JP4765136B2 - 紫外線硬化型樹脂組成物及びこれを用いたプラスチックフィルム用塗料組成物及びハードコートフィルム - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、プラスチックフィルム等の基材上に硬化層を形成する樹脂組成物に関する。また、ハードコートフィルムに関し、とくにCRTディスプレイやフラットパネルディスプレイ(液晶表示体、プラズマディスプレイ、ELディスプレイ等)の表面に用いるハード性、密着性の優れたハードコートフィルムに関する。
【0002】
【従来技術】
従来、プラスチックフィルムに硬化被膜を設け、フィルム表面に耐擦傷性及び防眩性を付与したハードコートフィルムが種々提案されている。特に液晶ディスプレイに使用される偏光板用ハードコートフィルムにおいては、高精細化が進み多くの機能が必要となっている。
その中で、塗工被膜と基材との密着性及びハード性は重要な物性の1つである。塗工被膜の基材フィルムへの密着度を高めるには、従来、基材フィルム表面を塗工前にプライマーコートなどの化学処理やコロナ処理などの物理的処理するのが一般的であった。しかしながら、これらの方法は環境耐久性試験後の塗工被膜の密着度を良好に維持するためには満足できる方法ではなかった。
【0003】
基材フィルム、特にトリアセチルセルロースフィルムへの密着性を改善する方法として、セルロース系樹脂を添加する方法が特開平9−302144号公報に開示されている。しかし、セルロース系樹脂は架橋基が少なく、又、分子量が比較的大きいため、得られる硬化層は硬度(ハード性)が低くなる問題があり、CRTディスプレイやフラットパネルディスプレイ(液晶表示体、プラズマディスプレイ、ELディスプレイ等)の最表面に用いられるハードコートフィルムの用途には不十分である。
このように、従来の方法では硬化層の硬度(ハード性)と基材フィルムとの密着性を両立することは困難であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的はハードコートフィルムに関し、とくにCRTディスプレイやフラットパネルディスプレイ(液晶表示体、プラズマディスプレイ、ELディスプレイ等)の最表面にも問題なく用いられるハード性と密着性を両立するハードコートフィルム、及び、その硬化層を形成するための樹脂組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は上記課題を解決するため、紫外線硬化型樹脂組成物に関して検討を行った結果、樹脂組成中のモノマーとしてアクリロイル基を複数持つペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを使用することがハード性及び密着性に大きく影響することが確認され、本発明に達した。
【0006】
本発明の上記の目的は、オリゴマー、モノマー、光重合開始剤より成る紫外線硬化樹脂組成物において、モノマーとしてペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの内少なくとも1種類を、樹脂成分中に25〜75重量%含有し、オリゴマーとして分子量1500〜2000で、アクリロイル基を有する樹脂を含有する紫外線硬化型樹脂組成物を主成分とするプラスチックフィルム用塗料を、プラスチックフィルムの表面上に塗布後、紫外線を照射して、硬化層を設けたハードコートフィルムによって達成することができた。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明に使用するプラスチックフィルムは、特に限定されるものではなく公知のプラスチックフィルムの中から適宜選択して用いることが出来る。このようなプラスチックフィルムとしては、例えば、ポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファンフィルム、ジアセチルセルロースフィルム、トリアセチルセルロースフィルム、アセチルセルロースブチレートフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレンビニルアルコールフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリメチルペンテルフィルム、ポリスルフォンフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリエーテルスルフォンフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリイミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ナイロンフィルム、アクリルフィルム等を挙げることが出来る。
【0008】
本発明のハードコートフィルムをCRTディスプレイやフラットパネルディスプレイ(液晶表示体、プラズマディスプレイ、ELディスプレイ等)の最表面に用いる場合は、透明のフィルムが好ましく用いられ、特に光学的性質が優れ、比較的安価な透明のトリアセチルセルロースフィルムを使用することが好ましい。
【0009】
紫外線硬化型樹脂組成物のモノマーは、1分子中にアクリロイル基を3〜6個有しており、それぞれペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートである。
【0010】
上記モノマーはトリアセチルセルロースフィルムとの濡れ性が非常に良好であるため、トリアセチルセルロース用塗料に特に好ましく配合される。
本発明の紫外線硬化型樹脂組成物においては、モノマーを25〜75重量%含有することが必要である。モノマーの含有量が少ないと硬化層のハード性が劣り、また、モノマーの含有量が多いと基材フィルムと硬化層の密着性が劣る傾向にある。
【0011】
本発明においては、前記モノマーと共に官能基を持つオリゴマーを併用することでハード性と密着性を両立することができる。アクリロイル基を有するオリゴマーを用いることが必須である。本発明で使用するオリゴマーは、官能基としてアクリロイル基を持ち紫外線を照射することにより硬化する樹脂であれば特に限定されるものではなく、ウレタンアクリレート系樹脂、ポリエステルアクリレート系樹脂及びエポキシアクリレート系樹脂などの中から適宜選択することができる。分子量1500〜2000であることが必要である。
【0012】
紫外線硬化型樹脂組成物の光重合開始剤としては、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエード、α―アミロキシムエステル、チオキトサン類や、光増感剤としてn−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリn−ブチルホスフィンなどを混合して使用することが出来る。
【0013】
本発明の塗料をプラスチックフィルムに塗布するに際して、塗布を容易にし、また均一な厚さの硬化層を作成するという観点から紫外線硬化型樹脂組成物を有機溶剤で希釈する。また、硬化を阻害しない範囲で各種の添加剤を添加し、塗液の粘度及び性質を調整することも出来る。上記有機溶剤としては、例えばイソプロピルアルコール、エタノール等のアルコール系溶剤、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、酢酸エチル等のエステル系溶剤、アセトン等のケトン系溶剤等が挙げられる。
【0014】
本発明の塗料においては、硬化層に防眩性を付与するために顔料を混合してもかまわない。塗料中に使用する顔料としては、紫外線硬化型樹脂の透明性を損なわないように、紫外線硬化型樹脂組成物の屈折率に近いものを用いることが好ましい。例えば、シリカ、アルミナ、ジルコニア等の無機顔料の他、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリカーボネート樹脂、PMMA樹脂などのポリマービーズも使用される。特に防眩性や光透過性の点からシリカ粒子が好ましい。上記顔料は、公知の方法で本発明の塗料中に混合、分散することにより、容易に硬化層に含有させることが出来る。
【0015】
硬化層を設けるに際しては、公知のスプレーコート、グラビアコート、ロールコート、バーコート等の塗布法を用いることができる。塗布量は、必要とされる特性と密着度及びハード性を考慮し、所定の厚さになるように適時調整される。本発明においては、プラスチックフィルム上に紫外線硬化型樹脂組成物を主成分とする塗料を塗布して設けた被膜に紫外線を照射することによりその被膜を硬化させ、硬化層を得る。
【0016】
紫外線照射は、ハロゲンランプ等の公知の光源を用いることができる。例えば、120〜240W/cmのハロゲンランプを10〜20cmの距離から数秒間照射することにより容易に上記皮膜は硬化する。
本発明のハードコートフィルムにおいて、硬化層と基材フィルム、特にトリアセチルセルロースフィルムとの密着が優れる理由は定かではないが、本発明の紫外線硬化型樹脂組成物とトリアセチルセルロースとの濡れ性が良好であるためと推測される。また、モノマー中にアクリロイル基を複数有するため架橋密度が高く、ハード性と密着性を両立するハードコートフィルムを得ることができる。
【0017】
【発明の効果】
本発明の紫外線硬化型樹脂組成物を用い、プラスチックフィルムの表面に硬化層を設けて得られた本発明のハードコートフィルムは、車載用計器盤、コンピュータ、テレビのディスプレイ用途、特に液晶表示体の表面に貼着して使用する保護及び防眩フィルムとして好適である。
【0018】
【実施例】
以下本発明を実施するに従ってさらに詳述するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
(実施例1)80μmのトリアセチルセルロース(フジタック;富士写真フィルム株式会社の商品名)の一方の面に、ワイヤーバーを用いて下記表1の組成の塗料を塗布して被膜層を得、乾燥した後、該被膜層に120W/cmの紫外線ランプで10cmの距離から1秒間光照射し、前記フィルム上に、厚みが6μmのハードコート層を有するハードコートフィルムを作製した。
【0019】
【表1】
【0020】
(実施例2)
紫外線硬化型樹脂組成物のオリゴマーを45重量部、モノマーを50重量部として塗布液を調製する以外は、実施例1と全く同様にしてハードコートフィルムを作製した。
【0021】
(実施例3)
紫外線硬化型樹脂組成物のオリゴマーを20重量部、モノマーを75重量部として塗布液を調製する以外は、実施例1と全く同様にしてハードコートフィルムを作製した。
【0022】
(比較例1)
紫外線硬化型樹脂組成物をオリゴマーであるポリエステルアクリレートと光重合開始剤のみとする他は、実施例1と全く同様にしてハードコートフィルムを作製した。
(比較例2)
紫外線硬化型樹脂組成物をモノマーであるペンタエリスリトールトリアクリレートと光重合開始剤のみとする他は、実施例1と全く同様にしてハードコートフィルムを作製した。
【0023】
(実施例4)
紫外線硬化型樹脂組成物のモノマーとしてペンタエリスリトールテトラアクリレート(ビームセット710;荒川化学工業)とする他は、実施例1と全く同様にしてハードコートフィルムを作製した。
(実施例5)
紫外線硬化型樹脂組成物のモノマーとしてペンタエリスリトールテトラアクリレートとする他は、実施例2と全く同様にしてハードコートフィルムを作製した。
(実施例6)
紫外線硬化型樹脂組成物のモノマーとしてペンタエリスリトールテトラアクリレートとする他は、実施例3と全く同様にしてハードコートフィルムを作製した。
【0024】
(比較例3)
紫外線硬化型樹脂組成物のモノマーとしてペンタエリスリトールテトラアクリレートとする他は、比較例2と全く同様にしてハードコートフィルムを作製した。
【0025】
(実施例7)
紫外線硬化型樹脂組成物のモノマーとしてジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート(ビームセット701;荒川化学工業)とする他は、実施例1と全く同様にしてハードコートフィルムを作製した。
(実施例8)
紫外線硬化型樹脂組成物のモノマーとしてジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレートとする他は、実施例2と全く同様にしてハードコートフィルムを作製した。
(実施例9)
紫外線硬化型樹脂組成物のモノマーとしてジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレートとする他は、実施例3全く同様にしてハードコートフィルムを作製した。
【0026】
(比較例4)
紫外線硬化型樹脂組成物のモノマーとしてジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレートとする他は、比較例2全く同様にしてハードコートフィルムを作製した。
【0027】
(実施例10)
紫外線硬化型樹脂組成物のモノマーとしてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(ビームセット710;荒川化学工業)とする他は、実施例1と全く同様にしてハードコートフィルムを作製した。
(実施例11)
紫外線硬化型樹脂組成物のモノマーとしてジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとする他は、実施例2と全く同様にしてハードコートフィルムを作製した。
(実施例12)
紫外線硬化型樹脂組成中物のモノマーとしてジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとする他は、実施例3全く同様にしてハードコートフィルムを作製した。
【0028】
(比較例5)
紫外線硬化型樹脂組成物のモノマーとしてジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとする他は、比較例2全く同様にしてハードコートフィルムを作製した。
(比較例6)
紫外線硬化型樹脂組成物のモノマーとしてアクリロイル基を1つ有するヒドロキシエチルアクリレート(荒川工業化学)とする他は、実施例2と全く同様にしてハードコートフィルムを作製した。
【0029】
(比較例7)
紫外線硬化型樹脂組成物のモノマーとしてアクリロイ基を2つ有するグリセロールアクリレート(ブレンマーGAM;日本油脂)とする他は、実施例2と全く同様にしてハードコートフィルムを作製した。
【0030】
(実施例13)
表1の紫外線硬化型樹脂組成物にシリカ粒子を配合する他は実施例1と全く同様にしてハードコートフィルムを作製した。
【0031】
評価
(密着度)
JIS K5400に準じ、碁盤目テストにより評価した(隙間間隔1mm)。硬化層が全く剥がれないものを○、全体の50%未満が剥がれるものを、△、全体の50%以上が剥がれるものを×とした。
(ハード性)
スチールウール#0000を用い、200g荷重にて30往復擦傷後、外観を目視により評価した。全く傷が付かないものを○、ひっかき傷が数本程度付くものを△、ひっかき傷がたくさん付くものを×とした。
評価結果を表2にまとめる。
【0032】
【表2】
【0033】
以上の結果から、アクリロイル基を複数有するペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを重量比で25%〜75%含む本発明の紫外線硬化型樹脂組成物をトリアセチルセルロースに塗布することにより得られるハードコートフィルムが、密着度及びハード性に優れていることがわかる。
【0034】
また、一般に顔料を配合すると硬化層の基材への密着性は落ちるが、本発明の紫外線硬化型樹脂組成物を主成分とした塗料の場合は顔料が配合されても基材への密着性が落ちることはなかった。
Claims (1)
- 基材とするプラスチックフィルムの表面上に、オリゴマー、モノマー、光重合開始剤より成る紫外線硬化樹脂組成物において、モノマーとしてペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの内少なくとも1種類を25〜75重量%含有し、オリゴマーとして分子量1500〜2000で、アクリロイル基を有する樹脂を含有する紫外線硬化樹脂組成物を主成分とするプラスチックフィルム用塗料を塗布後、紫外線を照射して、硬化層を設けたハードコートフィルム。
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