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JP4880142B2 - 液晶素子、光偏向素子、該光偏向素子を用いた画像表示装置、光偏向素子の製造方法、及び該光偏向素子の駆動方法 - Google Patents
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JP4880142B2 - 液晶素子、光偏向素子、該光偏向素子を用いた画像表示装置、光偏向素子の製造方法、及び該光偏向素子の駆動方法 - Google Patents

液晶素子、光偏向素子、該光偏向素子を用いた画像表示装置、光偏向素子の製造方法、及び該光偏向素子の駆動方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶素子、光偏向素子、該光偏向素子を用いた画像表示装置、光偏向素子の製造方法、及び該光偏向素子の駆動方法に関し、より具体的には、画像表示素子の見かけ上の画素数を増倍して表示する画像表示装置に適用可能で、マイクロ秒オーダーの高速スイッチィングを行うことにより光利用効率の低下を抑えて高品質の画像表示を行うことができるようにした光偏向素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、光結合器の光インターコネクション素子として、イオン交換技術を用いた分布屈折率型の平板マイクロレンズ、セルフォックレンズや回折型のマイクロフレネルレンズ、さらに微小球面を利用したマイクロレンズなどの様々なマイクロレンズが開発され、用いられている。これらのマイクロレンズは、ガラスなどの固体材料を用いて作製されているため、レンズ単体の光学特性は固定されていて変化させることはできない。
【0003】
マイクロレンズ単体の光学特性である焦点距離または光路を変化させることのできる素子(以後光偏向素子と呼ぶ)としては、光学材料として液晶材料を用いた液晶マイクロレンズが知られている。この液晶マイクロレンズは、レンズ部分となる領域にホールを有するホール・パターン電極が形成された2枚のガラス基板により液晶層が挟まれ、各ガラス基板の電極のホール部分が互いに対向するように配置された構成となっている。この液晶マイクロレンズでは、液晶セル内部のホール部分において発生する、ホールの中心を通る軸(光軸)にほぼ対称な不均一電界に沿って液晶分子が配向される。このホール部分における液晶分子の配向により屈折率分布が生じ、レンズ効果が得られる。このときの屈折率分布状態はほぼ二乗分布であり、良好なレンズ特性が得られている。
【0004】
上記のような液晶マイクロレンズとしては、ネマティック液晶を用いたものがある。このネマティック液晶を用いたものでは、液晶セルへの印加電圧の変化によってホール部分における屈折率分布を制御でき、光軸方向に焦点が移動する焦点可変特性を得られる。
【0005】
この他、紫外線硬化型液晶を用いた液晶マイクロレンズもある。紫外線硬化型液晶は、紫外線硬化前において上述のネマティック液晶と同様の液晶特性を示し、紫外線硬化後においてはポリマーフィルムと同様な状態となる。この紫外線硬化型液晶を用いたものでは、その紫外線硬化特性が利用される。すなわち、上記のマイクロレンズでは、電圧が印加されるとホールの中心を通る軸にほぼ対称な不均一電界に沿って液晶分子が配向されて屈折率分布を生じ、分子配向が安定した後、紫外線が照射されると、液晶が重合硬化してポリマーフイルムと同様な状態となり、紫外線照射前の配向状態が維持される。重合硬化により配向状態が維持された後は液晶特性を示さず、電圧無印加状態としてもレンズ効果が維持される。
【0006】
以下に、高分子と液晶の混合により液晶レンズの応答速度を高速化した従来例を紹介する。例えば、特開平11−142806号公報の「光学装置」は、不均一電界を利用した物ではなく、ホログラムを利用した液晶レンズの高速化であり、駆動方法が異なる。焦点距離を変化させることは容易だが、光軸と垂直な方向に焦点をシフトさせることは困難である。
【0007】
また特開平11−64817号公報の「可変焦点レンズ、可変焦点回折光学素子、および可変偏角プリズム」は、不均一電界を利用したものではなく、液晶と基板界面の屈折率差と基板の形状を利用した液晶レンズであり、焦点距離を変化させることは容易だが、光軸と垂直な方向に焦点をシフトさせることは困難である。また、高分子を混合することにより高速化したとの記述があるが、具体的には説明されていない。
【0008】
「Graded Index Type Liquid Crystal Microlens Using Small Amount of Polymer」:Materials Science Forum, Vols.308-311 (1999) pp.591-596 H.Kusanagi et al.,では、不均一電界を利用した円形の液晶マイクロレンズで、光硬化型の液晶高分子を18wt%混合することにより1msec.程度の応答速度を達成している。しかしミリ秒を切る高速化は達成されていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、液晶レンズは、印加電圧によってレンズの焦点距離を連続的に変化させることができる。しかしながら、従来の液晶マイクロレンズでは電圧を印加しない状態における液晶層については、配向膜による配向規制力のみで分子配向を規制しており、電圧印加による駆動の際に、電圧印加状態から無印加状態への液晶分子の回復時間が数秒以上ときわめて遅くなるという欠点を有していた。上記の欠点を解決する方法として、例えば、光硬化型の液晶高分子を用いて液晶分子の応答速度の高速化が図られたが、ミリ秒を切るまでの高速化は達成できていない。サブミリ秒の応答速度を持つ液晶レンズの報告は皆無である。
【0010】
サブミリ秒の応答速度が実現された液晶レンズの応用例としては、画素ずらし法による高精細画像表示装置がある。画像表示用素子の画素を画素ずらし法(例えば、特開平4−113308号公報、特開平5−289004号公報、特開平6−324320号公報等に開示)とは、元画像の画素を人間の目で認識できない程度の速度で高速に振ることにより、見かけの画素を倍増させる方法であり、安価に高精細な画像が得られる特徴を持つ表示方法である。
【0011】
例えば、光源としてRGB三色のLED光源を用い、一枚の液晶パネルに照射する光の色を高速に切換えてカラー表示を行う、いわゆるフィールドシーケンシャル方式を採用した場合、例えば画像表示のフレーム周波数が60Hzでカラー表示を行うために、1フレーム内をさらに3色分に分割するため、各色に対応した画像を180Hzで切換える処理行う。すなわち液晶パネルの各色の画像の表示タイミングに合わせて、対応色のLED光源をON/OFFすることで、観察者にはフルカラー画像が見える。上記の方式はカラーフィルタを使用せずに一枚の液晶パネルを用意すればよいので、画像の高精細化と装置の小型化に有利である。
【0012】
上記の構成において、液晶ライトバルブの後方に液晶マイクロレンズを配置することによって画像光が画素の配列方向に任意の距離だけシフトされる。このシフトにより、画素が倍増され高精細な画像が得られる。画像の横方向に二倍の画素増倍を行うためには、画素位置を120Hzでシフトさせ、サブフィールド画像の表示時間は8.3ミリ秒以内である。この期間には、光路が切り変わるのに必要な時間(光路切換え時間)Δtと液晶パネルが画像表示に使用できる時間を含んでいる。画像表示に使用できる時間が長いほど、フィールドシーケンシャル方式のLED発光時間を長くできるため、LEDの発光輝度を小さくすることができ、LED光源の負担が小さくなる。したがって、光路切換え時間Δtはできるだけ短い方が好ましく、高速な光路切換え手段が必要になり、動画表示では500μsec.を切る高速応答の液晶レンズが求められる。
【0013】
本発明は上述のごとき実情に鑑みてなされたもので、画像表示素子の見かけ上の画素数を増倍して表示する画像表示装置に適用可能で、マイクロ秒オーダーの高速スイッチィングが可能とすることで、光利用効率低下を抑え高品質の画像表示を可能とした液晶素子、光偏向素子、該光偏向素子を用いた画像表示装置、光偏向素子の製造方法、及び該光偏向素子の駆動方法を提供することを目的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
請求項の発明は、入射光の光路を偏向可能な機能を有し、画像表示装置に適用されて用いられる光偏向素子であって、画像情報に従って光を制御可能な複数の画素が二次元的に配列した画像表示素子と、該画像表示素子を照明する光源及び照明装置と、前記画像表示素子に表示した画像パターンを投射する投射レンズと、フレームを時間的に分割した複数のサブフィールドで形成する表示駆動手段と、前記光路偏向素子を用いて各画素からの出射光の光路を偏向する光路偏向手段とを備えて前記サブフィールド毎の光路の偏向状態に応じて表示位置がずれている状態の画像パターンを表示することで前記画像表示素子のみかけ上の画素数を増倍して表示する画像表示装置に適用される光偏向素子において、該光偏向素子は、対向配置される二枚の基板と、少なくとも一方の該基板上に画素ピッチに対応して形成した電極アレイと、該基板間に封入される高分子及び液晶を含む液晶層とを有し、前記電極アレイによる前記液晶層への電界を制御することにより入射光の光路偏向を行うことを特徴としたものである。
【0016】
請求項の発明は、請求項の発明において、前記液晶層に含まれる高分子は、重合硬化剤によって重合硬化された高分子であることを特徴としたものである。
【0017】
請求項の発明は、請求項の発明において、前記重合硬化剤は、光硬化型であることを特徴としたものである。
【0018】
請求項の発明は、請求項またはの発明において、前記重合硬化された高分子は、液晶性骨格を部分構造として有する光硬化型高分子であることを特徴としたものである。
【0019】
請求項の発明は、請求項またはの発明において、実使用時の電圧非印加状態において定められる液晶配向方向に強制的に液晶を配向せしめるように電界を印加した状態で、前記高分子を光硬化させて作成したことを特徴としたものである。
【0020】
請求項の発明は、請求項の発明において、前記実使用時の電圧非印加状態において定められる液晶配向方向は、前記基板に平行な方向であることを特徴としたものである。
【0021】
請求項の発明は、請求項ないしのいずれか1の発明において、前記高分子を得るために重合硬化させるモノマーまたはプレポリマーの前記液晶層の構成材料に対する混合比が、15wt%以上50wt%以下の範囲であることを特徴としたものである。
【0022】
請求項の発明は、請求項ないしのいずれか1の発明において、前記液晶層の厚みは、20μm以下であることを特徴としたものである。
【0023】
請求項の発明は、請求項ないしのいずれか1の発明において、該光偏向素子は、前記液晶層の液晶分子を駆動する駆動手段を有し、該駆動手段は、該液晶分子の駆動電圧が30V/μm以下であることを特徴としたものである。
【0024】
請求項10の発明は、画像情報に従って光を制御可能な複数の画素が二次元的に配列した画像表示素子と、該画像表示素子を照明する光源及び照明装置と、前記画像表示素子に表示した画像パターンを投射する投射レンズと、フレームを時間的に分割した複数のサブフィールドで形成する表示駆動手段と、各画素からの出射光の光路を偏向する光偏向素子を用いた光路偏向手段とを有し、サブフィールド毎の光路の偏向状態に応じて表示位置がずれている状態の画像パターンを表示することで、画像表示素子の見かけ上の画素数を増倍して表示する画像表示装置において、前記光路偏向手段は、請求項1ないしのいずれか1に記載の光偏向素子と、前記表示駆動手段に同期して該光偏向素子が有する電極アレイへの電圧印加状態を変化させる光路偏向駆動手段とを有することを特徴としたものである。
【0025】
請求項11の発明は、請求項10の発明において、前記光路偏向手段は、前記画像表示素子画素の二次元的な配列方向に対して、前記画素の第一の画素配列方向に沿って、入射されてくる前記画像パターンの光路の偏向、及び/または、該画像パターンの集光される焦点位置の移動が可能な請求項1ないしのいずれか1に記載の第一の光偏向素子と、前記画素の第二の画素配列方向に沿って、前記第一の光偏向素子を介して入射されてくる前記画像パターンの光路の偏向、及び/または、該画像パターンの集光される焦点位置の移動が可能な請求項1ないしのいずれか1に記載の光偏向素子とを有し、更には、直線偏光の偏光面の方向を、前記第一の画素配列方向から前記第二の画素配列方向に回転させることができる偏光面回転手段が、前記第一の光偏向素子と第二の光偏向素子との間に配置されていることを特徴としたものである。
【0026】
請求項12記載の発明は、入射光の光路を偏向可能な機能を有し、画像表示装置に適用されて用いられる光路偏向素子の製造方法であって、画像情報に従って光を制御可能な複数の画素が二次元的に配列した画像表示素子と、該画像表示素子を照明する光源及び照明装置と、前記画像表示素子に表示した画像パターンを投射する投射レンズと、フレームを時間的に分割した複数のサブフィールドで形成する表示駆動手段と、前記光路偏向素子を用いて各画素からの出射光の光路を偏向する光路偏向手段とを備えて前記サブフィールド毎の光路の偏向状態に応じて表示位置がずれている状態の画像パターンを表示することで前記画像表示素子の見かけ上の画素数を増倍して表示する画像表示装置に適用される光偏向素子の製造方法において、該光偏向素子は、対向配置される二枚の基板を用意し、少なくとも一方の該基板上に画素ピッチに対応して電極アレイを形成し、高分子と液晶とを含む液晶層とを前記基板間に封入することにより製造することを特徴としたものである。
【0027】
請求項13の発明は、請求項12の発明において、前記液晶層に含まれる高分子は、重合硬化剤によって重合硬化した高分子とすることを特徴としたものである。
【0028】
請求項14の発明は、請求項13の発明において、前記重合硬化剤として、光硬化型の重合硬化剤を用いることを特徴としたものである。
【0029】
請求項15の発明は、請求項13または14の発明において、前記高分子として、液晶性骨格を部分構造として有する光硬化型高分子を用いることを特徴としたものである。
【0030】
請求項16の発明は、請求項14または15の発明において、実使用時の電圧非印加状態において定められる液晶配向方向に強制的に液晶を配向せしめるように電界を印加した状態で、前記高分子を光硬化させることを特徴としたものである。
【0031】
請求項17の発明は、請求項16の発明において、前記実使用時の電圧非印加状態において定められる液晶配向方向は、前記基板に平行な方向であることを特徴としたものである。
【0032】
請求項18の発明は、請求項13ないし17のいずれか1の発明において、前記高分子を得るために重合硬化させるモノマーまたはプレポリマーの前記液晶層の構成材料に対する混合比を、15wt%以上50wt%以下の範囲とすることを特徴としたものである。
【0033】
請求項19の発明は、請求項12ないし18のいずれか1の発明において、前記液晶層の厚みを、20μm以下とすることを特徴としたものである。
【0034】
請求項20の発明は、請求項ないしのいずれか1に記載の光偏向素子の液晶分子を駆動するための光偏向素子の駆動方法において、前記液晶層の液晶分子を駆動する駆動手段における駆動電圧を30V/μm以下とすることを特徴としたものである。
【0035】
【発明の実施の形態】
本発明の液晶素子(光偏向素子)の実施例について説明する。液晶素子は光偏向素子として機能することができる。以下の実施例では、光偏向素子として用語を統一して使用する。図1は、本発明の光偏向素子の概略構成を説明するための図で、図中、1は透明基板、2は液晶層、3は電極(櫛形電極アレイ)、4は配向膜、5は液晶層に対する電界を制御することにより光路偏向を行う光路偏向駆動手段である。図2は、本発明の光偏向素子の電極4として適用される櫛型電極アレイの構成例を示す概略図である。
【0036】
本発明の光偏向素子は液晶マイクロレンズに基づく技術によって得られるものであり、図1に示すように、2枚の透明基板1と、少なくとも一方の透明基板上にレンズ形成のために配した図2に示すごとくの櫛形電極アレイによる電極3と、2枚の透明基板1間への電圧印加によって屈折率分布の制御が可能な液晶層2と、上記電極3への電圧印加状態を変化させる光路偏向駆動手段とを有する。また電極3の液晶層2に接する面は、液晶分子が配向するような機能を付与することが好ましい。配向機能の付与には、TN液晶、STN液晶等に用いられるポリイミド等の通常の配向膜4を利用することができる。配向膜4にはラビング処理や光配向処理を施すことが好ましい。さらに、透明電極の表面には絶縁膜(図示せず)を設けても良い。光路偏向駆動手段5による上記櫛形電極アレイの印加電圧の制御によって、フレネル状のレンズを得ることができる。
【0037】
上記透明基板1の材質としては、ガラス、プラスチック等を使用することができる。また櫛形電極アレイにおける電極3の材質としては、ITO,Cr,Al等が利用できる。電極3は液晶層2側の透明基板1上に設置する。また、使用する透明基板1自身が導電性を有している場合は、透明基板1を電極としても利用することができる。少なくとも一方の透明基板側では、電極がアレイ状に形成されている。
【0038】
液晶層2は、2枚の透明基板1の間に設けられ、少なくとも重合硬化剤によって重合硬化された状態の高分子と液晶とを含んでいる。液晶層2は、例えば一般的なネマチック液晶と重合硬化可能なモノマーまたはプレポリマーとの混合系を用意し、そのモノマーまたはプレポリマーを重合硬化することにより、前記ネマティック液晶が所望の配向状態で維持されるように形成する(以下これを第1の状態と呼ぶ)。
【0039】
電極3への電圧印加による液晶層2の液晶の駆動に際し、液晶は電界により再配向されて、上記の第1の状態から所望の第2の状態へ遷移する。上述したように液晶層に高分子と液晶とを含む構成とし、特に重合硬化剤によって重合硬化された状態の高分子と液晶とを含む構成とした場合に、駆動の際の上記第2の状態から第1の状態への液晶分子の配向の回復において、配向膜のみの規制力で液晶の配向を回復させた場合と比較して、上記の液晶層構成のものは格段に応答速度を向上させることができる。
【0040】
これは、液晶と高分子の接触面積が広く、液晶に対する高分子の配向規制力が強いことにより、液晶の電界に対する応答速度を大幅に高速化できるためである。画像表示素子の見かけ上の画素数を増倍して表示する画像表示装置において、光偏向素子がマイクロ秒オーダーの高速スイッチィングが可能となることで、光利用効率低下を抑え高品質の画像表示を可能とすることができる。
【0041】
上記のモノマーまたはプレポリマーとしては、ディバイスの形成しやすさ、及び材料選択幅の広さの点で光硬化型のものが優れており、硬化時の条件に自由度があり熱硬化型に比べ高速化設計に適している。光硬化型の材料を用いることにより、ディバイスセルへの液晶注入後光を照射するのみでディバイスを作製することができる。また光強度、硬化時間をコントロールすることで高速化に適した高分子構造を容易に得ることができるため、熱硬化型の高分子と比較し格段の高速化が望める。
【0042】
さらに、モノマーまたはプレポリマーによって形成される高分子は、屈折率の変化量を大きくすることや白濁防止のために、液晶性要素を部分構造として有することが望ましい。図3は、本発明に適用可能な液晶層のモデルを模式的に示す図で、液晶要素eが高分子骨格中に存在する高分子Pと、液晶分子2Lとが配向した状態となっている。上記のような高分子Pは、高分子骨格に液晶性の置換基(液晶性要素e)が付いているため、高分子骨格部分も配向し、電圧をかけたときとかけないときとにおける屈折率変化を大きくすることができ、また硬化時に白濁がない透明なディバイスを作成することができる。
【0043】
また、上記のごときに光硬化型モノマーまたはプレポリマーを光硬化させる際に、実使用時の電圧非印加状態において定められる液晶配向方向に、電界印加によって強制的に配向させた状態で光硬化させることで、より配向規制力が増した高速なディバイスとすることができる。すなわち、液晶の配向方向を所定の無電界状態の方向に向かせることで、良好な光偏向を可能とすることができる。なお、ここで述べる電圧非印加状態とは、液晶配向方向を変化させる閾値電圧以上の電圧を印加していない状態を指し、全く電圧を付与しない状態のみならず、例えば高速スイッチングのためのバイアス電圧を印加している状態等を指す。
【0044】
上記電圧非印加状態において液晶がホモジニアス配向をとる場合には、液晶の長軸(Δεが正の場合)または短軸(Δεが負の場合)が透明基板1に平行となるように、基板と平行に電界を印加した状態で光硬化させることで、より配向規制力が増し高速なディバイスとすることができる。印加する電界強度としては、素子駆動時に印加する電界と同程度であればよく、0.1V/μm以上、望ましくは2V/μm以上印加するのが好適である。液晶の長軸が基板と平行になるようにすることにより、駆動時の屈折率変化が大きく、かつ液晶の回復時間をより速くすることができる。
【0045】
また、上述した液晶性骨格を部分構造として有する光硬化型高分子のプレポリマーとしては、例えば図4に示すような化合物があげられるが、本発明に適用可能な光硬化型高分子プレポリマーとしてはこれらに限定されるものではない。また、液晶材料中における重合硬化可能なモノマーまたはプレポリマーの含有量を15wt%以上とすると、後述の実施例1に示す通り所定条件で500μsec.以下の応答性を確保することができ、光偏向素子を特に動画表示用の画像表示装置に応用することが可能となり好ましい。
【0046】
ただし、液晶層の材料中における上記モノマーまたはプレポリマーの含有量を50wt%以上とすると、重合後のポリマーによる液晶の動きの束縛が強くなり、電界による屈折率変化が小さくなって十分な画素縮小効果が得られない。モノマーまたはプレポリマーの含有量とレンズ効果の評価結果を図5に示すように、プレポリマーの含有量を50wt%以下とすることで十分な屈折率変化を得ることができる。またモノマーまたはプレポリマーを液晶材料に対して15wt%以上混合することで、さらに高速なディバイスが得られる(実施例1にて後述)。
【0047】
上記の液晶層2の材料は、複屈折Δnや誘電異方性Δεが大きい方が好ましい。液晶層2の厚さは透明基板1の間のスペーサ部材の厚さよって設定し、スペーサ部材は光の透過を阻害することがないように、液晶層2の周辺部にのみ設けることが好ましい。さらに、応答速度を500μsec.以下に高速化するため液晶層2の厚みは20μm以下であることが必要であり、低電圧駆動を実現するために5μm以下であるとさらに望ましい。しかし、液晶層の厚みを1μm以下にすると、速度は速くなるが、基板間のギャップを均一に制御することが困難になり素子の製造が難しくなる。従って、液晶層2の厚みを20μm以下とすることでマイクロ秒の高速スイッチィングが可能なディバイスを得ることができる。液晶層2の厚みの評価例は実施例5にて後述する。
【0048】
また液晶の駆動時の電界としては、30V/μm以下である必要があり、これ以上の電界強度で駆動した場合は、ポリマー構造が乱れ、散乱による不具合が発生する。光偏向素子を駆動する電圧を30V/μm以下とすることで、デバイスのポリマー構造を壊れにくくすることができる。駆動電圧とポリマー構造に関する評価例は、実施例2にて後述する。
【0049】
以下本発明の光偏向素子の動作について説明する。図6は、液晶セルにおける液晶の配向状態を模式的に示す図で、無電界による非動作時の液晶配向を図6(A)に、電極への第1の電圧印加状態における液晶配向(状態Iとする)を図6(B)に、電極への第2の電圧印加状態における液晶配向(状態IIとする)を図6(C)に示すものである。図6において、1は透明基板、2Lは液晶分子、3は電極、10は液晶セルである。
【0050】
図6(A)に示すように、無電界の状態では液晶分子2Lが透明基板1に沿って平行になるようにホモジニアス配向処理されている。図6(A)では、液晶分子2Lの長軸方向が紙面の左右方向に一致するような配向処理を想定している。上側の透明基板1には電極3のラインがアレイ状に形成されている。この状態においては、液晶分子の配向方向による屈折率の分布による影響を受けないため液晶層中を通過する光lは直進する。なお、下側透明基板1の電極3は全面に形成されているが、上側の電極3に対称なアレイ電極として構成してもよい。
【0051】
図6(B)の状態Iは、網掛け表示した電極3のラインにのみ閾値以上の電圧を印加した場合を示す。電圧を印加した電極3の該当部分では、電界によって液晶分子2Lが透明基板1の表面に垂直に配向し、無印加の電極3の該当部分では、液晶分子2Lは透明基板1に水平に配向したままになる。このような液晶セル内部の不均一電界による配向方向の分布によって異常光に対する屈折率分布が生じる。このため、液晶層中を通過する光lは図のように偏向されることとなる。
【0052】
図7は、図6に示す液晶セルにおける屈折率分布の切り替えについて説明するための図である。例えば、図6に示す液晶セル10に紙面と平行な偏光面を持つ直線偏光を入射させる場合、液晶分子長軸が基板に垂直に配向するに従って実効的な屈折率が小さくなる。図6(B)に示す状態Iの電圧印加状態の場合、上記直線偏光に対する液晶セル10の屈折率分布は図7の実線(状態I)に示すようになる。次に、図6(C)の状態IIに示すように電圧を印加する電極を切換えると、液晶分子の配向状態も変化し、図7の破線(状態II)に示すような屈折率分布に変化する。このため、液晶層中を通過する光lは図のように図6(C)の状態とは異なる方向に偏向されることとなる。上の例では図1中の光路偏向駆動手段5により電圧を印加する電極を切り換えるようにしている制御を行っている。しかし、光を偏向させるためには、液晶層中の電界に勾配が生じるようにすれば良い。したがって、アレイ状電極の隣り合う電極や複数ライン単位で印加電圧の大きさ(絶対値)が異なるように電圧を印加するように光路偏向駆動手段5を制御するようにしてもよい。
【0053】
図8は、液晶ライトバルブの四つの画素から出射してきた光が紙面下側から液晶セルに入射する状態を模式的に説明するための図で、図中、10は液晶セル、11は入射側画素、12は入射光、13は出射光、14は出射側画素である。例えば、液晶セル10が上記の状態Iの時、4つの入射側画素11に第1のサブフレームとしてそれぞれ(a)、(c)、(e)、(g)の状態を表示するとき、図7に示す実線の屈折率分布によって上記(a)と(c)、(e)と(g)がそれぞれ縮小される。このとき、図8に実線で示すように、出力側画素14の画素ピッチは一定でなくなる。
【0054】
次に第2のサブフレームの表示タイミングに合わせて、図6(C)に示す電圧を印加する電極を切換えると、屈折率分布は図7に示す状態IIのように切り換わる。ここで、第2のサブフレームとして(b)(d)(f)(h)の状態を表示すると、図8に破線で示した出射側画素14の位置に縮小された画素が移動する。すなわち、サブフレームを数十Hzから数百Hzで切換えることで、液晶セル上では見かけ上(b)(a)(c)(d)(f)(e)(g)(h)と変則的に並んだ8つの画素となる。以下に本発明の光偏向素子を具体化して作成した実施例について説明する。
【0055】
(実施例1)
液晶マイクロレンズセルは、図2に示したクロムの櫛形電極アレイと対向電極としてITOのベタ電極を用いた。クロムの電極幅は3μm、ピッチは10μmで電極本数は1000本とした。配向膜はAL3046−R31(JSR社製)をスピンコートで形成し、ローラーラビング装置で配向処理した。セルギャップを調製するため、UV硬化接着剤に5μmの真絲球を混合し、塗布ロボットにより電極アレイにかからないように塗布した。両透明基板をラビング方向が180度(液晶の配向がホモジニアスとなるように)となるように重ねて張り合わせ、UV硬化接着剤を硬化させた。
【0056】
液晶層として、液晶性骨格を部分構造として有する光硬化高分子のプレポリマーをネマティック液晶(メルク社、ZLI−2471)と混合し、毛細管法によりセル中に注入した。上記液晶性骨格を部分構造として有する光硬化型高分子のプレポリマーとしては、図4の(A),(D)及び(G)の混合物を用い、それぞれの割合をA:D:G=48:48:4とした。また、光重合開始剤(IRG−651、チバガイギー社)を上記重合性の混合液晶に対し1wt%の割合で混合した。上記プレポリマーに対し、20mW/cm2の強度の紫外線を1分間室温無電界で照射して高分子化した。プレポリマーは0〜20%の間で変化させてそれぞれ評価した。
【0057】
図9は、レーザ回折光によって液晶マイクロレンズの応答速度を測定するための測定装置の概略構成を示す図で、図中、20は液晶マイクロレンズ、21は集光レンズ、22は光ダイオード、23はオシロスコープ、Lはレーザ光である。液晶マイクロレンズ20の応答速度は、液晶マイクロレンズ20の櫛形電極(図2)に633nmの波長のレーザ光Lを照射し、屈折率の周期的な変調(レンズ効果)により現れる回折光を集光レンズ21で集光し、その一部を光ダイオード22により受光し、電圧に変換してその電圧変化をオシロスコープ23で観測することで応答速度を決定した。すなわち、印加電圧をスイッチィングして光路を偏向させるときに瞬間回折光強度が小さくなるため、回折光強度が100%からまた回復し90%まで変化する速度を応答速度とした。
【0058】
図10は、液晶層の材料における上記モノマーまたはプレポリマーの含有量を変えたときの応答速度の電圧依存性を示す図である。モノマーまたはプレポリマーの含有量が5%までは応答速度は0%の時と変わらないが、上記含有量が10%以上でμ秒オーダーの応答速度を示し、含有量15%で500μsec.を切り、動画表示に十分耐えられる応答速度が得られている。この結果により、上記本発明による光偏向素子が応答速度の点で極めて有効であることが確認された。
【0059】
(実施例2)
実施例1において作成した液晶マイクロレンズのセルを10〜50V/μmで駆動し、顕微鏡で観察した。その結果を図11に示す。図11に示すように、30V/μmより大きな電界ではポリマー構造が乱れ、散乱が発生していることが分かった。これにより、光偏向素子を駆動する電圧を30V/μm以下に設定する光偏向素子動作方法が極めて有効であることが確認された。
【0060】
(実施例3)
実施例1において、上記液晶層の材料における光硬化型プレポリマーの含有量を15%に固定し、光照射する際に、図2の櫛形電極A,Bに対向基板に対して平行に2V/μmの電界をかけながら高分子化した。実施例1に記載の方法で応答速度を測定したところ、100μsec.(測定限界)以下の高速応答を示し、電界を印加しない場合(350μsec.)に比較してより高速化をはかることができた。これによって、光硬化する際に、実使用時の電圧非印加状態において定められる液晶配向方向であるところの、基板と平行に電界をかけた状態で光硬化させる光偏向素子作製方法が極めて有効であることが確認された。
【0061】
(実施例4)
図12は、本発明による画像表示装置の一実施例を説明するための図で、図中、31は光源、32は照明装置、33は画像表示素子、34は光路偏向素子、35は投射レンズ、36はスクリーン、37は光源駆動手段、38は表示駆動手段、39は光路偏向駆動手段、40は画像表示制御回路である。光路偏向素子34は後述の液晶マイクロレンズよりなり、該光偏向素子34と、表示駆動手段38に同期して該光偏向素子の電極アレイへの電圧印加状態を変化させる光路偏向駆動手段39とにより光路偏向手段が構成される。
【0062】
画像表示素子33としてはTFT液晶パネルによる液晶ライトバルブを用いた。該液晶パネルにおける画素ピッチは縦横ともに約10μmである。また光源31としてRGB三色のLED光源を用い、上記の一枚の液晶パネルに照射する光の色を高速に切換えてカラー表示を行う、フィールドシーケンシャル方式を採用した。画像表示のフレーム周波数が60Hz、1フレーム内をさらに3色分に分割するため、各色に対応した画像を180Hzで切換えた。液晶パネルの各色の画像表示タイミングに合わせて、対応した色のLED光源をON/OFFすることで、観察者にはフルカラー画像が見える。
【0063】
実施例1で作成したプレポリマーの含有量が20%の液晶マイクロレンズを光偏向素子34に用いて、上記液晶ライトバルブによる画像表示素子33の直後に設置し、画素位置と透明電極ラインの位置合わせを調整し、カラー動画表示の観察実験を行った。画像表示素子33のサブフィールド画像信号に同期して液晶セルの電極ラインへの印加電圧の駆動周波数を切り換えて図8に示すような画素の切り替えを行った。液晶マイクロレンズの出射側に薄い拡散層を有する拡散板を合わせて、出射面での拡散光を拡大観察したところ、横方向の画素密度が2倍の高精細な動画像が得られた。
【0064】
図12においては、光路を紙面の左右方向(即ち、画面の水平方向)に偏向させる第1の液晶マクロレンズ34aが光路の上流側に配置され、紙面の上下方向(即ち、画面の垂直方向)に偏向させる第2の液晶マイクロレンズ34bが光路の下流側に配置されており、更に、第1及び第2の液晶マイクロレンズ34a,34bの間に、入射する直線偏光の偏光面を回転させる偏光回転手段34cが配置されている。
【0065】
なお、第1及び第2の液晶マクロレンズ34a,34bによる偏向方向は、二次元的に配列されている画像表示素子33の画素配列の二方向のそれぞれに一致するように配設される。即ち、一般的には、画像表示素子33の画素配列の方向は、縦横二方向に互いに直交させて配列されているので、図12に示すように、第1及び第2の光路偏向手段34a,34cの作用方向即ち光路偏向方向も互いに直交するように、それぞれの透明電極アレイの方向や液晶層の配向処理の方向が設定されることになる。
【0066】
偏光面回転手段34cにおいて、第1の液晶マイクロレンズ34aからの出射光の直線偏光方向を、第2の液晶マイクロレンズ34bの光路偏向方向と一致させるまで(本実施形態においては、90度)回転させてから、第2の液晶マイクロレンズ34bに入射させる。
【0067】
(実施例5)
実施例1において、プレポリマーの含有量を20%に固定し、UV硬化接着剤内の5μmの真絲球に変え、マイラーフィルム(帝人デュポンフィルム製)を基板間の光を遮らない位置にはさむことでギャップ制御を行った。実施例1の方法で応答速度を測定したところ、応答速度は液晶層の厚みの増加に従って遅くなり、図13に示すとおり20μmよりも厚いものは500μsec.以上を要した。これにより、液晶層の厚みが20μm以下の場合に極めて有用であることが確認された。
【0068】
(実施例6)
2枚の透明基板に配向膜AL3046−R31(JSR社製)をスピンコートで形成し、ローラーラビング装置で配向処理した。セルギャップを調製するため、UV硬化接着剤に5μmの真絲球を混合し、塗布ロボットにより電極アレイにかからないように塗布した。両透明基板をラビング方向が180度(液晶の配向がホモジニアスとなるように)となるように重ね、該UV硬化接着剤を硬化させて張り合わせた。液晶は光硬化高分子のプレポリマーをネマティック液晶(メルク社、ZLI−2471)と混合して毛細管法によりセル中に注入した。
【0069】
サンプル1:プレポリマーとして液晶性骨格を部分構造として有す光硬化型高分子のプレポリマー(図4のA、D及びGの混合物で、それぞれの割合がA:D:G=48:48:4)を用い、この中に、光重合開始剤(IRG−651、チバガイギー社)を上記プレポリマーに対し1wt%混合した。そして20mW/cm2の強度の紫外線を1分間室温無電界で照射してプレポリマーを高分子化した。このセルをサンプル1とする。
【0070】
サンプル2:上記光硬化高分子のプレポリマーとして液晶骨格を持たない通常の光硬化型高分子であるOPM55(ADELL社製)を用い、このプレポリマーが液晶層材料の20%となるように混合し、上記サンプル1と同様に高分子化した。得られたセルをサンプル2とする。上記サンプル1と2の透過率を測定したところサンプル1は90%であったがサンプル2は60%となり、光が散乱していることがわかった。これにより、重合硬化された高分子が液晶性骨格を部分構造として有する光硬化型高分子であることが有効であることが示された。
【0071】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の光偏向素子によれば、画像表示素子の見かけ上の画素数を増倍して表示する画像表示装置において、光偏向素子がマイクロ秒オーダーの高速スイッチィングが可能となることで、光利用効率低下を抑え高品質の画像表示を可能とすることができる光偏向素子を提供することができる。また、液晶層材料として、高分子骨格に液晶性骨格を付加した高分子液晶を用いることにより、屈折率変化を大きくして光偏向量を大きくすることができるとともに、応答速度を格段に高速化するができる。また、上記の光偏向素子を用いることにより、光利用効率低下を抑え高品質の画像表示を可能とする画像表示装置を提供することができる。
【0072】
さらに本発明によれば、上記の光偏向素子を用いることにより、光利用効率が高く、より鮮明な画像を得ることができるビデオカメラを提供できる。
さらに本発明によれば、上記の光偏向素子を用いることにより、無偏光の光を操作可能であって信頼性の高いスイッチングを行うことができるスイッチング装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の光偏向素子の概略構成を説明するための図である。
【図2】 本発明の光偏向素子の電極として適用される櫛型電極アレイの構成例を示す概略図である。
【図3】 本発明に適用可能な液晶層のモデルを模式的に示す図である。
【図4】 本発明に適用可能な光硬化型高分子プレポリマーの例を示す図である。
【図5】 モノマーまたはプレポリマーの含有量とレンズ効果の評価結果を示す表である。
【図6】 液晶セルにおける液晶の配向状態を模式的に示す図である。
【図7】 図6に示す液晶セルにおける屈折率分布の切り替えについて説明するための図である。
【図8】 液晶ライトバルブの四つの画素から出射してきた光が紙面下側から液晶セルに入射する状態を模式的に説明するための図である。
【図9】 レーザ回折光によって液晶マイクロレンズの応答速度を測定するための測定装置の概略構成を示す図である。
【図10】 液晶層の材料における上記モノマーまたはプレポリマーの含有量を変えたときの応答速度の電圧依存性を示す図である。
【図11】 液晶マイクロレンズのセルを10〜50V/μmで駆動したときの観察結果を示す表である。
【図12】 本発明による画像表示装置の一実施例を説明するための図である。
【図13】 液晶層の厚みと応答速度の評価結果を示す表である。
【符号の説明】
1…透明基板、2…液晶層、2L…液晶分子、3…電極(櫛形電極アレイ)、4…配向膜、5…光路偏向駆動手段、10…液晶セル、11…入射側画素、12…入射光、13…出射光、14…出射側画素、20…液晶マイクロレンズ、21…集光レンズ、22…光ダイオード、23…オシロスコープ、31…光源、32…照明装置、33…画像表示素子、34…光路偏向素子、34a…第1の液晶マクロレンズ、34b…第2の液晶マクロレンズ、34c…偏光回転手段、35…投射レンズ、36…スクリーン、37…光源駆動手段、38…表示駆動手段、39…光路偏向駆動手段、40…画像表示制御回路、L…レーザ光、2L…液晶分子。

Claims (20)

  1. 入射光の光路を偏向可能な機能を有し、画像表示装置に適用されて用いられる光偏向素子であって、画像情報に従って光を制御可能な複数の画素が二次元的に配列した画像表示素子と、該画像表示素子を照明する光源及び照明装置と、前記画像表示素子に表示した画像パターンを投射する投射レンズと、フレームを時間的に分割した複数のサブフィールドで形成する表示駆動手段と、前記光路偏向素子を用いて各画素からの出射光の光路を偏向する光路偏向手段とを備えて前記サブフィールド毎の光路の偏向状態に応じて表示位置がずれている状態の画像パターンを表示することで前記画像表示素子のみかけ上の画素数を増倍して表示する画像表示装置に適用される光偏向素子において、該光偏向素子は、対向配置される二枚の基板と、少なくとも一方の該基板上に画素ピッチに対応して形成した電極アレイと、該基板間に封入される高分子及び液晶を含む液晶層とを有し、前記電極アレイによる前記液晶層への電界を制御することにより入射光の光路偏向を行うことを特徴とする光偏向素子。
  2. 請求項に記載の光偏向素子において、前記液晶層に含まれる高分子は、重合硬化剤によって重合硬化された高分子であることを特徴とする光偏向素子。
  3. 請求項に記載の光偏向素子において、前記重合硬化剤は、光硬化型であることを特徴とする光偏向素子。
  4. 請求項またはに記載の光偏向素子において、前記重合硬化された高分子は、液晶性骨格を部分構造として有する光硬化型高分子であることを特徴とする光偏向素子。
  5. 請求項またはに記載の光偏向素子において、実使用時の電圧非印加状態において定められる液晶配向方向に強制的に液晶を配向せしめるように電界を印加した状態で、前記高分子を光硬化させて作成したことを特徴とする光偏向素子。
  6. 請求項に記載の光偏向素子において、前記実使用時の電圧非印加状態において定められる液晶配向方向は、前記基板に平行な方向であることを特徴とする光偏向素子。
  7. 請求項ないしのいずれか1に記載の光偏向素子において、前記高分子を得るために重合硬化させるモノマーまたはプレポリマーの前記液晶層の構成材料に対する混合比が、15wt%以上50wt%以下の範囲であることを特徴とする光偏向素子。
  8. 請求項ないしのいずれか1に記載の光偏向素子において、前記液晶層の厚みは、20μm以下であることを特徴とする光偏向素子。
  9. 請求項ないしのいずれか1に記載の光偏向素子において、該光偏向素子は、前記液晶層の液晶分子を駆動する駆動手段を有し、該駆動手段は、該液晶分子の駆動電圧が30V/μm以下であることを特徴とする光偏向素子。
  10. 画像情報に従って光を制御可能な複数の画素が二次元的に配列した画像表示素子と、該画像表示素子を照明する光源及び照明装置と、前記画像表示素子に表示した画像パターンを投射する投射レンズと、フレームを時間的に分割した複数のサブフィールドで形成する表示駆動手段と、各画素からの出射光の光路を偏向する光偏向素子を用いた光路偏向手段とを有し、サブフィールド毎の光路の偏向状態に応じて表示位置がずれている状態の画像パターンを表示することで、画像表示素子の見かけ上の画素数を増倍して表示する画像表示装置において、前記光路偏向手段は、請求項1ないしのいずれか1に記載の光偏向素子と、前記表示駆動手段に同期して該光偏向素子が有する電極アレイへの電圧印加状態を変化させる光路偏向駆動手段とを有することを特徴とする画像表示装置。
  11. 請求項10に記載の画像表示装置において、前記光路偏向手段は、前記画像表示素子画素の二次元的な配列方向に対して、前記画素の第一の画素配列方向に沿って、入射されてくる前記画像パターンの光路の偏向、及び/または、該画像パターンの集光される焦点位置の移動が可能な請求項1ないしのいずれか1に記載の第一の光偏向素子と、前記画素の第二の画素配列方向に沿って、前記第一の光偏向素子を介して入射されてくる前記画像パターンの光路の偏向、及び/または、該画像パターンの集光される焦点位置の移動が可能な請求項1ないしのいずれか1に記載の光偏向素子とを有し、更には、直線偏光の偏光面の方向を、前記第一の画素配列方向から前記第二の画素配列方向に回転させることができる偏光面回転手段が、前記第一の光偏向素子と第二の光偏向素子との間に配置されていることを特徴とする画像表示装置。
  12. 入射光の光路を偏向可能な機能を有し、画像表示装置に適用されて用いられる光路偏向素子の製造方法であって、画像情報に従って光を制御可能な複数の画素が二次元的に配列した画像表示素子と、該画像表示素子を照明する光源及び照明装置と、前記画像表示素子に表示した画像パターンを投射する投射レンズと、フレームを時間的に分割した複数のサブフィールドで形成する表示駆動手段と、前記光路偏向素子を用いて各画素からの出射光の光路を偏向する光路偏向手段とを備えて前記サブフィールド毎の光路の偏向状態に応じて表示位置がずれている状態の画像パターンを表示することで前記画像表示素子の見かけ上の画素数を増倍して表示する画像表示装置に適用される光偏向素子の製造方法において、該光偏向素子は、対向配置される二枚の基板を用意し、少なくとも一方の該基板上に画素ピッチに対応して電極アレイを形成し、高分子と液晶とを含む液晶層とを前記基板間に封入することにより製造することを特徴とする光偏向素子の製造方法。
  13. 請求項12に記載の光偏向素子の製造方法において、前記液晶層に含まれる高分子は、重合硬化剤によって重合硬化した高分子とすることを特徴とする光偏向素子の製造方法。
  14. 請求項13に記載の光偏向素子の製造方法において、前記重合硬化剤として、光硬化型の重合硬化剤を用いることを特徴とする光偏向素子の製造方法。
  15. 請求項13または14に記載の光偏向素子の製造方法において、前記高分子として、液晶性骨格を部分構造として有する光硬化型高分子を用いることを特徴とする光偏向素子の製造方法。
  16. 請求項14または15に記載の光偏向素子の製造方法において、実使用時の電圧非印加状態において定められる液晶配向方向に強制的に液晶を配向せしめるように電界を印加した状態で、前記高分子を光硬化させることを特徴とする光偏向素子の製造方法。
  17. 請求項16に記載の光偏向素子の製造方法において、前記実使用時の電圧非印加状態において定められる液晶配向方向は、前記基板に平行な方向であることを特徴とする光偏向素子の製造方法。
  18. 請求項13ないし17のいずれか1に記載の光偏向素子の製造方法において、前記高分子を得るために重合硬化させるモノマーまたはプレポリマーの前記液晶層の構成材料に対する混合比を、15wt%以上50wt%以下の範囲とすることを特徴とする光偏向素子の製造方法。
  19. 請求項12ないし18のいずれか1に記載の光偏向素子の製造方法において、前記液晶層の厚みを、20μm以下とすることを特徴とする光偏向素子の製造方法。
  20. 請求項ないしのいずれか1に記載の光偏向素子の液晶分子を駆動するための光偏向素子の駆動方法において、前記液晶層の液晶分子を駆動する駆動手段における駆動電圧を30V/μm以下とすることを特徴とする光偏向素子の駆動方法。
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