以下、本発明の実施の形態につき図面を参照して説明する。
まず、図1に実施の形態に係る統合制御装置(以下、統合コントローラと呼ぶ)を使用した統合制御システム(以下、統合システムと呼ぶ)の構成図を示す。なお、同図では本実施形態の説明で使用しない部分は図示を省略している。
ある店舗内における設備機器とは、店舗内に設置、設定された及び店舗内で使用される系統から給電を受ける全ての電気機器のことであり、本実施形態における統合コントローラには、例えば冷凍機やショーケース、空調機、照明等の機器が接続されうるが、本実施形態では統合コントローラに冷凍機とショーケースのみが複数接続されている例で説明する。
600は統合コントローラで、統合コントローラ600に対して複数の冷凍機101、201…やショーケース102、103…、202、203…(同図中では多機能ケース、ケースと記載されているもの)が通信線605によりデイジーチェーン状に電気的に接続され、一つの統合システムを形成している。当該統合コントローラ600が、動作計画(動作プログラム)に基づいた各冷凍機、ショーケースの動作の制御、計測データの収集等を行う。
本実施形態の統合システムは、機器全体の省エネルギーの達成を目的とする。よって、当該統合コントローラ600は上記に加えて省エネルギーの目的の達成のために電力消費予測やこれに基づいた各機器への制御等も行う。
統合コントローラ600は演算、判断、指令等の処理を行うCPU601、タイムアウトの時間の計測等に使用するタイマ602、演算途中の結果の保存や後述の各テーブルが保存されているメモリ603、上記冷凍機やショーケースとの通信のために通信線605が接続される通信I/F(インタフェース;interface)604からなる。当該通信で使用されるプロトコルは、例えば統合コントローラをマスターとし、上記冷凍機やショーケースをスレーブとした、ポーリング方式によって通信が行なわれる。
同図によると、統合コントローラ600には通信線605によって冷凍機が5台(冷凍機1ないし冷凍機5)、ショーケース102、103…、202、203…が20台接続されている。
本実施形態においては、省エネルギー制御上の扱いの違いにより、便宜上ショーケースを多機能ケース(マスターショーケース)と通常のショーケース(ノーマルショーケース。以下では一般ケースと呼ぶ)に区別する。多機能ケースは、一般ケースと同様に陳列台ではあるが、一般ケースに比べて冷凍機の制御に用いられる情報を検出するセンサの数を多く備えている。例えば多機能ケースは、通常のケースよりも、ケースの庫内温度を計測するセンサや冷媒の流量等を計測するセンサを多く有している。また多機能ケースは、一般ケースが有しない、冷凍機の制御に用いられる情報を検出するセンサを有している。例えば店舗内などの室温を計測する室温センサを有している。これによって、多機能ケースは一般ケースと比較すると、一般ケースよりも冷凍機の制御上より重要な情報を検出できるので、一般ケースとは区別して扱わねばならない。なお、以下において多機能ケースと、一般ケースを区別しない時にはショーケースと総称する。同図において、多機能ケース102、202…は5台接続されており(多機能ケース1ないし多機能ケース5)、一般ケース103、104…、203、204…は、15台接続されている(ケース11ないしケース13、およびケース21ないしケース23、ケース31ないしケース33、ケース41ないしケース43、ケース51ないしケース53)。
1台の冷凍機と各ショーケースとは、冷媒配管で互いに接続されて一つの系(冷却系)をなしている。冷媒配管により冷凍機で圧縮された冷媒が各ショーケースに送出されることで、各ショーケースにおいて食品等の陳列物が冷蔵、冷凍されて陳列される。同図においては、冷凍機1と多機能ケース1と一般ケース(同図中では単にケースと記載)11ないしケース13が冷媒配管106により接続されて一つの冷却系をなし(冷却系100)、グループを形成している(グループ1)。同様に、冷凍機2ないし冷凍機5などが、冷媒配管206ないし冷媒配管506によって一つの各冷却系200ないし冷却系500をなし、グループ2ないしグループ5を形成している。
本実施形態の統合コントローラ600は、リトライ動作に関する履歴情報を含むリトライテーブル、通信異常に関する履歴情報を含む通信異常テーブル、リトライ動作の際に使用されるパラメータであるリトライパラメータテーブルの各テーブルを使用することにより、アクセスできない(通信異常の)冷凍機やショーケース等の機器全部に対してリトライ動作を行いつつも、省エネルギーの目的の達成に対するタイムアウトによる時間的ロスを低減させることができ、省エネルギーの目的の達成のために必要な制御を遅滞なく行うことができるものである。より具体的に説明すると、上記テーブルを使用することで、省エネルギーの目的の達成に対する影響度が大きい機器へのリトライ頻度を上げ、影響度の小さい機器へのリトライ頻度を下げることで(選択的リトライ)、アクセス周期1周期中におけるリトライする機器(リトライ対象機器)を低減させることができる。その結果アクセス周期が低減して、当該影響度が大きい機器へのアクセスを遅滞なくに行うことができるので、省エネルギーの目的の達成に対するタイムアウトによる時間的ロスの影響度を最小限に食い止めることができる。一方、影響度の小さい機器にも、リトライ頻度を下げてリトライしているので、全部の機器へのリトライを行うことができる。
なお、本実施形態において設備機器が有する省エネルギーの目的の達成に対する影響度とは、当該設備機器が通常動作している場合において、他の設備機器に対する当該設備機器の、その目的の達成に及ぼす影響の相対的な度合いを表し、例えば店舗内機器全体の消費電力量に占めるその機器の消費電力量の割合を表す。本実施形態における省エネルギーの目的の達成に対する影響度の高/低は、機器の電力消費量の多/少に対応する。
また、本実施形態におけるリトライは、通信異常機器へのアクセス頻度に依存して行われる。よって、リトライを他の機器に対して優先的に行うことは、アクセス頻度を他の機器に対して高く設定することを意味する。アクセス頻度とは、機器の単位周期当り(通信トランザクション1回当り)のアクセス数のことを言う。
まず、本実施例で使用するリトライテーブル、通信異常テーブル、リトライパラメータテーブルについて述べ、その次に本実施例の統合コントローラ600における動作フローについて述べる。
図2に、メモリ603の機能ブロック図と、リトライテーブルおよび通信異常テーブルの一例を示す。同図(A)がリトライテーブルであり、同図(B)が通信異常テーブルである。603Aはリトライ履歴部でリトライテーブルを保存し、603Bは通信異常履歴部であり通信異常テーブルを保存する。603Cには、リトライパラメータテーブルが保存されている。603Dはワークスペースで、演算途中の結果等が保存されている。603Eは、その他の情報が格納されている保存部である。なお、リトライ決定部はCPU601とワークスペース603Dで構成され、リトライに関する演算が行われる。これについては後で詳しく述べる。
リトライテーブルについて説明する。
リトライテーブルにより、次のアクセス(リトライを含む)の際にどの機器にアクセスするかが判明する。リトライテーブルの列方向データが統合システムに含まれる全ての機器についてのデータであり、行方向データが各機器における情報である。テーブルの最左列に各機器のアドレスが記録され、次の列から冷凍機や多機能ケース等の機器の種別、前回通信を行った時刻(前回通信トライ時刻)、次回通信を行うことを示す通信フラグが各々記録される。例えば、同図(A)リトライテーブルの一行目について説明すると、アドレスが1、種別が冷凍機である機器が、2006年8月22日9時30分10秒に前回通信をトライしており、通信フラグがYESであることを記録している。なお、通信フラグがYESである場合は対象機器について運転計測データ取得のアクセスを行い、通信フラグがNOである場合は対象機器について当該運転計測データ取得のアクセスを行わないことを示す。本実施例では、各機器のアドレスは図1のデイジーチェーンで接続される順番に付与されており、冷凍機1からケース53に対して、アドレスが1番から25番まで付与されている。
通信異常テーブルについて説明する。
通信異常テーブルにより、選択的リトライの対象機器が判明する。通信異常テーブルの列方向データが統合システムに含まれる全ての機器についてのデータであり、行方向データが各機器における情報である。テーブルの最左列に各機器のアドレスが記録され、次の列から冷凍機や多機能ケース等の機器の種別、直近の通信が成功した時刻、リトライ機器の判定を行うことを示す判定フラグ(選択的リトライの判定用フラグ)が各々記録される。例えば、同図(B)通信異常テーブルの一行目について説明すると、アドレスが1、種別が冷凍機である機器が、2006年8月22日9時30分10秒に直近の通信を成功しており、判定フラグがYESであることを記録している。判定フラグがYESである時は対象機器について後述の選択的リトライの判定によりリトライするか否かが決定され、判定フラグがNOである時はその対象機器については判定無しにリトライされるということを示す。
リトライパラメータテーブルについて説明する。
リトライパラメータテーブルは、その種別の機器のリトライを一巡させる周期と、後述の1周期中におけるその種別の機器のリトライ対象の数を格納している。これについては後で詳述する。
次に、本実施例の統合コントローラ600における動作フローについて述べる。
図3、図4を参照すると、統合コントローラの電源を投入した後に、ステップS100へ移行する。
本実施例の統合コントローラ600の動作フローについて述べる。なお、従来の動作フローとステップ番号が同じ処理については、従来の動作フローと同じか、または若干の処理の追加、変更がなされている。
統合コントローラの電源を投入した後に、ステップS100へ移行する。
ステップS100では、電源投入後のイニシャル処理を行う。当該イニシャル処理では、全ての機器における先述のリトライテーブルの通信フラグを初期化し(全てをYESとする)、また全ての機器における先述の通信異常テーブルの判定フラグの初期化も行う(全てをNOとする)。
なお、先述のようにリトライテーブルの通信フラグがYESである場合、通信フラグがYESである対象機器について後述の運転計測データ取得のアクセスを行い、通信フラグがNOである対象機器については当該運転計測データ取得のアクセスを行わない。また、先述のように通信異常テーブルの判定フラグがYESである時は、判定フラグがYESである対象機器について後述の選択的リトライの判定によりリトライするか否かが決定され、判定フラグがNOであるときはその対象機器については判定無しに、リトライされる。
ステップS500では、従来技術と異なり全ての機器にアクセスすることはせずに、リトライテーブルの通信フラグがYESの機器とのみ、運転計測データを取得すべくアクセスを行うようにアクセス先を設定する。
ステップS600では、上記アクセスを行った機器の通信時刻をリトライテーブルのトライ時刻に各々書き込み、更新する。
ステップS200では、統合コントローラの通信系に接続された全ての機器に対して、アクセスを行い、各機器の運転計測データを取得する。
ステップS700では、上述のようにリトライテーブルの通信フラグに従い通信した機器について、通信異常の有無の判定を行う。通信異常には、例えばある機器にアクセスを開始してから所定時間応答がない場合(タイムアウト)や、ノイズ等の何らかの原因でデータ化けを起こし、応答が不正となる場合(データエラー)などが考えられる。
ステップS800では、ステップS700で通信異常が無いと判断された機器について、通信異常テーブルの成功時刻を更新する。当該成功時刻は、例えば先述のリトライテーブルのトライ時刻や実際にその機器と通信を終えた時刻などが用いられる。
ステップS900では、リトライテーブルの通信フラグがYESの機器について、現在の時刻と通信異常テーブルの成功時刻との差(時間差)を各々算出する。
ステップS1000では、ステップS900で求めた各機器の時間差について、閾値(例えば、5分など)と比較して、閾値以上である機器の通信異常テーブルの判定フラグをYESとし、閾値未満である機器の通信異常テーブルの判定フラグをNOとする。
ステップS1100では、通信異常テーブルの判定フラグがYESである機器が1つでもあればステップS1200へ移行する分岐処理を行う。通信異常テーブルの判定フラグがYESである機器が1つもなければステップS300へ移行する。
ステップS1200では、後で詳述するリトライ機器の決定(選択的リトライ判定)を行う。
本実施例では、通信異常テーブルの判定フラグがYESである機器が1つでもあれば従来のように全ての機器のリトライを行うのではなく、各アクセス周期においてアクセスを行う機器を特定し複数の周期で見ればリトライを行う機器全てとアクセスを行うが、その機器の省エネルギーの目的の達成に対する影響度すなわち電力消費量に応じて前記特定を行い当該機器のアクセス頻度を変更する。ステップS1200では、こうしたリトライする機器の特定と、その機器のアクセス頻度を決定する。具体的には、省エネルギーの目的の達成に対する影響度が大きい機器へのリトライをより優先的に行うべくその機器のアクセス頻度を高め、影響度の小さい機器へのアクセス頻度を低めることで、1アクセス周期中におけるリトライ対象機器を減らして、省エネルギーの目的の達成に対するタイムアウトによる時間的ロスの影響度を食い止めるものである。
ステップS300では、上記取得データから算出された各機器のための設定制御データを作成する。
ステップS400では、設定制御データを全ての機器に対して書き込み(送信)を行う。本実施例では、ステップS500で述べたようにリトライテーブルの通信フラグがYESの機器とのみ運転計測データを取得すべくアクセスを行うのであるが、ステップS400での書き込みは、通信線605に接続される全ての機器に対して行う。この理由は、書き込み動作では統合コントローラ600は通信系に対して書き込みデータを出力さえすれば各機器が自分に対するデータを識別して取り込むので、ビジー状態にある機器があったとしてもその機器がデータを取り込まないだけであり、当該機器の状態を書き込み動作の段で確認して“書き込む/書き込まない”を設定する必要が無いからである。なお、ステップS500で述べたようにリトライテーブルの通信フラグがYESの機器のみ書き込みを行うようにしてもよい。
以後、ステップS500へ戻り、電源オフされるなどするまで通信トランザクション毎に各ステップ処理をループ状で行う。なお、当該ループは例えば特定の周期に従い、または時間当たりのループ回数が定められて、行われてよい。
次に、図4を使用して、ステップS1200の内容について説明する。
ステップS1200の内容は大きく4つに別れ、(a)冷凍機フェーズ(ステップS1201、ステップS1202)、(b)多機能ケースフェーズ(ステップS1203、ステップS1204)、(c)グループケースフェーズ(ステップS1205)、(d)一般ケースフェーズ(ステップS1206、ステップS1207)の4つのフェーズからなる。
本実施例での統合システムでは、統合コントローラ600の通信系に、冷凍機、ショーケース(多機能ケース、一般ケース)が接続されており、省エネルギーの目的の達成の点から見ると、それらの機器の省エネルギーに対する影響度は異なる。よって、省エネルギーに対する影響度に応じて、リトライの頻度を変更する。
冷凍機は、コンプレッサなどにより冷媒を圧縮するので大量の電力を消費し、更に各ショーケースが霜取り運転を行った場合には、当該ショーケースにおいて急速冷却を行わねばならないので、その電力消費量は更に大きなものになる。なお、ショーケースの霜取り運転とは、ショーケースの陳列部分において冷媒が流れる冷却管には空気中の水蒸気が氷着して霜の塊ができ冷却効率が低下することから、その霜の塊を除去する運転のことである。その際、ヒータ等で霜を融かすことから陳列部分の庫内温度が上昇するので、陳列物が当該温度上昇により融解する惧れがあることから、霜取り運転後は急速冷却を行う必要がある。
以上により、冷凍機は省エネルギーの目的の達成に対する影響度がショーケースより大きいと言え、省エネルギーの目的の達成の観点からは冷凍機の制御が一番重要となる。すなわち、店舗内の他の全ての機器と比べて冷凍機のアクセス頻度を一番高くしてリトライされる。
次に、多機能ケースと一般ケースについて述べる。
先述のように、多機能ケースは一般ケースと比較して冷凍機の制御に用いられる情報を検出するセンサの数が多かったり、また一般ケースが有しない、冷凍機の制御に用いられる情報を検出するセンサを有しており、冷凍機の制御が上述のように最も重要であることから、省エネルギーの目的の達成の観点から、多機能ケースは一般ケースよりも重要度が高いと考えられる。なお、多機能ケースは、冷凍機のための各種データを検出するセンサが取り付けられていることから、冷凍機の制御よりもその重要度は低い。すなわち、多機能ケースは冷凍機よりも低いアクセス頻度でリトライされる。
以上により、多機能ケースは一般ケースよりも省エネルギーの目的の達成に対する影響度が大きいと言え、省エネルギーの目的の達成の観点からは多機能ケースの制御が一般ケースの制御よりも重要である。すなわち、一般ケースは多機能ケースよりも低いアクセス頻度でリトライされる。
なお、あるグループに属する機器(冷凍機、ショーケース)が全て通信異常である場合は、そのグループに所属する一般ケースのうちの少なくとも一台と通信を行えている必要がある。さもないと、当該グループの一般ショーケースには何らアクセスを行うことが出来なくなるので、省エネルギーの目的の達成の観点から最低限の制御を得る必要があるからである。そこで、このグループに属する機器が全て通信異常である場合にも、当該グループに属する一般ケースのうちの一台とリトライを行う((c)グループケースフェーズ)。なお、当該グループケースフェーズにおいてリトライされる一般ケースも一般ケースの一種であるので、多機能ケースよりも低いアクセス頻度でリトライされる。
ステップS1200では、上で述べたように省エネルギーに対する影響度が異なる冷凍機、多機能ケース、一般ケース毎に、この順番に重み付けをしてリトライの対応を変更する、すなわちこの順番に重み付けをしてアクセス頻度を変更する。
図1中でハッチが付された機器は通信異常が生じている機器を表している。グループ2の全ての機器にハッチが付されており、ケース21ないしケース23には上記(c)グループケースフェーズが適用される。なお、当該グループに属する冷凍機2や多機能ケース2は上記冷凍機フェーズや多機能ケースフェーズでリトライ対象となっている。
次に、ステップS1200の内容について説明する。
ステップS1201では、通信異常テーブルの判定フラグがYESの冷凍機を対象に、今回リトライする冷凍機の数(NumComp)が算出される。ErrCompは通信異常テーブルの判定フラグがYESの冷凍機の数で、CycCompは冷凍機のリトライサイクルの数(通信異常テーブルの判定フラグがYESの冷凍機を全台リトライするための周期の数)を表す。このように、1通信トランザクション当たりのNumCompの値は、ErrCompの台数の1/CycCompに相当する値となり、ErrCompの台数以下となる。
なお、ErrComp/CycCompの演算結果が整数とならない場合は、例えば小数点以下を切り上げるなどして整数化をはかる。以下における同様の除算においてもこのような整数化をはかる。
ステップS1202では、リトライテーブルから、判定フラグがYESの冷凍機で前回通信トライ時刻が古いものからNumCompの台数だけ、次のリトライの対象とするため、該当する冷凍機のリトライテーブルの通信フラグをYESにする。また、判定フラグがYESの冷凍機で今回リトライするもの以外の通信フラグはNOに設定する。
なお、リトライ対象の冷凍機のリトライテーブルのトライ時刻がステップS600で更新されるので、ステップS500からステップS400に至る各ステップのループが繰り返される毎に、ステップS1202におけるリトライ対象の冷凍機が切り替わってゆく。以下のリトライ対象のショーケース等も同様に切り替わってゆく。
ステップS1203では、通信異常テーブルの判定フラグがYESの多機能ケースを対象に、今回リトライする多機能ケースの数(NumMCase)が算出される。ErrMCaseは通信異常テーブルの判定フラグがYESの多機能ケースの数で、CycMCaseは多機能ケースのリトライサイクルの数(通信異常テーブルの判定フラグがYESの多機能ケースを全台リトライするための周期の数)を表す。このように、1通信トランザクション当たりのNumMCaseの値は、ErrMCaseの台数の1/CycMCaseに相当する値となり、ErrMCaseの台数以下となる。
ステップS1204では、リトライテーブルから、判定フラグがYESの多機能ケースで前回通信トライ時刻が古いものからNumMCaseの台数だけ、次のリトライの対象とするため、該当する多機能ケースのリトライテーブルの通信フラグをYESにする。また、判定フラグがYESの多機能ケースで今回リトライするもの以外の通信フラグはNOに設定する。
なお、リトライ対象の多機能ケースのリトライテーブルのトライ時刻がステップS600で更新されるので、ステップS500からステップS400に至る各ステップのループが繰り返される毎に、ステップS1204におけるリトライ対象の多機能ケースが切り替わってゆく。
ステップS1205では、グループに属する機器全てが通信異常であるグループを抽出し、通信異常テーブルの判定フラグがYESの一般ケースを対象に、リトライテーブルにて前回通信トライ時刻が一番古いもの1台についてリトライテーブルの通信フラグをYESにする。なお、今回リトライするもの以外の一般ケースの通信フラグはNOに設定する。
ステップS1206では、通信異常テーブルの判定フラグがYESの一般ケースを対象に、今回リトライする一般ケースの数(NumCase)が算出される。ErrCaseは通信異常テーブルの判定フラグがYESの一般ケースの数で、CycCaseは一般のリトライサイクルの数(通信異常テーブルの判定フラグがYESの一般ケースを全台リトライするための周期の数)を表す。このように、1通信トランザクション当たりのNumCaseの値は、ErrCaseの台数の1/CycCaseに相当する値となり、ErrCompの台数以下となる。
ステップS1207では、リトライテーブルから、判定フラグがYESの一般ケースで前回通信トライ時刻が古いものからNumCaseの台数だけ、次のリトライの対象とするため、該当する一般ケースのリトライテーブルの通信フラグをYESにする。また、判定フラグがYESの一般ケースで今回リトライするもの以外の通信フラグはNOに設定する。
なお、リトライ対象の一般ケースのリトライテーブルのトライ時刻がステップS600で更新されるので、ステップS500からステップS400に至る各ステップのループが繰り返される毎に、ステップS1207におけるリトライ対象の一般ケースが切り替わってゆく。
当該統合コントローラ600の制御においては、省エネルギーの目的の達成(機器の省エネルギーに対する影響度)の観点から、冷凍機フェーズ、多機能ケースフェーズ、グループケースフェーズで決定された一般ケース、一般ケースの順にアクセス頻度を低く設定する。これは、CycComp、CycMCase、CycCaseの数値を適当に定めることで達成される。すなわち、冷凍機の単位周期当りのアクセスが多機能ケースの単位周期当りのアクセス以上となるようにCycCompがCycMCase以下となるように定められ、多機能ケースの単位周期当りのアクセスが一般ケースの単位周期当りのアクセス以上となるように、CycMCaseがCycCase以下になるように定められる。例えば、CycComp=2、CycMCase=4、CycCase=8とすることができる。
なお、これらの値は、例えば機器ごとにどの程度の頻度でリトライしたいかに従って、または一度にリトライする台数をどの程度減らすかに従って決めればよい。たとえば、重要度の高い冷凍機であれば、毎回ないし数回に一度の頻度でリトライしてほしいことから、CycCompは、1以上の比較的小さな数に決定する。そのCycCompの値を基準にCycMCaseを決定し、そのCycMCaseの値を基準にCycCaseを比較的大きな値に決定すればよい。
また、グループケースフェーズで決定された一般ケースが各周期において必ずN台アクセスされるとする時、ErrCase/CycCase<NとなるようなCycCaseに定めれば、グループケースフェーズで決定された一般ケースの単位周期当りのアクセスが一般ケースの単位周期当りのアクセスよりも多くできる。なお、グループケースフェーズで決定された一般ケースと一般ケースとは同じ一般ケースであるので、優先度に差を設けることは必ずしも必要ではない。これらCycComp、ErrComp、Numcomp等は、リトライパラメータテーブル603Cに格納されている。
図5に、本実施例によるリトライ動作を含む通信動作と、従来技術における通信動作を比較する説明図を載せる。なお、同図は通信異常機器を図1に記載の場合を例としており、具体的には、通信異常機器が冷凍機1、2、多機能ケース2、3、一般ケース11、21、22、23、31、32、41の場合の例となっている。
図5(A)は、本実施例における1周期当たりの通信時間(下図)と、従来技術における1周期当たりの通信時間(上図)とを比較する図である。なお、同図において本実施例についてはリトライ機器へのアクセス部分を正常機器とのアクセス部分の後ろに記載し、従来技術については通信異常の機器へのアクセス部分を正常機器とのアクセス部分の後ろに記載して、比較しやすいように記載してある。従来技術においては、通信異常機器とも正常機器と異なることなくアクセスを行うが、そのアクセス時間はタイムアウト時間となるので、当該アクセスをリトライとして捉えることができ、同図中ではリトライと記載している。なお、CycComp=2、CycMCase=2、CycCase=4である。
同図(A)下図は、先述のステップS1200において、リトライ機器として(a)冷凍機フェーズにおいて冷凍機1が選択され、(b)多機能ケースフェーズにおいて多機能ケース2が選択され、(c)グループケースフェーズにおいてケース21が選択され、(d)一般ケースフェーズにおいてケース11が選択された場合を想定している。
同図によると、従来例では、冷凍機1、2、多機能ケース2、3、一般ケース11、21、22、23、31、32、41、の全ての通信異常機器とアクセスしており、タイムアウト時間を2秒とすると、11台で22秒の時間的ロスが発生する。一方、本実施例では、冷凍機は冷凍機1のみ、多機能ケースは多機能ケース2のみ、一般ケースは、一般ケースフェーズで一般ケース11、グループケースフェーズで一般ケース21がリトライの対象とされてアクセスされ、タイムアウト時間を2秒とすると、4台で8秒の時間的ロスとなる。よって、本実施例ではその差14秒(7台分)だけ時間を短縮でき、アクセス周期を約1/3とすることができる。
以上のように、本実施例では正常機器と通信を行う周期を早めることができる。また別の側面として、例えば以下で述べるような従来の欠点を改善することができる。
同図(B)は、冷凍機1がビジー状態から復帰し次のアクセスに至るまでの経過時間を比較する図で、本実施例における復帰時間(下図)と、従来の、選択的リトライ判定を行わずすべての機器について公平に本実施例と同じ台数だけリトライする場合における復帰時間(上図)である。すなわち、同図(B)は従来の場合、本実施例の場合の両方とも、アクセス周期1周期において通信異常であった機器とのアクセスは4台分のみ行う(よってアクセス周期は同じになる)。なお、同図においてリトライ機器へのアクセス、通信異常の機器へのアクセスは正常機器とのアクセスの後に行う。また、同図(A)と同様にCycComp=2、CycMCase=2、CycCase=4である。
同図(B)下図の最左の通信トランザクションでは、先述のステップS1200において、リトライ機器として(a)冷凍機フェーズにおいて冷凍機1が選択され、(b)多機能ケースフェーズにおいて多機能ケース2が選択され、(c)グループケースフェーズにおいてケース21が選択され、(d)一般ケースフェーズにおいてケース11が選択され、次の時限(同図において右隣)の通信トランザクションでは、リトライ機器として(a)冷凍機フェーズにおいて冷凍機2が選択され、(b)多機能ケースフェーズにおいて多機能ケース3が選択され、(c)グループケースフェーズにおいてケース22が選択され、(d)一般ケースフェーズにおいてケース31が選択された場合を想定している。
同図によると、選択的リトライを行わない例では、冷凍機1、2、多機能ケース2、3、一般ケース11、21、22、23、31、32、41、の全ての通信異常機器とアクセスしており、正常機器全台(14台)とアクセスする時間を1秒としタイムアウト時間を2秒とすると、冷凍機1にアクセスできるのは27秒(=(1秒+4台×2秒)×3)毎である。一方、本実施例では、冷凍機は2周期に1回はリトライの対象とされてアクセスされるため、正常機器全台(14台)とアクセスする時間を1秒としタイムアウト時間を2秒とすると、冷凍機1にアクセスできるのは18秒(=(1秒+4台×2秒)×2)毎である。よって、本実施例では省エネルギーの目的の達成に対する影響度が最も大きい冷凍機について、アクセスする周期が、その差9秒だけ時間を短縮でき、アクセス周期を2/3とすることができる。その結果、アクセスの遅延により適切な制御が間に合わず省エネルギーの目的の達成を損ないかねない事態を回避することができる。
また、同図におけるタイミングで冷凍機1がビジー状態から復帰したとすると、次のアクセスに至るまでの経過時間が、従来例では19秒程度であるのに対し、本実施例では12秒程度となっており、省エネルギーの目的の達成に対する影響度が最も大きい冷凍機について、その差7秒だけ時間を短縮でき、約2/3とすることができる。その結果、当該遅延により適切な制御が間に合わず省エネルギーの目的の達成を損ないかねない事態を回避することができる。
以上のように、本実施例はアクセス周期を同じにしても、従来にない効果を奏する。具体的には、本実施例により、通信異常機器全部に対してリトライ動作を行いつつも、省エネルギーの目的の達成に対するタイムアウトによる時間的ロスの影響度を低減させる統合コントローラを提供することができ、当該省エネルギーの目的の達成に対する影響度が大きい冷凍機への周期的なアクセスに通常以上の時間を要することでより適切な制御が間に合わず当該省エネルギーの目的の達成を損ないかねない事態を回避することができる。
本実施形態の統合制御システムは冷凍機とショーケースだけの最小限の機器で形成されていたが、空調機、保温器、照明等の機器が含まれていてもよい。この場合でも本実施形態と同様の制御を行うことができ、また本実施形態同様の作用効果を得ることができる。なお、これについての説明は同様に相当できるので割愛する。また、本実施形態では通信線により通信系を形成していたが、例えば統合制御装置が店舗の外に存在しインターネット等の電気通信回線によって通信系が形成されていてもよい。この場合でも本実施形態と同様の制御を行うことができ、また本実施形態同様の作用効果を得ることができる。なお、これについての説明は同様に相当できるので割愛する。
本実施の形態における統合制御装置は、ハードウェア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIなどで実現できる。また、ソフトウェア的には、メモリにロードされた統合制御機能のあるプログラムなどによって実現される。図1には、ハードウェアおよびソフトウェアによって実現される統合制御の機能ブロックが示されている。ただし、これらの機能ブロックが、ハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、あるいは、それらの組合せ等、いろいろな形態で実現できることは言うまでもない。
本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。