JP4806493B2 - 水車及び発電装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転羽根車を用いて流水から動力を発生する水車及びその水車の動力から電力を発生する発電装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、設置場所の条件や用途、規模に応じて、様々な水車やその水車を備えた発電装置が開発されている。
【0003】
こうした種々な水車の中でも、回転羽根車の回転軸に沿った方向に流れる水により軸動力を発生する構造の軸流水車は、装置のコンパクト化や低コスト化を図るのに好都合である。例えば、特願平12−224840号や特願平13−40153号には、そのような軸流水車を備えた軸流水車発電装置が提案されている。
【0004】
上述した先行技術に示される軸流水車発電装置は、小川のような小さな水流に対しても適用することができ、産業上の利用価値が高い。今後は、小さな水流から大きな軸動力をより効果的に取り出し、一層大きな電力を得られるようにすることが期待される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
所定の水流から最大限の軸動力を取り出せるようにするには、回転羽根車を回転させるための旋回流をより適切に生成することが重要となる。
旋回流の一般的な生成方法を、図6を用いて説明する。この図6は従来の水車を上部から見た様子を示している。
【0006】
従来は、入口管101から入った水を螺旋状の管102に取り込み、螺旋状に流れる水を複数のガイドベーン103によって整流させ、回転羽根車104へ水が流れるように構成している。このとき、回転羽根車104へ送られる水には、上記過程により旋回流が生じている。
【0007】
図6に示したような方式の水車は、旋回流を確実に生成できる。しかし、軸流の水から旋回流を生成する形態ではないため、水車全体の規模を大きくしてしまうばかりでなく、量産には適さず、製作コストを増加させる傾向がある。
【0008】
また、図6のような方式では、水を中央部に引き込む複数のガイドベーンの開度を調整できるよう、軸などを含む操作機構を備えている。このような複数のガイドベーン操作機構を製作することは、製作コストの高騰を招く。また、これら複数のガイドベーンの開度を流量等の各種条件に応じて調整する必要があるため、調整作業に手間がかかり、全てのガイドベーンを短時間で適正に調整することは困難である。
【0009】
よって、図6のような方式による旋回流の生成方法をそのまま軸流水車に適用することはできない。
【0010】
本発明は、上記実状に鑑みてなされたもので、サイズやコストの増加を招くことなく、簡単な構成で旋回流を適切に生成することのできる水車及び発電装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明に係る水車は、流入する水を受け入れる外筒と、前記外筒の内側に設けられ、前記外筒からの水を内側方向に通過させるための複数の開口部を有する内筒と、前記内筒の複数の開口部を通過した水に基づいて軸動力を発生する回転羽根車とを具備し、前記外筒は受け入れた水の流れを軸流方向から前記内筒の内側方向へ転換させ、かつ、前記水の流れに旋回流成分を付与する構造を有することを特徴とする。
【0012】
前記水車は、前記内筒の内側に回転可能に設けられ、前記内筒の複数の開口部に対向する複数の開口部を有する流量調節管を更に具備し、当該流量調節管を回転させることによって前記内筒の複数の開口部の一部又は全てを塞げるようにしてもよい。
【0013】
前記水車において、前記流量調節管は、単一の筒状部材に複数の穴を開けたものであってもよい。
【0014】
前記水車において、前記流量調節管には当該流量調節管を回転させるためのレバーが取り付けられ、前記外筒と前記内筒との間には前記レバーを通すための管が設けられていてもよい。
【0015】
前記水車は、前記外筒と前記内筒との間に固定され、前記外筒が受け入れた水を前記内筒の複数の開口部に誘導するための複数の仕切り板を具備していてもよい。
【0016】
また、本発明に係る水車発電装置は、流入する水を受け入れる外筒と、前記外筒の内側に設けられ、前記外筒からの水を内側方向に通過させるための複数の開口部を有する内筒と、前記内筒の複数の開口部を通過した水に基づいて軸動力を発生する回転羽根車と、前記外筒の外側に設けられる発電機と、前記回転羽根車の動力を前記発電機に伝達する動力伝達手段とを具備し、前記外筒は受け入れた水の流れを軸流方向から前記内筒の内側方向へ転換させ、かつ、前記水の流れに旋回流成分を付与する構造を有することを特徴とする。
【0017】
前記水車発電装置において、前記動力伝達手段はベルトもしくはチェーンを有しており、前記外筒と前記内筒との間には前記ベルトもしくはチェーンを通すための管が設けられていてもよい。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る水車を含む発電装置の構成を示す図である。図1(a)は発電装置を横から見た平面図を示し、図1(b)は図1(a)におけるA部の断面図を示している。
【0019】
本実施形態の発電装置は、ケーシング1、流量調節管2、発電機3、ランナベーン4、ランナボス5、回転軸6、ベルト7を備えている。
【0020】
図1に示されるケーシング1は、外筒11、内筒12、入口管13、出口管14、2つの仕切り板15、2つの開口部16を備えている。このようなケーシング1の斜視図を図2に示す。この斜視図からわかるように、ケーシング1には、上記要素のほかに、流量調整レバー通し管17やベルト通し管18が備えられる。
【0021】
外筒11は、入口管13を通じて流入する水を受け入れ、受け入れた水の流れを軸流方向から内筒12の内側方向へ90度転換させる構造を有する。
【0022】
内筒12は、外筒11の内側に設けられ、外筒11からの水を2つの開口部16を通じて内側方向に通過させ、通過した後の水をランナベーン4へ送り出す。
【0023】
入口管13は、水車の外部から水を流入し、外筒11へ送り出す。
【0024】
出口管14は、ランナベーン4を通過した後の水を水車の外部へ出す。
【0025】
2つの仕切り板15は、外筒11と内筒12との間に固定され、外筒11が受け入れた水を内筒12の2つの開口部16に誘導する。
【0026】
2つの開口部16は、外筒11からの水を内筒12の内側方向に通過させる。
【0027】
流量調整レバー通し管17は、外筒11と内筒12との間に設けられ、後述する流量調整レバーを通すための管である。
【0028】
ベルト通し管18は、外筒11と内筒12との間に設けられ、ベルト7を通すための管である。
【0029】
一方、図1に示される流量調節管2は、内筒12の内側に回転可能に設けられ、内筒12の2つの開口部16に対向する2つの開口部21を有する。このような流量調節管2の斜視図を図3に示す。この斜視図からわかるように、流量調節管2は、単一の筒状部材に2つの穴を開けたものとして実現される。このような流量調節管2を回転させることによって内筒12の2つの開口部16の一部又は全てを塞げるようになっている。また、この流量調節管2には、上記2つの開口部21のほかに、流量調整レバー22が備えられる。
【0030】
流量調整レバー22は、流量調節管2に取り付けられ、当該流量調節管2を回転させるためのレバーである。この流量調整レバー22を図3中の矢印に示す方向に動かすことにより、流量調節管2が回転し、内筒12の開口部16と流量調節管2の開口部21との両方で形成される窓の面積が変化する(即ち、内筒12の開口部16の塞がれる割合が変化する)。これにより、外筒11から内筒12へ流れ込む水の流量が変化する。また、完全に塞いだ場合、全流量を遮断することができる。この場合、所望の流量が得られる位置で流量調整レバー22を止め、ロック機構などにより固定しておくようにする。
【0031】
なお、流量調整レバー22は、手動で調整するようにしてもよく、自動で調整するようにしてもよい。例えば、コンピュータによるシミュレーションの結果や実測値に基づき、流量が所定の値となるように(上記窓の面積が所定の値となるように)流量調整レバー22を電動で駆動制御するようにしてもよい。
【0032】
図1に示される発電機3は、外筒11の外側に設けられ、ランナベーン4、ランナボス5、回転軸6、及びベルト7で構成される動力伝達機構により伝達される動力に基づいて発電する。このような動力伝達機構の斜視図を図4に示す。
【0033】
ランナベーン4及びランナボス5は、回転羽根車を構成しており、内筒12の2つの開口部16及び流量調節管2の2つの開口部21を通過した水に基づいて回転し、軸動力を発生する。
【0034】
回転軸6は、回転羽根車により発生された軸動力を、プーリに掛けられたベルト7に伝達する。
【0035】
ベルト7は、回転軸6から伝達された動力を、プーリを介して発電機3に伝達する。
【0036】
次に、このように構成された発電装置の作用について説明する。
【0037】
水車の入口管13から水が入ると、その水は外筒11内に送られる。外筒11内に送られた水は、内筒12の外壁によって外筒11内の周縁に導かれる。
【0038】
外筒11内の周縁に導かれた水は、その流れを外筒11の内壁によって軸流方向から内筒12の内側方向へ90度転換されるとともに、2つの仕切り板15によってそれぞれ内筒12の2つの開口部16に誘導され、内筒12の開口部16及び流量調節管2の開口部21を通過してランナベーン4へ送られる。このとき、ランナベーン4へ送られる水には、上記過程により旋回流が生じている。
【0039】
旋回流が発生した水がランナベーン4に当たると、ランナベーン4が効率よく回転し、それ相応の軸動力が回転軸6に発生する。ランナベーン4を通過した水は、出口管14により水車の外部へ送り出される。一方、回転軸6に発生した軸動力は、ベルト7を含む動力伝達機構により発電機3に伝達され、発電機3を発電させる。
【0040】
このように、本実施形態によれば、外筒11内の周縁に導かれた水は、その流れを外筒11の内壁によって軸流方向から内筒12の内側方向へ90度転換されるとともに、2つの仕切り板15によってそれぞれ内筒12の2つの開口部16に誘導され、内筒12の開口部16及び流量調節管2の開口部21を通過するので、旋回流を適切に生成することができ、旋回流により回転されるランナベーン4から大きな軸動力を効果的に取り出し、それ相応の電力を得ることができる。これと同時に、水車や発電装置の構成を簡単にできるので、設計を容易にし、低いコストで製造しやすく、量産を可能とし、小型化しやすく、メンテナンスを行いやすい。また、流量調節に関しても、従来のようなガイドベーンを使用せず、簡単な構成の流量調節管を使用しているので、低コストで安定した流量調節を実現することができる。
【0041】
なお、図1(a)に示した発電装置におけるケーシング1は、図5のように変形して実施してもよい。
【0042】
すなわち、図5に示されるケーシング1は、図1(a)のケーシング1に対して更に、突起部材19や傾斜部材20が設けられる。これらは、外筒11内における摩擦等による流水のエネルギー損失を抑えるために使用される。
【0043】
突起部材19を設けることにより、入口管13から外筒11内に送られた水を外筒11内の周縁へスムーズに導くことができる。また、傾斜部材20を設けることにより、外筒11内の周縁に導かれた水を軸流方向から内筒12の内側方向へスムーズに導くことができる。その他、傾斜部材20と同様な部材を内筒12の内側に設けることにより、内筒12に流入してきた水をスムーズにランナベーン4へ導くことができる。
【0044】
なお、本発明は上述した各実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲で種々変形して実施することが可能である。
【0045】
例えば、上記実施形態では、仕切り板15、開口部16、開口部21をそれぞれ2つずつ備えている場合を説明したが、3つ以上備えた構成にしてもよい。
【0046】
また、上記実施形態では、動力伝達機構にベルト及びプーリを使用したが、これらに代えて、チェーン及びスプロケットを使用してもよい。
【0047】
【発明の効果】
以上詳記したように本発明によれば、サイズやコストの増加を招くことなく、簡単な構成で旋回流を適切に生成することのできる水車及び発電装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る水車を含む発電装置の構成を示す平面図及び断面図。
【図2】 図1の発電装置におけるケーシングの構成を示す斜視図。
【図3】 図1の発電装置における流量調節管の構成を示す斜視図。
【図4】 図1の発電装置における動力伝達機構の構成を示す斜視図。
【図5】 図1の発電装置におけるケーシングの変形例を示す図。
【図6】 従来の水車による旋回流の生成手法を説明するための図。
【符号の説明】
1…ケーシング
2…流量調節管
3…発電機
4…ランナベーン
5…ランナボス
6…回転軸
7…ベルト
11…外筒
12…内筒
13…入口管
14…出口管
15…仕切り板
16…開口部
17…流量調整レバー通し管
18…ベルト通し管
19…突起部材
20…傾斜部材
21…開口部
22…流量調整レバー
101…入口管
102…螺旋管
103…ガイドベーン
104…回転羽根車
Claims (7)
- 流入する水を受け入れる外筒と、
前記外筒の内側に設けられ、前記外筒からの水を内側方向に通過させるための複数の開口部を有する内筒と、
前記内筒の複数の開口部を通過した水に基づいて軸動力を発生する回転羽根車と
を具備し、前記外筒は受け入れた水の流れを軸流方向から前記内筒の内側方向へ転換させ、かつ、前記水の流れに旋回流成分を付与する構造を有することを特徴とする水車。 - 前記内筒の内側に回転可能に設けられ、前記内筒の複数の開口部に対向する複数の開口部を有する流量調節管を更に具備し、当該流量調節管を回転させることによって前記内筒の複数の開口部の一部又は全てを塞げるようにしたことを特徴とする請求項1記載の水車。
- 前記流量調節管は、単一の筒状部材に複数の穴を開けたものであることを特徴とする請求項2記載の水車。
- 前記流量調節管には当該流量調節管を回転させるためのレバーが取り付けられ、前記外筒と前記内筒との間には前記レバーを通すための管が設けられていることを特徴とする請求項2記載の水車。
- 前記外筒と前記内筒との間に固定され、前記外筒が受け入れた水を前記内筒の複数の開口部に誘導するための複数の仕切り板を具備したことを特徴とする請求項1記載の水車。
- 流入する水を受け入れる外筒と、
前記外筒の内側に設けられ、前記外筒からの水を内側方向に通過させるための複数の開口部を有する内筒と、
前記内筒の複数の開口部を通過した水に基づいて軸動力を発生する回転羽根車と、
前記外筒の外側に設けられる発電機と、
前記回転羽根車の動力を前記発電機に伝達する動力伝達手段と
を具備し、前記外筒は受け入れた水の流れを軸流方向から前記内筒の内側方向へ転換させ、かつ、前記水の流れに旋回流成分を付与する構造を有することを特徴とする水車発電装置。 - 前記動力伝達手段はベルトもしくはチェーンを有しており、前記外筒と前記内筒との間には前記ベルトもしくはチェーンを通すための管が設けられていることを特徴とする請求項6記載の水車発電装置。
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