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JP4840215B2 - 永久磁石式回転電機及びそれを用いた圧縮機 - Google Patents
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永久磁石式回転電機及びそれを用いた圧縮機 Download PDF

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Description

本発明は、永久磁石式回転電機及びそれを用いた圧縮機に関する。
従来、この種の永久磁石式回転電機においては、固定子巻線に集中巻が採用され、界磁には希土類のネオジム永久磁石を採用することで高効率化を達成している。
また、磁石材料の高磁界化に伴い、機内磁束の高調波成分の増加による振動・騒音、及び高調波鉄損も顕在化しており、それに対する種々対策が講じられている。
例えば、特開2005−27422号公報に記載の永久磁石式回転電機においては回転子に埋設した永久磁石の外周側から回転子外周側へと伸びた複数のスリットを設けることが提案されている。
特開2005−27422号公報
特許文献1では、回転子に埋設した永久磁石の外周側から回転子外周側へと伸びた複数のスリットを設けることによって、誘導起電力波形を正弦波化できる構造としている。これにより電機子電流を正弦波化でき、誘導起電力と電機子電流との相互作用によって生じる磁束の高調波成分を低減させることができることを述べている。
しかしながら上記従来技術では、スリットを設けることで略方形波となる磁石の起磁力分布を階段状に改善できるものの、スリットの幅や数を増やして高次成分に対応させようとすると回転子の磁気抵抗が増え、主磁束量が低減するため効率の低下を招く。
また、スリットは打抜きによって形成されるため、鉄心材に打抜き歪みが生じて磁気特性が劣化するため、設計段階で想定していたスリットの効果を十分発揮できない問題もあった。具体的には、回転子外周面とスリットとの距離が極端に小さい場合や、スリットの幅寸法が比較的小さい場合では、打抜き時の磁気特性の劣化に伴い回転子外周面に磁気的な開口部が生じたり、設計値よりも磁気的に過大なスリット幅となってしまうことで、スリットそのものが回転子側の空間高調波成分を発生させる原因となった。
さらに、打抜きのための金型の寿命やメンテナンスを勘案すると、極端にスリット幅と長さとの比が大きいスリット形状の選択は決して得策とは言えなかった。
そのため、回転子鉄心に配置できるスリットの寸法及び数には事実上限りがあり、結果として対策可能な高調波磁束成分は比較的低次成分に対してのみとなる。
本発明の目的は、打抜きによるスリットを設けた場合よりも、基本波磁束の低減や、スリットそのものによる脈動成分を生じさせることなく、ギャップ磁束分布をより正弦波に近づけることができ、高調波成分を低減することができる永久磁石式回転電機を提供することである。
本発明の一つの特徴は、回転子鉄心の少なくとも固定子との対向面を形成する部位にエッチング加工による空間高調波低減部を設け、この空間高調波低減部を、回転子の磁極中心方向に延びる軸をd軸、このd軸と電気角で90度隔たった軸をq軸としたとき、エッチング加工により、回転子鉄心のq軸側外周面において、電磁鋼板の厚みをd軸側外周面よりも薄くすることにより構成することにある。
打抜きによるスリットを設けた場合よりも、基本波磁束の低減や、スリットそのものによる脈動成分を生じさせることなく、ギャップ磁束分布をより正弦波に近づけることができ、高調波成分を低減することができる永久磁石式回転電機を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について図1〜図25を用いて詳細に説明する。各図中において、共通する符号は同一物を示す。また、ここでは4極の永久磁石式回転電機について示し、回転子の極数と固定子のスロット数との比を2:3としたが、他の極数,スロット数との比でもほぼ同様の効果を得ることができる。
図1は本発明による永久磁石式回転電機の実施形態1の断面図、図2は、本発明による永久磁石式回転電機の実施形態1の回転子鉄心形状を示す断面図であり、図3は本発明による永久磁石式回転電機の実施形態1の回転子鉄心形状拡大図を示す。
図1において、永久磁石式回転電機1は固定子2と回転子3から構成される。固定子2はティース4とコアバック5からなる固定子鉄心6と、ティース4間のスロット7内にはティース4を取り囲むように巻装された集中巻の電機子巻線8(三相巻線のU相巻線8A,V相巻線8B,W相巻線8Cを構成している)から構成される。
図2において、回転子3はエッチング加工で形成された回転子鉄心12の内径を構成するシャフト孔15を有し、そのシャフト孔15と外径との間に一文字形状の永久磁石挿入孔13を形成し、永久磁石挿入孔13中に希土類のネオジム永久磁石14を埋設している。
一般的に、永久磁石14の磁束軸はd軸と呼称し、電気角で90°隔てられた磁極間に位置する軸がq軸と呼称される。ここで、q軸上の磁極間には凹部11が設けられている。
図2,図3において、永久磁石14の外周側にはd軸をはさむようにスリット10(d軸最寄のスリットを10aとし、以下q軸側にいくに従って10b〜10f)が具備されており、図3に示すようにスリット10の各々の傾きはd軸上の一点Pにて交わるように、スリット間距離Lがd軸最寄のスリット位置からL1<…<L5の関係となるように配置されている。スリット10の幅cおよび回転子鉄心12の外径とスリット10との距離aは、板厚tに対して十分小さく形成されている。
次に、図4〜図6を用いて、回転子鉄心12の製造プロセスについて説明する。
まず、回転子鉄心12の素材となる電磁鋼板に成り得る材料を製鋼する。例えば、Cが0.005重量%、Mnが0.2重量%、Pが0.02重量%、Sが0.02重量%、Crが0.03重量%、Alが0.03重量%、Siが2.0重量%、Cuが0.01重量%を含有し、残部がFeと若干の不純物とからなる組成を有する鋼板材料を用いる。
こうした鋼板材料を、連続鋳造,熱間圧延,連続焼鈍,酸洗,冷間圧延,連続焼鈍を施すことにより、板幅50〜200cm、電磁鋼板の厚さ0.05mm〜0.30mmここでは特に板幅50cm,板厚0.2mmの珪素鋼板を製造する。電磁鋼板の厚さは、0.05mm〜0.30mm。
また、作製された珪素鋼板の表面に、鉄損を低減するため、さらに、4.5〜6.5重量%の珪素を形成してもよい。
この後、珪素鋼板の表面に厚さ0.1μm の有機樹脂の絶縁被膜コーティグを施すか、場合によっては、厚さ0.01〜0.05μmの酸化被膜を作製してもよい。なお、この絶縁被膜コーティグの工程は、固定子鉄心6,回転子鉄心12を製造する際、エッチング加工の工程の後に施されることが好ましい。
その後珪素鋼板は、平板又はコイル状,ロール状に形成される。
次に、回転子鉄心12を形作る基本プロセスであるエッチング加工について説明する。
上述した珪素鋼板に前処理を施し、レジストを塗布する。このレジストに対してマスクを用いて、回転子鉄心12の外周形状,磁石挿入孔13およびスリット10,シャフト孔15を露光し、それぞれ現像する。この形状に基づきレジストを除去し、エッチング液により加工する。
エッチング液による加工後、残ったレジストを除去すれば、所望の回転子鉄心12の外周形状,磁石挿入孔13およびスリット10,シャフト孔15の形状を有する珪素鋼板が形成できる。こうした製造には、例えばフォトエッチング加工が有効であり、金属マスクを用いた微細孔を精密に加工する方法を使用することも有効である。
なお、平板又はコイル状,ロール状に形成される珪素鋼板から、回転子鉄心12に加え、固定子鉄心6も同時に採取することもでき、複数の形状の固定子鉄心6及び回転子鉄心12を同時に採取することも可能である。
エッチング加工を用いれば、回転子鉄心12の外周形状,磁石挿入孔13およびスリット10,シャフト孔15を極めて高い加工精度、例えば、誤差として±10μm以下、好ましくは±5μm以下で形成することが可能である。つまり、エッチング加工を用いることにより、スリット10の形状を複雑な形状とすることも可能である。
図4に本実施形態によるエッチング加工による代表的な加工断面形状を示す。図4(a)において、符号Tは板厚を示し、X1は垂直方向を示し、X2は平面方向を示し、Y1は加工断面を示している。
珪素鋼板をエッチング加工することにより、酸液で溶解された加工断面Y1は、バリ等の塑性変形層のない、珪素鋼板の平面方向X2に対してほぼ垂直な理想的な断面形状とすることができる。
また、フォトエッチング加工を適用すれば、図4(b)〜(d)に示すように溶解部の形状の制御も可能となり、テーパーを有する断面や、凹凸の断面を形成することも可能である。
ここで、従来の打抜きによる組成加工状態について、図5を用いて説明する。珪素鋼板を打抜き加工することにより、塑性加工時のせん断応力によって、加工断面近傍は著しく変形し、10〜100μm程度のバリY5,ダレY2,つぶれY6が形成される。なお、符号Y3は剪断破面を示し、Y4は延性破面を示し、Tは板厚を示している。
また、珪素鋼板の平面方向の寸法精度についても、打抜き加工では金型の寸法精度で制限され、通常は珪素鋼板の板厚に対して5%前後の空隙でせん断されるため、珪素鋼板の平面方向の寸法精度は低下する。さらに、量産時には金型の損耗で経時的に精度が低下する等の問題もある。また、薄肉化された珪素鋼板ほど打抜き加工が困難となる。
以上詳述したように、珪素鋼板をエッチング加工すれば、加工による残留応力がほぼ0であることから、塑性変形層はほとんど存在せず、珪素鋼板の板厚方向に対する塑性変形量をほぼ0とすることが可能となるとともに、断面形状を自在に形成することができる。
更に、こうしたエッチング加工を用いることによって、珪素鋼板の微細な結晶組織,機械的特性,表面部を最適化した状態で回転子鉄心12に適用することもできる。珪素鋼板の結晶組織の異方性や、これに基づく磁気特性の異方性を勘案して、磁気特性の最適化を実現することもでき、従来技術のように圧延加工性を勘案した珪素の含有量を調整する必要も無い。
ここで、珪素鋼板の圧延加工性、および珪素含有量と鉄損との関係について説明する。
珪素鋼板の鉄損特性は、図6に示すように珪素の含有量が6.5 重量%の時に最も小さくなることが分かる。また、図中の実線Zで示すように、圧延加工性は珪素含有量が多いほど加工性が困難であることが分かる。よって、従来、6.5 重量%のように多量の珪素を含有した場合、所望の板厚に珪素鋼板を製造することが困難であり、鉄損と圧延加工性とのバランスを考慮し、3.0 重量%程度の含有量を採用している珪素鋼板が一般的であった。
上述したエッチング加工による珪素鋼板精製法は、圧延加工性を考慮する必要が無いため、板厚を薄肉化することにより、珪素鋼板中における珪素の含有量の自由度を大きくすることができる。例えば、珪素鋼板における珪素の含有量を、0.5〜7.0重量%の範囲とすることが可能であり、0.8〜2.0重量%と4.5〜6.5重量%との極端に異なる含有量を用いることもできる。つまり、鉄心の仕様または回転電機の用途によって、使い分けることが可能となる。
以上、回転子鉄心12の製造プロセスについて説明したが、固定子鉄心6も同様に適用すれば、鉄損低減に大きく貢献でき、更なる高効率化に寄与できる。
次に、本発明と従来技術との磁気的特性の差異について図7〜図10を用いて説明する。
図7には従来技術による回転子鉄心形状を示す断面図を示す。従来技術における回転子鉄心12に有するスリット101は、珪素鋼板の打抜き加工によって形成していたため、破断面の塑性変形を勘案してスリット幅cや回転子外径との距離aの寸法は板厚Tに対し、十分大きくする必要があった。それにより、具備できるスリット101の本数も限られていた。
図8に本発明と従来構造による回転子表面の磁束分布図を示す。図8において、縦軸は永久磁石の主磁束量φ、横軸は回転子磁極の周方向位置θを示している。
従来技術では、略方形波で分布する永久磁石14の磁束分布を正弦波に近付けるためのスリット101を、本数的にも幅寸法c的にも十分な配置はできず、図8の点線で示す磁束分布とさせるのがほぼ限界であった。
そこで、本発明のようにエッチング加工により形成したスリット10は、幅寸法c、回転子外径とスリット10との距離aを微細寸法で構成しているため、回転子鉄心12内に具備できるスリット10の本数を増やすことができる。そのため、図8の実線で示すようなより正弦波に近い磁束分布とすることができる。
図9には本発明と従来構造によるスリット本数とスリット寸法に対する基本波磁束量との比較図を示し、図10には本発明と従来構造によるスリット幅とブリッジ厚さに対するスリットによるリップル成分の比較図を示した。
従来技術において、永久磁石14の磁束分布を正弦波化させる目的で、スリット101の幅を大きく、本数を多くした場合には、図9,図10の点線で示すようにスリット101が回転子の磁気抵抗を増大させ、必要な基本波磁束を低減させるばかりか、スリットそのものがパーミアンス脈動となってしまい、逆効果になることが分かった。
そこで、本発明の構造とすれば、スリット10は微細な幅cであるため、磁気抵抗としては僅少であること、同時にパーミアンス脈動としも微小となることから、図9の実線で示すように本数を多く配置しても基本波磁束の減少を最小限に抑えることができ、かつ図10の実線で示すように、回転子の外径に近付けて配置してもリップル成分を極めて小さくできることが分かった。
図11に本発明による永久磁石式回転電機の実施形態2の回転子鉄心形状を示す断面図を示し、図12には磁極部分拡大図を各々示し、図1〜図3と同一物には同一符号を付してある。
図11,図12において、図1〜図3と異なる部分は複数のスリット10を永久磁石挿入孔13とほぼ平行に配置した点にある。あるいは、スリット10をd軸に対してほぼ垂直方向に延びる細長い形状にしたとしたといってもよい。そして、かつ、d軸を中心軸として対称にスリットを配置している。
このように構成すれば、q軸からd軸にかけて半径方向の合成ギャップ長を徐々に短く、つまり徐々に磁気抵抗を小さくさせることができるため、図1と同様の効果を得ることができる。
図13に本発明による永久磁石式回転電機の実施形態3の回転子鉄心形状を示す断面図を示し、図14に実施形態3の回転子鉄心の軸方向構成図を、図15には実施形態3の回転子鉄心断面の配置図を各々示した。図13〜図15において、図1〜図3と同一物には同一符号を付してある。
図13〜図15において、図1〜図3と異なる部分は、スリット10の傾きが、積層されている鋼板一枚一枚で異なっている点にある。具体的には、図14,図13のように、A−A′,B−B′,C−C′とでスリットの傾きが交わる点Pが周方向で異なっており、軸方向における点Pの軌跡が図13に示すようにスキューされるように形成している。ここで、スリット10の多種多様な角度を有する回転子鉄心12は、前述したフォトエッチング加工を用いれば一度に製造できる。
このように構成した場合、図1と同様の効果を得られると共に、スキューの効果が加わり、より脈動成分を低減させることが可能となる。
図16に本発明による永久磁石式回転電機の実施形態4の回転子鉄心形状を示す断面図を示し、図17に実施形態4の回転子鉄心の軸方向構成図を各々示した。図16,図17において、図13〜図15と同一物には同一符号を付してある。
図において、図13〜図15と異なる部分は、スリットの傾きが交わる点Pの軌跡がV字スキューされるように形成されている点にある。
このように構成した場合、図13と同様の効果を得られると共に、軸方向の磁気的なスラスト力を緩和させることが可能となる。
図18に本発明による永久磁石式回転電機の実施形態5の回転子鉄心形状を示す断面図を示し、図1〜図3と同一物には同一符号を付してある。図において、図1と異なる部分は、回転子鉄心の板厚をスリット10の内径側と外径側とで異ならせた点にある。
このように構成した場合、図1と同様の効果が得られると共に、回転子鉄心12の表面に生じる高調波磁束による表面損を低減させることが可能となる。
図19に本発明による永久磁石式回転電機の実施形態6の回転子鉄心形状を示す断面図を示し、図1〜図3と同一物には同一符号を付してある。図において、図1と異なる部分は、回転子鉄心12にはスリット10を設けず、d軸線上の板厚を規準に、回転子内径側から外径側へ、d軸からq軸にかけて徐々に薄くさせている点にある。
このように構成した場合、d軸からq軸に近づくに従って磁気抵抗を徐々に大きくすることができるため、図1と同様の効果を得ることができると共に、より機械的強度を強くすることができる。
図20に本発明による永久磁石式回転電機の実施形態7の回転子鉄心形状を示す断面図を示し、図1〜図3と同一物には同一符号を付してある。
図において、図1と異なる部分は、回転子鉄心12のq軸位置に配備した凹部11の外径側に、凹部ブリッジ16を設けている点にある。この凹部ブリッジ16は、回転子鉄心12の板厚Tに対し十分僅少な厚さで形成されている。図5にて詳述したエッチング加工によれば、このような回転子鉄心12の外周加工も自在に可能となる。また、このように構成した場合、高速回転時の機械強度を確保できると共に、回転子表面に生じる風損を低減できる。
図21には本発明による永久磁石式回転電機の実施形態8の回転子鉄心形状を示す断面図を示した。図において、図1,図20と同一物には同一符号を付してある。
図において、図20と異なる点は回転子鉄心12にスリット10を設けている点にある。このように構成した場合、図1の効果を有すると共に、図20で示した低風損構造を得ることができる。
図22に本発明による永久磁石式回転電機の実施形態9の回転子鉄心の軸方向構成図を示し、図23には本発明による永久磁石式回転電機の実施形態9の回転子鉄心形状を示す断面図を示した。図において、図14,図15と同一物には同一符号を付してある。
図において、図14,図15と異なる部分は、回転子鉄心12の外周面の一部にギャップ面g2を設けている点にある。このギャップ面g2は、軸方向に対して磁極中心軸がスキューされるように、幅開度を調整している。このように構成した場合、回転子鉄心12の表面における磁気抵抗をギャップ面g2の幅開度を軸方向で調整し、スキューしていることから、図14,図15と同様の効果を得ることができる。また、ここで、ギャップ面g2の多種多様な幅開度を有する回転子鉄心12は、前述したフォトエッチング加工を用いて一度に製造が可能である。
図24に、本発明による永久磁石式回転電機の実施形態10の回転子鉄心形状を示す断面図を示し、図23と同一物には同一符号を付した。
図において、図23と異なる部分は、回転子鉄心12に図1と同様のスリット10を具備している点にある。このように構成した場合でも図23と同様の効果を得ることができると共に、磁石の磁束分布をより正弦波に近付けることが可能となる。
図25に、本発明に係わる圧縮機の断面構造を示す。図において、円筒状の圧縮容器
69内には、固定スクロール部材60の端板61に直立する渦巻状ラップ62と、旋回スクロール部材63の端板64に直立する渦巻状ラップ65とを噛み合わせて形成し、永久磁石式回転電機1により旋回スクロール部材63がクランク軸72を介して旋回運動させることによって圧縮動作を行う。
固定スクロール部材60および旋回スクロール部材63によって形成される圧縮室66(66a,66b,…)のうち、最も外径側に位置している圧縮室は、旋回運動に伴って両スクロール部材63,60の中心に向かって移動し、容積が次第に縮小する。圧縮室
66a,66bが両スクロール部材60,63の中心近傍に達すると、両圧縮室66内の圧縮ガスは圧縮室66と連通した吐出口67から吐出される。
吐出された圧縮ガスは固定スクロール部材60およびフレーム68に設けられたガス通路(図示せず)を通ってフレーム68下部の圧縮容器69内に至り、圧縮容器69の側壁に設けられた吐出パイプ70から電動圧縮機外に排出される。
また、電動圧縮機を駆動する永久磁石式回転電機1は、別置のインバータ(図示せず)によって制御され、圧縮動作に適した回転速度で回転する。ここで、永久磁石式回転電機1は固定子2と回転子3から構成され、回転子3に設けられるクランク軸72は、上側がクランク軸になっている。クランク軸72の内部には、油孔74が形成され、クランク軸72の回転によって圧縮容器69の下部にある油溜め部73の潤滑油が油孔74を介して滑り軸受75に供給される。
このような構成の圧縮機に前述した永久磁石式回転電機1を適用すれば、高効率,低騒音な圧縮機を提供することができる。
上述のように本発明は、固定子鉄心と電機子巻線を備えた固定子と、回転子鉄心と、回転子鉄心の内部に形成された永久磁石挿入孔に挿入された永久磁石とを備えた回転子を有する永久磁石式回転電機において、回転子鉄心の固定子との対向面を形成する部位に、上記実施例のようにエッチング加工による空間高調波低減部を備えたことを特徴とすることである。
これにより、打抜きによるスリットを設けた場合よりも、基本波磁束の低減や、スリットそのものによる脈動成分を生じさせることなく、ギャップ磁束分布をより正弦波に近付けることができ、高調波成分を低減することができる永久磁石式回転電機を提供できる。
本発明による永久磁石式回転電機の実施形態1の断面図。 本発明による永久磁石式回転電機の実施形態1の回転子鉄心形状を示す断面図。 本発明による永久磁石式回転電機の実施形態1の回転子鉄心形状拡大図。 本実施形態によるエッチング加工による代表的な加工断面形状の説明図。 従来の打抜き加工による代表的な加工断面形状の説明図。 珪素鋼板における珪素含有量と鉄損との関係の説明図。 従来技術による回転子鉄心形状を示す断面図。 本発明と従来構造による回転子表面の起磁力分布図。 本発明と従来構造によるスリット本数とスリット寸法に対する基本波磁束量の比較図。 本発明と従来構造によるスリット幅とブリッジ厚さに対するスリットによるリップル成分の比較図。 本発明による永久磁石式回転電機の実施形態2の回転子鉄心形状を示す断面図。 実施形態2の磁極部分拡大図。 本発明による永久磁石式回転電機の実施形態3の回転子鉄心形状を示す断面図。 実施形態3の回転子鉄心の軸方向構成図。 実施形態3の回転子鉄心断面の配置図。 本発明による永久磁石式回転電機の実施形態4の回転子鉄心形状を示す断面図。 実施形態4の回転子鉄心の軸方向構成図。 本発明による永久磁石式回転電機の実施形態5の回転子鉄心形状を示す断面図。 本発明による永久磁石式回転電機の実施形態6の回転子鉄心形状を示す断面図。 本発明による永久磁石式回転電機の実施形態7の回転子鉄心形状を示す断面図。 本発明による永久磁石式回転電機の実施形態8の回転子鉄心形状を示す断面図。 本発明による永久磁石式回転電機の実施形態9の回転子鉄心の軸方向構成図。 本発明による永久磁石式回転電機の実施形態9の回転子鉄心形状を示す断面図。 本発明による永久磁石式回転電機の実施形態10の回転子鉄心形状を示す断面図。 本発明に係わる圧縮機の断面構造。
符号の説明
1 永久磁石式回転電機(駆動用電動機)
2 固定子
3 回転子
4 ティース
5 コアバック
6 固定子鉄心
7 スロット
8 電機子巻線
10 エッチング加工によるスリット
11 凹部
12 回転子鉄心
13 永久磁石挿入孔
14 永久磁石
15 シャフト孔
16 凹部ブリッジ
60 固定スクロール部材
61,64 端板
62,65 渦巻状ラップ
63 旋回スクロール部材
66 圧縮室
67 吐出口
68 フレーム
69 圧縮容器
70 吐出パイプ
72 クランク軸
73 油留め部
74 油孔
75 すべり軸受け
101 打抜き加工によるスリット

Claims (5)

  1. 固定子鉄心と電機子巻線を備えた固定子と、回転子鉄心と該回転子鉄心の内部に形成された永久磁石挿入孔に挿入された永久磁石とを備えた回転子を有する永久磁石式回転電機において、
    前記回転子鉄心の固定子との対向面を形成する部位にエッチング加工による空間高調波低減部を備え
    前記空間高調波低減部は、前記回転子の磁極中心方向に延びる軸をd軸、該d軸と電気角で90度隔たった軸をq軸としたとき、前記エッチング加工により、前記回転子鉄心の前記q軸側外周面において、電磁鋼板の厚みをd軸側外周面よりも薄くすることにより構成されたことを特徴とする永久磁石式回転電機。
  2. 請求項1において、
    前記回転子鉄心は、エッチング加工された複数の電磁鋼板を積層した積層体により形成されていることを特徴とする永久磁石式回転電機。
  3. 請求項において、
    前記電磁鋼板の厚さは、0.05mm〜0.30mmであることを特徴とする永久磁石式回転電機。
  4. 請求項1において、
    前記永久磁石挿入孔間をカットしたことを特徴とする永久磁石式回転電機。
  5. 請求項1に記載の永久磁石式回転電機を搭載した圧縮機。
JP2007080451A 2007-03-27 2007-03-27 永久磁石式回転電機及びそれを用いた圧縮機 Expired - Fee Related JP4840215B2 (ja)

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