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JP4868495B2 - 放射性水溶液製造装置及び放射性水溶液製造方法 - Google Patents
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JP4868495B2 - 放射性水溶液製造装置及び放射性水溶液製造方法 - Google Patents

放射性水溶液製造装置及び放射性水溶液製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、基材に含有される放射性物質の壊変生成物を原料水に溶出させることによって放射性水溶液を得る放射性水溶液製造装置と放射性水溶液製造方法とに関する。
ラドンやラジウムなどの放射性物質を含有する温泉に、各種疾病の治癒を促進する作用があることは、古くから知られていた。放射性物質を含有する温泉は、放射能泉と呼ばれており、我が国では鳥取県の三朝温泉や秋田県の玉川温泉などが、海外ではオーストリアのザルツブルグ州バドガシュタインのガシュタインヒーリング坑道などが著名となっている。近年には、これらの放射能泉と同様の効能を奏する放射性水溶液を人工的に製造する試みがなされるようになり、種々の放射性水溶液製造装置が提案されるようになってきている。
例えば、放射性物質を含有する基材を収容するための内槽と、内槽を原料水に浸漬するための外槽とを備え、内槽が通水性材料で形成され、前記放射性物質の壊変生成物を前記原料水に溶出させることによって放射性水溶液を得るようにした放射性水溶液製造装置が提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。しかし、この種の放射性水溶液製造装置の殆どは、前記壊変生成物を速やかに溶出させることができるものとはなっておらず、放射性水溶液の製造に時間を要するものとなっていた。
このような実状に鑑みてか、気泡を噴射するための気泡噴射手段を設けて、内槽に収容された基材を気泡で攪拌できるようにした放射性水溶液製造装置も提案されている(例えば、特許文献2を参照。)。しかし、基材を気泡で攪拌する形態の放射性水溶液製造装置には、内槽を形成する通水性材料の開孔径を小さく設定すると、気泡が内槽の内部に入り込めなくなり、基材の攪拌を効果的に行うことができなくなるという欠点があった。
このため、基材を気泡で攪拌する形態の放射性水溶液製造装置では、内槽を形成する通水性材料の開孔径を大きく設定しなければならず、基材の粒径を小さく設定することができなかった。したがって、基材を気泡で攪拌する形態の放射性水溶液製造装置も、前記壊変生成物を速やかに溶出させることができるものとはいえなかった。基材の粒径が大きいと、基材の単位体積当たりの表面積が狭くなり、前記壊変生成物は溶出しにくくなってしまうからである。
特公昭60−047858号公報(特許請求の範囲、第5欄6〜19行目、第2図) 特公平06−048320号公報(特許請求の範囲、第5欄25行目〜第6欄1行目、第1図)
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、基材に含有される放射性物質の壊変生成物を原料水に速やかに溶出させることのできる放射性水溶液製造装置を提供するものである。より具体的には、基材を攪拌できるだけでなく、内槽を形成する通水性材料の開孔径を小さく設定することもできる放射性水溶液製造装置を提供するものである。また、基材に含有される放射性物質の壊変生成物を原料水に速やかに溶出させることのできる放射性水溶液製造方法を提供することも本発明の目的である。
上記課題は、放射性物質を含有する基材を収容するための内槽と、内槽を原料水に浸漬するための外槽とを備え、内槽が通水性材料で形成され、前記放射性物質の壊変生成物を前記原料水に溶出させることによって放射性水溶液を得る放射性水溶液製造装置であって、内槽を回転駆動するための回転駆動手段を設けたことを特徴とする放射性水溶液製造装置を提供することによって解決される。これにより、内槽を形成する通水性材料の開孔径を小さく設定した場合であっても、内槽に収容された基材を攪拌することが可能になる。
内槽は、その一部又は全体が通水性材料で形成され、内部に基材を保持できる形態のものであれば特に限定されないが、通常、筒状(多角筒を含む。)に形成される。この場合には、通常、内槽の周壁が通水性材料で形成される。
このとき、基材を攪拌するための攪拌板を内槽の内周部に設けると好ましい。これにより、内槽に収容された基材をより効果的に攪拌することが可能になる。
また、攪拌板を内槽の中心軸に対して傾斜させることも好ましい。これにより、内槽に収容された基材をより効果的に攪拌することが可能になる。ここで、「傾斜」とは、攪拌板の主面(攪拌板を構成する各面のうち、面積が広く、基材の攪拌に最も寄与しうる面)が内槽の中心軸に対して非垂直である状態をいう。
さらに、複数の攪拌板を所定間隔で内槽の中心軸方向に並べることも好ましい。これにより、内槽の広い範囲で基材を攪拌することができるようになる。また、隣接する攪拌板の隙間から基材を逃がしやすくして、基材が攪拌板に引っかかったままの状態となるのを防止することも可能になる。
さらにまた、前記原料水を加熱するための加熱手段を設けることも好ましい。これにより、前記壊変生成物を原料水にさらに溶出させやすくすることができる。また、得られた放射性水溶液をそのまま温浴水として利用することもできるようになる。さらに、放射性水溶液製造装置の設置場所の温度や湿度を上昇させることもできるようになる。
ところで、上記課題は、放射性物質を含有する基材を通水性材料で形成された内槽に収容し、外槽に貯めた原料水に内槽を浸漬し、前記放射性物質の壊変生成物を前記原料水に溶出させることによって放射性水溶液を得る放射性水溶液製造方法であって、内槽を回転させながら前記壊変生成物を溶出させることを特徴とする放射性水溶液製造方法を提供することによって解決される。この放射性水溶液製造方法は、上記の放射性水溶液製造装置を用いて好適に実施することができるものとなっている。
以上のように、本発明によって、基材に含有される放射性物質の壊変生成物を原料水に速やかに溶出させることのできる放射性水溶液製造装置を提供することが可能になる。より具体的には、基材を攪拌できるだけでなく、内槽を形成する通水性材料の開孔径を小さく設定することもできる放射性水溶液製造装置を提供することが可能になる。また、基材に含有される放射性物質の壊変生成物を原料水に速やかに溶出させることのできる放射性水溶液製造方法を提供することも可能になる。
本発明の放射性水溶液製造方法と放射性水溶液製造装置を、図面を用いてより具体的に説明する。図1は、本発明の放射性水溶液製造装置を示した説明図である。図2は、本発明の放射性水溶液製造装置における内槽をその中心軸Lに垂直な面で切断した状態を示した断面図である。図3は、本発明の放射性水溶液製造装置における内槽をその中心軸Lを含む平面で分割した状態を示した斜視図である。図4は、本発明の放射性水溶液製造装置における一の攪拌板列を各攪拌板の先端側から見た状態を示した図である。
1.0 放射性水溶液製造装置
まず、本発明の放射性水溶液製造装置について説明する。本実施態様の放射性水溶液製造装置100は、図1に示すように、内槽110と、外槽120と、回転駆動手段130と、加熱手段140とを備えたものとなっている。この放射性水溶液製造装置100は、基材に含有される放射性物質の壊変生成物を原料水200に溶出させることによって放射性水溶液を得るものとなっている。
1.1 内槽
(1) 内槽の概要
内槽110は、放射性物質を含有する基材を収容するためのものとなっている。内槽110は、図2と図3に示すように、円筒状に形成されており、その周壁が通水性材料111で形成されたものとなっている。通水性材料111の素材は、特に限定されないが、通常、強度に優れた金属やセラミックスなどが採用される。本実施態様の放射性水溶液製造装置100において、通水性材料111は、ステンレス鋼で形成されたものとなっている。この内槽110は、回転駆動手段130によってその中心軸L周りに回転駆動されるようになっている。内槽110の容量は、それに収容する基材の容量によっても異なり、特に限定されないが、本実施態様の放射性水溶液製造装置100においては、約6L(内槽110の内径が155mm、中心軸方向の長さが324mm)となっている。
(2) 通水性材料の開孔径
通水性材料111の開孔径は、内槽110に収容する基材の粒径によっても異なり、特に限定されない。しかし、通水性材料111の開孔径を小さく設定しすぎると、通水性材料111が基材で目詰まりしやすくなるおそれがある。このため、通水性材料111の開孔径は、通常、10μm以上に設定される。通水性材料111の開孔径は、30μm以上であると好ましく、40μm以上であるとより好ましく、50μm以上であるとさらに好ましい。
一方、通水性材料111の開孔径を大きく設定しすぎると、内槽110に収容する基材の粒径を小さく設定することができなくなり、それに含有される放射性物質の壊変生成物が原料水200に溶出しにくくなるおそれがある。このため、通水性材料111の開孔径は、通常、1mm以下に設定される。通水性材料111の開孔径は、500μm以下であると好ましく、300μm以下であるとより好ましく、200μm以下であるとさらに好ましい。本実施態様の放射性水溶液製造装置100において、通水性材料111は、開孔径が60μmの2枚の通水性シートと、開孔径が50μmの1枚の通水性シートとを重ねたものとなっている。
(3) 攪拌板
本実施態様の放射性水溶液製造装置100において、内槽110の内周部には、図2〜図4に示すように、基材を攪拌するための攪拌板112を複数設けている。複数の攪拌板112は、図3と図4に示すように、所定間隔で内槽110の中心軸Lと平行な方向に並べられており、中心軸Lと平行な複数の攪拌板列を形成している。それぞれの攪拌板112は、図4に示すように、内槽110の中心軸Lに対して傾斜して設けられている。各攪拌板列は、図2と図3に示すように、内槽110の中心軸Lに対して回転対称な位置に配されており、隣り合う攪拌板列の攪拌板112の向きが交互となるようになっている。このため、内槽110の内部に収容された基材が、内槽110の一端部に偏らないようになっている。
(4) 攪拌板の間隔
攪拌板112の間隔D(図4を参照。)は、攪拌板112の寸法や基材の粒径によっても異なり、特に限定されない。しかし、攪拌板112の間隔Dを狭く設定しすぎると、隣り合う攪拌板112の隙間に基材がつまりやすくなるおそれがある。このため、攪拌板112の間隔Dは、通常、5mm以上に設定される。攪拌板112の間隔Dは、10mm以上であると好ましく、15mm以上であるとより好ましく、20mm以上であるとさらに好ましい。
一方、攪拌板112の間隔Dを広く設定しすぎると、基材の攪拌が不十分になるおそれがある。このため、攪拌板112の間隔Dは、通常、60mm以下に設定される。攪拌板112の間隔Dは、50mm以下であると好ましく、40mm以下であるとより好ましく、30mm以下であるとさらに好ましい。本実施態様の放射性水溶液製造装置100において、攪拌板112の間隔Dは、約22mmに設定されている。
(5) 攪拌板の傾斜角度
内槽110の中心軸Lに対する攪拌板112の傾斜角度θ(図4を参照。)は、0°以上90°以下の範囲で定義され、その大きさは特に限定されない。しかし、攪拌板112の傾斜角度θを小さく設定しすぎると、内槽110の内周面と攪拌板112との間に基材が詰りやすくなるおそれがある。このため、攪拌板112の傾斜角度θは、通常、5°以上に設定される。攪拌板112の傾斜角度θは、10°以上であると好ましく、15°以上であると好ましく、20°以上であるとさらに好ましい。
一方、攪拌板112の傾斜角度θを大きく設定しすぎる(90°に近い値に設定する)と、内槽110の中心軸Lと攪拌板112とが垂直に近づき、攪拌板112で基材を効果的に攪拌できなくなるおそれがある。このため、攪拌板112の傾斜角度θは、通常、80°以下に設定される。攪拌板112の傾斜角度θは、60°以下であると好ましく、50°以下であるとより好ましく、40°以下であるとさらに好ましい。本実施態様の放射性水溶液製造装置100において、攪拌板112の傾斜角度θは30°に設定されている。
1.2 外槽
(1) 外槽の概要
外槽120は、図1に示すように、内槽110を原料水200に浸漬するためのものとなっている。外槽120の素材は、特に限定されないが、本実施態様の放射性水溶液製造装置100においては、ステンレス鋼(SUS304)で形成された外壁と、耐酸性に優れたステンレス鋼(SUS316L)で形成された内壁との隙間に断熱性に優れたグラスウールを充填したものとなっている。外槽120の上部を覆う上蓋124には、多数の通気孔が設けられており、原料水200から立ち上る水蒸気を外槽120の外部へと放出することができるようになっている。外槽120の容量は、内槽110に収容する基材の量などによっても異なり、特に限定されないが、本実施態様の放射性水溶液製造装置100においては、最大で約37L(外槽120の幅が448mm、奥行きが243mm、底面からオーバーフロー孔121までの高さが339mm)の原料水200を貯めることができるものとなっている。
(2) 原料水供給手段
外槽120の上部には、図1に示すように、水道水と薬液とを混合して原料水200を調製するための混合槽125が設けられており、pHが一定の原料水200を調製することができるようになっている。薬液は、薬液ポット160から供給される。混合槽125の下部には、混合槽125で調製された原料水200を外槽120の内部に供給するための原料水供給手段122が設けられている。原料水供給手段122は、原料水200を供給できるものであれば特に限定されないが、本実施態様の放射性水溶液製造装置100においては、原料水200を霧状にして噴射するスプレーノズルを用いている。このため、外槽120の下部に溜まった原料水200に溶出されずに外槽120の上部へと上ってきたラドンなどの壊変生成物を再び原料水200に接触させて、前記壊変生成物をより効率的に溶出させることができるようになっている。
(3) 水位検知手段
外槽120の内部には、原料水200の水位を検知するための水位検知手段123が設けられている。このため、外槽120の内部に貯えられている原料水200が少なくなったり、多くなったりした場合に、警報を出力したり、原料水供給手段122から供給される原料水200の量を調節したりすることができるようになっている。したがって、製造される放射性水溶液の放射能濃度に大きなバラツキが生じないようになっており、放射性水溶液の生体に対する安全性をさらに担保することができるようになっている。
1.3 回転駆動手段
回転駆動手段130は、内槽110を回転駆動するためのものとなっている。回転駆動手段130は、内槽110を回転駆動できるものであれば特に限定されないが、通常、モータが用いられる。この回転駆動手段130は、内槽110を非水平な軸回りに回転駆動するものであってもよいが、本実施態様の放射性水溶液製造装置100においては、図1に示すように、水平に配された内槽110をその中心軸Lを中心に回転駆動するものとなっており、内槽110を水平な軸回りに回転駆動するものとなっている。
1.4 加熱手段
加熱手段140は、原料水200を加熱するためのものとなっている。この加熱手段140は、原料水200を所定の温度まで加熱することができるものであれば特に限定されず、従来周知の種々の加熱器を用いることができる。なかでも、抵抗発熱体を用いた加熱器は、電気エネルギーを高い効率で熱エネルギーに変換できるだけでなく、温度調節も容易であるために好適である。抵抗発熱体としては、鉄−クロム−アルミニウム系合金や、ニッケル−クロム系合金や、タングステンなどが例示される。本実施態様の放射性水溶液製造装置100においては、抵抗発熱体の外部を金属製の鞘(シース)で覆ったシーズヒータを加熱手段140として用いている。
2.0 放射性水溶液製造方法
次に、本発明の放射水溶液製造方法について説明する。以下においては、本発明の放射性水溶液製造方法を、図1に示した放射性水溶液製造装置100を用いた場合について説明するが、本発明の放射性水溶液製造装置100は、この実施態様に限定されるものではない。
2.1 基材
まず、内槽110の内部に基材を収容する。基材の種類は、ウランやトリウムなどの放射性物質を含有する固体状のものであれば特に限定されないが、通常、モナザイト、ゼノタイム、ジルコンなどの放射性鉱物が用いられる。ただし、それから放出される放射線の濃度が370Bq/g以上であると、基材が「放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律」によって取扱いが規制される「放射性同位元素」に該当するようになるために、放射線の濃度が370Bq/g未満のものを使用するとよい。
基材は、塊状の状態で内槽110に収容しても良いが、粒状に破砕した状態で内槽110に収容すると好ましい。これにより、基材と原料水200との接触面積を増大させて、基材に含有される放射性物質の壊変生成物を原料水200により速やかに溶出させることができるようになる。
基材の粒径は、内槽110を形成する通水性材料111を通り抜けない程度に大きければ特に限定されない。しかし、基材の粒径を小さく設定しすぎると、基材を内槽110で保持するためには、通水性材料111の開孔径を非常に小さく設定しなければならなくなり、通水性材料111が目詰まりしやすくなるおそれがあるばかりか、内槽110の内部の原料水と内槽110の外部の原料水とが交換しにくくなるおそれもある。このため、基材の粒径は、通常、10μm以上に設定される。基材の粒径は、50μm以上であると好ましく、80μm以上であるとより好ましく、100μm以上であるとさらに好ましい。
一方、基材の粒径を大きく設定しすぎると、基材と原料水との接触面積を広く確保することができなくなり、基材に含有される放射性物質の壊変生成物が原料水に溶出しにくくなるおそれがある。このため、基材の粒径の最小粒径は、通常、10mm以下に設定される。基材の粒径は、5mm以下であると好ましく、1mm以下であるとより好ましく、500μm以下であるとさらに好ましい。
本実施態様の放射性水溶液製造方法においては、オーストリアのザルツブルグ州バドガシュタインで産出されるバドガシュタイン鉱石(ラジウムを僅かに含有し、ラドンを散逸する鉱石)を粒径120〜300μmの粒状に破砕したものを基材として用いている。このバドガシュタイン鉱石は、放射能泉の効能として知られているホルミシス効果(低線量の放射線によって生体にもたらされる有益な効果)を奏することのできる適量の放射線をもたらすだけでなく、入手が容易であるために、本発明の放射性水溶液製造方法に好適に用いることができるものとなっている。
参考までに、本実施態様の放射性水溶液製造方法で基材として用いたバドガシュタイン鉱石の成分を下記表1に示す。ただし、下記表1の結果は、まず、バドガシュタイン鉱石の定性分析を高周波誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP−AES)により行い、該定性分析によって検出された14個の各元素についてそれぞれ定量分析を行うことによって得たものである。各元素の定量分析は、Siについては重量法によって、NaとKについては原子吸光光度法によって、その他の元素については高周波誘導結合プラズマ発光分光分析法によって行った。
Figure 0004868495
また、本実施態様の放射性水溶液製造方法で基材として用いたバドガシュタイン鉱石の放射能濃度を下記表2に示す。ただし、下記表2の結果は、粒径が120〜140μmに設定された100gのバドガシュタイン鉱石について得られたものである。放射能濃度の測定は、高純度ゲルマニウム検出器(HPGe検出器)を用いてγ線を測定することによって行った。
Figure 0004868495
内槽110に収容する基材の量は、得られる放射性水溶液の所望の放射能濃度などによっても異なり、特に限定されないが、本実施態様の放射性水溶液製造方法においては、2000gの基材を内槽110に収容している。内槽110に基材を収容し終えると、内槽110を外槽120の内部に収容して回転駆動手段130に接続する。
2.2 原料水
続いて、外槽120の内部に原料水200を供給し、内槽110を原料水200に浸漬させる。原料水200の種類は、得られる放射性水溶液の用途などによっても異なり、特に限定されないが、基材と接触する前におけるpHが7未満の酸性水であると好ましい。これにより、基材に含有される放射性物質の壊変生成物を原料水200により速やかに溶出させることが可能になる。
得られる放射性水溶液を温浴水として利用する場合には、基材と接触する前における原料水200のpHは1〜5であるとより好ましく、2〜4であるとさらに好ましい。本実施態様の放射性水溶液製造方法においては、基材と接触する前におけるpHが3の酸性水を原料水200として用いている。ただし、基材と所定時間接触させた後における原料水200のpHが低くなりすぎると、原料水200が肌や粘膜などを強く刺激するようになり、温浴水として利用しにくくなる。このため、基材と所定時間接触させた後における原料水200ができるだけ中和するように、原料水200の量や、基材の量や、攪拌時間などを調整しておくと好ましい。
外槽110に貯める原料水200の量は、内槽110に収容した基材の量などによっても異なり、特に限定されない。本実施態様の放射性水溶液製造方法においては、外槽120に貯められる原料水200の量が25Lとなるように設定されている。また、外槽120に貯められた原料水200の上面と上蓋124との間には、空気層が設けられており、上蓋124に設けられた通気孔から放出される水蒸気の温度を所望の温度まで下げることができるようになっている。本実施態様の放射性水溶液製造方法においては、前記空気層の高さを415mmに設定しており、上蓋124の通気孔からは、45℃前後にまで冷却された水蒸気が放出されるようになっている。
2.3 加熱
原料水200が外槽110の内部に所定量貯まると、加熱手段140を駆動し、外槽120に貯められた原料水200を所定温度(Tとする。)まで加熱する。温度Tは、基材の種類などによっても異なり、とくに限定されない。しかし、温度Tが低すぎると、基材から前記壊変生成物が速やかに溶出しにくくなるおそれがある。このため、温度Tは、通常、35℃以上に設定される。温度Tは、50℃以上であると好ましく、60℃以上であるとより好ましく、70℃以上であるとさらに好ましい。本実施態様の放射性水溶液製造方法において、温度Tは、80℃に設定されている。
2.4 攪拌
原料水200を所定温度Tまで加熱すると、回転駆動手段130を起動して内槽110を回転駆動し、内槽110に収容された基材を攪拌する。内槽110の回転速度は、内槽110に収容する基材の量などによって異なり、特に限定されない。しかし、内槽110の回転速度を遅く設定しすぎると、基材を効果的に攪拌できなくなるおそれがある。このため、内槽110の回転速度は、通常、20rpm以上に設定される。内槽110の回転速度は、30rpm以上であると好ましく、35rpm以上であるとより好ましく、40rpm以上であるとさらに好ましい。
一方、内槽110の回転速度を早く設定しすぎると、内槽110に収容された基材が内槽110の内周部近傍に偏ったり、通水性材料で形成された部分から内槽110の外部に抜け出たりするおそれがある。このため、内槽110の回転速度は、通常、120rpm以下に設定される。内槽110の回転速度は、90rpm以下であると好ましく、75rpm以下であるとより好ましく、60rpm以下であるとさらに好ましい。本実施態様の放射性水溶液製造方法において、内槽110の回転速度は、45rpmに設定されている。
基材の攪拌時間は、内槽110の回転速度などによっても異なり、特に限定されない。しかし、基材の攪拌時間を短く設定しすぎると、基材から前記壊変生成物を十分に溶出させることができなくなるおそれがある。このため、基材の攪拌時間は、通常、60分以上に設定される。基材の攪拌時間は、120分以上であると好ましく、180分以上であるとより好ましく、210分以上であるとさらに好ましい。本実施態様の放射性水溶液製造方法において、攪拌時間は、240分に設定されている。
2.5 用途
以上の放射性水溶液製造方法で製造された放射性水溶液は、各種用途に供することができる。なかでも、温浴水として利用すると好適である。この場合、得られた温浴水(放射性水溶液)は、液体のまま浴槽に貯めて使用してもよいが、気化させて(スチーム風呂の水蒸気として)使用すると好ましい。これにより、温浴水に含まれるラドンなどの壊変生成物を呼吸器粘膜から体内に吸収させ、前記壊変生成物をより効率的に体内に摂取することができるようになる。したがって、より優れたホルミシス効果を期待することもできる。
本発明の放射性水溶液製造装置を示した説明図である。 本発明の放射性水溶液製造装置における内槽をその中心軸Lに垂直な面で切断した状態を示した断面図である。 本発明の放射性水溶液製造装置における内槽をその中心軸Lを含む平面で分割した状態を示した斜視図である。 本発明の放射性水溶液製造装置における一の攪拌板列を各攪拌板の先端側から見た状態を示した図である。
符号の説明
100 放射性水溶液製造装置
110 内槽
111 通水性材料
112 攪拌板
120 外槽
121 オーバーフロー孔
122 原料水供給手段
123 水位検知手段
124 上蓋
125 混合槽
130 回転駆動手段
140 加熱手段
150 ポンプ
160 薬液ポット
200 原料水

Claims (8)

  1. 放射性物質を含有する基材を収容するための内槽と、内槽を原料水に浸漬するための外槽とを備え、内槽が通水性材料で形成され、前記放射性物質の壊変生成物を前記原料水に溶出させることによって放射性水溶液を得る放射性水溶液製造装置であって、内槽を回転駆動するための回転駆動手段を設けたことを特徴とする放射性水溶液製造装置。
  2. 基材を攪拌するための攪拌板を内槽の内周部に設けた請求項1記載の放射性水溶液製造装置。
  3. 攪拌板を内槽の中心軸に対して傾斜させた請求項2記載の放射性水溶液製造装置。
  4. 複数の攪拌板を所定間隔で内槽の中心軸方向に並べた請求項2又は3記載の放射性水溶液製造装置。
  5. 前記原料水を加熱するための加熱手段を設けた請求項1〜4いずれか記載の放射性水溶液製造装置。
  6. 前記通水性材料の開孔径を1mm以下に設定した請求項1〜5いずれか記載の放射性溶液製造装置。
  7. 放射性物質を含有する基材を通水性材料で形成された内槽に収容し、外槽に貯めた原料水に内槽を浸漬し、前記放射性物質の壊変生成物を前記原料水に溶出させることによって放射性水溶液を得る放射性水溶液製造方法であって、内槽を回転させながら前記壊変生成物を溶出させることを特徴とする放射性水溶液製造方法。
  8. 基材の粒径を10mm以下に設定した請求項7記載の放射性水溶液製造方法。
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