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JP4945993B2 - 非水電解液電池 - Google Patents
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Description

本発明は、正極にフッ化炭素を主成分とする正極合剤を金属製の芯材に保持して成型した極板を用いた非水電解液電池に関するものである。
負極にリチウム金属またはリチウム合金を用いる非水電解液電池は、エネルギー密度が高く、また、小型化・軽量化が可能であることから、各種電子機器の主電源やメモリーバックアップ用電源など様々な用途に使用されている。特に正極にフッ化炭素を用いた非水電解液一次電池は長期信頼性に優れており、ガスマイコンメータ等の長期信頼性の要求される機器の主電源として使用されてきた。この様な長期に渡って使用される電池においては、電池の内部短絡による発熱などを避けなければならないのはもちろんのこと、微少な内部短絡による放電容量の消耗も防ぐ必要がある。
一方機器の高機能化に伴う高負荷化に対応するため、反応面積を増やす手段として正極合剤を金属製の芯材などに保持し、シート状に成型した長尺状の正極板を、セパレータを介して同じく長尺状に成型した負極板と積層して渦巻状に巻回して電極群とする構成がとられる。しかしながらこの様にして構成してなる電池においては、正極板の加工時などに正極板の切断端面に発生する金属製の正極芯材のバリがセパレータを貫通して負極に接触して内部短絡の原因になり易かった。
そこで、特許文献1では、一方の極板の幅を他方の極板の幅よりも小さくし、かつその小幅な極板の芯材を極板よりも小形とし、バリの発生している可能性のある両極板の切断端面が、極力対向しないように構成することにより信頼性を向上することが提案されている。この際、負極板の幅を正極板の幅よりも小幅とした場合では、正極板の端面に負極板を極力対向させないようにして正極芯材のバリによる内部短絡を防止する。さらに、構成時のずれや極板の蛇行などにより正極板の切断端面が負極板と対向したとしても、正極芯材のバリが負極板の芯材に触れることはなく、接触部の負極活物質が局部的な短絡反応により消耗すればこの接触は容易に解消され微少な内部短絡にとどめることが可能になる。
また、正極板の幅を負極板の幅よりも小幅とした場合では、正極芯材は正極板よりも小形とされ正極芯材の切断バリが正極板の切断端面より露出してセパレータを突き抜け対向する負極板との間で内部短絡を発生することはない。
特公昭53−32851号公報
しかしながら負極板の幅を正極板の幅よりも小幅とすると、極板群構成時の幅方向のずれや極板の蛇行などにより、正極板の切断端面のバリが負極板と対向し、正極板の切断端面のバリがセパレータを突き抜け対向する負極板との間で内部短絡を発生する場合がある。特許文献1では微少な内部短絡にとどめることが可能になるとしているが、長期に渡って使用される電池においては微少な内部短絡による放電容量の消耗も防ぐ必要がある。
また、正極板の幅を負極板の幅よりも小幅とした場合では、正極芯材は正極板よりも小形とされ正極芯材の切断バリが正極板の切断端面より露出することはないとしているが、正極板端面の正極合剤が欠けてしまうと正極芯材が露呈しセパレータを突き抜け対向する負極板との間で内部短絡を発生するという課題があった。
前記課題を解決するために、本発明では正極にフッ化炭素を有し、負極にリチウム金属またはリチウム合金を有した非水電解液電池において、フッ化炭素を含む正極活物質を金属製の芯材に充填あるいは塗工してシート状に成型してなる正極板の幅がリチウム金属またはリチウム合金の箔を所定の寸法に切断してなる負極板の幅よりも大きく、前記正極板の芯材幅が正極板幅よりも小さく、さらに正極中に含まれる結着剤の配合比がフッ化炭素を100としたときの重量比で13以上であることを特徴とする。
これらにより極板群の構成時の幅方向のずれや極板の蛇行などにより正極板の切断端面が負極板と対向した場合でも、正極芯材が正極板の切断端面から露出していない為、金属製の正極芯材のバリがセパレータを突き抜け対向する負極板との間で内部短絡を発生することがなく、さらに正極板を加工してから電池に構成した後も正極板端面の正極合剤が欠ける事のない十分な結着力が得られるため正極芯材が露呈しセパレータを突き抜け対向する負極板との間で内部短絡を発生することがなくなる。
本発明の構成によれば、極板群の構成時の幅方向のずれや、極板の蛇行などにより正極板の切断端面が負極板と対向した場合でも、正極芯材が正極板の切断端面から露出しておらず、さらに正極板端面の正極合剤が欠ける事がないため、金属製の正極芯材のバリがセパレータを突き抜け対向する負極板との間で内部短絡を発生することがない高信頼性電池が得られる。
本発明は正極にフッ化炭素を有し、負極にリチウム金属またはリチウム合金を有した非水電解液電池において、フッ化炭素を含む正極活物質を金属製の芯材に充填あるいは塗工してシート状に成型してなる正極板の幅がリチウム金属またはリチウム合金の箔を所定の寸法に切断してなる負極板の幅よりも大きく、前記正極板の芯材幅が正極板幅よりも小さく、さらに正極中に含まれる結着剤の配合比がフッ化炭素を100としたときの重量比で13以上であることを特徴とし、極板群の構成時の幅方向のずれや、極板の蛇行などにより正極板の切断端面が負極板と対向した場合でも、正極芯材が正極板の切断端面から露出しておらず、さらに正極板端面の正極合剤が欠ける事がないため、金属製の正極芯材のバリがセパレータを突き抜け対向する負極板との間で内部短絡を発生することがない高信頼性電池が得られることを見出したものである。
なお、結着剤の配合比を多くし過ぎると電池容量の低下を引き起こすことになる。
以下、本発明の好ましい実施形態について図を用いて説明する。
図1は本発明の正極板1の一例を示すもので、正極合剤2はフッ化炭素を主成分とし、結着剤の配合比をフッ化炭素を100とした時の重量比で13以上としてある。この正極合剤2は正極芯材3に充填・塗工されてシート状に成型された後、所定の寸法に切断されている。正極芯材3には主にSUS、アルミおよびチタンなどの金属製の箔、ラスメタルおよびパンチングメタルなどが用いられる。
ここで正極芯材3の切断端面は正極板1の切断端面(=正極合剤2の切断端面)よりも露出していない。つまり正極芯材3の幅は正極板1の幅よりも小さくなっている。この手法としては、正極板1を一旦単板に切断した後、更に所定の寸法まで圧延することにより正極合剤2が金属製の正極芯材3の切断端面を覆うように伸びるため、正極芯材3の切断端面が正極合剤2の切断端面から露出していない正極板1が得られる手法がある。また、正極板1を所定の寸法に切断する際にレーザーなどの熱溶断を用いることにより、金属製
の正極芯材3は切断時に端面が溶融し表面張力により球状となり、鋭利なバリで無くなると共に切断寸法よりも短くなり正極芯材3の切断端面が正極合剤2の切断端面から露出していない正極板1が得られる手法などがある。
正極集電体4は正極芯材3に電気的に固定されている。
図2は負極板5の一例を示すものである。負極活物質6はリチウム金属またはLi−Al、Li−Si、Li−SnおよびLi−Pbなどのリチウム合金であり、負極板5の幅は正極板1の幅よりも小さくなるように切断されている。これらの負極活物質6は金属または合金であるため、導電性を付与する為の金属製の芯材を別途要しないと同時に、軟質性金属であるため切断時に生じたバリがセパレータを突き破り内部リークの原因となることがない。負極集電体7は芯材を兼ねる負極活物質6に電気的に固定されている。
(実施例1)
(1)正極の作製
正極は活物質としてフッ化炭素を、導電剤としてアセチレンブラックを、結着剤としてポリテトラフルオロエチレンのディスパージョン(固形分60%)を用い、これらを重量比で100:10:13(固形分)の割合で混合し、正極合剤2を得た。この正極合剤2をSUS444薄板からなる正極集電体4を溶接したSUS444ラスメタルからなる正極芯材3に充填成型した後、切断し一旦幅22.5mm長さ199.5mmの単板とした。その後圧延することにより厚み0.3mm幅23mm長さ200mmとし、正極芯材3の切断端面が正極合剤2の切断端面から露出していない正極板1を得た。これを110℃で12時間乾燥して用いた。
(2)負極の作製
負極は負極活物質6として厚さ0.16mmの金属リチウム箔を用い、幅21mm長さ220mmに切断し、ニッケル金属板からなる負極集電体7を圧着し負極板5とした。
(3)セパレータの作製
セパレータとしては、厚さ0.06mmのポリエチレン製不織布を幅25mm長さ560mmに裁断して用いた。
(4)非水電解液の作製
非水電解液としては、溶媒であるγ―ブチルラクトンに溶質としてホウフッ化リチウム(LiBF4)を1モル/リットルの濃度で溶解し非水電解液とした。
(5)円筒形非水電解液一次電池の作製
前記正極、負極、セパレータ及び非水電解液を用いて外径φ17mm高さ33.5mmの円筒形非水電解液電池を作製した。その断面図を図3に示す。
正極板1と負極板5とを、セパレータ8を介して積層し、渦巻状に巻回して極板群としたものを、負極端子を兼ねるケース9内に収納した後、負極集電体7とケース9とを抵抗溶接した。正極集電体4と封口板10とを抵抗溶接した後、非水電解液を3g注液し封口板10とケース9とをガスケット11を介してカシメ封口した。
なお極板群を構成する際、正極板1の切断端面が負極板5に対向するように構成した。これにより正極板1の切断端面に正極芯材3の切断端面に発生する金属製のバリが露出していた場合、内部短絡を起こし易くなり、本発明の効果が分かり易くなる。
こうして本発明の実施例1の円筒形の非水電解液一次電池を作製した。
(実施例2)
結着剤の配合比を重量比でフッ化炭素100に対して20(固形分)とした正極合剤2を用いた正極板1を用いて作製した以外は実施例1と同様の円筒形非水電解液一次電池を作製し実施例2の電池とした。
(比較例1)
正極板1作製の際に、切断後の圧延を行わず、正極芯材3の切断端面が正極合剤2の切断端面から露出している正極板1を用いる以外は実施例1と同様の円筒形非水電解液一次電池を作製し、比較例1の電池とした。
(比較例2)
結着剤の配合比を重量比でフッ化炭素100に対して7(固形分)とした正極合剤2を用いた正極板1を用いて作製した以外は実施例1と同様の円筒形非水電解液一次電池を作製し、比較例2の電池とした。
(比較例3)
結着剤の配合比を重量比でフッ化炭素100に対して10(固形分)とした正極合剤2を用いた正極板1を用いて作製した以外は実施例1と同様の円筒形非水電解液一次電池を作製し、比較例3の電池とした。
《円筒形非水電解液一次電池の評価》
以上のようにして作製した実施例1、実施例2および比較例1〜比較例3の電池について、国連輸送規定に定めるUN−Test3振動試験を行ない、その前後での開路電圧の変動を測定した。その結果を表1に示す。
表1における実施例1と比較例1との比較から明らかな様に、実施例1の電池は比較例1の電池に比べ、振動試験前後での開路電圧低下が発生しておらず、信頼性が向上していることが分かる。
比較例1の電池では正極芯材3の幅が正極板1の幅と等しく正極芯材3の切断端面が正極合剤2の切断端面から露出しているため、正極板1の切断端面が負極板5に対向するように構成した今回の試験では、金属製の正極芯材3の切断端面バリがセパレータ8を貫通して負極板5に接触して内部短絡が発生した。一方、実施例1の電池では正極板1作製の際に、一旦単板に切断した後、所定の寸法に圧延することにより正極合剤2が金属製の正極芯材3の切断端面を覆うように伸びるため、正極芯材3の切断端面が正極合剤2の切断端面から露出しておらず内部短絡が発生することがなかったと考えられる。
また、同じく本発明の実施例1の電池は、比較例2及び比較例3の電池に比べ、振動試験前後での開路電圧低下が発生しておらず、信頼性が向上していることが分かる。
比較例2及び比較例3の電池では正極板1作製の際に、一旦単板に切断した後、更に所定の寸法に圧延することにより正極合剤2が金属製の正極芯材3の切断端面を覆うように伸びるため、正極芯材3の切断端面が正極合剤2の切断端面から露出しておらず、比較例1の電池に比べれば開路電圧降下の発生率は低下している。しかし、結着剤の配合比が重量比でフッ化炭素100に対してそれぞれ7、10と小さいため、充分な結着力が得られず正極板1端面で正極合剤2の欠けが生じ、その結果正極芯材3の切断端面が露呈し、内部短絡に至っている。一方、実施例1の電池では結着剤の配合比がフッ化炭素100に対して13であり、充分な結着力が得られ、正極合剤2の欠けが生じることがなく、正極芯材3の切断端面が露呈することがなかったためと考えられる。
さらに、実施例1と2の電池共に振動試験後開路電圧降下は発生しておらず、結着剤の配合比がフッ化炭素100に対して13以上であれば充分な結着力が得られ信頼性が確保されることが分かる。
本発明にかかる、正極にフッ化炭素を主成分とする正極合剤を金属製の芯材に保持して成型した極板を用い、負極にリチウム金属またはその合金を用い、セパレータと積層して渦巻状に巻回した極板群をもつ非水電解液一次電池は、極板群の構成時の幅方向のずれや、極板の蛇行などにより正極板の切断端面が負極板と対向した場合でも、正極芯材が正極板の切断端面から露出していないため、金属製芯材のバリがセパレータを突き抜け対向する負極板との間で内部短絡を発生することがない高信頼性電池を得ることが可能となるため、その産業的価値は非常に大きい。
本発明の正極板の平面図 本発明の負極板の平面図 本発明の電池の断面図
符号の説明
1 正極板
2 正極合剤
3 正極芯材
4 正極集電体
5 負極板
6 負極活物質
7 負極集電体
8 セパレータ
9 ケース
10 封口板
11 ガスケット

Claims (1)

  1. 正極にフッ化炭素を有し、負極にリチウム金属またはリチウム合金を有した非水電解液電池において、フッ化炭素を含む正極活物質を金属製の芯材に充填あるいは塗工してシート状に成型してなる正極板の幅がリチウム金属またはリチウム合金の箔を所定の寸法に切断してなる負極板の幅よりも大きく、前記正極板の芯材幅が正極板幅よりも小さく、さらに正極中に含まれる結着剤の配合比がフッ化炭素を100としたときの重量比で13以上であることを特徴とする非水電解液電池。
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