本発明はガスセンサに関する。
特許文献1に従来のガスセンサが開示されている。このガスセンサは、軸方向に延びるとともに、先端側に被測定ガス中の特定ガス成分を検出する検出部を有する検出素子と、自身の内側に検出素子を挿通し、検出部が先端側に露出するように検出素子を保持するハウジング本体と、ハウジング本体の先端側に固定され、検出部を覆うプロテクタとを備えている。
プロテクタは、検出部を収容する筒状の内側プロテクタと、内側プロテクタより外側で同軸に設けられ、内側プロテクタの先端が突出する形態で内側プロテクタを収容する筒状の外側プロテクタとからなっている。外側プロテクタには、被測定ガスを自身の内部に導入可能な複数個の外側ガス導入孔が形成され、内側プロテクタには、被測定ガスを自身の内部に導入可能な複数個の内側ガス導入孔が形成されている。
このような構成である従来のガスセンサは、例えば、自動車等に搭載され、内燃機関から排出される被測定ガスとしての排気ガス中に、検出部を曝した状態で装着される。そして、このガスセンサは、外側プロテクタと内側プロテクタとの間隙(以下、「外室」という。)を介して内側プロテクタの内部空間(以下、「内室」という。)に導入され、検出部に接触する被測定ガス中の特定ガス成分を検出することが可能となっている。
また、このガスセンサにおいて、一般的に、検出素子は熱衝撃に対して脆いセラミック製であり、被測定ガスは高温ガスである。このため、被測定ガス中に混入している水分が検出部に付着すると、クラックの発生等による破損や、検出性能の低下等の悪影響が生じるおそれがある。
このため、このガスセンサでは、検出部を覆うプロテクタにより、検出部に水滴等の水分が付着しないように保護している。
さらに、このガスセンサでは、検出部に水滴等の水分が付着しないように内側プロテクタと外側プロテクタを設けているものの、外側プロテクタの外側ガス導入孔から外室内に水滴等の水分が入り込んでしまい、外室に水分が滞留して排出され難くなるというおそれがある。そこで、従来のガスセンサにおいては、外室の先端側に形成された外側プロテクタのフランジ部に水分を排出するための排出孔を別途設け、外室に水分が滞留することを防止している。
ところで、最近のプロテクタに対して小型化の要求が高まっていることから、外側プロテクタのフランジ部も同様に小径化されつつある。このため、フランジ部に設けられていた排出孔を小型化された外側プロテクタに別途設けることが困難となりつつある。そこで、外側プロテクタのフランジ部に設けられる内側プロテクタを突出させるための開孔を内側プロテクタの外径よりも若干大径にし、内側プロテクタの周りに設けられるフランジ部との間隙を排出孔代わりにして外室に水分が滞留することを防止している。
しかしながら、このような内側プロテクタの周りに設けられるフランジ部との間隙を利用した排出孔では、外側プロテクタと内側プロテクタとの配置のズレ(具体的には、外側プロテクタに内側プロテクタを挿入する際に、内側プロテクタが外側プロテクタに対して傾いて配置されることによるズレや、外側プロテクタと内側プロテクタの軸がずれて配置されることによるズレ)により、間隙の大きさにバラツキが生じ、全周均一な隙間が設けられないことがある。ガスセンサは、通常、内燃機関等の排気管に方向性を考慮せずに配置されるため、例えば、排気管の上流側に間隙が狭くなった部位が配置されることもある。このような場合には、排気管の上流側から送られる被測定ガスが外室内に導入されると、外室の間隙が狭くなった部位に水分が滞留し易くなり、その結果として、滞留する水分が溢れて内室に侵入し、検出部に付着して悪影響を与えるおそれがあった。
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、外室内に滞留する水分を好適に排出し、水分が内室を経て検出部に悪影響を与えることを抑制可能なガスセンサを提供することを解決すべき課題としている。
本発明のガスセンサは、軸方向に延びるとともに、先端側に被測定ガス中の特定ガス成分を検出する検出部を有する検出素子と、
自身の内側に該検出素子を挿通し、該検出部が先端側に露出するように該検出素子を保持するハウジング本体と、
該ハウジング本体の先端側に固定され、該検出部を覆うプロテクタとを備え、
該プロテクタは、該検出部を収容する内側プロテクタと、該内側プロテクタより外側に設けられ、該内側プロテクタを収容する外側プロテクタとからなるガスセンサにおいて、
前記外側プロテクタは、筒状をなし、前記被測定ガスを自身の内部に導入可能な複数個の外側ガス導入孔が形成された外側筒状部と、該外側筒状部の先端に形成され、自身に開孔を有するフランジ部とを有し、
前記内側プロテクタは、筒状をなし、該被測定ガスを自身の内部に導入可能な複数個の内側ガス導入孔が形成された内側筒状部と、該内側筒状部の先端に形成され、軸方向でみて該外側プロテクタの該開孔と略同一位置又は該外側プロテクタの該開孔より先端側の位置にある蓋部とを有し、
該フランジ部と該内側プロテクタとの間には、該内側プロテクタと該外側プロテクタとの間に設けられた外室と外部とを連通する複数の連通孔が周方向で分断された状態で形成されていることを特徴とする。
このような構成である本発明のガスセンサにおいて、フランジ部と内側プロテクタとの間には、外室を外部に開放する複数の連通孔が周方向に分断された状態で形成されている。このため、連通孔以外のフランジ部と内側プロテクタとの間隙については連通孔よりも小さく、又は無くすことができ、外側プロテクタと内側プロテクタとの配置がずれにくくなる。他方、フランジ部と内側プロテクタとの間隙に設けられた連通孔は孔の大きさを十分に確保できる。よって、排気管に方向性を考慮せずに配置されたガスセンサであっても、外室に水分が滞留しやすくなることを防止できる。
さらに、このガスセンサは、内側プロテクタの周りに設けられるフランジ部との間隙を排出孔代わりとしているので、プロテクタが小型化され、外側プロテクタのフランジ部が小径化されたとしても、外室に水分が滞留することを確実に防止している。
したがって、本発明のガスセンサは、外室内に滞留する水分を好適に排出し、水分が内室を経て検出部に悪影響を与えることを抑制可能である。
なお、連通孔以外のフランジ部と内側プロテクタとの間隙については連通孔よりも小さくしていれば、外側プロテクタと内側プロテクタとの配置のずれを抑制できる。さらに、連通孔以外のフランジ部と内側プロテクタとを当接させることにより(つまり、間隙を無くすことにより)より有効に外側プロテクタと内側プロテクタとの配置のずれを抑制できる。この場合、フランジ部と内側プロテクタとを係合した状態で保持しても良いし、溶接等により固定しても良い。
さらに、連通孔の孔の大きさは、大きければ大きいほど外室に水分が滞留しやすくなることを防止できるが、外側プロテクタのフランジ部が小径化を考慮し、且つフランジ部の周方向に分断することを考慮し形成すればよい。
本発明のガスセンサにおいて、各連通孔は周方向で等間隔に形成されていることが好ましい。こうすることにより、排気管に方向性を考慮せずに配置されたガスセンサであっても、外室に水分が滞留し易くなることを確実に防止できる。
ところで、プロテクタの小型化の要求により、外側プロテクタのフランジ部が小径化されると、それに伴って、外室の隙間も狭くなる。このような場合に、外室内に水分が浸入すると、表面張力により水分が狭い外室に滞留して、排出され難くなるおそれがある。そこで、本発明ガスセンサにおいて、フランジ部は、径方向内側に向かうにつれて先端側に傾斜していることが好ましい。
このような構成であるガスセンサにおいては、外側プロテクタの周囲を流れる被測定ガスがフランジ部に当接することで先端側に向かって流れる流れが発生し、その結果、連通孔内が負圧になる。このため、外室内に滞留する水分が連通孔から外部に吸い出されるようにして排出されることとなる。このため、このガスセンサは、小型化による狭い外室であっても水分が滞留して、排出され難くなることを確実に防止できる。
本発明のガスセンサにおいて、内側プロテクタは円柱状であり、フランジ部の開孔が波状に形成され得る。この場合において、フランジ部は、径方向内側に向かうにつれて先端側に傾斜し、蓋部は、径方向内側に向かうにつれて先端側に傾斜するテーパ部を有し、波状に形成された開孔の内周縁は、後端側に突出する凹部と先端側に突出する凸部とからなり、フランジ部における凹部と外側筒状部の先端とを繋ぐ谷状の面とテーパ部とは軸芯に対して同一角度で傾斜し得る。これにより、被測定ガスが外部プロテクタの周囲をよりスムーズに流れるので、連通孔内が一層の負圧になり易くなり、外室に滞留する水分を確実に排出できる。
また、本発明のガスセンサにおいて、フランジ部の内周縁は円形であり、内側プロテクタの開孔の位置における外周縁が波状に形成され得る。この場合において、フランジ部は、径方向内側に向かうにつれて先端側に傾斜し、蓋部は、径方向内側に向かうにつれて先端側に傾斜するテーパ部を有し、内側プロテクタの開孔の位置における外周縁は、内側筒状部及び凹部により、又はテーパ部及び凹部により、波状を形成してなり、フランジ部とテーパ部とは軸芯に対して同一角度で傾斜し得る。これにより、被測定ガスが外部プロテクタの周囲をよりスムーズに流れるので、連通孔内が一層の負圧になり易くなり、外室に滞留する水分を確実に排出できる。
なお、本発明のガスセンサは、蓋部の中央が部分的に切断されて折り曲げられたりすることにより、蓋部に内室を外部に開放する通孔が形成されていてもよい。この通孔により、内室内に貯留した水分が排出されやすく、検出部への水分の悪影響をより防止できる。蓋部の中央が円形面に形成されている場合、通孔を弧とする扇状に蓋部の中央を部分的に切断して折り曲げることができる。扇は等角の複数個であることが好ましい。
以下、本発明を具体化した実施例1〜6を図面を参照しつつ説明する。なお、図1、図3及び図4においては、下方が先端側であり、上方が後端側であるが、図5〜図16においては、下方が後端側であり、上方が先端側である。
図1〜図4に示す実施例1のガスセンサ1は、例えば、内燃機関の排気管に装着され、内部に保持する検出素子10の検出部11が排気管内を流通する被測定ガスとしての排気ガスに曝されることにより、排気ガスの酸素濃度から排気ガスの空燃比を検出する、いわゆる全領域空燃比センサである。ガスセンサ1は、先端側に検出部11を有する検出素子10と、自身の内側に検出素子10を挿通し、検出部11が先端側に露出するように検出素子10を保持するハウジング本体としての主体金具50と、主体金具50の先端側外周に固定され、検出部11を覆うプロテクタ100とを備えている。
検出素子10は、軸線O方向に延びる狭幅の板形状をなし、排気ガス中の酸素ガス濃度の検出を行うガス検出体と、そのガス検出体を早期に活性化させるために加熱を行うヒータ体とが互いに貼り合わされ、略角柱状をなす積層体として一体化されたものである(図1では、紙面左右方向を板厚方向、紙面表裏方向を板幅方向として示している。)。ガス検出体は、ジルコニアを主体とする固体電解質体と白金を主体とする検出電極と(共に図示しない)から構成されており、検出電極は、検出素子10の先端側の検出部11に配置されている。そして、検出電極を排気ガスによる被毒から保護するため、検出素子10の検出部11には、その外周面を包むように保護層15が形成されている。また、検出素子10の後端側の後端部12には、ガス検出体やヒータ体から電極を取り出すための5つの電極パッド16(図1ではそのうちの1つを図示している。)が形成されている。なお、本実施例では、検出素子10を本発明における「検出素子」として説明を行うが、厳密には、検出素子の構成としてヒータ体は必ずしも必要ではなく、ガス検出体が本発明の「検出素子」に相当する。
検出素子10の胴部13の中央よりやや先端側には、有底筒状をなす金属製の金属カップ20が、自身の内部に検出素子10を挿通させ、検出部11を筒底の開孔25から突出させた状態で配置されている。金属カップ20は、主体金具50内に検出素子10を保持するための部材であり、筒底の縁部分の先端周縁部23は、先細りのテーパ状に形成されている。金属カップ20内には、アルミナ製のセラミックリング21と、滑石粉末を圧縮して固めた滑石リング22とが自身を検出素子10内に挿通させた状態で収容されている。滑石リング22は、金属カップ20内で押し潰されて細部に充填されており、これにより、検出素子10が金属カップ20内に位置決めされて保持されている。
金属カップ20と一体になった検出素子10は、その周囲を筒状の主体金具50により取り囲まれて保持されている。主体金具50は、ガスセンサ1を内燃機関の排気管等(図示しない)に取り付け固定するためのものであり、SUS430等の低炭素鋼からなっている。主体金具50の外周先端側に排気管等に取り付け固定するための雄ねじ部51が形成され、雄ねじ部51より先端側には、後述するプロテクタ100が係合される先端係合部56が形成されている。また、主体金具50の外周中央には、取り付け用の工具が係合する工具係合部52が形成されており、その工具係合部52の先端面と雄ねじ部51の後端との間には、排気管等に取り付けた際のガス抜けを防止するためのガスケット55が嵌挿されている。さらに、工具係合部52の後端側には、後述する外筒30が係合される後端係合部57と、その後端側に、主体金具50内に検出素子10を加締め保持するための加締め部53とが形成されている。
また、主体金具50の内周側の雄ねじ部51付近には、段部54が形成され、この段部54には、検出素子10を保持する金属カップ20の先端周縁部23が係止されている。さらに、主体金具50の内周側には、滑石リング26が自身を検出素子10に嵌挿させた状態で、金属カップ20の後端側から装填され、筒状のスリーブ27が自身を検出素子10に嵌挿させた状態で、滑石リング26の後端側から、滑石リング26を押さえるように嵌め込まれている。スリーブ27の後端側外周には段状をなす肩部28が形成されており、肩部28には、円環状の加締めパッキン29が配置されている。この状態で主体金具50の加締め部53が加締めパッキン29を介してスリーブ27の肩部28を先端側に向けて押圧するように加締められている。そして、スリーブ27に押圧された滑石リング56は主体金具50内で押し潰されて細部にわたって充填され、滑石リング26と、金属カップ20内にあらかじめ装填された滑石リング22とによって、金属カップ20及び検出素子10が主体金具50内で位置決め保持されている。
検出素子10の後端部12は、主体金具50の後端(加締め部53)よりも後方に突出しており、絶縁性セラミックスからなる筒状のセパレータ60の内周側に挿通されている。セパレータ60は、検出素子10の後端部12に形成された5つの電極パッド16と、それぞれ電気的に接続される5つの接続端子61(図1ではそのうちの1つを図示している。)を内部に保持するとともに、それら各接続端子61と、ガスセンサ1の外部に引き出される5本のリード線65(図1ではそのうちの3本を図示している。)との各接続部分を収容して保護している。
そして、セパレータ60の周囲を囲うように、筒状の外筒30が配設されている。外筒30は、ステンレス(例えばSUS304)製であり、主体金具50の後端係合部57の外周に自身の先端側の開孔端31が係合されている。外筒30と主体金具50とは、開孔端31が外周側から加締められ、さらに外周を一周するレーザ溶接が施されることにより一体に接合固定されている。
また、外筒30とセパレータ60との間の間隙には、金属製で筒状の保持金具70が配設されている。保持金具70は、自身の後端を内側に折り曲げて構成した支持部71を有し、自身の内部に挿通されるセパレータ60の後端側外周に鍔状に設けられた鍔部62を支持部71に係止させて、セパレータ60を支持している。この状態で、保持金具70が配置された部分の外筒30の外周面が加締められ、セパレータ60を支持した保持金具70が外筒30に固定されている。
外筒30の後端側の開孔には、フッ素系ゴム製のグロメット75が嵌合されている。グロメット75は、5つの挿通孔76(図1ではそのうちの1つを図示している。)を有し、各挿通孔76に、セパレータ60から引き出された5本のリード線65が気密に挿通されている。この状態でグロメット75は、セパレータ60を先端側に押圧しつつ、外筒30の外周から加締められて、外筒30の後端に固定されている。
一方、主体金具50により保持された検出素子10の検出部11は、主体金具50の先端部(先端係合部56)より突出した状態とされている。先端係合部56には、検出素子10の検出部11を排気ガス中のデポジット(燃料灰分やオイル成分等の被毒性の付着物質)による汚損や被水等による折損等から保護するためのプロテクタ100が嵌められ、スポット溶接やレーザ溶接によって固定されている。以下、このプロテクタ100について、図3〜図7を用いてより詳しく説明する。
プロテクタ100は、検出部11を内室129(「ガス検出室」ともいう。)に収容する内側プロテクタ120と、内側プロテクタ120より外側で同軸に設けられ、内側プロテクタ120を外室119(「ガス分離室」ともいう。)に収容する外側プロテクタ110とからなり、二重構造に形成されている。
内側プロテクタ120は、図5に示すように、筒状をなす内側筒状部121と、内側筒状部121の先端に形成される円盤状の蓋部122と、内側筒状部121の後端側に形成される基端部123とを有している。
内側筒状部121の外径は、主体金具50の先端係合部56よりも小さく形成され、基端部123の外径は、先端係合部56の外周に係合するように内側筒状部121の外径より大きくされている。そして、内側プロテクタ120は、基端部123の外周を一周するレーザ溶接が施されることにより、主体金具50の先端係合部56に接合固定されている。
内側筒状部121の基端部123寄りの位置には、周方向に沿って複数個(本実施例では、4個)の内側ガス導入孔130が開孔されている。内側ガス導入孔130は、後述する外側プロテクタ110の外側ガス導入孔115を介して外室119に導入される排気ガスのうち、主にガス成分を検出素子10の検出部11が露出された内室129内に導入させるために設けられている。
また、内側筒状部121の蓋部122寄りの位置には、周方向に沿って複数個(本実施例では、6個)の水抜き孔150がL字型の切り込みを内室129内に向けて押し込むようにして開孔されている。そして、蓋部122の外周側には、通孔160が同一円周上にある1対の半円状の切り込みを内室129内に向けて押し込むようにして開孔されている。1対の半円状の切り込みは、折り曲げられることにより、等角の2個の扇状切片として内室129内に傾斜している。水抜き孔150及び通孔160は、外室119内に導入される排気ガスに含まれる水分(水滴)等を内室129を介して、外部に排出するための導路として設けられている。また、通孔160を構成する扇状切片により、内室129内に貯留した水分が排出されやすく、また、軸線O方向に沿って、内側プロテクタ120の先端側から内室129に飛来する水滴等が検出部11に到達し難くなっており、検出部11を被水から確実に保護することができている。
外側プロテクタ110は、図6に示すように、筒状をなす外側筒状部111と、外側筒状部111の先端に形成されるフランジ部112と、外側筒状部111の後端側に形成される基端部113とを有している。
基端部113は、内側プロテクタ120の基端部123の外周に重なるように係合されてスポット溶接が施されている。これにより、外側プロテクタ110は、内側プロテクタ120に接合固定されている。
外側筒状部111のフランジ部112寄りの位置には、周方向に沿って複数個(本実施例では、6個)の外側ガス導入孔115がコ字型の切り込みを外室119内に向けて押し込むようにして開孔されている。そして、外室119内に向けて曲げられたコ字型の切り込みはガイド体116とされている。外側ガス導入孔115は、排気ガスを外室119内に導入させるために設けられている。そして、ガイド体116は、外部から外側ガス導入孔115を介して外室119内に導入される排気ガスに、内側プロテクタ120の内側筒状部121の外周を取り囲むように流れる旋回流を生じさせる機能を担っている。
フランジ部112は、外側筒状部111の先端から、先細り形状となるように形成され、自身の先端に開孔114を有している。そして、開孔114の内周縁が波状にうねるようにフランジ部112自体が波状に曲げ加工されている。波状のうねりは、12周期であり、各周期の長さは同じである。
図4及び図7に示すように、開孔114と蓋部122とは、軸線O方向でみて略同一位置とされている。そして、開孔114の波状にうねる内周縁のうち、後端側に突出する凹部114aは、内側プロテクタ120の外周に当接し、先端側に突出する凸部114bは、内側プロテクタ120の外周から離反している。これにより、フランジ部112と蓋部122との間には、外室119を外部に開放する複数(本実施例では12個)の連通孔114cが周方向で分断された状態で等間隔に形成されている。
このような構成である実施例1のガスセンサ1は、内燃機関の排気管等に取り付けられた場合、雄ねじ部51よりも先端側が排気管内に露出した状態となる。そして、排気管内を流通する排気ガスは、少なくとも軸線O方向とは異なる方向(例えば、軸線O方向に直交する方向)からプロテクタ100に衝突し、外側プロテクタ110の外側ガス導入孔115から外室119内に導入される。このとき、排気ガスは、ガイド体116により、流路方向を案内され、外室119内で内側プロテクタ120の内側筒状部121の外周を取り囲むように流れる旋回流が生じる。この旋回流に伴い発生する慣性力により、排気ガス中に含まれる相対的に重い水分と相対的に軽いガス成分とが分離される。
そして、比重の軽いガス成分は、内側ガス導入孔130から内室129内に導入され、検出部11と接触する。その結果、検出部11は、排気ガス中の酸素濃度の検出を行うことが可能となっている。
他方、比重の重い水分は、外室119内を先端側に移動し、その一部は、水抜き孔150から内室129内に導入され、通孔160から外部に排出される。また、排気管内を流通する排気ガスが外側プロテクタ110のフランジ部112及び内側プロテクタ120の蓋部122に沿って流れる(図7に示すF方向の流れ)ことにより、開孔114の凹部114a及び凸部114bの近傍で流速差が生じ、各連通孔114cに負圧が発生する。このため、外室119内を先端側に移動した水分の一部は、各連通孔114cから負圧により吸い出されるようにして外部に排出される。
このように、実施例1のガスセンサ1は、フランジ部112と内側プロテクタ120との間には、外室119を外部に開放する複数の連通孔114cが周方向に分断された状態で形成されている。このため、開孔114の凹部114aが内側プロテクタ120の外周縁に当接しているため、外側プロテクタ110と内側プロテクタ120との配置がずれにくくなる。他方、フランジ部114と内側プロテクタ120との間隙に設けられた連通孔114cは孔の大きさを十分に確保できる。よって、排気管に方向性を考慮せずに配置されたガスセンサ1であっても、外室119に水分が滞留しやすくなることを防止できる。
さらに、このガスセンサ1は、内側プロテクタ120の周りに設けられるフランジ部112との間隙を排出孔代わりとしているので、外側プロテクタ120のフランジ部112が小径化されていても、外室119に水分が滞留することを確実に防止している。
したがって、実施例1のガスセンサ1は、外室119内に滞留する水分を好適に排出し、水分が内室129を経て検出部11に悪影響を与えることを抑制できる。
また、実施例1のガスセンサ1は、連通孔114cが周方向に等間隔に形成されているので、排気管に方向性を考慮せずに配置されたガスセンサ1であっても、外室119に水分が滞留しやすくなることを確実に防止できる。
さらに、実施例1のガスセンサ1では、フランジ部112が径方向内側に向かうにつれて先端側に傾斜しているので、ガスセンサ1の外側プロテクタ110の周囲を流れる被測定ガスがフランジ部112に当接することで先端側に向かって流れる流れが発生し、その結果、連通孔内114cが負圧になる。このため、外室119内に滞留する水分が連通孔114cから外部に吸い出されるようにして排出される。このため、このガスセンサ1は、小型化による狭い外室119であっても水分が滞留して、排出され難くなることを確実に防止できる。
実施例2のガスセンサは、実施例1のガスセンサ1における内側プロテクタ120の蓋部122を図8及び図9に示す碗状の蓋部222に変更した内側プロテクタ220を採用しており、その他の構成は、実施例1のガスセンサ1と同様である。よって、実施例2では、内側プロテクタ220の蓋部222を中心に説明し、その他の構成については、実施例1と同一の符号を付して、説明を簡略又は省略する。
蓋部222は、図8に示すように、内側筒状部121の先端に形成されるテーパ部222aと、テーパ部222aの先端に形成される円盤部222bとからなる。
テーパ部222a及びフランジ部112(凹部114aと外側筒状部111の先端とを繋ぐ谷状の面)は、軸線Oに対して同一角度で傾斜している。
円盤部222bの外周側には、通孔260が同一円周上にある1対の半円状の切り込みを内室129内に向けて押し込むようにして開孔されている。1対の半円状の切り込みは、折り曲げられることにより、等角の2個の扇状切片として内室129内に傾斜している。
フランジ部112と蓋部222のテーパ部222aとの間には、図9に示すように、外室119を外部に開放する複数(本実施例では12個)の連通孔214cが周方向で分断された状態で等間隔に形成されている。
このような構成である実施例2のガスセンサは、テーパ部222a及びフランジ部112軸線Oに対して同一角度で傾斜していることから、排気ガスがプロテクタ100の周囲をよりスムーズに流れるので、連通孔214c内が一層の負圧になり易くなっており、
外室に滞留する水分を確実に排出できる。その他、実施例2のガスセンサは、実施例1のガスセンサ1と同様の作用効果をより確実に奏することができている。
実施例3のガスセンサは、図10及び図11に示すように、実施例2のガスセンサにおける内側プロテクタ220に複数個(本実施例では6個)の凹部324aを形成した内側プロテクタ320を採用しており、その他の構成は、実施例2のガスセンサと同様である。よって、実施例3では、内側プロテクタ320の凹部324aを中心に説明し、その他の構成については、実施例1、2と同一の符号を付して、説明を簡略又は省略する。
各凹部324aは、図10に示すように、内側筒状部121の先端側から蓋部222のテーパ部222aの外周縁にかけて、半円断面の溝が形成されることにより設けられており、周方向に等間隔で形成されている。
そして、このガスセンサは、図11に示すように、各凹部324aが開孔114の12箇所の凸部114bのうち6箇所と向き合うことにより形成される6個の大きな連通孔314cと、6個の連通孔214cとを有している。このため、このガスセンサは、大きな連通孔314cにより、外室119に滞留する水分を一層外部に排出し易くなっている。
このような構成である実施例3のガスセンサも、実施例1、2のガスセンサ1と同様の作用効果をより確実に奏することができている。
実施例4のガスセンサは、実施例3のガスセンサにおける外側プロテクタ110のフランジ部112を、図12及び図13に示すように、波状の曲げ加工のないフランジ部412に変更した外側プロテクタ410を採用しており、その他の構成は、実施例3のガスセンサと同様である。よって、実施例4では、外側プロテクタ410のフランジ部412を中心に説明し、その他の構成については、実施例1〜3と同一の符号を付して、説明を簡略又は省略する。
フランジ部412は、波状の折り曲げ加工のない先細り形状とされており、フランジ部412の開孔414も単純な円形状である。そして、内側プロテクタ320のテーパ部222a及びフランジ部412は、軸線Oに対して同一角度で傾斜している。
図13に示すように、フランジ部412と蓋部222の各凹部324aとの間には、外室119を外部に開放する複数(本実施例では6個)の連通孔414cが周方向で分断された状態で等間隔に形成されている。
このような構成である実施例5のガスセンサも、実施例1〜3のガスセンサ1と同様の作用効果を奏することができている。
実施例5のガスセンサは、実施例4のガスセンサにおける内側プロテクタ320の各凹部324aを、図14及び図15に示す凹部524aに変更した内側プロテクタ520を採用しており、その他の構成は、実施例4のガスセンサと同様である。よって、実施例5では、内側プロテクタ520の凹部524aを中心に説明し、その他の構成については、実施例1〜4と同一の符号を付して、説明を簡略又は省略する。
各凹部524aは、図14に示すように、蓋部222のテーパ部222aに、半円断面の短い溝が形成されることにより設けられており、周方向に等間隔で形成されている。
図15に示すように、フランジ部412と蓋部222の各凹部524aとの間には、外室119を外部に開放する複数(本実施例では6個)の連通孔514cが周方向で分断された状態で等間隔に形成されている。
このような構成である実施例5のガスセンサも、実施例1〜4のガスセンサ1と同様の作用効果を奏することができている。
実施例6のガスセンサは、実施例4のガスセンサにおける外側プロテクタ410のフランジ部412を、図16に示すフランジ部612に変更した外側プロテクタ610を採用しており、その他の構成は、実施例4のガスセンサと同様である。よって、実施例6では、外側プロテクタ610のフランジ部612を中心に説明し、その他の構成については、実施例1〜4と同一の符号を付して、説明を簡略又は省略する。
図16に示すように、フランジ部612は、波状の折り曲げ加工がされておらず、フランジ部612の開孔614も単純な円形状である。そして、フランジ部612は、先細り形状ではなく、軸線Oに対して略直角の径方向に延びる形状とされている。
フランジ部612と蓋部222の各凹部324aとの間には、外室119を外部に開放する複数(本実施例では6個)の連通孔614cが周方向で分断された状態で等間隔に形成されている。
このような構成である実施例6のガスセンサも、実施例1〜5のガスセンサ1と同様の作用効果を奏することができている。
以上において、本発明を実施例1〜6に即して説明したが、本発明は上記実施例1〜6に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
本発明はガスセンサに利用可能である。
実施例1のガスセンサの部分断面図である。
実施例1のガスセンサに係り、図1の矢視II方向からみた正面図である。
実施例1のガスセンサに係り、先端側を拡大した断面図(図2のIII−III断面を示す)である。
実施例1のガスセンサに係り、先端側を拡大した断面図(図2のIV−IV断面を示す)である。
実施例1のガスセンサに係り、内側プロテクタを示す斜視図である。
実施例1のガスセンサに係り、外側プロテクタを示す斜視図である。
実施例1のガスセンサに係り、プロテクタの先端側を示す斜視図である。
実施例2のガスセンサに係り、内側プロテクタを示す斜視図である。
実施例2のガスセンサに係り、プロテクタの先端側を示す斜視図である。
実施例3のガスセンサに係り、内側プロテクタを示す斜視図である。
実施例3のガスセンサに係り、プロテクタの先端側を示す斜視図である。
実施例4のガスセンサに係り、外側プロテクタを示す斜視図である。
実施例4のガスセンサに係り、プロテクタの先端側を示す斜視図である。
実施例5のガスセンサに係り、内側プロテクタを示す斜視図である。
実施例5のガスセンサに係り、プロテクタの先端側を示す斜視図である。
実施例6のガスセンサに係り、プロテクタの先端側を示す斜視図である。
符号の説明
1…ガスセンサ
10…検出素子
11…検出部
50…ハウジング本体(主体金具)
100…プロテクタ
110、410、610…外側プロテクタ
111…外側筒状部
112、412、612…フランジ部
114、414、614…開孔
114c、214c、314c、414c、514c、614c…連通孔
115…外側ガス導入孔
119…外室
120、220、320、520…内側プロテクタ
121…内側筒状部
122、222…蓋部
129…内室
130…内側ガス導入孔
O…軸線