスプリングを図9と同様位置からみた部分拡大平面図である。 従来技術のパッドスプリングを比較例として示す図5と同様の断面図である。
符号の説明
1 取付部材
1A 腕部
2 パッドガイド
3 キャリパ
7 摩擦パッド
8 突部
9 パッドスプリング
10 連結板部
11 平板部
12 係合板部
13 案内板部
13A 上板
13B 下板
13C 側板
15 径方向付勢部
15A 折返し部
15B 付勢片部
16,21 挿入ガイド部
16A,21A 上板延出部
16B,21B 側板延出部
16C,21C 上向き折曲部
16D 傾斜縁部
16E 屈曲部
21D 円弧状縁部
D ディスク

Claims (2)

  1. ディスクの回転方向に離間して該ディスクの外周側を軸方向に跨ぐ一対の腕部を有し該各腕部にパッドガイドが設けられた取付部材と、該取付部材の各腕部に摺動可能に設けられたキャリパと、前記取付部材の各腕部に前記パッドガイドを介して摺動可能に取付けられる突部を有し該キャリパによりディスクの両面に押圧される一対の摩擦パッドと、前記取付部材の各腕部側にそれぞれ取付けられ該各摩擦パッドの突部を各腕部間で弾性的に支持する一対のパッドスプリングとからなるディスクブレーキにおいて、
    前記パッドスプリングのうち少なくとも一方のパッドスプリングは、
    前記摩擦パッドの突部を取囲む上板、下板及び側板からなるU字状に形成されて前記取付部材のパッドガイドに取付けられ、前記摩擦パッドをディスクの軸方向に案内する案内板部と、
    基端側が前記案内板部から延在して形成され先端側が前記上板側に折返された自由端となり、当該自由端側で前記摩擦パッドをディスクの径方向外側に向けて付勢する径方向付勢部とを備え、
    かつ前記摩擦パッドの突部を前記上板と径方向付勢部との間に挿入するときに案内する挿入ガイド部を、前記案内板部の上板からディスクの軸方向に延出した上板延出部と、前記案内板部の側板から軸方向に延出した側板延出部とにより、前記案内板部の上板と側板とにわたって形成し
    前記上板延出部と側板延出部との周縁部位は、ディスクの径方向外側に向かうにしたがってディスクの軸方向へ延びるように連続的に傾斜した傾斜縁部として形成されていることを特徴とするディスクブレーキ。
  2. 前記上板延出部の先端側にはディスクの径方向外側に折曲げられた上向き折曲部を設け、前記傾斜縁部前記案内板部の側板から前記上向き折曲部にかけて先細りとなるように形成してなる請求項に記載のディスクブレーキ。
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