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JP4882274B2 - 回転電機のステータ構造 - Google Patents
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この発明は、回転電機のステータ構造に関し、特に、コイル巻線を巻回するティース部に鍔部を備えた回転電機のステータ構造に関する。
従来、電動機のステータコアは、珪素鋼板等の電磁鋼板を回転軸方向に積層した積層コアにより形成する他、鉄合金粉末やフェライト粉末等の強磁性体粉末と絶縁性粘結剤との混合物を圧縮焼成又は圧縮成形した圧粉コアにより形成することが知られている。
このようなステータを有する電動機として、例えば、「フラットモータのステータ」(特許文献1参照)があり、巻線を配置したベース鉄芯が軟磁性鋼パウダーメタル成形材料を用いて作製されている。
特開2004−274971号公報
しかしながら、ステータコアのティース部にコイル巻線(ワイヤ)を巻く際、ティース部の鍔部にかかったコイル巻線のテンションにより鍔自体に曲げ応力が発生し、鍔が破損してしまう虞がある。
図5は、従来のステータ構造におけるステータコアを示し、(a)は鍔に曲げ応力が発生しない状態の断面説明図、(b)は鍔に曲げ応力が発生する状態(その一)の断面説明図、(c)は鍔に曲げ応力が発生する状態(その二)の断面説明図である。図5に示すように、ステータコア1の外周には、インシュレータ2を介してコイル巻線3が巻回されるが、ステータコア1の突出端を拡径して形成された鍔(外向きフランジ)部1aにかからないようにコイル巻線3を巻回した場合、鍔部1aに曲げ応力が発生することはない((a)参照)。
これに対し、鍔部1aにかかるようにコイル巻線3を巻回した場合、鍔部1aの傾斜に合わせて形成されたインシュレータ2の傾斜面2aを介して、鍔部1aに曲げ応力pが発生する((b)参照)。このように、鍔部1aに曲げ応力pが発生するのは、インシュレータ2のコイル巻線3が接する面を傾斜面ではなく縦壁面2bとした場合でも同様である((c)参照)。
従って、鍔部1a自体に発生する曲げ応力pに抗するため、鍔部1aの厚みを増す必要があった。特に、損失低減を狙った圧粉材料等の低強度材料を用いた場合、鍔部1aの十分な厚みを必要とした。このように、鍔部1aの厚みを増すことは、ステータコア1の大型化を招き、更には電動機の大型化を招くことになる。
この発明の目的は、大型化を招くこと無く、コイル巻線のテンションにより鍔自体に発生した曲げ応力によって鍔が破損してしまう虞がない回転電機のステータ構造を提供することである。
上記目的を達成するため、この発明に係る回転電機のステータ構造は、ンシュレータを介してコイル巻線が巻回される柱状のティースを突設したステータコアを有する回転電機のステータ構造において、前記ティースは、柱状端部に柱状中央部よりも回転電機周方向で幅広に形成された鍔部を有し、前記鍔部は、柱状端から前記柱状中央部に近づくにつれ幅狭になると共に、最広幅部と最狭幅部との間に少なくとも前記コイル巻線のテンション方向に前記回転電気周方向で直交する第1縦壁面を有し、前記インシュレータは、前記鍔部側で前記第1縦壁面と平行に面し係止し合う第2縦壁面と、前記コイル側で前記第2縦壁面と回転電機径方向で同位置に設けられ前記第2縦壁面と平行な第3縦壁面とを有し、前記コイルは、前記鍔部において前記第3縦壁面に巻回される
この発明によれば、ンシュレータを介してコイル巻線が巻回される柱状のティースを突設したステータコアを有する回転電機のステータ構造において、前記ティースは、柱状端部に柱状中央部よりも回転電機周方向で幅広に形成された鍔部を有し、前記鍔部は、柱状端から前記柱状中央部に近づくにつれ幅狭になると共に、最広幅部と最狭幅部との間に少なくとも前記コイル巻線のテンション方向に前記回転電気周方向で直交する第1縦壁面を有し、前記インシュレータは、前記鍔部側で前記第1縦壁面と平行に面し係止し合う第2縦壁面と、前記コイル側で前記第2縦壁面と回転電機径方向で同位置に設けられ前記第2縦壁面と平行な第3縦壁面とを有し、前記コイルは、前記鍔部において前記第3縦壁面に巻回されるので、大型化を招くこと無く、コイル巻線のテンションにより鍔自体に発生した曲げ応力によって鍔が破損してしまう虞がない。
以下、この発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
図1は、この発明の一実施の形態に係る固定子コアの一部を示す断面図である。図1に示すように、回転電機の固定子を形成する固定子コア(ステータコア)10は、回転電気の回転軸(図示しない)の周囲に位置する円環状に形成されており、円環に沿うように略等間隔離間して突設された複数のティース部11を有している。
ティース部11は、磁性体圧粉材を用いた圧縮加熱成形により柱状に形成されており、ティース部11の突出端を拡径して形成した鍔(外向きフランジ)部12を有している。このティース部11には、インシュレータ13を介して、鍔部12にかかるようにコイル巻線14が巻回される。
鍔部12は、裏面側が、傾斜面12a、縦壁面12b、平坦面12cを介して、ティース部11の外周面に連続している。つまり、裏面側は、ティース部11の外周面に向かって下がり傾斜となる傾斜面12a、ティース部11の突出方向軸(縦軸)に沿う縦壁面12b、表面側平坦面と略平行な平坦面12cが連続して形成されている。
この鍔部12の裏面側形状に合わせて、インシュレータ13の鍔部12対応部分が形成されており、鍔部12対応部分の外表面には、鍔部12の傾斜面12a、縦壁面12b、平坦面12cに対応する、傾斜面13a、縦壁面13b、平坦面13cが連続して形成されている。更に、インシュレータ13は、平坦面13cに連続する、ティース部11の外周面に対応する外周面13d、及び外周面13dに略直交する鍔(外向きフランジ)状の壁部13eを有している。
従って、インシュレータ13は、全体として、外周面13dを形成する筒体の一端側が傾斜面13a、縦壁面13b及び平坦面13cを備えた鍔状部を有し、他端側が壁部13eを有するボビン状に形成されている。
このように、突出端を拡径した鍔部12を備えインシュレータ13を介してコイル巻線14が巻回されるティース部11を突設したステータコアを有する回転電機のステータ構造において、鍔部12の裏面側傾斜面に位置するインシュレータ13に、巻回したコイル巻線14のテンションを突出端方向へ分散することなく受け止めるテンション受け部(縦壁面13b)を形成し、インシュレータ13を装着した鍔部12に、インシュレータ13が係止してテンションを突出端方向へ分散することなく受け止める係止部(縦壁面12b)を形成している。
また、テンション受け部(縦壁面13b)及び係止部(縦壁面12b)は、テンション方向に沿う連結面(平坦面12c、平坦面13c)を介して段形状に連続する複数個が形成されている。
このティース部11に、ティース部11に被せたインシュレータ13を介してコイル巻線14が巻回されるが、コイル巻線14は、外周面13dに加え、縦壁面13bにも、即ち、縦壁面13bを介して鍔部12にかかるように、巻回される。このとき、鍔部12にかかるコイル巻線14は、傾斜面ではなく、外周面13dと同様にティース部11の突出方向軸(縦軸)に沿う縦壁面13bに巻回されているため、巻回したコイル巻線14のテンションにより鍔部12自体に曲げ応力が発生することは、殆どない。
つまり、コイル巻線14を巻回する縦壁面13bは、巻回したコイル巻線14のテンション方向(図中、矢印参照)に対し直交する面からなり、インシュレータ13のティース部11装着時、縦壁面13bは、縦壁面12bに面接触した状態になるので、鍔部12に作用する曲げモーメントを大幅に低減させることができる。この結果、コイル巻線14を鍔部12にかかるように巻回しても、鍔部12に発生する応力を極力低減することができる。従って、ティース部11に鍔部12を有する鍔付きコアにおいて、コイル巻線14のターン数を増やすことができると共に、巻回時のコイル巻線14の張力による鍔部発生応力を低減することができる。
図2は、図1のティース部の鍔部変形例を示す拡大断面図である。図2に示すように、ティース部20は、鍔部21の裏面側に複数の縦壁面を有し、この縦壁面に対応して、インシュレータ22も複数の縦壁面を有している。その他の構成及び作用はティース部11と同様である。
ティース部20は、鍔部21の裏面側に、1箇所の縦壁面12b(図1参照)に代えて2個の縦壁面(係止部)21a,21bを有しており、インシュレータ22は、傾斜面(インシュレータ13の傾斜面13a)を有さず、2個の縦壁面21a,21bに対応して2個の縦壁面(テンション受け部)22a,22bを有している。従って、インシュレータ22は、平坦面22cから縦壁面22a,22bを経て、ティース部20の外周面に対応する外周面22dに連続する、逆向きの階段状に形成され、全体として、外周面22dを形成する筒体の一端側が縦壁面22a,22bを備えた鍔状部を有し、他端側が壁部22eを有するボビン状に形成されている。


このティース部20に、ティース部20に被せたインシュレータ22を介してコイル巻線14が巻回されるが、鍔部21にかかるコイル巻線14は、傾斜面ではなく、縦壁面22b,22cに巻回されるため、巻回したコイル巻線14のテンションにより鍔部21自体に曲げ応力が発生することは、殆どない。
つまり、コイル巻線14を巻回する縦壁面21a,21bは、巻回したコイル巻線14のテンション方向(図中、矢印参照)に対し直交する面からなり、鍔部12に作用する曲げモーメントを大幅に低減させることができるので、コイル巻線14を鍔部12にかかるように巻回しても、鍔部12に発生する応力を極力低減することができる。
図3は、図1のティース部の他の鍔部変形例を示す拡大断面図である。図3に示すように、ティース部25は、鍔部26の裏面側略全域が傾斜面ではなく連続する縦壁面と段差面により形成され、この鍔部26の裏面側全域を覆って、複数の縦壁面を有するインシュレータ27が装着されている。その他の構成及び作用はティース部20と同様である。
ティース部25は、鍔部26の裏面側略全域が、複数の縦壁面26a(係止部)を一定幅(例えば、縦壁面26aの高さ)の段差面26bを経て同一方向にずらした、逆向きの階段状に形成されている。インシュレータ27は、ティース部25の縦壁面26aと段差面26bに相補的に係止して密着する縦壁面27aと段差面27bを有すると共に、ティース部25の表面(突出端面)と面一に形成されティース部25と一体化して表面を拡径しており、逆向きの階段状に形成された複数の縦壁面(テンション受け部)27c,27d,27eを有している。
従って、インシュレータ27は、縦壁面27c,27d,27eを経て、ティース部25の外周面に対応する外周面27fに連続する、逆向きの階段状に形成され、全体として、外周面27fを形成する筒体の一端側が縦壁面27c,27d,27eを備えた鍔状部を有し、他端側が壁部27gを有するボビン状に形成されている。縦壁面26a(係止部)の数は、縦壁面(テンション受け部)27c,27d,27eの数より多く設けられている。
このティース部25に、ティース部25に被せたインシュレータ27を介してコイル巻線14が巻回されるが、鍔部26にかかるコイル巻線14は、縦壁面27c,27d,27eに巻回されるため、巻回したコイル巻線14のテンションにより鍔部26自体に曲げ応力が発生することは、殆どない。
つまり、コイル巻線14を巻回する縦壁面27c,27d,27eは、巻回したコイル巻線14のテンション方向(図中、矢印参照)に対し直交する面からなり、鍔部26に作用する曲げモーメントを大幅に低減させることができるので、コイル巻線14を鍔部26にかかるように巻回しても、鍔部26に発生する応力を極力低減することができる。
図4は、図1のティース部の更に他の鍔部変形例を示す拡大断面図である。図4に示すように、ティース部30は、鍔部31の裏面側全域を連続する縦壁面と段差面からなる逆向きの階段状に形成する(図3参照)代わりに、鍔部31の裏面側傾斜面の全域に、傾斜面に開口する凹部を複数個形成し、この鍔部31の裏面側傾斜面の全域を覆って、凹部に対応する凸部を有すると共に外側面に複数の縦壁面を有するインシュレータ32が装着されている。その他の構成及び作用はティース部25と同様である。
鍔部31は、裏面側が単一角度の傾斜面31aによって形成されており、その傾斜面31aの全域にわたって、傾斜面31aに開口するお椀形状或いは断面U字状溝形状等の凹部33を複数個有している。インシュレータ32は、傾斜面31aに対向する内側面32aに、鍔部31の複数の凹部33のそれぞれに対応して配置され、各凹部33に挿入係止して嵌合状態となる半球形状或いは蒲鉾形状等の凸部34を有し、外側面に、逆向きの階段状に形成された複数の縦壁面32b,32c,32d,32eを有している。
つまり、巻回したコイル巻線14のテンションを突出端方向へ分散することなく受け止めるテンション受け部として機能する凸部34は、テンション方向を突出方向とする凸形状部からなり、インシュレータ13が係止してテンションを突出端方向へ分散することなく受け止める係止部として機能する凹部33は、凸形状部である凸部34が嵌合する凹形状部からなる。
また、テンション受け部(凸部34)及び係止部(凹部33)は、テンション方向に沿う連結面(内側面32a、傾斜面31a)を介して段形状に連続する複数個が形成されている。
このように、この発明によれば、突出端を拡径した鍔部を有しインシュレータを介してコイル巻線が巻回されるティースが突設されたステータコアを有する回転電機のステータ構造は、鍔部の裏面側傾斜面に位置するインシュレータに形成したテンション受け面が、巻回したコイル巻線のテンションを突出端方向へと分散することなく受け止め、インシュレータを装着した鍔部に形成した係止面が、インシュレータを係止させてテンションを突出端方向へと分散することなく受け止めるので、大型化を招くこと無く、コイル巻線のテンションにより鍔自体に発生した曲げ応力によって鍔が破損してしまう虞がない。
なお、上記実施の形態において、巻回したコイル巻線14のテンションを突出端方向へ分散することなく受け止めるテンション受け部(縦壁面)及びインシュレータ13が係止してテンションを突出端方向へ分散することなく受け止める係止部(縦壁面)の数は、例示したものに限るものではなく、また、凸部34と凹部34からなる構成(図4参照)を縦壁面(例えば、縦壁面12b)と縦壁面(例えば、縦壁面13b)からなる構成(図1〜3参照)に組み合わせて適用してもよい。
この発明の一実施の形態に係る固定子コアの一部を示す断面図である。 図1のティース部の鍔部変形例を示す拡大断面図である。 図1のティース部の他の鍔部変形例を示す拡大断面図である。 図1のティース部の更に他の鍔部変形例を示す拡大断面図である。 従来のステータ構造におけるステータコアを示し、(a)は鍔に曲げ応力が発生しない状態の断面説明図、(b)は鍔に曲げ応力が発生する状態(その一)の断面説明図、(c)は鍔に曲げ応力が発生する状態(その二)の断面説明図である。
符号の説明
10 固定子コア
11,20,25,30 ティース部
12,21,26,31 鍔部
12a,13a,31a 傾斜面
12b,13b,21a,21b,22a,22b,26a,27a,27c,27d,27e,32a,32b,32c,32d 縦壁面
12c,13c,22c 平坦面
13,22,27,32 インシュレータ
13d,22d,27f 外周面
13e,22e,27g 壁部
14 コイル巻線
26b,27b 段差面
33 凹部
34 凸部

Claims (4)

  1. ンシュレータを介してコイル巻線が巻回される柱状のティースを突設したステータコアを有する回転電機のステータ構造において、
    前記ティースは、柱状端部に柱状中央部よりも回転電機周方向で幅広に形成された鍔部を有し、
    前記鍔部は、柱状端から前記柱状中央部に近づくにつれ幅狭になると共に、最広幅部と最狭幅部との間に少なくとも前記コイル巻線のテンション方向に前記回転電気周方向で直交する第1縦壁面を有し、
    前記インシュレータは、前記鍔部側で前記第1縦壁面と平行に面し係止し合う第2縦壁面と、前記コイル側で前記第2縦壁面と回転電機径方向で同位置に設けられ前記第2縦壁面と平行な第3縦壁面とを有し、
    前記コイルは、前記鍔部において前記第3縦壁面に巻回される回転電機のステータ構造。
  2. 前記第3縦壁面は、前記テンション方向に沿って出する凸形状部からなり、前記第1縦壁面は、前記凸形状部が嵌合する凹形状部からなる請求項1に記載の回転電機のステータ構造。
  3. 前記第1縦壁面及び前記第3縦壁面は、前記テンション方向に沿う連結面を介して段形状に連続する複数個からなる請求項1または2に記載の回転電機のステータ構造。
  4. 前記第1縦壁面の数が、前記第3縦壁面の数より多い請求項1からのいずれか一項に記載の回転電機のステータ構造。
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