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JP4760382B2 - Mems振動子 - Google Patents
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JP4760382B2 - Mems振動子 - Google Patents

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Description

本発明は、MEMS振動子の構造に関する。詳しくは、複数の両端自由梁を振動の節を連結部として連環状に連結し、その連結部を支持部材によって支持するMEMS振動子の構造に関する。
MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術を用いて駆動体をつくり、特定の周波数で駆動させることで振動素子として使用することができ、このようなMEMS技術を用いたMEMS構造体が提案されている。このようなMEMS構造体は、一般的な振動子に比べ等価回路で考えた場合の直列抵抗成分が大きこと、振動漏れが大きい等の損失が大きいという課題を有している。
このような課題を解決するためのMEMS振動子の構造として、複数の矩形状の振動体の角部を直線的に連結し、各振動体の平面中央部をアンカー(支持部)で基板に支持し、複数の振動体を同周波数で駆動するMEMS振動子というものが知られている(例えば、非特許文献1参照)。
また、短冊状の振動片の両端部を基板に接続支持し、この振動片を並列に複数個配設して複数の振動片を同じ周波数で同時に駆動させるMEMS振動子というものも知られている(例えば、非特許文献2参照)。
M.U.Demirci,m.a.a.Abdelmoneum,and C.T−C.Nguyen"Mechanically Corner−Coupled Squar Microresonator Array Reduced Sries Motional Resistannce",Solid−State Sensors & Actuators (Trannsducers’03),pp.995−958,June 2003. S.Lee and C.T−C.Nguyen"Mechanically Corner−Coupled Micromechanical Resonator Arrays for Improved Phase Noise",IEEE Int.Ultrasonics,pp.280−286,August 2004.
このような非特許文献1や非特許文献2では、複数の振動子を同一周波数で駆動させることにより直列抵抗成分を小さくしてエネルギー損失を低減して駆動特性を改善しようとしている。この構造は、等価回路で考えたときに、抵抗が並列接続されていることに相当し、振動子全体として直列抵抗成分を下げるものである。
しかしながら、非特許文献1によれば、振動の節の部分を一点で固定することにより、基板への振動漏れを軽減させ高いQ値を実現することが可能であるが、中心部(節の部分)をアンカーで支持する構造のため、位置が僅かにずれただけでも所望の駆動特性が得られなくなるという製造精度のつくりこみに課題がある。
また、非特許文献2では、短冊状の振動子の両端部を直接基板に接続しているために、支持部から基板への振動漏れがあり、高いQ値を得ることは困難である。さらに、支持部は、振動子の両端に設けられるため、仮に振動子を5個配設する場合には、10箇所の支持が必要になることから、支持部からの振動漏れを増長させてしまうことも考えられる。
本発明の目的は、前述した課題を解決することを要旨とし、振動漏れがなく、エネルギー損失を低減し、Q値が高く、高効率に駆動できるMEMS振動子を提供することである。
本発明のMEMS振動子は、基板と、前記基板の表面に形成される複数の両端自由梁と、前記複数の両端自由梁それぞれを振動の節となる位置を連結部として交差連結し、連環状に構成されるMEMS構造体と、前記連結部から延在され、前記MEMS構造体を前記基板の表面と空隙を有して支持する支持部材と、が備えられ、前記複数の両端自由梁を同時に同じ周波数で駆動することを特徴とする。
この発明によれば、複数の両端自由梁を振動の節で交差連結し、この連結部を支持部材によって支持しているために両端自由梁の振動による支持部材の変位は非常に小さく、基板への振動漏れを抑制することができる。さらに、連結部を支持する構造であるため、上述した非特許文献2のように、単独で振動片(梁)の両端を支持し複数個を並列に連結する構造に比べ、支持部を少なくすることができるので、より一層、振動漏れを抑制することができ、Q値を高めることができるという効果がある。
また、複数の両端自由梁を同一の共振周波数で駆動することで、等価回路における直列抵抗を並列接続することに相当するため、直列抵抗成分を小さくすることができるので直列抵抗成分によるエネルギー損失を低減することができる。
また、前記複数の両端自由梁が、2n個(nは2以上の整数)備えられ、前記複数の両端自由梁のうち、隣り合う両端自由梁それぞれを同じ周波数、且つ、逆位相、で駆動することが好ましい。
すなわち、両端自由梁は、4個以上の偶数個で構成され、隣り合う両端自由梁それぞれを逆位相、同じ周波数で駆動するため、MEMS構造体全体としての駆動(振動)のバランスがとれ、振動の節で指示していることから、一層、支持部材から基板への振動漏れを抑制することができる。
また、前記支持部材が、前記連結部の側面から前記MEMS構造体の外側または内側に向かって放射状に延在されている支持梁であることが好ましい。
支持梁は、振動の節となる部分、つまり両端自由梁の連結部の側面から放射状に延在しているため、両端自由梁と支持梁とは、フォトリソグラフィ等の同一工程において形成することが可能であり、振動の節となる部分と支持梁との位置関係を高精度に管理することができ、それらの位置ずれによる振動漏れや、振動特性への影響を抑制することができる。
また、前記両端自由梁の共振周波数における波長をλとしたとき、前記支持梁の長さが(1/4)λに設定されていることが好ましい。
支持梁の長さをこのように設定すれば、複数の両端自由梁が振動した際に、支持梁から基板への振動漏れ(支持梁のねじれ振動として)をより一層抑制することができる。
さらに、前記支持部材が、前記連結部の平面略中央と前記基板とを接続する支持柱であることが望ましい。
支持部材が支持柱であるということは、両端自由梁の連結部中央(つまり、振動の節の位置)に、この支持柱を設けることができることから、振動漏れをより抑制する効果があるとともに、MEMS構造体の形状を簡素化することができる。
また、前記両端自由梁の共振周波数における波長をλとしたとき、前記支持柱の高さが、(1/4)λに設定されていることが好ましい。
支持柱の高さ(長さ)をこのように設定すれば、前述した支持梁の長さの設定と同様に、複数の両端自由梁が振動した際に、支持柱から基板への振動漏れをより一層抑制することができる。
さらに、前記基板の表面の前記複数の両端自由梁それぞれの長手方向中央部に、前記両端自由梁と空隙を有して交差する駆動電極が設けられ、前記複数の両端自由梁が、前記基板の表面に対して垂直に駆動されることが望ましい。
このように両端自由梁と駆動電極とを構成すれば、両端自由梁の幅で、両端自由梁と駆動電極との交差面積が決定されるため、駆動電極の厚さは電気特性が保証される程度の厚さがあればよく、薄膜プロセスで形成することが可能で、製造し易いという効果がある。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図5は本発明の実施形態1に係るMEMS振動子の構造を示し、図6は、実施形態1の変形例、図7,8は、実施形態2、図9,10は実施形態3に係るMEMS振動子を示している。
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係るMEMS振動子の一部を示す平面図、図2は、図1のA―A切断面を示す断面図である。図1,2において、MEMS振動子10は、基板20の表面に駆動部としてのMEMS構造体40と駆動電極71〜74とを備えて構成されている。MEMS構造体40は、断面が矩形の棒状の同じ形状の振動体4個が井桁状に連結されて構成されている。
これら4個の振動体は、振動の節となる部分どうしを交差連結した形状に1体に形成されている。従って、これらの振動体は、振動の節に相当する連結部41〜44を基部として長手方向の中央部と両端が可動する両端自由梁である(図4(a)、参照)。両端自由梁31〜34は、それぞれが振動の節で連結され、この節を直線で結ぶと正四角形となる。また、このMEMS構造体40は、重心Gに対して点対称形である。そして、MEMS構造体40は、支持梁51〜54によって基部40aに連続している。
支持梁51〜54は、MEMS構造体40(両端自由梁31〜34)の厚さと同じ厚さで、両端自由梁31〜34それぞれが交差する連結部の隅部に連続しており、その長さは、両端自由梁31〜34の共振周波数の波長をλとしたときに(1/4)λとなるように設定される。
基板20には、両端自由梁31〜34の長手方向中央部の下部に、両端自由梁31〜34それぞれと空隙を有して交差する駆動電極71〜74が形成されている。
基板20は、シリコン(Si)基板からなり、両端自由梁31の下部には駆動電極71が形成され、両端自由梁32の下部には駆動電極72、両端自由梁33の下部には駆動電極73、両端自由梁34の下部には駆動電極74が配設されている。この駆動電極71,73は同電位(仮に+電位)で、駆動電極72,74は同電位(仮に−電位)であり、それぞれ図示しない駆動制御回路に接続され、同一周波数、逆位相の交流電圧が印加されるよう構成されている。
続いて、本実施形態のMEMS振動子10の製造方法について図2を参照して説明する(図1も参照する)。なお、各両端自由梁の形状は同じであるので両端自由梁32を例示して説明する。まず、シリコン(Si)からなる基板20の表面の上述した駆動電極71〜74を形成する領域に絶縁層60を形成する。次に、金属(AuまたはAl)層を薄膜プロセスにより形成した後、フォトリソグラフィ技術を用いて、所定の形状の駆動電極71〜74を形成する。
続いて、支持梁51〜54を含むMEMS構造体40の形状を除く部分に犠牲層(SiO2)を形成した後、ポリシリコンからなるMEMS構造体40をCVD法等により形成し、エッチング法により犠牲層を除去することにより両端自由梁31〜34と基板20との間に空間80を形成し、支持梁51〜54の端部が基部40aに接続された両端自由梁31〜34が基板20から浮いた状態のMEMS構造体40が形成される。また、MEMS構造体40には、駆動時において直流電位が加えられるように基板20の表面に接続されている。
なお、上述した製造方法は、MEMS構造体の製造方法の1例を示したもので、これに限定されるものではない。
次に、本実施形態に係るMEMS振動子10の構成を等価回路を参照して説明する。
図3(a)は、本実施形態におけるMEMS振動子10を模式的に示す構成図、(b)は等価回路である。本実施形態のMEMS振動子10の構成は、図3(a)のように表すことができる。両端自由梁31〜34は並列接続に相当する。両端自由梁31〜34に同じ周波数の交流電圧(Vi)が印加され、それぞれから電流ix1〜ix4が流れ、総電流i0が流れるように構成されている。これを図3(b)で等価回路として表す。
MEMS振動子10の等価回路はL(インダクタンス成分)、C(コンデンサ成分)、R(直列抵抗成分)を構成要素とするLCR回路で表される。ここで、各両端自由梁の形状は同じであるためLx、Cx、Rx、は同じ値となり並列接続されている。つまり、それぞれの直列抵抗Rxは、両端自由梁31〜34が連環状に連結されていることから並列接続に相当する構成とされる。従って、MEMS振動子10の直列抵抗成分は、両端自由梁が1個の場合や、直列接続する場合に比べて小さくすることができるため、直列抵抗成分による損失が小さくなる。
次に、上述した直列抵抗成分について説明を加える。一般に、このような等価回路を有する振動子は、直列抵抗成分が大きく、この直列抵抗成分によるエネルギー損失が駆動の効率に影響を与えることが知られている。
ここで、振動片(両端自由梁)の直列抵抗成分をRx、バネ定数をkr、固有円振動ω0、バイアス電圧をVDC、両端自由梁と駆動電極との空隙距離をg、誘電率をε0、両端自由梁と駆動電極との交差面積をA0としたとき、直列抵抗成分Rxは次の数式で表される。なお、QはQ値で表す。
つまり、直列抵抗成分Rxは、Rx=(kr/ε0QVDC 2)・(g4/ε0 20 2)で表される。
従って、直列抵抗成分Rxは、空隙距離gが狭いほど、バイアス電圧VDCが大きいほど小さくすることができる。しかしながら、空隙距離gは製造プロセスによって限界値があり、バイアス電圧VDCは大きくするとバネ定数をkrの関係から振幅が大きくなり、駆動電極との接触が考えられるため、空隙距離gとバイアス電圧VDCとのバランスを調整する必要がある。ここで、等価回路で示すように、直列抵抗成分Rxを並列接続する構造により、直列抵抗成分によるエネルギー損失を低減することを可能にする。
続いて、本実施形態によるMEMS構造体の駆動形態について図面を参照して説明する。
図4は、MEMS構造体40の駆動形態を示し(a)は、両端自由梁1個単独の振動形態、(b)は全体の振動形態を示す説明図である。まず、両端自由梁1個の振動形態について説明する。なお、両端自由梁31〜34は、同じ振動形態を示すので、両端自由梁32を例示して説明する。
図4(a)において、両端自由梁32は、振動の節に設けられる連結部42,43を支持梁52,53によって支持されている。両端自由梁32には直流電圧を印加し、駆動電極72には交流電圧を印加することにより、両端自由梁32は、連結部を振動の節として矢印で表されるように撓み振動する。つまり、両端自由梁32の中央部が上方に撓むとき、自由端32a、32bは下方に、また、両端自由梁32の中央部が下方に撓むとき、自由端32a、32bは上方に撓む。
次に、MEMS構造体40の全体の動きを図4(b)に表す。
図4(b)において、両端自由梁31〜34は、同じ周波数の駆動電圧を印加し、所定の共振周波数で振動する。ここで、両端自由梁31,33と両端自由梁32,34とは逆位相の駆動電圧を印加することで、振動の位相も逆位相となる。つまり、両端自由梁31,33は中央部が上方に撓み(矢印F1方向)、先端部(自由端)が下方に撓むように振動する。また、両端自由梁32,34は中央部が下方(矢印F2方向)に撓み、先端部(自由端)が上方に撓むように振動する。
各両端自由梁の連結部41〜44は振動の節に相当する位置に連続しているために、振動の伝播は抑制されており、両端自由梁31〜34は、各連結部においてねじれのような振動形態となる。ここで、MEMS構造体40を支持する支持梁51〜54の長さは、共振周波数の波長をλとしたときに(1/4)λとなるように設定されている。
なお、前述した数式において、直列抵抗線分Rxは、Q値が大きいほど小さくなることが表されている。Q値は、振動片の材質、形状、カット角など様々な要因によって決定されるが、支持部からの振動漏れが影響することが知られている。ここで、振動漏れを抑制する構造として、支持梁51〜54の長さを共振周波数の波長をλとしたときに(1/4)λとする構造について説明する。
図5は、支持梁51〜54がない場合の共振周波数と支持梁がある場合の共振周波数を示すグラフである。図5において、MEMS構造体40は、理想的には支持梁がない構造がもっとも自然な駆動形態を示し、支持梁51〜54を設けることにより共振周波数は影響を受ける。そして、図5に示すように、支持梁が長くなるに従い共振周波数が低くなる傾向を示す。支持梁がないときの共振周波数と支持梁を有するときの共振周波数が一致する位置が、共振周波数の波長をλとしたときに支持梁の長さを(1/4)λに相当し、このような長さにすることで振動漏れを抑制することができる。
なお、支持梁51〜54は、MEMS構造体40の内側に設けることができる。
(実施形態1の変形例)
図6は、本発明の実施形態1の変形例を示す平面図である。この変形例は、支持梁を連環状に連結されたMEMS構造体40の内側方向に延在されていることに特徴を有し、両端自由梁31〜34及び駆動電極71〜74の構成は、前述した実施形態1と同じであるため説明を省略する。図6において、支持梁51〜54は、両端自由梁31〜34の各連結部41〜44の内側隅部から中心部の基部40aに延在されている。
支持梁51〜54の内側先端部が、基板20の基部40aに接続されており、MEMS構造体40(両端自由梁31〜34)が基板20の垂直方向に撓むことができる構造となっている。従って、両端自由梁31〜34は、実施形態1(図4、参照)と同じ駆動形態をする。
なお、この変形例における支持梁51〜54の長さも共振周波数の波長をλとしたときに(1/4)λとなるよう設定される。
従って、本実施形態によれば、4個の両端自由梁31〜34を振動の節で交差連結し、且つ、この連結部41〜44を支持梁51〜54で支持しているために基板20への振動漏れを抑制することができる。さらに、振動の節を支持する構造であるため、上述した非特許文献2のように、振動片の両端を支持される振動片(梁)を複数個並列に連結する構造に比べ、前述した実施形態1と同様な効果が得られる。つまり、支持梁を少なくすることができるので振動漏れを抑制することができ、このことによりQ値を高めることができるという効果がある。
また、4個の両端自由梁31〜34を同一の共振周波数で駆動する構成にすることで、等価回路における直列抵抗成分を小さくすることができるので、この直列抵抗成分によるエネルギー損失を低減することができる。
また、支持梁51〜54は、振動の節となる部分、つまり両端自由梁31〜34の連結部41〜44の側面から放射状に延在されているため、両端自由梁31〜34と支持梁51〜54とは、フォトリソグラフィ等の同一工程において製造することが可能であり、振動の節となる部分(連結部41〜44)と支持梁51〜54との位置関係を高精度に管理することができ、それらの位置ずれによる振動漏れや、振動特性への影響を抑制することができる。
また、前記両端自由梁の共振周波数における波長をλとしたとき、支持梁51〜54の長さが(1/4)λに設定されているために、図5に示すように、両端自由梁31〜34が振動した際に、支持梁51〜54から基板20への振動漏れ(ねじれ振動として)を抑制することができる。
(実施形態2)
次に、本発明の実施形態2に係るMEMS振動子について図面を参照して説明する。実施形態2は、6個の両端自由梁を連結した構成としたところに特徴を有し、両端自由梁1個の形状、振動形態、製造方法は、前述した実施形態1と同じにすることができるので説明を省略する。
図7は、本実施形態のMEMS振動子100の構造の一部を示す平面図である。図7において、本実施形態のMEMS振動子100は、6個の両端自由梁121〜126をそれぞれの振動の節の位置で連結し、連環されて構成されたMEMS構造体140と、基板20の表面上に形成される駆動電極141〜146と、から構成されている。
両端自由梁121〜126のそれぞれの連結部151〜156の外側隅部からは、支持梁131〜136が外側方向に放射状に延在され、基板20の基部(図示は省略)に連続している。これら両端自由梁121〜126が連環されたMEMS構造体140は正六角形をなす。本実施形態によるMEMS構造体140は、両端自由梁の数を6個としている以外、支持梁との接続構造等は前述した実施形態1(図2、参照)と同様に構成できるため、詳細な説明を省略する。
支持梁131〜136それぞれの長さは、共振周波数の波長をλとしたときに(1/4)λとなるよう設定される。また、本実施形態においても、前述した実施形態1の変形例(図6、参照)と同様に、支持梁131〜136は、連結部151〜156それぞれからMEMS構造体140の中心(重心)方向に向かって延在する構造を採用することができる。
また、両端自由梁121〜126それぞれの長手方向中央部の下部(基板20の上面)には、駆動電極141〜146が形成されている。これら駆動電極には同じ周波数の交流電圧が印加される。ここで、駆動電極141,143,145には同位相の電位(例えば−電位)、駆動電極142,144,146には、駆動電極141,143,145とは逆の電位(例えば+電位)を印加することで、両端自由梁121,123,125と両端自由梁122,124,126とは逆位相で振動する。
図8は、本実施形態のMEMS構造体140の駆動形態を模式的に示す斜視図である。図8において、両端自由梁121〜126は、同一周波数の駆動電圧を印加し、所定の共振周波数で振動する。ここで、両端自由梁121,123,125と両端自由梁122,124,126とは逆位相の駆動電圧を印加するために振動の位相も逆位相となる。つまり、両端自由梁121,123,125は中央部が下方に撓み(矢印F2方向)、先端部(自由端)が上方に撓むように振動する。また、両端自由梁122,124,126は中央部が上方(矢印F1方向)に撓み、先端部(自由端)が下方に撓むように振動する。
各両端自由梁の連結部151〜156は振動の節に相当する位置に設けられているために、振動は基板20(基部)にまで伝播せず、両端自由梁121〜126は、連結部151〜156を節としてねじれのような振動形態となる。
また、図示しないが、本実施形態においても、MEMS振動子100を等価回路で表すことが可能で、図3(b)に表す等価回路において、直列抵抗Rxを6個並列に接続されている状態に置き換えることができる。
従って、直列抵抗成分を低減し、この直列抵抗成分によるエネルギー損失を低減することができる。
従って、本実施形態では、両端自由梁121〜126が6個で構成されていても、単独で両端を支持する振動子(梁)を複数連結する構造に比べ支持梁を少なくすることができること、両端自由梁が偶数個で構成され、隣り合う両端自由梁それぞれを逆位相、同じ周波数で駆動するためMEMS構造体140全体としての駆動(振動)のバランスがとれること、両端自由梁の共振周波数における波長をλとしたとき、支持梁131〜136の長さが(1/4)λに設定されていることから、前述した実施形態1と同様の効果を得ることができる。
以上、実施形態1では4個の両端自由梁、実施形態2では6個の両端自由梁を有するMEMS振動子について説明したが、両端自由梁の数はこれらに限らず任意に選択して構成することができる。すなわち、両端自由梁の振動の節において連結し連環状に構成し、隣合う両端自由梁の振動の位相を逆位相とし、等価回路における直列抵抗を並列接続構造にする構成とすることで本発明を実現できる。つまり、両端自由梁の数は2n個(nは2以上の整数)の構成であればよい。
(実施形態3)
続いて、本発明の実施形態3に係るMEMS振動子の構造について図面を参照して説明する。本実施形態は、MEMS構造体の支持部材として、両端自由梁の振動の節となる部分、つまり連結部に柱状の支持柱を設けたことに特徴を有している。ここでは、基本構造として4個の両端自由梁を有する実施形態1の構成を例示して説明し、共通部及び駆動形態についての説明は省略する。
図9は、本実施形態に係るMEMS振動子10の一部を示す平面図、図10は、図9のB−B切断面を示す断面図である。図9,10において、MEMS構造体40は、両端自由梁31〜34の連結部41〜44のそれぞれの下部に円柱状の支持柱45〜48を基板20に接続することで支持されている。
支持柱45〜48は、連結部41〜44それぞれの中央(振動の節となる位置)を中心とする円柱であり、MEMS構造体40と一体で形成されている。支持柱45〜48の長さ(高さ)も、共振周波数の波長をλとしたとき、(1/4)λに設定される。
また、支持柱45〜48の断面形状は特に限定されず、円形、矩形であってもよい。さらに、断面の大きさは、連結部の交差面積以内で、MEMS構造体の支持柱としての構造的強度を確保できれば特に限定されない。
本実施形態におけるMEMS振動子10の製造方法は、実施形態1に準ずることができるが、まず、シリコン(Si)からなる基板20の表面の上述した駆動電極71〜74を形成する領域に絶縁層60を形成する。次に、駆動電極71〜74となる金属(AuまたはAl)層を形成した後、フォトリソグラフィ技術を用いて、所定の形状の駆動電極71〜74を形成する。
続いて、支持柱を含むMEMS構造体40の形状を除く部分に犠牲層(SiO2)を形成した後、ポリシリコンからなるMEMS構造体40を形成し、エッチング法により犠牲層を除去することにより、支持柱45〜48が基板20の表面に接続された状態で、両端自由梁31〜34が基板20から浮いているMEMS構造体40が形成される。また、MEMS構造体40には、駆動時において直流電圧が印加される。
従って、実施形態3によれば、MEMS構造体40の支持構造が、前述した実施形態1の支持梁によるものから支持柱45〜48に変わっているが技術的思想は共通であるため、実施形態1と同様な効果を得ることができる。
また、支持柱45〜48、連結部41〜44それぞれの中心部(振動の節の位置)を支持柱の中心としているため、両端自由梁から基板での振動漏れを一層抑制することができる。
なお、本実施形態においても、両端自由梁の数については2n個(nは2以上の整数)の構成であればよく限定されない。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、且つ、説明しているが、本発明の技術的思想及び目的の範囲に逸脱することなく、以上説明した実施形態に対し、形状、材質、組み合わせ、その他の詳細な構成、及び製造工程間の加工方法において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
従って、上記に開示した形状、材質、製造工程などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものでないから、それらの形状、材質、組み合わせなどの限定の一部もしくは全部の限定をはずした部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
例えば、前述した実施形態1〜実施形態3では、両端自由梁が、基板20に対して垂直方向に駆動する構造を有するMEMS振動子を例示しているが、本発明によれば、両端自由梁を基板20の表面に平行に駆動する構造にも採用することができる。つまりの幅方向の一方または両側に駆動電極を設け、同一周波数で、しかも、隣合う両端自由梁に逆位相の交流電圧を加えることで両端自由梁を基板20の表面に平行に駆動することができる。
また、前述の実施形態1と、その変形例を組み合わせることも可能である。つまり、支持梁を連結部からMEMS構造体の外側及び内側の両方に延在する構造とすることができる。このようにすれば、支持梁の幅を細くすることができ、上述のような構造であっても、駆動時のエネルギー損失を増加させることなくMEMS構造体の支持をより確実にできる。
従って、前述の実施形態1〜実施形態3によれば、振動漏れがなく、エネルギー損失を低減することにより、Q値が高く、高効率に駆動できるMEMS振動子を提供することができる。
本発明のMEMS振動子は、共振器の他に、フィルタ、スイッチ及びアクチュエータとして応用が可能である。
本発明の実施形態1に係るMEMS振動子の一部を示す平面図。 図1のA―A切断面を示す断面図。 本発明の実施形態1に係るMEMS振動子の構成を示し、(a)は、MEMS振動子を模式的に示す構成図、(b)は等価回路。 本発明の実施形態1に係るMEMS構造体の駆動形態を示し、(a)は両端自由梁1個単独の振動形態、(b)は全体の振動形態を示す説明図。 支持梁がない場合の共振周波数と支持梁がある場合の共振周波数を示すグラフ。 本発明の実施形態1の変形例を示す平面図。 本発明の実施形態2に係るMEMS振動子の構造の一部を示す平面図。 本発明の実施形態2に係るMEMS構造体の駆動形態を模式的に示す斜視図。 本発明の実施形態3に係るMEMS振動子の一部を示す平面図。 図9のB−B切断面を示す断面図。
符号の説明
10…MEMS振動子、20…基板、31〜34…両端自由梁、40…MEMS構造体、41〜44…連結部、51〜54…支持梁。

Claims (6)

  1. 基板と、前記基板の表面に形成される複数の両端自由梁と、
    前記複数の両端自由梁それぞれを振動の節となる位置を連結部として交差連結し、連環状に構成されるMEMS構造体と、
    前記連結部から延在され、前記MEMS構造体を前記基板の表面と空隙を有して支持する支持部材と、
    前記基板の表面の前記複数の両端自由梁それぞれの長手方向中央部に、前記両端自由梁と空隙を有して交差する駆動電極が設けられ、が備えられ、
    前記複数の両端自由梁が、同時に同じ周波数で、かつ前記基板の表面に対して垂直に駆動されることを特徴とするMEMS振動子。
  2. 請求項1に記載のMEMS振動子において、
    前記複数の両端自由梁が、2n個(nは2以上の整数)備えられ、前記複数の両端自由梁のうち、隣り合う両端自由梁それぞれを同じ周波数、且つ、逆位相、で駆動することを特徴とするMEMS振動子。
  3. 請求項1または請求項2に記載のMEMS振動子において、
    前記支持部材が、前記連結部の側面から前記MEMS構造体の外側または内側に向かって放射状に延在されている支持梁であることを特徴とするMEMS振動子。
  4. 請求項3に記載のMEMS振動子において、
    前記両端自由梁の共振周波数における波長をλとしたとき、前記支持梁の長さが(1/4)λに設定されていることを特徴とするMEMS振動子。
  5. 請求項1に記載のMEMS振動子において、
    前記支持部材が、前記連結部の平面略中央と前記基板とを接続する支持柱であることを特徴とするMEMS振動子。
  6. 請求項5に記載のMEMS振動子において、
    前記両端自由梁の共振周波数における波長をλとしたとき、前記支持柱の高さが、(1/4)λに設定されていることを特徴とするMEMS振動子。
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