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JP4801038B2 - ターンシグナル制御装置 - Google Patents
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JP4801038B2 - ターンシグナル制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車等の車両が右左折等するときにその旨周辺に合図するターンランプを点灯制御するターンシグナル制御装置に関するものである。
従来、例えば特許文献1に示されるように、自動車等の車両には、自車両の進行方向を他車両の運転者及び歩行者等に知らせるためのターンシグナルが設けられている。ターンシグナルは、車体に配設される左右ターンランプと、ステアリングホイールの近傍に設けられる操作レバーと、この操作レバーに関連して設けられる左右ターンスイッチとを備えてなる。操作レバーは、中立位置から左折操作位置及び右折操作位置へ変位可能とされるとともに、これら操作位置へ変位されたときには当該操作位置に保持される。操作レバーが左折操作位置又は右折操作位置に変位されていずれかの操作位置に保持されている間は、左ターンスイッチ又は右ターンスイッチがオン状態となることにより、車両の方向指示動作として左ターンランプ又は右ターンランプが一定の周期で点滅する。
さらに、ターンシグナルには、ステアリングホイールの操作に合わせて、左折操作位置又は右折操作位置に保持された操作レバーを中立位置へ自動的に戻すための復帰機構が設けられている。操作レバーを左折操作位置又は右折操作位置に変位させた後に、ステアリングホイールを左側又は右側に一定角度以上切り込んでから舵角中点(車両直進時の操舵角)に戻すといった操作を行うと、復帰機構の働きにより、ステアリングホイールの舵角中点への戻し操作に合わせて、左折操作位置又は右折操作位置に保持された操作レバーが中立位置に自動的に戻される。操作レバーが中立位置に戻ると、それまで点滅していた左ターンランプ又は右ターンランプが消灯することにより、車両の方向指示動作は終了となる。
特開2004−142560号公報
前記従来のターンシグナルでは、ステアリングホイールの操舵角が、車速に応じて設定されたキャンセル準備角に達した後に舵角中点を含むキャンセル角の範囲内になると、前記復帰機構の制御を通じて、左右ターンランプによる方向指示動作が終了される。具体的には、車速が大きいほどキャンセル準備角が小さな角度に設定されることから、高速走行中の車線変更時のように、ステアリングホイールの操舵角が小さい場合でも、左右ターンランプによる方向指示動作を確実に自動終了させることができる。また、車速が小さいほどキャンセル準備角が大きな角度に設定されることから、左右ターンランプによる方向指示動作が開始されてから例えば交差点で右左折を開始するまでの間に、当該方向指示動作が終了されるといった不都合が生じることもない。このように、車速によってキャンセル準備角の値を変更することにより、右左折時及び車線変更時における方向指示動作の自動終了に対応している。
ところが、前記従来のターンシグナルには次のような問題があった。すなわち、車両の走行状態としては様々な状況が想定されるところ、例えば高速走行中において、車線変更してすぐに或いは少ししてから右左折するといった状況も考えられる。このような場合には、運転者の利便性の観点から、車線変更を開始してから右左折が終了するまでの間において、方向指示動作が継続して行われることが好ましい。
しかし、前記従来のターンシグナルにおいては、前述したように、ステアリングホイールの操舵角が小さい場合であれ方向指示動作を好適に自動終了させるために、車速が大きいほど方向指示動作のキャンセル準備角を小さな値に設定するようにしている。これ故に、高速走行中において車線変更してすぐに或いは少ししてから右左折しようといった状況であっても、車線変更した時点で、正確には車線変更してステアリングホイールを舵角中点側へ僅かに戻しただけで方向指示動作が自動終了されることが懸念される。そしてこの場合には、運転者は結局、中立位置に復帰された操作レバーを左折操作位置又は右折操作位置へ操作して方向指示動作を再び開始する必要が生じる。
このように、過度に方向指示動作の自動終了がなされるともとられかねない状況が発生する等、前記従来のターンシグナルにおける方向指示動作の終了タイミングは、車両の走行状態によっては実状にそぐわないものとなるおそれがあった。したがって、車両のその時々の走行状態に応じて、方向指示動作を的確に自動終了させることができるターンシグナルが要望されていた。
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、方向指示動作を的確に自動終了させることができるターンシグナル制御装置を提供することにある。
請求項1に記載の発明は、車両の進行方向を周辺に合図する方向指示動作が開始されたとき、車両に設けられる車速検出手段を通じて取得される車速及び同じく舵角検出手段を通じて取得される操舵手段の操舵角に基づき車両の走行状態が車線変更及び右左折のいずれであるかを判断し、当該判断結果に応じて方向指示動作の終了タイミングを設定するターンシグナル制御装置において、車両の走行状態が車線変更である旨判断して前記終了タイミングに基づき方向指示動作を終了させる際に、方向指示動作の開始時を基準とする車速の変化に基づき車両の減速の有無を判断し、減速されている旨判断したときには方向指示動作を継続する一方、減速されていない旨判断したときには方向指示動作を終了させることをその要旨とする。
車両の走行状態としては様々な状況が想定されるところ、例えば車線変更してすぐに或いは少ししてから右左折するといった状況も想定される。このような右左折の可能性を何ら考慮することなく、車線変更であるとの判断結果に基づき設定される方向指示動作の終了タイミングで方向指示動作が終了されたときには、これが実際の状況にそぐわないことが懸念される。具体的には、前述したように、車線変更してすぐに或いは少ししてから右左折するといった状況にあっては、右左折が終了するまで方向指示動作が継続して行われることが好ましいところ、車線変更が終了した時点で方向指示動作が終了されるという状況も考えられる。
この点、本発明では、車両の走行状態が車線変更である旨判断された場合であっても、実際に方向指示動作を終了させる際に、方向指示動作が開始されたときを基準とする車速の変化に基づき車両の減速の有無を判断し、減速されている旨判断したときには、右左折が行われる可能性があるとして、方向指示動作が継続して行われる。一方、減速されていない旨判断したときには、右左折が行われる可能性は低く単なる車線変更である蓋然性が高いとして、方向指示動作が終了される。これらの判断は、車両の右左折時には通常は減速されるとの想定に基づくものである。このように、本発明によれば、実際の車両の走行状態に即して的確に方向指示動作を自動終了させることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のターンシグナル制御装置において、前記車両の減速の有無は、方向指示動作の開始時の車速に基づき設定される減速判定閾値と方向指示動作を終了させる際の車速との比較に基づき判断し、前記減速判定閾値は、方向指示動作の開始時の車速に0より大きく且つ1未満の係数を乗じた値に設定することをその要旨とする。
方向指示動作の開始時の車速よりも小さな値となる減速判定閾値と方向指示動作を終了させる際の車速との比較に基づき車両の減速の有無が判断されることから、車両が減速されている旨過度に判断されることを回避することができる。例えば車線変更の場合であれ、方向指示動作が開始された後に若干の減速がなされることも多く想定されるところ、このような場合にも右左折の可能性があるとして方向指示動作が継続されることになれば、これは車両の実際の状況にそぐわないことになる。
この点、本発明によれば、減速の有無の判断基準となる減速判定閾値を方向指示動作の開始時の車速よりも小さく設定することにより、すなわち減速の有無の判断基準を緩くすることにより、単なる車線変更であるにも関わらず、右左折の可能性がある旨誤判断されて方向指示動作が継続して行われることを抑制することができる。また、減速の有無の判断基準を緩くすることにより、右左折の可能性の判断はより的確なものとなる。これは、右左折時には大きく減速されることが多いとの想定に基づくものである。したがって、本発明によれば、実際の車両の走行状態に即していっそう的確に方向指示動作を自動終了させることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載のターンシグナル制御装置において、車両の方向指示動作は、当該車両に設けられるターンランプの点滅制御を通じて行うとともに、前記車両の減速の有無の判断は、車両の走行状態が車線変更である旨の判断結果に基づき設定する前記終了タイミングを基準として前記ターンランプを次に点灯させる直前に行うことをその要旨とする。
例えば車線変更後の右左折時においては、車両は方向指示動作を開始した後に少し空走してから減速するということも多く想定される。このような場合には、方向指示動作を開始してから時間が経過するほど、車速の変化(ここでは、減速度)が顕著に現れる。したがって、方向指示動作を開始してからある程度時間が経過してから車両の減速の有無を判断することにより、当該判断はより的確なものとなる。
この点、本発明のように、車両の走行状態が車線変更である旨の判断結果に基づき設定する前記終了タイミングを基準として前記ターンランプを次に点灯させる直前に車両の減速の有無を判断することにより、当該終了タイミングからターンランプが次に点灯する直前までの時間の分だけ、減速の有無の判断を遅延させることができる。したがって、方向指示動作の前記終了タイミングに基づき即時に減速の有無の判断を行うようにした場合に比べて、車速の変化、ここでは車速の減速の有無の判断をいっそうより的確に行うことができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載のターンシグナル制御装置において、前記車両の走行状態が右左折である旨判断した場合には、前記車速検出手段を通じて取得される車速に応じて方向指示動作のキャンセル準備角及び当該キャンセル準備角よりも小さな値のキャンセル角を前記操舵手段の操舵中立位置に対応する舵角中点からの絶対角として設定するとともに、前記舵角検出手段を通じて取得される前記舵角中点を基準とする絶対操舵角が前記キャンセル準備角を超えた後に前記キャンセル角未満となったときを前記終了タイミングとして方向指示動作を終了させることをその要旨とする。
この構成によれば、運転者が右左折するために操舵手段を操舵した場合に、舵角検出手段を通じて当該操舵手段がキャンセル準備角を越える位置まで操舵されたことが検出された後にキャンセル角を下回る位置まで逆方向へ操舵されたことが検出されたときに、方向指示動作が自動終了される。ここで、前述したように、キャンセル準備角及びキャンセル角は、速度検出手段を通じて取得される車速に基づき舵角中点からの絶対角として設定されることから、その都度の車速に応じて方向指示動作の自動終了が好適に行われる。
なお、この場合において、キャンセル準備角及びキャンセル角は、車速が大きくなるほど小さな値に設定することが好ましい。これは、車速が大きくなるほど操舵手段の操舵角は小さくなるとの想定に基づくものである。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載のターンシグナル制御装置において、前記車両の走行状態が車線変更である旨判断した場合には、前記車速検出手段を通じて取得される車速に応じて方向指示動作のキャンセル戻り角を前記操舵手段の相対操舵角として設定し、前記操舵手段が前記キャンセル戻り角だけ逆方向へ操作された旨前記舵角検出手段を通じて検出されたときを前記終了タイミングとして方向指示動作を終了させることをその要旨とする。
この構成によれば、運転者が車線変更するために操舵手段を操舵した場合に、舵角検出手段を通じて当該操舵手段が逆方向へキャンセル戻り角だけ逆方向へ操舵されたことが検出されたとき、車両が減速されていなければ、方向指示動作が自動終了される。ここで、前述したように、キャンセル戻り角は、車速検出手段を通じて取得される車速に応じて操舵手段の相対操舵角として設定されることから、その都度の車速に応じて方向指示動作の自動終了が好適に行われる。
なお、この場合において、キャンセル戻り角は、車速が大きくなるほど小さな値に設定することが好ましい。これは、車速が大きくなるほど操舵手段の操舵角は小さくなるとの想定に基づくものである。
本発明によれば、ターンシグナルによる方向指示動作を的確に自動終了させることができる。
以下、本発明を四輪自動車のターンシグナルに具体化した一実施の形態を図1〜図6に基づいて説明する。ターンシグナルは、車両の前後にそれぞれ設けられる左右一対のターンランプを点滅動作させることにより自車両の進行方向を他車両の運転者等に知らせる方向指示動作を行うものでる。
<ターンシグナルの操作概要>
ターンシグナルは、図1に示すように、車両のステアリングコラムに設けられるレバースイッチ装置11を通じて操作される。レバースイッチ装置11は、前記ステアリングコラムに固定される本体ケース12と、この本体ケース12に片持ち支持されてターンシグナルを操作する操作レバー13とを備えてなる。図2に示されるように、本体ケース12の内部には、ブラケット14が互いに直交する第1及び第2の軸15,16を中心として回転可能に支持されている。ブラケット14には前記操作レバー13の基端部が固定されて当該操作レバー13の基端部と反対側の先端部は前記ステアリングコラムの外部に突出している。
したがって、図1に示されるように、操作レバー13は、例えば運手者による操作力が加えられた際には、ブラケット14と共に第1の軸15を中心としてXYZ座標系におけるXY平面内において矢印a1,a2で示す方向へ所定角度だけ傾動するとともに、第2の軸16を中心としてXYZ座標系におけるYZ平面内において矢印b1,b2で示す方向へ所定角度だけ傾動する。また、この操作レバー13の先端部にはロータリースイッチ17が設けられている。そして、このロータリースイッチ17は、操作レバー13の長手方向へ延びる中心軸を中心として図1に矢印c1,c2で示す方向へ所定角度だけ回転する。
操作レバー13は、その中心軸が図2に一点鎖線で示される操作中立位置O1に保持されている。そして、操作レバー13は、操作中立位置O1に保持された状態で矢印a1方向への操作力が付与されると、ブラケット14と共に第1の軸15を中心として図2に一点鎖線で示される左折操作位置O2まで傾動し、車両の前後にそれぞれ設けられる図示しない左側ターンランプが点滅する。矢印a1方向への操作力が解除されると、図示しない復帰機構の作用により、操作レバー13は操作中立位置O1へ復帰する。操作レバー13が操作中立位置O1に復帰した場合であれ、左側ターンランプの点滅は継続される。
また、操作レバー13は、操作中立位置O1に保持された状態で矢印a2方向への操作力が付与されると、ブラケット14と共に第1の軸15を中心として図2に一点鎖線で示される右折操作位置O3まで傾動し、車両の前後にそれぞれ設けられる図示しない右側ターンランプが点滅する。矢印a2方向への操作力が解除されると、前記復帰機構の作用により、操作レバー13は操作中立位置O1へ復帰する。操作レバー13が操作中立位置O1に復帰した場合であれ、右側ターンランプの点滅は継続される。
なお、操作レバー13が図1に示される矢印b1,b2方向へ操作されることにより、車両のヘッドライトの照射が上向きになるように図示しないディマスイッチ(ハイビーム及びロービームの切換スイッチ)が切り換えられる。操作レバー13は、矢印b1方向へ操作されたときにはその操作位置が保持される一方、矢印b2方向へ操作されたときには当該方向への操作力が付与されている間だけその操作位置が保持される。また、ロータリースイッチ17が図1に示される矢印c1,c2方向へ回転操作されることにより、車両のスモールランプ及びヘッドライトの点灯及び消灯が切り替えられる。
<電気的な構成>
次に、前述したレバースイッチ装置11を通じて操作されるターンシグナルの電気的な構成を説明する。
図3に示されるように、ターンシグナル20の制御回路21は、図示しないCPU、ROM及びRAM等から構成されている。ROMには、ターンシグナル20の全体を統括的に制御するための各種の制御プログラム及びデータが格納されている。当該制御プログラムには、例えば右左折用のターンランプの点灯制御を行うための点灯制御プログラムが含まれている。また、前記データには、例えば前記点灯制御プログラムを実行した際に参照されるデータとして、例えば車両の走行速度がいわゆる低速域にあるのか高速域にあるのかを判断するための基準として設定された車速判定閾値V1hが格納されている。RAMはROMに格納された制御プログラムを展開してマイクロコンピュータが各種の処理を実行するためのデータ記憶領域、すなわち作業領域である。
制御回路21には、車両の走行速度を検出する車速センサ22、及びステアリングホイールSHの操舵角を検出する舵角センサ23、並びにレバースイッチ装置11の操作に連動してオンオフするターンスイッチ24が接続されている。また、制御回路21には、駆動回路25を介して、2つの左側ターンランプ26a,26b及び2つの右側ターンランプ27a,27bが接続されている。これら左側ターンランプ26a,26b及び右側ターンランプ27a,27bは、車両の前後左右に1つずつ設けられる。
車速センサ22は、車両の走行速度を検出し、その検出した速度に応じた車速検出信号を制御回路21へ出力する。
舵角センサ23は、運転者によってステアリングホイールSHが回転操作された際に、その回転角度である操舵角を検出し、その検出された操舵角に応じて舵角検出信号を制御回路21へ出力する。詳述すると、舵角センサ23は、ステアリングホイールSHが舵角中点(車両直進時の操舵角)を基準として左右いずれの方向へ回転操作されたのかを検出して、いずれの場合であれ舵角中点を基準とする正の値の操舵角情報を前記舵角検出信号として出力する。なお、当該操舵角情報にはステアリングホイールSHが左右いずれの方向へ操舵されたのかを示す操舵方向情報が含まれる。
ターンスイッチ24は、双投形のいわゆるc接点であって、グランドに接続された可動接点24a、並びに制御回路21に接続された第1及び第2の固定接点24b,24cを備えてなる。可動接点24aは操作レバー13の傾動操作に連動して、第1及び第2の固定接点24b,24cに対する接続状態が切り換わる。すなわち、操作レバー13が操作中立位置O1にあるときには、図3に実線で示されるように、可動接点24aは第1及び第2の固定接点24b,24cのいずれに対しても非接続状態となる。操作レバー13が左折操作位置O2にあるときには、可動接点24aは第1の固定接点24bに、また、操作レバー13が右折操作位置にあるときには、可動接点24aは第2の固定接点24cに接続された状態となる。
制御回路21は、操作レバー13が操作中立位置O1から左折操作位置O2へ傾動操作されてターンスイッチ24の可動接点24aが第1の固定接点24bに接続されたことを検出すると、駆動回路25を通じて2つの左側ターンランプ26a,26bに駆動電流を間欠的に供給することにより、これら左側ターンランプ26a,26bを点滅させる。また、制御回路21は、操作レバー13が右折操作位置O3に回動操作されてターンスイッチ24の可動接点24aが第2の固定接点24cに接続されたことを検出すると、駆動回路25を通じて2つの右側ターンランプ27a,27bに駆動電流を間欠的に供給することにより、これら右側ターンランプ27a,27bを点滅させる。
また、制御回路21は、左側ターンランプ26a,26b又は右側ターンランプ27a,27bの点滅を通じて車両の進行方向を周辺に合図する方向指示動作を開始したとき、前記車速センサ22を通じて取得される車速及び前記舵角センサ23を通じて取得される操舵角に基づき車両の走行状態が車線変更及び右左折のいずれであるかを判断する。そして制御回路21は、当該判断結果に応じて方向指示動作の終了タイミングを設定し、当該終了タイミングに基づき方向指示動作を自動終了させる。具体的には、2つの左側ターンランプ26a,26b又は2つの右側ターンランプ27a,27bへの駆動電流の供給を停止することにより、これら左側ターンランプ26a,26bを消灯させる。なお、当該方向指示動作の終了タイミングの設定については後に詳述する。
<ターンシグナルの動作>
次に、前述のように構成したターンシグナルの動作を図4、並びに図5(a)〜図5(c)に示されるフローチャートに従って説明する。このフローチャートは、操作レバー13が傾動操作されてターンスイッチ24の可動接点24aが第1の固定接点24b又は第2の固定接点24cに接続されたことを制御回路21が検出した場合に、当該制御回路21によりそのROMに格納された点灯制御プログラムに従って実行される。なお、通常は、操作レバー13は操作中立位置O1に保持されて、左側ターンランプ26a,26b及び右側ターンランプ27a,27bは消灯状態に保たれる。そして、右左折又は車線変更等する際には、運転者はその旨を周辺に合図するべく操作レバー13の傾動操作を通じて左側ターンランプ26a,26b又は右側ターンランプ27a,27bを点滅させる。
さて、図5(a)のフローチャートに示されるように、運転者による操作レバー13の傾動操作を通じてターンスイッチ24がオン、すなわち可動接点24aが第1又は第2の固定接点24b,24cに接続されると、左側ターンランプ26a,26b又は右側ターンランプ27a,27bが点滅する。そして、制御回路21は、ターンスイッチ24がオンされたこと、すなわち可動接点24aが第1又は第2の固定接点24b,24cに接続されたことを検出すると(ステップS101)、このとき舵角センサ23を通じて取得されるステアリングホイールSHの操舵角θを、当面の最大操舵角θmaxとしてRAMに格納する(ステップS102)。以後、制御回路21は、所定のサンプリング周期で舵角センサ23を通じて取得される操舵角θと前記RAMに格納されている最大操舵角θmaxとの比較に基づき随時、最大操舵角θmaxの値を更新する。また、制御回路21は、このとき車速センサ22を通じて取得される車両の走行速度である車速Vを車速の初期値V1としてRAMに格納する(ステップS103)。なお、ステップS102及びステップS103の処理については、これらの処理順序を逆にしてもよい。
次に、制御回路21は、現在の車両の走行状態がいわゆる低速走行状態であるか否かを判断する(ステップS104)。すなわち、前述したステップS103においてRAMに格納した車速の初期値V1が、ROMに予め格納されている車速判定閾値V1hよりも大きいか否かを判断する。前述したように、この車速判定閾値V1hは車両の走行速度が低速域か否かを判断する際の基準として予め定められたものであって、ここでは例えば20km/hとされている。
<低速走行状態>
制御回路21は、車速の初期値V1が車速判定閾値V1hよりも小さい旨判断した場合(ステップS104でNO)には、車両は低速走行状態であって右左折が行われる蓋然性が高いとして、丸数字の1で示される結合子により結合される図5(b)のステップS105へ処理を移行する。当該判断は、通常、右左折時には減速されて車速は小さくなるとの想定に基づき行われる。
そしてステップS105では、制御回路21は、図4(a)に示されるように、ステアリングホイールSHが操舵中立位置(直進時の位置)にあるときの操舵角である舵角中点を基準とする絶対回転角度としてキャンセル準備角θ1を設定するとともに、当該キャンセル準備角θ1に応じてキャンセル角θ2(<θ1)を設定する。これらキャンセル準備角θ1及びキャンセル角θ2は、車両の走行状態が右左折である旨判断した場合において、継続している方向指示動作を終了させるか否かの判断を行うために使用される。すなわち、右左折時における方向指示動作の終了タイミングは、これらキャンセル準備角θ1及びキャンセル角θ2により決定される。また、これらキャンセル準備角θ1及びキャンセル角θ2は、その時々の車速に応じて設定される。具体的には、キャンセル準備角θ1及びキャンセル角θ2は、車速が小さいほど程大きな値に、逆に車速が大きい程小さな値に設定される。ここでは、車速が比較的小さい場合について考えていることから、キャンセル準備角θ1及びキャンセル角θ2は、比較的大きな値、例えば数十度程度に設定される。制御回路21は、これらキャンセル準備角θ1及びキャンセル角θ2を前記RAMに格納する。
続いて制御回路21は、舵角センサ23を通じて取得されるステアリングホイールSHの現在の操舵角θが前記ステップS105で設定したキャンセル準備角θ1よりも大きいか否かを判断する(ステップS106)。制御回路21は、現在の操舵角θがキャンセル準備角θ1以下である旨判断した場合(ステップS106でNO)には、当該ステップS106の処理を繰り返す。制御回路21は、現在の操舵角θがキャンセル準備角θ1よりも大きい旨判断した場合(ステップS106でYES)には、ステップS107へ処理を移行する。このように、ステアリングホイールSHの操舵角θがキャンセル準備角θ1を越えるまで、このステップS106の処理は繰り返される。すなわち、左側ターンランプ26a,26b又は右側ターンランプ27a,27bの点滅動作が継続される。
ステップS107では、制御回路21は、ステアリングホイールSHの現在の操舵角θが前記ステップS105で設定したキャンセル角θ2よりも小さいか否かを判断する。制御回路21は、現在の操舵角θがキャンセル角θ2以上である旨判断した場合(ステップS107でNO)には、当該ステップS107の処理を繰り返す。制御回路21は、現在の操舵角θがキャンセル角θ2よりも小さい旨判断した場合(ステップS107でYES)には、ステップS108へ処理を移行する。このように、ステアリングホイールSHの操舵角θが前述したキャンセル準備角θ1を超えた後にあっては、当該操舵角θがキャンセル角θ2よりも小さくなるまで、このステップS107の処理は繰り返される。すなわち、左側ターンランプ26a,26b又は右側ターンランプ27a,27bの点滅動作が継続される。
ステップS108では、制御回路21は方向指示動作のキャンセル処理を行う。すなわち、制御回路21は、左側ターンランプ26a,26b又は右側ターンランプ27a,27bへの駆動電流の供給を遮断する。これにより、左側ターンランプ26a,26b又は右側ターンランプ27a,27bが消灯することにより方向指示動作が自動終了される。制御回路21は、こうした方向指示動作のキャンセル処理が完了すると当該点灯制御プログラムに係る処理を終了する。
以上のように、車両が低速走行状態にあって方向指示動作が開始された場合には、右左折が行われる蓋然性が高いとして、ステアリングホイールSHがキャンセル準備角θ1を超えて回転操作された後に、キャンセル角θ2を下回る位置まで逆方向へ回転操作されたときに、方向指示動作が自動的に終了される。ここで、前述したように、車速が比較的小さい場合(本実施の形態では、車速が車速判定閾値V1h未満である場合)には、一般的に、ステアリングホイールSHの操舵角θが大きいことからキャンセル準備角θ1は比較的大きく設定される。そして当該キャンセル準備角θ1に応じてキャンセル角θ2を設定することにより、ステアリングホイールSHの操舵角θが比較的大きい場合であれ、方向指示動作を適切に自動終了させることができる。これにより、例えば交差点で右左折している途中で運転者の意思に反して方向指示動作が自動終了されるといった不具合を回避することができる。このように、キャンセル準備角θ1及びキャンセル角θ2により決定されるタイミングで方向指示動作のキャンセル処理を行うことにより、車両の右左折時において好適な方向指示動作が行われる。
<中高速走行状態>
一方、制御回路21は、前述したステップS104において、車速の初期値V1が車速判定閾値V1hよりも大きい旨判断した場合(ステップS104でYES)には、車両は低速走行状態でない、すなわち中高速走行状態(ここでは、20km/hを越える速度)であるとして、ステップS109へ処理を移行する。
このステップS109では、制御回路21は、図4(b)に示されるように、ステアリングホイールSHの操舵中立位置を基準とする絶対回転角度としてキャンセル準備角θ1を比較的小さく設定するとともに、当該キャンセル準備角θ1に応じてキャンセル角θ2を設定する。ここで、キャンセル準備角θ1及びキャンセル角θ2は、前述したように車速に応じて設定されるところ、ここでは車速の初期値V1が車速判定閾値V1hよりも大きいことから、前述のステップS105において設定されるキャンセル準備角θ1及びキャンセル角θ2よりも小さな値とされる。一般に車速が大きくなるほどステアリングホイールSHの操舵角θは小さくなることから、これに合わせてキャンセル準備角θ1及びキャンセル角θ2を設定することにより、実際のステアリングホイールSHの操作に好適に対応させることができる。そして制御回路21は、これらキャンセル準備角θ1及びキャンセル角θ2を前記RAMに格納する。
続いて制御回路21は、舵角センサ23を通じて取得されるステアリングホイールSHの現在の操舵角θに基づき現在車両が車線変更をしているか否かを判断する。すなわち、制御回路21は、ステアリングホイールSHの現在の操舵角θが前記ステップS109で設定したキャンセル準備角θ1よりも大きいか否かを判断する(ステップS110)。
制御回路21は、現在の操舵角θがキャンセル準備角θ1よりも大きい旨判断した場合(ステップS110でYES)には、車線変更ではなく右左折が行われる蓋然性が高いとして、丸数字の2で示される結合子により結合される図5(c)のステップS111へ処理を移行する。当該判断は、車線変更の際にはそれほど大きくステアリングホイールSHは回転操作されることはなくその操舵角θがキャンセル準備角θ1を越えることはないという想定に基づくものである。
このステップS111において、制御回路21は、現在の操舵角θが前述のステップS109において設定されたキャンセル角θ2よりも小さいか否かを判断する。制御回路21は、現在の操舵角θがキャンセル角θ2よりも大きい旨判断した場合(ステップS111でNO)には、当該ステップS111の判断を繰り返す。そして、制御回路21は、前記ステップS111において、現在の操舵角θがキャンセル角θ2よりも小さい旨判断した場合(ステップS111でYES)には、ステップS112へ処理を移行する。このように、低速走行状態ではない旨判断された場合に、ステアリングホイールSHの操舵角θがキャンセル準備角θ1を越えたときには、キャンセル角θ2を下回るまで、前述のステップS111の処理が繰り返される。すなわち、左側ターンランプ26a,26b又は右側ターンランプ27a,27bの点滅動作が継続される。
ステップS112では、前述したステップS108の処理と同様にして、方向指示動作のキャンセル処理を行うことにより方向指示動作を自動終了させた後、当該点灯制御プログラムに係る処理を終了する。
このように、車両が中高速走行状態にあって方向指示動作が開始された際にステアリングホイールSHがキャンセル準備角θ1を越えて回転操作された場合には、右左折が行われる蓋然性が高いとして、ステアリングホイールSHがキャンセル角θ2を下回るまで逆回転されたときに方向指示動作が自動的にキャンセルされる。このようなタイミングで方向指示動作のキャンセル処理を行うことにより、中高速走行状態である車両の右左折時において好適な方向指示動作が行われる。
一方、前述のステップS110において、制御回路21は、現在の操舵角θがキャンセル準備角θ1よりも小さい旨判断した場合(ステップS110でNO)には、車両は右左折ではなく車線変更がなされる蓋然性が高いとして、ステップS113へ処理を移行する。当該判断は、前述したように、車線変更の際にはそれほど大きくステアリングホイールSHは回転操作されることはなくその操舵角θがキャンセル準備角θ1を越えることはないとの想定に基づくものである。
このステップS113では、制御回路21は、ステアリングホイールSHの現在の操舵角θが、RAMに格納されたこの時点での最大操舵角θmaxよりも大きいか否かを判断する。
制御回路21は、現在の操舵角θが前記RAMに格納された最大操舵角θmaxよりも大きい旨判断した場合(ステップS113でYES)には、当該操舵角θを新たな最大操舵角θmaxとしてRAMに格納し(ステップS114)、ステップS115へ処理を移行する。当該判断がなされる車両の状態としては、右車線から左車線或いは左車線から右車線へ車線変更する場合において、ステアリングホイールSHがその操舵角θが大きくなる方向へ現在も回転操作されている途中である状況が想定される。
また、制御回路21は、前述のステップS113の判断において、現在の操舵角θが前記RAMに格納されたこの時点での最大操舵角θmaxよりも小さい旨判断した場合(ステップS113でNO)には、ステップS115へ処理を移行する。当該判断がなされる車両の状態としては、車線変更時において、ステアリングホイールSHがその操舵角θが大きくなる方向へ最大限に回転操作された後に操舵中立位置(直進時の位置)側へ戻されている途中である状況が想定される。
そしてステップS115において、制御回路21は、ステアリングホイールSHの戻り角θmを次に示される演算式(A)に基づき演算する。この戻り角θmは、これまでの最大操舵角θmaxに対して、ステアリングホイールSHが操舵中立位置側へ現在どの程度だけ戻されているかを示す角度(相対角)である。
θm=θmax−θ ・・・(A)
ここで、θmaxは、このときRAMに格納されている最大操舵角、またθはこのときの実際の操舵角である。
続いて制御回路21は、図4(c)に示されるように、相対回転角度としてキャンセル戻り角θ3を設定し(ステップS116)、ステップS117へ処理を移行する。このキャンセル戻り角θ3は、車両の走行状態が車線変更である旨判断した場合において、継続している方向指示動作を終了させるか否かの判断を行うために使用される。すなわち、車線変更時における方向指示動作の終了タイミングは、当該キャンセル戻り角θ3により決定される。また、キャンセル戻り角θ3は、その時々の車速に応じて設定される。具体的には、キャンセル戻り角θ3は、車速が小さいほど程大きな値に、逆に車速が大きい程小さな値に設定される。ここでは、車速が比較的大きい場合(本実施の形態では、車速が車速判定閾値V1hを超える場合)について考えていることから、キャンセル戻り角θ3は比較的小さな値、例えば数度程度に設定される。
なお、このステップ116の処理は、前述のステップS110の判断とステップS113との間の処理として実行してもよいし、ステップS115の前のタイミングで実行するようにしてもよい。
そしてステップS117において、制御回路21は、前述のステップS115において算出した戻り角θmが、前述のステップS116において設定したキャンセル戻り角θ3よりも大きいか否かを判断する。制御回路21は、戻り角θmがキャンセル戻り角θ3よりも小さい旨判断した場合(ステップS117でNO)には、車線変更の途中であるとして、前述のステップS109へ処理を移行する。また、制御回路21は、戻り角θmがキャンセル戻り角θ3よりも大きい旨判断した場合(ステップS117でYES)には、車線変更が終了したとして、ステップS118へ処理を移行する。
ステップS118において、制御回路21は、ターンスイッチ24がオンされたときを基準として車両の減速の有無を判断する。すなわち、制御回路21は、このとき車速センサ22を通じて取得される現在の車速Vが、前述のステップS103でRAMに格納された車速の初期値V1に所定の係数kを乗じた値である減速判定閾値(=k・V1)よりも大きいか否かを判断する。ここで係数kは1以下の値に設定される。またこの係数kは、0.7〜0.9が好適とされているところ、本実施の形態では、係数kの値として0.8が採用されている。
制御回路21は、現在の車速Vが減速判定閾値よりも小さい旨判断した場合(ステップS118でNO)には、車両が減速されている、すなわち右左折の可能性があるとして、丸数字の1で示される結合子により結合される図5(b)のステップS105へ処理を移行する。そして、制御回路21は、前述したように、ステップS105においてキャンセル準備角θ1及びキャンセル角θ2を設定する。この後、制御回路21は、ステップS106及びステップS107の判断を通じて、ステアリングホイールSHがキャンセル準備角θ1を超えて回転操作された後にキャンセル角θ2を下回る位置まで逆回転操作されたことを認識すると、方向指示動作のキャンセル処理を実行して当該方向指示プログラムに係る処理を終了する。
一方、制御回路21は、ステップS118において、現在の車速Vが減速判定閾値よりも大きい旨判断した場合(ステップS118でYES)には、車両は減速されていない、すなわち車線変更がなされている蓋然性が高いとして、方向指示動作のキャンセル処理を実行し(ステップS119)、当該キャンセル処理が完了すると当該方向指示プログラムに係る処理を終了する。
以上のように、その時々の車速V及び操舵角θに基づき車両が車線変更している旨判断した後において、方向指示動作のキャンセル処理を実行する前に車両の減速の有無を再度判断することにより、その時々の車両の状態を的確に把握可能となる。そして、車線変更後の右左折の可能性の有無の判断結果に基づき方向指示動作の終了タイミングを設定することにより、車両のその時々の状態に応じて的確に方向指示動作を自動終了させることができる。
詳述すると、本実施の形態のターンシグナルでは、車線変更の蓋然性が高い旨判断された場合において、ステアリングホイールSHがキャンセル戻り角θ3だけ戻されたときに、車両の減速の有無に基づき車線変更か右左折かが最終的に判断される。そして、再度車線変更である旨判断されたときには方向指示動作が即時にキャンセルされ、右左折である旨判断したときには方向指示動作がキャンセルされることはない。
例えば中高速走行中において、左に車線変更してすぐに左折、又は右に車線変更してすぐに右折するような状況も想定されるところ、こうした状況が好適に判断されることから、車線変更した時点で方向指示動作がキャンセルされることはない。すなわち、車線変更後の右左折が完了するまでは方向指示動作は継続して行われる。このように、車線変更に続けて行われる右左折等にも好適に対応することができる。したがって、車線変更時等において方向指示動作のキャンセルが過度に行われることはなく、ターンシグナルによる方向指示動作を的確に自動終了させることができる。
ちなみに、前述した従来技術では、例えば車線変更時等のようにステアリングホイールの操舵角が比較的小さい場合に好適に対応するために、車速に応じてキャンセル準備角及びキャンセル角を一様に設定するようにしている。そしてこれ故に、中高速走行時において車線変更してすぐに右左折するような場合には、ステアリングホイールを僅かに逆回転操作しただけで、すなわち車線変更した時点で方向指示動作がキャンセルされるということが生じ得る。このように、前記従来技術では、車線変更時における方向指示動作のキャンセルが過度に行われることが懸念される。そしてこの場合には、運転者は、操作レバーを左折操作位置又は右折操作位置へ再び操作する必要性が生じる。本実施の形態によれば、このような煩わしさはない。
<実施の形態の効果>
したがって、本実施の形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)ターンシグナルの制御回路21は、方向指示動作が開始されたとき、車速センサ22を通じて取得される車速及び舵角センサ23を通じて取得されるステアリングホイールSHの操舵角に基づき車両の走行状態が車線変更及び右左折のいずれであるかを判断し、当該判断結果に応じて方向指示動作の終了タイミングを設定する。そして、当該制御回路21は、車両の走行状態が車線変更である旨判断して方向指示動作を終了させる際に、方向指示動作の開始時を基準とする車速の変化に基づき車両の減速の有無を判断し、減速されている旨判断したときには方向指示動作を継続する一方、減速されていない旨判断したときには方向指示動作を終了させる。
ここで、車両の走行状態としては、様々な状況が想定されるところ、例えば車線変更してすぐに或いは少ししてから右左折するといった状況も想定される。このような右左折の可能性を何ら考慮することなく、車線変更であるとの判断結果に基づき設定される方向指示動作の終了タイミングで方向指示動作が終了されたときには、これが実際の状況にそぐわないことが懸念される。具体的には、右左折が終了するまで方向指示動作が継続して行われることが好ましいところ、車線変更が終了した時点で方向指示動作が終了されるという状況も考えられる。
この点、本実施の形態では、前述したように、車両の走行状態が車線変更である旨判断された場合であっても、実際に方向指示動作を終了させる際に、方向指示動作が開始されたときを基準とする車速の変化に基づき車両の減速の有無を判断し、減速されている旨判断したときには、右左折が行われる可能性があるとして、方向指示動作が継続して行われる。これは、車両の右左折時には、通常、減速されるとの想定に基づくものである。したがって、実際の車両の走行状態に即して的確に方向指示動作を自動終了させることができる。
(2)制御回路21は、車両の減速の有無は、方向指示動作の開始時の車速に基づき設定される減速判定閾値と方向指示動作を終了させる際の車速との比較に基づき判断するようにした。そして、制御回路21は、前記減速判定閾値は、方向指示動作の開始時の車速(初期値V1)に0より大きく且つ1未満の係数kを乗じた値に設定するようにした。
方向指示動作の開始時の車速よりも小さな値となる減速判定閾値と方向指示動作を終了させる際の車速との比較に基づき車両の減速の有無が判断されることから、車両が減速されている旨過度に判断されることを回避することができる。例えば車線変更の場合であれ、方向指示動作が開始された後に若干の減速がなされることも多く想定されるところ、このような場合にも右左折の可能性があるとして方向指示動作が継続されることになれば、これは車両の実際の状況にそぐわないことになる。
この点、本実施の形態によれば、減速の有無の判断基準となる減速判定閾値を方向指示動作の開始時の車速よりも小さく設定することにより、すなわち減速の有無の判断基準を緩くすることにより、単なる車線変更であるにも関わらず、右左折の可能性がある旨誤判断されて方向指示動作が継続して行われることを抑制することができる。また、減速の有無の判断基準を緩くすることにより、右左折の可能性の判断はより的確なものとなる。これは、前述したように、右左折時には大きく減速されることが多いとの想定に基づくものである。したがって、本実施の形態によれば、実際の車両の走行状態に即していっそう的確に方向指示動作を自動終了させることができる。
(3)制御回路21は、車両の走行状態が右左折である旨判断した場合には、車速センサ22を通じて取得される車速に応じて方向指示動作のキャンセル準備角θ1及び当該キャンセル準備角θ1よりも小さな値のキャンセル角θ2をステアリングホイールSHの操舵中立位置に対応する舵角中点からの絶対角として設定するようにした。そして制御回路21は、舵角センサ23を通じて取得される前記舵角中点を基準とする絶対操舵角がキャンセル準備角θ1を超えた後にキャンセル角θ2未満となったときに方向指示動作を終了させるようにした。
このため、運転者が右左折するためにステアリングホイールSHを操舵した場合に、当該ステアリングホイールSHがキャンセル準備角θ1を越える位置まで操舵された後に、キャンセル角θ2を下回る位置まで逆方向へ操舵されたときに方向指示動作が自動終了される。ここで、前述したように、キャンセル準備角θ1及びキャンセル角θ2は、車速センサ22を通じて取得される車速に基づき舵角中点からの絶対角として設定されることから、その都度の車速に応じて方向指示動作の自動終了が好適に行われる。例えばキャンセル準備角θ1及びキャンセル角θ2は車速が大きいほど小さな値に、逆に車速が小さいほど大きな値に設定する。これは、車速が大きいほどステアリングホイールSHの操舵角は小さく、また車速が小さいほどステアリングホイールSHの操舵角は大きくなるとの想定に基づくものである。
(4)制御回路21は、車両の走行状態が車線変更である旨判断した場合には、車速センサ22を通じて取得される車速に応じて方向指示動作のキャンセル戻り角θ3をステアリングホイールSHの相対操舵角として設定するようにした。そして制御回路21は、当該ステアリングホイールSHが所定方向へ回転操作された後に、キャンセル戻り角θ3だけ逆方向へ操作された旨舵角センサ23を通じて検出した場合に、減速されていない旨判断したときには、方向指示動作を終了させるようにした。
ここで、キャンセル戻り角θ3は、車速センサ22を通じて取得される車速に応じてステアリングホイールSHの相対操舵角として設定されることから、車線変更時において、その都度の車速に応じて方向指示動作の自動終了が好適に行われる。特に、高速道路の走行時等に車線変更する場合には、ステアリングホイールSHの操舵角は極めて小さなものになることも想定される。このような場合であれ、キャンセル戻り角θ3を車速に応じて小さな値に設定することにより、車線変更時においてステアリングホイールSHが操舵された後に僅かに逆方向へ操舵されることにより方向指示動作を好適に自動終了させることができる。
<他の実施の形態>
なお、本実施の形態は、次のように変更して実施してもよい。
・本実施の形態では、制御回路21は、車速Vが車速判定閾値V1hを超え且つ操舵角θがキャンセル準備角θ1以下である場合には、車両は車線変更をしている旨判断してキャンセル戻り角θ3を設定する。そしてこの後、制御回路21は、ステアリングホイールSHの戻り角θmがキャンセル戻り角θ3を越えたとき(図5(a)のステップS117でYES)には、方向指示動作の開始時を基準として車両の減速の有無を判断する(図5(a)のステップS118。)。
ここで、当該減速の有無の判断は、図6にタイミングt1で示すように、ステアリングホイールSHの戻り角θmがキャンセル戻り角θ3を越えたときに即時に実行してもよい。また、同図にタイミングt2で示すように、ステアリングホイールSHの戻り角θmがキャンセル戻り角θ3を越えた後、次に左側ターンランプ26a,26b又は右側ターンランプ27a,27bが点灯する直前のタイミングで前記減速の有無の判断を行うようにしてもよい。
このように、車両の減速の有無の判断は、前述のいずれのタイミングで実行してもよいが、実際には後者のタイミングで減速の有無の判断を行うことが好ましいと想定される。これは次の理由による。例えば右左折時において、車両は方向指示動作を開始した後に少し空走してから減速するということもある。このように、方向指示動作を開始してから時間が経過するほど、車速の変化(ここでは、減速度)が顕著に現れる場合も多いと想定される。このため、方向指示動作を開始してからある程度時間が経過してから車両の減速の有無を判断することにより、当該判断はより的確なものとなる。
具体的には、前述した後者のタイミングによれば、方向指示動作の終了タイミングとしてステアリングホイールSHの戻り角θmがキャンセル戻り角θ3を越えたときから、左側ターンランプ26a,26b又は右側ターンランプ27a,27bが次に点灯する直前までの時間の分だけ、減速の有無の判断を遅延させることができる。したがって、方向指示動作の前記終了タイミングに基づき即時に減速の有無の判断を行うようにした場合に比べて、車速の変化、ここでは車速の減速の有無の判断をいっそうより的確に行うことができる。
・本実施の形態では、方向指示動作開始時の車速V、すなわち車速Vの初期値V1に係数k(≦1)を乗じて設定される減速判定閾値を左車線から右車線への車線変更時と右車線から左車線への車線変更時とで同じ値としたが、異ならせるようにしてもよい。すなわち、減速の有無の判断において、ターンスイッチ24のオン時に取得した車速V(=初期値V1)に乗算する係数kの値を、左車線から右車線への車線変更時と右車線から左車線への車線変更時とで次のように設定する。
例えば図7に示すように、車線変更して直進する場合、左車線から右車線へ車線変更する場合には大きな減速を伴わないことが多いと想定される。一方、右車線から左車線へ車線変更する場合にはある程度の減速を伴うことが多いと想定される。また、右折する際には左折する際に比べ車両の旋回半径が大きいため、車速が速い(大きくなる)可能性がある。このため、左車線から右車線への車線変更である旨判断した場合には、前記係数kの値として例えば0.9を、また右車線から左車線への車線変更である旨判断した場合には、前記係数kの値として例えば0.7を採用してもよい。このようにしても、本当に車線変更であるか否かの判断を的確に行うことができる。なお、車線変更が左右いずれの方向なのかは、ターンスイッチ24の操作方向により判断することができる。
・本実施の形態では、キャンセル準備角θ1及びキャンセル角θ2、並びにキャンセル戻り角θ3を、その都度の車速に応じて設定するようにしたが、これらを定められた固定値とするようにしてもよい。このようにした場合であれ、車線変更である旨判断した場合に方向指示動作をキャンセルするに際して、車速の変化に基づき車線変更後の右左折の可能性を確認することにより、実際の車両の走行状態に即して的確に方向指示動作を自動終了させることができる。
・本実施の形態では制御回路21は、車線変更である旨判断した場合(図5(a)のステップS110でNO)に、キャンセル戻り角θ3を設定してステアリングホイールSHが当該キャンセル戻り角θ3だけ逆回転操作されたときに減速がなければ方向指示動作を自動終了させるようにしたが、次のようにしてもよい。すなわち、車線変更である旨判断した場合に、キャンセル準備角θ1及びキャンセル角θ2を右左折時に設定される値(数十度)よりもさらに小さな値(数度)に設定し、ステアリングホイールSHがキャンセル準備角θ1を超えて回転操作された後にキャンセル角θ2未満を下回るまで逆回転操作されたときに減速がなければ方向指示動作を自動終了させる。このようにした場合であれ、車両のその時々の走行状態に応じて、方向指示動作を的確に自動終了させることができる。
・本実施の形態では、右左折である旨判断した場合(図5(a)のステップS104でNO、ステップS110でYES、ステップS118でNO)に、キャンセル準備角θ1及びキャンセル角θ2を設定するようにした。そして、ステアリングホイールSHがキャンセル準備角θ1を超えて回転操作された後にキャンセル角θ2未満を下回るまで逆回転操作されたときに方向指示動作を自動終了させるようにしたが、次のようにしてもよい。すなわち、右左折である旨判断された場合に、キャンセル戻り角θ3を車線変更時に設定される値(数度)よりもさらに大きな値(数十度)に設定し、ステアリングホイールSHが回転操作されてから当該キャンセル戻り角θ3だけ逆回転操作されたときに、方向指示動作を自動終了させる。このようにした場合であれ、車両のその時々の走行状態に応じて、方向指示動作を的確に自動終了させることができる。
・本実施の形態では、操作レバー13への操作力が解除されたときに、当該操作レバー13を操作中立位置O1へ常に自動復帰させる復帰機構を設けたが、次のようにしてもよい。すなわち、操作レバー13が操作中立位置O1から左折操作位置O2又は右折操作位置O3に傾動操作されたときに、当該操作レバー13をこれらの位置に保持する保持機能を前記復帰機構に付加する。そして、当該復帰機構は、制御回路21からの指令に基づき当該操作レバー13の保持を解除して操作中立位置O1へ自動復帰させる。このような構成を採用した場合であれ、前記実施の形態と同様に、実際の車両の走行状態に即して的確に方向指示動作を自動終了させることができる。
・本実施の形態では、自家用車及びトラック等の四輪車のターンシグナルに本発明を具体化したが、スクータ及びモータサイクル等の二輪車のターンシグナルとして具体化してもよい。
<他の技術的思想>
次に、前記実施の形態より把握できる他の技術的思想について以下に記載する。
・請求項2に記載のターンシグナル制御装置において、前記車両の走行状態が左車線から右車線への車線変更である旨判断したときは、同じく右車線から左車線への車線変更である旨判断したときよりも、前記係数として大きな値のものを採用するようにしたターンシグナル制御装置。このような構成を採用した場合であれ、車線変更であるか否かの判断を的確に行うことができる。
本実施の形態のターンシグナルの斜視構造を示す斜視図。 同じくターンシグナルの正面構造を示す正面図。 同じくターンシグナルの電気的な構成を示す回路ブロック図。 (a)〜(c)は、同じくキャンセル準備角θ1、キャンセル角θ2、戻り角θ3を説明するためのステアリングホイールの正面図。 (a)〜(c)は、同じく方向指示動作のキャンセル処理の処理手順を示すフローチャート。 他の実施の形態における減速の有無判断のタイミングを示すターンランプのオンオフ波形図。 他の実施の形態における車両の走行状態のパターンを示す模式図。
符号の説明
13…操作レバー(操作ノブ)、20…ターンシグナル、21…制御回路(ターンシグナル制御装置)、22…車速センサ(車速検出手段)、23…舵角センサ(舵角検出手段)、26a,26b,27a,27b…ターンランプ、SH…ステアリングホイール(操舵手段)、θ…操舵角、θ1…キャンセル準備角(終了準備角)、θ2…キャンセル角(終了角)、θ3…キャンセル戻り角。

Claims (5)

  1. 車両の進行方向を周辺に合図する方向指示動作が開始されたとき、車両に設けられる車速検出手段を通じて取得される車速及び同じく舵角検出手段を通じて取得される操舵手段の操舵角に基づき車両の走行状態が車線変更及び右左折のいずれであるかを判断し、当該判断結果に応じて方向指示動作の終了タイミングを設定するターンシグナル制御装置において、
    車両の走行状態が車線変更である旨判断して前記終了タイミングに基づき方向指示動作を終了させる際に、方向指示動作の開始時を基準とする車速の変化に基づき車両の減速の有無を判断し、減速されている旨判断したときには方向指示動作を継続する一方、減速されていない旨判断したときには方向指示動作を終了させるターンシグナル制御装置。
  2. 請求項1に記載のターンシグナル制御装置において、
    前記車両の減速の有無は、方向指示動作の開始時の車速に基づき設定される減速判定閾値と方向指示動作を終了させる際の車速との比較に基づき判断し、
    前記減速判定閾値は、方向指示動作の開始時の車速に0より大きく且つ1未満の係数を乗じた値に設定するターンシグナル制御装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のターンシグナル制御装置において、
    車両の方向指示動作は、当該車両に設けられるターンランプの点滅制御を通じて行うとともに、前記車両の減速の有無の判断は、車両の走行状態が車線変更である旨の判断結果に基づき設定する前記終了タイミングを基準として前記ターンランプを次に点灯させる直前に行うターンシグナル制御装置。
  4. 請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載のターンシグナル制御装置において、
    前記車両の走行状態が右左折である旨判断した場合には、前記車速検出手段を通じて取得される車速に応じて方向指示動作のキャンセル準備角及び当該キャンセル準備角よりも小さな値のキャンセル角を前記操舵手段の操舵中立位置に対応する舵角中点からの絶対角として設定するとともに、前記舵角検出手段を通じて取得される前記舵角中点を基準とする絶対操舵角が前記キャンセル準備角を超えた後に前記キャンセル角未満となったときを前記終了タイミングとして方向指示動作を終了させるターンシグナル制御装置。
  5. 請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載のターンシグナル制御装置において、
    前記車両の走行状態が車線変更である旨判断した場合には、前記車速検出手段を通じて取得される車速に応じて方向指示動作のキャンセル戻り角を前記操舵手段の相対操舵角として設定し、前記操舵手段が前記キャンセル戻り角だけ逆方向へ操作された旨前記舵角検出手段を通じて検出されたときを前記終了タイミングとして方向指示動作を終了させるターンシグナル制御装置。
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