JP4844156B2 - 加熱処理方法および該加熱処理に用いるトレー - Google Patents
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Description
一方、非充填部が内容物への熱伝達を妨げることを回避する方法としては、容器内の脱気操作を行うことにより気体をできるだけ排除した状態として殺菌処理を行う方法が各種知られている(非特許文献2参照)。
レトルト食品 134−135p 岸本昭監修、光琳 食品の殺菌−その科学と技術− 239−241p 高野光男・横山理雄著、幸書房
また、容器内の脱気操作を行ってから加熱処理する方法では、脱気時に容器のシール部位に内容物が付着するとシール不良の原因になるという問題点があり、また、内容物の粘度が高い場合には、内容物中の気泡が抜けにくいため脱気が不十分になるという問題点がある。さらに、口栓スパウト付パウチ容器を用いる場合には、容器内が十分脱気されたとしても、前記の口栓スパウト内部における加熱時の内容物の固化や褐色凝集物の発生という問題はそもそも解決されない。
請求項1に記載の発明は、耐熱性シートおよび耐熱性樹脂の少なくとも一つから成る容器に充填された内容物を加熱処理する方法であって、前記容器が口栓付きパウチ容器であり、非充填部の体積が口栓部内の体積よりも大きく、前記容器を、内容物の高さが最も低くなるようにトレーに載置した状態から、90°未満の角度だけ傾けて載置し、口栓部内が非充填部となり、かつ容器内の非充填部が該容器内の一部に偏った状態を保持しながら内容物を加熱することを特徴とする加熱処理方法である。
そこで、本発明においては、前記のような内容物を充填した容器を、内容物の高さが最も低くなるようにトレーに載置した状態から、90°未満の角度だけ傾けて載置し、容器内の非充填部が該容器内の一部に偏った状態を保持しながら加熱することで、内容物をより均一にかつ効率的に加熱することができる。具体的には、例えば、図1に示すように、容器1をトレー10の載置面11上に平置きにした状態から、支持体12を用いて90°未満の角度だけ傾けて載置し、容器1内の非充填部2が容器1内の一部に偏った状態を保持して、加熱すれば良い。
ただし、容器1にスパウト、口栓等が設けられている場合には、これらの部位に内容物3が付着しないように角度を調整することが好ましい。このようにすることで、これらの部位において内容物の著しい加熱による品質劣化を効果的に抑制することができる。
本発明の加熱処理方法は、このような粘度が高くて取り扱いの難しい内容物に対しても静置した状態で効率的に加熱することができ、しかも縦置き容器のトレーへの積み込みおよび積み出し作業のような煩雑さを伴わない。よって、例えば、粘度が200〜50000cPで流動状の内容物に対して好適である。なお、ここで言う粘度とは、B型式回転式粘度計による、25℃での測定値のことを指す。このような高粘度の内容物は、胃瘻・腸瘻経管栄養法において胃または腸にチューブ等を介して導入する際、好適に用いられる。
また、本発明の加熱処理方法は、内容物の品質劣化を抑制できるので、内容物として、例えば、経口摂取可能なものが好適である。
しかし本発明においては、例えば、図2に示すように、容器1を載置する面11上に、該容器1を、内容物の高さが最も低くなるように載置した状態から、90°未満の角度だけ傾けて載置するための支持体12が設けられているトレー10を用いて、容器1の内容物に対して加熱処理を行う。
また例えば、角錐状、円錐状および半球状等の部材であれば、該部材の平坦面をトレーの載置面に接触させて設置すれば良い。この場合には、容器は概ね該支持体と点接触することにより、傾いて支持される。
図3(a)においては、同じ種類の支持体12を複数設けたトレー10を、図3(b)においては、異なる種類の支持体12aおよび12bをいずれも複数設けたトレー10を、それぞれ示している。
また、図3(c)においては、底板を曲げ加工して得られた複数の凸部を支持体12としたトレー10を、図3(d)においては、底板を曲げ加工して得られた複数の凸部を、支持体12と載置面11を兼ねるものとしたトレー10を、それぞれ示している。
さらに、図3(e)においては、支持体12aおよび底板を曲げ加工して得られた凸部12bをいずれも複数設けて、これら支持体を組み合わせて容器1を載置するトレー10を示している。
ただし、本発明のトレーはここに示すものに限定されるものではなく、前記の通り状況に応じて適宜最適な形状のものを選択して用いれば良い。
すなわち支持体は、例えば、図4(a)、(b)および(e)に示すように、前記各部材をトレーに一体化させて固定化して設けても良いが、これら各部材を、好ましくは一時的にトレーに固定化できる着脱可能なものとして、通常用いているトレー上に支持体として載置することで、本発明のトレーとすることができる。
さらに、図3(f)に示すように、容器1を傾けるための支持体32が設けられた補助トレー30を別途用意し、これを好ましくは一時的にトレーに固定化できる着脱可能なものとして、通常用いているトレー40上に載置して、本発明のトレーとすることもできる。この時、補助トレー30は、本発明のトレー10と同様の材質のものを、同様に所定の形状に曲げ加工等することで容易に作製することができる。
(実施例1)
粘度2000cPの高粘度栄養組成物(2kcal/g)を、従来公知の袋状の口栓スパウト付パウチ容器(口栓部:長さ30mm×内径8.5mm、棒状導出部:長さ45mm、以下容器Aと記す)10個に、非充填部の体積が5〜10mlとなるように150g充填し、図3(f)に示す構造を有する、補助トレー(支持体高さ25mm)を載置したトレーを使用して、容器を傾ける角度(図1における「90°未満の角度」)が10°程度となるように口栓部を持ち上げて、口栓部内が非充填部となるような状態で、内容物の最終F0値が9〜11となるよう126℃にて加熱殺菌を行った。殺菌後、殺菌時の傾斜状態を保ったまま室温まで該容器を冷却し、口栓を開封して口栓部内に付着している内容物の量を観察した。結果を表1に示す。
実施例1と同様に調製した高粘度栄養組成物を内容物とする容器Aを、図4(a)に示したトレーに平置き(ベタ置き)した状態で、その他は実施例1と同様の条件で加熱殺菌、冷却を行い、口栓部内に付着している内容物の量を観察した。結果を表1に示す。
Claims (7)
- 耐熱性シートおよび耐熱性樹脂の少なくとも一つから成る容器に充填された内容物を加熱処理する方法であって、
前記容器が口栓付きパウチ容器であり、非充填部の体積が口栓部内の体積よりも大きく、
前記容器を、内容物の高さが最も低くなるようにトレーに載置した状態から、90°未満の角度だけ傾けて載置し、口栓部内が非充填部となり、かつ容器内の非充填部が該容器内の一部に偏った状態を保持しながら内容物を加熱することを特徴とする加熱処理方法。 - 容器内の非充填部の体積が、充填された内容物の体積の2〜30%であることを特徴とする請求項1に記載の加熱処理方法。
- 前記容器の体積が50〜250ml、非充填部の体積が3〜75mlであり、該容器を傾ける角度が5〜30°であることを特徴とする請求項1に記載の加熱処理方法。
- 前記内容物が経口摂取可能なものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の加熱処理方法。
- 前記内容物が、粘度が200〜50000cPの流動状のものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の加熱処理方法。
- 静置式レトルト装置によって加熱することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の加熱処理方法。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載の加熱処理方法を行うための、内容物を充填した容器を載置するトレーであって、
前記容器が口栓付きパウチ容器であり、
前記容器を載置する面に、該容器を、内容物の高さが最も低くなるように載置した状態から、90°未満の角度だけ傾けて載置するための支持体が設けられていることを特徴とするトレー。
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