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JP4888981B2 - 筒状ワークの周壁に貫通孔又は膨出部を形成する加工器具。 - Google Patents
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筒状ワークの周壁に貫通孔又は膨出部を形成する加工器具。 Download PDF

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Description

本発明は、パイプ等の筒状ワークの周壁を内側から加工して、周壁に貫通孔又は膨出部を形成する加工器具に関する。
現在、鉄パイプ等の筒状ワークの周壁に貫通孔を穿設する加工方法としては、筒状ワーク内側に芯金を設置し、外側からパンチで打抜く打抜加工方法又はドリルによる切削穿孔加工方法が主流である。
しかし、いずれの加工方法も筒状ワーク外側から穿孔加工を行うため、筒状ワークの内側にバリが発生する。このバリが原因となって、芯金への食いつき、加工器具への食いつきが発生する場合があり、作業性の低下を招いていた。また、製品となる筒状ワークは、後工程でバリを除去する加工が必要な場合がある。しかし、筒状ワークの内側に発生したバリを除去する加工は困難かつ煩雑であり、特に径の細い筒状ワークの場合や穿孔した孔が小さい場合は、バリ除去加工が不可能な場合もあった。一方で、加工する筒状ワークの寸法公差を考慮すると、芯金の外径は筒状ワーク内径よりも若干短く作製する必要があるため、筒状ワークと芯金との間に隙間が発生することが避けられず、外側から加工する方法でバリの発生を完全に防止することは不可能であった。
また、外側から加工する方法では筒状ワーク外側から圧力がかかるため、穿設した貫通孔の周囲が内側に凹んでしまうという現象が発生した。
こうした現象を解決するために、筒状ワークの内側から孔を穿設する方法として、筒状ワークの中空部に沿った軸方向に移動可能なスライド部材と、スライド部材の軸方向への移動に伴って中空部内から周壁と交差する方向に駆動される打ち抜き部材とを備えており、スライド部材を軸方向上方に移動させることにより、スライド部材に設けられた第1ガイドとパンチ部材のテーパ部との摺接により、パンチ部材が筒状ワークの周壁方向に駆動されて、筒状ワークの周壁に孔を加工する方法がある(特許文献1)。
しかし、パンチ部材が案内されるハウジングに形成された第2スライド穴に対して、上向きの力が大きくかかり、第2スライド穴の上部が摩耗して筒状ワークの周壁に加工される孔の精度が低下するという問題があった。これは、スライド部材の第2ガイド部とパンチ部材のテーパ部との摺動によりパンチ部材が筒状ワークの周壁の孔から離脱する場合にも、第2スライド穴の下部が摩耗して同様の問題があった。また、筒状ワークの内径にスライド部材及びハウジングを配置する困難であるという問題があった。
特開平5−220524号公報
本発明はこうした課題を鑑みてなされたものであり、組み立てが簡単であり、経の細い筒状ワークであっても容易にセットすることができ、かつ従来のプレス装置を利用して筒状ワークを内側から打ち抜き加工又は膨出加工することができる加工器具を提供することにある。
本発明は、上述の目的を達成するために、以下の手段を採った。
本発明の加工器具は、パイプ、管等の筒状ワークの周壁を内側から加工する加工器具において、
円柱状の誘導部材と、
端部に加工部を有する柱状に形成され、前記誘導部材をスライド可能なスライド孔を柱状の軸と直交する方向に形成されたパンチ部材と、
外周壁に前記筒状ワークを配置可能な筒状に形成されてなり、前記パンチ部材の両端を案内するために周壁から反対の周壁まで貫通する案内孔と、前記誘導部材の両端を支持し、前記筒状ワークの軸方向と垂直な方向に長軸を有する長孔に形成され、前記筒状ワークの軸方向へ移動するのを防止するために周壁から反対の周壁まで貫通した規制孔とを有する筒状ワーク用冶具と、
前記筒状ワーク用冶具の筒内を軸方向にスライド可能な柱状に形成されてなり、前記パンチ部材を収容可能な周壁から反対周壁まで貫通した長孔状の開口を有する長孔溝と、前記誘導部材を収容可能な前記長孔溝と直交する方向に貫通した長孔状の開口面を有する誘導溝と、を備えたスライド部材と、を備え、
前記長孔溝は、スライド部材の軸方向に延びた長孔に形成されており、
少なくとも前記誘導溝の一部は、スライド部材の軸に対して角度を有しているか又は曲線であることを特徴とする。
本発明の加工器具は、スライド部材が筒状ワーク治具内でスライド移動するのに伴って、誘導部材を介して、パンチ部材が筒状ワーク治具の周壁と交差する方向に内側から押し出すように駆動される。これにより、筒状ワーク治具の外側に取り付けられた筒状ワークは、内側から穿孔又は膨出加工されることになる。本発明による加工器具によれば、穿孔した際に発生するバリを最小限に抑えることができ、仮にバリが発生したとしても、バリは筒状ワークの外側に発生するのでバリ取り加工も容易になる。また穿孔した際の抜きスクラップは筒状ワークの外側に発生する。従って、筒状ワークの外側から加工する場合のように、芯金の中に抜きスクラップが残留し、蓄積することがなく、芯金内のスクラップの処理の手間を軽減することができ、筒状ワークの内側でスクラップが引っかかるといった不具合の発生を防止することができる。また、さらに、筒状ワークの内側から外側へ加工するので、穿孔によって筒状ワークに形成される貫通孔の周囲が内側に凹むことを防止することができる。
さらに、パンチ部材は、誘導部材によって筒状ワーク用治具と交差する方向にのみ駆動されるので、案内孔の側面に力がかかるのを防止することができる。従って、案内孔が摩耗するのを防止することができる。また案内孔に力がかからないので筒状ワーク治具の側壁の厚さを薄く形成することができる。
さらに、本発明の加工器具は、従来複雑であった構造が単純で、かつ構成部品が少ないためにメンテナンス性にも優れる。また、パンチ部材や誘導部材は、それぞれ案内孔及び規制孔を介して筒状ワーク治具の外側から取り付けが可能であるので、加工される筒状ワークの内径が短くても取り付けることが可能である。また、加工の際も大がかりな専用機を必要とすることなく、既存のプレス機に装着して加工することができ、設備投資を最小
限に抑えることができる。
また、本発明の加工器具において、前記誘導溝は、弧状に形成されていてもよい。
係る構成を採用することによって、スライド部材を一方向へスライドさせれば、誘導部材が弧状に移動し、この誘導部材の移動に伴ってパンチ部材を往復運動させることができる。従って、一工程で、パンチ部材が筒状ワークに貫通孔形成させた後、パンチ部材を貫通孔から離脱させることができる。
また、本発明の加工器具において、
円柱状の誘導部材と、
端部に加工部を有する柱状に形成され、前記誘導部材をスライド可能なスライド孔を柱状の軸と直交する方向に形成されたパンチ部材と、
外周壁に前記筒状ワークを配置可能な筒状に形成されてなり、前記パンチ部材の両端を案内するために周壁から反対の周壁まで貫通する案内孔と、前記誘導部材の両端を支持し、前記筒状ワークの軸方向と垂直な方向に長軸を有する長孔に形成され、筒状ワークの軸方向へ移動するのを防止するために周壁から反対の周壁まで貫通した規制孔とを有する筒状ワーク用冶具と、
前記筒状ワーク用冶具の筒内を軸方向にスライド可能な柱状に形成されてなり、前記パンチ部材を収容可能な周壁から反対周壁まで貫通した長孔状の開口を有する長孔溝と、前記誘導部材を収容可能な前記長孔溝と直交する方向に貫通した長孔状の開口面を有する誘導溝と、を備えたスライド部材と、
からなる構成が加工器具に複数形成されていてもよい。
係る構成を採用することによって、パンチ部材を複数取り付けることが可能になり、筒状ワークに対して複数の貫通孔又は膨出部若しくはこれらの組み合わせを同時に加工することができる。また、筒状ワーク用治具の中心軸に対して角度が異なるようにパンチ部材を複数取り付ければ、筒状ワークの周壁に対して異なる位置、方向を有するパンチ孔を同時に加工することができる。これにより、従来、筒状ワークを回転させたり、別のパンチ器具を用いたり等の複数の工程が必要であったが、一度の工程で行うことができるようになる。一度の工程で行うことにより、各貫通孔又は膨出部の位置精度が高いものとなる。
また、本発明に加工器具において、複数の前記誘導溝の少なくとも1つは、形状が異なるものであってもよい。
係る構成を採用することにより、誘導溝の形状に応じて、それぞれ複数のパンチ部材の移動距離、移動開始時期を異ならせることができ、筒状ワークに対してパンチが加工するタイミングをずらすことができる。そのため、複数の貫通孔や膨出部を同時に加工する場合に対して、弱い圧力でスライド部材を移動することができる。
また、本発明の加工器具において、筒状ワーク用冶具の外周に設置される筒状ワークの外周に設置されるダイ部材を備えていてもよい。
係る構成を採用することにより、筒状ワークに対して剪断によって貫通孔を形成することができ、加工精度の高い貫通孔を穿設することができる。また、ダイ部材との剪断加工にすることによって、バリの発生を極力防止することができる。また、内側からの圧力による筒状ワークそのものの変形を防止することができる。
本発明に係る加工器具によれば、筒状ワークの内側から穿孔又は膨出の加工を行うことができる。また、穿孔した際に発生するバリを最小限に抑えることができ、仮にバリが発生したとしても外側に発生させることができ、バリ取り加工の容易な筒状ワークを形成することができる。さらに、パンチ部材は、誘導部材によって軸方向にのみ駆動されるので、案内孔の側面に力が係るのを防止することができ、その結果、案内孔が摩耗するのを防止することができ、かつ筒状ワーク治具の側壁の厚さを薄く形成することができる。
第1実施形態に係る穿孔器具100及び加工される鉄パイプ90の構成を示す斜視図である。 第1実施形態に係る穿孔器具100のパンチ10及び誘導ピン20の構成を示す斜視図である。 第1実施形態に係る穿孔器具100のパンチ10の構成を示す側面図である。 第1実施形態に係る穿孔器具100のスライド棒30の構成を示す斜視図である。 第1実施形態に係る穿孔器具100のスライド棒30の構成を示す正面図、右側面図及びA−A断面図である。 第1実施形態に係る穿孔器具100の鉄パイプ用治具40の構成を示す正面、左側面及び平面を表す図である。 第1実施形態に係る穿孔器具100のダイ50を示す斜視図である。 第1実施形態に係る穿孔器具100に鉄パイプ90をセットしたときの状態を示す一部切断斜視図である。 第1実施形態に係る穿孔器具100に鉄パイプ90をセットしたときの状態を示す斜視図である。 第1実施形態に係る穿孔器具100の使用工程の一部を示す断面図である。 第1実施形態に係る穿孔器具100の使用工程の一部を示す断面図である。 第1実施形態に係る穿孔器具100の使用工程の一部を示す断面図である。 第2実施形態に係る穿孔器具100のパンチ10及び応力変換装置200の構成を示す斜視図である。 本発明のパンチ部材の変形例を示す断面図である。 本発明の誘導溝の変形例を示す断面図である。
以下、本発明を実施するための形態について、図を参照しつつ説明する。本発明の加工器具は、円形、矩形、その他の断面を有する筒状ワークを内側から加工する器具であり、筒状ワークの周壁に穿孔又は凸状の膨出部を形成するものである。本発明の加工器具は、筒状ワークを内側から穿孔又は膨出部を形成加工するパンチ部材と、このパンチ部材を誘導する誘導部材と、筒状ワークを取り付け、位置決めする筒状の筒状ワーク用治具と、この筒状ワーク用治具内をスライド可能に形成された棒状の部材であって、筒状ワーク用治具内をスライドすることにより、誘導部材を可動させるスライド部材と、を備えている。筒状ワークとは、軸方向に中空部を有する筒状、パイプ状のものを指し、断面は円形、矩形、星形等その断面は問わない。
パンチ部材は、主として、筒状ワークを直接加工する部材である。柱状に形成されていて、片方又は両方の柱状の端面に形成される加工部を筒状ワークの内側から押圧することによって、筒状ワークの側壁に貫通孔又は膨出部を形成する機能を有する。パンチ部材の軸方向に対して垂直断面の形状は限定するものではなく、円形、矩形、星型、ハート型等任意の断面形状を採用することができる。パンチ部材の端面形状によって、筒状ワークの周壁に形成される貫通孔又は凸状の膨出部の形状が決定されることになる。加工部をなす端面は、筒状ワークに穿孔を施す場合には、端面周囲に刃を有する切断用のパンチ面とし、一方、筒状ワークを内側から押圧して凸面を形成する場合には、凸型の端面に形成するとよい。パンチ部材の長さは筒状ワーク用治具の外周の直径より短く形成するとよい。
誘導部材は、スライド部材のスライドの動きを、筒状ワーク用治具の周壁に交差する方向のパンチ部材の動きに伝達して、パンチ部材を筒状ワークへ誘導する機能を有する部材である。パンチ部材と同様に柱状に形成される。また、誘導部材は、筒状ワーク治具の軸方向へは移動しないように、筒状ワーク治具の筒の外周より短く、内周より長く形成される。誘導部材は、パンチ部材を誘導部材の軸方向に移動可能なように柱状の軸が互いに交差するように組み付けられる。このように形成することで、誘導部材がパンチ部材の軸方向に移動すると、パンチ部材の端面位置は移動することになる。このような組み付け方法としては、例えば、パンチ部材に誘導部材を挿入可能な貫通孔を形成し、この貫通孔に挿入することで達成できる(図2参照)が、これに限定するものではない。また、組み付けた後に誘導部材とパンチ部材の相対位置を固定する手段を別途設けてもよい。誘導部材は、筒状ワーク用治具の規制孔に架設されている。
筒状ワーク用治具は、加工される筒状ワークをセットするための治具としての機能と、パンチ部材及び誘導部を一定方向への移動に規制する機能を有する。筒状ワーク断面の内側形状とほぼ同様の形状を有する筒状の部材に作製される。すなわち、矩形の筒状部材であれば、断面の内側の四角形と同じ形状の筒状の部材に作製され、円筒の筒状ワークであれば、内径と同じ外径を有する筒状の部材に作成される。また、筒状ワーク用治具には、貫通する案内孔と貫通する規制孔がそれぞれ直交するように筒状ワーク用治具に形成されている。案内孔は、パンチ部材のパンチ部の形状と同じ形状に周壁に形成された孔であり、パンチ部材を筒状ワーク用治具の周壁と交差する方向にのみ移動するように規制する。一方、規制孔は、誘導部材を筒状ワーク治具の軸方向へ移動するのを制限し、パンチ部材を周壁と交差する方向に移動できるように形成された筒状の軸に対して直交する周壁に形成された長孔である。案内孔と規制孔は、組み付けられたパンチ部材と誘導部材とが取り付け可能なように、それぞれが直交して形成される。この案内孔と規制孔によって、筒状ワーク用冶具にセットされたパンチ部材と誘導部材は、筒状ワーク用治具に関しては、パンチ部材が周壁に交差する方向にのみ移動可能になる。
スライド部材は、筒状ワーク用治具の筒内にスライド可能な状態で配置されるものであり、このスライド移動することによって、誘導部材を横長の規制孔上を移動させる機能を有し、ひいては、パンチ部材を移動する機能を有する。スライド部材には、スライド部材の軸に対して斜めの誘導溝や弧状の誘導溝、一部のみカーブした溝等である。この誘導溝に誘導部材が配置されているので、スライド部材を筒状ワーク用冶具内でスライド移動した際に、規制孔によって筒状ワーク用治具の軸方向への移動が規制されているので、誘導部材は誘導溝の位置に伴って横方向へ移動していくことになる。この誘導部材の移動によって、誘導部材と連結されているパンチ部材は、筒状ワーク治具の周壁に対して交差する方向へ移動する。したがって、誘導溝の形状を変更することによって、パンチ部材の移動の長さ、移動のタイミング等を自在に変更することができる。
さらに、本発明においては、ダイ部材を備えていてもよい。ダイ部材は、パンチ部材との関係で本来のダイ部材の機能を有する他、筒状ワークのバリ発生防止、パンチ部材の圧力による筒状ワークの変形の防止の機能を有する。本発明においては、ダイ部材は筒状ワークの外側に配置されることになる。ダイ部材は、筒状ワーク断面の外壁形状と同様の形状を有する貫通孔を有する筒状の部材に作成される。すなわち、矩形の筒状部材であれば、断面の外側の四角形と同じ形状の筒状の部材に作成され、円筒の筒状ワークであれば、外径と同じ内径を有する筒状の部材に作製される。そして、パンチ部材が稼働される部分にダイ孔が形成される。
以下、本発明の実施例について、図面に沿って詳細に説明する。なお、以下に説明する実施例及び図面は、本発明の実施形態の一部を例示するものであり、これらの構成に限定する目的に使用されるものではない。また、各図において対応する構成要素には同一又は類似の符号が付されている。
本発明の実施例を説明するにあたり、実施例の構成要素と本発明の構成要素との対応関係を明らかにする。本実施例における穿孔器具100が加工器具に相当し、鉄パイプ90が筒状ワークに相当し、パンチ10がパンチ部材に相当し、誘導ピン20が誘導部材に相当し、スライド棒30がスライド部材に相当し、長孔溝31が長孔溝に相当し、弧状溝32が誘導溝に相当し、鉄パイプ用治具40が筒状ワーク用治具に相当し、誘導ピン規制孔44が規制孔に相当し、パンチ用案内孔43が案内孔に相当し、ダイ50がダイ部材に相当する。
図1は、第1実施例に係る穿孔器具100及び加工される鉄パイプ90の構成を示す斜視図である。第1実施例に係る穿孔器具100は、主として、鉄パイプ90に貫通孔を穿孔するパンチ10、このパンチ10を誘導する誘導ピン20、パンチ10の動きを誘導ピン20を介して制御するスライド棒30、加工時に鉄パイプ90の位置決めを行うための鉄パイプ用治具40、鉄パイプ90の外側に配置されるダイ50とを備えている。
パンチ10は、図2に示すように、全体が円柱状をなしており、中央に後述する誘導ピン20を内側に挿入するためのピン挿入用貫通孔11が軸αと直交するように設けられている。パンチ10の両端は、図3に示すように、凹面をなし、端辺12が刃として機能して鉄パイプ90に孔を開け易くなっている。パンチ10の軸α方向の長さは、後述する鉄パイプ用治具40の円筒治具41の外周直径より若干短く形成されている。
誘導ピン20は、図2に示すように、パンチ10のピン挿入用貫通孔11の内径とほぼ同径の外径を有する円柱状である。ピン挿入用貫通孔11に内側に挿入されると、パンチ10及び誘導ピン20は、十字状の部材である。誘導ピン20の軸β方向の長さは、後述する鉄パイプ用治具40の円筒治具41の外周直径より若干短く形成されている。
スライド棒30は、図4、図5に示すように、円柱状の鉄の棒からなり、周壁から長孔形状の長孔溝31及びこの長孔溝31と直交するように周壁から弧状の弧状溝32がそれぞれ設けられている。すなわち、長孔溝31と弧状溝32はそれぞれ90°角度がずれている。なお、図4aはスライド棒30の外観斜視図であり、図4bは隠線を表した斜視図である。また、図5は、それぞれスライド棒30の正面図、右側面図及びA−A断面図を示す。長孔溝31は、図4に示すように、開口部がスライド棒30の軸γ方向に長軸を有する直線状の長孔に形成される。長孔溝31の開口の幅Bはパンチ10の外径とほぼ同じ長さに形成される。長孔溝31には、図5に示すようにパンチ10が配置され、パンチ10は長孔溝31内を長軸方向(矢印C)に移動可能である。一方、弧状溝32の開口は、スライド棒30の軸γ方向に長い弧状の長孔に形成される。弧状溝32の開口の幅は、誘導ピン20の直径とほぼ同じ長さに形成される。弧状溝32には、誘導ピン20が収容され、誘導ピン20は弧状の貫通孔内を弧状方向(矢印D)に移動可能となる。詳細は後述するが、パンチ10の移動は、誘導ピン20の移動と連動して移動することになるので、弧状溝32の長さは、長孔溝31の長軸長さに応じて決定される。具体的には、弧状溝32は、パンチ10の中心が長孔溝31内でした移動距離(E)と、誘導ピン20の中心が弧状溝32を移動した場合の直線距離(F)とが同じ距離となるように設計される。こうして形成される1組の長孔溝31及び弧状溝32が、スライド棒30の軸方向にずらして4組設けられている。それぞれの組は、スライド棒30の外周方向に対して90°づつ回転して(螺旋状に)設けられている。
鉄パイプ用治具40は、図6に示すように、円筒治具41と台座42とを備えている。なお、図6は、鉄パイプ用治具40の斜視図を示し、図6aは鉄パイプ用治具40の外観斜視図であり、図6bは隠線を表した斜視図である。円筒治具41は、スライド棒30の外径とほぼ同様の大きさの内径を有する円筒状に形成されており、筒内にスライド棒30をスライド可能に挿入することができる。円筒治具41の円周面には、スライド棒30の長孔溝31に挿入されたパンチ10の配置と同様の配置となるように、パンチ10の直径とほぼ同じ直径を有するパンチ用案内孔43が形成されていて、パンチ10は周壁に対して交差する方向、すなわち直径方向(パンチ10がパンチ用案内孔43を出入りする方向)の移動のみに規制される。また、スライド棒30の弧状溝32に配置される誘導ピン20の配置と同様の配置となり、誘導ピンが連通するように誘導ピン規制孔44が設けられている。誘導ピン規制孔44は、円筒治具41の軸方向(δ)の幅は誘導ピン20の直径と同じ幅に形成され、軸方向δと垂直な方向に長軸を有する長孔に形成される。誘導ピン20が弧状溝32を移動する際に軸方向に対して垂直方向へスライドするので、そのスライド長さ(G)(図5)と同様の長さの長軸(G’)(図6)を有する長孔に形成される。台座42は、円筒治具41を中央に固定しており、その中央には、円筒治具41の内径と同様の内径の台座貫通孔46が、円筒治具41から連通して底面まで設けられている。また、台座42の円筒治具41の周囲には、4つの台座貫通孔45が設けられている。
ダイ50は、図7に示すように、加工される鉄パイプ90を鉄パイプ用治具40に取り付けた後に、鉄パイプ90の周囲から覆うものであり、加工される鉄パイプ90の外径とほぼ同じ内径の筒状ワーク挿入孔51を有する直方体に形成されている。周壁には、図7に示すスライド棒30の長孔溝31に収容されたパンチ10の配置と同様の配置となり、パンチ10が連通するように、パンチ10の直径とほぼ同じ直径を有するダイ孔52が形成されている。さらに、ダイ50の底面には、鉄パイプ用治具40に設置した場合に台座貫通孔45に対応する位置に、ダイ固定用穴53が4つ設けられている。
以上のように構成された穿孔器具100及び加工される鉄パイプ90は、以下のようにして使用される。
まず、図1に示すように、鉄パイプ用治具40の円筒治具41内にスライド棒30を挿入する。そして、長孔溝31をパンチ用案内孔43に一致させて、それぞれの孔にパンチ10を挿入する。次に、弧状溝32、誘導ピン規制孔44及びピン挿入用貫通孔11を一致させて、それぞれの孔に誘導ピン20を挿入する。こうして、パンチ10は、誘導ピン20と交差した状態であり、この状態で誘導ピン20が弧状溝32内を移動すると、誘導ピン規制孔内を移動し、それに伴ってパンチ10も移動することになる。この段階で、図8のHに示すように、それぞれスライド棒30、パンチ10及び誘導ピン20が、鉄パイプ用治具40に取り付けられる。次に、鉄パイプ用治具40に加工を施す鉄パイプ90を円筒治具41の外側に嵌め込む。さらに、鉄パイプ90の周囲を覆うようにダイ50を取り付ける。ダイ50は、鉄パイプ用治具40の形成されたパンチ用案内孔43とダイ孔が一致するように取り付ける。ダイ50は、ボルト60(図1参照)で鉄パイプ用治具40の底面側から台座貫通孔45を介してダイのダイ固定用穴53に螺合することで固定することができる。こうして穿孔器具100の各構成の取り付けが完了する(図9)。
鉄パイプ90が取り付けられた穿孔器具100は、公知のプレス装置に取り付けられて、鉄パイプ90の内側から孔が穿孔される。図10、11及び12には、鉄パイプ90が穿孔される一連の工程が示されている。説明の便宜のため、下から2番目に配置されたパンチ10及び誘導ピン20(図10aのIの部分)を用いて一連の動きを説明する。図10aの状態では、パンチ10及び誘導ピン20のいずれも長孔溝31及び弧状溝32の下端に位置し、パンチ10の端面及び誘導ピン20のいずれも、パンチ用案内孔43及び誘導ピン規制孔(図示せず。)に挿入されていて、かつ円筒冶具41の外周より内側に配置されている。この状態からプレス装置等により、スライド棒30を鉄パイプ用冶具40に圧入していくと、図10bに示すように、長孔溝31及び弧状溝32は下方に移動していく。しかし、パンチ10及び誘導ピン20は、それぞれパンチ用案内孔43及び誘導ピン規制孔44によってスライド棒30の移動方向への移動は規制される。そのため、パンチ10の位置は相対的に、長孔溝31の上方にスライドしていき、誘導ピン20は、弧状溝32の上方にスライドしていくことになる。このときに、誘導ピン20は、弧状溝32の弧状の形状に沿って、スライド棒30の軸方向と垂直方向(図10bの左側方向)へ相対的に移動していくことになる。この誘導ピン20の水平方向への移動に伴って、パンチ10も同方向(図10の左側方向)へ移動することになる。このパンチ10の移動によって、パンチ10の刃は、鉄パイプ90の内側から押圧することになる。
さらに、スライド棒30を圧入していくと、図11aに示すように、誘導ピン20は、弧状溝32をスライドして最も左側へ移動し、これに伴ってパンチ10は、鉄パイプ90を完全に貫通しダイ50に形成されたダイ孔52に挿入されていく。この動作によって、鉄パイプ90は、パンチ10とダイ50に形成されたダイ孔52との境界でせん断され、貫通孔が穿設される。スクラップ91は、ダイのダイ孔52から外へ排出される
さらに、スライド棒30を圧入していくと、図11bに示すように、誘導ピン20は、弧状溝32の上方へさらにスライドし、弧状溝32の最も左側に配置される溝を通り越して、逆に右側へ押し戻されることになる。パンチ10はこの誘導ピン20の動きに連動して、ダイ50側から鉄パイプ用冶具40内へ引き戻される。さらにスライド棒30を圧入することによって、図12に示すように、パンチ10及び誘導ピン20は、それぞれ長孔溝31及び弧状溝32の上端までスライド移動される。そして、誘導ピン20は、スライド棒30を圧入する前の位置まで復帰され、それに伴いパンチ10も初期位置まで復帰し、完全に鉄パイプ用冶具40内に配置される。これにより、スライド棒30を初期位置まで復帰させることなく、直ちに鉄パイプ90を交換して加工することができる。
その後、加工された鉄パイプ90が鉄パイプ用冶具40から引き抜き、穿孔された鉄パイプ90が完成する。
次に、新たな鉄パイプ90を加工する場合は、スライド棒30下側から圧入し、初期位置まで復帰させた後に同様の加工を行ってもよいし、スライド棒30が下方位置にある状態のまま新しい鉄パイプ90を装着し、下側から圧入して加工してもよい。この場合は、前述した加工段階の逆をたどるが、パンチ10は同様の動きをして、鉄パイプ90を加工することができる。下方からのスライド棒30の圧入については、油圧、水圧等のプレス装置、バネ等の弾性部材等種々の公知技術を用いることができる。
図13に実施例2に係る穿孔器具100と、プレス方向に対して直角の方向へ力の方向を変化させる応力変換装置200とを備えている。
穿孔器具100は、実施例1に記載されたスライド棒30に設けられた弧状溝32に代えて、傾斜溝32aが設けられている。この傾斜溝32aの開口は、スライド棒30の軸εに対して角度を有する直線状の長孔に形成されている。その他の構成は実施例1と同様であるので、省略する。
応力変換装置200は、プレス等の押圧装置(図示しない。)からの力を受ける被押圧部材210と、該被押圧部材から受けた力Jの方向を直角方向(K)へ変換する変換部材220と、この変換部材220を穿孔器具100側へ付勢するバネ230と、変換部材220の移動方向及び距離を制御する移動制御部材240と、これらの部品をプレス装置に固定するためのベースプレート250とを備えている。
被押圧部材210は、プレス等の力を受ける被押圧面211と、プレスの力の方向Jを変化させるためにプレス方向に対し、45°の傾斜面213を有する変換部材押圧部212と、を備えている。
変換部材220は、変換部材押圧部212と同様の角度を有し、被押圧面211と摺動する摺動面221を備えている。変換部材押圧部212からの力によって、プレス方向に対して直角方向(K)へスライド移動される。変換部材は、制御棒241と連結されており、変換部材220のスライド移動の方向は、ベースプレート250に固定された固定部材242及びこの固定部材242に対して一定方向のみにスライド可能に形成された制御棒241によって決定される。また、変換部材220のスライド移動方向と反対の面には、スライド棒30の底面が取り付けられ、変換部材220のスライド移動に伴って、スライド棒30が移動する。一方、スライド棒30が取り付けられた面と反対の面には、バネ230が取り付けられていて、プレスによる変換部材のスライド方向(K)と反対の方向へ付勢されている。従って、プレスによる圧力がなくなると、変換部材は図13における右側(初期位置)へ戻されることになる。さらにバネ230の他方側は、移動制御部材240に取り付けられている。
こうして構成された応力変換装置200によれば、図13aの状態からプレス装置によって矢印Jの方向に押圧すると、変換部材220は矢印Kの方向へスライド移動する(13b)。このスライド移動によって、スライド棒30も同様に矢印Kの方向に移動する。これにより、誘導ピン20は、傾斜溝32aをスライドし、パンチ10を移動させる。このパンチ10の移動により実施例1と同様に鉄パイプ90は穿孔される。こうして鉄パイプ90の穿孔が終了し、プレス装置を開放すると、バネ230の作用によって、穿孔器具100は初期の位置に復帰される。その後、穿孔された鉄パイプ90を抜き取った後、新たな鉄パイプ90を挿入して再度プレス装置を起動すれば、同様に鉄パイプに貫通孔を穿設することができる。
このようにスライド棒30をプレス方向に対して直角に変換させる装置を使用することによって、スライド棒30の端部からプレス装置で押圧する必要がなくなり、スライド棒30より長い鉄パイプ90を使用することが可能になる。また、誘導溝として軸と角度を有する直線状の傾斜溝32aを使用すれば、パンチ10の移動ストロークを長くすることができ、パンチに必要な圧力を弱くすることができる。
なお、上述した実施例では、穿孔器具100を用いて説明したが、図14に示すように、パンチ10の端面が凸状の形状を有するパンチ10を使用すれば、鉄パイプ90の側壁を突出させた膨出部を形成することができる。
また、上述した実施例では、誘導溝として弧状溝32又は傾斜を有する傾斜溝32aを用いて説明したが、誘導溝は、円筒治具の軸と平行する直線状の長孔以外であれば、その溝の形状は限定するものではない。図15の32bに示すように、一部が直線で途中から弧状に形成された誘導溝32bを使用すれば、パンチ10の移動開始時期を遅らせることができる。さらに、誘導溝の形状は、図15に示すように、誘導溝32a、32bのように、異なる形状の誘導溝用いることで、パンチ10の移動ストロークや移動開始時期をコントロールすることができる。
また、上述した実施例では、パンチ10及び誘導ピン20の角度を90°ずつずらして配置したが、これに限定されるものではなく、要求される製品に応じて任意の角度で穿設することができるように、任意の角度で設置できるようにスライド棒30及び鉄パイプ用治具40を作製することができる。また、それぞれの設置する位置も等間隔である必要はなく、任意の間隔で配置することができる。
また、上述した実施例では、ダイの形状として矩形のものを使用したが、これに限定するものではなく、円筒形や多角形等であってもよい。
上述した実施形態で示すように、鉄パイプ等の筒状ワークを内側から加工する加工器具として、産業上利用可能である。
10…パンチ、11…ピン挿入用貫通孔、12…端辺、20…誘導ピン、23a…傾斜溝、30…スライド棒、31…長孔溝、32…弧状溝、32a…傾斜溝、32b…誘導溝、40…鉄パイプ用治具、41…円筒治具、42…台座、43…パンチ用案内孔、44…誘導ピン規制孔、45…台座貫通孔、46…台座貫通孔、50…ダイ、51…筒状ワーク挿入孔、52…ダイ孔、53…ダイ固定用穴、60…ボルト、90…鉄パイプ、91…スクラップ、100…穿孔器具、200…応力変換装置、210…被押圧部材、211…被押圧面、212…変換部材押圧部、213…傾斜面、220…変換部材、221…摺動面、230…バネ、240…移動制御部材、241…制御棒、242…固定部材、250…ベースプレート。

Claims (6)

  1. パイプ、管等の筒状ワークの周壁を内側から加工する加工器具において、
    柱状の誘導部材と、
    端部に加工部を有する柱状に形成され、前記誘導部材をスライド可能なスライド孔を柱状の軸と直交する方向に形成されたパンチ部材と、
    外周壁に前記筒状ワークを配置可能な筒状に形成されてなり、前記パンチ部材の端部を案内するために周壁から反対の周壁まで貫通する案内孔と、前記誘導部材の両端を支持し、前記筒状ワークの軸方向と垂直な方向に長軸を有する長孔に形成され、前記筒状ワークの軸方向へ移動するのを防止するために周壁から反対の周壁まで貫通した規制孔とを有する筒状ワーク用冶具と、
    前記筒状ワーク用冶具の筒内を軸方向にスライド可能な柱状に形成されてなり、前記パンチ部材を収容可能な周壁から反対周壁まで貫通した長孔状の開口を有する長孔溝と、前記誘導部材を収容可能な前記長孔溝と直交する方向に貫通した長孔状の開口面を有する誘導溝と、を有するスライド部材と、を備え、
    前記長孔溝は、前記スライド部材の軸方向に延びた長孔に形成されており、
    前記誘導溝の少なくとも一部は、前記スライド部材の軸に対して角度を有しているか又は曲線であることを特徴とする加工器具。
  2. 前記誘導溝は、弧状に形成されてなることを特徴とする請求項1に記載の加工器具。
  3. 請求項1又は2に記載の加工器具において、
    柱状の誘導部材と、
    端部に加工部を有する柱状に形成され、前記誘導部材をスライド可能なスライド孔を柱状の軸と直交する方向に形成されたパンチ部材と、
    外周壁に前記筒状ワークを配置可能な筒状に形成されてなり、前記パンチ部材の端部を案内するために周壁から反対の周壁まで貫通する案内孔と、前記誘導部材の両端を支持し、前記筒状ワークの軸方向と垂直な方向に長軸を有する長孔に形成され、前記筒状ワークの軸方向へ移動するのを防止するために周壁から反対の周壁まで貫通した規制孔とを有する筒状ワーク用冶具と、
    前記筒状ワーク用冶具の筒内を軸方向にスライド可能な柱状に形成されてなり、前記パンチ部材を収容可能な周壁から反対周壁まで貫通した長孔状の開口を有する長孔溝と、前記誘導部材を収容可能な前記長孔溝と直交する方向に貫通した長孔状の開口面を有する誘導溝と、を備えたスライド部材と、
    からなる構成が複数設けてあることを特徴とする加工器具。
  4. 複数の前記誘導溝の少なくとも1つは、形状が異なることを特徴とする請求項3に記載の加工器具。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の加工器具において、
    前記筒状ワーク用冶具の外周に設置される前記筒状ワークの外周に設置されるダイ部材を備えることを特徴とする加工器具。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の加工器具を用いた筒状ワークの加工方法であって、
    筒状ワーク用治具に筒状ワークを取り付ける工程と、
    該筒状ワーク用治具のスライド部材を押圧する工程と、
    からなることを特徴とする筒状ワークの加工方法。
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