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JP4855596B2 - 爪磨き用シート - Google Patents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、手足の爪を磨くために使用される爪磨き用シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の爪磨き用シートとしては、不織布や発泡体などの基材に研磨材を付着させたものが多用されており、研磨材は基材からの脱落を防止するためにバインダー用の樹脂を介して基材に接着されている。
【0003】
また、爪磨き用シートは、通常、研磨材の粒度が異なる複数種のシートをセットにして使用されている。すなわち、先ず、比較的粒度の大きい粗削り用研磨材を使用した爪磨き用シートを用い、爪の表面の縦筋状の凹凸等を平滑にし、次いで、仕上げ用として粒度の細かい艶出し用研磨材を使用した爪磨き用シートを使用し、爪表面に艶を与えるように磨き上げている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記構成の爪磨き用シートにおいては、研磨材がバインダー用樹脂によって基材上に固定されているため、研磨材の自由運動が抑制されて研磨力が強められることになる。その結果、仕上げ用の粒度の細かい研磨材を使用した爪磨き用シートにおいても、研磨力が強すぎて爪に微細な研磨すじが入って全体的に曇った状態となりやすく、艶を出すのが困難であるという問題があった。
【0005】
さらに、バインダー用樹脂を用いることにより、基材の柔軟性が低下し、爪のような曲面を研磨する場合、一部に力が集中してその部分だけが研磨され、爪全面に均一な艶を出すのに時間がかかるという問題も生じていた。研磨力の集中を緩和するために、基材として発泡体を用いることも考えられるが、この場合には、発泡体を撓ませることによって研磨材がその変動に追随できずに脱落してしまうという新たな問題が生じていた。
【0006】
また、爪に光沢のある輝きを付与するために、ワックス、脂肪酸、シリコーン樹脂等の油脂類に研磨材を均一に分散させたクリームを布にとって磨く方法も知られているが、作業が煩雑であるとともに、油脂が手についてわずらわしいといった問題があった。
【0007】
そこで、本発明においては、手を汚すことなく短時間で簡単に艶のある状態の爪に仕上げることが可能な爪磨き用シートを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明者が鋭意検討した結果、仕上げ用の粒度の細かい艶出し用研磨材を使用する場合、基材として織布又は不織布のように繊維から構成される基布を使用すれば、バインダーとして樹脂の代わりに油脂を使用しても基材からの研磨材の脱落を効果的に防止することが可能であるとともに、油脂が有する優れた潤滑作用、光沢被膜形成作用等によって付加価値の高い爪磨き用シートを得ることができることを見出して本発明を完成させるに至った。
【0009】
すなわち、本発明に係る爪磨き用シートは、基布に艶出し層が形成されたものであって、艶出し層が艶出し用研磨材と油脂とを含有する艶出し組成物を基布に塗布することにより形成されたものであることを特徴とするものである。
【0010】
上記構成によれば、バインダーとして流動性を有する油脂を使用したため、研磨材の自由運動があまり抑制されず、過度の研磨を防止することができ、これにより容易に爪の艶を出すことが可能となる。
【0011】
また、バインダーとして樹脂を使用していないために、基布が有する柔軟性を損なうことがなく、爪のような曲面を研磨する場合や、爪の生え際のような細部を研磨する場合でも爪全面に均一な力を加えることができ、短時間で爪の艶出しを行うことができる。
【0012】
爪磨き用シートの艶出し層は、艶出し用研磨材と油脂とを含有する艶出し組成物を基布に塗布することにより形成される。艶出し用研磨材としては、粒径の細かい研磨材が使用される。具体的には、粒径が0.1〜10μmのものが好ましく、0.3〜5.0μmのものがより好ましい。平均粒径でいえば、0.5〜5μm程度のものが好ましい。粒径が0.1μmよりも小さくなると艶出し効果が低下するとともに、油脂と混合したときに粘度が高くなって塗布しにくくなり、粒径が10μmよりも大きくなると研磨材が基布から脱落するおそれが生じるからである。
【0013】
上記粒径範囲の研磨材を艶出し用研磨材として用いれば、油脂をバインダーとして基布の繊維表面に研磨材が確実に付着し、研磨時においては研磨材が繊維表面を移動可能で、しかも脱落するおそれのない爪磨き用シートを得ることができる。また、このような爪磨き用シートを使用した場合には、研磨時に暫時新しい研磨材が現出するため、艶出し効果を長時間維持することが可能となる。
【0014】
艶出し組成物中の各成分の配合量については、艶出し用研磨材は艶出し効果を得るのに適当な量とし、油脂は艶出し用研磨材を基布に付着させるバインダーとして必要な量とすればよい。なお、艶出し層の油脂は、基布が有する吸液性によって基布側に吸い寄せられるため、得られる爪磨き用シートはさらさらした手触りでべたつかず、普通に手に触れただけでは油脂が手につかない。これは、油脂量が多少多くなった場合でも変わらず、余分な油脂はすみやかに基布に吸収されてシート表面のさらさらした手触り感は維持される。
【0015】
上述したように、本発明によれば、油脂量の多い、少ないにかかわらず、手触り感に優れた爪磨き用シートを得ることができる。また、得られた爪磨き用シートは、爪の表面に押し付けて摺動すると、艶出し層から少しずつ油脂が爪表面に滲み出し、爪に光沢を与えるという優れた利点を有するものとなる。
【0016】
本発明で使用される基布は、繊維から構成されたものであれば織布又は不織布のいずれをも使用することができるが、前述したように、油脂を吸収する優れた吸液性のほかに、艶出しに必要な量の艶出し用研磨材と油脂を担持するために表面部の表面積が大きいものが望ましい。
【0017】
このような条件を満たすものとしては、起毛布、植毛布、極細繊維からなる不織布などが挙げられる。中でも、艶出し組成物の均一塗布が容易な極細繊維からなる不織布を使用するのが好ましい。この場合、使用する不織布としては吸液性及び柔軟性が良好で、多量の研磨材及び油脂を保持可能とするために、少なくとも基布表面部を構成する繊維の太さが0.5デニール以下であるものが好ましく、0.3デニール以下のものが特に好ましい。
【0018】
艶出し用研磨材と油脂とのなじみが悪い場合には粉体の分散性が低下して艶出し性能が低下するとともに、研磨材が基布から脱落するおそれが生じる。そこで、本発明においては、艶出し組成物に、さらに界面活性剤を配合可能とした。使用する界面活性剤としては特に限定されないが、皮膚刺激性が低く、安全性の高いノニオン型界面活性剤を使用するのが好ましい。
【0019】
また、艶出し層は、基布の両面に形成することも可能であるが、基布の片面に艶出し層を形成し、他面に艶出し用研磨材よりも粒径の大きい粗削り用研磨材とバインダ用樹脂とを含有する研磨組成物を塗布することにより研磨層を形成すれば、1枚で爪表面の凹凸の研磨と艶出しとが可能な利便性の高い爪磨き用シートを得ることができる。
【0020】
粒径の大きな粗削り用研磨材については、研磨時に受ける抵抗力が大きく、艶出し用研磨材に比べて基布から脱落しやすいため、バインダーとして樹脂を使用することにより研磨材を確実に基布に固定させるようにしたものである。
【0021】
この場合、得られた爪磨き用シートは、研磨層が基布の片面にしか形成されていないため、バインダーとして樹脂を使用しても基布の柔軟性が著しく低下することがなく、特に、基布として前述のような極細繊維から構成されている不織布を使用すれば、柔軟性にほとんど影響のない程度にすることが可能となる。
【0022】
基布の片面ずつに艶出し層と研磨層とを形成するには、先ず、基布に艶出し組成物を塗布した後、反対面に研磨組成物を塗布すればよい。艶出し組成物を基布の片面に塗布する場合、塗布量を正確に制御して基布の反対面まで艶出し組成物が塗布されないようにし、この未塗布部分に塗布量を正確に制御しながら研磨組成物を塗布する。
【0023】
組成物の塗布量を正確に制御するには、ドクターブレードやドクターロールによって塗布量を制御する方法や、スプレーコート方式あるいは転写方式を採用することができる。なお、艶出し組成物あるいは研磨組成物の粘度が高い場合は、適当な溶剤を用いて粘度調整すればよいが、特に分散媒として水を使用し、適当な界面活性剤を配合してO/W型エマルジョンを調製して塗布するようにすれば、安全性及び良好な作業環境を維持できる点で好ましい。
【0024】
このようにして艶出し組成物が塗布された基布は、その後100〜120℃で加熱して、水分あるいは溶剤を揮散させる。このとき、油脂は加熱されて粘度が低下する結果、艶出し層表面に存在する油脂はすみやかに基布内部に吸収されるため、触れただけでは手に油脂が付着しない表面がさらさらした状態の爪磨き用シートを得ることができる。
【0025】
本発明において使用される研磨材としては、従来公知の研磨材を特に制限なく使用することができ、例えば、珪石、炭化珪素、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、トリポリ、炭酸カルシウム、酸化セリウム、酸化クロム、ダイヤモンド、珪藻土、酸化鉄、軽石粉などを挙げることができる。また、配合に際しては、目的に応じて単体又は複数種以上を混合して使用することができる。なお、粗削り用研磨材の粒径については、特に限定されないが、おおよそ0.1〜60μm程度のものが好ましい。
【0026】
油脂は、艶出し用研磨材を基布繊維表面に付着させるためのバインダーとしての作用のほかに、潤滑作用、光沢被膜形成作用などの付与を目的とするものであって、その例としては、カルナバワックス、ホホバワックス等の植物性ワックスやミツロウ、ラノリン等の動物性ワックス、セレシン等の鉱物性ワックス、パラフィンワックス等の石油系ワックス、ステアリン酸等の高級脂肪酸、アボカドオイル、オリーブオイル、ひまし油等の植物性オイル、スクワランなどの動物性オイル、シリコーンオイル等を挙げることができる。また、配合に際しては、目的に応じて単体又は複数種以上を混合して使用することができる。
【0027】
基布は、前述のごとく、繊維から構成された織布又は不織布を使用することができ、中でも極細繊維からなる不織布を使用するのが好ましい。繊維の種類としては、ポリエステル、ナイロン、ポリプロピレン、アクリル、レーヨン等の合成繊維や天然繊維を挙げることができる。基布の目付量としては、30〜250g/m2程度が好ましく、また、基布の厚みは0.2〜1.0mm程度であるのが好ましい。
【0028】
また、基布の表裏面に艶出し層と研磨層とを形成する場合には、艶出し組成物あるいは研磨組成物を塗布したときに組成物が基布の反対側の面にまで浸透して互いの組成物が混合するのを防止することが必要とされる。そのために基布としては、表面部に柔軟性に優れた極細繊維層を配し、中間部に吸液性に優れた多孔質繊維からなる吸液層を配した多層構造の不織布を用いるのが好ましい。
【0029】
このような構造の不織布として、具体的には、極細繊維層−吸液層−極細繊維層の3層構造の不織布として、商品名「シャレリア」(旭化成株式会社製)を挙げることができる。この不織布は、湿式スパンレース不織布であり、極細繊維層は0.001〜0.1デニールのアクリル繊維から構成され、吸液層は1.5デニールの多孔質アクリル繊維から構成されており、優れた柔軟性及び吸液性を備えている。
【0030】
粗削り用研磨材のバインダーとなる樹脂については、柔軟性を有するものであれば特に限定されず、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、酢酸ビニル樹脂、合成ゴム等を挙げることができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を説明する。なお、「%」の表示は「重量%」を意味するものである。
【0032】
[艶出し組成物の調製]
艶出し用研磨材として、超微粒アルミナ研磨材(粒径0.5〜3μm、平均粒径0.8μm)を75%、バインダーとして、アボカドオイル、ホホバワックス及びひまし油脂肪酸からなる混合油脂を20%、さらにノニオン界面活性剤5%を混合して艶出し組成物を調製した。
【0033】
[研磨組成物の調製]
粗削り用研磨材として、白色アルミナ研磨材(粒径20〜60μm、平均粒径30μm)を80%、バインダーとしてアクリル樹脂20%を混合して研磨組成物を調製した。
【0034】
[爪磨き用シートの作製]
基布として、前述の3層構造の不織布(商品名「シャレリア」、旭化成株式会社製)目付量50g/m2を使用し、片面に約80℃に加温した艶出し組成物を200〜220g/m2の塗布量になるようにドクターブレードによって調整しながら塗布を行った。本実施形態においては、艶出し組成物は、上記配合のものをそのまま使用したが、塗布機の種類によっては水を適量添加してエマルジョンを形成して塗布に供するようにしてもよい。艶出し組成物塗布後の基布は、100〜120℃の雰囲気下で加熱乾燥し、艶出し層表面の余分な油脂を基布に吸収させた。
【0035】
次いで、艶出し組成物を塗布した面とは反対の面に研磨組成物を350〜550g/m2の塗布量になるようにドクターブレードで調整しながら塗布を行い、その後100〜120℃の雰囲気下で加熱乾燥を行った。
【0036】
以上のようにして得られた爪磨き用シートは、通常の布製品と同等の良好な柔軟性を備えており、さらに研磨材の脱落はまったく見られなかった。
【0037】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によると、粒径の細かい艶出し用研磨材を油脂をバインダーとして基布に付着させたため、研磨材の脱落を効果的に防止しつつ、容易に爪の艶を出すことができる。
【0038】
さらに、バインダーが油脂であることから、基布が有する柔軟性を損なうことがなく、短時間で爪の艶出しを行うことができ、余分な油脂は基布に吸収されるため手触り感に優れた爪磨き用シートを得ることができる。
【0039】
また、基布の片面に艶出し用研磨材と油脂とを含有する艶出し組成物を基布に塗布し、他面に前記艶出し用研磨材よりも粒径の大きい粗削り用研磨材とバインダ用樹脂とを含有する研磨組成物を塗布することにより、1枚で爪表面の凹凸の研磨と艶出しとが可能な利便性の高い爪磨き用シートを得ることができる。

Claims (6)

  1. 基布に艶出し層が形成された爪磨き用シートであって、前記艶出し層が、艶出し用研磨材と油脂とを含有する艶出し組成物(ただし、バインダー用樹脂を含有するものを除く)を基布に塗布することにより形成されたことを特徴とする爪磨き用シート。
  2. 前記艶出し用研磨材の粒径が、0.1〜10μmであることを特徴とする請求項1記載の爪磨き用シート。
  3. 前記基布が不織布であり、少なくとも基布の表面部を構成する繊維の太さが0.5デニール以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の爪磨き用シート。
  4. 前記艶出し組成物に、さらに界面活性剤を配合したことを特徴とする請求項1、2又は3記載の爪磨き用シート。
  5. 前記艶出し層が、基布の片面に形成され、他面に前記艶出し用研磨材よりも粒径の大きい粗削り用研磨材とバインダ用樹脂とを含有する研磨組成物を塗布することにより研磨層が形成された請求項1〜4のいずれかに記載の爪磨き用シート。
  6. 前記基布が、極細繊維層−多孔質繊維層−極細繊維層からなる3層構造の不織布であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の爪磨き用シート。
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