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JP4879919B2 - 積層体 - Google Patents
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本発明は、防犯性、安全性、防災の要求される住宅建材用窓、工作機械用窓、車両・鉄道・船舶・航空機用窓、ヘルメット風防、ゴーグル、貴金属や美術品のショーケース、金融関係の窓、積層光学レンズ等の合わせガラスや耐衝撃性、軽量性、視認性の求められる液晶表示、PDP(プラズマディスプレイ)表示、EL(有機エレクトロルミネッセンス)表示等の平面型画像装置及び太陽電池モジュール、センサー、ゲージ、メーター類の透明保護パネル積層体に利用できるホットメルト型紫外線架橋透明粘着シート及び積層体に関するものである。
従来、合わせガラスや保護パネルはガラス板が主に用いられていたが、近年これらの防犯性、安全性、防災性、軽量化、耐衝撃性向上の要求が高まり、ガラス板に変わる材料としてアクリル板やポリカーボネート(PC)板などの合成樹脂板を合わせた異種合わせガラスが広く用いられるようになった。
しかしながら、ガラス板と合成樹脂板の線膨張係数が異なることから、従来の熱可塑性樹脂を用いたオートクレーブ方式や特許文献1に開示されるような液状接着剤を注入して紫外線や熱硬化で製作した合わせガラスでは反り、剥離、割れなどの問題が解決出来なかった。
さらに、年々過激化する犯罪に対して従来の窓貼りフィルムでは防犯性や安全性能が充分でないため、車両、一般住宅、金融や高価な物品を扱う店舗関係の窓やショーケースにPC合わせガラス等の要求が高まっているが、大面積になるほど反り、剥離、割れが大きくなること、既存の窓を取り替え無ければならないこと等の問題があった。
また、画像表示装置等に保護パネルを積層する場合では圧力や熱が加えにくく、直接表示パネルに積層することが難しく、軽量化や薄肉化できない等の問題があった。
特開平7−290647号公報
本発明は、前記従来技術の問題点を考慮してなされたものであって、オートクレーブによる高温・高圧処理を必要とすることなく室温で積層体の製造が可能で、さらには板ズレを生じにくい等の優れた品質を有するホットメルト型紫外線架橋透明粘着シート、またこれを使用して得られる積層体を提供することにある。
(1)130℃における溶融粘度が15万〜50万(mPa・s)である(メタ)アクリル酸エステル系共重合体に対して、光ラジカル開始剤の少なくとも水素引き抜きタイプ光ラジカル開始剤を0.01〜1.0重量%含有してなるホットメルト型紫外線架橋透明粘着剤をホットメルト成形した後に紫外線照射させて架橋させ、40℃保持力が1.0mm以上13mm未満のズレ長さである粘着シートを中間層として用いて、透明なガラス板と合成樹脂板との間に積層してなる積層体である。
(2)前記(メタ)アクリル酸エステル系共重合体のTgが−20℃以下であることを特徴とする。
本発明によれば、オートクレーブによる高温・高圧処理を必要とすることなく、室温で合成樹脂板やガラス板の貼り合わせを簡便に行なうことができ、板ズレを生じにくい等の優れた品質を有するホットメルト型紫外線架橋透明粘着シートを使用して得られる積層体が提供される。
請求項1に係る発明に用いるホットメルト型紫外線架橋透明粘着剤は、(メタ)アクリル酸エステル系共重合体に対して、少なくとも光ラジカル開始剤の1種である水素引き抜きタイプ光ラジカル開始剤を含有したことを特徴とする。
一般的な紫外線架橋粘着剤はUV架橋モノマーと光開始剤の両方を含有し無ければならないが、本発明者は鋭意検討した結果、(メタ)アクリル酸エステル系共重合体に対して、UV架橋モノマーを含有することなく、少なくとも水素引き抜きタイプ光ラジカル開始剤があれば紫外線架橋できることを見出した。
水素引き抜きタイプ光ラジカル開始剤は、他の分子から水素を引き抜く形でラジカルを生成する光重合開始剤で、本発明で用いる代表的な水素引き抜きタイプ光ラジカル開始剤としては、透明性、硬化性の点でベンゾフェノンが好ましく、粘着シートの膜厚やUV照射条件に合わせて含有量を選択できる。その他にベンジル、O−ベンゾイル安息香酸メチル、アクリル化ベンゾフェノン、チオキサンソン、3−ケトクマリン、2−エチルアンスラキノン、カンファーキノン、ミヒラーケトン、テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等の1種又はこれらから選ばれた2種以上の混合物や解裂タイプ光ラジカル開始剤との混合物等も使用できる。
光ラジカル開始剤の含有量は、(メタ)アクリル酸エステル系共重合体に対して、0.01〜1.0重量%の範囲が良く、厚膜硬化性、透明性、経時安定性を考慮すると好ましくは0.05〜0.5重量%が適している。
(メタ)アクリル酸エステル系共重合体を形成するために用いる(メタ)アクリレート、すなわち、アルキルアクリレート又はアルキルメタクリレート成分としてはアルキル基がn−オクチル、イソオクチル、2−エチルヘキシル、n−ブチル、イソブチル、メチル、エチル、イソプロピルのうちのいずれか1つであるアルキルアクリレート又はアルキルメタクリレートの1種又はこれらから選ばれた2種以上の混合物が使用できる。その他の成分として、カルボキシル基、水酸基、グリシジル基等の有機官能基を有するアクリレート又はメタクリレートを共重合しても良い。
前記アルキル(メタ)アクリレート成分と有機官能基を有する(メタ)アクリレート成分を適宜に選択、組み合わせたモノマー成分を出発原料として加熱重合して得ることができる。
室温で品質の良い積層体が製造出来るような柔軟な粘着シートを得るため、架橋前の(メタ)アクリル酸エステル系共重合体の特性として次のような溶融粘度及び/又はTgの要件を備えたものが好ましい。
(a) (メタ)アクリル酸エステル系共重合体の130℃における溶融粘度が5万〜50万(mPa・s)であること
(b) (メタ)アクリル酸エステル系共重合体のTgが−20℃以下であること
重合して得た(メタ)アクリル酸エステル系共重合体の溶融粘度及びTgは、例えば、レオメトリックス社製の粘弾性測定装置ダイナミックアナライザーRDA−IIを用いて測定される。
溶融粘度の場合はパラレルプレート25mmφ、歪み2%、130℃、0.02Hzで測定した時の粘度(η*)値を読みとる。
Tgの場合はパラレルプレート25mmφ、歪み2%、周波数1Hzで測定した時のTanδの極大値を示す温度を読みとる。
(メタ)アクリル酸エステル系共重合体の溶融粘度は5万〜50万(mPa・s)の範囲で、Tgは−20℃以下が良い。溶融粘度が5万(mPa・s)未満では、厚膜成形時の厚み精度が得られないことや、架橋シートに十分な柔軟性が得られない要因になる。溶融粘度が50万(mPa・s)を超えるとホットメルト加工性が難しくなる。
また、Tgが−20℃より高いと積層体の低温での耐久性が低下する要因になる。
柔軟性、耐久性から鑑みて、溶融粘度が15万〜40万(mPa・s)、Tgが−60〜−40℃の範囲に調製することがより好ましい。
上記のような(メタ)アクリル酸エステル系共重合体に、水素引き抜きタイプ光ラジカル開始剤を含有してホットメルト型紫外線架橋粘着剤を得ることができる。
透明粘着シートは、上記の粘着剤を、通常、厚さ0.05〜2mmのシート状に成形した後に紫外線を照射して架橋させることにより得られる。シート状への成形は、通常、離型フィルム上に積層する形で形成され、実施例に例示するように、溶融状態の透明粘着剤を2枚の離型フィルム(少なくとも一方は透明性の離型フィルム)間に挟まれるよう形成するのが好ましい態様である。透明なフィルムを通して紫外線を照射して架橋することにより透明粘着シート得られる。
本発明に係るホットメルト型紫外線架橋透明粘着シートは、接着耐久性を得るために好ましい粘着シートの保持力(凝集力)を備えたものであり、前記粘着剤をホットメルト成形した後に紫外線照射させて架橋させた粘着シートであって、その40℃保持力が1.0mm以上13mm未満のズレ長さであることを特徴とする。
ここで、その保持力は、0.5mmの厚みに成形して紫外線架橋させた粘着シートを38μmPETフィルムで背貼りした後、JIS Z 0237で規定するところのSUS板を用いて、面積20mm×20mmで接着させ、40℃の環境下で4.9Nの荷重をSUS板の面に沿う方向に2時間かけた後のズレ長さによって測定される。
保持力のズレが1.0mm未満であると凝集力が大きくて、異なる板材の積層体の場合では冷熱試験で線膨張係数の差を吸収できずに反り、剥離、割れを生じる。ズレが13mm以上では凝集力が小さくて、積層した板がズレ落ちたり、粘着シートが発泡して外観不良を起こす可能性がある。好ましくは5mm〜10mmの範囲に調整することが積層後の耐久性をもっとも満足させることができる。
上記のような透明粘着シートを中間層として用いて少なくともその片面に透明なガラス板又は合成樹脂板を積層してなる積層体とする。
従来の合わせガラスのような透明積層体は、2枚のガラス板と熱可塑性樹脂や液状接着剤を用いるのに対して、本発明は室温環境で接着可能な柔軟な粘着シートを用いることにより作製するものである。
例えば、前記透明粘着シートを用いてガラス板同士、ガラス板と合成樹脂板又は合成樹脂板同士を少なくとも2枚以上積層してなる透明積層体として構成し得る。2枚以上の積層構成は、ガラス板/合成樹脂板/ガラス板、合成樹脂板/ガラス板/合成樹脂板など交互に積層しても良い。透明な積層体あるいは片面のみが透明な板である積層体は、良好な透明性を有する。例えば一方が透明板であれば、他方が不透明な金属板や意匠性の板などであっても良く、板に限らずフィルムやシートでも差し支えない。なお、片面に透明な板を設ける必要のない場合、本発明に係る透明粘着剤を用いて金属板/金属板等の積層体として構成することもできる。
積層体の作製方法には、種々の方法があるが、オートクレーブを用いずに積層できる方法として、例えば、次のような方法が挙げられる。
先ず、積層体を構成する一方の板状体に、予め本発明の透明粘着シートを貼り、次いで粘着剤面を介して、他方の板状体を真空にした後にプレスして積層する方法がある。
また、先ず、積層体を構成する一方の板状体に、予め本発明の透明粘着シートを貼り、次いで粘着剤面を介して、他方の板状体をニップロール間で初めて接触するようにニップロールとの間に搬入させ、ロールの圧力で気泡を押し出しながら両方の板を連続的に積層する方法がある。
このようにして、良好な品質を有する積層体を得ることができる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲で種々の変形、付加等が可能である。
以下、実施例について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施例1)
アクリル酸エステル共重合体:100重量部に対し、水素引き抜きタイプ光開始剤としてベンゾフェノン:0.1重量部を添加して溶融攪拌し、透明粘着剤となし、これを厚さ75μmと100μmの離型PETに挟んで厚み0.5mmのシート状にホットメルト成形して、高圧水銀ランプを用いて片面積算光量3600mJ/cmを離型PET越しに表裏照射させて透明粘着シートを得た。積算光量は、オーク製作所製UV−M10のUV3tセンサーにX19フィルターを装着して測定した。
用いたアクリル酸エステル共重合体の組成はn−ブチルアクリレート:78.4重量%、2−エチルヘキシルアクリレート:19.6重量%、アクリル酸:2.0重量%を共重合させたもので、Tgは−40℃、130℃溶融粘度は25万(mPa・s)であった。
上記粘着シートを中間膜形成用のシートとして用いて、以下に示す方法で透明積層体を作製した。作製の際の温度条件は、室温(20℃)下で行なった。
作製方法は予め80℃で乾燥させておいた市販のポリカーボネート(PC)板(厚さ5mm、巾300mm、長さ600m)の一方に片面の離型フィルムを剥がした中間膜用粘着シートをニップロールと駆動ロール間で、初めて接触するようにロール間へ搬入させ、線圧力:9.8N/cm、速度:5m/分で貼った後、残りの離型フィルムを剥がした。
次に上記粘着シートを貼ったPC板を粘着シートを介して市販のフロートガラス板(厚さ3mm、巾300mm、長さ600mm)に接触させずに向かい合わせ、2枚の板の端部をニップロールと駆動ロール間で、初めて接触するように送りこみ、ニップロール(線圧力:294N/cm、速度:0.5m/分)に挟んで透明積層体を得た。
(実施例2)
実施例1で用いたアクリル酸エステル共重合体:100重量部に対し、光開始剤としてチバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製イルガキュア500(水素引抜型開始剤のベンゾフェノン/解裂型光開始剤のイルガキュア184=50/50ブレンド品):0.15重量部を添加して溶融攪拌し、透明粘着剤となし、これを厚さ75μmと100μmの離型PETに挟んで厚み0.5mmのシート状にホットメルト成形して、高圧水銀ランプを用いて片面積算光量3600mJ/cmを離型PET越しに表裏照射させて透明粘着シートを得た。他の条件は実施例1と同様に行った。
こうして得た透明粘着シートを用いて実施例1と同様の方法で透明積層体を得た。
(実施例3)
アクリル酸エステルの組成比は実施例1と同様とし、溶融粘度を40万(mPa・s)に調製したアクリル酸エステル共重合体:100重量部に対し、ベンゾフェノン:0.1重量部を溶融攪拌した後、実施例1と同様の方法で透明粘着シート及び透明積層体を得た。
(比較例1)
実施例1で用いたアクリル酸エステル共重合体:100重量部に対し、光開始剤として解裂型光ラジカル開始剤のチバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製イルガキュア184:1.0重量部を溶融攪拌した後、実施例1と同様の方法で透明粘着シート及び透明積層体を得た。
(比較例2)
実施例1で用いたアクリル酸エステル共重合体:100重量部に対し、光開始剤としてチバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製イルガキュア500:1.2重量部を溶融攪拌した後、実施例1と同様の方法で透明粘着シート及び透明積層体を得た。
(比較例3)
実施例1で用いたアクリル酸エステル共重合体:100重量部に対し、光開始剤としてイルガキュア500:0.008重量部を溶融攪拌した後、実施例1と同様の方法で透明粘着シート及び透明積層体を得た。
(比較例4)
アクリル酸エステルの組成比はn−ブチルアクリレート:70重量%、2−エチルヘキシルアクリレート:5重量%、アクリル酸:25重量%を共重合させ、Tgは−10℃、130℃溶融粘度は10万(mPa・s)に調製したアクリル酸エステル共重合体:100重量部に対し、光開始剤としてイルガキュア500:0.8重量部を溶融攪拌した後、実施例1と同様の方法で透明粘着シート及び透明積層体を得た。
(比較例5)
アクリル酸エステルの組成比は実施例1と同様とし、溶融粘度を4万(mPa・s)に調製したアクリル酸エステル共重合体:100重量部に対し、イルガキュア500:1.0重量部を溶融攪拌した後、実施例1と同様の方法で透明粘着シート及び透明積層体を得た。
(試験及び評価)
作製した粘着シートについて、前記の測定方法により40℃保持力を測定し、また透明積層体については、−20〜80℃ヒート(4サイクル/日)サイクルで2週間試験した後の積層体ついて外観観察した結果を表1に示した。外観観察による評価は、発泡なし、剥離なし、板ズレなしのすべてを満たすものを○とした。
Figure 0004879919
表1の結果から明らかなように、実施例1〜3の各透明粘着シートを用いた場合、室温での積層加工が可能で外観上満足のできる、耐久性にも優れた積層体を得ることができたのに対し、本発明の請求項1の構成を満たさない粘着剤を用いた比較例1〜3の各透明粘着シートにあっては、保持力、外観観察いずれも良好な結果が得られなかった。なお、比較例4,5では、保持力の点では良好であるも、外観観察において剥離を生じた。

Claims (2)

  1. 130℃における溶融粘度が15万〜50万(mPa・s)である(メタ)アクリル酸エステル系共重合体に対して、光ラジカル開始剤の少なくとも水素引き抜きタイプ光ラジカル開始剤を0.01〜1.0重量%含有してなるホットメルト型紫外線架橋透明粘着剤をホットメルト成形した後に紫外線照射させて架橋させ、40℃保持力が1.0mm以上13mm未満のズレ長さである粘着シートを中間層として用いて、透明なガラス板と合成樹脂板との間に積層してなる積層体。
  2. 前記(メタ)アクリル酸エステル系共重合体のTgが−20℃以下であることを特徴とする請求項1に記載の積層体
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