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JP5405996B2 - 永久磁石埋め込み型回転子 - Google Patents
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JP5405996B2 - 永久磁石埋め込み型回転子 - Google Patents

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Description

本発明は、永久磁石埋め込み型回転子に関し、特に回転子の高効率化に関するものである。
一般的な永久磁石埋め込み型回転子は、図20に示すように、回転軸4と、積層鉄心72と、永久磁石7によって構成されている。積層鉄心72は鋼板を所要の形状に加工した磁性板45を積層して形成されている。
積層鉄心71の中心部には回転軸4が嵌入されている。図20に示すように積層鉄心71の外周近傍には永久磁石埋め込み用孔6が略円周状に形成されており、永久磁石埋め込み用孔6に永久磁石7が埋め込まれている。
図21に、図20での領域Kの部分拡大図を示すが、従来の回転子の場合、隣り合う永久磁石の端部7aと端部7bとの間の領域で、モータの回転に寄与しない漏洩磁束39、40が生じる。漏洩磁束39、40は、永久磁石から生じる磁束が固定子側に達せず、回転子内部で閉じてしまう磁束である。
この漏洩磁束39、40の影響により、モータの回転のために作用する有効磁束が減少してしまい、モータ性能を低下させる原因となっていた。漏洩磁束39、40を防止することで、モータの性能を向上することができる。
特許文献1では、磁極間の漏洩磁束の低減と高速回転時の遠心力による応力集中の軽減のため、永久磁石を挿入する複数の挿入孔の間に空隙部と連結部が周方向に交互に配置されるようコア(鋼板)を形成し、それを1枚ごとに磁極角度分だけ回転させて積層し、回転子鉄心を構成している。
また、特許文献2では、エッチング加工により、薄肉部を形成することで鉄損を低減させている。
特開2007−53864号公報(0016〜0019段、図2) 特開2009−33908号公報(0121段、図17)
しかしながら、従来の永久磁石埋め込み型回転子では、磁石挿入孔の間に空隙部や、スロット、薄肉部等を設けて漏洩磁束を低減しているが、強度が低下するという問題があった。
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、回転子の積層鉄心の強度低下を抑えつつ、漏洩磁束を抑制する永久磁石埋め込み型回転子を提供することを目的とする。
本発明に係る永久磁石埋め込み型回転子は、
互いに隣接する磁極が異なるように略円周状に並べられた複数の永久磁石と、
回転軸中心に回転軸孔が設けられ、前記複数の永久磁石を周端部付近に埋設し、磁性板を積層してなる積層鉄心と、
前記磁性板の縁部で前記隣接する永久磁石の周方向端部同士の間付近に配設される樹脂材料からなる遮蔽部と、
前記磁性板を積層してなる前記積層鉄心の前記回転軸孔に嵌入された回転軸と、を備えたものであって、
前記遮蔽部は、積層する前記各磁性板に設けられる溝部又は穴部に樹脂材料を充填して形成されるとともに、隣合う各磁性板間で積層方向に、横にずらして設けられている溝部又は穴部に形成されているものである。
本発明によれば、磁性板の縁部で隣接する永久磁石の磁極端同士の間付近に樹脂材料からなる遮蔽部を設けることで、磁束の漏れを小さくしモータ特性を向上するとともに、回転子の積層鉄心の強度低下を防止することができる。
本発明に係る永久磁石埋め込み型回転子を備えた永久磁石埋め込み型モータの構成を示す軸方向縦断面図である。 本発明に係る永久磁石埋め込み型回転子を備えた永久磁石埋め込み型モータの構成を示す軸方向横断面図である。 本発明に係る永久磁石埋め込み型回転子の実施の形態1における永久磁石埋め込み型回転子の構成を示す平面図、平面拡大図、および軸方向縦断面拡大図である。 本発明に係る永久磁石埋め込み型回転子の実施の形態1における永久磁石埋め込み型回転子の製造に用いる積層板の構成を示す正面図である。 本発明に係る永久磁石埋め込み型回転子の実施の形態1における磁性板のエッチング加工を説明する模式図である。 本発明に係る永久磁石埋め込み型回転子の実施の形態1における磁性板のエッチング加工を説明する模式図である。 本発明に係る永久磁石埋め込み型回転子の実施の形態1における製造方法により形成された永久磁石埋め込み型回転子の構成を示す正面図および軸方向横断面図である。 本発明に係る永久磁石埋め込み型回転子の実施の形態1における永久磁石埋め込み型回転子の製造に用いる注入金型の構成を積層鉄心が嵌挿された状態で示す断面図である。 本発明に係る永久磁石埋め込み型回転子の実施の形態1における永久磁石埋め込み型回転子の他の構成を示す平面図、平面拡大図、および軸方向縦断面拡大図である。 本発明に係る永久磁石埋め込み型回転子の実施の形態2における永久磁石埋め込み型回転子の構成を示す平面図、平面拡大図、および軸方向縦断面拡大図である。 本発明に係る永久磁石埋め込み型回転子の実施の形態3における永久磁石埋め込み型回転子の構成を示す平面図、平面拡大図、および軸方向縦断面拡大図である。 本発明に係る永久磁石埋め込み型回転子の実施の形態4における永久磁石埋め込み型回転子の構成を示す平面図、平面拡大図、および軸方向縦断面拡大図である。 本発明に係る永久磁石埋め込み型回転子の実施の形態4における永久磁石埋め込み型回転子に用いる積層鉄心の強度を説明する平面拡大図および断面拡大図である。 本発明に係る永久磁石埋め込み型回転子の実施の形態4における永久磁石埋め込み型回転子の他の構成を示す平面図、平面拡大図、および軸方向縦断面拡大図である。 本発明に係る永久磁石埋め込み型回転子の実施の形態4における永久磁石埋め込み型回転子の他の構成を示す平面図、平面拡大図、および軸方向縦断面拡大図である。 本発明に係る永久磁石埋め込み型回転子の実施の形態5における永久磁石埋め込み型回転子の構成を示す平面図、平面拡大図、および軸方向縦断面拡大図である。 本発明に係る永久磁石埋め込み型回転子の実施の形態5における永久磁石埋め込み型回転子の他の構成を示す平面図、平面拡大図、および軸方向縦断面拡大図である。 本発明に係る永久磁石埋め込み型回転子の実施の形態5における永久磁石埋め込み型回転子の他の構成を示す平面図、平面拡大図、および軸方向縦断面拡大図である。 本発明に係る永久磁石埋め込み型回転子の実施の形態5における永久磁石埋め込み型回転子の他の構成を示す平面図、平面拡大図、および軸方向縦断面拡大図である。 従来の永久磁石埋め込み型回転子の構成を示す平面図である。 従来の永久磁石埋め込み型回転子の磁路を説明する拡大平面図である。
以下、本発明に係る永久磁石埋め込み型回転子の各種実施の形態について、図面に基づいて説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1での永久磁石埋め込み型回転子100を備えた永久磁石埋め込み型モータ200の構成を示す軸方向縦断面図であり、図2は、軸方向横断面図である。図3(a)は、図2の永久磁石埋め込み型モータ200に設けられた回転子100の拡大図である。図3(b)は、図3(a)での領域Aの拡大図であり、図3(c)および図3(d)は、それぞれ図3(b)でのB方向矢視断面図、C方向矢視断面図を示す。
図1および図2に示すように、永久磁石埋め込み型モータ200は、回転子100と、固定子111から構成され、外側構造体1で覆われている。固定子111は、珪素鋼板を所定の形状に加工した後、積層して得られた固定子積層鉄心50に巻線3を施し、図示しないリード線により電源ユニットに接続するように構成されている。固定子111のスロット開口部111aの個数と回転子100の磁極数は、特性を考慮して適宜決定される。
図3(a)において、回転子100は、回転軸4と、所定の形状に加工された珪素鋼板からなる磁性板の積層体である回転子積層鉄心60と、回転子積層鉄心60に磁極数分形成された磁石埋め込み用孔6に埋め込み装着された磁極数分の永久磁石7とで構成される。永久磁石7はネオジム系希土類磁石で構成することができる。
図3(c)および図3(d)に示すように、回転子積層鉄心60は、第一の積層板60a−1、60a−2、・・、60a−n(nは整数)を積層して形成される。第一の積層板60a−1、60a−2、・・60a−nの縁部の領域Aで、隣り合う永久磁石7の端部7aと端部7bとの間付近の領域にはそれぞれ、下に凹形状の溝部8aが形成されている。溝部8aは、例えば、エッチング加工等で形成される。
溝部8aには、樹脂材料を充填し硬化させることで、遮蔽部81が形成される。この遮蔽部81は永久磁石の端部7aと端部7bとの間での磁束の漏洩を低減するとともに、溝部8aによる強度の低下を防止する。
次に、実施の形態1での永久磁石埋め込み型回転子の製造方法の一例を示す。実施の形態1での永久磁石埋め込み型回転子は、例えば、特許第3585814号に記載の製造方法と同様の方法で製造する。
図4は、実施の形態1での一製造方法により永久磁石埋め込み型回転子101の回転子積層鉄心61を形成する(a)第一の積層板61aおよび(b)第二の積層板61bの構成を示す平面図である。図5および図6は、第一の積層板61aおよび第二の積層板61bを形成するための磁性板のエッチング加工を説明する模式図である。
図7(a)は、この製造方法で形成される回転子積層鉄心61の構成を示す平面図で、図7(b)は図7(a)でのD方向矢視断面図を示す。図8は、図7における永久磁石埋め込み型回転子101の製造に用いられる注入金型の構成を回転子積層鉄心61が嵌挿された状態で示す断面図である。
まず、図4(a)に示す、穴部61c、スリット部61d、注入用穴部61e、回転軸孔としての軸用穴部61fを有する第一の積層板61a、および図4(b)に示す、穴部61c、注入用穴部61e、軸用穴部61fを有する第二の積層板61bをそれぞれ打抜き加工等により形成する。
次いで、第一の積層板61aおよび第二の積層板61bの穴部61cの外周側角部に、外周に向けた溝部8aを設ける。溝部8aは、図5に示すように、珪素鋼板をエッチング加工することで形成される。
図5(a)では、第一の積層板61aまたは第二の積層板61bとしての珪素鋼板9の両面にエッチング液による珪素鋼板の溶解を防止するため、必要部分にマスキング10が施されている。
マスキング10処理された珪素鋼板9にエッチング液を散布し、マスキング10がされていない部分の珪素鋼板11を溶解させることで図5(b)に示す溝部8aを形成する。ここでエッチング加工を施す珪素鋼板9には、絶縁用の被膜が形成されていないものを用いる。
なお、穴部61c、スリット部61d、注入用穴部61e、軸用穴部61fも、エッチング加工により形成してもよい。図6(a)に示すように、珪素鋼板9の両面の同位置にマスキング10がされていない部分の珪素鋼板12を溶解させることで、図6(b)に示す貫通穴として穴部61c、スリット部61d、注入用穴部61e、軸用穴部61fを形成する。
この場合、穴部61c、スリット部61d、注入用穴部61e、軸用穴部61fの形成時に、溝部8aのエッチング加工を行うことで同時に形成が可能となり、製造工程の簡略化を図ることができる。
続いて、図7に示すように、第二の積層板61bを積層し、その両端部に第一の積層板61aを配置して、回転子積層鉄心61を形成する。各第二の積層板61bおよびその両端部に配置する第一の積層板61aは、お互いの穴部61c、注入用穴部61e、および軸用穴部61fがそれぞれ一致するように積層して、例えば抜きかしめや溶接等により固着一体化して回転子積層鉄心61を形成する。
次に、上記のようにして形成された回転子積層鉄心61を、図8に示すように、下型13の有底穴部13a内に嵌挿し、回転子積層鉄心61の各穴部61c内にそれぞれ永久磁石7を所定の個数ずつ挿入する。
次いで、上型14を各注入穴部14cが回転子積層鉄心61の各注入用穴部61eの位置と一致するように下型13の上部に載置し、図示はしないが締付部により上型14および下型13を締め付け固定させた後、所定の圧力により樹脂供給穴部14aから熱硬化性樹脂からなる樹脂材料80を注入する。
続いて、この樹脂材料80は上型14の分岐穴部14b、各注入穴部14cおよび回転子積層鉄心61の各注入用穴部61e内を順に流れて、図7に示すようにスリット部61dを介して各穴部61c内に導かれ、各永久磁石7をその両側面から押圧した状態でそれぞれ充填される。更に、各穴部61cに導かれた樹脂材料80は、隣り合う永久磁石7の端部7aと端部7bとの間の領域に形成されている溝部8aに導かれ充填される。
次に、この状態で加熱することにより、樹脂材料80を硬化させて回転子積層鉄心61内に一体化する。このとき、溝部8aに充填されている樹脂材料80も硬化して、溝部8aに遮蔽部81が形成される。遮蔽部81が樹脂材料80の充填硬化により形成されることから、積層板同士は固着され、積層方向の引っ張り応力に対して補強でき、強度低下を防止することができる。
次いで、締付部(図示せず)を緩めて上型14を外し、回転子積層鉄心61を下型13から取り出して軸用穴部61fに、回転子軸4を嵌合させて固着することにより永久磁石埋め込み型回転子101が完成する。
以上のように、実施の形態1では、永久磁石埋め込み型回転子100、101の永久磁石7の端部7aと端部7bとの間の漏洩磁束が通る領域の一部に遮蔽部81を設けるようにしたので、磁束の漏れを小さくすることができ、有効磁束が増大し、モータのトルク増大、効率向上、温度上昇抑制等により、モータ特性を向上することができる。
また、遮蔽部81を樹脂材料により形成し積層板同士を接着力により固着するようにしたので、積層方向の圧縮応力および引っ張り応力に対して補強でき、強度低下を防止することができる。
なお、実施の形態1では、回転子積層鉄心61において各積層板の遮蔽部81を同一形状の溝部8aで構成したが、これに限るものではない。
図9に、実施の形態1の他の構成からなる永久磁石埋め込み型回転子102を示す。図9(a)は、永久磁石埋め込み型回転子102の拡大図である。図9(b)は、図9(a)での領域Aの拡大図であり、図9(c)および図9(d)は、それぞれ図9(b)でのB方向矢視断面図、C方向矢視断面図を示す。
例えば、図9に示すように、第一の積層板60a−1、60a−2、・・、60a−n(nは整数)に形成される二本の溝部8aに対して、第二の積層板60b−1、60b−2、・・、60b−n(nは整数)にはその二本の溝部8aの間に位置する一本の溝部8bを形成し、第一の積層板60aと第二の積層板60bとを交互に積層して構成した遮蔽部81、82としてもよい。
この場合、回転子積層鉄心62は、遮蔽部81と遮蔽部82とを交互に積層して軸方向横にずらした構成としたので、積層方向の圧縮応力に対して更に補強でき、強度低下を防止することができる。
実施の形態2.
実施の形態1の永久磁石埋め込み型回転子においては、回転子積層鉄心に形成した溝形状に遮蔽部を設けたが、実施の形態2では、穴形状に遮蔽部を設けた場合について示す。
図10に、実施の形態2の永久磁石埋め込み型回転子103を示す。図10(a)は、永久磁石埋め込み型回転子103の拡大図である。図10(b)は、図10(a)での領域Aの拡大図であり、図10(c)および図10(d)は、それぞれ図10(b)でのB方向矢視断面図、C方向矢視断面図を示す。
図10に示すように、実施の形態2における永久磁石埋め込み型回転子103では、回転子積層鉄心63は、実施の形態1での溝部8a、8bの代わりに、下に凹形状の穴部15aを形成した第一の積層板63a−1、63a−2、・・、63a−n(nは整数)を積層して形成される。穴部15aは、例えば、エッチング加工等で形成される。
穴部15aには、樹脂材料を充填し硬化させることで、遮蔽部83が形成される。その他の構成に関しては、実施の形態1と同様であり、相当部分には図3と同一符号を付して説明を省略する。
この遮蔽部83は永久磁石の端部7aと端部7bとの間での磁束の漏洩を低減するとともに、穴部15aによる強度の低下を防止する。また、実施の形態2では遮蔽部83を穴部15aに形成することで、実施の形態1での溝部8aと比べ、圧縮応力に対して面内の径方向だけでなく周方向の補強もでき、強度低下を防止することができる。
実施の形態2における永久磁石埋め込み型回転子の製造方法に関しては、実施の形態1と同様に、例えば、特許第3585814号に記載の製造方法と同様の方法を適用でき、その説明を省略する。
以上のように、実施の形態2では、遮蔽部83を穴部15aに樹脂材料を充填硬化して形成し積層板同士を固着するようにしたので、積層方向の引っ張り応力に対して補強するとともに、圧縮応力に対して面内の径方向だけでなく周方向に対しても補強でき、強度低下を防止することができる。
なお、実施の形態1および実施の形態2では、それぞれ下に凹形状の溝部8a、8b、または穴部15aを形成したが、これに限るものではない。それぞれ上に凹形状の溝部8a、8b、または穴部15aを形成しても、同様の効果を得ることができる。
実施の形態3.
実施の形態2の永久磁石埋め込み型回転子においては、回転子積層鉄心を形成する積層板の各層の同一方向の面に設けた穴部に遮蔽部を設けたが、実施の形態3では、2つの層ごとにそれぞれ対応する穴部により形成する空隙部に遮蔽部を設けた場合について示す。
図11は、実施の形態3の永久磁石埋め込み型回転子104を示す。図11(a)は、永久磁石埋め込み型回転子104の拡大図である。図11(b)は、図11(a)での領域Aの拡大図であり、図11(c)および図11(d)は、それぞれ図11(b)でのB方向矢視断面図、C方向矢視断面図を示す。
図11に示すように、実施の形態3における永久磁石埋め込み型回転子104では、下に凹形状の穴部15aを形成した第一の積層板63a−1、63a−2、・・、63a−n(nは整数)と、上に凹形状の穴部15bを形成した第二の積層板63b−1、63b−2、・・、63b−n(nは整数)とが交互に積層され、互いの開口部がそれぞれ合わさって空隙部15を形成している。穴部15a、15bは、例えば、エッチング加工等で形成される。
空隙部15には、樹脂材料を充填し硬化させることで、遮蔽部84が形成される。その他の構成に関しては、実施の形態1と同様であり、相当部分には図3と同一符号を付して説明を省略する。
この遮蔽部84は永久磁石の端部7aと端部7bとの間での磁束の漏洩を低減するとともに、空隙部15による強度の低下を防止する。
また、空隙部15は、第一の積層板63a−1、63a−2、・・、63a−nと第二の積層板63b−1、63b−2、・・、63b−nとに跨って形成することで、実施の形態1のおよび実施の形態2の遮蔽部のように積層方向の引っ張り応力と圧縮応力に対して補強できるだけでなく、積層横方向のせん断応力に対しても補強でき、強度低下を防止することができる。
実施の形態3における永久磁石埋め込み型回転子の製造方法に関しては、実施の形態1と同様に、例えば、特許第3585814号に記載の製造方法と同様の方法を適用でき、その説明を省略する。
以上のように、実施の形態3では、遮蔽部84を第一の積層板63a−1、63a−2、・・、63a−nと第二の積層板63b−1、63b−2、・・、63b−nとに跨る空隙部15に樹脂材料を充填硬化して形成し積層板同士を固着するようにしたので、積層方向の引っ張り応力と圧縮応力に対して補強できるだけでなく、積層横方向のせん断応力に対しても補強でき、強度低下を防止することができる。
実施の形態4.
実施の形態3の永久磁石埋め込み型回転子においては、回転子積層鉄心を形成する積層板の層間に形成した空隙部に遮蔽部を設けたが、実施の形態4では、この空隙部を形成する各穴部の底部に凹凸形状を設けた場合について示す。
図12は、実施の形態4の永久磁石埋め込み型回転子105を示す。図12(a)は、永久磁石埋め込み型回転子105の拡大図である。図12(b)は、図12(a)での領域Aの拡大図であり、図12(c)および図12(d)は、それぞれ図12(b)でのB方向矢視断面図、C方向矢視断面図を示す。
図12に示すように、実施の形態4での永久磁石埋め込み型回転子105においては、回転子積層鉄心65は、実施の形態3での穴部15a、15bの底部に径方向の凹凸形状を設けた穴部16a、16bを備える。
穴部16aを形成した第一の積層板65a−1、65a−2、・・、65a−n(nは整数)と、穴部16bを形成した第二の積層板63b−1、63b−2、・・、63b−n(nは整数)とが交互に積層され、互いの開口部がそれぞれ合わさって空隙部16を形成している。穴部16a、16bは、例えば、エッチング加工等で形成される。
空隙部16には、樹脂材料を充填し硬化させることで、遮蔽部85が形成される。遮蔽部85には、穴部16a、16bの底部での凹凸形状による穴部凸部16c、16dに対応して、それぞれ遮蔽部凹部85a、85bが形成されている。その他の構成に関しては、実施の形態1と同様であり、相当部分には図3と同一符号を付して説明を省略する。
この遮蔽部85は永久磁石の端部7aと端部7bとの間での磁束の漏洩を低減するとともに、空隙部16による強度の低下を防止する。
また、遮蔽部85は、第一の積層板65a−1、65a−2、・・、65a−nと第二の積層板65b−1、65b−2、・・、65b−nとに跨って形成することで、実施の形態3の遮蔽部と同様に、積層方向の引っ張り応力と圧縮応力に対して補強できるだけでなく、積層横方向のせん断応力に対しても補強でき、強度低下を防止することができる。
さらに、遮蔽部85は、穴部16a、16bの底部側に、径方向に凹凸形状を設けることにより、回転子105の回転の遠心力により発生する径方向の引っ張り応力に対して補強でき、強度低下を防止することができる。
また、積層方向の圧縮応力に対して、面内の周方向で補強でき、強度低下を防止することができる。また、空隙部16内面との接着面積が広がることで、積層板同士をさらに強固に固着し、積層方向の引っ張り応力に対して補強でき、強度低下を防止することができる。
実施の形態4における永久磁石埋め込み型回転子の製造方法に関しては、実施の形態1と同様に、例えば、特許第3585814号に記載の製造方法と同様の方法を適用でき、その説明を省略する。
ここで、図13を用いて、実施の形態4の永久磁石埋め込み型回転子105における遮蔽部85の形状と強度向上の関係について説明する。図13(b)は遮蔽部85の拡大図、図13(a)は図13(b)でのB方向矢視断面図を示す。
まず、
樹脂材料のせん断強度 : σp
電磁鋼板(積層板)の引張強度 : σs
電磁鋼板(積層板)のせん断強度 : τs
遮蔽部85凸部85c、85d、85e、85f(電磁鋼板の薄肉部)の幅
: W2
遮蔽部85凸部85c、85d、85e、85f(電磁鋼板の薄肉部)の長さ
: L1
とする。
遮蔽部85凸部85c、85d、85e、85fにより、積層板65a−n、65b−nが2枚ごとに厚さ2tだけ薄い場合、電磁鋼板部分で低下する強度S1は、
S1=σs×2t×W2
となる。
これに対し、遮蔽部85凸部85c、85d、85e、85fの部分は樹脂が充填されており、遮蔽部85凸部85c、85d、85e、85fの強度S2は
S2=σp×2×L1×W2
となる。
したがって、S1<S2となるための条件は、
σs×2t×W2 < σp×2×L1×W2
∴L1 > σs/σp×t
となる。
また、遮蔽部85凹部85a、85b(電磁鋼板の凸部16c)の強度S3は、上記強度S2よりも大きくする必要があるので、凸部16cの長さをL2とすると、
S3=2×L2×W2×τs > σp×2×L1×W2
となる。
ここで、L2=W1−2L1であるので(W1は遮蔽部85の全長)、
2×(W1−2L1)×W2×τs > σp×2×L1×W2
∴L1 < W1/(σp/τs+2)
となる。
よって、L1は下記の範囲であれば、強度向上が見込めることになる。
σs/σp×t < L1 < W1/(σp/τs+2)
例えば、σs=400MPa、τs=240MPa、σp=90MPa、t=0.1mm、W1=3mmの場合、
400/90×0.1 < L1 < 3/(90/240+2)
∴0.44mm < L1 < 1.26mm
となり、L1が上記範囲であれば、樹脂材料の形状による強度に相応する分だけ、積層鉄心の強度が向上する。
以上のように、実施の形態4では、遮蔽部85に、穴部16a、16bの底部側に、径方向に凹凸形状を設けたので、回転子の回転の遠心力により発生する径方向の引っ張り応力に対して補強でき、強度低下を防止することができる。
また、積層方向の圧縮応力に対して、面内の周方向で補強でき、強度低下を防止することができる。また、空隙部16内面との接着面積が広がることで、積層板同士をさらに強固に固着し、積層方向の引っ張り応力に対して補強でき、強度低下を防止することができる。
なお、実施の形態4では、遮蔽部85の穴部16a、16bの底部側に、径方向に凹凸形状を設けたが、これに限るものではない。
図14は、実施の形態4の他の構成からなる永久磁石埋め込み型回転子106を示す。図14(a)は、永久磁石埋め込み型回転子106の拡大図である。図14(b)は、図14(a)での領域Aの拡大図であり、図14(c)および図14(d)は、それぞれ図14(b)でのB方向矢視断面図、C方向矢視断面図を示す。
図14に示すように、遮蔽部86の穴部17a、17bの底部側に、周方向に凹凸形状を設けてもよい。遮蔽部86には、穴部17a、17b底部の凹凸形状による凸部17c、17dに対応して、それぞれ遮蔽部凹部86a、86bが形成されている。
この場合、回転子106の回転の加速度及び遠心力により発生する周方向の引っ張り応力に対して補強でき、強度低下を防止することができる。
また、図15は、実施の形態4の他の構成からなる永久磁石埋め込み型回転子107を示す。図15(a)は、永久磁石埋め込み型回転子107の拡大図である。図15(b)は、図15(a)での領域Aの拡大図であり、図15(c)および図15(d)は、それぞれ図15(b)でのB方向矢視断面図、C方向矢視断面図を示す。
図15に示すように、遮蔽部87の穴部18a、18b底部側、中央に凹凸形状を設けてもよい。遮蔽部87には、穴部18a、18bの凹凸形状による凸部18c、18dに対応して、それぞれ凹部87a、87bが形成されている。
この場合、回転子107の回転の加速度及び遠心力により発生する周方向の引っ張り応力と、回転子の回転の遠心力により発生する径方向の引っ張り応力の両方に対して補強でき、強度低下を防止することができる。
また、実施の形態4の永久磁石埋め込み型回転子では、遮蔽部85に充填する樹脂は熱硬化性樹脂からなる樹脂材料80を用いたが、熱可塑性樹脂からなる樹脂材料を用いてもよい。
この場合も、樹脂材料の形状による強度に相応する分だけ、積層鉄心の強度が向上するので、強度向上に関して効果が生じる。
実施の形態5.
実施の形態4の永久磁石埋め込み型回転子においては、回転子積層鉄心を形成する積層板の層間に形成した空隙部に遮蔽部を設け、この空隙部を形成する各穴部の底部に凹凸形状を設けたが、実施の形態5では、各穴部の側部に凹凸形状を設けた場合について示す。
図16は、実施の形態5の永久磁石埋め込み型回転子108を示す。図16(a)は、永久磁石埋め込み型回転子108の拡大図である。図16(b)は、図16(a)での領域Aの拡大図であり、図16(c)および図16(d)は、それぞれ図16(b)でのB方向矢視断面図、C方向矢視断面図を示す。
図16に示すように、実施の形態5での永久磁石埋め込み型回転子108においては、回転子積層鉄心68は、実施の形態3での穴部15a、15bの周方向の側部に凹凸形状を設けた穴部19a、19bを備える。
穴部19aを形成した第一の積層板68a−1、68a−2、・・、68a−n(nは整数)と、穴部19bを形成した第二の積層板68b−1、68b−2、・・、68b−n(nは整数)とが交互に積層され、互いの開口部がそれぞれ合わさって空隙部19を形成している。穴部19a、19bは、例えば、エッチング加工等で形成される。
空隙部19には、樹脂材料80を充填し硬化させることで、遮蔽部88が形成される。遮蔽部88には、穴部19a、19bの側部での凹凸形状による穴部凸部19c、19dに対応して、それぞれ遮蔽部凹部88a、88bが形成されている。その他の構成に関しては、実施の形態1と同様であり、相当部分には図3と同一符号を付して説明を省略する。
この遮蔽部88は永久磁石の端部7aと端部7bとの間での磁束の漏洩を低減するとともに、空隙部19による強度の低下を防止する。
また、遮蔽部88は、第一の積層板68a−1、68a−2、・・、68a−nと第二の積層板68b−1、68b−2、・・、68b−nとに跨って形成することで、実施の形態3の遮蔽部と同様に、積層方向の引っ張り応力と圧縮応力に対して補強できるだけでなく、積層横方向のせん断応力に対しても補強でき、強度低下を防止することができる。
さらに、遮蔽部88は、穴部19a、19bの周方向の側部に凹凸形状を設けることにより、回転子108の回転の加速度及び遠心力により発生する周方向の引っ張り応力に対して補強でき、強度低下を防止することができる。また、空隙部19内面との接着面積が広がることで、積層板同士をさらに強固に固着し、積層方向の引っ張り応力に対して補強でき、強度低下を防止することができる。
また、穴部19a、19bをエッチング加工で設ける場合、実施の形態4と異なり、エッチング形状に凹凸形状を設けるだけで一度のエッチング工程で穴部凸部19c、19dも同時に形成することができ、エッチング工程を簡略化できる。
実施の形態5における永久磁石埋め込み型回転子の製造方法に関しては、実施の形態1と同様に、例えば、特許第3585814号に記載の製造方法と同様の方法を適用でき、その説明を省略する。
以上のように、実施の形態5では、遮蔽部88に、穴部19a、19bの周方向の側部に凹凸形状を設けたので、回転子の回転の加速度及び遠心力により発生する周方向の引っ張り応力に対して補強でき、強度低下を防止することができる。また、空隙部19内面との接着面積が広がることで、積層板同士をさらに強固に固着し、積層方向の引っ張り応力に対して補強でき、強度低下を防止することができる。
また、穴部19a、19bをエッチング加工で設ける場合、エッチング形状に凹凸形状を設けるだけで一度のエッチング工程で穴部凸部も同時に形成することができ、エッチング工程を簡略化できる。
なお、実施の形態5では、遮蔽部88の周方向の側部に凹凸形状を設けたが、これに限るものではない。
図17は、実施の形態5の他の構成からなる永久磁石埋め込み型回転子109を示す。図17(a)は、永久磁石埋め込み型回転子109の拡大図である。図17(b)は、図17(a)での領域Aの拡大図であり、図17(c)および図17(d)は、それぞれ図17(b)でのB方向矢視断面図、C方向矢視断面図を示す。
図17に示すように、遮蔽部89の径方向の側部に凹凸形状を設けてもよい。遮蔽部89には、穴部20a、20bの径方向側部の凹凸形状による凸部20c、20dに対応して、それぞれ凹部89a、89bが形成されている。
この場合、回転子の回転の遠心力により発生する径方向の引っ張り応力に対して補強でき、強度低下を防止することができる。
また、図18は、実施の形態5の他の構成からなる永久磁石埋め込み型回転子110を示す。図18(a)は、永久磁石埋め込み型回転子110の拡大図である。図18(b)は、図18(a)での領域Aの拡大図であり、図18(c)および図18(d)は、それぞれ図18(b)でのB方向矢視断面図、C方向矢視断面図を示す。
図18に示すように、遮蔽部90の周方向及び径方向の両方の側部に凹凸形状を設けてもよい。遮蔽部90には、穴部21a、21bの周方向側部の凹凸形状による凸部21c、21dに対応して、それぞれ凹部90a、90bが形成され、径方向側部の凹凸形状による凸部21e、21fに対応して、それぞれ凹部90c、90dが形成されている。
この場合、回転子の回転の加速度及び遠心力により発生する周方向の引っ張り応力と、回転子の回転の遠心力により発生する径方向の引っ張り応力の両方に対して補強でき、強度低下を防止することができる。
また、遮蔽部の周方向及び径方向の両方の側部に凹凸形状を設ける形状は図18に示すものに限る訳ではない。
図19は、実施の形態5の他の構成からなる永久磁石埋め込み型回転子111を示す。図19(a)は、永久磁石埋め込み型回転子111の拡大図である。図19(b)は、図19(a)での領域Aの拡大図であり、図19(c)および図19(d)は、それぞれ図19(b)でのB方向矢視断面図、C方向矢視断面図を示す。
図19に示すようなT字型の遮蔽部91であってもよい。遮蔽部91には、穴部22a、22bの周方向側部の凹凸形状による凸部22c、22d、22eに対応して、それぞれ凹部91a、91b、91cが形成され、径方向側部の凹凸形状による凸部22f、22gに対応して、それぞれ凹部91d、91eが形成されている。
この場合、上記と同様の効果が得られるだけでなく、永久磁石の端部7aと端部7bとの間の狭い領域を有効に利用することができ、磁束漏洩の低減及び強度低下の防止のいずれの効果をも向上させることができる。
また、実施の形態5の永久磁石埋め込み型回転子では、遮蔽部88に充填する樹脂は熱硬化性樹脂からなる樹脂材料80を用いたが、熱可塑性樹脂からなる樹脂材料を用いてもよい。
この場合も、樹脂材料の形状による強度に相応する分だけ、積層鉄心の強度が向上するので、強度向上に関して効果が生じる。
4 回転軸
7 永久磁石
8a 溝部
15a、15b、16a、16b、17a、17b、18a、18b、19a、19b、20a、20b、21a、21b、22a、22b 穴部
16c、16d、17c、17d、18c、18d、19c、19d、20c、20d、21c、21d、21e、21f、22c、22d、22e、22f、22g 穴部凸部
60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71 回転子積層鉄心
60a、63a、65a、66a、67a、68a、69a、70a、71a 第一の積層板
60b、61b、63b、65b、66b、67b、68b、69b、70b、71b 第二の積層板
61f 軸用穴部
60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71 回転子積層鉄心
81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91 遮蔽部
85c、85d、85e、85f 遮蔽部凸部
85a、85b、86a、86b、87a、87b、88a、88b、89a、89b、90a、90b、90c、90d、91a、91b、91c 遮蔽部凹部
100、101、102,103、104、105、106、107、108、109、110、111 永久磁石埋め込み型回転子

Claims (5)

  1. 互いに隣接する磁極が異なるように略円周状に並べられた複数の永久磁石と、
    回転軸中心に回転軸孔が設けられ、前記複数の永久磁石を周端部付近に埋設し、磁性板を積層してなる積層鉄心と、
    前記磁性板の縁部で前記隣接する永久磁石の周方向端部同士の間付近に配設される樹脂材料からなる遮蔽部と、
    前記磁性板を積層してなる前記積層鉄心の前記回転軸孔に嵌入された回転軸と、を備えた永久磁石埋め込み型回転子であって、
    前記遮蔽部は、積層する前記各磁性板に設けられる溝部又は穴部に樹脂材料を充填して形成されるとともに、隣合う磁性板間で積層方向に、横にずらして設けられている溝部又は穴部に形成されていることを特徴とする永久磁石埋め込み型回転子。
  2. 遮蔽部は、底部に凹凸形状を設けた溝部又は穴部に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の永久磁石埋め込み型回転子。
  3. 遮蔽部は、側部に凹凸形状を設けた溝部又は穴部に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の永久磁石埋め込み型回転子。
  4. 凹凸形状は、周方向及び/又は径方向に設けられていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の永久磁石埋め込み型回転子。
  5. 遮蔽部の溝部又は穴部は、エッチング加工により形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の永久磁石埋め込み型回転子。
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