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JP4876145B2 - ガラスびん - Google Patents
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Description

本発明は、びん底の外周縁に沿って複数個のナーリング(突条)が周方向に並列して施されているガラスびんに関する。
ガラスびんの底面には通常ナーリングと呼ばれる突条が形成されている。これは、主に、成形直後のガラスびんがコンベア上に置かれるときのサーマルショックやその後の工程での機械的衝撃によって発生する欠点(微小なクラック)を少なくするためである。すなわち、コンベア面にはナーリングが接触し、接触面積が小さくなるので、欠点の発生が少なくなる。
ナーリングには種々の形状があるが、ほとんどは底面の外周部に所定間隔で放射状(半径方向又は半径方向からやや傾いた方向)に並列して形成したものである(図4,5)。
このようなナーリングは、例えば下記特許文献1に記載されている。
また、ガラスびんは、液体の内容物(飲料、調味料など)を充填して流通する場合、ウォータハンマ現象により破壊するおそれがある。これは、例えばガラスびんを詰めたカートンの移動に際してカートンを下方に降ろすとき、ガラスびんが急激に下降すると内溶液は慣性で留まるからびん底部が負圧になって真空泡が発生し、その後内溶液が急激に落下して底部に衝突し、その衝撃でびんが破壊するものである。
このようなウォータハンマの衝撃に強いびん形状が下記特許文献2に記載されている。
特開2006−264715号公報 特許第3644215号公報
図8の破線は、裾部の曲率半径R5のびん5本体(ナーリング以外の部分)形状とナーリング51形状(いずれも半径方向縦断面における外郭線)を重ね合わせたもの、実線は裾部の曲率半径をR1に大きくした場合のびん4本体形状とナーリング41形状である。
ナーリング51は曲率半径R5(曲率中心O5)の曲線部分に、ナーリング41は曲率半径R1(曲率中心O1)の曲線部分に形成されている。
裾部の曲率半径R5の場合、A5はびん本体の最下部、B5はナーリングの最下部であり、A5及びB5からびん中心までの距離(半径)aは等しくなっている。
裾部の曲率半径R1の場合、A4はびん本体の最下部、B4はナーリングの最下部であり、A4及びB4からびん中心までの距離(半径)bは等しくなっている。
このように、従前は、ナーリング最下部とびん本体最下部の半径方向の位置は等しくなるように設計されていた。
図8に明らかなように、裾部の曲率半径を大きくすると、ナーリング最下部位置の半径(接地半径)が小さくなる(b<a)。
図5は、左側に外径に対して比較的背の高い(縦横比の大きな)びん、右側に比較的背の低いびんを示している。転倒角度は、びんを徐々に傾けていって転倒し始めるときの垂直線に対するびん軸線の角度で、転倒角度が小さいとびんが倒れやすくなる。
背の高いびんは倒れやすいので、裾部の曲率半径は比較的小さくして、接地半径がなるべく大きくなり、転倒角度がなるべく大きくなるようにしている。
背の高いびんとして、外径52mm、高さ約151mmの或るびん、背の低いびんとして外径58mm、高さ120mmの或るびんを例にとる。
背の高いびんは、裾部の曲率半径が5mmで転倒角度は17°である。
背の低いびんは、裾部の曲率半径が7mmで転倒角度は21°である。
ウォータハンマに対する強度は、一般的に、びん裾部曲面の縦断面における曲率半径を大きくすることで大きくすることができる。裾部の曲率半径が小さいと、ウォータハンマの衝撃で内面に発生する微細な傷が、ウォータハンマで大きな応力が発生する個所に多くできる。ガラスびんは、微細な傷により大幅に強度が弱くなる。さらに、裾部の曲率半径が小さいと、ウォータハンマで発生する内部応力自体も大きくなるので、びんは非常に割れやすくなるのである。
背の高いびんは、裾部の曲率半径が小さいので、ウォータハンマ現象が起きたときに傷が多くでき、大きな内部応力が発生して、破壊されやすくなる。
仮に、背の高いびんの裾部の曲率半径を5mmから6mmに大きくすると、裾部ないし底部のガラス肉厚が0.3mm厚くなり発生する内部応力が小さくなると共に、傷が減少して割れにくくなる。
ウォータハンマ現象で、内溶液の動圧2MPaがかかったときの最大発生応力を計算すると、裾部の曲率半径5mmの場合114.4MPaで、裾部の曲率半径6mmの場合92.1MPaとなる。最大発生応力は100MPaよりも大きいとウォータハンマ破壊の危険性が大きいとされているので、裾部の曲率半径5mmの場合はウォータハンマ破壊の危険性が高く、6mmの場合は危険性が低い。
ところが、図8のようにして、裾部の曲率半径を大きくすると、ナーリング最下部位置の半径bが小さくなるので、転倒角度が17°から15.5°に小さくなってしまい、生産ラインや充填ライン上でのびんの転倒が多くなり、実用的ではないという問題がある。
そこで、本発明者らは、ナーリングの最下部を、びん本体(ナーリングが形成されていない部分)のびん底最下部よりも半径方向外側に位置させることを考案した。
ナーリングの最下部がびん本体の最下部よりも外側にあるので、裾部の曲率半径を大きくしてびん本体最下部が内側に移動しても、ナーリングの最下部は従前のままとし、転倒角度が小さくなるのを防ぐことができる。
図6は、ナーリングの最下部を、びん本体の最下部よりも半径方向外側に位置させたガラスびん3の例である。
図6において、実線は、ガラスびん3の裾部付近の本体形状(曲率半径R1)とナーリング形状の外郭線(半径方向断面)を示している。太い破線は、従来のガラスびん5の本体形状(曲率半径R5)を示している。
従来のガラスびん5は、外径52mm、高さ約151mmの丸びんで、裾部の曲率半径R5は5mmである。びん本体(ナーリング以外の部分)の最下部A5、及びナーリング51の最下部B5(図8)は、いずれも裾部の円弧曲線の中心O5の真下に位置し、これはびんの軸心からa=20.85mm外側である。したがって、びんの接地半径は20.85mmであり、転倒角度は約17°である。
ガラスびん3は、従来のガラスびん5の裾部の曲率半径R5=5mmをR1=6mmに大きくしたものである。びん本体の最下部A3は、裾部の円弧曲線の中心O1の真下に位置し、これはびんの軸心からb=19.9mm外側である。これは、従来のびん本体の最下部A5よりも0.95mm内側に移動している。
従前の考え方によれば、このようなガラスびんに施すナーリングは、細い破線(符号41)に示すように、その最下部B4が裾部の円弧曲線の中心O1の真下に位置するように設けられる(図8のガラスびん4)。B4はびんの軸心からb=19.9mm外側であるから、びんの接地半径は19.9mmとなり、従来のガラスびん5に比べて接地半径が0.95mm小さくなり、倒れやすくなる(転倒角度15.5°)。
しかし、ガラスびん3のナーリング31は、その最下部(接地部)B3が、従来ガラスびん5の裾部の曲率中心O5の真下(ガラスびん3本体の最下部A3よりも半径方向外側)に設けられているので、接地半径は従来びん5と同じa=20.85mmとなり、転倒角度は約17°で倒れやすくなっていない。
このように、ナーリングの最下部がびん本体の最下部よりも外側にあるガラスびん3は、転倒角度が従来のガラスびんと同じになるのであるが、他の問題点を有していることが判明した。これを図7により説明する。
図7において、実線はガラスびん3の本体形状及びナーリング形状、破線は従来のガラスびん5の本体形状及びナーリング形状を示す。
ガラスびん3のナーリング31の最下部B3は、従来のガラスびん5のナーリング51の最下部B5と中心からの距離(接地半径)が等しいが、ナーリング31の外端はナーリング51の外端よりも外側に張り出し、さらに張出角度θ(ナーリング外端の接線角度)も大きくなっている。
このため、ガラスびん3は、製造ラインや充填ラインにおけるコンベア乗り換えなどの際にナーリング外端がコンベアに接触し、ふらつきを生じやすいことが判明した。したがって、転倒角度は従来のガラスびん5と同じでも、ふらつきを生じやすいことで倒れやすくなるという問題がある。
本発明は、ウォータハンマ強度を上げるために裾部の曲率半径を大きくしても、転倒角度が小さくならないようにすると共に、ふらつきを生じにくくして、比較的背の高いびんのウォータハンマ強度の向上を実現することを課題とするものである。
本発明は、びん底の外周縁に沿って複数個の放射状ナーリングが周方向に沿って並列して施されており、びん本体の半径方向縦断面における裾部から底部にかけての外面形状が、曲率半径R1の部分と、その内側に連続するR1よりも大きい曲率半径R2の部分を有し、該R2の曲率中心O2と前記R1の曲率中心O1の、びん中心からの距離が等しく、前記ナーリングの少なくとも一部が前記曲率半径R2の部分に形成されていると共に、該ナーリングの最下部がびん本体の最下部よりも半径方向外側に位置していることを特徴とするガラスびんである。(請求項1)
ナーリングの最下部がびん本体の最下部よりも外側にあるので、裾部の曲率半径を大きくしてびん本体最下部が内側に移動しても、ナーリングの最下部は従前のままとし、転倒角度が小さくなるのを防ぐことができる。
さらに、びん本体の半径方向縦断面における裾部から底部にかけての外面形状において、曲率半径R1の部分の内側に連続して、R1よりも大きい曲率半径R2の部分を形成し、ナーリングを、その少なくとも一部が曲率半径R2の部分に位置するように形成することで、ナーリング外端の張り出し量を小さくし、張出角度θも小さくでき、ふらつきが生じにくくなる。
ナーリングの最下部位置の半径と、びん本体の最下部位置の半径の差(図2のa−b)は、0.75〜1.5mm程度が適当である。
R2の大きさは、R1の1.2〜2倍程度が適当である。
ナーリングは、その少なくとも一部が曲率半径R2の部分に形成されていればよいが、その全体が曲率半径R2の部分に形成されていることが最も好ましい。
本発明では、ナーリングの長手方向に沿った中央縦断面において、その外郭線の曲率半径が、外側部分よりも内側部分が大きくなるように構成することができる。(請求項2)
ナーリングの最下部がびん本体の最下部よりも外側になるようにすると、ナーリングの最下部の位置(接地部)がナーリングの長手方向の内側寄りに大きく寄ってしまい、衝撃により欠点(欠け、クラック)が生じやすくなる。ナーリングの外郭線の曲率半径を外側部分よりも内側部分が大きくなるようにすると、最下部の位置がナーリングの中央付近に近づき、衝撃による欠点の発生が少なくなる。
また本発明は、図3に示すように、ナーリングの原形状が請求項1又は2のガラスびんのナーリング形状であり、該原形状の底部を水平に切欠して底面を形成したナーリングを有することを特徴とするガラスびんである。(請求項3)
請求項1又は2のガラスびんのナーリング形状を原形状とし、その底部を水平に切欠して底面を形成したナーリング形状とすることで、接地半径が大きくなり、転倒角度も大きくなって倒れにくくなる。
ナーリングの長手方向はガラスびんの半径方向を向いている場合(請求項4)のみならず、半径方向に対して傾いていてもよい。(請求項5)
この場合、ナーリングの半径方向に対する傾きは、45°以内程度である。
本発明のガラスびんは、ナーリングの外面最下部が、ナーリングが形成されていないびん本体外面最下部よりも半径方向外側に位置しているので、ウォータハンマ強度を上げるためにびん裾部の曲率半径を大きくしても、転倒角度が小さくならないようにできる。
さらに、びん本体の半径方向縦断面における裾部から底部にかけての外面形状において、曲率半径R1の部分の内側に連続して、R1よりも大きい曲率半径R2の部分を形成し、ナーリングを、その少なくとも一部が曲率半径R2の部分に位置するように形成することで、ナーリング外端の張り出し量を小さくし、張出角度θも小さくでき、ふらつきも生じにくくなる。
したがって、びんの裾部の曲率半径を大きくしてもびんが倒れやすくならないので、比較的背の高いびんの裾部の曲率半径を大きくしてウォータハンマ強度の向上を実現できる。
実施例のガラスびん1の底面図及びその部分拡大図である。 図1におけるA−A線断面説明図である。 実施例のガラスびん2の要部断面説明図である。 実施例のガラスびん1’の底面図及びその部分拡大図である。 ガラスびんの側面図である。 ガラスびん3の説明図である。 ガラスびん3のナーリング説明図である。 従来のガラスびん5の説明図である。
図1に示すように、実施例のガラスびん1のナーリング11は、その長手方向がガラスびんの半径方向を向いて設けられている。なお、図1においては、上側にガラスびんの底面全体、下側にその一部を拡大して示している。
図2は図1におけるA−A線断面(半径方向断面)説明図である。図2において、実線は、実施例のガラスびん1の裾部付近の本体形状とナーリング形状の外郭線(半径方向断面)を示している。破線は、比較例として、前記のガラスびん3の本体形状及びナーリング形状を示している。
比較例のガラスびん3は、外径52mm、高さ約151mmの丸びんで、裾部ないし底部にかけて曲率半径R1(=6mm)の、外側に凸の曲線となっており、変曲点D3を境にしてその内側は、外側に凹の曲線となっている。ナーリング31は、曲率半径R1の曲線部分に形成されている。
びん本体(ナーリング以外の部分)の最下部A3は裾部の円弧曲線の中心O1の真下に位置し、ナーリング31の最下部B3は、本体の最下部A3よりも0.95mm外側になっている。
また、ナーリング31の長手方向断面の外郭線において、最下部B1を境にした内側部分の曲率半径R4(中心O4′)は、外側部分の曲率半径R3(中心O3′)よりも2mm大きくなっている。このため、ナーリング13の最下部B1は、ナーリングの長手方向の中央付近に位置している。
実施例のガラスびん1も、外径52mm、高さ約151mmの丸びんで、裾部ないし底部にかけての曲線は、裾部から変曲点C1までが曲率半径R1(=6mm)の外側に凸の曲線、その内側方向に続いて、変曲点C1からD1までがR1よりも大きな曲率半径R2(=10mm)の外側に凸の曲線、D1よりも内側部分が、外側に凹の曲線となっている。曲率半径R2の曲率中心O2は、曲率半径R1の曲率中心O1の真上にある。ナーリング11はその全体が曲率半径R1の部分、すなわちC1〜D1の間に形成されている。
びん本体の最下部A1の半径方向位置、ナーリング最下部B1の半径方向位置は、ガラスびん3のA3、B3と同じで、ナーリング11の最下部B1は、本体の最下部A1よりも0.95mm外側になっている。したがって、ガラスびん1とガラスびん3の接地半径及び転倒角度は同じである。
図2に明らかなように、大きな曲率半径R2の部分を設けたことにより、ガラスびん1の本体最下部A1及びナーリング最下部B1は、それぞれガラスびん3の本体最下部A3、ナーリング最下部B3よりも上方に位置するようになり、これに伴いナーリング11はナーリング31に比較して、その外端が内側に位置し(張り出し量が小さく)、張出角度も小さくなる。
これにより、ガラスびん1はガラスびん3に比較して、製造ラインや充填ラインにおいてナーリング外端がコンベアに接触した際のびんのふらつきが小さくなり、転倒しにくくなる。
また、ナーリング11の、最下部B1を境にした内側部分の曲率半径R4(曲率中心O4)と、外側部分の曲率半径R3(曲率中心O3)は、ガラスびん3のR4、R3と同じであるが(R4>R3)、ナーリング最下部B1がB3よりも上方に位置していることにより、O4、O3はそれぞれO4′、O3′よりも上方に位置している。
ナーリング11も、ナーリング31と同様に、内側部分の曲率半径R4が外側部分の曲率半径R3よりも大きいので、ナーリング11の最下部B1は、ナーリングの長手方向の中央付近に位置している。
図3のガラスびん2のナーリング21は、図2のナーリング11の形状を原形状22とし、その底部を水平面sで切欠して底面23を形成した形状となっている。底面23の最も外側の位置B2から中心までの距離が接地半径となるので、ガラスびん1に比べて接地半径及び転倒角度が大きくなり、さらに倒れにくくなる。
ただし、底面23の面積が大きくなりすぎると、成形直後のガラスびんがコンベア上に置かれるときのサーマルショックやその後の工程での機械的衝撃が大きくなってナーリングが損傷するおそれがあるので、水平面sの高さと原形状22の最下点B1の高さの差は0.2mm以内程度とすることが好ましく、0.05〜0.1mmが最も良い。
図4は、他の実施例のガラスびん1′の底面を示し、ナーリング11′はその長手方向がガラスびんの半径方向に対して傾いて設けられている。
このように、本発明のナーリングは、半径方向に対して傾いていても良い。
ナーリング11′の断面形状及びびん本体に対する位置関係は、ガラスびん1のナーリング11の場合と同様である。
また前記実施例と同様に、ナーリング11’の長手方向に沿った中央縦断面(B−B線断面)において、その外郭線の曲率半径が外側部分よりも内側部分が大きくなっている。
1 ガラスびん
11 ナーリング
1′ ガラスびん
11′ ナーリング
2 ガラスびん
21 ナーリング
22 原形状
23 底面
3 ガラスびん
31 ナーリング
4 ガラスびん
41 ナーリング
5 ガラスびん
51 ナーリング

Claims (5)

  1. びん底の外周縁に沿って複数個の放射状ナーリングが周方向に沿って並列して施されており、びん本体の半径方向縦断面における裾部から底部にかけての外面形状が、曲率半径R1の部分と、その内側に連続するR1よりも大きい曲率半径R2の部分を有し、該R2の曲率中心O2と前記R1の曲率中心O1の、びん中心からの距離が等しく、前記ナーリングの少なくとも一部が前記曲率半径R2の部分に形成されていると共に、該ナーリングの最下部がびん本体の最下部よりも半径方向外側に位置していることを特徴とするガラスびん。
  2. 前記ナーリングの長手方向に沿った中央縦断面において、その外郭線の曲率半径が外側部分よりも内側部分が大きくなっている請求項1に記載のガラスびん。
  3. ナーリングの原形状が請求項1又は2のガラスびんのナーリング形状であり、該原形状の底部を水平に切欠して底面を形成したナーリングを有することを特徴とするガラスびん。
  4. 前記ナーリングの長手方向がガラスびんの半径方向を向いている請求項1〜3のいずれかに記載のガラスびん。
  5. 前記ナーリングの長手方向がガラスびんの半径方向に対して傾いている請求項1〜3のいずれかに記載のガラスびん。
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