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JP4806920B2 - ボールペン用インキ - Google Patents
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JP4806920B2 - ボールペン用インキ - Google Patents

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Description

本発明は、筆記部材としてインキを紙面等の被筆記面に転写するボールを、ボールホルダーの開口部先端から一部臨出させて回転自在に抱持するボールペンチップをペン先としたボールペンに収容されたボールペン用インキに関する。さらに詳しく言えば、ボールペンチップのボールホルダー外面へのインキの付着、ボテの少ない、きわめて軽くて滑らかな書き味のボールペンを提供するボールペン用インキに関するものである。
ボールペンは、使用するインキの粘度が低い場合には、ボールペン先端部と紙の接触点に毛管作用が働きインキを吸い出すことで筆跡を形成するために、ペン先のインキは紙面に素早く吸収される。結果、余剰なインキが発生しにくく、チップのボールホルダー外面へインキが付着しにくいため、ボテも生じにくく、また筆圧をあまり加えずに軽い書き味で筆記できるという利点がある。しかし、インキが低粘度であるためにボールの回転に対する抵抗力は小さいが、ボールと受け座間に形成されるインキ膜は力によって容易に移動してしまい、ボールと受け座が直接当たり易くなるので、瞬間的にボールの回転が阻害され、筆記時にゴリゴリとした感触が手に伝わり滑らかさのない書き味となってしまう。このような欠点を克服するために、インキ中に潤滑剤を添加して滑らかな書き味を得ようとする試みも行われてきた(特許文献1参照)。
一方、粘稠性を付与する材料を添加してインキの粘度を高粘度となして、ボールと受け座間に形成されるインキ膜圧を厚くすると、このゴリゴリとした感触は解消される。しかし、滑らかな書き味にはなるものの、インキの流動性が低くなるため、筆記時におけるボールの回転抵抗が大きくなり、書き味は重いものとなってしまう。また、粘稠性が付与されることによってボール上にインキが堆積しやすくなり、堆積したインキが紙面に落ちて筆記線が局地的に広がる「ボテ」現象が発生するという問題があった。このような欠点を克服するためにインキ中に潤滑剤を添加して滑らかな書き味を得ようとする試みも行われたが、インキが高粘度であるために滑らかな筆記感は得られたものの軽い書き味は得られなかった。
また、ボールホルダー外面へのインキの付着、ボテ防止及び軽くて滑らかな書き味の両立を目的に、剪断減粘性付与剤の添加によりインキの粘度特性を擬塑性として、筆記時にはインキに付与されるボールの回転による高剪断力により粘度を下げ、インキを流動させて吐出させるようにする試みもなされている(特許文献2、3参照)。
特開2003−192972(2頁左欄上から41行目〜2頁右欄上から12行目) 特開2003−105245(2頁右欄上から36行目〜3頁右欄上から23行目) 特開平6−313144(3頁左欄上から36行目〜3頁右欄上から3行目)
特許文献1に記載の発明では、十分な滑らかさを得るためには大量の潤滑剤をインキ中に入れる必要があり、大量の潤滑剤を添加するとインキと金属素材との親和性が高くなるために、ボールホルダーの外面への濡れ性が高くなり、ボールホルダー外面へインキが這い上がってペン先が汚れてしまう問題が生じる。このため潤滑剤の添加量は制限されてしまい、ボールホルダー外面へのインキの付着防止、ボテ防止、軽くて滑らかな書き味は両立できていなかった。
特許文献2、特許文献3に記載のようにインキに剪断減粘性を付与すると、筆記時のボールの回転による剪断力で粘度が下がるために、チップのボールホルダー外面へのインキ付着やボテは改善され、また筆圧をあまり加えずに軽い書き味で筆記できる。しかし、結局、ボールと受け座間に形成されるインキ膜にも筆記時に力がかかることになるので、膜圧が薄くなってしまい、ボールと受け座が直接当たり、結果として十分滑らかな書き味は得られなかった。
このように従来技術では、軽くて滑らかな筆記感、筆跡のボテの防止、ボールホルダー外面へのインキの付着防止のすべてを満足するものには至っていない。
本発明は、ボールホルダー外面へのインキの付着が少なく、ボテの発生も少ないボールペン用インキであると共に、きわめて軽くて滑らかな書き味のボールペン用インキを提供することを目的とする。
即ち、本発明は、スチレンモノマーと分子内にカルボン酸基を有するモノマーとの共重合体と、N−アシルタウリンとを少なくとも含有し、このN−アシルタウリンがインキ全量に対して5重量%以上60重量%以下であるボールペン用インキを要旨とするものである。
本発明が、書き味が極めて良好で、チップ付着とボテが少ないボールペン用の油性インキである理由は以下のように推察される。即ち、スチレンモノマーと分子内にカルボン酸基を有する親水性モノマーとの共重合体はインキ中でポリマー鎖を広げた形で存在しており、お互いの高分子鎖を部分的に絡めて弱い親和力で引き合っている。
そしてさらに親水性であるカルボン酸基の水素はインキ中に溶解して存在するN−アシルタウリンの窒素と水素結合する。そして、さらにN−アシルタウリンも分子内に窒素とカルボン酸基を含有しているため、お互い静電的に相互作用してインキ中で緩やかなネットワーク構造をとっており、結果粘度を極端に上昇させることなく曳糸長が長くなるものと推測される。
以上、これらのポリマー鎖同士、またはポリマー鎖と潤滑剤との相互作用によって曳糸長が長くなることにより、潤滑剤を大量に添加することによる滑らかな書き味を維持しながら、紙面へインキが転写されやすくなり、また転写しきれなかったインキもボールハウス内へ回収されやすくなる。結果、ボールホルダー外面へのインキ付着やボテの発生も抑制することができる。
また、スチレンモノマーと分子内にカルボン酸基を有する親水性モノマーとの共重合体として、分子量が1000〜20000でかつ酸価が40〜260のものを使用すると、特にチップ付着の少ないインキを得ることができる。これは、上記範囲内のスチレンモノマーと分子内にカルボン酸基を有する親水性モノマーとの共重合体を使用することで、インキに適度な糸引き性を持たせ、さらにN−アシルタウリンや溶剤との相互の親和性のバランスを良好に保つことができるためと推測される。
以下に発明を詳細に説明する。
着色剤としては、従来ボールペン用インキに用いられている油性、水性の染料及び顔料の全てが使用できる。
油性染料の一例を挙げると、SPILON BLACK GMH SPECIAL、SPILON RED C−GH、SPILON RED C−BH、SPILON BLUE C−RH、SPILON BLUE BPNH、SPILON YELLOW C−2GH、SPILON VIOLET C−RH、S.P.T. ORANGE6、S.P.T. BLUE111(保土ヶ谷化学工業(株)製)などのアイゼンスピロンカラー、アイゼンSOT染料やORIENT SPRIT BLACK AB、VALIFAST BLACK 3804、VALIFAST RED 1320、VALIFAST RED 1360、VALIFAST ORANGE 2210、VALIFAST BLUE 1605、VALIFAST VIOLET 1701、VALIFAST BLUE 1601、VALIFAST BLUE 1603、VALIFAST BLUE 1621、VALIFAST BLUE 2601、VALIFAST YELLOW 1110、VALIFAST YELLOW 3104、VALIFAST YELLOW 3105、VALIFAST YELLOW 1109(オリエント化学工業(株)製)などのバリファストカラー、オリエントオイルカラーやローダミンBベース、ソルダンレッド3R、メチルバイオレット2Bベース、ビクトリアブルーF4R、ニグロシンベースLK等や、ネオスーパーブルーC−555(中央合成化学(株)製)等の従来公知の一般的なものが使用できる。また、水性染料としては酸性染料 、直接染料 、塩基性染料 等が挙げられ、具体例を挙げると、ジャパノールファストブラックDコンク(C.I.ダイレクトブラック17)、ウォーターブラック100L(同19)、ウォーターブラックL−200(同19)、ダイレクトファストブラックB(同22)、ダイレクトファストブラックAB(同32)、ダイレクトディープブラックEX(同38)、ダイレクトファストブラックコンク(同51)、カヤラススプラグレイVGN(同71)、カヤラスダイレクトブリリアントエローG(C.I.ダイレクトエロー4)、ダイレクトファストエロー5GL(同26)、アイゼンプリムラエローGCLH(同44)、ダイレクトファストエローR(同50)、アイゼンダイレクトファストレッドFH(C.I.ダイレクトレッド1)、ニッポンファストスカーレットGSX(同4)、ダイレクトファストスカーレット4BS(同23)、アイゼンダイレクトローデュリンBH(同31)、ダイレクトスカーレットB(同37)、カヤクダイレクトスカーレット3B(同39)、アイゼンプリムラピンク2BLH(同75)、スミライトレッドF3B(同80)、アイゼンプリムラレッド4BH(同81)、カヤラススプラルビンBL(同83)、カヤラスライトレッドF5G(同225)、カヤラスライトレッドF5B(同226)、カヤラスライトローズFR(同227)、ダイレクトスカイブルー6B(C.I.ダイレクトブルー1)、ダイレクトスカイブルー5B(同15)、スミライトスプラブルーBRRコンク(同71)、ダイボーゲンターコイズブルーS(同86)、ウォーターブルー#3(同86)、カヤラスターコイズブルーGL(同86)、カヤラススプラブルーFF2GL(同106)、カヤラススプラターコイズブルーFBL(同199)等の直接染料 や、アシッドブルーブラック10B(C.I.アシッドブラック1)、ニグロシン(同2)、スミノールミリングブラック8BX(同24)、カヤノールミリングブラックVLG(同26)、スミノールファストブラックBRコンク(同31)、ミツイナイロンブラックGL(同52)、アイゼンオパールブラックWHエクストラコンク(同52)、スミランブラックWA(同52)、ラニルブラックBGエクストラコンク(同107)、カヤノールミリングブラックTLB(同109)、スミノールミリングブラックB(同109)、カヤノールミリングブラックTLR(同110)、アイゼンオパールブラックニューコンク(同119)、ウォーターブラック187−L(同154)、カヤクアシッドブリリアントフラビンFF(C.I.アシッドエロー7:1)、カヤシルエローGG(同17)、キシレンライトエロー2G140%(同17)、スミノールレベリングエローNR(同19)、ダイワタートラジン(同23)、カヤクタートラジン(同23)、スミノールファストエローR(同25)、ダイアシッドライトエロー2GP(同29)、スミノールミリングエローO(同38)、スミノールミリングエローMR(同42)、ウォーターエロー#6(同42)、カヤノールエローNFG(同49)、スミノールミリングエロー3G(同72)、スミノールファストエローG(同61)、スミノールミリングエローG(同78)、カヤノールエローN5G(同110)、スミノールミリングエロー4G200%(同141)、カヤノールエローNG(同135)、カヤノールミリングエロー5GW(同127)、カヤノールミリングエロー6GW(同142)、スミトモファストスカーレットA(C.I.アシッドレッド8)、カヤクシルクスカーレット(同9)、ソーラールビンエクストラ(同14)、ダイワニューコクシン(同18)、アイゼンボンソーRH(同26)、ダイワ赤色2号(同27)、スミノールレベリングブリリアントレッドS3B(同35)、カヤシルルビノール3GS(同37)、アイゼンエリスロシン(同51)、カヤクアシッドローダミンFB(同52)、スミノールレベリングルビノール3GP(同57)、ダイアシッドアリザリンルビノールF3G200%(同82)、アイゼンエオシンGH(同87)、ウォーターピンク#2(同92)、アイゼンアシッドフロキシンPB(同92)、ローズベンガル(同94)、カヤノールミリングスカーレットFGW(同111)、カヤノールミリングルビン3BW(同129)、スミノオールミリングブリリアントレッド3BNコンク(同131)、スミノールミリングブリリアントレッドBS(同138)、アイゼンオパールピンクBH(同186)、スミノールミリングブリリアントレッドBコンク(同249)、カヤクアシッドブリリアントレッド3BL(同254)、カヤクアシッドブリリドブリリアントレッドBL(同265)、カヤノールミリングレッドGW(同276)、ミツイアシッドバイオレット6BN(C.I.アシッドバイオレット15)、ミツイアシッドバイオレットBN(同17)、スミトモパテントピュアブルーVX(C.I.アシッドブルー1)、ウォーターブルー#106(同1)、パテントブルーAF(同7)、ウォーターブルー#9(同9)、ダイワ青色1号(同9)、スプラノールブルーB(同15)、オリエントソルブルブルーOBC(同22)、スミノールレベリングブルー4GL(同23)、ミツイナイロンファストブルーG(同25)、カヤシルブルーAGG(同40)、カヤシルブルーBR(同41)、ミツイアリザリンサフィロールSE(同43)、スミノールレベリングスカイブルーRエクストラコンク(同62)、ミツイナイロンファストスカイブルーB(同78)、スミトモブリリアントインドシアニン6Bh/c(同83)、サンドランシアニンN−6B350%(同90)、ウォーターブルー#115(同90)、オリエントソルブルブルーOBB(同93)、スミトモブリリアントブルー5G(同103)、カヤノールミリングウルトラスカイSE(同112)、カヤノールミリングシアニン5R(同113)、アイゼンオパールブルー2GLH(同158)、ダイワギニアグリーンB(C.I.アシッドグリーン3)、アシッドブリリアントミリンググリーンB(同9)、ダイワグリーン#70(同16)、カヤノールシアニングリーンG(同25)、スミノールミリンググリーンG(同27)等の酸性染料 、アイゼンカチロンイエロー3GLH(C.I.ベーシックイエロー11)、アイゼンカチロンブリリアントイエロー5GLH(同13)、スミアクリルイエローE−3RD(同15)、マキシロンイエロー2RL(同19)、アストラゾンイエロー7GLL(同21)、カヤクリルゴールデンイエローGL−ED(同28)、アストラゾンイエロー5GL(同51)、アイゼンカチロンオレンジGLH(C.I.ベーシックオレンジ21)、アイゼンカチロンブラウン3GLH(同30)、ローダミン6GCP(C.I.ベーシックレッド1)、アイゼンアストラフロキシン(同12)、スミアクリルブリリアントレッドE−2B(同15)、アストラゾンレッドGTL(同18)、アイゼンカチロンブリリアントピンクBGH(同27)、マキシロンレッドGRL(同46)、アイゼンメチルバイオレット(C.I.ベーシックバイオレット1)、アイゼンクリスタルバイオレット(同3)、アイゼンローダミンB(同10)、アストラゾンブルーG(C.I.ベーシックブルー1)、アストラゾンブルーBG(同3)、メチレンブルー(同9)、マキシロンブルーGRL(同41)、アイゼンカチロンブルーBRLH(同54)、アイゼンダイヤモンドグリーンGH(C.I.ベーシックグリーン1)、アイゼンマラカイトグリーン(同4)、ビスマルクブラウンG(C.I.ベーシックブラウン1)等の塩基性染料 が挙げられる。これらはインキ中の溶剤のうち少なくとも一つに可溶でなければなない。
顔料の具体例としては、黄土、バリウム黄、群青、紺青、カドミウムレッド、硫酸バリウム、酸化チタン、弁柄、黒色酸化鉄、黄色酸化鉄、赤色酸化鉄、ファーネストブラックやコンタクトブラックやサーマルブラックやアセチレンブラック等のカーボンブラック、コバルトブルー、チタンイエロー、ターコイズ、モリブデートオレンジ、等の無機顔料等、アゾ系顔料、ニトロソ系顔料、ニトロ系顔料、塩基性染料 系顔料、酸性染料 系顔料、建て染め染料 系顔料、媒染染料 系顔料、及び天然染料 系顔料、C.I.PIGMENT RED2、同3、同5、同17、同22、同38、同41、同48:2、同48:3、同49、同50:1、同53:1、同57:1、同58:2、同60、同63:1、同63:2、同64:1、同88、同112、同122、同123、同144、同146、同149、同166、同168、同170、同176、同177、同178、同179、同180、同185、同190、同194同206、同207、同209、同216、同245、C.I.PIGMENTORANGE 5、同10、同13、同16、同36、同40、同43、C.I.PIGMENT VIOLET 19、同23、同31、同33、同36、同38、同50、C.I.PIGMENTBLUE 2、同15、同15:1、同15:2、同15:3、同15:4、同15:5、同16、同17、同22、同25、同60、同66、C.I.PIGMENT BROWN25、同26、C.I.PIGMENT YELLOW 1、同3、同12、同13、同24、同93、同94、同95、同97、同99、同108、同109、同110、同117、同120、同139、同153、同166、同167、同173C.I.PIGMENTGREEN 7、同10、同36等の有機系顔料、アルミニウム粉、金粉、銀粉、銅粉、錫粉、真鍮粉などの金属粉顔料、蛍光顔料、雲母系顔料などを挙げることができる。
これらの着色剤の使用量は全インキ組成物に対し1重量%以上40重量%以下が好適に使用でき、十分な筆跡堅牢性を得るためには3〜20重量%がより好ましい。使用量が1重量%より少ないと筆跡が薄すぎて耐光性試験や耐溶剤性試験を行ったときに紙面上に残る着色剤の量が少なくなり筆跡が判読がし難くなる。40重量%より多いと配合時の溶解不足や経時的な沈降による目詰まりによる筆記不能、またはインキ中の固形分の増加により書き味が重くなる不具合を生じやすくなる。また、これらの着色剤は単独で使用しても2種類以上を併用して使用しても良い。
インキの主媒体となる溶剤は、従来ボールペン用インキに使用されるものなら特に限定なく使用でき、水、グリコールエーテル類、グリコール類、アルコール類が好ましい。例えば、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、ブチルアルコール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、1、3−ブチレングリコール、チオジエチレングリコール、グリセリン、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、フェニルセルソルブ、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、2−ピロリドン、トリエタノールアミン等を挙げることが出来る。これらの溶剤は単独あるいは組み合わせて使用でき、その使用量はインキ全量に対し10重量%以上80重量%以下が好ましい。
N−アシルタウリンはインキに潤滑性を付与するためのものであり、一例を挙げると、N−オレオイルタウリン酸、N−ラウロイルタウリン酸、N−ミリストイルタウリン酸、N−パルミトイルタウリン酸等が挙げられる。これらの潤滑剤は未中和で添加しても中和して添加しても良く、どのような状態で添加するかは、インキに使用される溶媒との混和性によって適宜選択する。これらは合計でインキ全量に対して5重量%以上60重量%以下の添加が好ましい。5重量%未満の添加では十分な潤滑性が得られないため、軽くて滑らかな書き味が十分には得られず、また60重量%より多くの潤滑剤を添加すると筆跡の滲みが発生する。
インキに剪断減粘性を付与する目的で有機及び無機の汎用的に使用されている増粘剤が使用できる。具体的には、水溶性多糖類、ポリビニルアルコール、脂肪酸アマイド、長鎖脂肪酸エステル重合体、酸化ポリエチレン、ポリビニルピロリドン、シリカ、種子多糖類類、微生物系増粘剤、海藻多糖類等が挙げられるが、中でも水溶性多糖類が少ない添加量でインキに剪断減粘性を付与するので好ましく、それらは上記の有機溶剤のうち一つに可溶でなければならない。また、セルロース誘導体には、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、エチルセルロースなどがあるが、この中でも溶解特性、粘度特性が良好なヒドロキシプロピルセルロースが好ましい。これらの増粘剤は一種若しくは二種以上を混合して使用することもできる。
また、インキの漏れだしを抑えて同時に軽い書き味を得るためには、水溶性多糖類の使用量を全インキ組成物に対して0.02重量%以上2.0重量%以下にし、かつその時のインキ粘度を600mPa・s以上10000mPa・s以下に調整することが好ましい。(測定条件:剪断速度2/s、測定温度:25℃)
なお、ペン先を下向きに放置したときのインキの漏れ出しを防ぐことと筆記時の粘度低下を最適な値とすることで書き味をより軽くする目的で剪断減粘指数を0.3以上0.9以下にするのが好ましい。
スチレンモノマーと分子内にカルボン酸基を有する親水性モノマーとの共重合体は糸引き性付与剤として使用するものであり、その一例としては、SMA1000、SMA2000、SMA3000、SMA EF30、SMA EF40、SMA1440、SMA17352、SMA2625、SMA3840(川原油化(株)製)等のスチレン−マレイン酸樹脂やスチレン−マレイン酸エステル樹脂、ジョンクリル67、ジョンクリル678、ジョンクリル586、ジョンクリル611、ジョンクリル680、ジョンクリル682、ジョンクリル683、ジョンクリル690(ジョンソンポリマー(株)製)等のスチレン−アクリル酸樹脂が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、分子量や酸価など物性の異なる同共重合体を2種以上組み合わせて用いても良い。また場合によっては中和して塩の状態にしてインキ中に添加しても良く、どのような状態で添加するかは、インキに使用される溶媒への溶解性によって適宜選択する。
また、その使用量は全インキ組成に対し0.01〜10重量部%使用するのが好ましい。0.01重量部未満の添加では所望の曳糸性を得ることができず、10重量部を超えるとインキ組成中の固形分量が増えるためにインキの粘度が高くなりすぎてしまい、筆記感触に悪影響を及ぼすと共に、他の配合物に対して大きな制約をも与えてしまう。
インキの曵糸長は20mm以上400mm以下に調整することが好ましく(測定方法:直径7mm正円柱のガラス棒をインキに垂直に5mm浸漬し、50mm/秒にて垂直方向に定速度で引き上げた際のインキの曳糸が切れた時点の長さを測定。測定温度:25℃)、曳糸長が20mm未満の場合はインキのボタ落ちが発生してチップ付着が多くなり、また曳糸長が400mmより長い場合は曳糸性が強くなりすぎて、インキが糸を引いた状態でそのまま切れずにヒゲ状に紙面に付着してしまう“ヒゲボテ”が発生する。
その他必要に応じてベンゾトリアゾール、金属塩系、燐酸エステル系化合物などの防錆剤や、イソチアゾロン、オキサゾリジン系化合物などの防腐剤や、消泡剤や、カスレ防止剤や、天然樹脂、合成樹脂、アニオン、カチオン、ノニオン、両性界面活性剤などの分散剤や、グリセリン、ソルビタン系、多糖類、尿素、エチレン尿素またはこれらの誘導体などの湿潤剤や、アセチレングリコール、アセチレンアルコールおよびシリコン系界面活性剤などのレベリング性付与剤や、凍結防止剤などの従来公知のインキ用添加剤を併用することも可能である。
本発明の油性インキを製造するに際しては、従来知られている種々の方法が採用できる。例えば着色剤として染料を用いた場合、ホモミキサー等の撹拌機に固形原料と溶剤を入れて撹拌し溶解した後、染料と残りの成分を入れ、更に混合撹拌することにより容易に得られる。この時、場合によっては加熱しても良い。着色剤として顔料を用いる場合も従来公知の方法で得られる。製造例の一例としては、顔料と溶剤と分散剤を混合し、プロペラ撹拌機等で均一に撹拌した後、分散機で顔料を分散する。ロールミル、ボールミル、サンドミル、ビーズミル、ホモジナイザー等の分散機はインキの溶剤量や、顔料濃度によって適宜選択する。分散させた顔料はさらに残りの成分、例えば粘度調整用樹脂や溶剤、潤滑剤、水溶性多糖類等を加え、撹拌混合することでボールペン用インキ組成物を得ることができる。また、場合によって混合したインキをさらに分散機にて分散したり、得られたインキを濾過や遠心分離機に掛けて粗大粒子や不溶解成分を除いたりすることは何ら差し支えない。
(実施例
ネオスーパーブルーC−555(油性染料 中央合成化学(株)製) 8.0部
OIL BLUE 613(油性染料 オリエント化学工業(株)製) 3.0部
SPILON RED C−GH 1.0部
ベンジルアルコール 20.0部
フェニルセロソルブ 44.8部
クルーセルH(ヒドロキシプロピルセルロース、三晶(株)製) 0.2部
ジョンクリル586(スチレン−アクリル酸共重合体、分子量4600、酸価108、ジョンソンポリマー(株)製) 2.0部
オレオイルタウリン酸 21.0部
上記成分のうち、ベンジルアルコール、フェニルセルソルブにクルーセルH、ジョンクリル586を加熱溶解しながらプロペラ攪拌機で均一に溶解するまで撹拌した。次いでネオスーパーブルーC−555、OIL BLUE 613、SPILON RED C−GHを混合してさらに2時間攪拌し、これにオレオイルタウリン酸を加えて1時間撹拌して青色のボールペン用インキを得た。
(比較例1)
ウォーターブラック#256L(黒色染料の14%水溶液、オリエント化学工業(株))
20.0部
エチレングリコール 5.0部
グリセリン 6.0部
ジエチレングリコール 6.0部
イオン交換水 41.3部
クルーセルM(ヒドロキシプロピルセルロース、三晶(株)製) 0.2部
サルコシネートOH(オレオイルサルコシン、日光ケミカルズ(株)製) 20.0部
水酸化ナトリウム 1.5部
上記成分のうち、クルーセルMと水とを30分間攪拌して均一に溶解しクルーセルM水溶液を調整し、これに残りの各成分を加えて、更に2時間混合攪拌して黒色のボールペン用インキを得た。
(比較例2)
PERMANENT RED FRR(C.I.Pigment Red 2、クラリアントジャパン製) 15.0部
フェニルセロソルブ 29.5部
クルーセルM(前述) 0.5部
ニッコールPBC−34(POE(20)POP(4)セチルエーテル、日光ケミカルズ(株)製) 5.0部
サルコシネートOH(前述) 50.0部
上記成分のうち、ニッコールPBC−34、ベンジルアルコール、フェニルセロソルブの全量を約70℃で加熱攪拌し、均一に溶解させた後PERMANENT RED FRRの全量を加え均一に混合した。これを室温まで放冷してから3本ロールミルで10回通しを行い赤色のペーストを得た。次いで、残りの成分の全量を加え、約70℃に加熱し、プロペラ攪拌機で均一になるまで混合撹拌、溶解するまで2時間攪拌して赤色のボールペン用インキを得た。
(比較例3)
PERMANENT RED FRR(C.I.Pigment Red 2、クラリアントジャパン製) 15.0部
フェニルセロソルブ 29.5部
クルーセルM(前述) 0.5部
SMA1440(スチレン−マレイン酸共重合体、分子量7000、酸価185、川原油化(株)製) 11.0部
サルコシネートOH(前述) 50.0部
上記成分のうち、ニッコールPBC−34、ベンジルアルコール、フェニルセロソルブの全量を約70℃で加熱攪拌し、均一に溶解させた後PERMANENT RED FRRの全量を加え均一に混合した。これを室温まで放冷してから3本ロールミルで10回通しを行い赤色のペーストを得た。次いで、残りの成分の全量を加え、約70℃に加熱し、プロペラ攪拌機で均一になるまで混合撹拌、溶解するまで2時間攪拌して赤色のボールペン用インキを得た。
(比較例4)
VALIFAST BLUE 1603(C.I.DIRECT BLUE 86とC.I.BASIC BLUE 7の造塩染料、オリエント化学工業(株)製) 11.0部
SPILON RED C−GH(油性染料、保土ヶ谷化学工業(株)製) 1.0部
ベンジルアルコール 11.54部
フェニルセロソルブ 36.4部
クルーセルH(ヒドロキシプロピルセルロース、三晶(株)製) 0.06部
ジョンクリル682(スチレン−アクリル酸共重合体、分子量1700、酸価238、ジョンソンポリマー(株)製) 0.4部
ニッコールBL−4.2(POE(4.2)ラウリルエーテル、日光ケミカルズ(株)製) 39.6部
上記成分のうち、ベンジルアルコール、フェニルセルソルブにクルーセルH、ジョンクリル682を加熱溶解しながらプロペラ攪拌機で均一に溶解するまで撹拌した。次いでVALIFAST BLUE 1603、SPILON RED C−GHを混合してさらに2時間攪拌し、これにニッコールBL−4.2を加えて1時間撹拌して青色のボールペン用インキを得た。
(比較例5)
実施例4においてオレオイルタウリン酸の添加量を2重量部に減じ、その分フェニルセルソルブを添加した以外は同様になして青色のボールペン用インキを得た。
以上、実施例、比較例で得たインキ組成物について、下記の試験を行った。結果を表1に示す。
なお、粘度の測定は東機産業(株)製のTV型粘度計 TVH−20で、No.1ローターを用い2rpmで測定した。測定温度は25℃で行った。
剪断減粘性は上記条件において剪断速度を変えて粘度を測定し、その測定値を次式に当てはめて剪断減粘指数として算出した。
σ=kγ
σ:剪断応力
k:粘度係数(定数、Pa・s)
γ:剪断速度(1/s)
n:剪断減粘指数
インキの曳糸長の測定は、室温25℃の環境下で以下のようにして行った。35mlのガラス瓶にインキを約10g採取し、直径7mmの正円柱のガラス棒をインキ中に5mm浸漬させた。そして、50mm/秒にて垂直方向に定速度でガラス棒を引き上げたとき、インキの曳糸が切れた時点の長さを測定し、これを曳糸長とした。
Figure 0004806920
(試験用ボールペンの作製)
上記実施例及び比較例で得た油性ボールペン用インキを市販の油性ボールペン(.e−ball、製品符号BK127、ぺんてる(株)製(ボール径φ0.7))と同構造の筆記具に0.3g充填し、遠心機にて遠心力を加えてインキ中の気泡を脱気して、試験用ボールペンを作製した。
<ボールホルダーへのインキの付着>
上記試験用のボールペンを各例あたり3本作成し、螺旋筆記試験機(筆記角度70°、荷重150g、筆記速度7cm/sec)にて100m筆記し、ボールホルダーに付着したインキがあれば拭き取り、再度200m筆記したときの、ボールホルダーに付着したインキ長さを計測した。なお、ボールホルダーの開口部先端からインキが付着している範囲までの垂直距離をインキ長とした。試験結果は平均値で評価した。
ボテ:上記試験用のボールペンを各例あたり3本作成し、螺旋筆記試験機(筆記角度70°、荷重150g、筆記速度7cm/sec)にて100m筆記し、ペン先を拭き取り、再度100m筆記したときの、100mから200m間の筆記線に発生したときのボテの個数を計測した。なお、JIS S 6039(ボールペン用中芯)に規定された大きさ以上のインキ広がりをボテと計測した。試験結果は平均値で評価した。
書き味:モニター5人で手書きによる官能試験を行い、書き味を、1点:重いもしくは滑らかでない、2点:軽くて滑らか、3点:非常に軽くて滑らか、で評価し、5人の平均値を算出した。
以上、詳細に説明したように本発明のインキは極めて軽くて滑らかな書き味で、かつボールペンチップのボールホルダー外面へのインキの付着とボテの少ないボールペン用インキに関するものである。

Claims (2)

  1. スチレンモノマーと分子内にカルボン酸基を有するモノマーとの共重合体と、N−アシルタウリンとを少なくとも含有し、このN−アシルタウリンがインキ全量に対して5重量%以上60重量%以下であるボールペン用インキ。
  2. 前記スチレンモノマーと分子内にカルボン酸基を有するモノマーとの共重合体の分子量が1000〜20000であり、かつ酸価が40〜260である請求項1に記載のボールペン用インキ。
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