JP4808341B2 - 心拍動の一致検出法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、全般的には、心拍動を監視するための医用システム及び方法に関する。本発明は、より具体的には、第1及び第2の心拍動を監視して一致(coincidence) を検出するための医用システム及び方法に関する。
【0002】
【発明の背景】
医用監視装置は、患者の診断及び介護の分野でますます重要になりつつある。新たなテクノロジーにより、患者介護者に対して、その患者のニーズへの対処を要するような作業を実行するための様々な代替ツールが提供されている。
【0003】
一例として、検査中または分娩中に子宮内の胎児の心拍動が監視される。胎児の心拍動を調べることにより胎児の衛生及び健康を監視することができる。胎児の心拍動を監視するために胎児上または胎児の近傍にトランスジューサを配置させており、このトランスジューサは表示及び/またはチャート作成のために近傍のコンピュータに配線で結合させている。
【0004】
しかし、トランスジューサ設計及び配置に関する既存のテクノロジーでは、ノイズやマルチパスその他の信号外乱などの誤りを生じやすい。特に厄介な誤りの1つは、胎児用トランスジューサでは胎児の心拍動ではなく母体の心拍動を収集してしまう傾向があることである。母体の心拍動が胎児の心拍動として(例えば、モニタまたはストリップ・チャート上に)記録され表示されると、介護者の診断が不適切または不正確となるおそれがある。
【0005】
胎児トランスジューサを適正に位置決めすることにより胎児の心拍動を収集する際に母体の心拍動を除くことが可能である。しかし、胎児トランスジューサの適正な位置を特定することは容易ではない。提案されている解決法の1つは、胎児及び母体の心拍動数のトレースを記録することができる胎児モニタである。心拍動数はチャート上にトレースし、心拍動数が一致した場合には、警告信号を発生させる。提案されたこの解決法の欠点の1つは、2種類の発生源からの心拍動数が、特に出産中に、大きく変わることがあり、さらに時折互いに交差することである。さらに、心拍動数信号の周りにしきい値(例えば、±5拍動/分)を確立する必要があるが、ある条件下では、監視している心拍動数が不適正か否かを厳密に判定することができない。
【0006】
したがって、心拍動数の生成及び監視に関する不正確性を回避できるような心拍動の一致を検出するためのシステム及び方法が必要である。さらに、より厳密であり、かつより短い時間で改良型の一致検出を提供できるシステム及び方法が必要である。またさらに、一致検出の確実性の度合いを高めたシステム及び方法が必要である。さらに、これらのシステム及び方法は、従来のシステムと比べてより適応性に富むものである。
【0007】
【発明の概要】
例示的な実施の一形態によれば、心拍動の一致を検出する方法は、第1及び第2の心拍動発生源から第1及び第2の信号を受け取るステップを含む。本方法はさらに、第1の信号上で第1の心拍動発生を検出する検出ステップであって、該第1の心拍動発生の各々がその発生に関連するそれぞれの時刻を有している検出ステップと、第2の信号上で第2の心拍動発生を検出する検出ステップであって、該第2の心拍動発生の各々がその発生に関連するそれぞれの時刻を有している検出ステップとを含む。本方法はさらに、第1と第2の心拍動発生の時刻を比較して一致を検出するステップを含む。
【0008】
別の実施形態によれば、心拍動の一致を検出するためのシステムは、第1及び第2の心拍動発生源のそれぞれから第1及び第2の信号を受け取るための手段を含む。本システムはさらに、第1の信号上で第1の心拍動発生を検出するための手段であって、該第1の心拍動発生の各々はその発生に関連するそれぞれの時刻を有している検出手段と、第2の信号上で第2の心拍動発生を検出するための手段であって、該第2の心拍動発生の各々はその発生に関連するそれぞれの時刻を有している検出手段と、を含む。本システムはさらに、第1と第2の心拍動発生の時刻を比較して一致を検出するための手段を含む。
【0009】
また別の実施形態によれば、心拍動一致検出システムはプロセッサ及び出力装置を含む。プロセッサは、第1及び第2の心臓信号を受け取ること、第1及び第2の心臓信号上でそれぞれ第1及び第2の心拍動を検出すること、第1と第2の心拍動のそれぞれの間の位相シフトを計算すること、並びにこの位相シフトに基づき表示信号を発生させることを行うように構成されている。出力装置は、表示信号を受け取ること、並びに操作者に表示信号を提供することを行うように構成されている。
【0010】
本発明は、同じ参照番号が同じ部分を示している添付の図面に関連して取り上げた以下の詳細な説明によりさらに完全に理解できよう。
【0011】
【発明の実施の形態】
先ず図1を参照すると、心拍動一致検出システム10を表している。システム10は、例えば、米国ウィスコンシン州ミルウォーキ所在のジーイー・マルケット・メディカル・システムズ社(GE Marquette Medical Systems)が製造している「Corometrics 120 Series Maternal/Fetal Monitor 」上で実施される。しかし、システム10は、その他の胎児監視システムまたはその他の医用装置上で実施することもできる。
【0012】
システム10は、配線を介するかワイヤレス式により1つまたは複数のトランスジューサ14に結合可能な入力/出力装置12を含む。トランスジューサ14は、胎児心拍動トランスジューサ16及び母体心拍動トランスジューサ18を含んでおり、さらに追加のトランスジューサ20を含むことがある。トランスジューサ14はそれぞれ、心電図電極、超音波トランスジューサ、血圧トランスジューサ、パルス・オキシメトリ・トランスジューサ、または、心拍動発生源からの心臓活動を監視し得られた活動に基づいて心臓信号を発生させるように構成したその他のトランスジューサを含むことがある。入力/出力装置12は、トランスジューサ14から心臓信号を受け取り1つまたは複数の心臓信号をディジタル信号プロセッサ22に提供するように構成した、ポート、回路板、またはその他の回路を含む。
【0013】
ディジタル信号プロセッサ22は、トランスジューサ14からアナログ信号を受信すること、受信信号をディジタル化すること、並びに心臓信号上で心拍動を検出することを行うように構成した集積回路その他の回路である。ディジタル信号プロセッサ22は、これらのタスクを実行するためのプロセッサ及びプログラム格納メモリを含むが、離散的構成要素、アナログ構成要素、プログラマブル・ロジックなど必要な任意の回路素子を含むことがある。ディジタル信号プロセッサ22は、心拍動を検出するごとに、中央処理装置24(例えば、インテル社またはモートローラ社製マイクロプロセッサ、あるいはその他の処理回路)に対して優先割込みをかける。中央処理装置24は、ディジタル信号プロセッサ22から優先割込みを受け取るごとに、プログラム・メモリ26に格納された心拍動一致検出アルゴリズムを実行させる。アルゴリズムについては図2A及び2Bを参照しながら以下で説明する。別の構造によれば、ディジタル信号プロセッサ22及び中央処理装置24は1つの集積回路上に製作することができる。システム10では、胎児心拍動と母体心拍動の両者に関する心拍動を検出する別の方法及びシステムを利用することもできる。
【0014】
システム10はさらに、介護者またはその他の操作者から入力データを受け取るように構成した、キーパッド、スイッチ、ダイアル、タッチスクリーン・インタフェース及び/またはその他の装置を含んだオペレータ入力装置28を含む。システム10はさらに、中央処理装置24に結合させかつ必要な任意のインタフェース回路を含んだ、ディスプレイ32、ストリップ・チャート装置34及び/または通信リンク36などの1つまたは複数の出力装置30を含む。中央処理装置24は、プログラム・メモリ26に格納した心拍動一致検出アルゴリズムに基づいて表示信号などの出力信号を発生させ、これらの出力信号を1つまたは複数の出力装置30に提供している。
【0015】
心拍動一致の比較マトリックスを以下に示す。
【0016】
【表1】
【0017】
図2A及び2Bの心拍動一致アルゴリズムは、2つ以上の心臓信号上の心拍動を比較し、その心拍動が一致を示すか否かを判定するように構成されている。上記のマトリックスは、例示的なシステム及び方法により比較することができるトランスジューサを示している。例えば、チャート内の「YES」の表示で示すように、胎児心電計信号(F1ECG)は母体心電計信号(MECG)と比較される。しかし、チャート内の「NO」の表示で示すように、胎児心電計信号(F1ECG)は母体血圧信号(MBP)とは比較されない。記号F1ECG、F1US (胎児超音波信号1)、F2US (胎児超音波信号2)、MECG 、MSpO2(母体パルス・オキシメトリ・トランスジューサ)及びMBPは、対応するトランスジューサから心臓信号を受け取るように構成した入力/出力装置12の各ポートに対応している。したがって、「X」で示すように、F1ECGはF1ECGと比較されない。というのは、このトランスジューサ向けには、システム10上で1つのポートしか利用可能でないためである。さらに、この例示的な実施形態では、母体血圧センサは、他のどの信号との比較のためにも利用できないことに留意されたい。このマトリックスに関しては、システムの機能に応じて別の代替的構成を企図できる。
【0018】
ここで図2A及び2Bを参照すると、例示的な心拍動一致検出の一方法50を表している。方法50は、システム10においてソフトウェアとして動作可能であるが、別法として、離散的回路素子またはその他のプログラミング素子を介して動作可能である。ステップ52において、2つのチャネル(チャネル1及びチャネル2)上の心臓信号が監視される。チャネル1または2のうちの1つで心拍動発生を検出すると、その心拍動発生を記録しかつタイムスタンプを付ける。図2Aの「HBT1」及び「HBT2」は、チャネル1上で検出した心拍動発生及びチャネル2上で検出した心拍動発生のそれぞれに対する心拍動タイムスタンプを示している。この2つのチャネルのもう一方のチャネル上で心拍動発生を検出すると、本方法はステップ54に進む。チャネル1及び2の一方での心拍動発生に続き、チャネル1及び2のもう一方で心拍動発生が起きることを、以下において「サイクル」と呼ぶ。
【0019】
本方法は、ステップ54において、チャネル1及び2での心拍動発生が1:1対応を満たしているか否かを判定する。換言すると、ステップ54において、本方法は、チャネル1及び2のうちの一方のチャネルからの心拍動発生数が、もう一方のチャネルの連続する心拍動発生の間に2度の発生となっているか否かを計算する。1:1を超えるか、または1:1未満の対応が検出された場合には、本方法はステップ55に進む。ステップ55において、チャネル1(この例示的な実施形態では、胎児の心拍動を表す)がチャネル2(この例示的な実施形態では、母体の心拍動を表す)の1回の心拍動に対して1回を超える心拍動を有する場合に、本方法はステップ68に進む。チャネル1がチャネル2の1回の心拍動に対して1回未満の心拍動を有する場合には、本方法はステップ72(図2B)に進む。別法として、その心拍動発生が1:1を超えるか、または1:1未満の対応を示す場合には、本方法は直接に乖離(divergence)信号を発生させることがある(これについては、ステップ82に関連して後で説明する)。
【0020】
心拍動発生のサイクルを検出しタイムスタンプを付けた後、各心拍動発生に関連する時刻を比較して一致を検出する。心拍動発生を比較して一致を検出するための例示的な一方法を以下に示す。しかし、心拍動発生を利用する別の方法も企図される。ステップ56において、HBT1とHBT2の間の時間オフセット(例えば、位相シフト)を計算する。次に、複数の発生サイクル間の現状のジッタを決定し、一致または乖離を指示させる。
【0021】
この例示的な実施形態では、サイクル間でのジッタの決定は、複数のサイクルの間に生じる最小及び最大の位相シフトを記録することを含む。したがって、ジッタの決定は、ある期間(例えば、時間「ウィンドウ」)にわたり複数のサイクルがあることが前提となる。時間ウィンドウは、この時間の後に最小及び最大位相シフト変数をリセットするようなある固定の時間(例えば、3秒)であるが、時間ウィンドウは、別法として、1:1対応の期間の1サイクル・カウントまたは全サイクルに依存することがある。
【0022】
ステップ58において、新たな位相シフトがそれまでの最小位相シフトより小さければ、最小位相シフト変数をこの新たな位相シフトに更新する。ステップ60において、新たな位相シフトがそれまでの最大位相シフトより大きければ、最大位相シフト変数をこの新たな位相シフトに更新する。ステップ62において、最小位相シフトを最大位相シフトから差し引くことによってジッタを計算する。
【0023】
位相シフト及びジッタによりその位相関係を特徴付けした後、このデータを用いてその心拍動発生が一致を表すか乖離を表すかを判定する。最大ジッタ及び最大位相シフトの基準が適用される。したがって、ステップ64において、そのジッタを最大ジッタしきい値(J)と比較し、その最大位相シフトを最大位相シフトしきい値(S)と比較する。最大ジッタしきい値(J)及び最大位相シフトしきい値(S)は可変であり、アルゴリズムに適合させて調整することができる。例えば、最大ジッタしきい値(J)は、概ね100msに設定することや、あるいは、概ね1ms程度に低く設定することもある。例示的な実施の一形態では、その最大ジッタしきい値(J)は心拍動対心拍動の予期される間隔最小値の1/2未満である。例えば、心拍動対心拍動の予期される間隔最小値が200msである(すなわち、300回/分の心拍動数に対応する)場合には、その最大ジッタしきい値(J)は200msの1/2(すなわち、100ms)に設定する。位相シフトしきい値(S)は概ね200msに設定することがあり、1msから2000msの間とすることがある。別法として、(J)及び(S)は、その用途及びトランスジューサ・タイプ/心拍動発生源などの要因に応じて任意の値に適合させることができる。
【0024】
最大位相シフト及び最大位相ジッタのしきい値は、アルゴリズムにより動的に可変としたり、固定とすることがある。1:1対応を示す信号ピークに関するチャネル間での位相シフトの取り得る範囲は0〜359度と規定されるが、一般に、180度以内となることが予期される。この時間領域内では、この値は、チャネル1及びチャネル2からの心拍動間の期間に応じて0から1999ミリ秒までとなり得る。心拍動が低端(low end) で一致すると、互いに1999ミリ秒のオフセットが生じ、359度の位相ずれとなることがある。
【0025】
最大位相ジッタは一定値またはアルゴリズムに対する変数として規定することができる。一方法では、Jを最大位相シフトの関数とする。例えば、J=(最大シフト)/3とする。この例では、心拍動が一致していると特徴付けるための最大許容ジッタは33%となる。
【0026】
これらの原理に従った実施形態では、先ず、その心拍動記録が1:1である場合に、2つのチャネルからの心拍動が相手方から359度の位相範囲内にあると特徴付けする。次いで、比較ウィンドウ内で、最大位相シフトと最小位相シフトの間の差として評価されるジッタが、その最大値の33%未満の場合に一致の特徴をもつと認定することができる。さらに最大シフトは、所望であればこの時間領域内で認定することができ、また、システムの時間遅れを考慮すると1つの関数とすることになる。この実施形態では、位相シフトの角度に関してより寛容度が大きいが、位相ジッタの最小値のみを許容することにより位相関係の一貫性が強化される。この手法では、最大ジッタしきい値は、49%を超えるように実施すべきではない。
【0027】
そのジッタが最大ジッタしきい値未満でありかつその最大位相シフトが最大位相シフトしきい値未満である場合には、ステップ66において、一致カウンタを増分(increment) させかつ乖離カウンタを減分(decrement) させる。別法として、ステップ68において、一致カウンタを減分させかつ乖離カウンタを増分させる。ステップ64、66及び68で示すように、ジッタが増加しておりかつ位相シフトが極めて高い場合は乖離を示す。ジッタが一定しており位相シフトがより小さい場合は一致を示す。
【0028】
ステップ70において、心拍動記録をリセットすると共に、心拍動発生の新たなサイクルの記録に備える。
【0029】
ステップ72において、一致指標を計算する。一致指標は、上述したように、固定または可変のいずれかである時間ウィンドウにわたったチャネル1及び2での心拍動発生の間の一致または乖離の程度を表す。この例では、この時間ウィンドウは、3秒間のウィンドウ内にすべての心拍動発生を含む。この時間ウィンドウは2〜100回の心拍動サイクルを含むことがある。ステップ72において、一致指標は、例えば、一致のサイクルの比(この例示的な実施形態のように)または百分率として計算することがある。
【0030】
ステップ74において、この一致指標を、操作者に警告を出す程の十分な一致または乖離が検出されたことを示す一致/乖離基準(例えば、一致トリガーしきい値(C))と比較する。一致/乖離基準は可変であり、アルゴリズムに適合させて調整することができる。例えば、一致トリガーしきい値(C)は、一致しているサイクルが概ね70%であると設定することがあり、あるいは、1乖離サイクルに対して一致を概ね3サイクルと設定することがある。別法として、(C)は50%〜90%の範囲とすることや、その用途及びトランスジューサ・タイプ/心拍動発生源などの要因に応じて任意の値とすることができる。
【0031】
一致指標が一致/乖離基準を満たしている場合には、それぞれの基準に対するタイマをスタートさせる。一致指標が所定の期間の複数の心拍動サイクルにわたって継続して一致/乖離基準を満たしている場合には、ユーザに対して一致または乖離を通知する信号を発生させる。この例示的な実施形態では、このタイマを実現するために一致トリガー・フラグを使用している。ステップ74において、一致指標が一致トリガーしきい値(C)を超える場合には、ステップ76において、一致トリガー・フラグが「FALSE(虚偽)」であるか否かをチェックする。一致トリガー・フラグが「FALSE」であれば、ステップ78において、一致トリガー・フラグを「TRUE(真)」に設定し、一致タイマをスタートさせ、さらにアルゴリズムはステップ52に戻る。一致タイマは、用途に応じて、60秒、40秒から80秒の間、あるいはその他の任意の時間とすることがある。ステップ76において一致トリガー・フラグが「FALSE」でなければ、ステップ80において、一致タイマが満了しているか否かをチェックする。満了していなければ、アルゴリズムはステップ52に戻る。満了している場合は、ステップ82において、一致信号を発生させて出力装置30のうちの1つに提供する。
【0032】
ステップ74に戻ると、一致指標が一致指標トリガーしきい値(C)を超えていない場合には、ステップ84において、一致トリガー・フラグをチェックする。一致トリガー・フラグが「TRUE」であれば、ステップ86において、一致トリガー・フラグを「FALSE」に設定し、乖離タイマをスタートさせ、さらにアルゴリズムはステップ52に戻る。乖離タイマは、その用途に応じて、5秒、1秒から10秒の間、あるいはその他の任意の時間とすることがある。一致トリガー・フラグが「TRUE」でなければ、ステップ88において、乖離タイマが満了しているか否かをチェックする。満了していなければ、アルゴリズムはステップ52に戻る。満了している場合は、ステップ82において、乖離信号を発生させて出力装置30のうちの1つに提供する。
【0033】
動作時には、一致指標が所定の時間(すなわち、一致タイマの持続時間)にわたって一致指標トリガーしきい値(C)を超えている場合には、1つまたは複数の出力装置30上に一致標識を発生させる。一致指標が所定の時間(すなわち、乖離タイマの持続時間)にわたって一致指標トリガーしきい値(C)未満である場合には、1つまたは複数の出力装置30上に乖離標識を発生させる。別法によれば、一致標識がすでに出力装置30に提供されている場合は、乖離標識のみを出力装置30に提供する。この別法は、ストリップ・チャートを使用している際に特に有利である。というのは、以前の標識により心拍動発生が一致であることを示していなければ、心拍動発生が乖離発生である際にユーザに対して何も標識を提供する必要がないからである。
【0034】
ここで図3を参照すると、チャート89は、図2Aの心拍動一致検出アルゴリズムの一部分の動作を図示したものである。チャネル1上での心拍動発生を発生90で表しており、チャネル2上での心拍動発生は発生92で表している。発生90と発生92間の位相シフト、すなわち時間オフセットは、期間94で示している。このチャートのX軸はミリ秒(ms)を単位とした実時間を表している。この例では、発生90と発生92の間の位相シフトは、図に示すように150msである。
【0035】
動作時には、本アルゴリズムは先ず、最大及び最小位相シフトの値を150msという新たな位相シフト値に更新する。チャネル1上では後続の心拍動発生96が受信され、さらにチャネル2上では後続の心拍動発生98が受信される。第1サイクルから第2サイクルまででは、チャネル1及び2上での心拍動発生の間で1:1対応が維持されていることに留意されたい。発生96と発生98の間の位相シフトは155msと計算され、これにより直前のサイクルとの若干の差が示される。最大位相シフトは155msに等しくなるように更新され、ジッタを5msと計算する。さらに、チャート89上での心拍動発生は、153ms、220ms、250ms及び190msの位相シフト、並びに5ミリ秒、70ミリ秒、100ミリ秒及び100ミリ秒の対応するジッタを示している。
【0036】
最大位相シフト及びジッタは最大位相シフトしきい値(S)及び最大ジッタしきい値(J)と比較し、一致及び乖離カウンタを増分または減分させるべきか否かを判定する。次いで、一致指標を計算して、一致指標トリガーしきい値(C)と比較する。この処理は3秒間の時間ウィンドウにわたって実行される。この処理は、図2Bの関連するステップに従って継続される。アルゴリズムからの出力はしきい値(J)、(S)及び(C)の値により異なっており、これらの値は製造の際にプログラムしておくことができ、更新可能とすることができ、さらに、操作者がオペレータ入力装置28を介してこれらの値を調整し操作者による感度の制御を提供することもできる。
【0037】
ここで図4を参照すると、画面表示100を表している。画面表示100は、中央処理装置24が提供する表示信号に応答してディスプレイ32(図1)により生成される。追加のグラフィック・カードまたは別の回路を実装することもある。画面表示100は、心拍動一致の機能が現在動作中であることを示す標識102(例えば、テキスト「HBC」)を含む。心拍動一致アルゴリズムのステップ82(図2B)において、本アルゴリズムは、一致信号、乖離信号、または無信号のうちの1つであるような表示信号を発生させる。ディスプレイ100は、チャネル1及び2に対する心拍動数を標識104及び106の位置において反転表示することにより、一致信号が受信されていることを示す。2つのハート形を並置する、「一致検出(COINCIDENCE DETECTED)」というテキスト、可聴音、その他の標識、あるいはこれらの組み合わせなど、別の標識を用いて一致を示すこともできる。乖離は、この例では、通常表示(すなわち、反転表示でない表示)で示すが、別の標識や無標識によりこれを示すこともできる。
【0038】
ここで図5を参照すると、ストリップ・チャートの一部分110を表している。部分110は、中央処理装置24が提供する信号に応答してストリップ・チャート装置34(図1)が作成したものである。追加のグラフィック・カードまたは別の回路を実装することもある。部分110は、心拍動一致の機能が現在動作中であることを示す標識112(例えば、テキスト「HBC」)を含む。標識112は周期的に(例えば、30分ごとに)プリントしているが、別法として1回だけプリントすることもある。心拍動一致アルゴリズムのステップ82(図2B)において、本アルゴリズムは、一致信号及び乖離信号のうちの1つであるような表示信号を発生させる。ストリップ・チャート装置34は、一致標識114(例えば、重なり合った2つのハート形アイコン)をプリントすることにより一致信号が受信されていることを示す。「一致検出」というテキスト、可聴音、あるいはこれらの組み合わせなど、別の標識を用いることもできる。乖離は、標識116(例えば、重なり合っていない2つのハート形アイコン)などの別の標識や無標識によりこれを示すこともできる。標識116は一致が解除されたことを示す。一致標識114及び乖離標識116は現在の状態の承認のために周期的にプリントすることや、状態が変化したときにのみプリントすることがある。
【0039】
さらに有利な特徴によれば、一致または乖離の状態は通信リンク36を介して出力することもできる。
【0040】
図面で示し上記で説明した本発明の実施形態及び応用は目下のところ好ましいものであるが、これらの実施形態は例としてだけ提示したものであることを理解すべきである。例えば、心拍動発生を比較するために別のアルゴリズムを使用することもできる。さらに、提示した本方法の各ステップは、別の順序で使用することができる。したがって、本発明はある具体的な実施形態に限定されるものではなく、本方法は、特許請求の範囲内に属するような様々な修正にまで及んでいる。
【図面の簡単な説明】
【図1】例示的な実施の一形態による心拍動一致検出システムのブロック図である。
【図2A】例示的な実施の一形態に従って心拍動の一致を検出する方法を示す流れ図である。
【図2B】例示的な実施の一形態に従って心拍動の一致を検出する方法を示す流れ図である。
【図3】図2Aの方法のうちの幾つかのステップを示すグラフである。
【図4】例示的な実施の一形態に従って一致状態を提供している表示画面の写図である。
【図5】例示的な実施の一形態に従って一致状態を提供しているストリップ・チャートの一部分の写図である。
【符号の説明】
10 心拍動一致検出システム
14 トランスジューサ
16 胎児心拍動トランスジューサ
18 母体心拍動トランスジューサ
20 トランスジューサ
30 出力装置
Claims (8)
- 心拍動の一致を検出するためのシステム(10)であって、第1及び第2の心拍動発生源のそれぞれから第1及び第2の信号を受け取るための手段(12、52)と、第1の信号上で第1の心拍動発生(90、96)を検出するための検出手段であって、該第1の心拍動発生(90、96)の各々はその発生に関連するそれぞれの時刻を有している、検出手段(22、52)と、第2の信号上で第2の心拍動発生(92、98)を検出するための手段であって、該第2の心拍動発生(92、98)の各々はその発生に関連するそれぞれの時刻を有している、検出手段(22、52)と、一致を検出するために第1と第2の心拍動発生の前記時刻を比較するための比較手段(24)と、を備え、前記比較手段(24)が第1と第2の心拍動発生の間の時間オフセットを計算するための手段(24、56)と第1の時間オフセットと第2の時間オフセットの間のジッタを計算する手段(62)を含むシステム。
- 心拍動の一致を検出するためのシステム(10)であって、第1及び第2の心拍動発生源のそれぞれから第1及び第2の信号を受け取るための手段(12、52)と、第1の信号上で第1の心拍動発生(90、96)を検出するための検出手段であって、該第1の心拍動発生(90、96)の各々はその発生に関連するそれぞれの時刻を有している、検出手段(22、52)と、第2の信号上で第2の心拍動発生(92、98)を検出するための手段であって、該第2の心拍動発生(92、98)の各々はその発生に関連するそれぞれの時刻を有している、検出手段(22、52)と、一致を検出するために第1と第2の心拍動発生の前記時刻を比較するための比較手段(24)と、を備え、前記比較手段(24)が2回の第1の心拍動発生(90、96)の間に起きる第2の心拍動発生(92、98)の回数を計算するための手段(24、54、55)を含み、前記システムがさらに、2回の第1の心拍動発生(90、96)の間に複数回の第2の心拍動発生(92、98)が起きたときに乖離信号を発生させるための手段(24、82)を備えるシステム。
- 前記比較手段(24)が、第1と第2の信号のいずれか一方での心拍動発生の検出に応答して実行されている、請求項2に記載のシステム(10)。
- 第1及び第2の心臓信号を受け取ること、第1及び第2の心臓信号上でそれぞれ第1及び第2の心拍動(90、92、96、98)を検出すること、第1及び第2の心拍動(90及び92、96及び98)のそれぞれの間の位相シフト(94)を計算すること、並びに前記位相シフトに基づき表示信号を発生させることを行うように構成したプロセッサ(22、24)と、前記表示信号を受け取ること、及び前記表示信号を操作者に提供することを行うように構成した出力装置(30)と、を備え、前記プロセッサ(22、24)が前記位相シフトに基づきジッタを計算する心拍動一致検出システム(10)。
- 前記プロセッサ(22、24)が、第1及び第2の心臓信号を受け取ること、並びに前記第1及び第2の心臓信号上で第1及び第2の心拍動(90、92、96、98)を検出することを行うように構成したディジタル信号プロセッサ(22)を含む、請求項4に記載の心拍動一致検出システム(10)。
- 前記プロセッサ(22、24)と結合されており、第1及び第2の心臓信号を受け取ること、並びに前記プロセッサ(22、24)に前記第1及び第2の心臓信号を提供することを行うように構成した入力/出力装置(12)をさらに備える、請求項4に記載の心拍動一致検出システム(10)。
- 前記プロセッサ(22、24)が、前記位相シフトに基づきジッタを計算すること、前記ジッタをジッタしきい値と比較すること、並びに前記比較に基づいて表示信号を発生させることを行うように構成されている、請求項4に記載の心拍動一致検出システム(10)。
- 前記プロセッサ(22、24)が、前記位相シフトに基づいて最大位相シフトを計算すること、前記最大位相シフトを最大位相シフトしきい値と比較すること、並びに前記比較に基づいて表示信号を発生させることを行うように構成されている、請求項4に記載の心拍動一致検出システム(10)。
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