JP4789162B2 - 櫛歯を用いたアクチュエータ - Google Patents
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Description
本発明は、例えば走査型プローブメモリー装置などへの利用に適したアクチュエータに関する。
小型で情報を高密度に記録することができる情報記憶装置として、走査型プローブメモリー装置がある。
走査型プローブメモリー装置の記録再生原理には、トンネル効果を用いたもの、原子間力を用いたもの、磁気力を用いたもの、静電力を用いたもの、非線形誘電率を用いたもの、および記録媒体の熱変形を用いたものなど、様々な種類がある。
走査型プローブメモリー装置は、通常、数十ナノメートルないし数マイクロメートル程度の先端径を有するプローブと、表面に記録面が形成された平板状の記録媒体とを備えている。走査型プローブメモリー装置は、プローブの先端を記録媒体の記録面に接近または接触させることにより、記録媒体に対し情報の記録または読み取りを行う。
また、走査型プローブメモリー装置は、プローブまたは記録媒体を記録面に対し平行な方向に移動させ、プローブと記録媒体との間の位置を変更する。これにより、プローブにより記録媒体の記録面を走査することが可能となり、多量の情報を記録面に高密度に配列することが可能となり、あるいは記録面に配列された多量の情報を連続的にまたはランダムに読み取ることが可能になる。
また、走査型プローブメモリー装置の多くは、マルチプローブ方式を採用している。すなわち、走査型プローブメモリー装置の多くは、数十個あるいは数百個、さらには数千個以上のプローブを例えばマトリクス状に配置した2次元プローブヘッドを備えている。このようなプローブヘッドを用いることにより、多量の情報を記録媒体に迅速に記録することが可能となり、あるいは多量の情報を記録媒体から迅速に読み取ることが可能となる。
上述したように、走査型プローブメモリー装置では、プローブによる記録面の走査を実現するために、プローブヘッドまたは記録媒体を記録面に対し平行な方向に移動させる。
プローブヘッドまたは記録媒体を記録面に対し平行な方向に移動させる1つの方法として、プローブヘッドまたは記録媒体を記録面に沿って左右方向または前後方向に概ね直線状に移動させる方法がある。
そして、この方法により、プローブヘッドまたは記録媒体を移動させるための駆動力を作り出すためのアクチュエータの1つとして、静電駆動式アクチュエータがある。この静電駆動式アクチュエータは、MEMS技術を用いた超小型のアクチュエータであり、空隙を介して互いに対向する櫛歯状の電極間に生じる静電力を利用して、プローブヘッドまたは記録媒体を移動させるための駆動力を作り出す。
ここで、静電駆動式アクチュエータによって記録媒体を記録面に沿って左右方向に直線状に往復移動させるための一般的なシステムを紹介する。以下、これを「静電駆動式アクチュエータの一般的システム」という。なお、以下の説明は、図10中の静電駆動式アクチュエータの一般的システム200を参照することにより理解が深まるであろう。
まず、中空のハウジングを形成する。そして、ハウジング内に記録媒体を配置する。
記録媒体の往復移動を可能にするためには、記録媒体をハウジング内で浮上させる必要がある。これを実現するために、記録媒体の側面にいくつかの支持点を設定する。そして、例えばシリコンを板状に加工した細い板ばねなどをいつくか用意する。そして、板ばねの一端を記録媒体の支持点に接続し、一方、板ばねの他端をハウジングの内壁面に接続する。このようにして、記録媒体をハウジング内で実質的に浮上させる。
また、記録媒体の往復移動の方向を直線状の左右方向に規制する必要がある。これを実現するために、記録媒体を板ばねで支持するための支持点の配置、板ばねの伸縮方向ないし屈曲方向の規制などを綿密に設定する。
例えば、記録媒体が往復移動する直線方向に関し線対称となるように記録媒体の支持点を高精度に配置する。また、記録媒体が往復移動する直線方向に関し線対称となるように板ばねを高精度に配置する。さらには、板ばねの形状やばね定数などを高精度に均一化する。
また、記録媒体を往復移動させるための駆動力を作り出すために、櫛歯電極機構を形成する必要がある。これを実現するために、記録媒体の左側に位置する側面に櫛歯電極を取り付ける。一方、記録媒体の左側側面に対向するハウジングの内壁面にも櫛歯電極を取り付ける。そして、記録媒体に取り付けた櫛歯電極とハウジングに取り付けた櫛歯電極とを微少な空隙を介して噛み合うように配置する。このような櫛歯電極機構を記録媒体の右側にも設ける。
各櫛歯電極は、記録媒体の往復移動の方向に沿って直線状に伸びるような形状とする。
記録媒体を左方向に移動させるときには、記録媒体の左側に設けられた櫛歯電極機構において、互いに対向する櫛歯電極間に電圧を印加する。これにより、これら櫛歯電極間に静電力が生じ、この静電力により記録媒体が左方向に引っ張られる。
一方、記録媒体を右方向に移動させるときには、記録媒体の右側に設けられた櫛歯電極機構において、互いに対向する櫛歯電極間に電圧を印加する。これにより、これら櫛歯電極間に静電力が生じ、この静電力により記録媒体が右方向に引っ張られる。
記録媒体の左側に設けられた櫛歯電極間への電圧印加と、記録媒体の右側に設けられた櫛歯電極間への電圧印加とを交互に繰り返すことにより、記録媒体を左右方向に直線状に往復移動させることができる。
ところで、このような静電駆動式アクチュエータの一般的システムには次のような問題点がある。
静電駆動式アクチュエータの一般的システムでは、記録媒体の往復移動の方向を直線状の左右方向に規制するために、記録媒体を板ばねで支持するための支持点の配置や、板ばねの伸縮方向ないし屈曲方向の規制などを綿密に設定している。
しかし、互いに対向する櫛歯電極間の静電力は、記録媒体が往復移動する方向と交わる方向にも生じる。このため、板ばねなどによる規制に逆らって記録媒体が例えば前後方向に移動してしまうことがある。
記録媒体が前後方向に移動すると、互いに対向している櫛歯電極同士が接触してしまうことがある。櫛歯電極同士が接触すると記録媒体を左右方向に往復移動させるための駆動力が損なわれてしまう(プル・イン現象)。
また、このような現象は、記録媒体の往復移動の距離を長くすると発生しやすくなる。このため、静電駆動式アクチュエータを用いる場合には、記録媒体の往復移動距離(ストローク量)を大きくすることが難しいという問題がある。
本発明は上記に例示したような問題点に鑑みなされたものであり、本発明の第1の課題は、互いに空隙を介して対向する櫛歯電極同士が接触してしまうのを防止することができる静電駆動式アクチュエータを提供することにある。
また、本発明の第2の課題は、プローブヘッドまたは記録媒体などといった被移動対象の往復移動のストローク量を大きくすることができる静電駆動式アクチュエータを提供することにある。
上記課題を解決するために本発明の第1アクチュエータは、固定部に対して移動部を所定の方向に移動させるアクチュエータであって、前記固定部に設けられた第1接続点に一端側が回転可能に接続され、前記移動部に設けられた第2接続点に他端側が回転可能に接続された第1連結部と、前記固定部に設けられた第3接続点に一端側が回転可能に接続され、前記移動部に設けられた第4接続点に他端側が回転可能に接続された第2連結部と、前記第1連結部に設けられた第1櫛歯基点と、基端側が前記第1櫛歯基点に接続され、先端側が、前記第1連結部の第1接続点を中心とした回転により描かれる前記第1櫛歯基点の旋回軌道に沿って伸びる第1櫛歯と、基端側が前記固定部に接続され、先端側が前記第1櫛歯の湾曲に対応するように伸び、前記第1櫛歯と所定の間隔をもって対向する第2櫛歯とを備え、前記第1接続点から第2接続点までの長さと、前記第3接続点から第4接続点までの長さとが等しく、かつ第1接続点から第3接続点までの長さと第2接続点から第4接続点までの長さが等しい。
上記課題を解決するために本発明の第2アクチュエータは、固定部に対して移動部を所定の方向に移動させるアクチュエータであって、前記固定部に設けられた第1接続点に一端側が回転可能に接続され、前記移動部に設けられた第2接続点に他端側が回転可能に接続された連結部と、前記連結部に設けられた第1櫛歯基点と、基端側が前記第1櫛歯基点に接続され、先端側が、前記連結部の第1接続点を中心とした回転により描かれる前記第1櫛歯基点の旋回軌道に沿って伸びる第1櫛歯と、基端側が前記固定部に接続され、先端側が前記第1櫛歯の湾曲に対応するように伸び、前記第1櫛歯と所定の間隔をもって対向する第2櫛歯と、前記連結部に設けられた第2櫛歯基点と、基端側が前記第2櫛歯基点に接続され、先端側が、前記連結部の第2接続点を中心とした回転により描かれる前記第2櫛歯基点の旋回軌道に沿って伸びる第3櫛歯と、基端側が前記移動部に接続され、先端側が前記第3櫛歯の湾曲に対応するように伸び、前記第3櫛歯と所定の間隔をもって対向する第4櫛歯とを備えている。
上記課題を解決するために本発明のアクチュエータシステムは、固定部と、固定ブロックおよび移動ブロックを有する移動部と、前記固定部に対し前記移動部を第1の方向に移動させる第1アクチュエータと、前記固定ブロックに対して前記移動ブロックを前記第1の方向と同一平面内において交わる第2方向に移動させる第2アクチュエータとを備え、前記第1アクチュエータおよび前記第2アクチュエータはそれぞれ請求項1ないし22のいずれかに記載のアクチュエータである。
本発明の作用及び他の利得は次に説明する実施形態から明らかにされよう。
3、81 固定部
4、82 移動部
6、100、120 アクチュエータ
7、8、101、102、121、122 連結部
12、13、22、23、32、33、42、43、71、72 櫛歯電極
4、82 移動部
6、100、120 アクチュエータ
7、8、101、102、121、122 連結部
12、13、22、23、32、33、42、43、71、72 櫛歯電極
以下、本発明を実施するための最良の形態について実施形態毎に順に図面に基づいて説明する。
(アクチュエータの実施形態)
図1は、本発明のアクチュエータの実施形態を搭載した走査型プローブメモリー装置の内部を示している。図2は図1中のプローブメモリー装置1を矢示S−S方向から見た断面を示している。図3は図1中のアクチュエータ6の一部を拡大して示している。なお、図1は、図2中の蓋部51およびプローブヘッド52を取り外した状態のプローブメモリー装置1を示している。
図1は、本発明のアクチュエータの実施形態を搭載した走査型プローブメモリー装置の内部を示している。図2は図1中のプローブメモリー装置1を矢示S−S方向から見た断面を示している。図3は図1中のアクチュエータ6の一部を拡大して示している。なお、図1は、図2中の蓋部51およびプローブヘッド52を取り外した状態のプローブメモリー装置1を示している。
プローブメモリー装置1は、その外形の長さおよび幅(図1中の左右方向および上下方向の長さ)がそれぞれ例えば数ミリメートルないし数センチメートルであり、厚さ(図2中の上下方向の長さ)が例えば数ミリメートルである小型の装置である。
図1に示すように、プローブメモリー装置1は、ハウジング2、固定部3、移動部4および記録媒体5およびアクチュエータ6を備えている。さらに図2に示すように、プローブメモリー装置1は、蓋部51、プローブヘッド52およびプローブ53を備えている。
ハウジング2は、例えばシリコン材料によりカップ状に形成され、その内側には空間が形成されている。
固定部3は、ハウジング2の側壁の一部と一体的に形成されている。
移動部4は、例えばシリコン材料により平板状に形成されている。移動部4は、ハウジング2の内側に形成された空間内に収容されている。また、移動部4は、当該移動部4の上面4Aに対し平行な方向(図1中の矢示A方向)に移動可能に固定部3に支持されている。図2に示すように、移動部4の下面は、ハウジング2の底板上面から離れている。また、移動部4の各側面は、固定部3に支持されている部分を除き、ハウジング2の側壁内面から離れている。また、移動部4の上面4Aのほぼ中央には記録媒体5が固定されている。記録媒体5の外形は例えば各辺の長さがおよそ20mmの正方形である。移動部4は、アクチュエータ6の駆動により、矢示A方向に移動する。
一方、図2に示すように、蓋部51は、ハウジング2の上部には固定されている。
プローブヘッド52は、記録媒体5の上方に位置し、蓋部51の下面に固定されている。プローブヘッド52には、例えば数百個のプローブ53が設けられている。プローブヘッド52において互いに隣接するプローブ53の先端の間隔は例えば数十μmないし数百μmである。また、各プローブ53の先端径は例えば数十nmである。
プローブメモリー装置1は、プローブ53を介して記録媒体5に情報を高密度に記録することができ、小型であるにもかかわらず、膨大な記憶容量を有する。記録媒体5に情報を記録するときには、プローブメモリー装置1は、プローブ53の先端を記録媒体5の記録面に接近ないし接触させ、当該プローブメモリー装置1が採用している情報記録原理に応じて、プローブ53の先端から記録媒体5に電圧または熱などを加える。
また、記録媒体5に情報を記録するときには、プローブメモリー装置1は、アクチュエータ6を駆動し、固定部3に対し移動部4を矢示A方向に移動させる。これにより、固定されているプローブ53に対し、記録媒体5がその記録面に対し平行な方向に移動する。これによりプローブ53による記録媒体5の記録面の走査が実現される。
なお、一般に、プローブメモリー装置が採用し得る情報記録再生原理には、例えば、トンネル効果を用いたもの、原子間力を用いたもの、磁気力を用いたもの、静電力を用いたもの、非線形誘電率を用いたもの、および記録媒体の熱変形を用いたものなど、様々な種類がある。プローブメモリー装置1は、これら情報記録再生原理のうちのいずれをも採用することができる。
図1に示すように、本発明の実施形態であるアクチュエータ6は、2つの連結部7、8および4つの櫛歯電極機構10、20、30、40を備えている。
連結部7は、プローブメモリー装置1の左側に配置され、固定部3と移動部4とを連結している。すなわち、固定部3は接続点C1を有し、移動部4は接続点C2を有する。連結部7の一端側は固定部3の接続点C1に回転可能に接続されている。一方、連結部7の他端側は移動部4の接続点C2に回転可能に接続されている。
具体的には、連結部7の一端と接続点C1とは板ばね11を介して相互に接続されている。板ばね11は、実質的に見て、連結部7を、移動部4の上面4Aに対し平行な方向において、接続点C1を中心として所定角度回転させる。この回転は板ばね11の変形により実現される。板ばね11は連結部7がこの方向に回転することだけを許し、連結部7がこれ以外の方向に動くことを許さない。なお、連結部7が回転したときの板ばね11のひずみにより連結部7の回転中心が回転に伴って若干移動することが生じるが、これは問題とならない。このような回転中心の偏倚も含めた意味で、板ばね11は連結部7を回転させる(後述する板ばね21、31、41についても同様である)。
また、連結部7の他端と接続点C2とは板ばね21を介して相互に接続されている。板ばね21は、実質的に見て、連結部7を、移動部4の上面4Aに対し平行な方向において、接続点C2を中心として所定角度回転させる。この回転は板ばね21の変形により実現される。板ばね21は連結部7がこの方向に回転することだけを許し、連結部7がこれ以外の方向に動くことを許さない。
連結部8は、プローブメモリー装置1の右側に配置され、固定部3と移動部4とを連結している。すなわち、固定部3は接続点C3を有し、移動部4は接続点C4を有する。連結部8の一端側は固定部3の接続点C3に回転可能に接続されている。一方、連結部9の他端側は移動部4の接続点C4に回転可能に接続されている。
具体的には、連結部8の一端と接続点C3とは板ばね31を介して相互に接続されている。板ばね31は、実質的に見て、連結部8を、移動部4の上面4Aに対し平行な方向において、接続点C3を中心として所定角度回転させる。板ばね31は連結部8がこの方向に回転することだけを許し、連結部8がこれ以外の方向に動くことを許さない。
また、連結部8の他端と接続点C4とは板ばね41を介して相互に接続されている。板ばね41は、実質的に見て、連結部8を、移動部4の上面4Aに対し平行な方向において、接続点C4を中心として所定角度回転させる。板ばね41は連結部8がこの方向に回転することだけを許し、連結部8がこれ以外の方向に動くことを許さない。
連結部7および板ばね11、21は、例えばシリコン材料をエッチングすることにより一体的に形成されている。また、連結部8および板ばね31、41も、例えばシリコン材料をエッチングすることにより一体的に形成されている。連結部7、8は、移動部4が矢示A方向に往復移動するときに受ける荷重などによって撓ることのないように十分な強度を持っている。
また、図1に示すように、接続点C1から接続点C2までの長さと、接続点C3から接続点C4までの長さは互いに等しい。さらに、接続点C1から接続点C3までの長さと、接続点C2から接続点C4までの長さは互いに等しい。すなわち、接続点C1、C2間、接続点C2、C4間、接続点C4、C3間および接続点C3、C1間をそれぞれ直線で結ぶと、平行四辺形が形成される。
櫛歯電極機構10は、図1に示すように、固定部3と連結部7との間に配置されている。また、櫛歯電極機構10は接続点C1と接続点C2との間に配置されている。また、櫛歯電極機構10は、複数の櫛歯電極12および複数の櫛歯電極13を備えている。
図3に示すように、櫛歯電極機構10が配置されている連結部7の部位には、複数の櫛歯基点B1が設けられている。各櫛歯基点B1は観念的な基準点である。複数の櫛歯基点B1は連結部7の伸張方向に沿って等間隔に配置されている。互いに隣接する櫛歯基点B1の間隔は、連結部7の伸張方向において互いに隣接する櫛歯電極12の間隔に一致する。
各櫛歯電極12は連結部7の側面に設けられている。各櫛歯電極12の基端側は櫛歯基点B1に接続されている。一方、各櫛歯電極12の先端側は、連結部7の接続点C1を中心とした回転により描かれる櫛歯基点B1の旋回軌道R(図6参照)に沿って伸びている。
他方、各櫛歯電極13は、その基端側が固定部3に接続されている。一方、各櫛歯電極13の先端側は、櫛歯電極12の湾曲に対応するように伸び、各櫛歯電極12と所定の間隔をもって対向している。具体的には、各櫛歯電極13の先端側は、連結部7の伸張方向において対向する櫛歯電極12と櫛歯電極13との間隔を一定に保つような湾曲形状をもって伸びている。
また、各櫛歯電極12は、連結部7の左右両側から伸びている。そして、各櫛歯電極13も連結部7の左方および右方にそれぞれ配置されている。
また、各櫛歯電極12の伸張方向の長さは、当該櫛歯電極12に対応する櫛歯基点B1から接続点C1までの距離が長くなるほど長くなる。また、各櫛歯電極13の伸張方向の長さも、当該櫛歯電極13から接続点C1までの距離が長くなるほど長くなる。これにより、櫛歯電極構造10の外形はスカート状である。
櫛歯電極機構20は、図1に示すように、移動部4と連結部7との間に配置されている。また、櫛歯電極機構20は櫛歯電極機構10と接続点C2との間に配置されている。また、櫛歯電極機構20は、複数の櫛歯電極22および複数の櫛歯電極23を備えている。
櫛歯電極機構20が配置されている連結部7の部位には、複数の櫛歯基点B2が設けられている。各櫛歯基点B2は観念的な基準点である。複数の櫛歯基点B2は連結部7の伸張方向に沿って等間隔に配置されている。互いに隣接する櫛歯基点B2の間隔は、連結部7の伸張方向において互いに隣接する櫛歯電極22の間隔に一致する。
各櫛歯電極22は連結部7の側面に設けられている。各櫛歯電極22の基端側は櫛歯基点B2に接続されている。一方、各櫛歯電極22の先端側は、連結部7の接続点C2を中心とした回転により描かれる櫛歯基点B2の旋回軌道に沿って伸びている。
他方、各櫛歯電極23は、その基端側が移動部4に接続されている。一方、各櫛歯電極23の先端側は、櫛歯電極22の湾曲に対応するように伸び、各櫛歯電極22と所定の間隔をもって対向している。具体的には、各櫛歯電極23の先端側は、連結部7の伸張方向において対向する櫛歯電極22と櫛歯電極23との間隔を一定に保つような湾曲形状をもって伸びている。
また、各櫛歯電極22は、連結部7の左右両側から伸びている。そして、各櫛歯電極23も連結部7の左方および右方にそれぞれ配置されている。
また、各櫛歯電極22の伸張方向の長さは、当該櫛歯電極22に対応する櫛歯基点B2から接続点C2までの距離が長くなるほど長くなる。また、各櫛歯電極23の伸張方向の長さも、当該櫛歯電極23から接続点C2までの距離が長くなるほど長くなる。これにより、櫛歯電極構造20の外形はスカート状である。
櫛歯電極機構30は、図1に示すように、固定部3と連結部8との間に配置されている。また、櫛歯電極機構30は接続点C3と接続点C4との間に配置されている。また、櫛歯電極機構30は、複数の櫛歯電極32および複数の櫛歯電極33を備えている。
櫛歯電極機構30が配置されている連結部8の部位には、複数の櫛歯基点B3が設けられている。各櫛歯基点B3は観念的な基準点である。複数の櫛歯基点B3は連結部8が伸びる方向に沿って等間隔に配置されている。互いに隣接する櫛歯基点B3の間隔は、連結部8の伸張方向において互いに隣接する櫛歯電極32の間隔に一致する。
各櫛歯電極32は連結部8の側面に設けられている。各櫛歯電極32の基端側は櫛歯基点B3に接続されている。一方、各櫛歯電極32の先端側は、連結部8の接続点C3を中心とした回転により描かれる櫛歯基点B3の旋回軌道に沿って伸びている。
他方、各櫛歯電極33は、その基端側が固定部3に接続されている。一方、各櫛歯電極33の先端側は、櫛歯電極32の湾曲に対応するように伸び、各櫛歯電極32と所定の間隔をもって対向している。具体的には、各櫛歯電極33の先端側は、連結部8の伸張方向において対向する櫛歯電極32と櫛歯電極33との間隔を一定に保つような湾曲形状をもって伸びている。
また、各櫛歯電極32は、連結部8の左右両側から伸びている。そして、各櫛歯電極33も連結部8の左方および右方にそれぞれ配置されている。
また、各櫛歯電極32の伸張方向の長さは、当該櫛歯電極32に対応する櫛歯基点B3から接続点C3までの距離が長くなるほど長くなる。また、各櫛歯電極33の伸張方向の長さも、当該櫛歯電極33から接続点C3までの距離が長くなるほど長くなる。これにより、櫛歯電極構造30の外形はスカート状である。
櫛歯電極機構40は、図1に示すように、移動部4と連結部8との間に配置されている。また、櫛歯電極機構40は櫛歯電極機構30と接続点C4との間に配置されている。また、櫛歯電極機構40は、複数の櫛歯電極42および複数の櫛歯電極43を備えている。
櫛歯電極機構40が配置されている連結部8の部位には、複数の櫛歯基点B4が設けられている。各櫛歯基点B4は観念的な基準点である。複数の櫛歯基点B4は連結部8の伸張方向に沿って等間隔に配置されている。互いに隣接する櫛歯基点B4の間隔は、連結部8の伸張方向において互いに隣接する櫛歯電極42の間隔に一致する。
各櫛歯電極42は連結部8の側面に設けられている。各櫛歯電極42の基端側は櫛歯基点B4に接続されている。一方、各櫛歯電極42の先端側は、連結部8の接続点C4を中心とした回転により描かれる櫛歯基点B4の旋回軌道に沿って伸びている。
他方、各櫛歯電極43は、その基端側が移動部4に接続されている。一方、各櫛歯電極43の先端側は、櫛歯電極42の湾曲に対応するように伸び、各櫛歯電極42と所定の間隔をもって対向している。具体的には、各櫛歯電極43の先端側は、連結部8の伸張方向において対向する櫛歯電極42と櫛歯電極43との間隔を一定に保つような湾曲形状をもって伸びている。
また、各櫛歯電極42は、連結部8の左右両側から伸びている。そして、各櫛歯電極43も連結部8の左方および右方にそれぞれ配置されている。
また、各櫛歯電極42の伸張方向の長さは、当該櫛歯電極42に対応する櫛歯基点B4から接続点C4までの距離が長くなるほど長くなる。また、各櫛歯電極43の伸張方向の長さも、当該櫛歯電極43から接続点C4までの距離が長くなるほど長くなる。これにより、櫛歯電極構造40の外形はスカート状である。
各櫛歯電極12、13は、連結部7の伸張方向における長さ(幅)が例えばおよそ50μmであり、厚さ(図2中の上下方向の長さ)は例えばおよそ300μmである。各櫛歯電極12、13、22、23、32、33、42、43は、例えばエッチングなどのMEMS(Micro Electro Mechanical System)技術において一般的に利用されている方法により形成されている。各櫛歯電極12、13、32、33は、例えばシリコン材料により固定部3と一体的に形成されている。各櫛歯電極22、23、42、43は、例えばシリコン材料により移動部4と一体的に形成されている。
図4および図5は、固定部3に対する移動部4の移動を模式的に示している。
上述したように、固定部3と移動部4とは2つの連結部7、8を介して連結されている。連結部7は固定部3に対し接続点C1を中心に回転可能であり、かつ連結部7は移動部4に対し接続点C2を中心に回転可能である。そして、連結部8は固定部3に対し接続点C3を中心に回転可能であり、かつ連結部8は移動部4に対し接続点C4を中心に回転可能である。さらに、接続点C1から接続点C2までの長さと接続点C3から接続点C4までの長さとが互いに等しく、かつ接続点C1から接続点C3までの長さと接続点C2から接続点C4までの長さとが互いに等しい。
したがって、図4に示すように、移動部4は固定部3に対し、矢示Aに示すように緩やかなカーブを描くように移動することができる。そして、移動部4が固定部3に対して矢示A方向に移動しても、移動部4自体は傾かない。つまり、移動体4は矢示Aに示す緩やかなカーブに沿って平行移動する。図5は移動部4が矢示Aに沿って左側に平行移動した状態を示しているが、もちろん移動部4は矢示Aに沿って右側に平行移動することもできる。
図6は、移動部4が固定部3に対し矢示A方向に移動したときの、接続点C1を中心とする連結部7の回転を示している。
移動部4が固定部3に対し矢示A方向に移動したとき、図6に示すように、連結部7は接続点C1を中心に所定角度回転する。連結部7が接続点C1を中心に所定角度回転したとき、連結部7に設けられた櫛歯基点B1は、旋回軌道Rを描くように移動する。櫛歯電極12の先端は、この旋回軌道Rに沿って伸びている。
図1に戻り、アクチュエータ6の動作について説明する。
連結部7の左下側に配置された櫛歯電極12、13間に電圧を印加し、連結部7の右上側に配置された櫛歯電極22、23間に電圧を印加し、連結部8の左下側に配置された櫛歯電極32、33間に電圧を印加し、そして連結部8の右上側に配置された櫛歯電極42、43間に電圧を印加する。これにより、これら電圧が印加された櫛歯電極間に静電力が生じ、対向する櫛歯電極同士が引き合う。
連結部7の左下側に配置された櫛歯電極12、13が互いに引き合う力により、連結部7が接続点C1を中心に左回りに所定角度回転する。これと同時に、連結部7の右上側に配置された櫛歯電極22、23が互いに引き合う力により、連結部7が接続点C2を中心に左回りに所定角度回転する。これにより、連結部7が固定部3に対して左方向に所定角度傾くと同時に、移動部4が連結部7に対して右回りに所定角度回転する。連結部7の固定部3に対する傾き量と、移動部4の連結部7に対する回転量は同じである。
連結部8の左下側に配置された櫛歯電極32、33が互いに引き合う力により、連結部8が接続点C3を中心に左回りに所定角度回転する。これと同時に、連結部8の右上側に配置された櫛歯電極42、43が互いに引き合う力により、連結部8が接続点C4を中心に左回りに所定角度回転する。これにより、連結部8が固定部3に対して左方向に所定角度傾くと同時に、移動部4が連結部8に対して右回りに所定角度回転する。連結部8の固定部3に対する傾き量と、移動部4の連結部8に対する回転量は同じである。
以上のような4組の櫛歯電極間の協働により、移動部4は矢示Aに示す緩やかなカーブに沿って左側に平行移動する。
一方、連結部7の右下側に配置された櫛歯電極12、13間に電圧を印加し、連結部7の左上側に配置された櫛歯電極22、23間に電圧を印加し、連結部8の右下側に配置された櫛歯電極32、33間に電圧を印加し、そして連結部8の左上側に配置された櫛歯電極42、43間に電圧を印加する。これにより、これら電圧が印加された櫛歯電極間に静電力が生じ、対向する櫛歯電極同士が引き合う。
連結部7の右下側に配置された櫛歯電極12、13が互いに引き合う力により、連結部7が接続点C1を中心に右回りに所定角度回転する。これと同時に、連結部7の左上側に配置された櫛歯電極22、23が互いに引き合う力により、連結部7が接続点C2を中心に右回りに所定角度回転する。これにより、連結部7が固定部3に対して右方向に所定角度傾くと同時に、移動部4が連結部7に対して左回りに所定角度回転する。連結部7の固定部3に対する傾き量と、移動部4の連結部7に対する回転量は同じである。
これと同時に、連結部8の右下側に配置された櫛歯電極32、33が互いに引き合う力により、連結部8が接続点C3を中心に右回りに所定角度回転する。これと同時に、連結部8の左上側に配置された櫛歯電極42、43が互いに引き合う力により、連結部8が接続点C4を中心に右回りに所定角度回転する。これにより、連結部8が固定部3に対して右方向に所定角度傾くと同時に、移動部4が連結部8に対して左回りに所定角度回転する。連結部8の固定部3に対する傾き量と、移動部4の連結部8に対する回転量は同じである。
以上のような4組の櫛歯電極の協働により、移動部4は矢示Aに示す緩やかなカーブに沿って右側に移動する。
以上説明したとおり、アクチュエータ6は、一端側が固定部3の接続点C1に回転可能に接続され、他端側が移動部4の接続点C2に回転可能に接続された連結部7と、一端側が固定部3の接続点C3に回転可能に接続され、他端側が移動部4の接続点C4に回転可能に接続された連結部8と、基端側が櫛歯基点B1に接続され、先端側が櫛歯基点B1の旋回軌道に沿って伸びる櫛歯電極12と、基端側が固定部3に接続され、先端側が櫛歯電極12の湾曲に対応するように伸び、櫛歯電極12と所定の間隔をもって対向する櫛歯電極13とを備えている。そして、アクチュエータ6において、接続点C1から接続点C2までの長さと、接続点C3から接続点C4までの長さとが等しく、かつ接続点C1から接続点C3までの長さと、接続点C2から接続点C4までの長さとが等しい。
このような構成により、櫛歯電極12、13間に電圧を印加し、これにより移動部4を固定部3に対して移動させても、連結部7の伸張方向において互いに対向する櫛歯電極12、13間の間隔は変わらない。
すなわち、櫛歯電極12は連結部7に設けられている。連結部7の両端は接続点C1と接続点C2にそれぞれ接続されている。そして、接続点C1から接続点C2までの長さは常に変化しない。したがって、櫛歯電極12は、櫛歯基点B1の旋回軌道R(図6参照)を外れることがない。
そして、櫛歯電極12は、櫛歯基点B1の旋回軌道Rに沿って伸び、櫛歯電極13は、櫛歯電極12の湾曲に対応するように伸びている。したがって、櫛歯電極12が旋回基点B1の旋回軌道R上を移動しても、櫛歯電極12、13間の間隔は常に一定である。
このように、アクチュエータ6によれば、連結部7の伸張方向において互いに対向する櫛歯電極12、13間の間隔が変わらないので、互いに対向する櫛歯電極12、13同士が接触する現象、いわゆるプル・イン現象は生じない。したがって、アクチュエータ6のストローク量を大きくすることができ、移動部4の固定部3に対する往復移動距離を長くすることができる。
ここで、本実施形態のアクチュエータ6を、図10に示す静電駆動式アクチュエータの静電駆動式アクチュエータの一般的システム200と比較する。
静電駆動式アクチュエータの一般的システム200は、固定部201と移動部202がばね203で図10に示すように接続されている。図10中の前後方向において互いに対向する櫛歯電極204、205の間隔を一定に保ったまま移動部202を左右方向に移動させると、ばね203が伸張する。このため、ばね203は前後方向に伸縮するように形成されている。それゆえ、移動部202が前後方向に位置ずれし、正規の軌道を外れることがある。この結果、互いに対向する櫛歯電極204、205が接触してしまうというプル・イン現象が生じる場合がある。移動部202の前後方向の位置ずれは、移動部202の左右方向の往復移動距離(ストローク量)を長くすると生じやすくなる。このため、移動部202のストローク量を長くすると、プル・イン現象の発生する可能性が高くなり、アクチュエータの安定性・信頼性が低くなる。
これに対し、本実施形態のアクチュエータ6では、図1に示すように、固定部3と移動部4が連結部7、8および板ばね11、21、31、41により接続されている。連結部7、8は十分な強度を有しており、前後方向に伸縮したり、左右方向に湾曲したりしない。そして、板ばね11、31は、接続点C1、C3を中心に連結部7、8を固定部3に対し回転させるように変形するのみである。同様に、板ばね21、41は、接続点C2、C4を中心に連結部7、8を移動部4に対し回転させるように変形するのみである。したがって、連結部7、8や板ばね11、21,31、41が例えば熱などによって膨張するなど、機構的観点とは別の観点で不具合が生じない限り、移動部4の固定部3に対する移動が、正規の軌道(つまり矢示Aに示す緩やかなカーブを描く軌道)を外れることがない。したがって、図1中の前後方向において互いに対向する櫛歯電極12と櫛歯電極13とは常に一定の距離を保つ。同様に、櫛歯電極22、23間、櫛歯電極32、33間、櫛歯電極42、43間のそれぞれの距離も常に一定であり続ける。それゆえ、これらの櫛歯電極同士が接触することがなく、よってプル・イン現象は生じない。プル・イン現象が生じないので、アクチュエータ6のストローク量を大きくすることができ、移動部4の固定部3に対する往復移動距離を長くすることができる。
また、アクチュエータ6は、櫛歯基点B1の旋回軌道に沿って伸びる櫛歯電極12と、この櫛歯電極12に対応して湾曲した櫛歯電極13とを有する。さらに、櫛歯基点B2の旋回軌道に沿って伸びる櫛歯電極22と、この櫛歯電極22に対応して湾曲した櫛歯電極23とを有する。さらに、櫛歯基点B3の旋回軌道に沿って伸びる櫛歯電極33と、この櫛歯電極33に対応して湾曲した櫛歯電極34とを有する。さらに、櫛歯基点B4の旋回軌道に沿って伸びる櫛歯電極42と、この櫛歯電極42に対応して湾曲した櫛歯電極43とを有する。つまり、アクチュエータ4は4つの櫛歯電極機構10、20、30、40を有する。
したがって、アクチュエータ6によれば、移動部4を移動させるための大きな駆動力を得ることができ、かつ、移動部4を正確に移動させることができる。
さらに、アクチュエータ6の連結部7、8にそれぞれ設けられた櫛歯電極12、22、32、42は連結部7、8の左右両側からそれぞれ伸びている。
したがって、アクチュエータ6によれば、移動部4を移動させるための大きな駆動力を得ることができ、かつ、移動部4を正確に移動させることができる。
また、櫛歯基点B1は、接続点C1と接続点C2との間に配置され、櫛歯基点B2は、櫛歯基点B1と接続点C2との間に配置されている。これにより、櫛歯電極12、13、22、23を接続点C1と接続点C2との間に配置することができる。したがって、櫛歯電極12、13、22、23を連結部7の中央付近に集めることができる。また、櫛歯基点B3は、接続点C3と接続点C4との間に配置され、櫛歯基点B4は、櫛歯基点B3と接続点C4との間に配置されている。これにより、櫛歯電極32、33、42、43を接続点C3と接続点C4との間に配置することができる。したがって、櫛歯電極32、33、42、43を連結部8の中央付近に集めることができる。よって、アクチュエータ6の小型化を図ることができる。
また、アクチュエータ6の各櫛歯電極12の長さは、当該櫛歯電極12に対応する櫛歯基点B1から接続点C1までの距離が長くなるほど長くなる。これにより、櫛歯電極12、13間に印加する電圧が小さくても、大きな駆動力を作り出すことができる。また、このような構成により、ストローク量を大きくすることができる。櫛歯電極22、32、42についても同様である。
なお、図1中のアクチュエータ6は、4つの櫛歯電極機構10、20、30、40を有する。しかし、櫛歯電極機構は1つ、2つまたは3つでもよい。すなわち、接続点C1、C2、C3、C4はそれぞれ固定されており、これらの位置関係は常に変わらない。したがって、接続点C1、C2、C3、C4以外の点であって、連結部7または連結部8上のどこか1箇所の点に所定方向の力を加えれば、移動部4を固定部3に対して矢示Aに沿って平行移動させることができる。それゆえ、櫛歯電極機構は1つでよい。
ただ、櫛歯電極機構を複数設けることにより、大きな駆動力を得ることができ、または移動部4の移動の精度を高めることができる。図1に示すように、固定部3のほぼ中心に対し対称にほぼ同様の構造を有する4つの櫛歯電極機構10、20、30、40を配置することにより、駆動力をバランスよく発生させることができ、これら駆動力を合わせた大きな駆動力を作り出すことができる。これにより、移動部4を固定部3に対し、安定にかつ高精度に移動させることができる。
また、図1中のアクチュエータ6の櫛歯電極機構10において、各櫛歯電極12、13の伸張方向の長さは、当該櫛歯電極12に対応する櫛歯基点B1から接続点C1までの距離が長くなるほど長くなる。これにより、櫛歯電極構造10の外形はスカート状である。しかし、各櫛歯電極12、13の伸張方向の長さは一定でもよい。また、図7に示す櫛歯電極機構70のように、各櫛歯電極71、72の伸張方向の長さを部分的に一定にしてもよい。これにより、櫛歯電極機構70を図7中の左右方向に小さくすることができ、小さいスペースに櫛歯電極機構70を設けることが可能になる。図1中の櫛歯電極機構20、30、40についても同様である。
また、図1中のアクチュエータ6では、連結部7、8と固定部3との接続、および連結部7、8と移動部4との接続に、板ばね11、21、31、41を用いている。しかし、板ばね11、21、31、41に代えて、図8に示すような回転ばね61を用いてもよい。
また、図1中のアクチュエータ6は、2つの連結部7、8により固定部3と移動部4とを連結している。しかし、連結部は1つでもよいし、3つ以上でもよい。
ただ、連結部が1つの場合には、固定部3に対して連結部を回転させるための第1櫛歯電極機構と、移動部4を連結部に対して回転させるための第2櫛歯電極機構をそれぞれ設ける。そして、移動部4の平行移動を実現するためには、第1櫛歯電極機構により、連結部を固定部3に対して所定角度回転させるのと同時に、第2櫛歯電極機構により、移動部4を連結部に対して反対の方向に所定角度回転させる。
また、図1中のアクチュエータ6は、プローブヘッド52に対して記録媒体5を移動させるための駆動源として用いられている。しかし、記録媒体に対してプローブヘッドを移動させるための駆動源としても用いることができる。さらに、アクチュエータ6は、走査型プローブメモリー装置に限らず、他の装置にも適用することができる。
また、図1中のアクチュエータ6の櫛歯電極機構10、20、30、40は、固定部3に対し移動部4を移動させるための駆動力を作り出すために用いられている。しかし、本発明はこれに限られない。例えば、連結部7、8の固定部3に対する回転運動(傾き運動)および移動部4の連結部7、8に対する回転運動を実現するための他の駆動機構をアクチュエータ6に追加し、櫛歯電極機構10、20、30、40は、連結部7、8の回転角度(傾き角度)や、移動部4の回転角度、固定部3に対する移動部4の移動量などを測定するのに用いてもよい。
(アクチュエータシステムの実施形態)
図9は、本発明のアクチュエータシステムの実施形態を搭載した走査型プローブメモリー装置の内部を示している。
図9は、本発明のアクチュエータシステムの実施形態を搭載した走査型プローブメモリー装置の内部を示している。
図9に示すように、アクチュエータシステム80は、固定部81と、固定ブロック83および移動ブロック84を有する移動部82と、固定ブロック83に対し移動ブロック84を移動ブロック84の上面に対し平行なX方向に移動させる第1アクチュエータ100と、固定部81に対し移動部82をX方向と同一平面内において交わるY方向に移動させる第2アクチュエータ120とを備えている。なお、矢示Xは緩やかなカーブを描き、矢示Yも緩やかなカーブを描く。
第1アクチュエータ100および第2アクチュエータ120はそれぞれ、図1中のアクチュエータ6とほぼ同じ構成を備えている。すなわち、第1アクチュエータ100は、連結部101および櫛歯電極機構111、112、並びに連結部102および櫛歯電極機構113、114を備えている。
第2アクチュエータ120は、連結部121および櫛歯電極機構131、132、並びに連結部122および櫛歯電極機構133、134を備えている。もっとも、第2アクチュエータ120の櫛歯電極機構131、132、133、134は、図7に示す櫛歯電極機構70と同様の構成を採用している。
第1アクチュエータ100は、スカート状の櫛歯電極機構111、112、113、114により、固定ブロック83に対し移動ブロック84を比較的大きく安定した駆動力で矢示X方向に移動させる。一方、第2アクチュエータ120は、固定部81に対し移動部82を矢示Y方向に移動させる。
アクチュエータシステム80を走査型プローブメモリー装置に適用する場合には、移動ブロック84の中央に記録媒体130を配置する。これにより、第1アクチュエータ100の駆動によって記録媒体130を矢示X方向に移動させることができる。また、第2アクチュエータ120の駆動により記録媒体130を矢示Y方向に移動させることができる。
第1アクチュエータ100は、スカート状の櫛歯電極機構111、112、113、114により、固定ブロック83に対し移動ブロック84を比較的大きく安定した駆動力で移動させることができるので、記録媒体130をトラックの伸張方向に沿って定常的に往復移動させるのに適している。一方、第2アクチュエータ120は、記録媒体130をトラックの伸張方向と交わる方向に間欠的または一時的に移動させるのに適している。
アクチュエータシステム80によれば、第1アクチュエータ100の連結部101、102の伸張方向において互いに対向する櫛歯電極同士が接触するプル・イン現象の発生を防止することができる。したがって、移動ブロック84ないし記録媒体130の矢示X方向の移動量(ストローク量)を大きくすることができる。
さらに、アクチュエータシステム80によれば、第2アクチュエータ120の連結部121、122の伸張方向において互いに対向する櫛歯電極同士が接触するプル・イン現象の発生を防止することができる。したがって、移動部82ないし記録媒体130の矢示Y方向の移動量(ストローク量)を大きくすることができる。
なお、本発明は、請求の範囲および明細書全体から読み取るこのできる発明の要旨または思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴うアクチュエータもまた本発明の技術思想に含まれる。
本発明に係る櫛歯を用いたアクチュエータは、例えば走査型プローブメモリー装置などへの利用に適したアクチュエータに利用可能である。
Claims (23)
- 固定部に対して移動部を所定の方向に移動させるアクチュエータであって、
前記固定部に設けられた第1接続点に一端側が回転可能に接続され、前記移動部に設けられた第2接続点に他端側が回転可能に接続された第1連結部と、
前記固定部に設けられた第3接続点に一端側が回転可能に接続され、前記移動部に設けられた第4接続点に他端側が回転可能に接続された第2連結部と、
前記第1連結部に設けられた第1櫛歯基点と、
基端側が前記第1櫛歯基点に接続され、先端側が、前記第1連結部の第1接続点を中心とした回転により描かれる前記第1櫛歯基点の旋回軌道に沿って伸びる第1櫛歯と、
基端側が前記固定部に接続され、先端側が前記第1櫛歯の湾曲に対応するように伸び、前記第1櫛歯と所定の間隔をもって対向する第2櫛歯とを備え、
前記第1接続点から第2接続点までの長さと、前記第3接続点から第4接続点までの長さとが等しく、かつ第1接続点から第3接続点までの長さと第2接続点から第4接続点までの長さが等しいことを特徴とするアクチュエータ。 - 前記第1連結部に設けられた第2櫛歯基点と、
基端側が前記第2櫛歯基点に接続され、先端側が、前記第1連結部の第2接続点を中心とした回転により描かれる前記第2櫛歯基点の旋回軌道に沿って伸びる第3櫛歯と、
基端側が前記移動部に接続され、先端側が前記第3櫛歯の湾曲に対応するように伸び、前記第3櫛歯と所定の間隔をもって対向する第4櫛歯とを備えていることを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータ。 - 前記第2連結部に設けられた第3櫛歯基点と、
基端側が前記第3櫛歯基点に接続され、先端側が、前記第2連結部の第3接続点を中心とした回転により描かれる前記第3櫛歯基点の旋回軌道に沿って伸びる第5櫛歯と、
基端側が前記固定部に接続され、先端側が前記第5櫛歯の湾曲に対応するように伸び、前記第5櫛歯と所定の間隔をもって対向する第6櫛歯とを備えていることを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータ。 - 前記第2連結部に設けられた第4櫛歯基点と、
基端側が前記第4櫛歯基点に接続され、先端側が、前記第2連結部の第4接続点を中心とした回転により描かれる前記第4櫛歯基点の旋回軌道に沿って伸びる第7櫛歯と、
基端側が前記移動部に接続され、先端側が前記第7櫛歯の湾曲に対応するように伸び、前記第7櫛歯と所定の間隔をもって対向する第8櫛歯とを備えていることを特徴とする請求項3に記載のアクチュエータ。 - 前記第1櫛歯は、前記第1連結部の両側からそれぞれ伸びていることを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータ。
- 前記第3櫛歯は、前記第1連結部の両側からそれぞれ伸びていることを特徴とする請求項2に記載のアクチュエータ。
- 前記第5櫛歯は、前記第2連結部の両側からそれぞれ伸びていることを特徴とする請求項3に記載のアクチュエータ。
- 前記第7櫛歯は、前記第2連結部の両側からそれぞれ伸びていることを特徴とする請求項4に記載のアクチュエータ。
- 前記第1櫛歯基点は、前記第1接続点と前記第2接続点との間に配置され、
前記第2櫛歯基点は、前記第1櫛歯基点と前記第2接続点との間に配置されていることを特徴とする請求項2に記載のアクチュエータ。 - 前記第3櫛歯基点は、前記第3接続点と前記第4接続点との間に配置され、
前記第4櫛歯基点は、前記第3櫛歯基点と前記第4接続点との間に配置されていることを特徴とする請求項4に記載のアクチュエータ。 - 前記第1連結部には複数の前記第1櫛歯基点が設けられ、
前記複数の第1櫛歯基点には複数の前記第1櫛歯がそれぞれ接続され、
前記各第1櫛歯の長さは、当該第1櫛歯に対応する前記第1櫛歯基点から前記第1接続点までの距離が長くなるほど長くなることを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータ。 - 前記第1連結部には複数の前記第2櫛歯基点が設けられ、
前記複数の第2櫛歯基点には複数の前記第3櫛歯がそれぞれ接続され、
前記各第3櫛歯の長さは、当該第3櫛歯に対応する前記第2櫛歯基点から前記第2接続点までの距離が長くなるほど長くなることを特徴とする請求項2に記載のアクチュエータ。 - 前記第2連結部には複数の前記第3櫛歯基点が設けられ、
前記複数の第3櫛歯基点には複数の前記第5櫛歯がそれぞれ接続され、
前記各第5櫛歯の長さは、当該第5櫛歯に対応する前記第3櫛歯基点から前記第3接続点までの距離が長くなるほど長くなることを特徴とする請求項3に記載のアクチュエータ。 - 前記第2連結部には複数の前記第4櫛歯基点が設けられ、
前記複数の第4櫛歯基点には複数の前記第7櫛歯がそれぞれ接続され、
前記各第7櫛歯の長さは、当該第7櫛歯に対応する前記第4櫛歯基点から前記第4接続点までの距離が長くなるほど長くなることを特徴とする請求項4に記載のアクチュエータ。 - 前記第1櫛歯と前記第2櫛歯との間に電位差を与え、これによって生じる静電力により、前記固定部に対して前記移動部を移動させることを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータ。
- 固定部に対して移動部を所定の方向に移動させるアクチュエータであって、
前記固定部に設けられた第1接続点に一端側が回転可能に接続され、前記移動部に設けられた第2接続点に他端側が回転可能に接続された連結部と、
前記連結部に設けられた第1櫛歯基点と、
基端側が前記第1櫛歯基点に接続され、先端側が、前記連結部の第1接続点を中心とした回転により描かれる前記第1櫛歯基点の旋回軌道に沿って伸びる第1櫛歯と、
基端側が前記固定部に接続され、先端側が前記第1櫛歯の湾曲に対応するように伸び、前記第1櫛歯と所定の間隔をもって対向する第2櫛歯と、
前記連結部に設けられた第2櫛歯基点と、
基端側が前記第2櫛歯基点に接続され、先端側が、前記連結部の第2接続点を中心とした回転により描かれる前記第2櫛歯基点の旋回軌道に沿って伸びる第3櫛歯と、
基端側が前記移動部に接続され、先端側が前記第3櫛歯の湾曲に対応するように伸び、前記第3櫛歯と所定の間隔をもって対向する第4櫛歯とを備えていることを特徴とするアクチュエータ。 - 前記第1櫛歯は、前記連結部の両側からそれぞれ伸びていることを特徴とする請求項16に記載のアクチュエータ。
- 前記第3櫛歯は、前記連結部の両側からそれぞれ伸びていることを特徴とする請求項16に記載のアクチュエータ。
- 前記第1櫛歯基点は、前記第1接続点と前記第2接続点との間に配置され、
前記第2櫛歯基点は、前記第1櫛歯基点と前記第2接続点との間に配置されていることを特徴とする請求項16に記載のアクチュエータ。 - 前記連結部には複数の前記第1櫛歯基点が設けられ、
前記複数の第1櫛歯基点には複数の前記第1櫛歯がそれぞれ接続され、
前記各第1櫛歯の長さは、当該第1櫛歯に対応する前記第1櫛歯基点から前記第1接続点までの距離が長くなるほど長くなることを特徴とする請求項16に記載のアクチュエータ。 - 前記連結部には複数の前記第2櫛歯基点が設けられ、
前記複数の第2櫛歯基点には複数の前記第3櫛歯がそれぞれ接続され、
前記各第3櫛歯の長さは、当該第3櫛歯に対応する前記第2櫛歯基点から前記第2接続点までの距離が長くなるほど長くなることを特徴とする請求項16に記載のアクチュエータ。 - 前記第1櫛歯と前記第2櫛歯との間および前記第3櫛歯と前記第4櫛歯との間にそれぞれ電位差を与え、これによって生じる静電力により、前記固定部に対して前記移動部を移動させることを特徴とする請求項16に記載のアクチュエータ。
- 固定部と、
固定ブロックおよび移動ブロックを有する移動部と、
前記固定部に対し前記移動部を第1の方向に移動させる第1アクチュエータと、
前記固定ブロックに対して前記移動ブロックを前記第1の方向と同一平面内において交わる第2方向に移動させる第2アクチュエータとを備え、
前記第1アクチュエータおよび前記第2アクチュエータはそれぞれ請求項1に記載のアクチュエータであることを特徴とするアクチュエータシステム。
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