以下、図面を参照して本発明の最良の実施形態について詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、トナーディスプレイ方式の電子ペーパーに対して本発明を適用した場合の実施形態である。
[1.本発明の原理]
初めに、本発明の実施形態について具体的に説明する前に、本発明の原理について説明する。
なお、以下は、単純マトリクス方式による駆動方法、静電結合方式による従来の駆動方法、及び本発明による駆動方法について説明するが、これらに共通して、駆動回路は、9本の走査線線X1〜X9と9本のデータ線Y1〜Y9とで構成され、9×9のマトリクス構造を有しているものとする。そして、走査線とデータ線との各交点には夫々一対の画素電極が形成されており、各画素電極は1個の画素に対応しているものとする。そして、表示素子は、画素ごとに白または黒を表示するモノクロディスプレイ素子であり、当該表示素子の画素の書き換え(例えば、白から黒に表示状態を変える)を行うために印加する電圧(表示電圧)をVr[V]とする。
以下の説明では、走査線X1〜X9とデータ線Y1〜Y9の交点に形成される画素の位置を、夫々の走査線とデータ線の符号を用いて表すこととし、例えば、走査線X1とデータ線Y1の交点にある画素の位置を示す場合には、座標(X1,Y1)と表すこととする。そして、以下の説明では、夫々の駆動方法ごとに、座標(X1,Y1)の画素の書き換えを行う場合と、書き換えを行わない場合について説明する。
[1.1 単純マトリクス方式における駆動方法]
先ず、比較のために、単純マトリクス方式における駆動方法の一例について、図12乃至図14を用いて説明する。
図12は、単純マトリクス方式における駆動回路の一例を簡略化した模式図である。
図12に示すように、駆動回路30は、9本の走査線X1〜X9と、9本のデータ線Y1〜Y9とで構成され、9×9のマトリクス構造を有している。また、図示はしないが、夫々の走査線の一端には、当該走査線に電圧を印加する駆動手段としてのスキャンドライバが接続され、夫々のデータ線の一端には、当該データ線に電圧を印加する駆動手段としてのアドレスドライバが接続されており、全体で9+9=18個のドライバが接続されている。
(A)正電圧のみを組み合わせた場合
図13は、単純マトリクス方式における各走査線及びデータ線並びに各画素に印加される電圧の一例を示す図であり、(a)は座標(X1,Y1)の画素の書き換えを行う場合であり、(b)は書き換えを行わない場合である。
ここで、座標(X1,Y1)の画素に対する書き込みを行うために、例えば、走査線X1に0[V]を印加して、走査線X1上の各画素を走査するとともに、データ線Y1にVr[V]を印加する。また、走査線X2〜X9には夫々1/2Vr[V]を印加する。なお、データ線X2〜X9に対しては、座標(X1,Y2)〜(X1,Y9)の各画素を書き換える場合にはVr[V]を印加し、書き換えない場合は0[V]を印加するが、ここでは0[V]を印加するものとする。そうすると、各画素には、図13(a)に示すような電圧が印加される。つまり、座標(X1,Y1)に対してはVr[V]、つまり表示電圧が印加されるので、当該座標の画素の書き換えが発生する。また、走査線X2〜X9上の各画素に対しては夫々1/2Vr[V]または−1/2Vr[V]の半選択電圧が印加される。
一方、座標(X1,Y1)の画素に対して書き込みを行わない場合には、データ線Y1も他のデータ線と同様に0[V]を印加する。そうすると、各画素には、図13(b)に示すような電圧が印加される。つまり、座標(X1,Y1)に対しては0[V]が印加されるので、当該座標の画素の書き換えは発生しない。また、走査線X2〜X9上の各画素に対しては夫々−1/2Vr[V]の半選択電圧が印加される。
このように、上記例においては、±1/2Vr[V]の半選択電圧が印加されるため、閾値電圧は、少なくとも1/2Vr[V]より高くなっている必要がある。また、上記例では、半選択電圧が印加される画素が多いが、単純マトリクス方式における走査回数は9回であり、各画素に電圧が印加される回数は9回と、比較的少ないため、コントラストに対する影響は少ないものと考えられる。なお、上記例では、走査線及びデータ線に印加する電圧は正電圧のみで済ませることができるため、回路数を簡素化することができる。
(B)正負の電圧を組み合わせた場合
図14は、単純マトリクス方式における各走査線及びデータ線並びに各画素に印加される電圧の他の例を示す図であり、(a)は座標(X1,Y1)の画素の書き換えを行う場合であり、(b)は書き換えを行わない場合である。
座標(X1,Y1)の画素に対する書き込みを行うための他の例としては、走査線X1に−1/2Vr[V]を印加して、走査線X1上の各画素を走査するとともに、データ線Y1に1/2Vr[V]を印加する。また、走査線X2〜X9には夫々0[V]を印加し、データ線Y2〜Y9にも夫々0[V]を印加する。そうすると、各画素には、図14(a)に示すような電圧が印加される。
一方、座標(X1,Y1)の画素に対して書き込みを行わない場合には、データ線Y1も他のデータ線と同様に0[V]を印加する。そうすると、各画素には、図14(b)に示すような電圧が印加される。
このように、上記例においては、正電圧のみを組み合わせた場合と比較すると、半選択電圧が印加される回数を大幅に削減することができる。ただし、データ線及び走査線に夫々正電圧及び負電圧を印加しなければならないため、回路構成が複雑になる。
[1.2 静電結合方式における従来の駆動方法]
次に、静電結合方式における従来の駆動方法の一例について、図1、図15及び図16を用いて説明する。
図1は、静電結合方式における駆動回路20の一例を簡略化した模式図である。
図1に示すように、駆動回路20も、駆動回路30と同様に9本の走査線X1〜X9と、9本のデータ線Y1〜Y9とで構成され、9×9のマトリクス構造を有している。
駆動回路20において、9本の走査線の給電端は、3本(√9)ごとに給電端Xa1〜Xa3、Xb1〜Xb3に夫々まとめられて1ブロックを形成する。よって、9本の走査線の給電端は、両端で合わせて6個(2√9個)のブロック(給電端群の一例)に分割される。このとき、9本の走査線の一端における各ブロックは、他端における3個のブロックと1本の走査線のみを共有する。また、走査線に電圧を供給するスキャンドライバは、各ブロックの給電端Xa1〜Xa3、Xb1〜Xb3とコンデンサCsを介して静電結合される。従って、全体としては、6個のスキャンドライバが取付けられることとなる。
データ線も、上記と同様に、3本ごとに給電端Ya1〜Ya3、Yb1〜Yb3に夫々まとめられて1ブロックを形成する。よって、9本のデータ線の給電端は、両端で合わせて6個のブロック(給電端群の一例)に分割される。このとき、9本のデータ線の一端における各ブロックは、他端における3個のブロックと1本のデータ線のみを共有する。また、データ線に電圧を供給するアドレスドライバは、各ブロックの給電端Ya1〜Ya3、Yb1〜Yb3とコンデンサCaを介して静電結合される。従って、全体としては、6個のアドレスドライバが取付けられることとなる。
(A)正電圧のみの組み合わせた場合
図15は、静電結合方式の従来の駆動方法における各走査線及びデータ線並びに各画素に印加される電圧の一例を示す図であり、(a)は座標(X1,Y1)の画素の書き換えを行う場合であり、(b)は書き換えを行わない場合である。
ここで、座標(X1,Y1)の画素に対応して走査線X1に接続された画素電極の電位をVX1、給電端Xa1に印加される電位をVXa1、給電端Xb1に印加される電位をVXb1、コンデンサCsの静電容量をCsとする。当該画素電極は、コンデンサCsと静電結合しているので、電位VX1は、以下のように表すことができる。
従って、式(1)は、以下のように表すことができる。
一方、座標(X1,Y1)の画素に対応してデータ線Y1に接続された画素電極の電位をVY1、給電端Ya1に印加される電位をVYa1、給電端Yb1に印加される電位をVYb1とすると、当該画素電極は、コンデンサCaと静電結合しているので、電位VY1は、式(2)と同様、以下のように表すことができる。
座標(X1,Y1)の画素に対する書き込みを行うために、例えば、上記単純マトリクス方式と同様の考え方により、走査線X1に0[V]を印加するとともに、データ線Y1にVr[V]を印加する。具体的には、給電端Xa1と給電端Xb1に対し、同時に0[V]を印加し、給電端Ya1と給電端Yb1に対し、同時に電位Vrを印加する。また、Xa2、Xa3、Xb2及びXb3には1/2Vr[V]を印加し、Ya2、Ya3、Yb2及びYb3には0[V]を印加する。
そうすると、各画素には、図15(a)に示すような電圧が印加される。つまり、座標(X1,Y1)に対してはVr[V]が印加される。このとき、給電端Ya1と給電端Ya2にVr[V]印加すると、静電結合方式における駆動回路の構造上、データ線Y2、Y3、Y4及びY7に1/2Vr[V]が印加される。また、給電端Xa1と給電端Xb1に0[V]を印加すると、走査線X2、X3、X4及びX7に1/4Vr[V]が印加される。こうしたことから、非選択画素に対して最大3/4Vr[V]の半選択電圧が印加される。
一方、座標(X1,Y1)の画素に対して書き込みを行わない場合には、給電端Ya1及びYb1も他の給電端と同様に0[V]を印加する。そうすると、そうすると、各画素には、図15(b)に示すような電圧が印加される。
図15に示すように、上記例においては、最大3/4Vr[V]という、単純マトリクス方式と比較すると高圧な半選択電圧が印加されるため、閾値電圧をより高くしなければならない。また、−1/2Vr[V]の半選択電圧が、図15(a)では16箇所、図15(b)では36箇所の計52箇所印加されており、図15(a)及び(b)を通じて最多数印加される。つまり、全画素の書き換える際、各画素には−1/2Vr[V]の半選択電圧が夫々16〜36回印加されることとなる。そうすると、例えば、白と黒が5対5の割合の画像を表示する場合であれば、各画素には、絶対値で1/2Vr以上の半選択電圧が、夫々81回中32回程度(約4割)印加されることとなり、コントラスト低下の原因となる。
(B)正負の電圧を組み合わせた場合
図16は、静電結合方式の従来の駆動方法における各走査線及びデータ線並びに各画素に印加される電圧の他の例を示す図であり、(a)は座標(X1,Y1)の画素の書き換えを行う場合であり、(b)は書き換えを行わない場合である。
座標(X1,Y1)の画素に対する書き込みを行うための他の例として、走査線X1に−1/2Vr[V]を印加するとともに、データ線Y1に1/2Vr[V]を印加する。具体的には、給電端Xa1と給電端Xb1に対し、同時に−1/2Vr[V]を印加し、給電端Ya1と給電端Yb1に対し、同時に電位1/2Vrを印加する。また、Xa2、Xa3、Xb2及びXb3には0[V]を印加し、Ya2、Ya3、Yb2及びYb3には0[V]を印加する。そうすると、各画素には、図16(a)に示すような電圧が印加される。
一方、座標(X1,Y1)の画素に対して書き込みを行わない場合には、給電端Ya1及びYb1も他の給電端と同様に0[V]を印加する。そうすると、そうすると、各画素には、図16(b)に示すような電圧が印加される。
図16に示すように、上記例においては、正電圧のみを組み合わせた場合と比較すると、−1/2Vrの半選択電圧は印加されないようになったが、3/4Vr[V]及び1/2Vrの半選択電圧が印加される画素が増加しており、単純マトリクス方式のときほど、正負の電圧を組み合わせたことによるコントラスト向上の効果は得られないものと考えられる。
[1.3 本発明の駆動方法]
次に、図1に示す静電結合方式の駆動回路において、上記1.2の最大半選択電圧及び最多の半選択電圧を最小化するために、各給電端に印加する電圧をどのようにして求めるかを、図2を用いて説明する。
図2は、図1に示す駆動回路において、各給電端および各画素に印加される電圧を変数で示した図であり、(a)は座標(X1,Y1)の画素の書き換えを行う場合であり、(b)は書き換えを行わない場合である。
図2に示すように、給電端Xa1及びXb1に印加される電圧をVs、給電端Xa2、Xa3、Xb2及びXb3に印加される電圧をViとする。また、座標(X1,Y1)の画素を書き換える場合に、給電端Ya1及びYb1に印加される電圧をVbとし、給電端Ya2、Ya3、Yb2及びYb3に印加される電圧、及び座標(X1,Y1)の画素を書き換えない場合に、給電端Ya1及びYb1に印加される電圧をVwとする。なお、Vsが印加されるブロック、及びVbが印加されるブロックを選択ブロックと称し、Viが印加されるブロック、及びVwが印加されるブロックを非選択ブロックと称することとする。
そうすると、図2のVr、Vh1〜Vh6は、式(2)及び(3)をから、夫々以下の式で表すことができる。
また、式(11)及び式(13)に夫々式(10)を代入すると、Vh1、Vh3は、夫々以下の式で表される。
(条件1)最大半選択電圧の最小化
上記1.2で、最大半選択電圧であったVh1を低くするためには、式(11−1)より、Vbを下げるか、またはViを上げることにより、Vb−Viを0に近づける必要がある。なお、Vrは表示電圧であるため、Vrを下げることはできない(つまり、Vrは定数として扱う)。
(条件2)最多半選択電圧の最小化
上記1.2(A)で、最多の半選択電圧であった|Vh4|を低くするためには、式(14)より、|Vw−Vi|を0に近づける必要がある。
(条件3)電源数の削減
実回路において、ドライバに電圧を供給する電源数を削減するため、Vb、Vw、Vs及びViのいずれかを0[V]とする。
そこで、条件3より、Vw=0とした場合、Vs=0とした場合、及びVi=0とした場合に分けて、最大半選択電圧及び最多半選択電圧を最小化するための、Vb、Vw、Vs及びViの算出方法を以下に説明する。
(A)Vw=0とした場合
Vw=0を、式(13−1)及び(14)に代入すると、Vh3及びVh4は、夫々以下の式で表される。
条件2により、|Vi|をVw=0に近づけたいため、条件1を適用するにあたっては、Vbを下げるようにする。このとき、式(13A−1)より、Vh3は増大する傾向となる。従って、Vh1を下げつつ最大半選択電圧を最小にするためには、Vh1=Vh3が成立する必要がある。Vh1<Vh3となってしまえば、Vh3が最大半選択電圧になってしまうからである。そうすると、式(11−1)=式(13)より、Viは以下の式で表される。
上記式(21)を、式(12)及び式(14A−1)に代入すると、Vh2及びVh4は、夫々以下の式で表される。
従って、Vh1〜Vh4は、全てVbの関数として表すことができる。
(A−1)条件1を優先する場合
最多半選択電圧を最小にするためには、Vh1=|Vh4|とする。Vh1を際限なく小さくすると、Vh1<|Vh4|となり、|Vh4|が最大半選択電圧になってしまうからである。そうすると、Vh1=Vh3、式(13A−1)及び式(14A−2)より、Vb=4/5Vr,0となるが、Vb=0とすると、Vh1=Vh2=Vh3=Vh4=Vrとなるため、Vb=0による印加電圧の組み合わせは除外する。
従って、各給電端に印加すべき電圧Vb、Vr、Vs及びViは、夫々Vrを用いて以下のように表される。
また、このとき、Vh1〜Vh4に印加される電圧は、夫々Vrを用いて以下のように表される。
式(41)に示すように、最大半選択電圧は3/5Vrとなり、上記1.2における最大半選択電圧3/4Vrよりも低くすることができる。なお、最多半選択電圧も3/5Vrである。
(A−2)条件2を優先する場合
Vh1=Vh3のとき、式(11)、(15)及び(16)より、Vh2、Vh5及びVh6には以下の関係が成立する。
従って、図1(a)及び(b)を通じて、Vw−Vsの電圧が33箇所印加される。
そこで、最多半選択電圧を最小とするためには、Vh2=|Vh4|とする。Vh2>|Vh4|となると、|Vh4|より大きい電圧が33箇所印加されることとなり、最多半選択電圧を小さくすることによる効果が失われてしまうからである。そうすると、式(11−1)及び式(14A−2)より、Vb=2/3Vr,0となるが、上記(A−1)と同様の理由によりVb=0による印加電圧の組み合わせは除外する。
従って、各給電端に印加すべき電圧Vb、Vr、Vs及びViは、夫々Vrを用いて以下のように表される。
また、このとき、Vh1〜Vh4に印加される電圧は、夫々Vrを用いて以下のように表される。
式(42)に示すように、最多半選択電圧は1/3Vrとなり、上記1.2における最多半選択電圧1/2Vrよりも低くすることができる。一方、最大半選択電圧は2/3Vrとなり、条件1を優先した場合よりも高くなっているが、上記1.2における最多半選択電圧3/4Vrよりも低くなっている。
(B)Vs=0とした場合
Vs=0を、式(10)に代入すると、Vbは以下の式で表される。
上記式23を式(11)〜(14)に代入すると、Vh1〜Vh4は、夫々以下の式で表される。
ここで、条件1を適用するにあたっては、式(11B−1)より、Viを上げるようにする。このとき、条件2より、Vwも上げたい。そうすると、式(13B−1)より、Vh3は増大する傾向となる。従って、Vh1を下げつつ最大半選択電圧を最小にするためには、上記(A)の場合と同様に、Vh1=Vh3が成立する必要がある。そうすると、式(11B−1)=式(13B−1)より、Viは以下の式で表される。
上記式(24)を、式(12B−1)及び(14B−1)に代入すると、Vh2及びVh4は、夫々以下の式で表される。
従って、Vh1〜Vh4は、全てVwの関数として表すことができる。
(B−1)条件1を優先する場合
最多半選択電圧を最小にするためには、上記(A−1)と同様に、Vh1=|Vh4|とする。そうすると、Vh1=Vh3、式(13B−1)及び式(14B−2)より、各給電端に印加すべき電圧Vb、Vr、Vs及びViは、夫々Vrを用いて以下の式で表される。
また、このとき、Vh1〜Vh4は、上記(A−1)と同様に式(41)で表されることとなる。
(B−2)条件2を優先する場合
最多半選択電圧を最小にするためには、上記A−2と同様に、Vh2=|Vh4|とする。そうすると、式(12B−2)及び式(14B−2)より、各給電端に印加すべき電圧Vb、Vr、Vs及びViは、夫々Vrを用いて以下の式で表される。
また、このとき、Vh1〜Vh4に印加される電圧は、上記(A−2)と同様に式(42)で表されることとなる。
(C)Vi=0とした場合
Vi=0を、式(11−1)、(12)及び(14)に夫々代入すると、Vh1、Vh2及びVh4は、夫々以下の式で表される。
ここで、条件1を適用するにあたっては、式(11C−1)より、Vbを下げるようにする。そうすると、式(13−1)より、Vh3は増大する傾向となるが、条件2より、VwはVi=0に近づけたいため、Vwを上げることによってVh3を下げる方法はとるべきではない。従って、Vh1を下げつつ最大半選択電圧を最小にするためには、上記(A)の場合と同様に、Vh1=Vh3が成立する必要がある。そうすると、式(11C−1)=式(13−1)より、Vwは以下の式で表される。
上記式(25)を、式(14C−1)に代入すると、Vh4は、以下の式で表される。
従って、Vh1〜Vh4は、全てVbの関数として表すことができる。
(C−1)条件1を優先する場合
最多半選択電圧を最小にするためには、上記(A−1)と同様に、Vh1=|Vh4|とする。そうすると、式(11C−1)及び式(14C−2)より、各給電端に印加すべき電圧Vb、Vr、Vs及びViは、夫々Vrを用いて以下のように表される。
また、このとき、Vh1〜Vh4は、上記(A−1)と同様に式(41)で表されることとなる。
(C−2)条件2を優先する場合
最多半選択電圧を最小にするためには、上記A−2と同様に、Vh2=|Vh4|とする。 そうすると、式(12C−1)及び式(14C−2)より、各給電端に印加すべき電圧Vb、Vr、Vs及びViは、夫々Vrを用いて以下のように表される。
また、このとき、Vh1〜Vh4に印加される電圧は、上記(A−2)と同様に式(42)で表されることとなる。
(D)まとめ
以上説明したように、条件1を優先する場合、即ち、式(41)に示す電圧を各画素に印加する場合には、上記(A)〜(C)のいずれの場合であっても、Vsを基準として、Vb、Vw及びViに夫々以下の式に示す電圧を印加すれば良いことがわかる。
つまり、最大半選択電圧を最小化する場合には、表示素子上のある画素を表示するときに、当該画素に対応する画素電極に接続された走査線の給電端が属するブロック(走査線の選択ブロック)に所定電圧を印加するとともに、当該画素電極に接続されたデータ線の給電端が属するブロック(データ線の選択ブロック)にVrを、データ線の他の給電端が属するブロック(データ線の非選択ブロック)に1/5Vrを、走査線の他の給電端が属するブロック(走査線の非選択ブロック)に4/5Vrを、夫々所定電圧から相対的に印加すれば良い。
また、条件2を優先する場合、即ち、式(42)に示す電圧を各画素に印加する場合には、上記(A)〜(C)のいずれの場合であっても、Vsを基準として、Vb、Vw及びViに夫々以下の式に示す電圧を印加すれば良いことがわかる。
つまり、最多半選択電圧を最小化する場合、表示素子上のある画素を表示するときには、走査線の選択ブロックに所定電圧を印加するとともに、データ線の選択ブロックにVrを、データ線の非選択ブロックに1/3Vrを、走査線の非選択ブロックに2/3Vrを、夫々所定電圧から相対的に印加すれば良い。
ただし、上記式(43)及び式(44)に示される電圧の組み合わせは、夫々条件1及び条件2を最大限優先した場合の組み合わせであって、本発明により、各ブロックに対して印加すべき電圧の組み合わせは、これらに限られるものではなく、最大半選択電圧が、少なくとも従来の駆動方法の場合(3/4Vr)より低くなる組み合わせであれば良いのである。また、条件2を考慮するのであれば、最大半選択電圧を、従来の駆動方法の場合(3/4Vr)よりも低くするとともに、最多半選択電圧が、少なくとも従来の駆動方法の場合(1/2Vr)より低くなる組み合わせであれば良い。
また、条件1をより優先するのであれば、式(43)に示される電圧付近で組み合わせれば良いし、条件2をより優先するのであれば、式(44)に示される電圧付近で組み合わせれば良い。また、条件1と条件2との中間的な条件とするのであれば、式(43)に示される電圧と、式(44)に示される電圧との間にある電圧を組み合わせれば良い。
このように、各ブロックに印加すべき電圧としては、表示素子の閾値電圧、電圧−コントラスト特性等によって、上記条件の中から最適な組み合わせを選択すれば良いのである。
なお、条件3は、電源数の削減、計算の便宜等のために設定したのであり、式(43)及び式(44)から明らかなように、必ずしもVs、Vi、Vb及びVwのいずれかを0[V]としなければならないわけではない。
[2.実施形態]
次に、上述した原理に則った本発明に係る第1の実施形態について、図3乃至説明する。
[2.1 電子ペーパーの構成]
先ず、本実施形態に係る電子ペーパー100の構成について説明する。
図3は、本実施形態に係る電子ペーパー100の概要構成の一例を示す模式図であり、同図においては、主に配線構成を示している。
図3に示すように、電子ペーパー100は、表示素子10と、当該表示素子10上に互いに交差して配置されたN本の走査線及びM本のデータ線と、を有している。具体的に、表示素子10は、対向する透明な上側基板1及び下側基板2(詳細は後述)を有しており、上側基板1の内面上には、N本の走査線が配置され、下側基板2の内面上には、N本の走査線と直交するM本のデータ線が配置されている。即ち、電子ペーパー100は、N本の走査線X1〜XNとM本のデータ線Y1〜YMがマトリクス状に配置されてなる駆動回路50を有する。走査線X1〜XNとデータ線Y1〜YMとの交点には、夫々画素電極が形成されている。
駆動回路50において、√N本の走査線の給電端は、1本の給電端にまとめられて1ブロックを形成する。よって、N本の走査線の給電端は、両端で合わせて2√N個のブロック(給電端群の一例)に分割される。このとき、N本の走査線の一端における各ブロックは、他端における√N個のブロックと1本の走査線のみを共有する。また、走査線に電位を供給する駆動手段としてのスキャンドライバSDは、各ブロックとコンデンサCsを介して静電結合される。従って、N本の走査線全体としては、2√N個のスキャンドライバSDが取付けられることとなる。
一方、√M本のデータ線の給電端は、1本の給電端にまとめられて1ブロックを形成する。よって、M本のデータ線の給電端は、両端で合わせて2√M個のブロック(給電端群の一例)に分割される。このとき、M本のデータ線の一端における各ブロックは、他端における√M個のブロックと1本のデータ線のみを共有する。また、データ線に電圧を供給する駆動手段としてのアドレスドライバADは、各ブロックの給電端とコンデンサCaを介して静電結合される。従って、M本のデータ線全体としては、2√M個のアドレスドライバADが取付けられることとなる。
[2.2 表示素子の構造]
次に、表示素子10の構造について説明する。
図4は、表示素子10上における一つの画素の構造の一例示す断面図である。
図4に示すように、表示素子10は、対向する画素電極3及び4の間に、黒トナーBT及び白色粒子WTが封入されてなる構造を有する。後に詳しく説明するが、トナーディスプレイでは、画素電極間に印加された電圧により、帯電した黒トナーBTを画素電極間で移動させて、書き込みや書き込みの消去といった書き換えを行う。
図4において、上側基板1の内面上には、画素電極3が形成されており、下側基板2の内面上には、画素電極4が形成されている。画素電極3は、走査線と電気的に接続されており、画素電極4は、データ線と電気的に接続されている。よって、画素電極3の電位は、接続された走査線の電位となり、画素電極4の電位は、接続されたデータ線の電位となる。
また、表示素子10は、表示電圧が60[V]、閾値電圧が45[V]である。即ち、30[V]ではほとんど表示の変化は見られず、60[V]で書き換え可能な電気的特性を有している。
更に、表示素子10は、ノーマリーホワイトである。そして、黒色表示は、データ線に対し、相対的に正の電位を印加するか、走査線に対し、相対的に負の電位を印加することによって行う。また白色表示は、データ線に対し、相対的に負の電位を印加するか、走査線に対し、相対的に正の電位を印加することによって行う。
図4では、画素電極4に60、画素電極3に0の電位が夫々印加されることにより、画素電極3から画素電極4の方向に、電圧60[V]が印加されることとなる。これにより、画素電極4には正電荷が付加され、画素電極3には負電荷が付加される。
画素電極3と画素電極4の間には、黒トナーBT及び白色粒子WTが封入されている。黒トナーBTには、導電性のトナーが用いられ、白色粒子WTには、フッ化炭素などの滑りやすい微粒子が用いられる。画素電極4には、電荷輸送層6が塗布されており、この電荷輸送層6は、画素電極4の正電荷を黒トナーBTに注入する役目を有する。
画素が黒色表示を行う場合について説明する。電荷輸送層6に接触した黒トナーBTは、電荷輸送層6により正電荷を注入されることで、正に帯電する。正に帯電した黒トナーBTは、負電荷を付加された画素電極3との間にクーロン引力を有することとなるので、画素電極3に向かって移動する。もし、画素電極間に付加される電圧が低い場合には、画素電極3に付加される負電荷の量及び黒トナーBTに付加される正電荷の量は、少なくなるので、黒トナーBTは、応答するのに十分なクーロン引力を得ることができない。従って、黒トナーBTが応答するためには、画素電極間に付加される電圧の大きさを、ある一定の電圧よりも大きくする必要がある。
画素電極3まで移動した黒トナーBTは、クーロン引力によって、画素電極3に付着することとなる。
図5(a)は、画素電極3に黒トナーBTが付着したときの画素の断面図であり、図5(b)は、画素を上側基板1の上方より観察したときの平面図である。図5(b)に示すように、上側基板1の上方から見ると、画素電極3に黒トナーBTが付着することによって、画素は黒色に見える。このようにして、画素の黒色表示、即ち画素への書き込みが行われる。このとき、上側基板1の上方から見ると、画素電極3に黒トナーBTが付着することによって、画素は黒色に見える。このようにして、画素の黒色表示、即ち画素への書き込みが行われる。
ここで、画素電極間への電圧の印加を停止しても、即ち画素電極間に印加されている電圧を0[V]にしても、画素電極4には正電荷が、画素電極3には負電荷が、夫々付加された状態を保つので、黒トナーBTは、画素電極3に付着した状態を保持する。従って、画素電極間への電圧の印加を停止しても、画素は黒色表示された状態を保持する。言い換えれば、画素は書き込まれた状態を保持する。
次に、画素が白色表示を行う場合について説明する。この場合、画素電極3及び画素電極4に印加されている電圧の極性を変え、画素電極4に0、画素電極3に60の電位が夫々印加されることにより、画素電極4から画素電極3の方向に、電圧60[V]が印加されることとなる。これにより、画素電極3には正電荷が付加され、画素電極4には負電荷が付加される。
画素電極3にも、電荷輸送層5が塗布されており、この電荷輸送層5は、画素電極3の正電荷を黒トナーBTに注入する役目を有する。電荷輸送層5に接触している黒トナーBTは、電荷輸送層5により正電荷を注入されることで、正に帯電する。正に帯電した黒トナーBTは、負電荷を付加された画素電極4との間にクーロン引力を有することとなり、画素電極4に向かって移動し、画素電極4に付着することとなる。
図6(a)は、画素電極4に黒トナーBTが付着したときの画素の断面図であり、図6(b)は、画素を上側基板1の上方より観察したときの平面図である。図6(b)に示すように、上側基板1の上方から見ると、画素電極4に黒トナーBTが付着することによって、白色粒子WTのみが視認されるので、画素は白色に見える。この場合も、黒トナーBTは、応答するための十分なクーロン力を得る必要があるので、画素電極間に付加される電圧の大きさは、ある一定の電圧よりも大きくされる必要がある。このとき、上側基板1の上方から見ると、画素電極4に黒トナーBTが付着することによって、白色粒子WTのみが視認されるので、画素は白色に見える。このようにして、画素の白色表示、即ち書き込みの消去が行われる。
ここで、画素電極間への電圧の印加を停止しても、即ち、画素電極間に印加されている電圧を0[V]にしても、画素電極4には負電荷が、画素電極3には正電荷が、夫々付加された状態を保つので、黒トナーBTは、画素電極4に付着した状態を保持する。従って、画素電極間への電圧の印加を停止しても、画素は、白色表示された状態を保持する。
以上説明したように、表示素子10は、画素電極3及び4の間に表示電圧が印加されることにより、当該電極に対応する画素が表示され(表示状態が書き換えられ)、表示電圧の印加停止後も、その表示状態を保持するのである。
なお、本実施形態においては、表示素子10にトナーディスプレイを適用したが、その他の電子ペーパー、例えば、ツイスティングボールディスプレイ、マイクロカプセル型電気泳動ディスプイレイ、電子分流体式ディスプイレイ、コレステリック液晶ディスプレイ等のメモリ性を有する表示装置に適用しても良い。
[2.3 各ブロックに対して印加する電圧の組み合わせ]
次に、スキャンドライバSD及びアドレスドライバADにより、駆動回路50の各ブロックに印加する電圧の組み合わせについて、図7を用いて説明する。なお、説明の便宜のため、電子ペーパー100の駆動回路50は、特に断りが無い限り、図1に示す構成を有するものとして、以下説明する。
本実施形態においては、最大半選択電圧を最小化することを優先し(条件1を優先)、上記1.3(D)で説明した、式(43)の組み合わせで各ブロックに電圧を印加するものとする。ここで、電源数の削減のため、走査線の選択ブロックに印加する電圧Vsを0[V]とする。従って、データ線の選択ブロックに印加する電圧Vbは、表示電圧である60[V]となり、データ線の非選択ブロックに印加する電圧Vwは12[V]となり、走査線の非選択ブロックに印加する電圧Viは48[V]となる。
図7は、本実施形態に係る駆動回路50において、各給電端および各画素に印加される電圧の一例を示した図であり、(a)は座標(X1,Y1)の画素の書き換えを行う場合であり、(b)は書き換えを行わない場合である。
上記の組み合わせで各ブロックに電圧を印加した場合には、図7に示すように、最大半選択電圧は36[V]となり、最多半選択電圧は−36[V]となる。このように、最大半選択電圧は、従来の方法の場合(45[V])と比較すると、大幅に低下している。一方、最多半選択電圧は、従来の方法の場合(−30[V])よりもその絶対値が高くなっている。従って、本実施形態における印加電圧の組み合わせは、例えば、閾値電圧は低いが、半選択電圧に対してコントラストの低下が生じにくい表示素子に有効である。
また、各ブロックに印加する電圧を、正電圧のみの組み合わせとしたため、回路数を簡素化することができる。
[2.4 駆動回路における駆動シーケンス]
次に、駆動回路50における駆動シーケンスについて、当該駆動回路は図1に示す構成を有するものとして、図8及び図9を用いて説明する。
図8は、表示素子10における画像の表示例であり、同図が示す表示例では、Y1〜Y3、及びY7〜9の列は黒色表示、Y4〜Y6の列は白色表示となっている。また、図9は、図8の画像を表示する場合における駆動回路50の駆動シーケンスを示す図である。図9の駆動シーケンスは、駆動回路50における走査線の給電端Xa1〜Xa3、Xb1〜Xb3夫々に印加される電圧の大きさと、データ線の給電端Ya1〜Ya3、Yb1〜Yb3夫々に印加される電圧の大きさを示している。
まず、最初の期間T1では、表示素子10に対し、以前の表示内容を消去し、表示パネル内の電荷保持状態を均一化するリフレッシュ動作を行う。電荷保持状態の均一化のためには、通常の書き込み電圧よりも高い電圧を、画素電極間に印加するのが効果的であるので、60〜100[V]の正の電圧を有するパルス電圧を、リフレッシュパルスとして、走査線とデータ線に交互に複数回、印加する必要がある。最終的な表示を白色表示とするために、最後は走査線にリフレッシュパルスを印加して、リフレッシュ動作を終了する。具体的には、例えば100[V]のリフレッシュパルスを画素電極間に印加して、白色表示、黒色表示、白色表示の順に表示させる場合には、図9に示すように、走査線の給電端Xa1〜Xa3、Xb1〜Xb3に対し、同時に100[V]の電圧を有するリフレッシュパルスを印加して白色表示を行う。その後、データ線の給電端Ya1〜Ya3、Yb1〜Yb3に対し、同時に100[V]の電圧を有するリフレッシュパルスを印加して黒色表示を行う。さらにその後、走査線の給電端Xa1〜Xa3、Xb1〜Xb3に対し、同時に100[V]の電圧を有するリフレッシュパルスを印加して白色表示を行う。このように、走査線およびデータ線夫々に、通常の書き込み電圧よりも高い電圧を交互に印加することで、表示パネル内の電荷保持状態を均一化することのできるリフレッシュ動作を行うことができる。
次の期間T2では、座標(X1,Y1)の画素に書き込みを行う。画素に書き込みを行うためには、閾値電圧45[V]よりも高い電圧を画素電極間に印加する必要があり、図9の駆動シーケンスでは、先に述べた電気的特性を基に、画素電極間に60[V]の電圧を印加することにより、画素への書き込みが行われる。本実施形態に係る電子ペーパー100では、画素電極間に60[V]の電圧を印加するために、走査線X1に0[V]の電位を印加し、データ線Y1に60[V]の電位を印加する。具体的には、走査線X1に0[V]の電位を印加するために、走査線の給電端Xa1、Xb1に対し、同時に0[V]の電圧を印加する。更に、それと同時に、データ線Y1に60[V]の電位を印加するために、データ線の給電端Ya1、Yb1に対し、同時に60[V]の電圧を有するパルス電圧を印加する。これにより、座標(X1,Y1)の画素における画素電極間に60[V]の電圧が印加され、画素への書き込みが行われる。また更に、これらと同時に、走査線の給電端Xa2、Xa3、Xb2及びXb3に対し、同時に48[V]の電圧を有するパルス電圧を印加し、データ線の給電端Ya2、Ya3、Yb2及びYb3に対し、同時に12[V]の電圧を有するパルス電圧を印加する。これにより、表示素子10全体としては、各画素に上記図7(a)に示す電圧が印加されることとなる。例えば、座標(X2,Y1)の画素における画素電極間に36[V]の最大半選択電圧が印加され、座標(X5,Y5)の画素における画素電極間に−36[V]の最多半選択電圧が印加されるが、いずれも、閾値電圧よりも低いため、画素への書き込みは行われない。なお、これらのパルスの幅の最適値は、印加電圧の大きさや、上側基板1と下側基板2の間の幅、1画素当たりの電荷量、直列に接続するコンデンサの容量などから決められる。
期間T3では、座標(X1,Y2)の画素に書き込みを行う。具体的には、走査線の給電端Xa1、Xb1に対し、同時に0[V]の電圧を印加するとともに、それと同時に、データ線の給電端Ya1、Yb2に対し、同時に60[V]の電圧を有するパルス電圧を印加する。これにより、座標(X1,Y2)の画素における画素電極間に60[V]の電圧が印加され、画素への書き込みが行われる。また更に、これらと同時に、走査線の給電端Xa2、Xa3、Xb2及びXb3に対し、同時に48[V]の電圧を有するパルス電圧を印加し、データ線の給電端Ya2、Ya3、Yb1及びYb3に対し、同時に12[V]の電圧を有するパルス電圧を印加する。
期間T4では、座標(X1,Y3)の画素に書き込みを行う。具体的には、走査線の給電端Xa1、Xb1に対し、同時に0[V]の電圧を印加するとともに、それと同時に、データ線の給電端Ya1、Yb3に対し、同時に60[V]の電圧を有するパルス電圧を印加する。これにより、座標(X1,Y3)の画素における画素電極間に60[V]の電圧が印加され、画素への書き込みが行われる。また更に、これらと同時に、走査線の給電端Xa2、Xa3、Xb2及びXb3に対し、同時に48[V]の電圧を有するパルス電圧を印加し、データ線の給電端Ya2、Ya3、Yb1及びYb2に対し、同時に12[V]の電圧を有するパルス電圧を印加する。
以上に述べた期間T2〜T4における動作によって、走査線X1とデータ線Y1〜Y3の交点にある画素の表示が終了する。
期間T5では、走査線X1とデータ線Y4〜Y6の交点にある画素の書き込みは行わない。具体的には、まず、座標(X1,Y4)の画素への書き込みは行わないので、走査線の給電端Xa1、Xb1に対し、同時に0[V]の電圧を印加する。また、それと同時に、走査線の給電端Xa2、Xa3、Xb2及びXb3に対し、同時に48[V]の電圧を有するパルス電圧を印加する。また更に、これらと同時に、走査線Ya1〜Ya3及びYb1〜Yb3に対し、同時に12[V]の電圧を有するパルス電圧を印加する。その結果、表示素子10全体としては、各画素に上記図7(b)に示す電圧が印加されることとなる。これにより、座標(X1,Y4)の画素における画素電極間には12[V]の半選択電圧が印加されるが、閾値電圧よりも低いため、画素への書き込みは行われない。そして、この動作を、データ線Y5及びY6についても繰り返す。これにより、走査線X1とデータ線Y4〜Y6の交点にある画素の表示が終了する。
期間T6では、走査線X1とデータ線Y7〜Y9の交点にある画素への書き込みが行われる。具体的には、まず、座標(X1,Y7)の画素に書き込みを行う。走査線の給電端Xa1、Xb1に対し、同時に0[V]の電圧を印加するとともに、それと同時に、データ線の給電端Ya3、Yb1に対し、同時に60[V]の電圧を有するパルス電圧を印加する。これにより、座標(X1,Y7)の画素における画素電極間に60[V]の電圧が印加され、画素への書き込みが行われる。また更に、これらと同時に、走査線の給電端Xa2、Xa3、Xb2及びXb3に対し、同時に48[V]の電圧を有するパルス電圧を印加し、データ線の給電端Ya1、Ya2、Yb2及びYb3に対し、同時に12[V]の電圧を有するパルス電圧を印加する。そして、データ線Y8及び〜Y9についても、期間T3〜T4までの動作と同様の動作を繰り返す。これにより、走査線X1とデータ線Y7〜Y9の交点にある画素への書き込みが行われる。
期間T7では、走査線X2とデータ線Y1〜Y9の交点にある画素の表示が行われる。
具体的には、まず、座標(X2,Y1)の画素に書き込みを行う。走査線X2に0[V]の電位を印加するために、走査線の給電端Xa1、Xb2に対し、同時に0[V]の電圧を印加する。さらに、それと同時に、データ線Y1に60[V]の電位を印加するために、データ線の給電端Ya1、Yb1に対し、同時に60[V]の電圧を有するパルス電圧を印加する。これにより、座標(X2,Y1)の画素における画素電極間に60[V]の電圧が印加され、画素への書き込みが行われる。また更に、これらと同時に、走査線の給電端Xa2、Xa3、Xb1及びXb3に対し、同時に48[V]の電圧を有するパルス電圧を印加し、データ線の給電端Ya2、Ya3、Yb2及びYb3に対し、同時に12[V]の電圧を有するパルス電圧を印加する。そして、データ線Y2〜Y9についても、期間T3〜T6までの動作と同様の動作を繰り返す。これにより、走査線X2とデータ線Y1〜Y9の交点にある画素の表示が終了する。
期間T8では、走査線X3に0[V]の電位を印加するために、走査線の給電端Xa1、Xb3に対し、同時に0[V]の電圧を印加し、走査線の給電端Xa2、Xa3、Xb1及びXb2に対し、同時に48[V]の電圧を有するパルス電圧を印加する。そして、データ線Y1〜Y9について、期間T2〜7までの動作と同様の動作を繰り返す。これにより、走査線X3とデータ線Y1〜Y9の交点にある画素の表示が終了する。
以上に述べた期間T2〜T8における動作と同様の動作を、走査線X4〜X9についても繰り返すことにより、全画素の表示を行うことができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、表示素子10上のある画素を表示するときには、スキャンドライバSD及びアドレスドライバADが、当該画素に対応する画素電極間に表示電圧が印加されるような電圧を走査線及びデータ線の選択ブロックに印加するとともに、他の電極間に印加される半選択電圧の絶対値の最大がより低くなるような電圧を、走査線及びデータ線の非選択ブロックに印加するので、非選択画素に印加される半選択電圧がより低くなり、表示画像のコントラスト低下や誤選択等の問題を改善することができる。
また、スキャンドライバSDが、走査線の選択ブロックに0[V]を印加するとともに、アドレスドライバADが、データ線の選択ブロックに表示電圧である60[V]を、データ線の非選択ブロックに12[V]を、スキャンドライバSDが、走査線の非選択ブロックに48[V]を、夫々印加するようにしたので、最大半選択電圧の絶対値を、最小限である−36[V]に抑えることができる。
[2.5 変形例1]
次に、本実施形態に係る第1の変形例について、図10を用いて説明する。
上述した実施形態においては、最大半選択電圧を最小化することを優先していたが、本変形例においては、最多半選択電圧を最小化することを優先し(条件2を優先)、上記1.3(D)で説明した、式(44)の組み合わせで各ブロックに電圧を印加するものとする。ここで、本変形例においても、電源数の削減のため、走査線の選択ブロックに印加する電圧Vsを0[V]とする。従って、データ線の選択ブロックに印加する電圧Vbは、表示電圧である60[V]となり、データ線の非選択ブロックに印加する電圧Vwは20[V]となり、走査線の非選択ブロックに印加する電圧Viは40[V]となる。
図10は、本実施形態の変形例1に係る駆動回路50において、各給電端および各画素に印加される電圧の一例を示した図であり、(a)は座標(X1,Y1)の画素の書き換えを行う場合であり、(b)は書き換えを行わない場合である。
上記の組み合わせで各ブロックに電圧を印加した場合には、図10に示すように、最大半選択電圧は40[V]となり、上記実施形態における半選択電圧(36[V])よりは高くなっているが、従来の方法(45[V])と比較すると、十分に低下している。また、最多半選択電圧は−20[V]となり、従来の方法の場合(−30[V])と比較すると、その絶対値は大幅に低下している。従って、本変形例における印加電圧の組み合わせは、例えば、半選択電圧に対してコントラストの低下が生じやすい表示素子に有効である。
以上説明したように、本変形例によれば、スキャンドライバSD及びアドレスドライバADは、表示対象の画素に対応する画素電極間に表示電圧が印加されるような電圧を走査線及びデータ線の選択ブロックに印加するとともに、他の電極間に印加される半選択電圧の絶対値の最大及び最多印加される半選択電圧の絶対値が、ともに低くなるような電圧を、走査線及びデータ線の非選択ブロックに印加するので、非選択画素に印加される半選択電圧がより低くなり、表示素子10の特定によっては、上記実施形態の場合よりも表示画像のコントラスト低下や誤選択等の問題を改善することができる。
また、スキャンドライバSDが、走査線の選択ブロックに0[V]を印加するとともに、アドレスドライバADが、データ線の選択ブロックに表示電圧である60[V]を、データ線の非選択ブロックに20[V]を、スキャンドライバSDが、走査線の非選択ブロックに40[V]を印加するようにしたので、最大半選択電圧を、従来よりも低い40[V]に抑えることができるとともに、最多半選択電圧を、従来よりもその絶対値が低い−20[V]に抑えることができる。
[2.6 変形例2]
次に、本実施形態に係る第2の変形例について、図11を用いて説明する。
上述した実施形態に係る駆動回路50においては、その走査線及びデータ線の両側にコンデンサを接続して、スキャンドライバSD及びアドレスドライバADと静電結合するように構成していたが、本変形例においては、走査線については、片側のみにコンデンサを接続して、スキャンドライバSDと静電結合した場合について説明する。
図11は、本実施形態の変形例2に係る駆動回路60の概要構成の一例を簡略化した模式図である。
図11に示すように、走査線X1〜X9は、夫々の左端の給電端がコンデンサCsを介して、3本単位で給電端Xa1〜Xa3にまとめられて夫々のブロックを形成する。また、走査線X1〜X9は、コンデンサCsの右方において、夫々分岐して、コンデンサCsを介して、3本単位で給電端Xb1〜Xb3にまとめられて夫々のブロックを形成する。一方、走査線X1〜X9の右端の給電端は開放となっており、コンデンサ及びスキャンドライバとは接続されていない。
図11から明らかなように、駆動回路60においても、上記実施形態と同様、9本の走査線の給電端は、片側のみで合わせて6個のブロックに分割され、また、9本の走査線のコンデンサCsの左方における各ブロックは、その右方における3個のブロックと1本の走査線のみを共有する。また、走査線に電圧を供給するスキャンドライバSDは、各ブロックの給電端Xa1〜Xa3、Xb1〜Xb3とコンデンサCsを介して静電結合される。従って、全体としては、6個のスキャンドライバSDが取り付けられることとなる。
つまり、駆動回路60は、駆動回路50の走査線を右端で折り返して重ね合わせたものとも考えれば良く、両者の電気的特性は基本的に等価である。
従って、本変形例によって、上記実施形態と同様の組み合わせによって各ブロックに電圧を印加しても、上記実施形態の場合と同様の効果を奏することができる。
なお、本変形例と同様にして、データ線についても、片側のみコンデンサを接続するようにしても良い。