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JP4876651B2 - (メタ)アクリル酸エステルの製造方法 - Google Patents
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JP4876651B2 - (メタ)アクリル酸エステルの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、(メタ)アクリル酸と多価アルコールとを縮合反応して(メタ)アクリル酸エステルを製造する方法において、原料の多価アルコールのフタル酸樹脂着色度を評価して、所望の色調範囲を有する(メタ)アクリル酸エステルを製造する方法に関する。
従来より、(メタ)アクリル酸エステルの製造方法としては、(メタ)アクリル酸とアルコールとの脱水エステル化反応や、(メタ)アクリル酸アルキルとアルコールとのエステル交換反応、あるいはエポキシ化合物への(メタ)アクリル酸の付加反応が一般的に行われている。これらのうち、特に、脱水エステル化反応は、(メタ)アクリル酸エステルの製造が容易であると共に、製造可能な(メタ)アクリル酸エステルが多様であることから、有用な製造方法である。
この脱水エステル化反応を用いた(メタ)アクリル酸エステルの製造方法においては、原料となるアルコールに含まれる不純物に起因して、製造される(メタ)アクリル酸エステルの着色が顕著になる場合があった。かかる着色が生じると、光学材料に使用された場合に、透過光の偏光、特定波長の吸収や反射率の低下、コーティング材に使用された場合に調色不良等の不都合が生じる。
原料のアルコール(特に、多価アルコール)としては、ジペンタエリスリトール、ジトリメチロールアルカン等が汎用されており、これらは特許文献1に記載されているように、通常、アルカリ金属水酸化物又はアルカリ土類金属水酸化物、ホルムアルデヒド、及び所定のアルカナールを縮合させて製造されている。
この製造方法で得られる多価アルコールでは、精製工程を経てもなおこの製造方法に由来する微量の不純物が含まれており、これが、製品である(メタ)アクリル酸エステルの着色に影響を与えるものと考えられた。しかも、多価アルコールは通常市販されているが、その供給元によってまたロットによって、製造される(メタ)アクリル酸エステルの着色の程度にバラツキが生じるという問題があった。
そのため、原料の多価アルコールの段階で、製品である(メタ)アクリル酸エステルの着色の程度を予測ないし評価することができれば、工業的に極めて有益である。
ところで、ペンタエリスルトールを用いてアルキド樹脂等の着色の程度を評価する手段として、JIS K 1510によるフタル酸樹脂着色度が知られている。フタル酸樹脂着色度は、具体的には、ペンタエリスルトールを無水フタル酸と反応させて得られる樹脂の着色の程度を比色評価するものである。
特開平1−44689号公報
本発明は、(メタ)アクリル酸と多価アルコールとを縮合反応して(メタ)アクリル酸エステルを製造する方法において、原料の多価アルコールをアクリレート化することなく、あらかじめ製品となる(メタ)アクリル酸エステルの色調の程度を予測ないし評価する方法、該方法を用いた(メタ)アクリル酸エステルの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記の課題を解決するため鋭意研究を行った結果、次のような知見を得た。
原料の多価アルコール(ジペンタエリスリトール等)についてフタル酸樹脂着色度を測定し、該多価アルコールと(メタ)アクリル酸とを縮合反応して得られる(メタ)アクリル酸エステルの着色度を測定したところ、多価アルコールのフタル酸樹脂着色度の結果と、(メタ)アクリル酸エステルの着色の結果が、良く相関していることを見出した。しかも、原料として、JIS K 1510に規定されるフタル酸樹脂着色度がガードナー色数で2以下の多価アルコールを用いると、製造される(メタ)アクリル酸エステルの色調がAPHA色数で50以下となることを見出した。かかる知見に基づき、さらに検討を重ねて本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、以下の(メタ)アクリル酸エステルの製造方法を提供する。
項1. (メタ)アクリル酸と多価アルコールとを縮合反応して(メタ)アクリル酸エステルを製造する方法であって、
(1)多価アルコールのフタル酸樹脂着色度(JIS K 1510)を測定する工程、
(2)前記(1)で測定されたフタル酸樹脂着色度に基づき(メタ)アクリル酸エステルの色調を予測する工程、及び
(3)前記(2)の色調の予測に基づき(メタ)アクリル酸と多価アルコールとから該色調を有する(メタ)アクリル酸エステルを製造する工程
を含む製造方法。
項2. 多価アルコールが常温で固体である項1に記載の製造方法。
項3. 多価アルコールがペンタエリスリトールの1〜3量体を主成分とするものである項1又は2に記載の製造方法。
項4. 多価アルコールがジペンタエリスリトールを80%以上含有するものである項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
項5. 多価アルコールのフタル酸樹脂着色度がガードナー色数2以下である項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
項6. 製造されるメタ)アクリル酸エステルの色調がAPHA色数50以下である項5に記載の製造方法。
項7. (メタ)アクリル酸と多価アルコールとを縮合反応して(メタ)アクリル酸エステルを製造する場合において、多価アルコールのフタル酸樹脂着色度(JIS K 1510)を測定して、該多価アルコールと(メタ)アクリル酸とから製造される(メタ)アクリル酸エステルの色調を予測する方法。
項8. フタル酸樹脂着色度(JIS K 1510)がガードナー色数2以下の多価アルコールを選択し、該多価アルコールと(メタ)アクリル酸とを縮合反応して(メタ)アクリル酸エステルを製造する方法。
尚、本明細書において、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸及び/又はメタクリル酸を意味し、「(メタ)アクリル酸エステル」とは、アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルを意味する。
以下、本発明を詳述する。
本発明の(メタ)アクリル酸エステルを製造する方法では、(1)多価アルコールのフタル酸樹脂着色度(JIS K 1510)を測定する工程、
(2)前記(1)で測定されたフタル酸樹脂着色度に基づき(メタ)アクリル酸エステルの色調を予測する工程、及び(3)前記(2)の色調の予測に基づき(メタ)アクリル酸と多価アルコールとから該色調を有する(メタ)アクリル酸エステルを製造する工程、を含むことを特徴とする。
この方法を用いることにより、多価アルコールのフタル酸樹脂着色度により、(メタ)アクリル酸エステルの色調が予想できるため、アクリレート化することなくその製品の色調が予測できるという利点がある。従って、原料の多価アルコールの選定に有効であり、また、その原料を用いることにより色調の低いアクリレートを得ることが出来るという利点がある。
まず、第(1)工程において使用する多価アルコールは、ジオール、3個以上の水酸基を有するポリオールが挙げられる。
ジオールの具体例としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、1,4−ジヒドロキシシクロヘキサン、ネオペンチルグリコール、ネオペンチルグリコールのエチレンオキサイド付加物、ネオペンチルグリコールのプロピレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物、水添ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、水添ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物、ビスフェノールFのエチレンオキサイド付加物、トリシクロデカンジメチロール等が挙げられる。
トリオールの具体例としては、例えば、グリセリン、グリセリンのエチレンオキサイド付加物、グリセリンのプロピレンオキサイド付加物、トリメチロールプロパン、トリメチロールプロパンのエチレンオキサイド付加物、トリメチロールプロパンのプロピレンオキサイド付加物等が挙げられる。
ポリオールの具体例としては、例えば、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、並びにこれらポリオールのエチレンオキサイド付加物、ポリオールのプロピレンオキサイド付加物、トリス−2−ヒドロキシエチルイソシアヌレート等が挙げられる。
これらの多価アルコールのうち、常温(例えば、10〜30℃)で固体のポリオールが好ましく、具体的には、ジトリメチロールプロパン(融点:105〜115℃)、ジペンタエリスリトール(融点:210〜220℃)、ペンタエリスリトール(融点:260℃)、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート(融点:250〜320℃)等が挙げられる。
このうち、多価アルコールがペンタエリスリトールの1〜3量体を主成分とするものが好ましく、更にジペンタエリスリトールを80重量%以上含有するものが好ましい。
これらの多価アルコールは、市販されているか、又は容易に調製することができる。
この原料である多価アルコールについて、JIS K 1510で規定するフタル酸樹脂着色度に準拠して評価する。本発明では、フタル酸樹脂着色度は、試料(多価アルコール)に無水フタル酸を加えて、加熱したとき生成する樹脂化物の色を比色標準液で比色して測定され、その色調はガードナー色数で表示される。具体的には、実施例1を参照すればよい。
第(2)工程において、前記(1)で測定されたフタル酸樹脂着色度に基づき(メタ)アクリル酸エステルの色調を予測する。
第(1)工程で測定される多価アルコールのフタル酸樹脂着色度は、該多価アルコールと(メタ)アクリル酸とから製造される(メタ)アクリル酸エステルの色調(APHA色数)と高い相関性を有している。そのため、多価アルコールのフタル酸樹脂着色度から、(メタ)アクリル酸エステルの色調を高い精度で予測することが可能となる。これにより、原料の該多価アルコールのアクリレート化前に、(メタ)アクリル酸エステルの色調を見積もることができるというメリットがある。
例えば、多価アルコールのフタル酸樹脂着色度が、ガードナー色数1の場合にはAPHA色数は40以下(特に20〜30)、ガードナー色数2の場合にはAPHA色数は40〜50、ガードナー色数3以上の場合にはAPHA色数は100を越えることとなり、着色の程度が大きくなる。
そのため、(メタ)アクリル酸エステルの色調がAPHA色数50以下に抑えるためには、フタル酸樹脂着色度がガードナー色数2以下の多価アルコールが選択される。更に、APHA色数40以下に抑えるためには、ガードナー色数1以下の多価アルコールが選択される。
特に、上記した常温(例えば、10〜30℃)で固体のポリオールを用いた場合において、高い相関性を有している。
第(3)工程において、前記(2)の色調の予測に基づき(メタ)アクリル酸と多価アルコールとから該色調を有する(メタ)アクリル酸エステルを製造する。
フタル酸樹脂着色度を測定した多価アルコールと(メタ)アクリル酸から(メタ)アクリル酸エステルを製造する方法は、例えば次のようにして行える。
酸性触媒の存在下に、(メタ)アクリル酸と多価アルコールとを加熱・攪拌する方法等が挙げられる。
多価アルコールと(メタ)アクリル酸の反応割合は、適宜決定すればよいが、多価アルコール中の水酸基1モルに対する(メタ)アクリル酸のモル比を0.9〜1.8程度、好ましくは1.1〜1.5程度とすればよい。多価アルコールと(メタ)アクリル酸との最も好適な割合は、多価アルコールの種類や反応条件によって異なるが、実験的手法によって容易に設定することができる。
酸性触媒としては、硫酸、パラトルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等が挙げられる。触媒の使用量は、多価アルコールと(メタ)アクリル酸の合計量に対して、0.01〜10.0重量%の範囲であればよい。
本発明で用いる有機溶媒としてはベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、n−ヘプタン等を単独でまたは二種以上を組合せて用いることができるが、取扱いの点からトルエン単独が好ましい。
また、反応温度は、使用する化合物及び目的に応じて適宜設定すればよいが、70℃〜140℃程度、好ましくは70〜90℃程度である。反応圧力は、例えば、45kPa〜常圧、好ましくは50〜60kPa程度であり、反応時間は、通常、8〜20時間であればよい。
上記反応においては、得られる(メタ)アクリル酸エステルの重合を防止する目的で、反応液に重合防止剤を添加することができる。このような重合防止剤としては、例えば、酸化第一銅、酸化第二銅、塩化第一銅、塩化第二銅などの無機重合防止剤、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、tert−ブチルカテコール、t−ブチルヒドロキノン、2,4-ジメチル-6-tert-ブチルフェノール、2,6-tertブチル−p−クレゾール、パラベンゾキノン、2,5-ジフェニルパラベンゾキノン、フェノチアジン、ジフェニルアミンなどの有機重合防止剤が使用される。この中では、製品の貯蔵時、及び使用時に着色の少ない重合禁止剤としてヒドロキノンモノメチルエーテルが好適に使用される。これらの重合防止剤の使用量は、反応液に対して、100〜2000質量ppm程度であればよい。
上記反応は、反応が進みすぎると副反応が進行してしまい、アクリレート化した後の色調が上昇してしまうという観点から、(メタ)アクリル酸の消費量をベースにした反応率が80〜95%、好ましくは85〜92%程度とする。ここで、「(メタ)アクリル酸の消費量をベースとした反応率」とは、原料の多価アルコールの水酸基のモル数に対する消費された(メタ)アクリル酸のモル数の割合(モル%)を意味する。この反応率は、反応液中の酸価を測定することにより算出される。
エステル化反応の終了後、反応液の酸分の中和処理を行う。アルカリ水溶液で中和時のエステル分解(ケン価)を抑えるため、中和処理の前に、水(蒸留水)又は中性塩水溶液を加えて水洗処理を行うことが好ましい。中和処理工程は常法に従って行えばよく、例えば、反応液に水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ性の水溶液を添加し、攪拌、混合する方法等が挙げられる。この場合、アルカリ成分の量は、通常は、反応液の酸分に対してモル比にて1倍以上、好ましくは1.1〜1.6倍であればよい。さらに、水洗処理工程も常法に従って行えばよく、上記中和処理後の反応液に水を添加し、攪拌、混合する方法等が挙げられる。
上記水洗処理及び中和処理後、生成した(メタ)アクリル酸エステル類を含有する有機層を分離し、次いで、この有機層から有機溶媒を公知の方法で除去することにより、(メタ)アクリル酸エステルを得る。
この様にして得られる(メタ)アクリル酸エステルは、その色調(APHA色数)が上記の原料多価アルコールのフタル酸樹脂着色度から予測した範囲内のものとなる。
本発明によれば、多価アルコールのフタル酸樹脂着色度の測定により、アクリレート化に先立ち、製品である(メタ)アクリル酸エステルの色調が予想できる。また、原料の多価アルコールの段階で(メタ)アクリル酸エステルの色調を簡便に評価することができるため、望まれる色調の低い低着色のアクリレートを簡便かつ効率的に得ることが出来る。そのため、本発明は工業的に有意義な製造方法といえる。
次に、本発明を比較例と共に実施例によって更に詳述するが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例1
アルコールとして、A社製のジペンタエリスリトールを用いて、JIS K 1510に規定されているフタル酸樹脂着色度を実施した。
即ち、ジペンタエリスリトール3.0gと無水フタル酸5.4gを試験管に入れ充分混合させた後、260〜265℃で時々振り混ぜながら5分加熱した。ここで用いたフタル酸はJIS K 4128に規定されているもので、上記加熱条件後のハーゼン値が30以下のものである。得られた樹脂物の色調としては、ガードナー色数にて1であった。
実施例2
アルコールとして、B社製のジペンタエリスリトールを用いた以外は実施例1と全く同じ操作を行った。色調としては、ガードナー色数にて1であった。
実施例3
アルコールとして、C社製のジペンタエリスリトールを用いた以外は実施例1と全く同じ操作を行った。色調としては、ガードナー色数にて1であった。
実施例4
アルコールとして、D社製のジペンタエリスリトールを用いた以外は実施例1と全く同じ操作を行った。色調としては、ガードナー色数にて1であった。
実施例5
アルコールとして、E社製のジペンタエリスリトールを用いた以外は実施例1と全く同じ操作を行った。色調としては、ガードナー色数にて2であった。
実施例6
アルコールとして、F社製のジペンタエリスリトールを用いた以外は実施例1と全く同じ操作を行った。色調としては、ガードナー色数にて1であった。
実施例7
アルコールとして、G社製のジペンタエリスリトールを用いた以外は実施例1と全く同じ操作を行った。色調としては、ガードナー色数にて2であった。
実施例8
アルコールとして、H社製のジペンタエリスリトールを用いた以外は実施例1と全く同じ操作を行った。色調としては、ガードナー色数にて1であった。
実施例9
アルコールとして、I社製のジペンタエリスリトールを用いた以外は実施例1と全く同じ操作を行った。色調としては、ガードナー色数にて2であった。
参考例1
アルコールとして、J社製のジペンタエリスリトールを用いた以外は実施例1と全く同じ操作を行った。色調としては、ガードナー色数にて3であった。
参考例2
アルコールとして、K社製のジペンタエリスリトールを用いた以外は実施例1と全く同じ操作を行った。色調としては、ガードナー色数にて3であった。
試験例1
実施例1〜9及び参考例1〜2にて用いたジペンタエリスリトールを用いて、以下のようにアクリレート化を行った。
(1)反応工程
攪拌機及び温度計、ディーンスターク装置を備えた2L反応器に、ジペンタエリスリトール357g(1.41モル)、蒸留したアクリル酸729g(10.13モル)、トルエン595g、塩化第二銅1.7g及び78%硫酸17gを仕込み、54kPaの圧力下、反応器を加熱して脱水エステル化反応を行った。アクリル酸消費量をベースとした反応率は90%であった。本条件における反応時間は10時間であった。
(2)中和工程
反応液を冷却した後、トルエン1000gを加えて希釈した。このようにして得られた反応液を中和処理用の槽に移し、蒸留水400gを加えて充分攪拌した後静置し、分離した下層を除去した。
上層の酸分を中和するために20%水酸化ナトリウム水溶液400gを加えて充分攪拌した後静置し、分離した下層を除去した。更に20%水酸化ナトリウム水溶液400gを加えて充分攪拌した後静置し、分離した下層を除去した。
(3)水洗浄工程
上層に、蒸留水500gを加え充分攪拌した後静置し、分離した下層を除去した。
(4)溶剤除去工程
上層にハイドロキノンモノメチルエーテル400ppmを添加して、空気を吹き込みながら、減圧下でトルエン濃度1%以下になるまで脱溶剤処理を行った。得られた粗アクリレート500gに対して、ラヂオライト#200(昭和化学工業製)8.4gを添加し、よく攪拌混合した。その混合物を、定性ろ紙No.2を備えた加圧濾過装置にて濾過しアクリレートを得た。
こうして得られたアクリレートは、2100AN型濁度計(HACH社製)を用いて濁度測定に供した。なお、かかる測定では、ホルマジンを基準物質として装置校正し、90°側方散乱光方式を測定原理として濁度(NTU)を測定した。アクリレートの濁度が7NTU以下であれば透明と判断し、物性測定に供した。
試験例2
実施例1〜9と参考例1〜2における、原料アルコールのフタル酸樹脂着色度の試験結果、及びその原料アルコールから得られたアクリレートの色調をAPHAで換算した値を、表1に示す。
Figure 0004876651
本結果のように、原料アルコールのフタル酸樹脂着色度の着色の様子と、その原料アルコールを用いて製造したアクリレートの色調の様子は、非常に相関が高いことが分かった。フタル酸樹脂着色度にてガードナー2以下である原料アルコールから製造されたアクリレートの色調は50以下であり、着色は低いレベルとなった。
一方、フタル酸樹脂着色度にてガードナー3の原料アルコールから製造されたアクリレートの色調は100以上であり、着色は高いレベルであった。
即ち、低色調であるアクリレートを得るためには、フタル酸樹脂着色度試験にてガードナー2以下、更には1以下の原料アルコールを用いて製造すれば良いことが分かった。
なお、実施例1〜9及び参考例1〜2にて用いた各社のジペンタエリスリトールの物性値を、表2に示す。
Figure 0004876651
表2中の空欄はデータがないことを示す。表2より、ジペンタエリスリトールの物性値には、(メタ)アクリル酸エステルの着色と相関を示すものは確認されなかった。
したがって、フタル酸着色試験をおこなってみて始めて(メタ)アクリレートの着色が推定されることが分かった。これは、着色がジペンタエリスリトールに含まれる未知の微量成分に起因するためであると考えられる。
なお、各社のアルコールは固体(白色粉末〜白色フレーク状)で、外観上差はなかった。

Claims (12)

  1. (メタ)アクリル酸と多価アルコールとを縮合反応して(メタ)アクリル酸エステルを製造する方法であって、
    (1)多価アルコールのフタル酸樹脂着色度(JIS K 1510)を測定する工程、
    (2)前記(1)で測定されたフタル酸樹脂着色度に基づき、フタル酸樹脂着色度がガードナー色数2以下である多価アルコールを選択する工程、及び
    (3)(メタ)アクリル酸と前記工程(2)で選択された多価アルコールとから(メタ)アクリル酸エステルを製造する工程
    を含む製造方法。
  2. 多価アルコールが常温で固体である請求項1に記載の製造方法。
  3. 多価アルコールがペンタエリスリトールの1〜3量体を主成分とするものである請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 多価アルコールがジペンタエリスリトールを80%以上含有するものである請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 製造されるメタ)アクリル酸エステルの色調がAPHA色数50以下である請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
  6. 製造される(メタ)アクリル酸エステルにおいて、(メタ)アクリル酸の消費量をベースにした反応率が80〜95%である請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
  7. (メタ)アクリル酸と多価アルコールとを縮合反応して、色調がAPHA色数50以下である(メタ)アクリル酸エステルを製造する場合において、多価アルコールのフタル酸樹脂着色度(JIS K 1510)を測定して、多価アルコールとして、フタル酸樹脂着色度がガードナー色数2以下である多価アルコールを選択する方法。
  8. フタル酸樹脂着色度(JIS K 1510)がガードナー色数2以下の多価アルコールを選択し、該多価アルコールと(メタ)アクリル酸とを縮合反応して、色調がAPHA色数50以下である(メタ)アクリル酸エステルを製造する方法。
  9. 多価アルコールが常温で固体である請求項8に記載の製造方法。
  10. 多価アルコールがペンタエリスリトールの1〜3量体を主成分とするものである請求項8又は9に記載の製造方法。
  11. 多価アルコールがジペンタエリスリトールを80%以上含有するものである請求項8〜10のいずれかに記載の製造方法。
  12. 製造される(メタ)アクリル酸エステルにおいて、(メタ)アクリル酸の消費量をベースにした反応率が80〜95%である請求項8〜11のいずれかに記載の製造方法。
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