JP4856995B2 - 光学樹脂フィルム、偏光板及び液晶表示装置 - Google Patents
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Description
これに伴い液晶表示装置において、色味、コントラスト、及びそれらの視角依存性改良に用いられる光学補償部材に対しても光学補償能のさらなる向上が求められている。
VAモード用の液晶表示装置用の光学補償フィルムとして特許文献1には、液晶表示装置の視野角度特性改善のために用いる負のCプレートと正のAプレートとを、特定の波長分散特性の組み合わせにして積層型にすることにより、高コントラストで干渉ムラやカラーシフトがなく色再現性の良い液晶表示装置を可能にする技術が知られている。しかし、この方法ではAプレート、及びCプレートの基材フィルムを偏光板の保護フィルムとして用いる場合に、偏光膜との接着が難しく粘着加工等が必要でありコストがかさむ問題があった。
また特許文献3には、正の固有複屈折値を有する材料を主成分とする第1層と、負の固有複屈折率値を有する材料を主成分とする第2層とをそれぞれ少なくとも一層有する積層体を延伸することにより形成されるところの、複屈折を有する積層位相差板により、高コントラストで干渉ムラやカラーシフトがなく色再現性の良い液晶表示装置を可能にする技術が開示されている。しかし、この方法では軟化温度が異なる積層体をある温度で延伸するために、各層の最適延伸温度からずれてしまい十分な性能が発現しない問題があった。
20nm<Re(546)<200nm (G)
70nm<Rth(546)<500nm (H)
0.3<Re(480)/Re(546)<1.0 (I)
1.0<Re(628)/Re(546)<3.0 (J)
1.0<Rth(480)/Rth(546)<3.0 (K)
0.3<Rth(628)/Rth(546)<1.0 (L)
2)前記正の固有複屈折性添加剤の最も長波長側の吸収極大と前記負の固有複屈折性添加剤の最も長波長側の吸収極大よりも短波長側に存在する上記1)に記載の延伸光学樹脂フィルム。
4)偏光子及びその両側に配置された2枚の保護フィルムからなり、少なくとも1枚の保護フィルムが上記1)又は2)に記載の延伸光学樹脂フィルムである偏光板。
5)偏光子及びその両側に配置された2枚の保護フィルムからなり、少なくとも1枚の保護フィルムが上記3)に記載の光学補償シートである偏光板。
6)液晶セルおよびその両側に配置された二枚の偏光板を有し、少なくとも1つの偏光板が上記4)又は5)に記載の偏光板であることを特徴とする液晶表示装置。
7)該液晶セルがVAモードである上記6)に記載の液晶表示装置。
8)該液晶セルがOCBモードである上記6)に記載の液晶表示装置。
本発明においては、特に正の固有複屈折性添加剤を用いることで、延伸倍率を過度に上げることなく広範囲に面内レターデーションを調整することができるので、簡便かつ安定に延伸樹脂フィルムを作製することが可能となった。
更に本発明によれば、コントラストの視野角が広く、長時間点灯しても色味変化の少ない液晶表示装置が得られる。
本発明に係る延伸光学樹脂フィルムは、セルロースアシレート中に、負の固有複屈折性添加剤のうち少なくとも1種と、正の固有複屈折性添加剤のうち少なくとも1種とを含有し、前記セルロースアシレート100質量部に対する、前記負の固有複屈折性を有する添加剤の含有量は0.1〜20質量%、前記正の固有複屈折性を有する添加剤の含有量は0.1〜20質量%であり、レターデーションが前記(G)〜(L)の関係を満たすことを特徴とする延伸光学樹脂フィルムである。
|Δn(450)/Δn(550)| ≦ 1.00
さらに、下記関係式を満たすものから選ばれるのがより好ましい。
|Δn(450)/Δn(550)| ≦ 0.95
尚、|Δn(450)/Δn(550)|の値は大きいほうが好ましい。
また、本発明の正の固有複屈折性添加剤は、アルコールやメチレンクロライド、ジオキソランの有機溶媒に溶解してから、該高分子樹脂溶液(ドープ)に添加するか、または直接ドープ組成中に添加してもよい。
一般式(A1)中、Ar1、Ar2、Ar3はアリール基または芳香族ヘテロ環を表し、L1、L2は単なる結合、または2価の連結基を表す。nは3以上の整数を表し、それぞれAr2、L2は同一であっても異なっていても良い。
一般式(A1)中、Ar1、Ar2、Ar3で表されるアリール基としてより好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフチルなどが挙げられる。
一般式(A1)のうち好ましくは一般式(A2)である。以下、一般式(A2)について詳しく説明する。
置換基Tとして好ましくはハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルキル基(好ましくは炭素数1から30のアルキル基、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、t−ブチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル)、シクロアルキル基(好ましくは、炭素数3から30の置換または無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル、シクロペンチル、4−n−ドデシルシクロヘキシル)、ビシクロアルキル基(好ましくは、炭素数5から30の置換もしくは無置換のビシクロアルキル基、つまり、炭素数5から30のビシクロアルカンから水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル)、
次に本発明に使用する負の固有複屈折性添加剤について説明する。
本明細書において「負の固有複屈折性添加剤」とは、その添加剤が一軸性の秩序をもって配向したときに、光学的に負の一軸性を示す特性を有する材料を意味する。例えば、その材料が一軸性の配向をとって形成された層に光が入射したとき、前記配向方向の光の屈折率が前記配向方向に直交する方向の光の屈折率より小さくなる材料は、負の固有複屈折値添加剤である。
|Δn(450)/Δn(550)| > 1.02
さらに、下記関係式を満たすものから選ばれるのがより好ましい。
|Δn(450)/Δn(550)| > 1.05
尚、|Δn(450)/Δn(550)|の値は大きいほうが好ましいが、樹脂の場合一般的には2.0以下である。
本発明の負の固有複屈折性添加剤は、アルコールやメチレンクロライド、ジオキソランの有機溶媒に溶解してから、該高分子樹脂溶液(ドープ)に添加するか、または直接ドープ組成中に添加してもよい。
次に、本発明においてマトリックスとなる高分子樹脂として用いる樹脂であるセルロースアシレートについて詳細に記載する。
本発明でマトリックスとなる高分子樹脂として用いることのできる樹脂としては、透明高分子樹脂であるセルロースアシレートを挙げることができる。中でも、延伸光学樹脂として、レターデーションの波長分散特性が可視光領域において実質的にフラットか逆波長分散特性を持つセルロースアシレートを使用することが好ましい。セルロースアシレートとしてはセルロースアセテートを使用することが特に好ましい。
セルロースを構成するβ−1,4結合しているグルコース単位は、2位、3位および6位に遊離の水酸基を有している。セルロースアシレートは、これらの水酸基の一部または全部をアシル基によりエステル化した重合体(ポリマー)である。アシル置換度は、2位、3位および6位のそれぞれについて、セルロースがエステル化している割合(100%のエステル化は置換度1)を意味する。全アシル置換度すなわちD2+D3+D6は2.00〜2.96が好ましく、より好ましくは2.22〜2.95であり、特に好ましくは2.40〜2.94である。これらのセルロースアシレートフィルムにより溶解性の好ましい溶液が作製でき、特に非塩素系有機溶媒において、良好な溶液の作製が可能となる。更に粘度が低くろ過性のよい溶液の作成が可能となる。
セルロースアシレートの合成方法の基本的な原理は、右田伸彦他、木材化学180〜190頁(共立出版、1968年)に記載されている。代表的な合成方法は、カルボン酸無水物−酢酸−硫酸触媒による液相酢化法である。具体的には、綿花リンタや木材パルプ等のセルロース原料を適当量の酢酸で前処理した後、予め冷却したカルボン酸化混液に投入してエステル化し、完全セルロースアシレート(2位、3位および6位のアシル置換度の合計が、ほぼ3.00)を合成する。上記カルボン酸化混液は、一般に溶媒としての酢酸、エステル化剤としての無水カルボン酸および触媒としての硫酸を含む。無水カルボン酸は、これと反応するセルロースおよび系内に存在する水分の合計よりも、化学量論的に過剰量で使用することが普通である。アシル化反応終了後に、系内に残存している過剰の無水カルボン酸の加水分解およびエステル化触媒の一部を中和するために、中和剤(例えば、カルシウム、マグネシウム、鉄、アルミニウムまたは亜鉛の炭酸塩、酢酸塩または酸化物)の水溶液を添加する。次に、得られた完全セルロースアシレートを少量の酢化反応触媒(一般には、残存する硫酸)の存在下で、50〜90℃に保つことによりケン化熟成し、所望のアシル置換度および重合度を有するセルロースアシレートまで変化させる。所望のセルロースアシレートが得られた時点で、系内に残存している触媒を前記のような中和剤を用いて完全に中和するか、あるいは中和することなく水または希硫酸中にセルロースアシレート溶液を投入(あるいは、セルロースアシレート溶液中に、水または希硫酸を投入)してセルロースアシレートを分離し、洗浄および安定化処理によりセルロースアシレートを得る。
本発明に使用するこれらのセルロースアシレートは、その原料綿や合成方法は発明協会公開技報(公技番号 2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)の7頁〜12頁に詳細に記載されている。
本発明の光学樹脂フィルムは、ソルベントキャスト法により製造する。ソルベントキャスト法では、光学樹脂を有機溶媒に溶解した溶液(ドープ)を用いてフィルムを製造する。
有機溶媒は、炭素原子数が3乃至12のエーテル、炭素原子数が3乃至12のケトン、炭素原子数が3乃至12のエステルおよび炭素原子数が1乃至6のハロゲン化炭化水素から選ばれる溶媒を含むことが好ましい。
エーテル、ケトンおよびエステルは、環状構造を有していてもよい。エーテル、ケトンおよびエステルの官能基(すなわち、−O−、−CO−および−COO−)のいずれかを二つ以上有する化合物も、有機溶媒として用いることができる。有機溶媒は、アルコール性水酸基のような他の官能基を有していてもよい。二種類以上の官能基を有する有機溶媒の場合、その炭素原子数はいずれかの官能基を有する溶媒の上記した好ましい炭素原子数範囲内であることが好ましい。
炭素原子数が3乃至12のケトン類の例には、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノンおよびメチルシクロヘキサノンが含まれる。
炭素原子数が3乃至12のエステル類の例には、エチルホルメート、プロピルホルメート、ペンチルホルメート、メチルアセテート、エチルアセテートおよびペンチルアセテートが含まれる。
ハロゲン化炭化水素の炭素原子数は、1または2であることが好ましく、1であることが最も好ましい。ハロゲン化炭化水素のハロゲンは、塩素であることが好ましい。ハロゲン化炭化水素の水素原子が、ハロゲンに置換されている割合は、25乃至75モル%であることが好ましく、30乃至70モル%であることがより好ましく、35乃至65モル%であることがさらに好ましく、40乃至60モル%であることが最も好ましい。メチレンクロリドが、代表的なハロゲン化炭化水素である。
本発明の有機溶媒はメチレンクロライドとアルコールを混合して用いることが好ましく、メチレンクロライドに対するアルコールの比率は1wt%以上50%以下が好ましく、10wt%以上40wt%以下が好ましく、12wt%以上30wt%以下が最も好ましい。アルコールとしてはメタノール、エタノール、n−ブタノールが好ましく、2種類以上のアルコールを混合して使用してもよい。
セルロースアシレートの量は、得られる溶液中に10乃至40質量%含まれるように調整する。セルロースアシレートの量は、10乃至30質量%であることがさらに好ましい。有機溶媒(主溶媒)中には、後述する任意の添加剤を添加しておいてもよい。
溶液は、常温(0乃至40℃)でセルロースアシレートと有機溶媒とを撹拌することにより調製することができる。高濃度の溶液は、加圧および加熱条件下で撹拌してもよい。具体的には、セルロースアシレートと有機溶媒とを加圧容器に入れて密閉し、加圧下で溶媒の常温における沸点以上、かつ溶媒が沸騰しない範囲の温度に加熱しながら撹拌する。
加熱温度は、通常は40℃以上であり、好ましくは60乃至200℃であり、さらに好ましくは80乃至110℃である。
加熱する場合、容器の外部より加熱することが好ましい。例えば、ジャケットタイプの加熱装置を用いることができる。また、容器の外部にプレートヒーターを設け、配管して液体を循環させることにより容器全体を加熱することもできる。
容器内部に撹拌翼を設けて、これを用いて撹拌することが好ましい。撹拌翼は、容器の壁付近に達する長さのものが好ましい。撹拌翼の末端には、容器の壁の液膜を更新するため、掻取翼を設けることが好ましい。
容器には、圧力計、温度計等の計器類を設置してもよい。容器内で各成分を溶剤中に溶解する。調製したドープは冷却後容器から取り出すか、あるいは、取り出した後、熱交換器等を用いて冷却する。
冷却溶解法では最初に、室温で有機溶媒中にセルロースアシレートを撹拌しながら徐々に添加する。
セルロースアシレートの量は、この混合物中に10乃至40質量%含まれるように調整することが好ましい。セルロースアシレートの量は、10乃至30質量%であることがさらに好ましい。さらに、混合物中には後述する任意の添加剤を添加しておいてもよい。
冷却速度は、4℃/分以上であることが好ましく、8℃/分以上であることがさらに好ましく、12℃/分以上であることが最も好ましい。冷却速度は、速いほど好ましいが、10000℃/秒が理論的な上限であり、1000℃/秒が技術的な上限であり、そして100℃/秒が実用的な上限である。なお、冷却速度は、冷却を開始する時の温度と最終的な冷却温度との差を、冷却を開始してから最終的な冷却温度に達するまでの時間で割った値である。
加温速度は、4℃/分以上であることが好ましく、8℃/分以上であることがさらに好ましく、12℃/分以上であることが最も好ましい。加温速度は、速いほど好ましいが、10000℃/秒が理論的な上限であり、1000℃/秒が技術的な上限であり、そして100℃/秒が実用的な上限である。なお、加温速度は、加温を開始する時の温度と最終的な加温温度との差を、加温を開始してから最終的な加温温度に達するまでの時間で割った値である。
以上のようにして、均一な溶液が得られる。なお、溶解が不充分である場合は冷却、加温の操作を繰り返してもよい。溶解が充分であるかどうかは、目視により溶液の外観を観察するだけで判断することができる。
なお、セルロースアセテート(酢化度:60.9%、粘度平均重合度:299)を冷却溶解法によりメチルアセテート中に溶解した20質量%の溶液は、示差走査熱量計(DSC)による測定によると、33℃近傍にゾル状態とゲル状態との疑似相転移点が存在し、この温度以下では均一なゲル状態となる。従って、この溶液は疑似相転移温度以上、好ましくはゲル相転移温度プラス10℃程度の温度で保する必要がある。ただし、この疑似相転移温度は、セルロースアセテートの酢化度、粘度平均重合度、溶液濃度や使用する有機溶媒により異なる。
流延するセルロースアシレート溶液は同一の溶液を用いてもよいし、異なるセルロースアシレート溶液を用いてもよい。複数のセルロースアシレート層に機能をもたせるために、その機能に応じたセルロースアシレート溶液を、それぞれの流延口から押し出せばよい。さらに本発明のセルロースアシレート溶液は、他の機能層(例えば、接着層、染料層、帯電防止層、アンチハレーション層、紫外線吸収層、偏光層など)と同時に流延することもできる。
本発明のセルロースアシレートフィルムは、延伸処理によりレターデーションを調整することができる。更には、積極的に幅方向に延伸する方法もあり、例えば、特開昭62−115035号、特開平4−152125号、特開平4−284211号、特開平4−298310号、および特開平11−48271号の各公報などに記載されている。この方法では、セルロースアシレートフィルムの面内レターデーション値を高い値とするために、製造したフィルムが延伸される。
フィルムの延伸は、常温または加熱条件下で実施する。加熱温度は、フィルムのガラス転移温度以下であることが好ましい。フィルムの延伸は、縦あるいは横だけの一軸延伸でもよく同時あるいは逐次2軸延伸でもよい。延伸は1〜200%の延伸が行われる。好ましくは1〜100%の延伸が、特に好ましくは1から50%延伸を行う。光学フィルムの複屈折は幅方向の屈折率が長さ方向の屈折率よりも大きくなることが好ましい。従って幅方向により多く延伸することが好ましい。また、延伸処理は製膜工程の途中で行ってもよいし、製膜して巻き取った原反を延伸処理しても良い。前者の場合には残留溶剤量を含んだ状態で延伸を行っても良く、残留溶剤量が2乃至40%で好ましく延伸することができる。
可塑剤の添加量は、セルロースアシレートの量の0.1乃至25質量%であることが好ましく、1乃至20質量%であることがさらに好ましく、3乃至15質量%であることが最も好ましい。
本発明のセルロースアシレートフィルムには、マット剤として微粒子を加えることが好ましい。本発明に使用される微粒子としては、二酸化珪素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成珪酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム及びリン酸カルシウムを挙げることができる。微粒子はケイ素を含むものが濁度が低くなる点で好ましく、特に二酸化珪素が好ましい。二酸化珪素の微粒子は、1次平均粒子径が20nm以下であり、かつ見かけ比重が70g/リットル以上であるものが好ましい。1次粒子の平均径が5〜16nmと小さいものがフィルムのヘイズを下げることができより好ましい。見かけ比重は90〜200g/リットル以上が好ましく、100〜200g/リットル以上がさらに好ましい。見かけ比重が大きい程、高濃度の分散液を作ることが可能になり、ヘイズ、凝集物が良化するため好ましい。
セルロースアシレートフィルムのガラス転移温度の測定はJIS規格K7121記載の方法によりおこなうことができる。
本発明のセルロースアシレートフィルムのガラス転移温度は80℃以上200℃以下が好ましく、100℃以上170℃以下がさらに好ましい。ガラス転移温度は可塑剤、溶剤等の低分子化合物を含有させることにより低下させることが可能である。
本発明のセルロースアシレートフィルムの厚み(乾燥膜厚)は、40μm以上110μm以下が好ましく、50μm以上100μmがさらに好ましい。
本明細書において、Re(λ)、Rth(λ)は各々、波長λにおける面内のレターデーションおよび厚さ方向のレターデーションを表す。Re(λ)はKOBRA 21ADHまたはWR(王子計測機器(株)製)において波長λnmの光をフィルム法線方向に入射させて測定される。Rth(λ)は前記Re(λ)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADHまたはWRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合にはフイルム面内の任意の方向を回転軸とする)のフィルム法線方向に対して法線方向から片側50度まで10度ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて全部で6点測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADHまたはWRが算出する。尚、遅相軸を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合にはフィルム面内の任意の方向を回転軸とする)、任意の2方向からレターデーション値を測定し、その値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基に、以下の式(1)及び式(2)よりRthを算出することもできる。ここで、平均屈折率の仮定値は、ポリマーハンドブック(JOHN WILEY& SONS,INC)、各種光学フィルムのカタログの値を使用することができる。平均屈折率の値が既知でないものについてはアッベ屈折計で測定することができる。主な光学フィルムの平均屈折率の値を以下に例示する: セルロースアシレート(1.48)、シクロオレフィンポリマー(1.52)、ポリカーボネート(1.59)、ポリメチルメタクリレート(1.49)、ポリスチレン(1.59)である。これら平均屈折率の仮定値と膜厚を入力することで、KOBRA 21ADHまたはWRはnx、ny、nzを算出する。この算出されたnx、ny、nzよりNz=(nx−nz)/(nx−ny) が更に算出される。
また、Rth/Re比は1以上10以下が好ましく、2以上9以下がさらに好ましい。
また、フィルムの遅相軸と流延方向の成す角度は85°以上95°以下であり、かつ幅方向における角度の変動幅は5°以下であることが好ましい。
セルロースアシレートフィルムは、表面処理を施すことが好ましい。具体的方法としては、コロナ放電処理、グロー放電処理、火炎処理、酸処理、アルカリ処理または紫外線照射処理が挙げられる。また、特開平7−333433号公報に記載のように、下塗り層を設けることも好ましい。
偏光板の透明保護膜として使用する場合、偏光子との接着性の観点から、酸処理またはアルカリ処理、すなわちセルロースアシレートに対するケン化処理を実施することが特に好ましい。
表面エネルギーは55mN/m以上であることが好ましく、60mN/m以上75mN/m以下であることが更に好ましい。
セルロースアシレートフィルムのアルカリケン化処理は、フィルム表面をアルカリ溶液に浸漬した後、酸性溶液で中和し、水洗して乾燥するサイクルで行われることが好ましい。
アルカリ溶液としては、水酸化カリウム溶液、水酸化ナトリウム溶液が挙げられ、水酸化イオンの規定濃度は0.1乃至3.0Nの範囲にあることが好ましく、0.5乃至2.0Nの範囲にあることがさらに好ましい。アルカリ溶液温度は、室温乃至90℃の範囲にあることが好ましく、40乃至70℃の範囲にあることがさらに好ましい。
具体的には、表面エネルギーが既知である2種の溶液をセルロースアシレートフィルムに滴下し、液滴の表面とフィルム表面との交点において、液滴に引いた接線とフィルム表面のなす角で、液滴を含む方の角を接触角と定義し、計算によりフィルムの表面エネルギーを算出できる。
セルロースアシレートフィルムの吸水率は一定温湿度における平衡含水率を測定することにより評価することができる。平衡含水率は一定温湿度に24時間放置した後、平衡に達した試料の水分量をカールフィッシャー法で測定し、水分量(g)を試料質量(g)で除して算出したものである。
本発明のセルロースアシレートフィルムの25℃80%における平衡含水率は3質量%以下が好ましく、2.5質量%以下がさらに好ましく、2質量%以下が最も好ましい。
透湿度はJIS Z 0208に記載の方法に則り、各試料の透湿度を測定し、面積1m2あたり24時間で蒸発する水分量(g)として算出する。
セルロースアシレートフィルムの透湿度は様々な方法により調節可能である。
セルロースアシレートフィルムに疎水性化合物を添加し、セルロースアシレートフィルムの吸水率を低下させることにより透湿度を低下させることができる。
JIS Z 0208、条件Aの方法で測定した本発明のセルロースアシレートフィルムの透湿度は、20g/m2以上250g/m2以下が好ましく、40g/m2以上225g/m2以下がさらに好ましく、100g/m2以上200g/m2以下が最も好ましい。
吸湿膨張係数は、一定温度下において相対湿度を変化させた時の試料の長さの変化量を示す。
額縁状の透過率上昇を防止するために、セルロースアシレートフィルムの吸湿膨張係数は、30×10-5/%RH以下とすることが好ましく、15×10-5/%RH以下とすることが更に好ましく、10×10-5/%RH以下とすることが最も好ましい。また、吸湿膨張係数は小さい方が好ましいが、通常は、1.0×10-5/%RH以上の値である。
吸湿膨張係数の測定方法について以下に示す。作製したポリマーフィルム(位相差板)から幅5mm。長さ20mmの試料を切り出し、片方の端を固定して25℃、20%RH(R0)の雰囲気下にぶら下げた。他方の端に0.5gの重りをぶら下げて、10分間放置し長さ(L0)を測定した。次に、温度は25℃のまま、湿度を80%RH(R1)にして、長さ(L1)を測定した。吸湿膨張係数は下式により算出した。測定は同一試料につき10サンプル行い、平均値を採用した。
残留溶剤を減らすための一般的手法は、高温かつ長時間で乾燥することであるが、あまり長時間であると、当然のことながら生産性が落ちる。従ってセルロースアシレートフィルムに対する残留溶剤の量は、0.01乃至1質量%の範囲にあることが好ましく、0.02乃至0.07質量%の範囲にあることがさらに好ましく、0.03乃至0.05質量%の範囲にあることが最も好ましい。
上記残留溶剤量を制御することにより、光学補償能を有する偏光板を安価に高い生産性で製造することができる。
溶液流延法では、ポリマー材料を有機溶媒に溶解した溶液(ドープ)を用いてフィルムを製造する。溶液流延法での乾燥は、後述するように、ドラム(またはバンド)面での乾燥と、フィルム搬送時の乾燥に大きく分かれる。ドラム(またはバンド)面での乾燥時には、使用している溶剤の沸点を越えない温度(沸点を越えると泡となる)でゆっくりと乾燥させることが好ましい。また、フィルム搬送時の乾燥は、ポリマー材料のガラス転移点±30℃、更に好ましくは±20℃で行うことが好ましい。
これらの疎水基を有する化合物の添加量は、調整する溶液(ドープ)に対して0.01乃至30質量%の範囲にあることが好ましく、0.1乃至20質量%の範囲にあることがさらに好ましい。
セルロースアシレートフィルムの寸度変化率はピンゲージにより一定温度での経時前後の寸度変化を測定し、下記式により算出することができる。
寸度変化率(%)=[(L2−L1)/L1]×100
式中、L1は経時前の寸度を、L2は経時後の寸度を表す。
セルロースアシレートフィルムの弾性率は引っ張り試験により求めることができる。本発明のセルロースアシレートフィルムは幅方向あるいは流延方向の少なくともひとつの方向が1.0GPa以上6.0GPa以下が好ましく、2.0Gpa以上5.5GPa以下がさらに好ましく2.5GPa以上5.0GPa以下が最も好ましい。
本発明のセルロースアシレートフィルムの光弾性係数は60×10-8cm2/N以下が好ましく、20×10-8cm2がさらに好ましい。光弾性係数はエリプソメーターにより求めることができる。
本発明の延伸ポリマーフィルムは偏光子、及び光学異方性層あるいは光学異方性層と本発明の延伸ポリマーフィルムとの間に設けられる配向層、との密着の確保するため、表面が親水化処理されていることが好ましい。
表面処理方法としては、例えば特開2000-24167号、特開平10-130402号、特開2002-148436号、特開2002-90546号、特開2001-350017号に記載の接着層を設ける方法、また、特開2001-350018号に記載のコロナ放電処理等の表面処理により親水性を付与することもできる。
まず、本発明の偏光板を構成する保護フィルム、偏光子について説明する。
本発明の偏光板は、偏光子の両側に保護フィルムが貼り合わされてなる偏光板であり、保護フィルムの少なくとも1枚が本発明の延伸光学樹脂フィルムであることが好ましい。
また、偏光子や保護フィルム以外にも、粘着剤層、セパレートフィルム、保護フィルムを構成要素として有していても構わない。さらに、保護フィルムの表面に、ハードコート層、防眩層、および反射防止層等を設けることが好ましい。これらの層については後述する。
本発明の偏光板は偏光子の両側に1ずつ合計2枚の保護フィルムを有し、少なくとも1枚は本発明の延伸光学樹脂フィルムである。また、2枚の保護フィルムのうち、少なくとも一枚は位相差フィルムとしての機能を合わせてもつことが好ましい。液晶表示装置に本発明の偏光板を用いる場合、液晶セルの両側に配置される二枚の偏光板の少なくとも一方が、本発明の偏光板であることが好ましい。
本発明において用いられる保護フィルムはノルボルネン樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリアリレート、ポリスルフォン、セルロースアシレートなどから製造されたポリマーフィルムであることが好ましく、セルロースアシレートフィルムであることが最も好ましい。
本発明の偏光子は、ポリビニルアルコール(PVA)と二色性分子から構成することが好ましいが、特開平11−248937号に記載されているようにPVAやポリ塩化ビニルを脱水、脱塩素することによりポリエン構造を生成し、これを配向させたポリビニレン系偏光子も使用することができる。
PVAのケン化度は特に限定されないが、溶解性等の観点から80〜100mol%が好ましく、90〜100mol%が特に好ましい。またPVAの重合度は特に限定されないが、1000〜10000が好ましく、1500〜5000が特に好ましい。
PVAのシンジオタクティシティーは特許2978219号に記載されているように耐久性を改良するため55%以上が好ましいが、特許第3317494号に記載されている45〜52.5%も好ましく用いることができる。
PVAフィルムの結晶化度は、特に限定されないが、特許第3251073号に記載されている平均結晶化度(Xc)50〜75質量%や、面内の色相バラツキを低減させるため、特開2002−236214号に記載されている結晶化度38%以下のPVAフィルムを用いることができる。
偏光子の好ましい膜厚としては、5μm〜40μmが好ましく、さらに好ましくは10μm〜30μmである。偏光子の厚さと後述する保護フィルムの厚さの比を、特開2002−174727号に記載されている0.01≦A(偏光子膜厚)/B(保護フィルム膜厚)≦0.16範囲とすることも好ましい。
保護フィルムの遅相軸と偏光子の吸収軸の交差角は、任意の値でよいが、平行もしくは45±20゜の方位角であることが好ましい。
次に、本発明の偏光板の製造工程について説明する。
本発明における偏光板の製造工程は、膨潤工程、染色工程、硬膜工程、延伸工程、乾燥工程、保護フィルム貼り合わせ工程、貼り合わせ後乾燥工程から構成されることが好ましい。染色工程、硬膜工程、延伸工程の順序を任意に変えること、また、いくつかの工程を組み合わせて同時に行っても構わない。また、特許第3331615号に記載されているように、硬膜工程の後に水洗することも好ましく行うことができる。
また、膨潤工程の温度、時間は、任意に定めることができるが、10℃以上60℃以下、5秒以上2000秒以下が好ましい。
染色工程は、特開2002−86554号公報に記載の方法を用いることができる。また、染色方法としては浸漬だけでなく、ヨウ素あるいは染料溶液の塗布あるいは噴霧等、任意の手段が可能である。また、特開2002−290025号公報に記載されているように、ヨウ素の濃度、染色浴温度、浴中の延伸倍率、および浴中の浴液を撹拌させながら染色させる方法を用いてもよい。
また、特許第3145747号に記載されているように、染色液にホウ酸、ホウ砂等のホウ素系化合物を添加しても良い。
貼り合わせ後乾燥条件は、特開2002−86554号に記載の方法に従うが、好ましい温度範囲は30℃〜100℃であり、好ましい乾燥時間は30秒〜60分である。また、特開平07−325220号に記載されているように温湿度管理をした雰囲気でエージングすることも好ましい。
(1)透過率および偏光度
本発明の偏光板の好ましい単板透過率は42.5%以上49.5%以下であるが、さらに好ましくは42.8%以上49.0%以下である。式4で定義される偏光度の好ましい範囲は99.900%以上99.999%以下であり、さらに好ましくは99.940%以上99.995%以下である。平行透過率の好ましい範囲は36%以上42%以下であり、直交透過率の好ましい範囲は、0.001%以上0.05%以下である。式5で定義される二色性比の好ましい範囲は48以上、1215以下であるが、さらに好ましくは53以上525以下である。
y(λ):XYZ系における等色関数
τ(λ):分光透過率
平行透過率は、特開2001−083328号や特開2002−022950号に記載されているように波長依存性が小さくてもよい。偏光板をクロスニコルに配置した場合の光学特性は、特開2001−091736号に記載されている範囲であってもよく、平行透過率と直交透過率の関係は、特開2002−174728号に記載されている範囲内であってもよい。
本発明の偏光板の色相は、CIE均等知覚空間として推奨されているL*a*b*表色系における明度指数L*およびクロマティクネス指数a*とb*を用いて好ましく評価される。
L*、a*、b*は、上述のX、Y、Zを用い使って式6で定義される。
偏光板をクロスニコルに配置して波長550nmの光を入射させる場合の、垂直光を入射させた場合と、偏光軸に対して45度の方位から法線に対し40度の角度で入射させた場合の、透過率比やxy色度差を特開2001−166135号や特開2001−166137号に記載された範囲とすることも好ましい。また、特開平10−068817号に記載されているように、クロスニコル配置した偏光板積層体の垂直方向の光透過率(T0)と、積層体の法線から60°傾斜方向の光透過率(T60)との比(T60/T0)を10000以下としたり、特開2002−139625号に記載されているように、偏光板に法線から仰角80度までの任意な角度で自然光を入射させた場合に、その透過スペクトルの520〜640nmの波長範囲において波長域20nm以内における透過光の透過率差を6%以下としたり、特開平08−248201号に記載されている、フィルム上の任意の1cm離れた場所における透過光の輝度差が30%以内とすることも好ましい。
(4−1)湿熱耐久性
特開2001−116922号に記載されているように60℃、90%RHの雰囲気に500時間放置した場合のその前後における光透過率及び偏光度の変化率が絶対値に基づいて3%以下であることが好ましい。特に光透過率の変化率は2%以下、また、偏光度の変化率は絶対値に基づいて1.0%以下、更には0.1%以下であることが好ましい。また、特開平07−077608号に記載されているように80℃、90%RH、500時間放置後の偏光度が95%以上、単体透過率が38%以上であることも好ましい。
80℃、ドライ雰囲気下に500時間放置した場合のその前後における光透過率及び偏光度の変化率も絶対値に基づいて3%以下であることが好ましい。特に、光透過率の変化率は2%以下、また、偏光度の変化率は絶対値に基づいて1.0%以下、更には0.1%以下であることが好ましい。
さらに、特開平06−167611号に記載されているように80℃で2時間放置した後の収縮率が0.5%以下としたり、ガラス板の両面にクロスニコル配置した偏光板積層体を69℃の雰囲気中で750時間放置した後のx値及びy値が特開平10−068818号に記載されている範囲内としたり、80℃、90%RHの雰囲気中で200時間放置処理後のラマン分光法による105cm-1及び157cm-1のスペクトル強度比の変化を、特開平08−094834号や特開平09−197127号に記載された範囲とすることも好ましく行うことができる。
PVAの配向度は高い程良好な偏光性能が得られるが、偏光ラマン散乱や偏光FT−IR等の手段によって算出されるオーダーパラメーター値として0.2〜1.0が好ましい範囲である。また、特開昭59−133509号に記載されているように、偏光子の全非晶領域の高分子セグメントの配向係数と占領分子の配向係数(0.75以上)との差を少なくとも0.15としたり、特開平04−204907号に記載されているように偏光子の非晶領域の配向係数が0.65〜0.85としたり、I3-やI5-の高次ヨウ素イオンの配向度を、オーダーパラメーター値として0.8〜1.0とすることも好ましく行うことができる。
特開2002−006133号に記載されているように、80℃30分加熱したときの単位幅あたりの吸収軸方向の収縮力が4.0N/cm以下としたり、特開2002−236213号に記載されているように、偏光板を70℃の加熱条件下に120時間置いた場合に、偏光板の吸収軸方向の寸法変化率及び偏光軸方向の寸法変化率を、共に±0.6%以内としたり、偏光板の水分率を特開2002−090546号に記載されているように3質量%以下とすることも好ましく行うことができる。さらに、特開2000−249832号に記載されているように延伸軸に垂直な方向の表面粗さが中心線平均粗さに基づいて0.04μm以下としたり、特開平10−268294号に記載されているように透過軸方向の屈折率n0を1.6より大きくしたり、偏光板の厚みと保護フィルムの厚みの関係を特開平10−111411号に記載された範囲とすることも好ましく行うことができる。
本発明の偏光板は、LCDの視野角拡大フィルム、反射型LCDに適用するためのλ/4板等の位相差フィルム、ディスプレイの視認性向上のための反射防止フィルム、輝度向上フィルムや、ハードコート層、前方散乱層、アンチグレア(防眩)層等の機能層を有する光学フィルムと複合した機能化偏光板として好ましく使用される。
本発明の偏光板と上述の機能性光学フィルムを複合した構成の一実施態様を図1に示した。偏光板5の片側の保護フィルムとして機能性光学フィルム3を偏光子2に粘着層を介して接着しても良いし(図1(A))、偏光子2の両面に保護フィルム1a、1bを設けた偏光板5に粘着層4を介して機能性光学フィルム3を接着しても良い(図1(B))。前者の場合、もう一方の保護フィルム1には任意の透明保護フィルムを使用してもよい。また、本発明の偏光板においては、保護フィルムに光学機能層を粘着層を介して貼り合わせ、機能性光学フィルム3として、図1(A)の構成とすることも好ましい。機能層や保護フィルム等の各層間の剥離強度は特開2002−311238号に記載されている4.0N/25mm以上とすることも好ましい。機能性光学フィルムは、目的とする機能に応じて液晶モジュール側に配置したり、液晶モジュールとは反対側、すなわち表示側もしくはバックライト側に配置することが好ましい。
(1)視野角拡大フィルム
本発明の偏光板は、TN(Twisted Nematic)、IPS(In−Plane Switching)、OCB(Optically Compensatory Bend)、VA(Vertically Aligned)、ECB(Electrically Controlled Birefringence)のような表示モードに提案されている視野角拡大フィルムと組み合わせて使用することができる。
TNモード用の視野角拡大フィルムの好ましい構成は、前述の透明なポリマーフィルム上に配向層と光学異方性層をこの順に有したものである。視野角拡大フィルムは粘着剤を介して偏光板と貼合され、用いられてよいが、SID’00 Dig.、p.551(2000)に記載されているように、前記偏光子の保護フィルムの一方も兼ねて使用されることが薄手化の観点から特に好ましい。
光学異方性層の厚さは、0.1〜10μmであることが好ましく、0.5〜5μmであることがさらに好ましい
また、ノルボルネン系樹脂フィルムやポリカーボネート樹脂を延伸することにより位相差を付与したものも視野角拡大フィルムあるいはその一部として好ましく用いることができる。
本発明の偏光板は、位相差層を有することが好ましい。本発明における位相差層としてはλ/4板が好ましく、本発明の偏光板とλ/4板とを積層させることで、円偏光板として使用することができる。円偏光板は入射した光を円偏光に変換する機能を有しており、反射型液晶表示装置やECBモードなどの半透過型液晶表示装置、あるいは有機EL素子等に好ましく利用されている。
(粘着剤)
次に本発明で好ましく用いられる粘着剤について説明する。
粘着剤としては、アクリル酸系、メタクリル酸系、ブチルゴム系、シリコーン系などのベースポリマーを用いた粘着剤が使用できる。特に限定されるものでないが、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルのような(メタ)アクリル酸エステル系ベースポリマーや、これらの(メタ)アクリル酸エステルを二種類以上用いた共重合系ベースポリマーが好適に用いられる。粘着剤では通常、これらのベースポリマー中に極性モノマーが共重合されている。極性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレートのような、カルボキシル基、水酸基、アミド基、アミノ基、エポキシ基などを有するモノマーを挙げることができる。
次に本発明の偏光板が使用される液晶表示装置について説明する。本発明の液晶表示装置は液晶セルの両側に2枚の偏光板が配置されており、偏光板の少なくとも1枚が本発明の偏光板である。
本発明の図2に示す液晶表示装置は、液晶セル(5〜9)、および液晶セル(5〜9)を挟持して配置された上側偏光板1と下側偏光板14とを有する。偏光板は偏光子および一対の透明保護フィルムによって挟持されているが、図2中では一体化された偏光板として示し、詳細構造は省略する。液晶セルは、上側電極基板5および下側電極基板8と、これらに挟持される液晶分子7から形成される液晶層からなる。液晶セルは、ON・OFF表示を行う液晶分子の配向状態の違いで、TN(Twisted Nematic)、IPS(In−Plane Switching)、OCB(Optically Compensatory Bend)、VA(Vertically Aligned)、ECB(Electrically Controlled Birefringence)のような表示モードに分類されるが、本発明の偏光板は透過および反射型によらず、いずれの表示モードにも使用できる。
これらの表示モードの中でも、OCBモードまたはVAモードであることが好ましい。
なお、ツイスト角は、ノートパソコンやパソコンモニタ、テレビ用の液晶表示装置の場合は90°近傍(85から95°)に、携帯電話などの反射型表示装置として使用する場合は0から70°に設定する。またIPSモードやECBモードでは、ツイスト角が0°となる。IPSモードでは電極が下側基板8のみに配置され、基板面に平行な電界が印加される。また、OCBモードでは、ツイスト角がなく、チルト角を大きくされ、VAモードでは液晶分子12が上下基板に垂直に配向する。
上側偏光板1の吸収軸2と下側偏光板14の吸収軸15の交差角は一般に概略直交に積層することで高コントラストが得られる。液晶セルの上側偏光板1の吸収軸2と上側基板5のラビング方向の交差角は液晶表示モードによってことなるが、TN、IPSモードでは一般に平行か垂直に設定する。OCB、ECBモードでは45°に設定することが多い。ただし、表示色の色調や視野角の調整のために各表示モードで最適値が異なり、この範囲に限定されるわけではない。
<光学補償シートA−1の作製>
(偏光板保護フィルムA−1の作製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、セルロースアシレート溶液Aを調製した。
置換度2.86のセルロースアセテート 100質量部
トリフェニルホスフェート(可塑剤) 7.8質量部
ビフェニルジフェニルホスフェート(可塑剤) 3.9質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 300質量部
メタノール(第2溶媒) 54質量部
1−ブタノール 11質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 80質量部
メタノール(第2溶媒) 20質量部
正の複屈折性添加剤(化合物16) 30質量部
負の複屈折性添加剤 (ベンジルメタクリレートオリゴマー) 70質量部
セルロースアシレート溶液Aを477質量部に、添加剤溶液Bの20質量部を添加し、充分に攪拌して、ドープを調製した。ドープを流延口から10℃に冷却したバンド上に流
延した。溶媒含有率50質量%で剥ぎ取り、溶媒含有率が5乃至40質量%の状態で、横方向(機械方向に垂直な方向)の延伸率が1.15倍となる間隔を保ちつつテンター延伸したのち乾燥した。その後、熱処理装置のロール間を搬送することにより、さらに乾燥し、厚み80μmのセルロースアセテートフィルム試料A−1を作製した。
作製したA−1について、光学特性を測定した。結果は第1表に示す。
平均重合度4000、鹸化度99.8mol%のPVAを水に溶解し、4.0%の水溶液を得た。この溶液をテーパーのついたダイを用いてバンド流延して乾燥し、延伸前の幅が110mmで厚みは左端が120μm、右端が135μmになるように製膜した。
このフィルムをバンドから剥ぎ取り、ドライ状態で45度方向に斜め延伸してそのままよう素0.5g/L、よう化カリウム50g/Lの水溶液中に30℃で1分間浸漬し、次いでホウ酸100g/L、よう化カリウム60g/Lの水溶液中に70℃で5分間浸漬し、さらに水洗槽で20度で10秒間水洗したのち80℃で5分間乾燥してよう素系偏光子(HF-01)を得た。偏光子は、幅660mm、厚みは左右とも20μmであった。
ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、延伸フィルム(A−1)を偏光子(HF-01)の片側に貼り付けた。又、トリアセチルセルロースフィルム:フジタックTD-80Uに、WO02/46809号公報明細書実施例1記載のケン化処理と同様にして表面鹸化処理を行い、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、偏光子の反対側に貼り付けた。
偏光子の透過軸と上記延伸フィルム(A−1)、およびトリアセチルセルロースフィルムの遅相軸とは、直交するように配置した。
このようにして偏光板(HB-1)を作製したのち、図3の液晶表示装置を作製した。即ち、観察方向(上)から上側偏光板、VAモード液晶セル(上基板、液晶層、下基板)、下側偏光板(HB-1)を積層し、さらにバックライト光源を配置した。以下の例では、上側偏光板に市販品の偏光板(HLC2−5618)を用いて、下側偏光板に本発明の偏光板を使用している。
液晶セルは、基板間のセルギャップを3.6μmとし、負の誘電率異方性を有する液晶材料(「MLC6608」、メルク社製)を基板間に滴下注入して封入し、基板間に液晶層を形成して作製した。液晶層のリターデーション(即ち、記液晶層の厚さd(μm)と屈折率異方性Δnとの積Δn・d)を275nmとした。なお、液晶材料は垂直配向するように配向させた。
負の複屈折性添加剤としてスチレン-無水マレイン酸共重合体(積水化学工業(株)製、商品名:ダイラークD332)を、正の複屈折性添加剤(化合物16)に代えて、正の複屈折性添加剤(化合物1)を同量用いた以外は、実施例1と同様にフィルムA−2を作製した。またA−1に代えて、A−2を用いた以外は、実施例1と同様に液晶表示装置を作製した。
負の複屈折性添加剤(ベンジルメタクリレートオリゴマー)を添加しなかった点以外は、実施例1と同様にフィルムB−1を作製した。
レターデーション制御剤(化合物16)を添加しなかった点以外は、実施例1と同様にフィルムB−2を作製した。
ポリカーボネートを加熱溶融し、スチレンオリゴマーをポリカーボネートに対し25wt%添加した。両者を均一に混練した後、混合溶融物の状態で2枚のガラス板の間に入れて圧縮することによって厚さ約115μmの光学樹脂材料フィルムを得た。この光学樹脂材料フィルムを170℃で更に1.5倍に延伸しフィルムB−3を得た。
(光学特性の測定)
光学特性は、自動複屈折率計(KOBRA−21ADH、王子計測機器(株)製)を用い25℃60%RHでRe及びRthを測定した。測定波長は480nm、546nm、628nmとした。
実施例2及び比較例1及び比較例3で作製した液晶表示を30℃80%の環境下で点灯直後及び500hr時間点灯後の正面の色味変化をELDIM社製Ezcontrastにより測定し、xy色度図上での色味変化の絶対値Δx,Δyを求めた。結果を表2に示す。
2‥‥上偏光板吸収軸
3‥‥第1光学異方性層
4‥‥第1光学異方性層遅相軸の方向
5‥‥液晶セル上電極基板
6‥‥上基板配向制御方向
7‥‥液晶層
8‥‥液晶セル下電極基板
9‥‥下基板配向制御方向
10‥‥第2光学異方性層1
11‥‥第2光学異方性層1遅相軸の方向
12‥‥第2光学異方性層2
13‥‥第2光学異方性層2遅相軸の方向
14‥‥下偏光板
15‥‥下偏光板吸収軸の方向
101 偏光板保護膜
102 偏光板保護膜遅相軸の方向
103 偏光板偏光膜
104 偏光膜吸収軸方向
105 偏光板保護膜
106 偏光板保護膜遅相軸の方向
Claims (8)
- セルロースアシレート中に、負の固有複屈折性を有する添加剤を少なくとも1種と、正の固有複屈折性を有する添加剤を少なくとも1種とを含有し、前記セルロースアシレート100質量部に対する、前記負の固有複屈折性を有する添加剤の含有量は0.1〜20質量%、前記正の固有複屈折性を有する添加剤の含有量は0.1〜20質量%であり、レターデーションが下記(G)〜(L)の関係を満たすことを特徴とする延伸光学樹脂フィルム。
20nm<Re(546)<200nm (G)
70nm<Rth(546)<500nm (H)
0.3<Re(480)/Re(546)<1.0 (I)
1.0<Re(628)/Re(546)<3.0 (J)
1.0<Rth(480)/Rth(546)<3.0 (K)
0.3<Rth(628)/Rth(546)<1.0 (L) - 前記正の固有複屈折性を有する添加剤の最も長波長側の吸収極大が前記負の固有複屈折性を有する添加剤の最も長波長側の吸収極大よりも短波長側に存在する請求項1記載の延伸光学樹脂フィルム。
- 請求項1又は2に記載の延伸光学樹脂フィルム上に光学異方性層を有する光学補償シート。
- 偏光子及びその両側に配置された2枚の保護フィルムからなり、少なくとも1枚の保護フィルムが請求項1又は2に記載の延伸光学樹脂フィルムである偏光板。
- 偏光子及びその両側に配置された2枚の保護フィルムからなり、少なくとも1枚の保護フィルムが請求項3記載の光学補償シートである偏光板。
- 液晶セルおよびその両側に配置された二枚の偏光板を有し、少なくとも1つの偏光板が請求項4又は5に記載の偏光板であることを特徴とする液晶表示装置。
- 該液晶セルがVAモードである請求項6に記載の液晶表示装置。
- 該液晶セルがOCBモードである請求項6に記載の液晶表示装置。
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