図面に基づき本発明を詳細に説明する。図1は本発明の多層ポリスチレン系樹脂発泡体の1例を示す縦断面図である。図1に示す態様の多層ポリスチレン系樹脂発泡体は、シート状又は板状の多層ポリスチレン系樹脂発泡体(以下、発泡体と言うこともある。)1の形態を採るものであって、ポリスチレン系樹脂発泡層(以下、発泡層と言うこともある)2の表裏両面に、高分子型帯電防止剤を含有する熱可塑性樹脂層(以下、帯電防止樹脂層と言うこともある)3、3が積層されて、発泡体1の最外層である表面層となるように形成されている。上記発泡層2は、厚み0.5〜30mmであり、みかけ密度が、0.03〜0.13g/cm3に形成されており、上記帯電防止樹脂層3、3はそれぞれ坪量が0.1〜50g/m2に形成され、帯電防止樹脂層3の表面におけるエタノール水溶液洗浄後の表面固有抵抗率が1×1013Ω以下に形成されている。
発泡体1の層構成としては、図1に示すように、発泡層2の表裏両面の表面層として、帯電防止樹脂層3、3が積層されてなるものが好ましいが、帯電防止樹脂層3が発泡層2の片面側の表面層にのみ積層されているものでもよい。
また、上記の態様以外にも本発明の発泡体1は、帯電防止樹脂層3が発泡層2の少なくとも片面に積層され、更に帯電防止樹脂層3の表面側に本発明の目的効果が達成できるような重合体層が積層されたもの(特に図示しない)であってもよい。更に、本発明において、発泡層2と帯電防止樹脂層3とは、両者の間にポリオレフィン系樹脂等からなる重合体層を介在させて積層する(特に図示しない)こともできる。
本発明において、発泡層2を構成するポリスチレン系樹脂としては、スチレンの単独重合体及び共重合体が包含され、その重合体中に含まれるスチレン系モノマー単位は少なくとも25重量%以上、好ましくは50重量%以上である。具体的に上記ポリスチレン系樹脂としては、ポリスチレン、耐衝撃性ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリスチレン−ポリフェニレンエーテル共重合体、ポリスチレンとポリフェニレンエーテルとの混合物などが例示される。これらの樹脂に所望の目的に応じて、プロピレン単独重合体,エチレン−プロピレン共重合体等のポリプロピレン系樹脂、高密度ポリエチレン,低密度ポリエチレン等のポリエチレン系樹脂、スチレン−共役ジエンブロック共重合体やその水添物等の熱可塑性エラストマー、エチレン−プロピレンゴム、ブタジエンゴム等のゴムなどの重合体を40重量%以下の割合で含むものを使用することができる。尚、発泡体に柔軟性が求められる場合には発泡層2を構成する熱可塑性樹脂としては特に、耐衝撃性ポリスチレン、スチレン−共役ジエンブロック共重合体やその水添物等の熱可塑性エラストマーを含むポリスチレン系樹脂が好ましい。また、後述する帯電防止樹脂層3をポリプロピレン系樹脂などのポリオレフィン系樹脂にて構成する場合には、発泡層2との熱接着性の点から発泡層2を構成する熱可塑性樹脂としては熱可塑性エラストマーを含むポリスチレン系樹脂が好ましい。
また、帯電防止樹脂層3を構成する熱可塑性樹脂としては、上記ポリスチレン系樹脂、プロピレン単独重合体、エチレン−プロピレン共重合体等のポリプロピレン系樹脂、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン等のポリエチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、6-ナイロン等のポリアミド系樹脂などが例示される。これらの樹脂に所望の目的に応じて、スチレン-共役ジエンブロック共重合体やその水添物をブレンドしたもの等の熱可塑性エラストマー、エチレン−プロピレンゴム、ブタジエンゴム等のゴムなどの重合体を45重量%以下の割合で含むものを使用することができる。尚、帯電防止樹脂層3を構成する熱可塑性樹脂としては、特に、得られる発泡体の剛性の点からポリスチレン系樹脂またはポリオレフィン系樹脂が好ましく、特に耐衝撃性ポリスチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン系樹脂が好ましい。
また、必要に応じて設けられる重合体層としては、上記熱可塑性樹脂、導電性,抗菌性,ガスバリヤー性,保香性,光反射性,電磁波遮蔽性,接着性などの機能を有する或いは付加された機能性重合体等が挙げられる。
上記の通り、本発明の発泡体1において、帯電防止樹脂層3の坪量は、0.1〜50g/m2、好ましくは0.5〜30g/m2、更に好ましくは0.5〜25g/m2、特に好ましくは0.5〜20g/m2である。帯電防止樹脂層3の坪量が0.1g/m2未満の場合には、発泡体1に十分な帯電防止性を付与することができない。一方、帯電防止樹脂層3の坪量が大きすぎる場合には、発泡体1の用途によっては軽量性が不十分となる虞があり、発泡体1の製造時の原材料費も高くなってしまう。
帯電防止樹脂層3においては帯電防止機能を発現させる為には高分子型帯電防止剤の連続層を熱可塑性樹脂中に形成しなければならないことから、該帯電防止剤を一定量以上の濃度で添加しなければならず、該帯電防止樹脂層3の坪量が大きい分だけ高分子型帯電防止剤の添加量を増やすことを余儀なくされるためコスト上昇につながる。なお、本発明にて特定される坪量範囲内において予期せぬことに該坪量が小さい程、高分子型帯電防止剤の帯電防止樹脂層3中の同濃度における表面固有抵抗率が小さくなる効果も本発明者らの研究の結果認められている。
なお、本発明の発泡体1において前記重合体層を設ける場合には、重合体層の坪量は、5〜200g/m2の範囲とすることが好ましく、更に、該発泡層2に積層される帯電防止樹脂層3と重合体層との坪量の合計は、該発泡層2の片面において210g/m2未満、特に150g/m2以下であることが軽量性の観点から好ましい。
また、帯電防止樹脂層3の厚みT3や重合体層の厚みは、均一であることが好ましいが、本発明の目的、効果が達成される範囲内であれば、厚みむらがあってもかまわない。
本発明において、上記の帯電防止樹脂層3および必要に応じて設けられる重合体層の坪量は、以下の2通りの方法のいずれかにて求めることができる。
坪量測定の第1の方法としては、発泡体1を製造する際に、押出し発泡条件の内、帯電防止樹脂層3または重合体層の吐出量X[kg/時]と、得られる発泡体1の幅W[m]、得られる発泡体1の単位時間あたりの長さL[m/時]が判る場合には、以下の(1)式にて帯電防止樹脂層3または重合体層の坪量[g/m2]を求めることができる。
(数1)
坪量[g/m2]=〔1000X/(L×W)〕・・・(1)
坪量測定の第2の方法としては、発泡体1の押出方向に直交する方向の断面、即ち幅方向垂直断面から、帯電防止樹脂層3の厚みT3を等間隔に幅方向に10点測定し、得られた値の算術平均値を帯電防止樹脂層3の平均厚みとし、該平均厚みに該帯電防止樹脂層3を構成している基材樹脂の密度を乗じ、単位換算して帯電防止樹脂層3の坪量[g/m2]を求めることができる。
また、重合体層の坪量も帯電防止樹脂層3の坪量測定と同様に、重合体層の平均厚みを測定し、得られた重合体層の平均厚みに該重合体層を構成している基材樹脂の密度を乗じ、単位換算して求めることができる。なお、帯電防止樹脂層3の厚み又は重合体層の厚みを測定し易いように、それらの層を着色することもできる。
本発明において発泡層2の厚みは、0.5〜30mm、好ましくは0.5〜20mmであり、発泡体1の剛性、軽量性、生産性に優れる。特に発泡層2の厚みは、板状発泡体においては切断・切削加工性、剛性の観点から3〜20mm、特に5〜15mmが好ましい。また、シート状発泡体においては加熱軟化させたシート状発泡体を容器等に金型を用いて成形する断熱性、熱成形性の観点から、0.6〜5mmが好ましく、1〜3mmがより好ましい。なお発泡層2の厚みは、該発泡層2の幅方向垂直断面において、厚みを幅方向に等間隔で10点測定し、測定した各点における厚みの算術平均値である。
本発明の発泡体1の厚みは、発泡体1の剛性、軽量性、生産性の観点から、0.5〜20mmに形成することが好ましい。なお、本発明の発泡体は複数枚の発泡体を貼り合わせたものとすることにより厚みを厚くしたものであってかまわない。この場合、厚みの上限は積層枚数を増すことにより任意に大きくすることができる。なお発泡体1の厚みは、発泡層2の厚みおよび帯電防止樹脂層3の厚み、更に必要に応じて設けられる重合体層の厚みを合せた発泡体1全体の厚み(全厚み)のことである。
本発明において発泡体1の厚みは、以下の測定方法により得られるものである。まず、発泡体1の幅方向垂直断面において、発泡体1の厚みを等間隔に幅方向に10点測定し、測定した各点における発泡体1の厚みの算術平均値を発泡体1の厚みとする。
また、本発明の発泡体1は上記の通り発泡層2のみかけ密度が0.03〜0.13g/cm3のものである。該みかけ密度が0.03g/cm3未満であると、発泡体1の引張、曲げの強度が不足する。上記観点から発泡層2のみかけ密度は、好ましくは0.035g/cm3以上であり、より好ましくは0.04g/cm3以上である。一方、発泡層2のみかけ密度が高すぎると発泡体1の軽量性が低下する。上記観点から発泡層2のみかけ密度は、特に好ましくは0.1g/cm3以下である。発泡体1に柔軟性を要求される場合には0.07g/cm3以下であることが好ましい。
本発明において発泡層2のみかけ密度は、例えば重合体層が設けられていない発泡層と帯電防止樹脂層との積層体の場合で説明すると以下の操作にて測定することができる。まず前述した方法により、発泡体1の厚み、帯電防止樹脂層3の厚みを予め測定する。次に発泡体1の坪量、帯電防止樹脂層3の坪量を測定する。発泡体1の坪量 (g/m2)は、縦25mm、横25mm(厚みは発泡体1の厚みのまま)の大きさに試験片を切り出し、この試験片の重量(g)を測定した後、その重量を1600倍することで得られる。また帯電防止樹脂層3の坪量は、上記した2通りの測定方法のいずれかにより求めることができる。
次に、発泡体1の坪量から帯電防止樹脂層3の坪量を差し引いて発泡層2の坪量 (g/m2)を求める。また、発泡体1の厚みから上記の測定方法により求められる帯電防止樹脂層3の厚みを差し引いて発泡層2の厚みを求める。そして、発泡層2のみかけ密度は、前記発泡層2の坪量(g/m2)を前記発泡層2の厚み(mm)で除した値を単位換算し、発泡層2のみかけ密度(g/cm3)とする。なお、重合体層が設けられている場合は発泡体1の坪量から帯電防止樹脂層3の坪量と重合体層の坪量を差し引いて発泡層2の坪量(g/m2)を求め、発泡体1の厚みから上記の測定方法により求められる帯電防止樹脂層3の厚みと重合体層の厚みを差し引いて発泡層2の厚みを求め、以下同様の操作にて発泡層2のみかけ密度を求めることができる。
また発泡体1において、発泡層2の連続気泡率は、発泡体1に緩衝性を持たせる場合は、40%以下に形成するのが好ましく、より好ましくは30%以下で、最も好ましくは20%以下である。発泡層2の連続気泡率:S(%)は、ASTM D2856-70(1976再認定)に記載されている手順Cに準拠し、東芝ベックマン株式会社製の空気比較式比重計930型等を使用して測定される試験片の実容積(独立気泡の容積と樹脂部分の容積との和):Vx(cm3)から、下記式により算出される値である。
S(%)=(Va−Vx)×100/(Va−W/ρ)
但し、上記式中の、Va、W、ρは以下の通りである。
Va:測定に使用した試験片のみかけ容積(cm3)
W:試験片の重量(g)
ρ:試験片を構成する樹脂の密度(g/cm3)
なお、連続気泡率を測定するための樹脂の密度ρ(g/cm3)は、試験片の重量W(g) 及び測定に使用した試験片を加熱プレスにより気泡を脱泡させてから冷却する操作を行い、得られたサンプルの体積(cm3)から求めることができる。試験片は、空気比較式比重計に付属のサンプルカップに非圧縮状態で収納しなければならないので、縦が25mm、横が40mm、厚みが発泡体の厚み(但し、発泡体厚みが厚すぎるためサンプルカップに収納できない場合にはスライスする。)の発泡体片を複数枚用意して、みかけ体積が概ね25cm3となるように最小限の枚数を積重ねて試験片として使用する。
帯電防止樹脂層3における、高分子型帯電防止剤5の添加量は、熱可塑性樹脂100重量部に対して4重量部〜50重量部である。高分子型帯電防止剤5の添加量が、熱可塑性樹脂100重量部に対して4重量部未満の場合は帯電防止性能が不十分となり、50重量部を超えると、帯電防止樹脂層3の形成自体が困難になると共に、安価な発泡体1の製造が困難となる。上記観点から、その下限値は、7重量部以上が好ましく、13重量部以上がより好ましい。一方、その上限値は30重量部以下が好ましく、25重量部以下がより好ましく、20重量部以下が特に好ましい。
本発明発泡体1は、帯電防止樹脂層3の表面のエタノール水溶液を用いた超音波洗浄後の表面固有抵抗率が1.0×1013(Ω)以下であるが、好ましくは8.0×1012(Ω)以下であり、5.0×1012(Ω)以下であることがより好ましい。また、品質過剰とならない観点からは発泡体1の帯電防止樹脂層3の表面固有抵抗率は1.0×108(Ω)以上とすることが好ましい。
発泡体1の帯電防止樹脂層3の表面固有抵抗率が1.0×1013(Ω)を超える場合は、帯電防止性能が不十分となる虞があり、発泡体1の表面には静電荷が蓄積し、埃が付着しやすくなる。また発泡体1の熱可塑性樹脂層3の表面固有抵抗率が1.0×108(Ω)未満の場合は、帯電防止性能として品質過剰となりコスト高に繋がる。より埃が付着しにくい観点から、熱可塑性樹脂層3の表面固有抵抗率は、8.0×1012(Ω)以下が好ましく、5.0×1012(Ω)以下がより好ましく、更に1.0×1012(Ω)以下が好ましい。
帯電防止樹脂層3は高分子型帯電防止剤を含有するため、エタノール水溶液による超音波洗浄後であっても、帯電防止効果は失われない。界面活性剤からなる帯電防止剤が添加されてなる帯電防止樹脂層の場合は、該帯電防止剤が成形品表面にブリードアウトし、空気中の水分を取り込み帯電防止効果を発揮していても、エタノール水溶液による超音波洗浄後には該帯電防止剤が樹脂表面から洗い流されてしまい帯電防止効果は失われてしまう。よって、帯電防止樹脂層3に含有されている帯電防止剤が高分子型のものであるのか否かを判別する手段として、エタノール水溶液による超音波洗浄後の表面固有抵抗率の測定は有効である。
本発明発泡体1は、高分子型帯電防止剤を含有する熱可塑性樹脂層を有する為、エタノール水溶液を用いた超音波洗浄前後において適切な帯電防止効果を示し、洗浄、乾燥直後においても帯電防止効果が発揮されており、その効果は湿度条件に殆ど依存しない。
帯電防止樹脂層3のエタノール水溶液洗浄後の表面固有抵抗率は、試験片の状態調整以降はJIS K6911(1995)に準拠して測定する。具体的には、測定対象物である発泡体から縦100mm×横100mm(厚みは発泡体の厚みのまま)の大きさに切り出した試験片を23℃のエタノール40重量%水溶液(エタノール40重量%とイオン交換水60重量%との混合溶液)中に沈めて超音波洗浄を24時間行った後、該試験片を温度30℃、相対湿度30%の雰囲気下で36時間放置して乾燥することにより試験片の状態調整を完了し、印加電圧500Vの条件にて電圧印加を開始して1分経過後の表面固有抵抗率を求める。
帯電防止樹脂層3に含まれる高分子型帯電防止剤としては、数平均分子量が2000以上、好ましくは2000〜100000、更に好ましくは5000〜60000、特に好ましくは8000〜40000の帯電防止剤であり、界面活性剤からなる帯電防止剤とは区別される。尚、該高分子型帯電防止剤の数平均分子量の上限は概ね1000000である。また、高分子型帯電防止剤は表面固有抵抗率が1×1010(Ω)未満である樹脂が好ましい。高分子型帯電防止剤の数平均分子量を上記の範囲とすることにより、帯電防止性能が環境に左右されずより安定的に発現され、被包装体へ帯電防止剤が移行して被包装体表面を汚染することも殆どない。
なお、上記数平均分子量は、高温ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて求められる。例えば、高分子型帯電防止剤がポリエーテルエステルアミドやポリエーテルを主成分とする親水性樹脂の場合にはオルトジクロロベンゼンを溶媒として試料濃度3mg/mlとし、ポリスチレンを基準物質としてカラム温度135℃の条件にて測定される値である。なお、上記溶媒の種類、カラム温度は、高分子型帯電防止剤の種類に応じて適宜変更する。
また、該高分子型帯電防止剤は、該高分子型帯電防止剤の融点よりも15℃高い温度、剪断速度100sec-1の条件下で測定される溶融粘度が90Pa・s以上、更に100〜1200Pa・s、特に150〜900Pa・sのものが好ましい。該溶融粘度が上記範囲内であることにより、帯電防止剤と帯電防止樹脂層に用いられる熱可塑性樹脂との粘度バランスを良好に保つことが容易になるため比較的少量の帯電防止剤の添加にて十分な帯電防止効果を得ることができる。なお、本明細書における樹脂の溶融粘度とは、融点を示すものにおいては該樹脂の融点よりも15℃高い温度、剪断速度100sec-1の条件下で測定される溶融粘度を意味し、ポリスチレン系樹脂などの融点を示さないものにおいては温度190℃、剪断速度100sec-1の条件下で測定される溶融粘度を意味する。
上記温度および剪断温度の条件下での溶融粘度は、次のようにして求められる。溶融粘度測定装置として、チアスト社製のレオビス2100等を用い、樹脂溶融物をその装置に付設された先端ノズルから、所定の樹脂温度、剪断速度100sec-1の条件で押出し流出させることによって測定した。この場合、そのノズルの孔直径Dは1.0mmとし、ノズルの長さLとノズルの孔直径Dとの比L/Dは10とする。
また、高分子型帯電防止剤の融点は、好ましくは70〜270℃、より好ましくは80〜230℃、特に好ましくは80〜200℃であることが、本発明発泡体のような坪量の小さな帯電防止樹脂層形成性および良好な帯電防止機能発現性の観点から望ましい。
高分子型帯電防止剤の融点は、以下のJIS K7121(1987)に準拠する方法により測定することができる。即ちJIS K7121(1987)における試験片の状態調節(2)の条件(但し、冷却速度は10℃/分)により前処理を行い、10℃/分にて昇温することにより融解ピークを得る。そして得られた融解ピークの頂点の温度を融点とする。尚、融解ピークが2つ以上現れる場合は、最も面積の大きな融解ピークの頂点の温度を融点とする。但し、最も面積の大きな融解ピークが複数存在する場合は、それらの融解ピークの内、最も高温側の融解ピークの頂点の温度を融点とする。
本発明で使用される高分子型帯電防止剤としては、金属イオンとしてカリウム、ルビジウム及びセシウムからなる群より選ばれたアルカリ金属を含むアイオノマー樹脂、ポリエーテルエステルアミドやポリエーテルを主成分とする親水性樹脂が好ましい。また高分子型帯電防止剤には帯電防止樹脂層3の基材樹脂との相溶性を向上させ、優れた帯電防止効果を与えると共に、帯電防止剤を添加することによる物性低下を抑制する効果を得るために、帯電防止樹脂層3の基材樹脂と同種或いは相溶性の高い樹脂をブロック共重合させたものを用いることが更に好ましい。
特に好ましい高分子型帯電防止剤は、エチレン−不飽和カルボン酸共重合体の一部又は全部がカリウム,ルビジウム及びセシウムからなる群より選ばれたアルカリ金属で中和されているアイオノマーや特開2001-278985号公報に記載されている組成物が挙げられる。
特開2001-278985号公報記載の組成物は、ポリオレフィン(a)のブロックと、体積固有抵抗値が105〜1011Ω・cmの親水性ポリマー(b)のブロックとが、繰り返し交互に結合した構造を有する数平均分子量(Mn)が2000〜60000のブロックポリマー(A)である。上記(a)のブロックと(b)のブロックとは、エステル結合、アミド結合、エーテル結合、ウレタン結合、イミド結合から選ばれる少なくとも1種の結合を介して繰り返し交互に結合した構造を有するものである。
高分子型帯電防止剤として用いられる上記ブロックポリマー(A)のポリオレフィン(a)のブロックとしては、カルボニル基(好ましくは、カルボキシル基。尚、以下に例示する全てのカルボニル基の好ましい態様として、カルボキシル基が挙げられる。)をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(a1)、水酸基をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(a2)、アミノ基をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(a3)が使用できる。さらに、カルボニル基をポリマーの片末端に有するポリオレフィン(a4)、水酸基をポリマーの片末端に有するポリオレフィン(a5)、アミノ基をポリマーの片末端に有するポリオレフィン(a6)が使用できる。このうち、変性のし易さからカルボニル基を有するポリオレフィン(a1)及び(a4)が好ましい。
ブロックポリマー(A)を構成する親水性ポリマー(b)のブロックとしては、ポリエーテル(b1)、ポリエーテル含有親水性ポリマー(b2)、カチオン性ポリマー(b3)及びアニオン性ポリマー(b4)が使用できる。(b1)としては、ポリエーテルジオール(b1-1)、ポリエーテルジアミン(b1-2)、及びこれらの変性物(b1-3)が使用できる。(b2)としては、ポリエーテルセグメント形成成分としてポリエーテルジオール(b1-1)のセグメントを有するポリエーテルエステルアミド(b2-1)、同じく(b1-1)のセグメントを有するポリエーテルアミドイミド(b2-2)、同じく(b1-1)のセグメントを有するポリエーテルエステル(b2-3)、同じく(b1-2)のセグメントを有するポリエーテルアミド(b2-4)及び同じく(b1-1)又は(b1-2)のセグメントを有するポリエーテルウレタン(b2-5)が使用できる。(b3)としては、非イオン性分子鎖(c1)で隔てられた2〜80個、好ましくは3〜60個のカチオン性基(c2)を分子内に有するカチオン性ポリマーが使用できる。(b4)としては、スルホニル基を有するジカルボン酸(e1)と、ジオール(b0)又はポリエーテル(b1)とを必須構成単位とし、かつ分子内に2〜80個、好ましくは3〜60個のスルホニル基を有するアニオン性ポリマーが使用できる。
上記ブロックポリマー(A)の具体例として、以下のブロックポリマー(A1)〜(A4)が挙げられる
[ブロックポリマー(A1)]
(a1)のブロックと(b1)のブロックとが繰り返し交互に結合した構造を有するブロックポリマー(A1)であり、一般式(1)で示される繰り返し単位を有するポリマーが含まれる。一般式(1)中、nは2〜50の整数、R1及びR2の一方は水素原子であり他方は水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基、yは15〜800の整数、E1はジオール(b0)から水酸基を除いた残基、A1は炭素数2〜4のアルキレン基、m及びm’は1〜300の整数を表し、X及びX’は一般式(2)〜(8)で示される基から選ばれる基及び対応する(2’)〜(8’)で示される基から選ばれる基、すなわち、Xが一般式(2)で示される基のとき、X’は一般式(2’)で示される基であり、一般式(3)〜(8)及び(3’)〜(8’)についても同様の関係である。
一般式(2)〜(8)及び(2’)〜(8’)中、R3、R3’は炭素数2〜3の三価の炭化水素基、R4は炭素数1〜11の2価の炭化水素基、R5は水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基、R6は炭素数2〜22の炭化水素基、E2は有機ジイソシアネート残基を表し、rは1〜10、u及びvは0又は1である。又、Q、Q’、T及びT’は次式で示される基である。
ただし、R5は水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基、R7は水素原子又はメチル基、tはR7がメチル基のとき0、水素原子のとき1である。一般式(1)で示される繰り返し単位中の{ }内のポリエーテルセグメント{(OA1)m-O-E1-O-(A1O)m’}は、前記ポリエーテル(b1)のポリエーテル部分により構成され、式中のE1,A1、m及びm’は前記と同様である。一般式(1)におけるE1は、脂肪族二価アルコール、二価フェノール又は三級アミノ基含有ジオールから水酸基を除いた残基であることが好ましい。
一般式(1)において、Xが一般式(2)で示される基、X’が一般式(2’)で示される基であるブロックポリマー(A1)は、前記のカルボニル基を有するポリオレフィン(a1)とポリエーテルジオール(b1-1)とを直接反応させることにより得ることができる。一般式(2)及び(2’)中のR3及びR3’は、[化3]に示す。(R4は水素原子又はメチル基、tはR4が水素原子のとき1,R4がメチル基のとき0である。)で示される基であり、例えばポリオレフィンのカルボニル変性に、マレイン酸又はフマル酸を用いた場合は、R3は-CH2-CH<であり、 R3’は>CH-CH2-である。
ブロックポリマー(A1)を構成するポリエーテル(b1)の量は、(a1)と(b1)との合計重量に基づいて、通常20〜90重量%、好ましくは25〜90重量%、特に好ましくは30〜70重量%である。(A1)のMnは、通常2000〜60000、好ましくは5000〜40000、特に好ましくは8000〜30000である。
ブロックポリマー(A1)の構造において、ポリオレフィン(a)のブロックと、親水性ポリマー(b)のブロックとの繰り返し単位の平均繰り返し数(Nn)は、通常2〜50、好ましくは2.3〜30、さらに好ましくは2.7〜20、特に好ましくは3〜10である。
[ブロックポリマー(A2)]
ブロックポリマー(A2)は、ポリオレフィン(a)のブロックと親水性ポリマー(b)のブロックとが(a)-(b)型または(a)-(b)-(a)型に結合されてなるブロックポリマーである。(A2)は、(b2)と一般式(9)〜(11)のいずれかで示されるカルボニル基をポリマーの片末端に有するポリオレフィン(a4)との反応で得ることができる。
式中、R8はポリオレフィン残基、Q’は式-CH(R10)-CH=C(R10)-CH2-で示される基、R9は炭素数2〜3の三価の炭化水素基、R10は水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基、R11は水素原子又はメチル基である。(b2)としては、一般式(19)で示されるものが好ましい。式(19)中、E3はポリエーテル基含有親水性ポリマー残基、R12及びR13は水素原子、式-CO-NH-E2-NHCOO-R14-NH2、式-CO-NH-E2-NCO、式-G又は式-CH2CH(OH)CH2-O-E4-O-Gで示される基、pは0又は0、A2は炭素数2〜4のアルキレン基又は式-(R15-CO)r-で示される基、R15は炭素数1〜11の2価の炭化水素基(以下、飽和炭化水素基、不飽和炭化水素基のいずれをも含む)、rは1〜10の整数、R14は炭素数2〜12の2価の炭化水素基、E2は有機ジイソシアネートの残基、Gはグリシジル基、E4はジグリシジルエーテル(G-O-E4-O-G)からグリシジルオキシ基を除いた残基を表す。なお、R12およびR13は水素原子及び/又は式-CO-NH-E2-NCOで示される基であることが好ましい。一般式(19)中、E3は一般式(20)で示される基であるのが好ましい。一般式(20)中、E5はポリエーテル(b1)の残基、Dは酸素原子及び/又はイミノ基、Zはポリエステルアミド、ポリアミドイミド、ポリエステル、ポリアミド及びポリウレタンからなる群から選ばれるポリマーセグメントであり、一般式(21)〜(27)のいずれかで示されるセグメントであるのが好ましい。uは0又は1であり、wは通常2〜50、好ましくは3〜30である。なお、Zが一般式(21)で示されるポリエステルアミドセグメントであるのこと好ましい。一般式(21)〜(27)中、E6は炭素数4〜20のジカルボン酸からカルボキシル基を除いた残基、E7は三価若しくは四価の芳香族カルボン酸から3個のカルボキシル基を除いた残基、E8は炭素数4〜12のジカルボン酸と炭素数2〜12のジアミンとのモノアミド及び炭素数6〜12のアミノカルボン酸からなる群から選ばれるポリアミド形成成分から末端のアミノ基とカルボキシル基とを除いた残基、E9は炭素数4〜12のジカルボン酸と前述したジオール(b0)とのエステル及び炭素数6〜12のオキシカルボン酸からなる群から選ばれるポリエステル形成成分から末端の水酸基とカルボキシル基を除いた残基、s、s’、s”は0又は1〜50の整数、(s+s’)は少なくとも1、A3は炭素数2〜4のアルキレン基又は式-R16-CO-で示される基、R16は炭素数1〜11の2価の炭化水素基、qは0又は1〜10の整数、E10は式-CO-D-E11-D-CO-NH-E2-NH-で示される基、E2は有機ジイソシアネートの残基、Dは酸素原子及び/又はイミノ基、E11は鎖伸張剤の残基である。(A2)としては、(b2)の末端の一方又は両方が、下記の一般式(12)〜(14)で示される基{(b2)の末端が水酸基又はエポキシ基の場合}で置き換えられた構造のもの(エステル結合を介して結合);一般式(15)〜(17)で示される基{(b2)の末端がアミノ基又はイソシアネート基の場合}で置き換えられた構造のもの(アミド結合を介して結合);及び一般式(18)で示される基{(b2)の末端がアミノ基の場合}で置き換えられた構造のもの(イミド結合を介して結合)が挙げられる。
上記ポリオレフィン残基R8は、式R17-{CH(R18)-CH(R19)}y-(式中、R17は水素原子又はH2C=CH-で示される基、R18及びR19の一方は水素原子で他方は水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基、yは15〜800の整数を表す。)で示される基であることが好ましい。
ブロックポリマー(A2)を構成する(b2)の量は、(A2)の重量に基づいて、通常20〜80重量%であり、30〜70重量%が好ましい。(A2)のMnは、通常2000〜60000、好ましくは5000〜40000である。ブロックポリマー(A2)の構造において、ポリオレフィン(a)のブロックと、親水性ポリマー(b)のブロックとの繰り返し単位の平均繰り返し数(Nn)は、通常0.4〜2.1、好ましくは0.5〜2.0、さらに好ましくは0.6〜1.9、特に好ましくは0.7〜1.8である。
[ブロックポリマー(A3)]
ブロックポリマー(A3)は、親水性ポリマー(b)として分子内に非イオン性分子鎖(c1)で隔てられた2〜80個、好ましくは3〜60個のカチオン性基(c2)を分子内に有するカチオン性ポリマー(b3)のブロックを有するものであり、(a)と(b3)とが繰り返し交互に結合した構造を有する。(A3)のMnは、通常2000〜60000、好ましくは5000〜40000、特に好ましくは8000〜30000である。(A3)中のカチオン性基(c2)の含量は、(A3)1分子当り、2〜500個、好ましくは10〜300個、特に好ましくは15〜250個である。カチオン性基(c2)1個当りの(A3)のMnは、通常120〜30000、好ましくは200〜6000、特に好ましくは300〜4000である。
ブロックポリマー(A3)の構造において、ポリオレフィン(a)のブロックと、親水性ポリマー(b)のブロックとの繰り返し単位の平均繰り返し数(Nn)は、通常2〜50、好ましくは2.3〜30、さらに好ましくは2.7〜20、特に好ましくは3〜10である。
[ブロックポリマー(A4)]
ブロックポリマー(A4)は、(b)として、スルホニル基を有するジカルボン酸(e1)と、ジオール(b0)又はポリエーテル(b1)とを必須構成単位とし、かつ分子内に2〜80個、好ましくは3〜60個のスルホニル基を有するアニオン性ポリマー(b4)のブロックを有するものであり、(a)と(b4)が繰り返し交互に結合した構造を有する。(A4)のMnは、通常2000〜60000、好ましくは5000〜40000、特に好ましくは8000〜30000である。また、(A4)中のスルホニル基の含量は、(A4)1分子当り、2〜500個、好ましくは10〜300個、特に好ましくは15〜250個である。スルホニル基1個当りの(A4)のMnは、通常120〜30000、好ましくは200〜6000、特に好ましくは300〜4000である。
ブロックポリマー(A4)の構造において、ポリオレフィン(a)のブロックと、親水性ポリマー(b)のブロックとの繰り返し単位の平均繰り返し数(Nn)は、通常2〜50、好ましくは2.3〜30、さらに好ましくは2.7〜20、特に好ましくは3〜10である。
上記高分子型帯電防止剤はそれぞれ単独で使用することができるが、組み合わせて使用してもよい。
尚、上記のような高分子型帯電防止剤としては、例えば三洋化成工業株式会社製「ペレスタット300」、「ペレスタットNC7530」というものがある。
なお、本発明の発泡体1は従来の界面活性剤タイプの帯電防止剤が発泡層2及び/または帯電防止樹脂層3に含まれるものを権利範囲から完全に排除するものではないが、該界面活性剤タイプの帯電防止剤を使用しなくても十分な帯電防止性能が発揮でき、その場合には被包装体等の接触面を殆ど汚染することがないものとなることから、帯電防止樹脂層中には界面活性剤タイプの帯電防止剤が実質的に含まれていないこと、更に全く含まれていないことが好ましい。尚、帯電防止剤が実質的に含まれていないとは、被包装体の接触面の汚染が用途に応じた許容範囲内に調整できるのであれば界面活性剤タイプの帯電防止剤が含まれていてもかまわないことを意味する。
図2は本発明多層ポリスチレン系樹脂発泡体の製造方法の一態様を示す説明図であり、図1に示す発泡体の製造例を示す。図2に示すように発泡体1の製造方法は、熱可塑性樹脂4、高分子型帯電防止剤5及び揮発性可塑剤6を第1の押出機11にて混練してなる熱可塑性樹脂層形成用樹脂溶融物7と、ポリスチレン系樹脂8、気泡調整剤及び物理発泡剤9を第2の押出機12にて混練してなるポリスチレン系樹脂発泡層形成用樹脂溶融物10とを共押出しすることにより筒状積層発泡体を得る。
次に、上記筒状積層発泡体は内面を円柱状冷却装置の側面上を通過させて冷却してから一端を切り開くことで、シート状の発泡体が得られる。また上記筒状積層発泡体を内面が軟化状態にある内にピンチロールにて圧着し筒状積層発泡体の内面を張り合わせることや、前記の通り筒状積層発泡体を切り開くことにより得られたシート状発泡体を加熱炉にて加熱し二次発泡させロール間に引き取ることにより板状の発泡体が得られる。尚、前記環状ダイ、押出機、円柱状冷却装置、筒状積層発泡体を切り開く装置等は、従来から押出発泡の分野で用いられてきた公知のものを用いることができる。
図2に示す態様は共押出発泡法により得られた筒状積層発泡体の一端を切り開く方法による、発泡層2の表裏両面に帯電防止樹脂層3が積層形成されたシート状発泡体の製造例を示すものである。このように多層ポリスチレン系樹脂発泡体を共押出発泡法により製造することで、押出発泡時の静電気によるブタン等の可燃性発泡剤への着火事故を防ぐことができ、発泡体製造時の安全性改善効果は極めて大きい。また共押出発泡法により多層ポリスチレン系樹脂発泡体を製造することで、帯電防止剤を塗布したものと同等の薄い帯電防止層を形成することができ、経済性に優れたものとなる。
図2において、第1の押出機11の熱可塑性樹脂層形成用樹脂溶融物7には、揮発性可塑剤6が添加されるが、該揮発性可塑剤6の添加時期は、熱可塑性樹脂4に高分子型帯電防止剤5を十分に分散させた後であるのが好ましい。これは、熱可塑性樹脂4と高分子型帯電防止剤5とを混練する場合には、粘度をある程度高い状態にて混練することにより、高分子型帯電防止剤5の分散を確実に行って導電ネットワーク構造を確実に形成し、さらにポリスチレン系樹脂発泡層と共押出しする際には、先の導電ネットワーク構造を確実に形成した高分子型帯電防止剤と熱可塑性樹脂との混練物に揮発性可塑剤を添加することにより該混練物を可塑化させ該溶融物の樹脂温度を発泡層の発泡を阻害しない温度まで低下させる冷却調整が可能となると共に発泡層に追従する伸長性を付与することができる。このような手段は、特に発泡層2を、みかけ密度の小さいもの、特にみかけ密度を0.13g/cm3以下、更に0.07g/cm3以下とする場合や、帯電防止樹脂層の坪量が小さいもの、特に坪量を30g/m2以下、更に25g/m2以下とする場合に極めて効果的であり、良好な帯電防止効果と連続気泡率の低い発泡体1の製造を行うことができる。
帯電防止樹脂層3中の揮発性可塑剤は、帯電防止樹脂層を構成する熱可塑性樹脂の種類や揮発性可塑剤の種類により、押出された時点で押出し時の熱によりほぼ揮散している場合と樹脂層中に残存している場合とがある。なお該樹脂層中に残存した揮発性可塑剤は、押出し後の経時により帯電防止樹脂層3中から揮散するため、該樹脂層中の揮発性可塑剤残存量は経時により減少する。
熱可塑性樹脂層形成用樹脂溶融物(以下、樹脂層形成用溶融物と言うこともある。)7とポリスチレン系樹脂発泡層形成用樹脂溶融物(以下、発泡層形成用溶融物と言うこともある。)10とは、各押出機11、12内において適正温度に調整してから、ダイ13より共押出しすることにより発泡層形成用溶融物を発泡させる。
なお、本発明の発泡体1の製造は、上記のように環状ダイを使用する押出発泡法により製造することが広幅のもの、みかけ密度の低いものが得られる観点から好ましいが、押出機先端に取り付けるダイ13の形状は環状ダイに限らずフラットダイを用いて発泡体層形成用溶融物10を始めからシート状又は板状に押出発泡して発泡層2を得ることもできる。
上記溶融物10の適正温度とは、発泡層形成用溶融物10が発泡層を形成するのに最適な粘弾性を示す温度のことである。また上記溶融物7の適正温度とは、樹脂層形成用溶融物7が樹脂層を形成するのに良好な伸長性を示し且つ発泡層の形成を阻害しない温度のことである。具体的には、発泡層形成用溶融物10及び樹脂層形成用溶融物7の温度を130〜170℃の範囲に調整する。更に溶融物10の適正温度は、主原料の溶融粘度と発泡剤の注入量によって適正範囲が厳密には異なるが、140〜160℃の範囲であることが好ましい。
また発泡層2の片面側に高分子型帯電防止剤を含有する帯電防止樹脂層3が積層された発泡体を製造する場合も、共押出発泡法を用いることができる。
以下、環状ダイを用いて共押出発泡する場合を例にして、発泡体1を得る方法についてさらに詳しく述べるが、基本的にはフラットダイを使用して初めからシート状又は板状に共押出発泡することにより発泡体1を得る以外はフラットダイを用いて発泡体1を得る機構と環状ダイを用いて発泡体1を得る機構とは同様である。
図2に示すように、まず、熱可塑性樹脂4及び高分子型帯電防止剤5等を第1の押出機11に供給し、加熱溶融し混練した後、必要に応じて揮発性可塑剤6を添加し溶融混練して熱可塑性樹脂層形成用樹脂溶融物7とする。同時に、ポリスチレン系樹脂8と気泡調節剤を第2の押出機12に供給し、加熱溶融し混練してから物理発泡剤9を圧入して、更に混練しポリスチレン系樹脂発泡層形成用樹脂溶融物10とする。
次に、上記ポリスチレン系樹脂発泡層形成用樹脂溶融物10と熱可塑性樹脂層形成用樹脂溶融物7とを、それぞれ適正温度に調整してから、一つの環状ダイ13に導入して、該環状ダイ13から筒状積層発泡体として共押出しする。尚、上記の共押出の方法においては、環状ダイの出口や、ダイの出口の外で帯電防止樹脂層3と発泡層2とを積層してもよい。以下、前述の方法によりシート状或いは板状の発泡体を形成することができる。
なお、上記本発明発泡体の製造方法において、単純に、高分子型帯電防止剤を熱可塑性樹脂に添加してなる樹脂層形成用溶融物7と発泡層形成用溶融物10とを共押出して帯電防止樹脂層と発泡層とを積層してなる発泡体を得ようとしても、十分にみかけ密度の小さな発泡体が得られない。その要因は、帯電防止樹脂層3を構成する高分子型帯電防止剤を添加してなる熱可塑性樹脂が、混練により発熱してしまい、その熱により発泡層2を形成する発泡層形成用溶融物10の樹脂温度が上昇し、押出発泡時に発泡体の気泡が破泡してしまう為である。これに対し、樹脂層形成用溶融物7の樹脂温度を下げるために、MFRが60(g/10min)を超えるような流動性が高い熱可塑性樹脂を使用し、該樹脂に高分子型帯電防止剤を練りこみ流動性の高い樹脂層形成用溶融物7を形成すると、発泡層形成用溶融物10との共押出発泡により、みかけ密度の低い発泡層2を有する発泡体1が一応得られるが、本来の目的である帯電防止性能は十分に発揮されない。その理由としては、高分子型帯電防止剤は基材樹脂中にて十分混練されないとネットワーク構造を形成できないため、みかけ密度の低い発泡層2が形成を妨げない流動性を示す熱可塑性樹脂を選択すると該樹脂と高分子型帯電防止剤との粘度バランスが合わないために十分な混練状態を実現できず帯電防止効果が発揮されないためと考えられる。
高分子型帯電防止剤を含有する帯電防止樹脂層3が充分な帯電防止性能を発揮するためには、該帯電防止樹脂層3を構成している熱可塑性樹脂中における高分子型帯電防止剤の分散状態が重要である。即ち、熱可塑性樹脂と高分子型帯電防止剤との混練により帯電防止剤の分散が縞状、網状、層状など連続層を形成した状態で分散することにより、高分子型帯電防止剤が樹脂中において導電ネットワーク構造を形成すると考えられる。一方、高分子型帯電防止剤の混練が不十分であると、高分子型帯電防止剤が熱可塑性樹脂中に均一に分散されずに、ばらばらに存在してしまい、充分な導電ネットワーク構造を形成することができない。
帯電防止樹脂層3は、内部に導電ネットワーク構造を形成することにより、表面固有抵抗率が1.0×108(Ω)〜1.0×1013(Ω)になるように形成される。因って、高分子型帯電防止剤5は、単純に熱可塑性樹脂4に配合すれば帯電防止性能を発揮するというものではなく、該高分子型帯電防止剤5が帯電防止樹脂層3中に、導電ネットワーク構造を形成している必要がある。なお、導電ネットワーク構造は、熱可塑性樹脂層形成用樹脂溶融物7を押出して帯電防止樹脂層3を形成する際に、適度な配向をかけることにより形成され易くなる。
熱可塑性樹脂層形成用樹脂溶融物7において、高分子型帯電防止剤5が分散し、導電ネットワークを形成可能するには、熱可塑性樹脂層形成用樹脂溶融物7の混練中の粘性を考慮し、また、押出発泡成形の際には高分子型帯電防止剤の結晶化温度が重要である。具体的には、熱可塑性樹脂層形成用樹脂溶融物7の熱可塑性樹脂4及び高分子型帯電防止剤5を選択する場合、下記の結晶化温度と溶融粘度の関係を満足することが望ましい。
[結晶化温度について]
Tb<140℃
(但し、式中Tbは高分子型帯電防止剤5の結晶化温度(℃)である。)
高分子型帯電防止剤5の結晶化温度の関係が上記式を満足することにより外観良好な発泡体1を得ることができる。一方、高分子型帯電防止剤5の結晶化温度が140℃よりも高い場合、発泡体を製造する際、高分子型帯電防止剤5が結晶化し、塊となって発泡体の表面が凹凸状となる虞がある。したがって、高分子型帯電防止剤5はポリスチレン系樹脂の溶融温度で十分に溶融していることが重要である。
なお、高分子型帯電防止剤5の結晶化温度は、JIS K7122(1987)に基づき求めることができる。具体的には、試料を2〜4mg採取し、熱流束示差走査熱量計を用いて、昇温速度10℃/分で室温(約23℃)から200℃まで昇温させた後、40℃まで10℃/分の速度で降温させる際に得られた発熱ピークに基づきピークの頂点温度を結晶化温度とする。尚、発熱ピークが2つ以上現れる場合は、最も面積の大きな発熱ピークの頂点の温度を結晶化温度とする。但し、最も面積の大きな発熱ピークが複数存在する場合は、それら中で最も高温側の発熱ピークの頂点を結晶化温度とする。
[溶融粘度について]
Ma>Mb
(但し、Maは帯電防止樹脂層3に用いられる熱可塑性樹脂4の溶融粘度(Pa・s)であり、Mbは高分子型帯電防止剤5の溶融粘度(Pa・s)である。)
上記のように帯電防止樹脂層3に用いられる熱可塑性樹脂4の溶融粘度(Ma)が高分子型帯電防止剤5の溶融粘度(Mb)よりも高いことで、両者の粘度バランスが合い目的の帯電防止性能を発揮することができる。熱可塑性樹脂4の溶融粘度が、高分子型帯電防止剤5の溶融粘度と同じか或いは低くなると、高分子型帯電防止剤の導電ネットワーク構造をとることが困難となる虞がある。
上記のMaとMbの関係は、Mbが0.9Maよりも小さいことが好ましく、Mbが0.7Maよりも小さいことがより好ましい。またMbが0.1Maを超えることが好ましく、Mbが0.15Maを超えることがより好ましい。MaとMbの関係が上記範囲であると、高分子型帯電防止剤5の熱可塑性樹脂に対する添加量が比較的少量でも十分な帯電防止性能を発揮させることができる。
また、高分子型帯電防止剤5の熱可塑性樹脂に対する好ましい添加量は、以下に示すように、両者の溶融粘度と体積分率の関係で説明することできる。
帯電防止樹脂層3において、熱可塑性樹脂4の溶融粘度(Pa・s)をMa、高分子型帯電防止剤5の溶融粘度(Pa・s)をMb、熱可塑性樹脂4の体積分率(%)をφa、高分子型帯電防止剤5の体積分率(%)をφbとした場合、帯電防止樹脂層3の熱可塑性樹脂4と高分子型帯電防止剤5との混合状態を示す下記式を満足することが好ましい。なお、φa及びφbは、本来溶融時の体積分率であるが、簡易的に室温において、混合する各樹脂の重量をその樹脂密度で除することにより算出することができる。
0.27 ≦(Ma・φb)/(Mb・φa)≦ 5.00
帯電防止樹脂層3における(Ma・φb)/(Mb・φa)の値(以下、相構造指数という。)が0.27未満であると、エタノール水溶液を用いた洗浄後の表面固有抵抗率が1×1013(Ω)以下の帯電防止性能が得られない虞がある。上記観点から相構造指数は0.30以上が好ましく、0.40以上がより好ましい。一方、相構造指数の上限が5を超えると発泡層と帯電防止層との接着性が低下する虞があり、両者の積層接着のために接着剤層を介在させなければならなく虞がある。上記観点から相構造指数は3以下が好ましく、2以下がより好ましい。
また、帯電防止樹脂層3に用いられる熱可塑性樹脂4の溶融粘度(Ma)は、700〜2500Pa・sが好ましい。溶融粘度(Ma)が、2500Pa・sを超えると押出機の負荷が高くなりすぎて押出しする際のコントロールが難しいばかりか、樹脂の伸びも不十分で外観良好な発泡体が得られない虞がある。上記観点から2200Pa・s以下がより好ましい。一方、溶融粘度が700Pa・s未満では、高分子型帯電防止剤との混練性が悪くなり、高分子型帯電防止剤の均一な分散性に悪影響を与え、帯電防止効果が低下する虞がある。上記観点から900Pa・s以上がより好ましい。
また、上述した熱可塑性樹脂層形成用樹脂溶融物7に必要に応じて含有させる揮発性可塑剤6は、熱可塑性樹脂層形成用樹脂溶融物7中に存在している状態で、溶融粘度を低下させる機能を有すると共に、帯電防止樹脂層3形成後に、該帯電防止樹脂層3より揮発して樹該脂層から除去可能なものが用いられる。揮発性可塑剤6を熱可塑性樹脂層形成用樹脂溶融物7中に添加することにより、発泡体を共押出しにより製造する際に、帯電防止樹脂層3の溶融伸びを著しく向上させることができ、帯電防止樹脂層3の伸びをポリスチレン系樹脂発泡層2の伸びに対応させて、帯電防止樹脂層3の伸び不足による亀裂発生を防止できる。更に、熱可塑性樹脂と高分子型帯電防止剤とを十分混練した後、揮発性可塑剤6を熱可塑性樹脂層形成用樹脂溶融物7中に添加することが好ましく、そのことにより高分子型帯電防止剤のネットワーク構造の形成を確実なものとすると共に熱可塑性樹脂層形成用樹脂溶融物7の共押出し時の樹脂温度を適正温度に調整することが容易になる。
上記揮発性可塑剤6としては、炭素数2〜7の脂肪族炭化水素、炭素数1〜3のハロゲン化脂肪族炭化水素、炭素数1〜4の脂肪族アルコール、又は炭素数2〜8の脂肪族エーテル等から選択される1種、或いは2種以上のものが好ましく用いられる。
上記炭素数2〜7の脂肪族炭化水素としては、例えば、エタン、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、イソヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタンが挙げられる。上記炭素数1〜3のハロゲン化脂肪族炭化水素としては、例えば、塩化メチル、塩化エチル、1,1,1,2-テトラフルオロエタン、1,1-ジフルオロエタンが挙げられる。上記炭素数1〜4の脂肪族アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、sec-ブチルアルコール、tert-ブチルアルコールが挙げられる。上記炭素数2〜8の脂肪族エーテルとしては、例えば、メチルエーテル、エチルエーテル、プロピルエーテル、イソプロピルエーテル、メチルエチルエーテル、メチルプロピルエーテル、メチルイソプロピルエーテル、メチルブチルエーテル、メチルイソブチルエーテル、メチルアミルエーテル、メチルイソアミルエーテル、エチルプロピルエーテル、エチルイソプロピルエーテル、エチルブチルエーテル、エチルイソブチルエーテル、エチルアミルエーテル、エチルイソアミルエーテル、ビニルエーテル、アリルエーテル、メチルビニルエーテル、メチルアリルエーテル、エチルビニルエーテル、エチルアリルエーテルが挙げられる。
揮発性可塑剤6は、沸点が120℃以下であることが、帯電防止樹脂層3から揮発し易い点から好ましく、より好ましくは沸点が80℃以下である。揮発性可塑剤6が上記沸点であれば、共押出しした後、放置しておくことで、共押出しの直後の熱やその後の揮発性可塑剤のガス透過により発泡体の帯電防止樹脂層3から自然に揮散して、該樹脂層3から除去することが出来る。上記沸点の下限値は、概ね-50℃である。
揮発性可塑剤6の添加量は、熱可塑性樹脂8と高分子型帯電防止剤5の混練物100重量部に対して0.1重量部〜15重量部である。揮発性可塑剤6の添加量が0.1重量部未満では、樹脂層を構成する高分子型帯電防止剤を添加してなる熱可塑性樹脂が混練により発熱してしまいその熱により発泡層を形成する樹脂溶融物の樹脂温度が上昇し、それにより気泡が破泡してみかけ密度の小さな発泡体層が得られない虞がある。さらに、帯電防止樹脂層3が発泡層2に追随する伸張性に優れ、帯電防止樹脂層3の厚みが均一に薄く積層し易い観点から0.3重量部以上が好ましく、0.5重量部以上がより好ましい。一方、揮発性可塑剤6の添加量が熱可塑性樹脂100重量部に対して15重量部を超えると、帯電防止樹脂層3自体の物性低下や揮発性可塑剤が樹脂層の樹脂と混練されないためダイリップから揮発性可塑剤が噴き出し、その結果、発泡体の帯電防止樹脂層に穴が開き、表面が凹凸状となり表面平滑性が低下したものとなる虞がある。上記観点から12重量部以下が好ましく、8重量部以下がより好ましい。揮発性可塑剤の添加量を上記範囲とすることで、共押出時の熱可塑性樹脂層形成用樹脂溶融物の温度低下効果と伸張性改善効果を確保できる。
発泡層形成用溶融物10に添加される、物理発泡剤9としては、例えば、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、シクロペンタン、ノルマルヘキサン、イソヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素、塩化メチル、塩化エチル等の塩化炭化水素、1,1,1,2-テトラフロロエタン、1,1-ジフロロエタン等のフッ化炭化水素等の有機系物理発泡剤、二酸化炭素等の無機系物理発泡剤、アゾジカルボンアミド等の分解型発泡剤が挙げられる。上記した発泡剤は、2種以上を混合して使用することが可能である。これらのうち、特にポリスチレン系樹脂との相溶性、発泡効率の観点から有機系物理発泡剤が好ましく、中でもノルマルブタン、イソブタン、又はこれらの混合物を主成分とするものが好適である。
発泡層形成用溶融物10には、通常、気泡調整剤が添加される。該気泡調整剤としては有機系のもの、無機系のもののいずれも使用することができる。無機系気泡調整剤としては、ホウ酸亜鉛、ホウ酸マグネシウム、硼砂等のホウ酸金属塩、塩化ナトリウム、水酸化アルミニウム、タルク、ゼオライト、シリカ、炭酸カルシウム、重炭酸ナトリウム等が挙げられる。また有機系気泡調整剤としては、リン酸-2,2-メチレンビス(4,6-tert-ブチルフェニル)ナトリウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸カルシウム、安息香酸アルミニウム、ステアリン酸ナトリウム等が挙げられる。またクエン酸と重炭酸ナトリウム、クエン酸のアルカリ塩と重炭酸ナトリウム等を組み合わせたもの等も気泡調整剤として用いることができる。これらの気泡調整剤は2種以上を混合して用いることができる。
ポリスチレン系樹脂発泡層形成用樹脂溶融物10における発泡剤の添加量は、発泡剤の種類、目的とするみかけ密度に応じて調整する。また気泡調整剤の添加量は、目的とする気泡径に応じて調節する。通常、発泡剤としてイソブタン30重量%とノルマルブタン70重量%とのブタン混合物等の有機系物理発泡剤を用いた場合、有機系物理発泡剤の添加量はポリスチレン系樹脂100重量部当たり0.5〜10重量部、好ましくは1〜8重量部、より好ましくは2〜6重量部である。また、気泡調整剤の添加量はポリスチレン系樹脂100重量部当たり、0.05〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部である。
本発明の発泡体1を構成する各層には、前記した樹脂に各種の添加剤を添加してもよい。各種の添加剤としては、例えば、造核剤、酸化防止剤、熱安定剤、耐候剤、紫外線吸収剤、難燃剤、無機充填剤、抗菌剤、収縮防止剤等が挙げられる。その場合の添加量は10重量%以下が好ましく、5重量%以下がより好ましく、3重量%以下が特に好ましい。下限は概ね0.01重量%である。
実施例1
ポリスチレン系樹脂発泡層形成用樹脂溶融物を得るための押出機として内径(D)115mm、L/D=32の押出機と内径(D)150mm、L/D=34の押出機との2台の押出機からなるタンデム押出機を使用し、高分子型帯電防止剤を含有する熱可塑性樹脂層形成用樹脂溶融物を得るための押出機として内径(D)65mm、L/D=46の押出機を使用した。
ポリスチレン系樹脂発泡層形成のために、GPPS〔a〕(密度1050g/L、MFR=7.5g/10min、旭化成社製:商品名「666R」)100重量部に対して、気泡調整剤タルクマスターバッチを3重量部配合して、内径115mmの押出機の原料投入口に供給、加熱混練後、約200℃に調整し溶融樹脂混合物とした。該溶融樹脂混合物に物理発泡剤としてノルマルブタン70重量%とイソブタン30重量%のブタン混合発泡剤(表1中では単に「ブタン」と表した。)を用いて、GPPS〔a〕100重量部に対して5重量部となるように圧入後、次いで前記内径115mmの押出機の下流側に連結された内径150mmの押出機に供給して、135℃のポリスチレン系樹脂発泡層形成用樹脂溶融物を得た。
一方、高分子型帯電防止剤を含有するポリスチレン系樹脂層形成のために、発泡層形成に用いた樹脂と同じ樹脂であるGPPS〔a〕100重量部に対し、高分子型帯電防止剤としてポリエーテルエステルアミド(溶融粘度:307Pa・s、MFR=10g/10min、数平均分子量17000、融点176℃、結晶化温度96℃、密度990g/L、三洋化成工業株式会社製:商品名「ペレスタットNC7530」)25重量部を内径65mmの押出機の原料投入口に供給し、加熱溶融して約200℃に調整された溶融樹脂混合物とし、該溶融樹脂混合物に揮発性可塑剤としてノルマルブタン70重量%とイソブタン30重量%からなる混合物(表1中では単に「ブタン」と表した。)をGPPS〔a〕と高分子型帯電防止剤との溶融樹脂混合物100重量部に対して6重量部にて圧入し、その後樹脂温度を135℃に調整して高分子型帯電防止剤を含有する熱可塑性樹脂層形成用樹脂溶融物を得た。
得られた熱可塑性樹脂層形成用樹脂溶融物及びポリスチレン系樹脂発泡層形成用樹脂溶融物を合流ダイ中へ供給し、高分子型帯電防止剤を含有するポリスチレン層形成用樹脂溶融物が表層になるように積層合流させて直径180mmの環状スリットを有する環状ダイから、ポリスチレン系樹脂発泡層形成用樹脂溶融物の吐出量を165kg/hr、熱可塑性樹脂層形成用樹脂溶融物の吐出量を35kg/hrとし共押出し、外側から高分子型帯電防止剤を含有するポリスチレン樹脂層/ポリスチレン発泡層の順に2層構成に積層された筒状積層発泡体を形成した。押出された筒状積層発泡体をピンチロールにてポリスチレン発泡層の内面同士を接合させて引き取り速度は15.7m/minにて引取ることにより、最終形態として帯電防止剤含有ポリスチレン樹脂層/ポリスチレン発泡層/帯電防止剤含有ポリスチレン樹脂層の3層構造の板状発泡体を得た。尚、得られた板状発泡体は幅920mm、発泡層の両面に各々坪量20g/m2(平均厚み0.02mm)の帯電防止樹脂層が形成されたものであった。
実施例2
押出機については実施例1と同様の装置を使用して、ポリスチレン系樹脂発泡層形成のために、GPPS〔a〕100重量部に対して、気泡調整剤タルクマスターバッチを4重量部配合して、内径115mmの押出機の原料投入口に供給、加熱混練後、約200℃に調整し溶融樹脂混合物とした。該溶融樹脂混合物に物理発泡剤としてノルマルブタン70重量%とイソブタン30重量%のブタン混合発泡剤(表1中では単に「ブタン」と表した。)を用いて、GPPS〔a〕100重量部に対して3.6重量部となるように圧入後、次いで前記内径115mmの押出機の下流側に連結された内径150mmの押出機に供給して、142℃のポリスチレン系樹脂発泡層形成用樹脂溶融物を得た。
一方、高分子型帯電防止剤を含有するポリスチレン系樹脂層形成のために、押出機については実施例1と同様の装置を使用して、発泡層形成に用いたGPPS〔b〕(密度=1050g/L、MFR=9g/10min、株式会社出光石油化学社製商品名「NF20」)100重量部に対し、高分子型帯電防止剤として実施例1で用いたポリエーテルエステルアミド三洋化成工業社製:商品名「ペレスタットNC7530」)25重量部を内径65mmの押出機の原料投入口に供給し、加熱溶融して約200℃に調整された溶融樹脂混合物とし、該溶融樹脂混合物に揮発性可塑剤としてノルマルブタン70重量%とイソブタン30重量%からなる混合物(表1中では単に「ブタン」と表した。)をGPPS〔b〕と高分子型帯電防止剤との溶融樹脂混合物100重量部に対して4重量部にて圧入し、その後樹脂温度を142℃に調整して高分子型帯電防止剤を含有する熱可塑性樹脂層形成用樹脂溶融物を得た。
得られた熱可塑性樹脂層形成用樹脂溶融物及びポリスチレン系樹脂発泡層形成用樹脂溶融物を合流ダイ中へ供給し、高分子型帯電防止剤を含有するポリスチレン層形成用樹脂溶融物が表層になるように積層合流させて直径180mmの環状スリットを有する環状ダイから、ポリスチレン系樹脂発泡層形成用樹脂溶融物の吐出量を183kg/hr、熱可塑性樹脂層形成用樹脂溶融物の吐出量を17kg/hrとし共押出し、外側から高分子型帯電防止剤を含有するポリスチレン樹脂層/ポリスチレン発泡層の順に2層構成に積層された筒状積層発泡体を形成した。押出された筒状積層発泡体をピンチロールにてポリスチレン発泡層の内面同士を接合させて引き取り速度は10.1m/minにて引取ることにより、最終形態として帯電防止剤含有ポリスチレン樹脂層/ポリスチレン発泡層/帯電防止剤含有ポリスチレン樹脂層の3層構造の板状発泡体を得た。尚、得られた板状発泡体は幅920mm、発泡層の両面に各々坪量15g/m2(平均厚み0.015mm)の帯電防止樹脂層が形成されたものであった。
実施例3
押出機については内径(D)90mm、L/D=32の押出機と内径(D)120mm、L/D=34の押出機との2台の押出機からなるタンデム押出機を使用して、ポリスチレン系樹脂発泡層形成のために、GPPS〔C〕(密度=1050g/L、MFR=2.1g/10min、株式会社PSジャパン製商品名「685」)65重量%とSBS(A)[スチレンブタジエンブロック共重合体](密度=980g/L、MFR=4.0g/10min、株式会社JSR製 商品名「TR2250」)35重量%をブレンドした主原料100重量部に対し、気泡調整剤タルクマスターバッチを5重量部配合して、内径90mmの押出機の原料投入口に供給、加熱混練後、約200℃に調整し溶融樹脂混合物とした。該溶融樹脂混合物に物理発泡剤としてノルマルブタン70重量%とイソブタン30重量%のブタン混合発泡剤(表1中では単に「ブタン」と表した。)を用いて、GPPS/SBSブレンド原料100重量部に対して1.3重量部となるように圧入後、次いで前記内径90mmの押出機の下流側に連結された内径120mmの押出機に供給して、162℃のポリスチレン系樹脂発泡層形成用樹脂溶融物を得た。
一方、高分子型帯電防止剤を含有する樹脂層形成のために、押出機については実施例1と同様の装置を使用して、GPPS〔C〕(密度=1050g/L、MFR=2.1g/10min、株式会社PSジャパン製商品名「685」)65重量%とSBS(A)[ブタジエンブロック共重合体](密度=980g/L、MFR=4.0g/10min、株式会社JSR製 商品名「TR2250」)35重量%をブレンドした主原料100重量部に対し、高分子型帯電防止剤としてポリエーテルエステルアミド(溶融粘度307Pa・s、MFR=10g/10min、数平均分子量17000、融点176℃、結晶化温度96℃、密度990g/L、三洋化成工業社製:商品名「ペレスタットNC7530」)25重量部を内径65mmの押出機の原料投入口に供給し、加熱溶融して約200℃に調整された溶融樹脂混合物とした。揮発性可塑剤は添加しなかった。樹脂温度をは172℃に調整して高分子型帯電防止剤を含有する熱可塑性樹脂層形成用樹脂溶融物を得た。
得られた熱可塑性樹脂層形成用樹脂溶融物及びポリスチレン系樹脂発泡層形成用樹脂溶融物を合流ダイ中へ供給し、積層合流させて直径98mmの環状スリットを有する環状ダイから、ポリスチレン系樹脂発泡層形成用樹脂溶融物の吐出量を70kg/hr、熱可塑性樹脂層形成用樹脂溶融物の吐出量を6kg/hrとし共押出し、外側から高分子型帯電防止剤を含有するポリスチレン系樹脂層/ポリスチレン系樹脂発泡層/高分子型帯電防止剤を含有するポリスチレン系樹脂層の順に3層構成に積層された筒状積層発泡体を形成した。そして、押出された筒状積層発泡体を直径200mmの円柱状冷却装置の側面を通して冷却し積層シートを得た。引き取り速度は3.9m/minにて引取ることにより、最終形態として厚み2mm、坪量500g/m2、幅640mmの熱成形用シートとなり、発泡層の両面に各々坪量20g/m2(平均厚み0.02mm)の帯電防止樹脂層が形成されたものであった。
実施例4
押出機については実施例3と同様の装置を使用して、ポリスチレン系樹脂発泡層形成のために、GPPS〔d〕(密度=1050g/L、MFR=1.5g/10min、株式会社出光石油化学社製商品名「HH32」)65重量%とSBS(A)[スチレンブタジエンブロック共重合体](密度=980g/L、MFR=4.0g/10min、株式会社JSR製 商品名「TR2250」)35重量%をブレンドした主原料100重量部に対し、気泡調整剤タルクマスターバッチを5重量部配合して、内径90mmの押出機の原料投入口に供給、加熱混練後、約200℃に調整し溶融樹脂混合物とした。該溶融樹脂混合物に物理発泡剤としてノルマルブタン70重量%とイソブタン30重量%のブタン混合発泡剤(表1中では単に「ブタン」と表した。)を用いて、GPPS/SBSブレンド原料100重量部に対して1.3重量部となるように圧入後、次いで前記内径90mmの押出機の下流側に連結された内径120mmの押出機に供給して、165℃のポリスチレン系樹脂発泡層形成用樹脂溶融物を得た。
一方、高分子型帯電防止剤を含有する樹脂層形成のために、押出機については実施例1と同様の装置を使用して、ポリプロピレン樹脂〔a〕(密度=900g/L、MFR=14g/10min、株式会社出光石油化学社製商品名「J750HP」)100重量部に対し、高分子型帯電防止剤としてポリエーテル樹脂(溶融粘度751Pa・s、MFR=20g/10min、数平均分子量14000、融点136℃、結晶化温度90℃、密度990g/L、三洋化成工業社製:商品名「ペレスタットP300」)20重量部を内径65mmの押出機の原料投入口に供給し、加熱溶融して約200℃に調整された溶融樹脂混合物とした。揮発性可塑剤は添加しなかった。樹脂温度をは170℃に調整して高分子型帯電防止剤を含有する熱可塑性樹脂層形成用樹脂溶融物を得た。
得られた熱可塑性樹脂層形成用樹脂溶融物及びポリスチレン系樹脂発泡層形成用樹脂溶融物を合流ダイ中へ供給し、積層合流させて直径98mmの環状スリットを有する環状ダイから、ポリスチレン系樹脂発泡層形成用樹脂溶融物の吐出量を70kg/hr、熱可塑性樹脂層形成用樹脂溶融物の吐出量を6kg/hrとし共押出し、外側から高分子型帯電防止剤を含有するポリプロピレン樹脂層/ポリスチレン発泡層/高分子型帯電防止剤を含有するポリプロピレン樹脂層の順に3層構成に積層された筒状積層発泡体を形成した。そして、押出された筒状積層発泡体を直径200mmの円柱状冷却装置の側面を通して冷却し積層シートを得た。引き取り速度は3.9m/minにて引取ることにより、最終形態として厚み2mm、坪量500g/m2、幅640mmの熱成形用シートとなり、発泡層の両面に各々坪量20g/m2(平均厚み0.02mm)の帯電防止樹脂層が形成されたものであった。
実施例5
ポリスチレン系樹脂発泡層形成用樹脂溶融物を得るための押出機として実施例3と同様の押出機を使用し、高分子型帯電防止剤を含有する熱可塑性樹脂層形成用樹脂溶融物を得るための押出機として内径(D)40mm、L/D=42の押出機を使用した。
ポリスチレン系樹脂発泡層形成のために、HIPS(密度1050g/L、MFR=2.6g/10min、PSジャパン社製:商品名「H0103」)90重量%とSBS(密度950g/L、MFR=4.0g/10min、JSR社製:商品名「TR2250」)10重量%の混合物からなる主原料100重量部に対して、気泡調整剤タルクマスターバッチを3重量部配合して、内径90mmの押出機の原料投入口に供給、加熱混練後、約200℃に調整し溶融樹脂混合物とした。該溶融樹脂混合物に物理発泡剤としてイソブタン(表1中では単に「ブタン」と表した。)を用いて、HIPSとSBSの混合物100重量部に対して5.5重量部となるように圧入後、次いで前記内径90mmの押出機の下流側に連結された内径120mmの押出機に供給して、142℃のポリスチレン系樹脂発泡層形成用樹脂溶融物を得た。
一方、高分子型帯電防止剤を含有するポリエチレン系樹脂層形成のために、LDPE(密度917g/L、MFR=4.7g/10min、日本ユニカー社製:商品名「NUC8008」)100重量部に対し、高分子型帯電防止剤としてポリプロピレンとポリエーテルの共重合体(三洋化成工業株式会社製:商品名「ペレスタットP300」)20重量部を内径40mmの押出機の原料投入口に供給し、加熱溶融して約200℃に調整された溶融樹脂混合物とし、該溶融樹脂混合物に揮発性可塑剤としてノルマルブタン70重量%とイソブタン30重量%からなる混合物(表1中では単に「ブタン」と表した。)をLDPEと高分子型帯電防止剤との溶融樹脂混合物100重量部に対して1重量部にて圧入し、その後樹脂温度を135℃に調整して高分子型帯電防止剤を含有する熱可塑性樹脂層形成用樹脂溶融物を得た。
得られた熱可塑性樹脂層形成用樹脂溶融物及びポリスチレン系樹脂発泡層形成用樹脂溶融物を合流ダイ中へ供給し、高分子型帯電防止剤を含有するポリスチレン層形成用樹脂溶融物が表層になるように積層合流させて直径90mm、スリット間隔0.5mmの環状スリットを有する環状ダイから、ポリスチレン系樹脂発泡層形成用樹脂溶融物の吐出量を70kg/hr、熱可塑性樹脂層形成用樹脂溶融物の吐出量を11kg/hrとし共押出し、高分子型帯電防止剤を含有するポリスチレン樹脂層/ポリスチレン発泡層/高分子型帯電防止剤を含有するポリスチレン樹脂層の3層構成に積層された筒状積層発泡体を形成した。次いでこの円筒状の発泡体を直径333mmの冷却された円柱状冷却装置の側面に沿わせて引き取り、押出方向に切り開いて発泡シートを得た。尚、得られた板状発泡体は、発泡層の両面に各々坪量10g/m2(平均厚み0.01mm)の帯電防止樹脂層が形成されたものであった。
実施例6
押出機については実施例1と同様の装置を使用して、ポリスチレン系樹脂層形成のために、GPPS[f](密度=1050g/L,MFR=9g/10min、株式会社東洋スチレン製商品名「G220」)100重量部に対して、気泡調整剤タルクマスターバッチを4重量部配合して、内径115mmの押出機の原料投入口に供給、加熱混練後、約200℃に調整した溶融樹脂混合物とした。該溶融樹脂混合物に物理発泡剤としてノルマルブタン70重量%とイソブタン30重量%のブタン混合発泡剤(表1中では単に「ブタン」と現した。)を用いて、GPPS[f]100重量部に対して2.7重量部となるように圧入後、次いで前記内径115mmに押出機の下流側に連結された内径150mmの押出機に供給して、143℃のポリスチレン系樹脂溶融物を得た。
一方、高分子型帯電防止剤を含有するポリスチレン系樹脂層形成のために、押出機については実施例1と同様の装置を使用して、発泡層形成に用いたGPPS[g](密度=1050g/L,MFR=19g/10min、株式会社PSジャパン社製商品名「679」)100重量部に対し、高分子型帯電防止剤として実施例1で用いたポリエーテルエステルアミド(三洋化成工業株式会社製:商品名「ペレスタットNC7530」)25重量部を内径65mmの押出機の原料投入口に供給し、加熱溶融して約200℃に調整された溶融樹脂混合物とし、該溶融樹脂混合物に揮発性可塑剤としてノルマルブタン70重量%とイソブタン30重量%からなる混合物(表1中では単に「ブタン」と表した。)をGPPS[g]と高分子型帯電防止剤との溶融樹脂混合物100重量部に対して0.6重量部にて圧入し、その後樹脂温度を142℃に調整して高分子型帯電防止剤を含有する熱可塑性樹脂層形成用樹脂溶融物を得た。
得られた熱可塑性樹脂層形成用樹脂溶融物及びポリスチレン系樹脂発泡層形成用樹脂溶融物を合流ダイ中へ供給し、高分子型帯電防止剤を含有するポリスチレン層形成用樹脂溶融物が表層になるように積層合流させて直径180mmの環状スリットを有する環状ダイから、ポリスチレン系樹脂発泡層形成用樹脂溶融物の吐出量を155kg/hr、熱可塑性樹脂層形成用樹脂溶融物の吐出量を11.5kg/hrとし共押出し、外側から高分子型帯電防止剤を含有するポリスチレン樹脂層/ポリスチレン発泡層の順に2層構成に積層された筒状積層発泡体を形成した。押出された筒状積層発泡体をピンチロールにてポリスチレン発泡層の内面同士を接合させて引き取り速度は5.2m/minにて引取ることにより、最終形態として帯電防止剤含有ポリスチレン樹脂層/ポリスチレン発泡層/帯電防止剤含有ポリスチレン樹脂層の3層構造の板状発泡体を得た。尚、得られた板状発泡体は幅920mm、発泡層の両面に各々坪量20g/m2(平均厚み0.02mm)の帯電防止樹脂層が形成されたものであった。
比較例1
実施例1と同様の押出機を使用し、実施例1と同様にしてポリスチレン系樹脂発泡層形成用樹脂溶融物を得、該溶融物をダイ中へ供給し直径180mmの環状スリットを有する環状ダイから吐出量200kg/hrにて押出し、ポリスチレン発泡層からなる筒状発泡体を形成した。押出された筒状発泡体をピンチロールにてポリスチレン発泡層の内面同士を接合させて引き取り速度は15.7m/minにて引取ることにより、発泡層のみからなる板状の発泡体を得た。得られた発泡体の両表面に、アルキルスルホン酸ナトリウム(クラリアントジャパン製:商品名「ホスタスタットHS1」)の5%水溶液からなる界面活性剤タイプの塗布型帯電防止剤を塗布することにより帯電防止性能を付与した。帯電防止性能を付与した板状の発泡体は表2に示す通りエタノール水溶液洗浄後に表面固有抵抗率が極端に低下するものであった。
比較例2
実施例1と同様の押出機を使用し、帯電防止性能を有するポリスチレン系樹脂発泡層形成のために、GPPS〔a〕100重量部に対して、気泡調整剤マスターバッチを3重量部、高分子型帯電防止剤(三洋化成工業株式会社製商品名「ペレスタットNC7530」)を25重量部配合して、内径115mmの押出機の原料投入口に供給、加熱混練後、約200℃に調整し溶融樹脂混合物とした。該溶融樹脂混合物に物理発泡剤としてノルマルブタン70重量%とイソブタン30重量%のブタン混合発泡剤(表1中では単に「ブタン」と表した。)を用いて、GPPS〔a〕100重量部に対して5重量部となるように圧入後、次いで前記内径115mmの押出機の下流側に連結された内径150mmの押出機に供給して、135℃のポリスチレン系樹脂発泡層形成用樹脂溶融物を得、該溶融物をダイ中へ供給し直径180mmの環状スリットを有する環状ダイから吐出量200kg/hrにて押出した。押出された筒状発泡体をピンチロールにてポリスチレン発泡層の内面同士を接合させて引き取り速度は15.7m/minにて引取ることにより、発泡層のみからなる板状の発泡体を得た。しかし、発泡層における気泡が破泡し物性低下が著しく、発泡体表面が凹凸状となり外観も悪く、良好な板状の発泡体を得ることができなかった。
比較例3
高分子型帯電防止剤を含有するポリスチレン系樹脂層形成用樹脂溶融物に揮発性可塑剤を添加しなかった以外は実施例1と同様にして板状の発泡体を得た。しかし、該ポリスチレン系樹脂層形成用樹脂溶融物の発熱により該溶融物の押出し時の樹脂温度を適正温度に合せることができず、目的とするみかけ密度の発泡層を有する板状の発泡体が得られなかった。また外観も悪く曲げ強度も不十分なものであった。
比較例4
高分子型帯電防止剤を含有するポリスチレン系樹脂層形成用樹脂溶融物を構成するポリスチレン系樹脂として流動性の高いGPPS〔e〕(密度=1050g/L、MFR=30g/10min、出光石油化学社製:商品名「HF10」)を用いて、該ポリスチレン系樹脂層形成用樹脂溶融物に揮発性可塑剤を添加しなかった以外は実施例1と同様にして板状の発泡体を得た。その結果、ポリスチレン系樹脂層形成用樹脂溶融物の発熱を抑えることができ、該溶融物の押出し時の樹脂温度を適正温度に調整することができたものの、高分子型帯電防止剤とGPPS〔e〕との混練が不十分でエタノール水溶液洗浄前後で、ポリスチレン系樹脂層の表面固有抵抗率が1×1013(Ω)以下の板状の発泡体を得ることができなかった。
尚、表2中の外観の評価基準は以下の通りである。
〔外観〕
○:表面平滑、気泡も微細で外観良い。
△:表皮層の伸び悪く、ダイラインがやや目立つ。
×:表層気泡粗く、シート全体に凹凸目立つ。
なお、実施例及び比較例にて用いた樹脂のMFRの測定条件は以下の通りである。
GPPS、HIPS、SBS:200℃,49.03N
LDPE、高分子型帯電防止剤:190℃,21.18N
PP:230℃,21.18N
また、実施例及び比較例にて用いた気泡調整剤マスターバッチの組成は、汎用ポリスチレン樹脂70重量%とタルク30重量%のものである。
なお、実施例3及び実施例4は参考例である。