しかし、上述した特許文献1で開示される従来の洗浄装置(突起状物の洗浄装置)は、次のような解決すべき課題が存在した。
第一に、全体の構成は小型化するため、携帯性を確保できる利点はあるものの、繋留式牛舎のように多数の乳牛に対して使用する場合には、頻繁に洗浄液の追加作業が必要になるなど、無用な工数が増え、全体の作業能率の低下を招く難点があるとともに、作業者にとっては、取扱上大変な労力を強いられ、装置全体の使い勝手、更には利便性及び実用性において改善すべき余地がある。
第二に、乳頭の根元部位の洗浄が不十分になりやすい。このため、搾乳時にティートカップライナに汚れが付着し、牛乳の衛生的生産や乳質低下防止、更には乳房炎等の防止を十分に図れないとともに、汚れが残存しやすいことから洗浄後の確認作業や手作業による追加洗浄などが必要になり、作業性の低下や作業能率の低下を招く。しかも、乳頭の根元部位が汚れていた場合、洗浄は手作業に頼らざるを得ないため、牛体に不必要な負担をかけたり、或いは洗浄時間が必要以上に長くなってしまうなどの弊害を招きやすい。また、乳頭にゴミ(稲藁,おがこ,籾殻,糞等)が付着していた場合、洗浄ブラシにそのゴミが付着しやすい。このため、洗浄能力の低下を来しやすいとともに、洗浄ブラシに付着したゴミの頻繁な除去作業を強いられる。
本発明は、このような背景技術に存在する課題を解決した乳頭洗浄装置の提供を目的とするものである。
本発明は、上述した課題を解決するため、乳頭Cmを挿入口2iから内部に挿入可能なブラシカップ部2,このブラシカップ部2に挿入した乳頭Cmを洗浄するブラシ機構部3,このブラシ機構部3を回転させる回転駆動部4及びブラシカップ部2の内部に洗浄液Lを噴射する噴射部を備える洗浄ユニットU1と、少なくとも、洗浄ユニットU1に対して洗浄液Lを供給する洗浄液供給手段6及び電力を供給する電力供給手段7を有する本体部U2とを備える乳頭洗浄装置1を構成するに際して、洗浄ユニットU1及び本体部U2を搭載して移動可能な台車部11を備えるとともに、洗浄ユニットU1に、挿入口2iに配してブラシ機構部3と一体に回転し、かつ上面に洗浄部22wを有するとともに、中央に乳頭Cmが挿通する挿通孔22iを有する円盤状の洗浄部材22,及びこの洗浄部材22の上方に配した上噴射部5aと洗浄部材22の下方に配した下噴射部5bを設け、他方、本体部U2に、洗浄液Lを収容した洗浄液貯留部12と、この洗浄液貯留部12の洗浄液Lを送液ポンプ14により洗浄ユニットU1における少なくとも二つの噴射部5a,5bに供給可能な少なくとも二つの洗浄液供給系統15a,15bを有する洗浄液供給手段6と、洗浄ユニットU1から排出される廃液Lrを吸気ファン17により吸気して回収可能な廃液回収手段18と、洗浄液供給手段6及び廃液回収手段18の動作を制御する動作制御手段19とを備えてなることを特徴とする。
この場合、発明の好適な態様により、洗浄液貯留部12は、台車部11に対して固定又は着脱可能に搭載できる。また、台車部11には、洗浄ユニットU1に対して接続する接続ラインUsの導出位置及び/又は導出方向Xoを変更可能な可動支持機構21を設けることができる。一方、洗浄ユニットU1に洗浄液Lを供給する少なくとも二つの洗浄液チューブ13a,13b及び洗浄ユニットU1から廃液Lrを回収する廃液チューブ16を設け、この廃液チューブ16の内部に洗浄液チューブ13a,13bを挿通させることができる。さらに、洗浄液供給手段6は、送液ポンプ14を上噴射部5aに対して電磁バルブ23を介して接続する第一の洗浄液供給系統15aと、送液ポンプ14を下噴射部5bに対して電磁バルブ23sを介して又は直接接続する第二の洗浄液供給系統15bを備えて構成できる。また、廃液回収手段18には、吸気ファン17の吸気により回収した廃液Lrを一時貯留し、かつ一時貯留した廃液Lrを排液部24を介して外部に排出する廃液貯留部25を設けることができる。なお、動作制御手段19には、充電式のバッテリ26を設けることができる。
このような構成を有する本発明に係る乳頭洗浄装置1によれば、次のような顕著な効果を奏する。
(1) 洗浄ユニットU1及び本体部U2を搭載して移動可能な台車部11を備えるとともに、本体部U2に、洗浄液Lを収容した洗浄液貯留部12と、この洗浄液貯留部12の洗浄液Lを洗浄ユニットU1に供給可能な洗浄液供給手段6とを備えてなるため、特に、繋留式牛舎のように多数の乳牛C…に対して使用する場合であっても、楽に取扱うことができ、洗浄装置1全体の使い勝手、更には利便性及び実用性を高めることができる。しかも、洗浄液Lの頻繁な追加作業などの無用な工数を低減して作業能率の向上を図ることができる。
(2) 洗浄液貯留部12の洗浄液Lを洗浄液チューブ13a…を介して洗浄ユニットU1における二つの噴射部5a…に供給可能な送液ポンプ14を有する二つの洗浄液供給系統15a…を有する洗浄液供給手段6を備えるため、乳頭Cmに対する有効かつ十分な洗浄(清拭)を行うことができる。したがって、ティートカップライナに対する汚れの付着が回避され、牛乳の衛生的生産の確保及び乳質低下防止や乳房炎等の防止に貢献できるとともに、汚れの残存を解消できるため、洗浄後の確認作業や手作業による追加洗浄などが不要にし或いは軽減することができる。
(3) 洗浄ユニットU1には、挿入口2iに配してブラシ機構部3と一体に回転するとともに、上面に洗浄部22wを有し、かつ中央に乳頭Cmが挿通する挿通孔22iを有する円盤状の洗浄部材22と、この洗浄部材22の上方に配した上噴射部5a及び洗浄部材22の下方に配した下噴射部5bを設けたため、乳頭Cmにゴミ(稲藁,おがこ,籾殻,糞等)が付着している場合であっても、ゴミはブラシ機構部3のブラシで掻き取られる前に、洗浄部材22により除去されるとともに、洗浄液Lにより速やかに流されるため、ブラシ機構部3におけるブラシへのゴミの付着を回避できる。これにより、洗浄能力の低下やブラシに付着したゴミの頻繁な除去作業を排除し又は軽減することができるとともに、より少ない量の洗浄液Lにより効率良く清拭できる。また、上面に洗浄部22wを有する専用の洗浄部材22により乳頭Cmにおける根元部位Cmbの洗浄が可能なため、根元部位Cmbに対して洗浄ユニットU1を必要以上の力で押付ける必要が無く、根元部位Cmb側に対して不必要な負担をかけてしまう弊害を回避できるとともに、洗浄時間も不必要に長くなる弊害を回避できる。しかも、洗浄部材22の上方に配した上噴射部5a及び洗浄部材22の下方に配した下噴射部5bを備えるため、少ない洗浄液Lにより乳頭Cmにおける先端部Cmsから根元部位Cmbまで効率良く洗浄できる。
(4) 好適な態様により、洗浄液貯留部12を、台車部11に対して固定又は着脱可能に搭載すれば、特に、固定することにより洗浄液貯留部12を安定に搭載できるとともに、着脱可能にすることにより洗浄液貯留部12に対する洗浄液Lの供給やメンテナンス(清掃)等を容易かつ柔軟に行うことができる。
(5) 好適な態様により、台車部11に、洗浄ユニットU1に対して接続する接続ラインUsの導出位置及び/又は導出方向Xoを変更可能な可動支持機構21を設ければ、使用時において更なる使い勝手の向上及び作業性向上を図ることができる。
(6) 好適な態様により、洗浄ユニットU1に洗浄液Lを供給する少なくとも二つの洗浄液チューブ13a,13b及び洗浄ユニットU1から廃液Lrを回収する廃液チューブ16を設け、この廃液チューブ16の内部に洗浄液チューブ13a,13bを挿通させるようにすれば、洗浄液チューブ13a,13bが複数本の場合であっても見掛上は一本の廃液チューブ16で済むため、煩雑性を回避して外観性を高めることができる。
(7) 好適な態様により、洗浄液供給手段6を構成するに際し、送液ポンプ14を上噴射部5aに対して電磁バルブ23を介して接続する第一の洗浄液供給系統15aと、送液ポンプ14を下噴射部5bに対して直接接続する第二の洗浄液供給系統15bを備えて構成すれば、一方の電磁バルブ23sの使用を省略できるため、構成簡略化と部品数削減によりコストダウンに寄与できる。
(8) 好適な態様により、廃液回収手段18に、吸気ファン17の吸気により回収した廃液Lrを一時貯留し、かつ一時貯留した廃液Lrを排液部24を介して外部に排出する廃液貯留部25を設ければ、廃液Lrを確実に回収し、この後、所定の廃棄場所へ確実に廃棄できる。
(9) 好適な態様により、動作制御手段19に、充電式のバッテリ26を設ければ、電源コンセント等が無く、電源を供給できない場所であっても使用できる。
次に、本発明に係る最良の実施形態を挙げ、図面に基づき詳細に説明する。
まず、本実施形態に係る乳頭洗浄装置1の構成について、図1〜図9を参照して具体的に説明する。
乳頭洗浄装置1は、図1に示すように、大別して、洗浄ユニットU1,本体部U2,洗浄ユニットU1及び本体部U2を搭載した台車部11を備える。本体部U2は、洗浄液貯留部12,本体ユニットUm及び制御ユニットUcを備え、この本体部U2は、洗浄ユニットU1に対して洗浄液Lを供給する洗浄液供給手段6及び電力を供給する電力供給手段7を構成する。また、図3に示すように、洗浄液供給手段6には、二つの洗浄液供給系統15a,15bを備えるとともに、本体部U2には、洗浄ユニットU1から排出される廃液Lrを回収する廃液回収手段18を備える。さらに、制御ユニットUcは、洗浄液供給手段6及び廃液回収手段18の動作を制御する動作制御手段19を構成する。
以下、各部の構成を具体的に説明する。洗浄ユニットU1は、図7〜図9に示すように、基本的な構成として、乳牛C(図13)の乳頭Cmを挿入口2iから内部に挿入可能なブラシカップ部2,このブラシカップ部2に挿入した乳頭Cmを洗浄するブラシ機構部3,このブラシ機構部3を回転させる回転駆動部4及びブラシカップ部2の内部に洗浄液Lを噴射する噴射部、即ち、上噴射部5a及び下噴射部5bを備える。ブラシカップ部2は、全体を円筒形に形成し、上端開口が挿入口2iとなる。したがって、この挿入口2iを通して乳頭Cmをブラシカップ部2の内部に挿入できる。また、ブラシカップ部2は、内周面2fの上部に嵌め入れたリング形の噴射部形成部材31を有する。噴射部形成部材31は、その外周面に、周方向に沿ったリング状の凹溝による上下一対の液通路32a,32bを有するとともに、各液通路32a,32bと内周面間に形成した複数の上噴射孔33a…及び複数の下噴射孔33b…を有する。この場合、各上噴射孔33a…及び下噴射孔33b…は、それぞれ周方向に沿って一定間隔おきに配する。これにより、ブラシカップ部2の上部には、上噴射部5aと下噴射部5bがそれぞれ上下に離間して設けられ、上噴射部5a(上噴射孔33a…)は、後述する洗浄部材22の上方に配されるとともに、下噴射部5b(下噴射孔33b…)は、洗浄部材22の下方に配される。さらに、ブラシカップ部2の外周面には、一対の液路形成部材34a,34bを取付け、液路形成部材34a,34bにより形成される液路Ra,Rbの上端は、ブラシカップ部2に貫通形成した接続孔を介して液通路32a,32bにそれぞれ連通させるとともに、液路Ra,Rbの下端は、ブラシカップ部2の内部に設けた接続口部35a,35bに連通させる。
回転駆動部4は、ケーシング36にブラシモータ(直流モータ)37を内蔵して構成し、ケーシング36の上端面からブラシモータ37のロータシャフト37sが上方に突出する。そして、ケーシング36の上端はブラシカップ部2の下端開口に取付けるとともに、ケーシング36の下面にはコネクタ38を取付ける。また、ケーシング36には、ブラシカップ部2の内部に連通する排液口部39を一体に形成する。
ブラシ機構部3は、ブラシカップ部2に挿入した乳頭Cmの周面部Cmfを洗浄(清拭)する第一洗浄ブラシ部3aと乳頭Cmの先端部Cmsを洗浄(清拭)する第二洗浄ブラシ部3bを備える。第一洗浄ブラシ部3aは、図8及び図9に示すように、刷毛状に形成した三つの洗浄ブラシ3ax,3ay,3azを備え、各洗浄ブラシ3ax…は一端(上端)を連結リング41の下面に固定する。これにより、各洗浄ブラシ3ax…は、連結リング41に沿って120〔゜〕間隔で配され、連結リング41から吊下げられるとともに、各洗浄ブラシ3ax…におけるブラシ先端は、連結リング41の中心軸に向けて配される。各洗浄ブラシ3ax…におけるブラシ材質は、乳頭Cmを傷付けることのない軟質合成樹脂素材を利用できるとともに、各洗浄ブラシ3ax…の上下方向の寸法及びブラシ長などは、乳頭Cmの長さ(大きさ)を考慮して選定し、特に、ブラシ密度はゴミが付着(残存)しにくい密度を選定する。
第二洗浄ブラシ部3bは、硬度の低いシリコンゴムによりスター状に形成し、中央に乳頭Cmの先端部Cmsにおける先端面に当接する先端面洗浄ブラシ3bcと、この先端面洗浄ブラシ3bcを中心にして120〔゜〕間隔で放射方向三方向に延出し、乳頭Cmの先端部Cmsにおける先端面から周面に至る境曲面に当接する三つの境曲面洗浄ブラシ3bx,3by,3bzを備える。この場合、先端面洗浄ブラシ3bcは、多数の円柱突起部43…を有する。円柱突起部43…は、上端にエッジ部が形成されるため、乳頭Cm上の汚れを掻き取ることができ、特に、乳頭Cmの先端部Cmsにおける凹部を含む様々な形状に対する洗浄を行うことができる。各境曲面洗浄ブラシ3bx…は、複数の切り溝を入れた二枚のシートを組み合わせた形成に形成する。第二洗浄ブラシ部3bは、ベース部45により支持する。これにより、各境曲面洗浄ブラシ3bx…は先端面洗浄ブラシ3bcに対して直角に起立する。
また、ブラシ機構部3は、第一洗浄ブラシ部3a及び第二洗浄ブラシ部3bを支持するカップ状をなすブラシホルダ47を備え、このブラシホルダ47の底面部下面は、回転駆動部4におけるロータシャフト37sに結合する。第一洗浄ブラシ部3aは、ブラシホルダ47に対して上から装着する。この場合、ブラシホルダ47には、上端から切込状のスリット部47s…を形成し、このスリット部47s…に第一洗浄ブラシ部3aにおける各洗浄ブラシ3ax…を嵌合させる。これにより、各洗浄ブラシ3ax…は、ブラシホルダ37の周面に固定される。第二洗浄ブラシ部3bは、ブラシホルダ47の内部に収容する。そして、三つのスプリング48…により第二洗浄ブラシ部3bを上方に付勢するとともに、ブラシホルダ47に形成したガイドスリットより第二洗浄ブラシ部3bを昇降自在に支持する。このようなブラシ機構部3の構成により、各洗浄ブラシ3ax…と各境曲面洗浄ブラシ3bx…は、図8に示すように、周方向に沿って60〔゜〕間隔で交互に配される。このような構成により、異なる長さの乳頭Cmに対しても先端部Cmsの洗浄を常にムラ無く良好に行うことができる。
さらに、ブラシホルダ47の上端に位置する連結リング41の上面には、洗浄部材22を取付ける。洗浄部材22は、円盤状に形成し、中央に乳頭Cmが挿通する挿通孔22iを有する。この際、挿通孔22iは、乳頭Cmを挿入した際に、乳頭Cm間に無用な隙間が生じないようにその内径を選定する。洗浄部材22の上面には、洗浄部22w、具体的には、上面から上方に突出する複数のフィン状部22wf…を有する洗浄部22wを設ける。この場合、各フィン状部22wf…は放射方向に形成するとともに、周方向に沿って一定間隔おきに配する。洗浄部材22はシリコンゴムにより一体成形する。なお、使用するシリコンゴムの硬度は、第二洗浄ブラシ部3bに用いたシリコンゴムの硬度よりも高いものを選定する。これにより、洗浄部材22は、ブラシカップ部2の挿入口2iに配され、ブラシ機構部3と一体に回転することにより乳頭Cmにおける根元部位Cmbを洗浄する。このように、洗浄部材22をシリコンゴムにより一体成形すれば、単一部品により容易かつ低コストに実施できるとともに、乳頭Cmに対する保護を図りつつ根元部位Cmbに対する十分な洗浄を行うことができる。また、ブラシカップ部2の外周面には手で持った状態で操作できる運転スイッチ49(図7)を付設する。
このような洗浄ユニットU1の構成により、乳頭Cmにゴミ(稲藁,おがこ,籾殻,糞等)が付着している場合であっても、ゴミはブラシ機構部3のブラシで掻き取られる前に、洗浄部材22により除去されるとともに、洗浄液Lにより速やかに流されるため、ブラシ機構部3におけるブラシへのゴミの付着を回避できる。これにより、洗浄能力の低下やブラシに付着したゴミの頻繁な除去作業を排除し又は軽減することができるとともに、より少ない量の洗浄液Lにより効率良く清拭できる。また、上面に洗浄部22wを有する専用の洗浄部材22により乳頭Cmにおける根元部位Cmbの洗浄が可能なため、根元部位Cmbに対して洗浄ユニットU1を必要以上の力で押付ける必要が無く、根元部位Cmb側に対して不必要な負担をかけてしまう弊害を回避できるとともに、洗浄時間も不必要に長くなる弊害を回避できる。しかも、洗浄部材22の上方に配した上噴射部5a及び洗浄部材22の下方に配した下噴射部5bを備えるため、少ない洗浄液Lにより乳頭Cmにおける先端部Cmsから根元部位Cmbまで効率良く洗浄できる利点がある。
一方、台車部11は、上面が支持面となる台車本体部51と、この台車本体部51の下面に設けた複数の車輪部52…と、台車本体部51の後端から上方に起立し、かつ上端に水平なグリップ部53gを有するハンドル部53を備え、作業者は、一般的な搬送台車と同様にグリップ部53gを手で持ち、任意に移動させることができる。台車本体部51の支持面であって、前側の左端付近には支軸54を介して支持板55の一端寄りを回動可能に取付けるとともに、この支持板55の一端側には、起立した洗浄ユニットホルダ56を備える。
本体ユニットUmは、図5及び図6に示すように、ケーシング61を備える。ケーシング61は、上ケーシング部61uと下ケーシング部61dからなり、上ケーシング部61uと下ケーシング部61dは着脱可能である。この場合、装着時には、一対のロック部材62…によりロックできるとともに、下ケーシング部61dは上端が開放し、上ケーシング部61uの底面部となる仕切プレート部61mが下ケーシング部61dの上端を覆う蓋として機能する。したがって、装着時には、下ケーシング部61dの内部と下ケーシング部61dの内部は、仕切プレート部61mにより仕切られる。
下ケーシング部61dは、洗浄ユニットU1から排出される廃液Lrを一時貯留する廃液貯留部25を構成し、下ケーシング部61dの底面には、回収した廃液Lrを外部に排出する排液部(オートドレン)24を有する。即ち、排液部24には逆止弁24vが付設されており、廃液貯留部25の吸気時には閉じるとともに、吸気解除時には開く。なお、下ケーシング部61dは透明又は半透明材料により形成することが望ましい。
上ケーシング部61uは、上端に、手で持ったりフックに掛けることができる把手部63を有する。また、上ケーシング部61uの一方の端面部には、洗浄ユニットU1側と接続する廃液チューブ接続口64及び第一コネクタ65を配設するとともに、他方の端面部には、制御ユニットUc側と接続する洗浄液チューブ接続口66及び第二コネクタ67を配設する。廃液チューブ接続口64は、図5に示すように、直角に曲がり、内端口64iは仕切プレート部61mを貫通させて下ケーシング部61dの内部に臨ませる。上ケーシング部61uの内部における仕切プレート部61mの上面には、吸気ファン17を設置し、吸気ファン17の吸気口17iは仕切プレート部61mを貫通させて下ケーシング部61dの内部に臨ませるとともに、吸気ファン17の排気口17oは消音用ダクト68の入口に接続する。この消音用ダクト68の出口は、上ケーシング部61uにおける両側の側面部に設けた排気孔61uo…(図1)を介して外部に臨ませる。これにより、洗浄ユニットU1から排出される廃液Lrを吸気ファン17により吸気して廃液貯留部25に回収する廃液回収手段18が構成される。また、仕切プレート部61mの上面には、開閉バルブとして機能する電磁バルブ23及び23sを設置する。なお、本実施形態では、一方の電磁バルブ23のみを使用し、他方の電磁バルブ23sは使用しない。さらに、廃液チューブ接続口64の近傍における仕切プレート部61mには、一対の継手管69a,69bを取付ける。これにより、継手管69a,69bの上端口は上ケーシング部61uの内部に臨み、かつ下端口は下ケーシング部61dの内部に臨む。
この本体ユニットUmは、台車部11に設けた支持板55の上面に載置して用いる。洗浄ユニットU1は、洗浄ユニットホルダ56に対して着脱し、使用時には、洗浄ユニットホルダ56から離脱するとともに、非使用時には、洗浄ユニットホルダ56により保持される。支持板55は、図2に示すように、支軸54を支点に回動可能であるため、洗浄ユニットU1の使用時に、本体ユニットUmから導出する接続ラインUsの導出位置及び/又は導出方向Xoが変更可能となる可動支持機構21を構成する。図2において、実線で示す支持板55は、接続ラインUsを右方向に導出する導出位置(導出方向)Xoとなり、仮想線で示す支持板55は、接続ラインUsを前方向に導出する導出位置(導出方向)Xoとなる。なお、実線で示す支持板55の位置は、本体ユニットUmを台車部11に格納する格納位置となる。このような可動支持機構21を設ければ、使用時において更なる使い勝手の向上及び作業性向上を図れる利点がある。
他方、台車部11の台車本体部51には洗浄液貯留部12を搭載する。洗浄液貯留部12は、洗浄液Lを収容可能な容器である。したがって、上端は開口し、この開口は、チューブ挿入孔71sを有する開閉式の蓋部71により覆う。例示の洗浄液貯留部12は、台車本体部51に搭載するが、台車本体部51の支持面に載置するため、台車部11に対して着脱可能な洗浄液貯留部12となる。このように、台車部11に対して着脱可能な洗浄液貯留部12を用いれば、洗浄液貯留部12に対する洗浄液Lの供給やメンテナンス(清掃)等を容易かつ柔軟に行うことができる利点がある。なお、洗浄液貯留部12の容積は任意であるが、五十頭前後の乳牛に対して使用可能な洗浄液Lを収容できることが望ましい。
また、台車部11におけるハンドル部53のグリップ部53gと台車本体部51間には、動作制御手段19を構成する制御ユニットUcを配設する。制御ユニットUcはケーシング72を備え、このケーシング72の内部に制御基板73(図3)を配設する。制御基板73は、各種制御を実行するマイクロコンピュータを利用したコントローラ74(図4)を備えるとともに、このコントローラ74にはメモリ74mが付属する。メモリ74mは、少なくとも、各種データを登録するデータ登録機能及びシーケンス制御を行うための制御プログラムを格納するプログラム格納機能を備えている。一方、ケーシング72の前面には、送液ポンプ14を取付けるとともに、電源スイッチ75及び電源ランプ76を配設し、これら送液ポンプ14,電源スイッチ75及び電源ランプ76は、コントローラ74に接続する。さらに、ケーシング72の下面には充電式のバッテリ26を搭載し、コントローラ74に接続する。バッテリ26を搭載することにより、電源コンセント等が無く、電源を供給できない場所であっても使用できる利点がある。また、ケーシング72には、コネクタ77(図3)を配設し、このコネクタ77の内側接続端子はコントローラ74に接続する。
次に、各部の接続系統(接続方法)について、図3(図4)を参照して説明する。まず、洗浄ユニットU1に備えるコネクタ38の内側接続端子には、ブラシモータ37への二本の接続線と運転スイッチ49の二本の接続線を接続する。この場合、運転スイッチ49の接続線は、ケーシング36の下面を貫通させて当該ケーシング36の内部に至らせる。そして、コネクタ38は、接続ケーブル81を介して本体ユニットUm(上ケーシング部61u)における一方の端面部に配した第一コネクタ65に接続するとともに、第一コネクタ65の内側接続端子は、本体ユニットUm(上ケーシング部61u)における他方の端面部に配した第二コネクタ67に中継線を介してそのまま接続する。また、洗浄ユニットU1におけるケーシング36に一体形成した排液口部39は、廃液チューブ16を介して本体ユニットUmの廃液チューブ接続口64に接続する。さらに、図9に示すように、洗浄液チューブ13a,13bは廃液チューブ16の内部に挿通させ、一端となる流出端を、洗浄ユニットU1におけるブラシカップ部2の内部に設けた接続口部35a,35bにそれぞれ接続する。他方、各洗浄液チューブ13a,13bの他端となる流入端は、本体ユニットUmの廃液チューブ接続口64を通して、下ケーシング部61dの内部に至らせ、継手管69a,69bの下端口にそれぞれ接続する。これにより、本体ユニットUmと洗浄ユニットU1は、洗浄液チューブ13a,13bを含む廃液チューブ16と接続ケーブル81を有する接続ラインUsにより接続される。このように、洗浄液チューブ13a,13bを、廃液チューブ16の内部に挿通させれば、洗浄液チューブ13a,13bが複数本の場合であっても見掛上は一本の廃液チューブ16で済むため、煩雑性を回避して外観性を高めることができる利点がある。
一方、本体ユニットUmの内部において、吸気ファン17の二本の接続線及び電磁バルブ23の二本の接続線は、第二コネクタ67の内側接続端子に接続する。また、一方の継手管69aの上端口は、配液チューブ82aを介して電磁バルブ23の流出口23oに接続するとともに、電磁バルブ23の流入口23iは、配液チューブを介して三方継手92(図3)の第一接続端に接続する。さらに、他方の継手管69bの上端口は、配液チューブ82bを介して三方継手92の第二接続端に接続するとともに、三方継手92の第三接続端は、配液チューブを介して洗浄液チューブ接続口66の内端口に接続する。なお、配液チューブとしてY形チューブを用いれば、三方継手92は不要である。
他方、制御ユニットUcに配設した送液ポンプ14の吸入口には、吸入チューブ95の一端を接続し、この吸入チューブ95の他端側は、蓋部71に設けたチューブ挿入孔71sを通して洗浄液貯留部12の内部に差し込む。また、送液ポンプ14の吐出口には、洗浄液チューブ96の一端を接続し、この洗浄液チューブ96の他端は、洗浄液チューブ接続口66の外端口に接続する。さらに、制御ユニットUcに配設したコネクタ77は、接続ケーブル98を介して本体ユニットUmに配設した第二コネクタ67に接続する。したがって、制御ユニットUcと本体ユニットUmは、接続ケーブル98を介して電気系が接続されるとともに、洗浄液チューブ96を介して洗浄液の供給系が接続される。
次に、本実施形態に係る乳頭洗浄装置1の使用方法及び動作について、図1〜図9を参照しつつ図10〜図13に基づき説明する。
乳頭洗浄装置1を使用する際は、洗浄液貯留部12に所定量の洗浄液Lを収容するとともに、バッテリ26の充電を行う。この後、作業者は、乳頭洗浄装置1を手で押し、牛舎内、特に、乳頭洗浄装置1を用いて好適な繋留牛舎内における任意の使用場所まで移動させる。そして、作業者は、洗浄ユニットU1を手で持ち、図13に示すように、ブラシカップ部2の挿入口2iに乳牛Cの乳頭Cmを挿入させる。なお、洗浄ユニットU1における第二洗浄ブラシ部3bは、スプリング38…により上方に付勢されるため、乳頭Cmが未挿入のときは、図9に示す最上昇位置にあるが、乳頭Cmが挿入されれば、図11に示すように、下降変位する。
一方、洗浄は、予備洗浄と主洗浄からなる。図10に、予備洗浄及び主洗浄を行う際に利用するシーケンス制御パターンのタイミングチャートを示す。最初に予備洗浄を行う。予備洗浄は、主洗浄を行う前に各乳頭Cm…を洗浄液Lで濡らすことにより主洗浄において汚れをより落とし易くする目的で行う。
まず、作業者は、洗浄ユニットU1を手で持った状態で運転スイッチ49を押してONにする。この場合、運転スイッチ49を押している間だけONになり、運転スイッチ49のONに対応して、送液ポンプ14,電磁バルブ23,ブラシモータ37及び吸気ファン17がONになる。送液ポンプ14及び電磁バルブ23のONにより、洗浄液貯留部12内の洗浄液Lは、二つの洗浄液供給系統15a,15b、即ち、洗浄液チューブ13a及び13bを介して上噴射部5a及び下噴射部5bにそれぞれ供給される。そして、図11に示すように、洗浄液Lは、上噴射孔33a…から洗浄部材22の上方に噴射されるとともに、下噴射孔33b…から洗浄部材22の下方に噴射される。また、バッテリ26,コントローラ74,接続ケーブル98及び接続ケーブル81を介してブラシモータ37に給電が行われ、ブラシモータ37は、正転と逆転を交互に繰り返す(図11中、矢印Fpn方向)。図10中、Tsが正転(又は逆転)時間、Tiが正転と逆転間におけるブラシモータ37の僅かな停止時間をそれぞれ示す。なお、正転/逆転の各時間は、0.4〜0.8〔秒〕程度に設定できる。ブラシモータ37の回転により、第一洗浄ブラシ部3a,第二洗浄ブラシ部3b及び洗浄部材22が一体に回転し、乳頭Cmに対する予備洗浄が行われる。さらに、吸気ファン17のONにより、廃液貯留部25及び廃液チューブ16内が吸気されるため、ブラシカップ部2の内部における使用後の洗浄液L、即ち、廃液Lrは、廃液チューブ16を介して本体ユニットUmにおける廃液貯留部25に回収され、かつ一時貯留される。この際、廃液貯留部25の内部は吸気されているため、排液部24は逆止弁24vにより閉じている。
そして、作業者は、適当な時間を見計らって、運転スイッチ49を押すのを解除(OFF)する。なお、図10中、Taは運転スイッチ49のON時間を示している。予備洗浄は、乳頭Cmを洗浄液Lで濡らすことを目的とするため、時間Taとしては、数〔秒〕程度の僅かな時間で足りる。時間Taについては、最大時間Tamが設定されており、この最大時間Tamを越えた場合には、後述する主洗浄における制御パターンとなる。運転スイッチ49がOFFになることにより、送液ポンプ14,電磁バルブ23及びブラシモータ37もそれぞれOFFになる。しかし、運転スイッチ49がOFFになっても、吸気ファン17は時間Tb、例えば、数〔秒〕程度経過してOFFになる。これにより、廃液貯留部25の内部の吸気が解除されるため、排液部24の逆止弁24vが開き、廃液貯留部25内の廃液Lは、排液部24から外部に排出される。なお、乳頭洗浄装置1は、通常、牛舎内の通路等に止められるため、廃液Lは、排液部24からそのまま外部へ排出してもよいし、必要により排液部24に排出用チューブを接続し、牛舎内の通路等に沿って設けられる排水路等に導いてもよい。このように、廃液回収手段18に、廃液チューブ16に接続するとともに、吸気ファン17により負圧となり、かつ回収した廃液Lrを外部に排出する排液部24を有する廃液貯留部25を設ければ、廃液Lrを確実に回収し、この後、所定の廃棄場所へ確実に廃棄できる利点がある。以上により、一つの乳頭Cmの予備洗浄が終了する。同様の予備洗浄を他の三つの乳頭Cm…に対しても順次同様に行う。
予備洗浄が終了したなら、次いで、主洗浄を行う。主洗浄でも基本的な操作は予備洗浄と同じであるが、作業者は、乳頭Cmの汚れ度合等を考慮して、運転スイッチ49を押す時間(ON時間)を任意に変えることができる。まず、洗浄ユニットU1に乳頭Cmを挿入する。そして、運転スイッチ49を押してONにする。運転スイッチ49のONにより、送液ポンプ14,電磁バルブ23,ブラシモータ37及び吸気ファン17がONになる。したがって、予備洗浄の場合と同様に、洗浄液貯留部12内の洗浄液Lは、洗浄液チューブ13a,13bを介して上噴射部5a及び下噴射部5bに供給される。そして、図11に示すように、洗浄液Lは、上噴射孔33u…から洗浄部材22の上方に噴射されるとともに、下噴射孔33d…から洗浄部材22の下方に噴射される。また、ブラシモータ37は、正転と逆転を交互に繰り返す(図11中、矢印Fpn方向)。ブラシモータ37の回転により、第一洗浄ブラシ部3a,第二洗浄ブラシ部3b及び洗浄部材22が一体に回転し、乳頭Cmに対する主洗浄が行われる。
この場合、第一洗浄ブラシ部3aは、刷毛状の洗浄ブラシ3ax…により乳頭Cmの周面部Cmfに対する洗浄を行う。また、第二洗浄ブラシ部3bは、境曲面洗浄ブラシ3bx…により乳頭Cmの先端部Cmsにおける境曲面部位の洗浄を行うとともに、先端面洗浄ブラシ3bcにより乳頭Cmの先端部Cmsにおける先端面部位の洗浄を行う。この際、境曲面洗浄ブラシ3bx…は、シート状のため、ゴミが付着しにくい利点があるとともに、先端面洗浄ブラシ3bcは、円柱突起部43…を用いるため、上端のエッジ部により乳頭Cm上の汚れを掻き取ることができ、特に、乳頭Cmの先端部Cmsにおける凹部を含む様々な形状に対する洗浄を行うことができる利点がある。さらに、洗浄部材22の回転により、洗浄部22w(フィン状部22wf…)による乳頭Cmにおける根元部位Cmbの洗浄が行われ、この洗浄には洗浄部材22の上方に配した上噴射部5aから噴射される洗浄液Lが用いられる。この際、円盤状の洗浄部材22を用いるため、ゴミはブラシ機構部3のブラシで掻き取られる前に、その一部又は全部が洗浄部材22により除去されるとともに、洗浄液Lにより速やかに流される。即ち、根元部位Cmbの洗浄に使用された洗浄液Lは、洗浄水圧及び吸引圧により洗浄部材22の挿通孔22iと乳頭Cm間の隙間から内部に入り、乳頭Cmの周面部Cmfを伝わり先端部Cms側に流される。また、吸気ファン17により、廃液チューブ16内が吸引されるため、ブラシカップ部2の内部における廃液Lrは、廃液チューブ16を介して本体ユニットUmの廃液貯留部25に回収され、かつ一時貯留される。
そして、作業者は、適当な時間を見計らって、運転スイッチ49を押すのを解除(OFF)する。なお、図10中、Tdは運転スイッチ48のON時間を示している。主洗浄は正規の洗浄を行うため、時間Tdは、予備洗浄時の時間Taよりも長くする。例示の場合、時間Tdは時間Taの2倍程度である。なお、時間Tdは最大時間Tamを越えるため、最大時間Tamが経過した時点では、電磁バルブ23が自動でOFFになり、上噴射部5aからの洗浄液Lの噴射が停止する。したがって、最大時間Tamが経過した以降は、乳頭Cmの根元部位Cmbに対する実質的な洗浄が終了し、洗浄部材22は回転するフィン状部22wf…により液切り及び乾燥を開始する。
運転スイッチ49がOFFになることにより、ブラシモータ37の回転は、図10に示すように、正転方向にのみ回転する(図11中、矢印Fp方向)。また、送液ポンプ14はそのままONを継続し、予め設定したTe時間(例えば、数〔秒〕程度)経過後に、送液ポンプ14及びブラシモータ37がOFFになる。したがって、運転スイッチ49をOFFにした後、このTe時間内に、洗浄ユニットU1を乳頭Cmから離脱する。この場合、Te時間内では、回転するフィン状部22wf…により洗浄部材22は送風ファンとして機能するため、Te時間内に、洗浄ユニットU1を乳頭Cmから離脱することにより、乳頭Cmに対して迅速な液切り及び乾燥を行うことができる。特に、このようなファン機能に加え、離脱中に下噴射部5bから洗浄液Lの噴射を継続した場合であっても、乳頭Cmの周面部Cmfの径が洗浄部材22の挿通孔22iより大きい部位は、挿通孔22iにより液切りが行われるとともに、乳頭Cmの周面部Cmfの径が洗浄部材22の挿通孔22iより小さい部位は、挿通孔22iと周面部Cmf間における隙間から空気の高速進入及びブラシ機構部3の正転方向のみの回転により迅速な液切り及び乾燥を行うことができる。図12が離脱時の状態を示している。そして、Te時間経過後、さらに、Tf時間(例えば、数〔秒〕程度)が経過すれば、吸気ファン17が自動でOFFになる。以上により、一つの乳頭Cmの主洗浄が終了する。同様の主洗浄を他の三つの乳頭Cm…に対しても順次行う。これにより、一連の洗浄作業が終了する。
よって、このような本実施形態に係る乳頭洗浄装置1によれば、洗浄ユニットU1及び本体部U2を搭載して移動可能な台車部11を備えるとともに、本体部U2に、洗浄液Lを収容した洗浄液貯留部12と、この洗浄液貯留部12の洗浄液Lを洗浄ユニットU1に供給可能な洗浄液供給手段6とを備えてなるため、特に、繋留式牛舎のように多数の乳牛C…に対して使用する場合であっても、楽に取扱うことができ、洗浄装置1全体の使い勝手、更には利便性及び実用性を高めることができる。しかも、洗浄液Lの頻繁な追加作業などの無用な工数を低減して作業能率の向上を図ることができる。また、洗浄液貯留部12の洗浄液Lを洗浄液チューブ13a…を介して洗浄ユニットU1における二つの噴射部5a…に供給可能な送液ポンプ14を有する二つの洗浄液供給系統15a…を有する洗浄液供給手段6を備えるため、乳頭Cmに対する有効かつ十分な洗浄(清拭)を行うことができる。したがって、ティートカップライナに対する汚れの付着が回避され、牛乳の衛生的生産の確保及び乳質低下防止や乳房炎等の防止に貢献できるとともに、汚れの残存を解消できるため、洗浄後の確認作業や手作業による追加洗浄などが不要にし或いは軽減することができる。
他方、図14には、本発明の変更実施形態に係る乳頭洗浄装置1を示す。図14に示す乳頭洗浄装置1は、図1〜図9に示した乳頭洗浄装置1に対して、台車部11,洗浄液貯留部12及び制御ユニットUcを形状的(デザイン的)に一体化構成したものであり、特に、洗浄液貯留部12は台車部11に対して固定した構成となる。したがって、台車部11に対して洗浄液貯留部12を安定に搭載できる利点がある。また、可動支持機構21を、台車部11に対して後端が回動可能に支持されたコの字形の第一アーム部101と、この第一アーム部101の先端に後端を回動可能に結合したコの字形の第二アーム部102と、この第二アーム部102の先端に固定したフック部103により構成した。これにより、フック部103に、本体ユニットUmに設けた把手部63を掛けて吊り下げることができる。なお、104は浄液貯留部12のキャップを示す。その他、図14において、図1〜図9と同一部分(同一機能部分)には、同一符号を付して、その構成を明確にした。
以上、各種実施形態について詳細に説明したが、本発明は、このような実施形態に限定されるものではなく、細部の構成,形状,数量,数値等において、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更,追加,削除することができる。例えば、台車部11は手動で移動させるタイプを例示したが、動力(電動モータ等)により移動するタイプを排除するものではない。また、牛舎等の所要位置に電源コンセントがあるような場合には、バッテリ26の代わりに、電源プラグを有する直流電源部を搭載することができる。一方、例示の乳頭洗浄装置1は、送液ポンプ14と下噴射部5bを直接接続して洗浄液供給系統15bを構成した場合を示したが、洗浄液供給系統15a側と同様に、送液ポンプ14と下噴射部5bを電磁バルブ23sを介して接続してもよい。送液ポンプ14と下噴射部5bを直接接続して洗浄液供給系統15bを構成すれば、一方の電磁バルブ23sの使用を省略できるため、構成簡略化と部品数削減によりコストダウンに寄与できる利点があるが、送液ポンプ14と下噴射部5bを電磁バルブ23sを介して接続すれば、洗浄液供給系統15a及び洗浄液供給系統15bに対して、より柔軟かつ多様な制御を行うことができる。特に、この場合、洗浄液供給系統15aと洗浄液供給系統15bに対してそれぞれ別々の洗浄液貯留部12,12を接続し、各洗浄液貯留部12,12に対して異なる洗浄液L,L、例えば、一方の洗浄液貯留部12に通常の洗浄溶液を収容し、他方の洗浄液貯留部12に消毒液或いは純水を収容することもできる。さらに、電磁バルブ23,23sは開閉バルブとして機能する場合を例示したが、必要により開度量が可変する制御バルブとして機能させてもよい。その他、洗浄部22wは、洗浄部材22の上面から上方に突出するフィン状部22wf…により構成した場合を示したが、刷毛状に構成した洗浄部22wを排除するものではない。また、ブラシ機構部3は、乳頭Cmの周面部Cmfを洗浄する第一洗浄ブラシ部3aと乳頭Cmの先端部Cmsを洗浄する第二洗浄ブラシ部3bにより構成した場合を示したが、第一洗浄ブラシ部3aと第二洗浄ブラシ部3bは一体に構成してもよい。なお、本発明における乳頭洗浄装置とは乳頭清拭装置を含む概念である。
1:乳頭洗浄装置,2:ブラシカップ部,2i:挿入口,3:ブラシ機構部,4:回転駆動部,5a:噴射部(上噴射部),5b:噴射部(下噴射部),6:洗浄液供給手段,7:電力供給手段,11:台車部,12:洗浄液貯留部,13a:洗浄液チューブ,13b:洗浄液チューブ,14:送液ポンプ,15a:洗浄液供給系統,15b:洗浄液供給系統,16:廃液チューブ,17:吸気ファン,18:廃液回収手段,19:動作制御手段,21:可動支持機構,22:洗浄部材,22w:洗浄部,22i:挿通孔,23:電磁バルブ,23s:電磁バルブ,24:排液部,25:廃液貯留部,26:バッテリ,Cm:乳頭,L:洗浄液,Lr:廃液,U1:洗浄ユニット,U2:本体部,Us:接続ライン,Xo:導出位置及び/又は導出方向